(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記排泄位置判断部は、前記排泄情報処理部により前記ペットが排泄を行ったと判断されると、前記ペットが排泄を行った排泄時刻を前記排泄履歴データベースに更に記録し、
前記排泄予測部は、前記排泄履歴データベースに記録されている前記排泄時刻に基づいて、前記ペットの排泄周期を算出し、算出された前記排泄周期に基づき、前記ペットの次回の排泄時刻を予測し、
前記排泄予測部は、前記位置情報処理部により判断される前記ペットの位置が、前記排泄履歴データベースに記録されている前記ペットトイレ外で前記ペットが排泄を行った位置の近傍であり、かつ、予測された前記ペットの次回の排泄時刻に近づいた場合に、前記ペットが前記ペットトイレ外で排泄を行う可能性があると予測する請求項5に記載の排泄物検知システム。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(本開示に係る一態様を発明するに至った経緯)
まず、本開示に係る一態様の着眼点について説明する。
【0009】
躾が完全でないと、ペットは、居住空間内に設置されたペットトイレ以外の場所で排泄をしてしまうことがある。さらに、躾済みのペットであったとしても、前記ペットトイレが未清掃などの理由により汚れた状態であった場合、前記ペットは前記ペットトイレ以外の場所で排泄してしまう場合がある。このように、前記ペットが前記ペットトイレ以外の場所で排泄してしまった場合には、上記特許文献1に記載の技術では、前記ペットの排泄行動、もしくは、排泄物を検知することはできなかった。
【0010】
そこで、本発明者らは、上記検討を踏まえ、以下のように本開示にかかる各態様の発明を想到するに至った。本開示にかかる一態様の目的は、家庭内で飼育されているペットの排泄が、所定の位置に設置されているペットトイレ内で行われたか否かを判断し、前記ペットの排泄が前記ペットトイレ内で行われなかったと判断した場合、前記ペットの飼い主に対して報知を行うことのできる排泄物検知システム、排泄物検知方法、および、排泄物検知プログラムを提供することにある。
【0011】
以下、図面を参照して本開示にかかる一態様における実施形態を詳細に説明する前に、本開示の種々の態様について説明する。
【0012】
本開示にかかる一態様は、居住空間内に存在するペットの排泄行動の有無を表す排泄情報を取得する排泄情報取得装置と、前記居住空間内に設置されているペットトイレ内を観測して、前記ペットトイレ内に関するトイレ情報を取得するトイレ観測装置と、前記排泄情報に基づいて、前記ペットが排泄を行ったか否かを判断する排泄情報処理部と、前記トイレ情報に基づいて、前記ペットトイレ内に前記ペットが存在するか否かを判断するトイレ情報処理部と、前記排泄情報処理部により前記ペットが排泄を行ったと判断され、且つ、前記トイレ情報処理部により前記ペットトイレ内に前記ペットが存在しないと判断されると、前記ペットが前記ペットトイレの外で排泄を行ったと判断する排泄位置判断部と、前記排泄位置判断部により前記ペットが前記ペットトイレの外で排泄を行ったと判断されると、前記ペットの飼い主に対して前記ペットが前記ペットトイレの外で排泄を行ったことを報知する報知部と、を備えるものである。
【0013】
本態様によれば、ペットが排泄を行ったことを排泄情報処理部が判断する。ペットがペットトイレ内に存在しないことをトイレ情報処理部が判断する。したがって、ペットがペットトイレ外で排泄を行ったことを排泄位置判断部が判断することができる。排泄位置判断部によりペットがペットトイレの外で排泄を行ったと判断されると、報知部がペットの飼い主に対して報知を行う。その結果、ペットがペットトイレ外で排泄した場合でも、ペットの飼い主は、ペットトイレ外の排泄物を処理することで、排泄物の匂いの付着を軽減させることができる。
【0014】
上記態様において、例えば、前記ペットの観測を行い、前記ペットの位置を表すペット情報を取得するペット観測装置と、前記ペット情報に基づいて、前記居住空間内における前記ペットの位置を判断する位置情報処理部と、を更に備えてもよい。前記報知部は、前記排泄位置判断部により前記ペットが前記ペットトイレの外で排泄を行ったと判断されると、前記位置情報処理部により判断された前記ペットの位置に基づき、前記飼い主に対して、前記ペットが排泄を行った位置に関する報知を行うとしてもよい。
【0015】
本態様によれば、ペットの位置を位置情報処理部が判断する。これによって、ペットがペットトイレ外で排泄を行った位置をペットの飼い主に報知することができる。その結果、ペットの飼い主は、ペットトイレ外の排泄物を即座に処理することで、排泄物の匂いの付着を軽減させることができる。
【0016】
上記態様において、例えば、前記ペットの位置の履歴を記録するための位置管理データベースを更に備えてもよい。前記位置情報処理部は、前記判断した前記ペットの位置を前記ペットの位置の履歴として前記位置管理データベースに記録してもよい。前記排泄情報処理部は、前記位置管理データベースに記録されている前記ペットの位置の履歴と、前記排泄情報とに基づいて、前記ペットが排泄を行ったか否かを判断するとしてもよい。
【0017】
本態様によれば、排泄情報処理部は、ペットが移動中であることを位置管理データベースに記録されているペットの位置の履歴により判断する。すると、排泄情報処理部は、ペットが移動中であることから、ペットは排泄を行っていないと判断することができる。その結果、ペットの移動中に、排泄情報取得装置が排泄物以外の異物を排泄物であると誤検知した場合であっても、ペットの飼い主に対して誤報知してしまうことを防止することができる。
【0018】
上記態様において、例えば、前記居住空間内における匂いの発生源の位置が記録されている飼育環境データベースを更に備えてもよい。前記排泄情報取得装置は、前記ペットに装着され、前記ペットの周辺の匂い成分を検出する匂いセンサを含んでもよい。前記排泄情報処理部は、排泄物のない通常時の前記居住空間内の匂い成分とは異なる匂い成分を前記匂いセンサが検出し、且つ、前記位置情報処理部により判断される前記ペットの位置が前記飼育環境データベースに記録されている匂いの発生源の位置以外の位置である場合、前記ペットが排泄を行ったと判断するとしてもよい。
【0019】
本態様によれば、匂いセンサが異物の匂い成分を検出した場合であっても、ペットの位置が飼育環境データベースに記録されている匂い発生源の位置に近ければ、排泄情報処理部は、ペットが排泄を行っていないと判断する。その結果、ペットの飼い主に対して誤報知してしまうことを防止することができる。
【0020】
上記態様において、例えば、前記ペットが前記ペットトイレ外で排泄を行った位置を記録するための排泄履歴データベースと、前記位置情報処理部により判断される前記ペットの位置が、前記排泄履歴データベースに記録されている前記ペットが前記ペットトイレ外で排泄を行った位置の近傍である場合、前記ペットが前記ペットトイレ外で排泄を行う可能性があると予測する排泄予測部と、を更に備えてもよい。前記排泄位置判断部は、前記ペットが前記ペットトイレ外で排泄を行ったと判断すると、前記位置情報処理部により判断される前記ペットの位置を前記排泄履歴データベースに記録してもよい。前記報知部は、前記排泄予測部によって前記ペットが前記ペットトイレ外で排泄を行う可能性があると予測されると、前記飼い主に対して、前記ペットが前記ペットトイレ外で排泄を行う可能性がある旨を報知してもよい。
