特許第6190613号(P6190613)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6190613-ソーラーパネルの取付構造 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6190613
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】ソーラーパネルの取付構造
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/18 20140101AFI20170821BHJP
   E04F 13/08 20060101ALI20170821BHJP
   H02S 20/23 20140101ALI20170821BHJP
   H02S 20/22 20140101ALI20170821BHJP
   H02S 30/10 20140101ALI20170821BHJP
【FI】
   E04D13/18
   E04F13/08 ZETD
   H02S20/23 A
   H02S20/22
   H02S30/10
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-82633(P2013-82633)
(22)【出願日】2013年4月11日
(65)【公開番号】特開2014-205963(P2014-205963A)
(43)【公開日】2014年10月30日
【審査請求日】2016年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】304020328
【氏名又は名称】ケーファクトリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】鍛治 栄希
【審査官】 坪内 優佳
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−077383(JP,A)
【文献】 特開2007−224538(JP,A)
【文献】 特開2005−040449(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3165597(JP,U)
【文献】 特開2002−21233(JP,A)
【文献】 特開2010−90701(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0236162(US,A1)
【文献】 特開2013−122126(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/18
E04F 13/00−13/18
H02S 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーラーパネルの取付構造であって、
ソーラーパネルは上部側に引掛部を有し、且つ下部側に載置フレームを有し、
ソーラーパネルを取り付ける躯体側に水平方向の複数の取付フレームを相互に平行に複数段に備え、
前記上段側の取付フレームは下部側にハンガーフレームを固定してあり、前記下段側の取付フレームは上部側にソーラーパネルの下端側を載置支持する載置部を有し、
前記ハンガーフレームはソーラーパネルの取付時に、ソーラーパネルの前後方向の回動を許容しつつ、当該ソーラーパネルの引掛部の前後方向の位置決めが可能なハンガー手段を有し、
前記ソーラーパネルの引掛部は、下方向に向けて突設した引掛片であり、
前記ハンガー手段は上部にソーラーパネルの引掛片を挿入する条状の細い溝部を有し、当該溝部の下側に挿入された引掛片が前後方向に回動するのを許容する空間を有するとともに前記溝部に沿って前記引掛片が上下移動するのを許容し、
前記ソーラーパネル側の載置フレームを取付フレーム側の載置部に上方から載置すると、前記載置フレームは前後方向に位置決めされる相互の位置決め手段を有していることを特徴とするソーラーパネルの取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はソーラーパネルの躯体、架台等への取付、設置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ソーラーパネルを用いた太陽光発電システムが普及しつつある。
発電規模が大型になればそれだけ、ソーラーパネルの取付枚数も多くなり、現地でのソーラーパネルの配線作業及び固定作業等の作業性が問題となる。
例えば、特許文献1等に開示するソーラーパネルの取付構造は複雑で作業性に問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−038286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、躯体や架台等への取り付けが容易でメンテナンス性にも優れたソーラーパネルの取付構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ソーラーパネルの取付構造であって、ソーラーパネルは上部側に引掛部を有し、ソーラーパネルを取り付ける躯体側に水平方向のハンガーフレームを有し、ハンガーフレームはソーラーパネルの取付時に、ソーラーパネルの前後方向の回動を許容しつつ、当該ソーラーパネルの引掛部の前後方向の位置決めが可能なハンガー手段を有することを特徴とする。
【0006】
具体例としては、前記ソーラーパネルの引掛部は、下方向に向けて突設した引掛片であり、前記ハンガー手段は上部にソーラーパネルの引掛片を挿入する溝部を有し、当該溝部の下側に挿入された引掛片が前後方向に回動するのを許容する空間を有する例や、前記ソーラーパネルの引掛部とハンガーフレームとのうち、一方に凸部を形成し、他方に凹部を形成した枢着構造になっている例が挙げられる。
なお、本発明ではソーラーパネルの上部をハンガーフレームに引っ掛けて、下部側を取り付ける躯体等に向かって前後方向と称する。
【発明の効果】
【0007】