【0021】
本態様によれば、ペットが以前にペットトイレ外で排泄してしまった位置に近づいた場合、排泄予測部は、ペットが前記位置で排泄をしてしまう可能性があることを予測する。その予測に基づき、報知部は、ペットの飼い主に対して、ペットが排泄を行う可能性がある旨を報知する。これによって、飼い主は、ペットがペットトイレ外で排泄することを防止することができる。
【0022】
上記態様において、例えば、前記排泄位置判断部は、前記排泄情報処理部により前記ペットが排泄を行ったと判断されると、前記ペットが排泄を行った排泄時刻を前記排泄履歴データベースに更に記録してもよい。前記排泄予測部は、前記排泄履歴データベースに記録されている前記排泄時刻に基づいて、前記ペットの排泄周期を算出し、算出された前記排泄周期に基づき、前記ペットの次回の排泄時刻を予測してもよい。前記排泄予測部は、前記位置情報処理部により判断される前記ペットの位置が、前記排泄履歴データベースに記録されている前記ペットトイレ外で前記ペットが排泄を行った位置の近傍であり、かつ、予測された前記ペットの次回の排泄時刻に近づいた場合に、前記ペットが前記ペットトイレ外で排泄を行う可能性があると予測してもよい。
【0023】
本態様によれば、ペットの排泄履歴に基づいて、排泄予測部は、ペットの次の排泄時刻を予測する。排泄予測部は、その予測を更に用いて、ペットがペットトイレ外で排泄を行う可能性があることを予測する。その予測に基づいて、報知部は、ペットの飼い主に対して、ペットがペットトイレ外で排泄を行う可能性があることを報知する。これによって、飼い主は、ペットがペットトイレ外で排泄することを防止することができる。
【0024】
上記態様において、例えば、前記居住空間内における前記ペットの給餌場を観測して、前記給餌場の餌の有無を表す給餌場情報を取得する給餌場観測装置と、前記ペットの食事に関する情報を記録するための食事履歴データベースと、前記給餌場情報に基づいて、前記ペットが食事を行ったか否かを判断し、前記判断の結果と、前記ペットが食事を行った食事時刻とを前記食事履歴データベースに記録する給餌場情報処理部と、を更に備えてもよい。前記排泄予測部は、前記食事履歴データベースに記録されている前記食事時刻と、前記排泄履歴データベースに記録されている前記ペットの排泄時刻とに基づいて、前記ペットの食事後から排泄を行うまでに要する経過時間を算出し、算出された前記経過時間に基づき、前記ペットの次回の排泄時刻を予測してもよい。前記排泄予測部は、前記位置情報処理部により判断される前記ペットの位置が、前記排泄履歴データベースに記録されている前記ペットトイレ外で前記ペットが排泄を行った位置の近傍であり、かつ、予測された前記ペットの次回の排泄時刻に近づいた場合に、前記ペットが前記ペットトイレ外で排泄を行う可能性があると予測してもよい。
【0025】
本態様によれば、ペットの食事履歴と排泄履歴とに基づいて、排泄予測部は、ペットの次の排泄時刻を予測する。排泄予測部は、その予測を更に用いて、ペットがペットトイレ外で排泄を行う可能性があることを予測する。その予測に基づいて、報知部は、ペットの飼い主に対して、ペットがペットトイレ外で排泄を行う可能性があることを報知する。これによって、飼い主は、ペットがペットトイレ外で排泄することを防止することができる。
【0026】
本開示にかかる他の態様は、ペットの排泄行動の有無を検知する排泄物検知システムにおける排泄物検知方法であって、居住空間内に存在する前記ペットの排泄行動の有無を表す排泄情報を取得し、前記居住空間内に設置されているペットトイレ内を観測して、前記ペットトイレ内に関するトイレ情報を取得し、前記排泄情報に基づいて、前記ペットが排泄を行ったか否かを判断し、前記トイレ情報に基づいて、前記ペットトイレ内に前記ペットが存在するか否かを判断し、前記ペットが排泄を行ったと判断され、且つ、前記ペットトイレ内に前記ペットが存在しないと判断されると、前記ペットは前記ペットトイレの外で排泄を行ったと判断し、前記ペットが前記ペットトイレの外で排泄を行ったと判断されると、前記ペットの飼い主に対して前記ペットが前記ペットトイレの外で排泄を行ったことを報知するものである。
【0027】
本開示にかかるさらに他の態様は、ペットの排泄行動の有無を検知する排泄物検知システムを制御するプログラムであって、前記排泄物検知システムのコンピュータに、居住空間内に存在するペットの排泄行動の有無を表す排泄情報を取得させ、前記居住空間内に設置されているペットトイレ内に関するトイレ情報を取得させ、前記排泄情報に基づいて、前記ペットが排泄を行ったか否かを判断させ、前記トイレ情報に基づいて、前記ペットトイレ内に前記ペットが存在するか否かを判断させ、前記ペットが排泄を行ったと判断され、且つ、前記ペットトイレ内に前記ペットが存在しないと判断されると、前記ペットは前記トイレの外で排泄を行ったと判断させ、前記ペットが前記ペットトイレの外で排泄を行ったと判断されると、前記ペットの飼い主に対して前記ペットが前記ペットトイレの外で排泄を行ったことを報知させるものである。
【0028】
これらの概括的または特定の態様は、システム、方法、コンピュータプログラム、記録媒体並びにシステム、方法、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意の組み合わせにより実現してもよい。
【0029】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0030】
(第1実施形態)
<排泄物検知システムの基本構成の説明>
図1は、第1実施形態に係る排泄物検知システムの構成を示すブロック図である。
【0031】
第1実施形態に係る排泄物検知システムは、排泄情報取得装置101と、排泄情報処理部102と、トイレ観測装置103と、トイレ情報処理部104と、排泄位置判断部105と、報知制御部106と、報知装置107と、を備える。尚、排泄物とは、ペットの身体から放出された糞、尿、嘔吐物、吐瀉物を指す。
【0032】
<排泄情報取得装置101の説明>
排泄情報取得装置101は、ペットの居住空間に設置され、前記ペットが排泄を行ったか否かを表す排泄情報を取得する。排泄情報取得装置101として、例えば、匂いセンサ、熱センサ、画像センサなどを用いることができる。
【0033】
排泄情報取得装置101として、前記匂いセンサを用いてもよい。匂いセンサは、空気中に含まれる匂い成分の濃度を検出する。この場合、例えば、前記匂いセンサを前記ペットの首に装着してもよい。この構成により、前記匂いセンサは、前記ペットの周辺の匂いを取得することができる。
【0034】
排泄情報取得装置101として、前記熱センサを用いてもよい。熱センサは、非接触式の温度センサであり、サーモパイル、ボロメータ、焦電センサなどを含む。この場合、例えば、前記熱センサを前記ペットの後ろ足首から後方に向けて装着してもよい。この構成により、熱センサは、前記ペットの糞尿の温度を取得することができる。また、前記熱センサを前記ペットの前足首から前方に向けて装着してもよい。この構成により、熱センサは、前記ペットの嘔吐物、吐瀉物の温度を取得することができる。
【0035】
排泄情報取得装置101として、前記画像センサを用いてもよい。画像センサは、対象物の画像を取得する。この場合、例えば、前記画像センサを前記ペットの後ろ足首から後方に向けて装着してもよい。この構成により、画像センサは、前記ペット後方の糞尿の画像を取得することができる。また、前記画像センサを前記ペットの前足首から前方に向けて装着してもよい。この構成により、画像センサは、前記ペットの嘔吐物、吐瀉物の画像を取得することができる。
【0036】
<排泄情報処理部102の説明>
排泄情報処理部102は、排泄情報取得装置101が取得した排泄情報に基づいて、前記ペットが排泄を行ったか否かを判断する。
【0037】
排泄情報取得装置101が前記匂いセンサを含む場合、排泄情報処理部102は、前記匂いセンサが取得した匂い成分の濃度の数値化を行う。排泄情報処理部102は、数値化された値が所定の閾値を超えていた場合に、前記ペットが排泄を行ったと判断する。尚、匂い成分の濃度の数値化とは、匂いセンサから出力される、空気中に含まれる匂い成分の濃度を数値に変換することを言う。また、匂い成分とは、例えばアンモニア、硫化水素などを指す。
【0038】
例えば後述される
図4では、匂い成分の濃度が数値化された匂い値は、2桁または3桁の数値とされている。上記所定の閾値は、
図4では、例えば200である。なお、本実施形態は、匂い成分の濃度を数値化することに限られない。例えばppm単位で表した匂い成分の濃度をそのまま用いてもよい。
【0039】
排泄情報取得装置101が前記熱センサを含む場合、排泄情報処理部102は、前記熱センサが取得した温度が所定の範囲の温度である場合に、前記ペットが排泄を行ったと判断する。尚、所定の範囲の温度とは、前記ペットの平熱の体温の範囲と設定しておいてもよい。例えば、前記ペットが大型犬の場合、37℃から39℃などの範囲に設定しておけばよい。尚、前記ペットの排泄後、排泄物の温度は次第に低下していく。このため、前記所定の範囲の温度は、35℃から39℃など、下限値を平熱の体温より低めに設定しておいても構わない。
【0040】
排泄情報取得装置101が前記画像センサを含む場合、排泄情報処理部102は、前記画像センサが取得した画像を処理して、前記ペットが排泄を行ったか否かを判断する。画像処理の方法としては、例えば、背景差分法、及び、ヒストグラムマッチング法を使用する画像処理方法などを用いることができる。
【0041】
この方法では、まず、排泄情報処理部102は、背景画像として床の画像を予め取得しておく。尚、床は単色であり、前記ペットが移動しても床に物体が存在しなければ背景画像に差が生じないものとする。また、排泄情報処理部102は、排泄物のテンプレートとして色ヒストグラムを予め用意しておく(糞であれば茶色成分が多くなる)。次に、排泄情報処理部102は、前記画像センサによって撮像された画像と背景画像との差分領域を抽出する。
【0042】
そして、排泄情報処理部102は、前記差分領域と前記テンプレートとのヒストグラムマッチングを行う。ヒストグラムマッチングの結果に基づき、排泄情報処理部102は、前記差分領域に写っている物体が排泄物か否かを判断する。排泄情報処理部102は、ヒストグラムマッチングの結果、差分領域とテンプレートとの差異が所定の閾値以下であると判断すると、前記差分領域に写っている物体が排泄物であると判断する。
【0043】
尚、排泄情報取得装置101、及び、排泄情報処理部102は、これに限る必要はなく、前記ペットが排泄したか否かを判断できるものであれば良い。
【0044】
以後、排泄情報取得装置101として前記匂いセンサを前記ペットに装着して用いることを例として説明する。
【0045】
<トイレ観測装置103の説明>
トイレ観測装置103は、前記ペットの居住空間に設置され、ペットトイレ内の観測を行う。トイレ観測装置103は、前記ペットトイレ内に前記ペットが存在するか否かを表すトイレ情報を取得する。トイレ観測装置103として、例えば、匂いセンサ、焦電センサ、画像センサなどを用いることができる。
【0046】
トイレ観測装置103として、前記匂いセンサを用いてもよい。この場合、トイレ観測装置103は、例えば、前記匂いセンサを前記ペットトイレ内に設置してもよい。この構成により、トイレ観測装置103は、トイレ情報として、前記ペットトイレ内の匂い成分の濃度を取得することができる。
【0047】
トイレ観測装置103として、前記焦電センサを用いてもよい。この場合、トイレ観測装置103は、トイレ情報として、前記ペットトイレ内の熱源から発せられる赤外線を取得することができる。
【0048】
トイレ観測装置103として、前記画像センサを用いてもよい。この場合、トイレ観測装置103は、トイレ情報として、前記ペットトイレ内の画像を取得することができる。
【0049】
<トイレ情報処理部104の説明>
トイレ情報処理部104は、トイレ観測装置103が取得したトイレ情報に基づいて、前記ペットトイレ内に前記ペットが存在しているか否かを判断する。
【0050】
前記トイレ観測装置103として前記匂いセンサを用いた場合、トイレ情報処理部104は、ペット臭を判断する。これによって、トイレ情報処理部104は、前記ペットトイレ内に前記ペットが存在しているか否かを判断する。尚、前記ペット臭の判断方法の説明に関しては、排泄情報取得装置101、もしくは、排泄情報処理部102の説明で匂いセンサに関して記載した内容と同等である。このため、詳細な説明は省略する。
【0051】
なお、トイレ観測装置103は、排泄情報取得装置101として用いる匂いセンサと同じ匂いセンサを用いてもよい。この場合でも、トイレ情報処理部104は、ペットが存在しているか否かを判断することができる。あるいは、トイレ観測装置103は、排泄情報取得装置101として用いる匂いセンサと異なる匂いセンサを用いてもよい。例えば、トイレ観測装置103は、ペット臭(ペットの体から発生する匂い成分)を検出できる匂いセンサを用いてもよい。
【0052】
前記トイレ観測装置103として前記焦電センサを用いた場合、前記焦電センサは、温度変化を検知できる。このため、トイレ情報処理部104は、前記ペットトイレ内に温度変化が起こっている場合に、前記ペットトイレ内に、前記ペットが存在すると判断することができる。
【0053】
前記トイレ観測装置103として前記画像センサを用いた場合、トイレ情報処理部104は、前記画像センサが取得した画像に基づいて、前記ペットトイレ内に、前記ペットが存在するか否かを判断する。尚、前記ペットトイレ内に、前記ペットが存在するか否かの判断方法の説明に関しては、排泄情報取得装置101、もしくは、排泄情報処理部102の説明で画像センサに関して記載した内容と同等である。このため、詳細な説明は省略する。
【0054】
尚、トイレ観測装置103、及び、トイレ情報処理部104は、これに限る必要はなく、前記ペットが前記ペットトイレ内に存在するか否かを判断できるものであれば良い。
【0055】
以後、トイレ観測装置103として前記画像センサを用いることを例として説明する。
【0056】
<排泄位置判断部105の説明>
排泄位置判断部105は、前記ペットの排泄が前記ペットトイレ外で行われたか否かを判断する。前記ペットが排泄を行ったと排泄情報処理部102が判断した時刻において、前記ペットが前記ペットトイレに存在していないとトイレ情報処理部104が判断した場合、排泄位置判断部105は、前記ペットが前記ペットトイレ外で排泄を行ったと判断する。
【0057】
<報知制御部106の説明>
報知制御部106は、排泄位置判断部105の判断結果に基づいて、後述する報知装置107の制御を行う。
【0058】
<報知装置107の説明>
報知装置107は、報知制御部106からの制御指令に基づいて、前記ペットの飼い主に対して、排泄位置判断部105の判断結果の報知を行う。
【0059】