ソーラーパネルを前後方向に斜めに傾けて、上部をハンガーフレームに引っ掛けるために単に凹部状の溝部を設けただけの場合に、溝幅が狭いとソーラーパネルを斜めに傾けた状態で、この溝部にソーラーパネルの引掛部を引っ掛けるだけのクリアランスがなく、逆にこのクリアランスを大きくとると、取り付けたソーラーパネルが溝幅に沿って前後方向にガタ付く問題があるのに対して、本発明に係るハンガー手段はソーラーパネルの前後方向の回動を許容しつつ引掛部の前後方向の位置決めが可能になっているので、ソーラーパネルを前後方向に斜めになるように傾けて、ソーラーパネルの上部をハンガーフレームに引っ掛けた状態で、ソーラーパネルの裏側の配線作業が可能であり、且つ、ソーラーパネルを躯体等に取り付けた状態でソーラーパネルの引掛部が前後方向にガタ付くのを防止する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(a)はソーラーパネルの上部をハンガーフレームに引っ掛けた状態を示し、(b)はソーラーパネルの下部を取付フレーム側に載置固定した状態を示す。
図2】躯体の下端に位置するソーラーパネルの取付構造の例を示す。(a)はソーラーパネルの取付前、(b)は取付後を示す。
図3】平行に所定間隔毎に設けた取付フレームにソーラーパネルを取り付ける例を示す。
図4】引掛部の第2実施例を示す。
図5】引掛部の第3の実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係るソーラーパネルの取付構造例を以下図面に基づいて説明するが本発明はこれに限定されない。
図1は躯体等に取り付ける最上段側のソーラーパネルの取付断面図を示し、図2は最下段側のソーラーパネルの取付断面図を示す。
なお、中間部は図3に示すように平行に取り付けた取付フレーム間に順次ソーラーパネルを取り付ける。
図1〜3は躯体の側壁等に取り付ける例を示すが、屋根や傾斜した架台等に傾斜面状に取り付ける場合も本発明に含まれる。
【0010】
ソーラーパネル20は図3に示すように太陽光電池モジュールをパネル状に枠組みされたものが一般的である。
図1に示した実施例はソーラーパネル20の上枠21から垂下させた引掛片21aを有し、下枠22に載置フレーム22aを連結した例になっている。
この引掛片21a及び載置フレーム22aはソーラーパネルと一体的に形成しても、別部品をソーラーパネルに連結してもよい。
躯体1にはアンカーボルト2を用いて水平方向に相互に平行に複数本の取付フレーム12を図3に示すように、ナット2a等で固定してある。
取付フレーム12は下部側にハンガーフレーム11がビス等の締結部材11eを用いて固定してあり、上部側にソーラーパネル20の下端側を載置支持する載置部12aを有する。
ハンガーフレーム11は水平部11aから立設部11bを立ち上げ、その上端を内側に折り曲げた上片部11cになっていて、取付フレーム12の前面とでソーラーパネルの引掛片21aを差し込む(挿入する)溝部11dを形成してある。
従って、図1(a)に示すように、溝部11dの下部は中空部Sからなる空間が形成され、ソーラーパネル20を斜めに傾けたまま引掛片21aを差し込むことができる。
溝部11dは条状の細い溝になっていて、この溝幅は引掛片21aの板厚よりも若干大きいだけの寸法に設定してあり、ソーラーパネル20を前後方向に回動できるが、引掛片(引掛部)21aが前後方向にずれないようになっている。
溝幅Tは引掛片の板厚tより0.2〜2mm程度だけ大きいのがよく、好ましくは0.2〜1mm位がよい。
【0011】
ソーラーパネル20の下枠に取り付けた載置フレーム22aは、ソーラーパネル20の上部をハンガーフレーム11に引っ掛けた状態で、このソーラーパネル20を少し持ち上げ取付フレーム12の載置部12aに載置できるようになっている。
本実施例では立設片12b、12cを立ち上げることでその間に凹部状の載置部12aを形成した例になっている。
一方、載置フレーム22a側は垂下片22cを形成し、載置フレーム22の先端と垂下片22cとで形成した挿入幅Wが載置部12aの幅Wよりも少しだけ小さく設定してあり、載置フレーム22を取付フレーム12に載置するだけで前後方向の位置決めが可能になっている。
ソーラーパネル20は取付フレーム12を用いて図3に示すように順次取り付けることができる。
また、ソーラーパネル20を取付後に押え部材30をソーラーパネル20の上端を下側に向けて押えるようにビス31等で固定する。
これにより、多くの枚数のソーラーパネル20を設置した後に一部のソーラーパネル20を取り替えたり、配線等のメンテナンスをする場合にはこの押え部材30を取り外すだけで可能となる。
本実施例では、図1に示すように最上段のソーラーパネル20の上部に上部カバー部材13を取り付け、図2に示すように最下段の下部に下部カバー部材14を取り付けた例になっている。
【0012】
図4に第2の実施例を示す。l
本実施例は、取付フレーム12とハンガーフレーム11を一体に形成した。
ハンガーフレーム11には、ハンガー手段として断面略円形状の凸部11fを形成し、ソーラーパネル20の上枠21側に下面が断面略円形状の凹部21bを形成することで枢着してあり、引掛部の前後方向の位置決めをしつつ回動可能になっている。
また、ソーラーパネル20の下枠22に内側に延在させた支持片23を取り付けることで、ソーラーパネル20を傾斜させた状態にして取付フレーム12に対して固定できる。
また、押え部材30aにてソーラーパネルの浮き上がりを防止した。
【0013】
図5に第3の実施例を示す。
ソーラーパネル20引掛部を枢着構造にしたのは実施例2と同様であるが、上枠21の引掛凹部部材21dを樹脂製の別ピースにし、フレーム部材21cを用いて上枠21に固定するとともに上部を断面略U字形状の押え部材30bで固定し、下部は支持片24と支持フレーム25でソーラーパネルの下端部を支えるように固定した例になっている。
【符号の説明】
【0014】
1 駆体
2 アンカーボルト
11 ハンガーフレーム
11a 水平部
11b 立設部
11c 上片部
11d 溝部
12 取付フレーム
12a 載置部
20 ソーラーパネル
21 上枠
21a 引掛部
22 下枠
22a 載置フレーム
S 中空部
図1
図2
図3
図4
図5