報知装置107として、例えば、前記飼い主が所持する携帯端末などを用いることができる。本実施形態において、報知制御部106及び報知装置107は、報知部の一例を構成する。
【0060】
図3A,3Bは、排泄物検知システムを導入したペットの居住空間の一例としての飼育環境301を示す図である。
図3Aに示される飼育環境301内には、ペットトイレ305と、犬304と、が存在する。ペットトイレ305には、トイレ観測装置103の一例としての画像センサ303が設置されている。犬304には、排泄情報取得装置101の一例としての匂いセンサ302が装着されている。
図3Aでは、犬304はペットトイレ305内に位置している。
図3Bでは、犬304はペットトイレ305の外に位置している。また、
図3Bに示される飼育環境301内には、さらに、犬304がペットトイレ305外で排泄した糞306が存在する。
【0061】
<フローチャートの説明>
図2は、第1実施形態の排泄物検知システムの全体処理を示すフローチャートである。以下、
図2のフローチャートに対応させながら、各構成要素の動作について説明する。
【0062】
ステップS201では、排泄情報取得装置101としての匂いセンサ302は、所定の観測周期(例えば、1sec)で、匂いセンサ302の観測範囲である犬304の周囲の匂い情報(匂い成分の濃度)を排泄情報として取得する。
【0063】
ステップS202では、排泄情報処理部102は、匂いセンサ302が取得した匂い情報(排泄情報)に基づいて、犬304の周辺に排泄物が存在するか否かを判断する。
【0064】
図4は、排泄情報処理部102の判断履歴の一例を示す図である。
図4の例では、排泄情報処理部102は、2012年9月2日12時0分9秒の時刻において、犬304が排泄を行ったと判断している。
【0065】
ステップS203では、トイレ観測装置103としての画像センサ303は、所定の観測周期(例えば、1sec)で、画像センサ303の観測範囲であるペットトイレ305内の画像をトイレ情報として取得する。
【0066】
ステップS204では、トイレ情報処理部104は、画像センサ303が取得した画像(トイレ情報)に基づいて、ペットトイレ305内に犬304が存在するか否かを判断する。
【0067】
図5は、トイレ情報処理部104の判断履歴の一例を示す図である。
図5の例では、トイレ情報処理部104は、2012年9月2日12時0分1秒から同分3秒まで、ペットトイレ305内に犬304が存在すると判断している。一方、同分4秒以降は、トイレ情報処理部104は、ペットトイレ305内に犬304が存在しないと判断している。
【0068】
ステップS205では、排泄位置判断部105が、犬304がペットトイレ305外で排泄したか否かを判断する。排泄情報処理部102が、犬304の周辺に排泄物が存在すると判断し、且つ、トイレ情報処理部104が、ペットトイレ305内に犬304が存在しないと判断していた場合(S205でYes)、排泄位置判断部105は、犬304が、ペットトイレ305外で排泄を行ったと判断し、処理はステップS206へ進む。S205でNoの場合には、処理は、ステップS201、及び、ステップS203に進む。
【0069】
図4と
図5の例の場合、2012年9月2日12時0分1秒から同分3秒までは、ステップS205では、犬304の周辺に排泄物が存在すると判断されず、また、犬304はペットトイレ305内に存在していると判断される。このため、処理はステップS201、及び、ステップS202に進む。
【0070】
2012年9月2日12時0分4秒から同分8秒までは、ステップS205では、犬304はペットトイレ305内に存在していないと判断されるが、犬304の周囲に排泄物は存在しないと判断される。このため、処理はステップS201、及び、ステップS202に進む。
【0071】
2012年9月2日12時0分9秒になると、ステップS205では、犬304はペットトイレ305内に存在していないと判断され、且つ、犬304の周囲に排泄物が存在すると判断される。このため、処理はステップS206へ進む。
【0072】
ステップS206では、報知制御部106が、報知装置107を制御して、報知装置107に、犬304の飼い主に対して、犬304がペットトイレ305外で排泄してしまったことを報知させる。
【0073】
図6は、報知装置107の一例としての携帯端末602を示す図である。
図6では、報知制御部106は、携帯端末602の表示部6021に、「ペットがトイレ外で排泄を行いました」という文章を表示させている。この表示によって、犬304の飼い主601に対して、犬304がペットトイレ305外で排泄をしてしまったことが文章で報知されている。
【0074】
図2において、ステップS201,S202は、排泄情報取得装置101及び排泄情報処理部102において所定の観測周期で繰り返し実行される。ステップS203,S204は、トイレ観測装置103及びトイレ情報処理部104において所定の観測周期で繰り返し実行される。ステップS205は、排泄位置判断部105において所定周期(例えば、1sec)で繰り返し実行される。
【0075】
以上説明されたように、第1実施形態では、ペットが排泄を行ったと排泄情報処理部102が判断し、かつ、ペットトイレ内にペットが存在しないとトイレ情報処理部104が判断すると、排泄位置判断部105は、ペットがペットトイレ外で排泄を行ったと判断する。そして、ペットがペットトイレ外で排泄を行ったと排泄位置判断部105が判断すると、その旨を、ペットの飼い主に対して報知装置107により報知制御部106が報知する。したがって、第1実施形態によれば、ペットの飼い主は、ペットがペットトイレ外で排泄を行ったことを直ぐに知ることができる。その結果、ペットがペットトイレ外で排泄した場合でも、ペットの飼い主は、ペットトイレ外の排泄物を処理することで、排泄物の匂いの付着を軽減させることができる。
【0076】
(第2実施形態)
第2実施形態では、ペットの位置が検出され、ペットトイレ外でペットが排泄した位置が飼い主に報知される。
【0077】
図7は、第2実施形態に係る排泄物検知システムの構成を示すブロック図である。
【0078】
第2実施形態に係る排泄物検知システムは、排泄情報取得装置101と、排泄情報処理部102と、トイレ観測装置103と、トイレ情報処理部104と、排泄位置判断部105と、報知制御部106と、報知装置107と、ペット観測装置701と、位置情報処理部702と、を備える。
【0079】
尚、ペット観測装置701と、位置情報処理部702以外の各構成要素に関しては、第1実施形態に記載した内容と同等である。このため、詳細な説明を省略する。
【0080】
<ペット観測装置701の説明>
ペット観測装置701は、ペットの居住空間に配置される。ペット観測装置701は、前記ペットの前記居住空間内における位置を表すペット情報を取得する。ペット観測装置701として、例えば、無線タグシステム、画像センサなどを用いることができる。
【0081】
<位置情報処理部702の説明>
位置情報処理部702は、ペット観測装置701が取得したペット情報に基づいて、前記ペットの前記居住空間内における位置を算出する。
【0082】
ペット観測装置701として、無線タグシステムを用いてもよい。この場合、位置情報処理部702は、例えば、3点測位により前記ペットの位置を算出する。まず、無線タグを前記ペットの首輪などに装着する。また、前記居住空間内には、少なくとも3台以上の前記無線タグのアンテナを配置する。
【0083】
各アンテナから前記無線タグまでの距離は、前記アンテナが出力した質問波に対し、前記無線タグが出力した応答波が返って来るまでの時間差により求めることができる。各アンテナが配置されている位置が既知である場合、各アンテナと前記無線タグとの距離に基づいて、位置情報処理部702は、3点測位により、前記無線タグの位置を算出することができる。尚、前記居住空間内における各アンテナの位置は、前記無線タグシステムの内部記憶に記録されているものとする。
【0084】
ペット観測装置701として、画像センサを用いてもよい。この場合、位置情報処理部702は、例えば、背景差分法を用いて移動体(ペット)の位置を推定することができる。移動体が存在していないときの居住空間の背景画像を前記画像センサにより予め取得し、位置情報処理部702に、取得された居住空間の背景画像を予め保持させておく。位置情報処理部702は、移動体が存在していないときの前記居住空間の背景画像と、前記画像センサで取得した現在の画像とを比較する。
【0085】
その後、位置情報処理部702は、画素値が異なる領域を差分領域として取り出す。ただし、画像にはノイズが混じっている可能性がある。このため、前記差分領域が前記ペットに対して十分に小さいと判断できる場合には、前記差分領域は前記ペットではないと判断しても良い。ここで、差分領域が前記ペットに対して十分に小さいとは、前記差分領域の画素数が、前記移動体(ペット)であると認識可能な最低画素数を基に予め設定された閾値以下であると定義してもよい。
【0086】
尚、位置情報処理部702は、検出された前記ペットの位置を、例えば前記差分領域の重心位置としてもよい。尚、前記居住空間内における前記画像センサの位置、および、前記重心位置となる画素と前記居住空間内における位置との対応関係は、前記画像センサの内部記憶に記録されているものとする。
【0087】
図9は、排泄物検知システムを導入したペットの居住空間の一例としての飼育環境901を示す図である。飼育環境901内には、ペットトイレ305と、犬304と、無線タグアンテナ903と、糞306と、が存在する。ペットトイレ305には、トイレ観測装置103の一例としての画像センサ303が設置されている。犬304には、排泄情報取得装置101の一例としての匂いセンサ302、及び、ペット観測装置701の一例としての無線タグシステムの無線タグ902が装着されている。無線タグアンテナ903は、天井に設置され、無線タグ902までの距離を計測する。糞306は、犬304がペットトイレ305外で排泄したものである。
【0088】
<フローチャートの説明>
図8は、第2実施形態の排泄物検知システムの全体処理を示すフローチャートである。以下、
図8のフローチャートに対応させながら、各構成要素の動作について説明する。
【0089】
尚、ステップS801と、S802と、S803以外の各ステップに関しては、第1実施形態に記載した内容と同等である。このため、詳細な説明を省略する。
【0090】
ステップS801では、無線タグアンテナ903は、所定の観測周期(例えば、1sec)で、無線タグ902までの距離を取得する。
【0091】
ステップS802では、位置情報処理部702は、無線タグアンテナ903が取得した無線タグ902までの距離に基づいて、無線タグ902の飼育環境901内における位置を算出する。
【0092】
図8において、ステップS801,S802は、ペット観測装置701及び位置情報処理部702において所定の観測周期で繰り返し実行される。
【0093】
図10は、位置情報処理部702の処理履歴の一例を示す図である。
図10の例では、2012年9月2日12時0分1秒の時刻において、犬304は飼育環境901内における座標(x,y)=(100,100)に存在していたが、同分6秒の時刻には、座標(x,y)=(300,500)まで移動し、その後、その位置に留まっていることを示している。
【0094】
犬304がペットトイレ305外で排泄を行ったと排泄位置判断部105が判断すると(S205でYes)、処理はステップS803に進む。ステップS803では、報知制御部106が、報知装置107を制御して、犬304の飼い主に対して、犬304がペットトイレ305外で排泄した排泄位置を報知する。
【0095】
ここで、前記排泄位置は、排泄情報処理部102が、犬304の周辺に排泄物が存在すると判断し(
図4参照)、且つ、排泄位置判断部105が、ペットトイレ305内に犬304が存在しないと判断した(
図5参照)、2012年9月2日12時0分9秒の時刻における犬304の位置(300,500)となる。
【0096】
図11は、報知装置107の一例としての携帯端末602を示す図である。
図11では、報知制御部106は、携帯端末602の表示部6021に、「ペットが以下の位置で排泄を行いました」という文章を表示し、糞の位置を矢印で表示させている。この表示によって、犬304の飼い主601に対して、犬304がペットトイレ305外で排泄をしてしまったこと及びその位置が、文章と飼育環境901の図とを用いて報知されている。
【0097】
以上説明されたように、第2実施形態では、ペットがペットトイレ外で排泄を行ったと排泄位置判断部105が判断すると、位置情報処理部702により算出されたペットの位置に基づき、ペットがペットトイレ外で排泄を行った排泄位置が、ペットの飼い主に対して報知される。したがって、第2実施形態によれば、ペットの飼い主は、ペットトイレ外の排泄物を即座に処理することで、排泄物の匂いの付着を軽減させることができる。
【0098】
(第3実施形態)
第3実施形態では、排泄情報と、ペットの位置の履歴とに基づき、ペットが排泄を行ったか否かが判断される。
【0099】
図12は、第3実施形態に係る排泄物検知システムの構成を示すブロック図である。
【0100】
第3実施形態に係る排泄物検知システムは、排泄情報取得装置101と、排泄情報処理部102と、トイレ観測装置103と、トイレ情報処理部104と、排泄位置判断部105と、報知制御部106と、報知装置107と、ペット観測装置701と、位置情報処理部702と、位置管理データベース1201と、を備える。
【0101】
尚、位置管理データベース1201と、排泄情報処理部102以外の各構成要素に関しては、第1実施形態、もしくは、第2実施形態に記載した内容と同等である。このため、詳細な説明を省略する。
【0102】
<位置管理データベース1201の説明>
位置管理データベース1201には、位置情報処理部702が算出したペットの位置と、ペット観測装置701が前記ペットの観測を行った観測時刻とが共に記録されている。位置情報処理部702は、ペット観測装置701からペット情報を受け取った時刻を観測時刻とし、例えば上記
図10に示されるように、観測時刻と、算出されたペットの位置とを対応付けて、位置管理データベース1201に記録する。
【0103】
<排泄情報処理部102の説明>
排泄情報処理部102は、排泄情報取得装置101が取得した排泄情報と、位置管理データベース1201に記録されている前記ペットの位置の履歴とに基づいて、前記ペットが排泄を行ったか否かを判断する。
【0104】
一般に、犬や猫をはじめ、多くの動物は動作を停止させて排泄を行う。そのため、所定の時間ペットの位置に変化が生じなくなった後に、前記ペットの周辺に排泄物が存在すると判断されて、はじめて、排泄情報処理部102は、前記ペットが排泄を行ったと判断する。
【0105】
尚、ペットの周辺に排泄物が存在するか否かの判断に関しては、第1実施形態の排泄情報処理部102で説明した内容と同等である。
【0106】
ここで、前記所定の時間については、ペットが排泄開始から排泄終了までに要する時間に基づいて決定することが望ましい。前記所定の時間として、例えば、5秒または10秒などの時間を設定しておくことができる。
【0107】
また、ペットの位置に変化が生じているか否かについては、例えば、位置情報処理部702は、前回の前記ペットの位置からの差分距離に基づいて判断してもよい。仮に前記ペットが停止していたとしても、ペット観測装置701の観測誤差により前記ペットの位置にズレが生じてしまう可能性がある。このため、位置情報処理部702は、前記差分距離が大きければ前記ペットの位置に変化が生じていると判断し、前記差分距離が小さければ前記ペットの位置に変化が生じていないと判断することが望ましい。
【0108】
前記差分距離の大小を判別するための閾値に関しては、ペット観測装置701として用いるセンサの誤差特性、もしくは、位置情報処理部702に用いる位置推定アルゴリズムに基づいて設定することが望ましい。例えば、ペット観測装置701として無線タグシステムを用いた場合には、前記閾値を30cmに設定してもよい。あるいは、ペット観測装置701として、例えば、前記無線タグシステムと比較して位置精度の高い超音波タグシステムを用いた場合には、前記閾値を10cmに設定してもよい。
【0109】
また、ペット観測装置701として画像センサを用いた場合の位置情報処理部702の位置推定アルゴリズムとして、単に背景差分法を用いて差分領域の中心を前記ペットの位置とする場合には、例えば前記閾値を30cmに設定してもよい。あるいは、ペット観測装置701として画像センサを用いた場合の位置情報処理部702の位置推定アルゴリズムとして、更にベイズフィルタリングを用いて前記ペットの位置を確率的に推定する場合には、前記閾値を10cmに設定してもよい。
【0110】
尚、何れのセンサ、もしくは、アルゴリズムを用いるにせよ、位置推定の精度は、周囲の環境(画像センサの場合には、例えば照明条件など)から影響を受ける。このため、事前実験により予め誤差特性を把握し、前記閾値の設定を行うことが望ましい。
【0111】
<フローチャートの説明>
図13は、第3実施形態の排泄物検知システムの全体処理を示すフローチャートである。以下、
図13のフローチャートに対応させながら、
図9に示す飼育環境901における、各構成要素の動作について説明する。
【0112】
尚、ステップS1301,S1302以外の各ステップに関しては、第1実施形態、もしくは、第2実施形態に記載した内容と同等である。このため、詳細な説明を省略する。
【0113】
ステップS801に続いて、ステップS1301が実行される。ステップS1301では、位置情報処理部702は、無線タグアンテナ903が取得した無線タグ902までの距離に基づいて、無線タグ902の飼育環境901内における位置を算出する。また、位置情報処理部702は、無線タグアンテナ903(ペット観測装置701)が無線タグ902までの距離を取得した観測時刻と算出された位置とを対応付けて、例えば上記
図10に示されるように、位置管理データベース1201に記録する。
図10は、第2実施形態において、位置情報処理部702の処理履歴の一例として説明を行ったが、第3実施形態においては、位置管理データベース1201の一例として説明する。
【0114】
ステップS201に続いて、ステップS1302が実行される。ステップS1302では、排泄情報処理部102は、匂いセンサ302が取得した匂い情報と、位置管理データベース1201に記録されている犬304の位置の履歴とに基づいて、犬304が排泄を行ったか否かを判断する。
【0115】
犬304が排泄を行う前に停止する時間を5秒と設定し、犬304の位置に変化が生じたと判断するための距離の閾値を10cmと設定していた場合について説明する。
【0116】
図10に示される位置管理データベース1201の例では、2012年9月2日12時0分6秒から、犬304の位置に変化が生じなくなっている。3秒後の同分9秒に、排泄情報処理部102は、犬304の周囲に排泄物があると判断する(
図4参照)。また、同時刻に、トイレ情報処理部104は、ペットトイレ305には犬304がいないと判断している(
図5参照)。しかし、この時刻には、犬304が排泄を行う前に停止する時間として設定された5秒に達していない。このため、排泄情報処理部102は、この時刻には、まだ犬304が排泄を行ってはいないと判断している。
【0117】
さらに2秒後の同分11秒になると、犬304の停止時間が、排泄を行う前に停止する時間として設定された5秒に達した上で、排泄情報処理部102は、犬304の周囲に排泄物があると判断している(
図4参照)。そこで、排泄情報処理部102は、犬304が排泄を行ったと判断する。さらに、トイレ情報処理部104は、ペットトイレ305には犬304がいないと判断している(
図5参照)。このため、ステップS205でYesとなり、排泄位置判断部105は、犬304がペットトイレ305外で排泄を行ったと判断する。
【0118】
図13において、ステップS201,S1302は、排泄情報取得装置101及び排泄情報処理部102において所定の観測周期で繰り返し実行される。ステップS801,S1301は、ペット観測装置701及び位置情報処理部702において所定の観測周期で繰り返し実行される。
【0119】
以上説明されたように、第3実施形態では、ペットの位置の履歴が記録されている位置管理データベース1201において、ペットの停止時間が所定時間に達しないと、排泄情報処理部102は、ペットが排泄を行ったと判断しない。したがって、第3実施形態によれば、ペットの移動中に、排泄情報取得装置101が排泄物以外の異物を排泄物であると誤検知した場合であっても、ペットの飼い主に対して誤報知してしまうことを防止することができる。
【0120】
(第4実施形態)
第4実施形態では、予め記録された匂いの発生源の位置にペットの位置が近ければ、ペットは排泄を行っていないと判断される。
【0121】
図14は、第4実施形態に係る排泄物検知システムの構成を示すブロック図である。
【0122】
第4実施形態に係る排泄物検知システムは、排泄情報取得装置101と、排泄情報処理部102と、トイレ観測装置103と、トイレ情報処理部104と、排泄位置判断部105と、報知制御部106と、報知装置107と、ペット観測装置701と、位置情報処理部702と、飼育環境データベース1401と、を備える。
【0123】
尚、飼育環境データベース1401と、排泄情報処理部102以外の各構成要素に関しては、第1実施形態から第3実施形態の何れかに記載した内容と同等である。このため、詳細な説明を省略する。
【0124】
<飼育環境データベース1401の説明>
飼育環境データベース1401には、少なくとも、前記居住空間内における匂いの発生源に関する情報が記録されている。
【0125】
図16は、飼育環境901の別の例を示す図である。飼育環境901内には、ペットトイレ305と、犬304と、無線タグアンテナ903と、糞306と、給餌場1601と、が存在する。給餌場1601は、犬304が餌を食べる場所である。なお、第4実施形態の排泄情報取得装置101は、
図16に示されるように、匂いセンサ302である。
【0126】
図17は、飼育環境データベース1401の一例を示す図である。
図17に示した飼育環境データベース1401には、飼育環境901内における匂いの発生源に関する情報として、給餌場1601(
図17では「フードボウル」と記載)の設置位置と、ペットトイレ305の設置位置とが記録されている。給餌場1601及びペットトイレ305の設置位置は、ユーザによって、飼育環境データベース1401に予め記録される。
【0127】
<排泄情報処理部102の説明>
排泄情報処理部102は、排泄情報取得装置101が取得した排泄情報と、位置情報処理部702が算出した前記ペットの位置と、飼育環境データベース1401に記録されている匂いの発生源の位置とに基づいて、前記ペットが排泄を行ったか否かを判断する。
【0128】
まず、排泄情報処理部102は、前記ペットの周辺に排泄物が存在すると判断できる濃度の匂い成分があるか否かを判断する。匂い成分があると判断した場合、排泄情報処理部102は、位置情報処理部702が算出した前記ペットの位置と、飼育環境データベース1401に記録されている前記匂い発生源の位置とが近ければ、前記ペットは排泄を行っていないと判断する。一方、排泄情報処理部102は、前記ペットの位置と前記匂い発生源の位置とが遠ければ、前記ペットは排泄を行ったと判断する。
【0129】
ここで、前記ペットの位置と前記匂い発生源の位置とが近いか否かの判断に関しては、排泄情報処理部102は、距離の閾値に基づいて行う。例えば、前記閾値を50cmまたは70cmなどの値に設定してもよい。尚、前記閾値は、排泄情報取得装置101としての匂いセンサ302の匂い検出精度に基づいて決定することが望ましい。
【0130】
また、ペットの周辺に排泄物が存在するか否かの判断に関しては、第1実施形態の排泄情報処理部102で説明した内容と同等である。
【0131】
<フローチャートの説明>
図15は、第4実施形態の排泄物検知システムの全体処理を示すフローチャートである。
図18は、位置情報処理部702が算出した犬304の位置の履歴の一例を示す図である。
図19は、排泄情報処理部102の判断履歴の一例を示す図である。以下、
図15のフローチャートに対応させながら、
図16に示す飼育環境901における、各構成要素の動作について説明する。
【0132】
尚、ステップS1501以外の各ステップに関しては、第1実施形態から第3実施形態の何れかに記載した内容と同等である。このため、詳細な説明を省略する。
【0133】
ステップS201に続いて、ステップS1501が実行される。ステップS1501では、排泄情報処理部102は、匂いセンサ302が取得した匂い情報と、位置情報処理部702が算出した犬304の位置と、飼育環境データベース1401とに基づいて、犬304が排泄を行ったか否かを判断する。
【0134】
図19の例では、2012年9月2日12時0分9秒の時刻において、はじめて、排泄情報処理部102は、犬304が排泄を行ったと判断している。
図19に示されるように、この時刻、つまり2012年9月2日12時0分9秒における匂い値よりも高い匂い値が、2012年9月2日12時0分1秒に記録されている。しかし、この時刻においては、排泄情報処理部102は、まだ犬304が排泄を行ったとは判断していない。この理由は、以下の通りである。
【0135】
すなわち、
図18に示されるように、2012年9月2日12時0分1秒における犬304の位置は、飼育環境データベース1401に記録されている給餌場1601の位置と同じである。このため、2012年9月2日12時0分1秒において記録された匂い値は、排泄物ではなく、給餌場1601の匂い成分を検出して取得されたものと、排泄情報処理部102は、判断している。
【0136】
以上説明されたように、第4実施形態では、ペットの周辺に排泄物が存在すると判断できる濃度の匂い成分があると排泄情報処理部102が判断しても、ペットの位置と、予め記録された匂いの発生源とが近ければ、排泄情報処理部102は、ペットが排泄を行っていないと判断する。したがって、第4実施形態によれば、ペットの飼い主に対して誤報知してしまうことを防止することができる。
【0137】
(第5実施形態)
第5実施形態では、過去にペットトイレ外で排泄した位置にペットが近づくと、ペットが排泄を行う可能性があると予測される。
【0138】
図20は、第5実施形態に係る排泄物検知システムの構成を示すブロック図である。
【0139】
第5実施形態に係る排泄物検知システムは、排泄情報取得装置101と、排泄情報処理部102と、トイレ観測装置103と、トイレ情報処理部104と、排泄位置判断部105と、報知制御部106と、報知装置107と、ペット観測装置701と、位置情報処理部702と、排泄履歴データベース2001と、排泄予測部2002と、を備える。
【0140】
尚、排泄位置判断部105と、排泄履歴データベース2001と、排泄予測部2002以外の各構成要素に関しては、第1実施形態から第4実施形態の何れかに記載した内容と同等である。このため、詳細な説明を省略する。
【0141】
<排泄位置判断部105の説明>
排泄位置判断部105は、犬304がペットトイレ305外で排泄したことを判断すると、犬304が排泄を行った位置を排泄履歴データベース2001に記録する。尚、排泄位置判断部による犬304がペットトイレ305外に排泄を行ったか否かの判断方法に関しては、第1実施形態から第4実施形態の何れかに記載の内容と同等である。
【0142】
<排泄履歴データベース2001の説明>
排泄履歴データベース2001には、少なくとも、前記ペット(犬304)がペットトイレ305外で排泄を行った位置が記録されている。
【0143】
図23は、排泄履歴データベース2001の一例を示す図である。
図23に示した排泄履歴データベース2001には、犬304が、過去に飼育環境901内の座標(300,500)において排泄を行ったことが記録されている。
【0144】
<排泄予測部2002の説明>
排泄予測部2002は、位置情報処理部702が算出した前記ペットの位置と、排泄履歴データベース2001に記録されている前記ペットの排泄位置の履歴とに基づいて、前記ペットが排泄を行おうとしていることを予測する。
【0145】
一般に、犬や猫などは、ペットトイレ外であっても、一度排泄を行い、排泄物の匂いが付着してしまった場所をトイレと思い込むことがある。このため、たとえ排泄物の処理を行ったとしても、前記排泄物の匂いまでは除去できない場合には、ペットは、繰り返し同じ場所で排泄を行ってしまうこともある。
【0146】
そこで、排泄予測部2002は、位置情報処理部702が算出した前記ペットの位置が、排泄履歴データベース2001に記録されている過去のペットトイレ305外での排泄位置に近づいた場合、前記ペットが排泄を行おうとしていると予測する。
【0147】
ここで、前記ペットの位置と過去の排泄位置とが近づいたか否かの判断に関しては、排泄予測部2002は、距離の閾値に基づいて行う。例えば、前記閾値を50cmまたは70cmなどの値に設定してもよい。尚、前記閾値は、ペット観測装置701として用いるセンサの誤差特性、もしくは、位置情報処理部702に用いる位置推定アルゴリズムに基づいて設定することが望ましい。例えば、事前実験により予め把握した位置誤差特性が小さければ、例えば前記閾値を50cmと設定してもよい。また、位置誤差特性が大きければ、例えば前記閾値を70cmと設定してもよい。
【0148】
<フローチャートの説明>
図21は、第5実施形態の排泄物検知システムの全体処理を示すフローチャートである。
図22は、飼育環境901の別の例を示す図である。以下、
図21のフローチャートに対応させながら、
図22に示す飼育環境901における、各構成要素の動作について説明する。
【0149】
尚、ステップS2101からステップS2105以外の各ステップに関しては、第1実施形態から第4実施形態の何れかに記載した内容と同等である。このため、詳細な説明を省略する。
【0150】
ステップS2101では、排泄位置判断部105は、排泄情報処理部102の判断結果に基づき、犬304が排泄を行ったか否かを判断している。犬304が排泄を行った場合は(ステップS2101でYes)、処理はステップS2102に進む。一方、犬304が排泄を行わなかった場合は(ステップS2101でNo)、処理はステップS2104に進む。
【0151】
図22に示した飼育環境901では、排泄は行われていない。この場合には、処理はステップS2104に進む。
【0152】
ステップS2102では、排泄位置判断部105は、トイレ情報処理部104の判断結果を受け、犬304がペットトイレ305内に存在するか否かを判断している。犬304がペットトイレ305内に存在する場合は(ステップS2102でYes)、処理はステップS201、及び、ステップS202、及び、ステップS801に進む。一方、犬304がペットトイレ305内に存在しない場合は(ステップS2102でNo)、処理はステップS2103に進む。
【0153】
ステップS2103では、排泄位置判断部105は、犬304がペットトイレ305外で排泄を行った位置を、排泄履歴データベース2001に記録して、処理はステップS803に進む。
【0154】
ステップS2104では、排泄予測部2002は、位置情報処理部702により算出されたペットの位置に基づき、排泄履歴データベース2001に記録されている過去のペットトイレ305外の排泄位置に、犬304が存在するか否かを判断している。犬304が、過去のペットトイレ305外の排泄位置に存在する場合は(ステップS2104でYes)、処理はステップS2105に進む。一方、犬304が、過去のペットトイレ305外の排泄位置に存在しない場合は(ステップS2104でNo)、処理はステップS201、及び、ステップS203、及び、ステップS801に進む。
【0155】
ステップS2105では、報知制御部106は、報知装置107を制御して、犬304の飼い主に対して、犬304がペットトイレ305外で排泄する可能性があることを報知する。
【0156】
図24は、報知装置107の一例としての携帯端末602を示す図である。
図24では、報知制御部106は、携帯端末602の表示部6021に、「ペットが以下の位置で排泄を行いそうです」という文章を表示し、予測された排泄位置を矢印で表示させている。この表示によって、犬304の飼い主601に対して、犬304がペットトイレ305外で排泄する可能性があること及びその位置が、文章と飼育環境901の図とを用いて報知されている。
【0157】
尚、排泄位置判断部105は、排泄履歴データベース2001に、犬304が排泄を行った時刻または回数などを記録してもよい。例えば、排泄予測部2002は、同じ位置で排泄を行う回数が多い場合(予め設定された回数以上の場合)にのみ、前記位置に犬304が近づいたときに排泄を行うと予測し、報知制御部106は、その旨を犬304の飼い主に報知するようにしても良い。
【0158】
以上説明されたように、第5実施形態では、排泄予測部2002は、位置情報処理部702により算出されたペットの位置が、排泄履歴データベース2001に記録されている過去のペットトイレ305外での排泄位置に近づくと、ペットが排泄を行おうとしていると予測する。報知制御部106は、排泄予測部2002による予測をペットの飼い主に対して報知する。したがって、第5実施形態によれば、ペットがペットトイレ305外で排泄することを防止することができる。
【0159】
(第6実施形態)
第6実施形態では、ペットが排泄を行う時刻が近づいており、かつ過去にペットトイレ外で排泄した位置にペットが近づくと、ペットが排泄を行う可能性があると予測される。
【0160】
図25は、第6実施形態に係る排泄物検知システムの構成を示すブロック図である。
【0161】
第6実施形態に係る排泄物検知システムは、排泄情報取得装置101と、排泄情報処理部102と、トイレ観測装置103と、トイレ情報処理部104と、排泄位置判断部105と、報知制御部106と、報知装置107と、ペット観測装置701と、位置情報処理部702と、排泄履歴データベース2001と、排泄予測部2002と、給餌場観測装置2601と、給餌場情報処理部2602と、食事履歴データベース2603と、を備える。
【0162】
尚、排泄履歴データベース2001と、排泄予測部2002と、給餌場観測装置2601と、給餌場情報処理部2602と、食事履歴データベース2603以外の各構成要素に関しては、第1実施形態から第5実施形態の何れかに記載した内容と同等である。このため、詳細な説明を省略する。
【0163】
図27は、飼育環境2801を示す図である。飼育環境2801内には、ペットトイレ305と、犬304と、無線タグアンテナ903と、給餌場1601と、が存在する。給餌場1601には、給餌場観測装置2601の一例としての画像センサ2802が設置されている。
【0164】
<給餌場観測装置2601の説明>
給餌場観測装置2601は、前記ペットの居住空間に設置される。
図27に示される飼育環境2801の例では、給餌場観測装置2601の一例としての画像センサ2802が給餌場1601に設置されている。給餌場観測装置2601は、給餌場1601内の観測を行い、前記給餌場1601内に前記ペットの餌が存在するか否かの情報を含む給餌場情報を取得する。給餌場観測装置2601として、例えば、匂いセンサ、画像センサなどを用いることができる。
【0165】
尚、給餌場観測装置2601として、前記匂いセンサ、もしくは、前記画像センサを用いた場合に取得する給餌場情報に関しては、第1実施形態に記載のトイレ観測装置103の説明に記載したトイレ情報の内容と同等である。
【0166】
<給餌場情報処理部2602の説明>
給餌場情報処理部2602は、給餌場観測装置2601が取得した給餌場情報に基づいて、前記給餌場1601内から前記ペットが餌を食べたことを判断する。
【0167】
前記給餌場観測装置2601として前記匂いセンサを用いた場合、匂いセンサは、前記餌の匂いの出現、および、消滅を検知する。給餌場情報処理部2602は、前記餌の匂いが消滅したときに、前記ペットが前記餌を食べたと判断する。尚、匂いの判断方法に関しては、第1実施形態の排泄情報取得装置101または排泄情報処理部102の説明で匂いセンサに関して記載した内容と同等である。
【0168】
なお、給餌場観測装置2601は、排泄情報取得装置101として用いる匂いセンサと同じ匂いセンサを用いてもよい。この場合でも、給餌場情報処理部2602は、ペットフードが存在しているか否かを判断することができる。あるいは、給餌場観測装置2601は、排泄情報取得装置101として用いる匂いセンサと異なる匂いセンサを用いてもよい。例えば、給餌場観測装置2601は、ペットフードの匂い成分を検出できる匂いセンサを用いてもよい。
【0169】
前記給餌場観測装置2601として前記画像センサを用いた場合、画像センサは、前記餌を表す画像の出現、および、消滅を検知する。給餌場情報処理部2602は、前記餌を表す画像が消滅したときに、前記ペットが前記餌を食べたと判断する。尚、餌を表す画像の判断方法として、背景差分法及びヒストグラムマッチング法などを用いてもよい。尚、背景差分法、ヒストグラムマッチング法に関しては、第1実施形態の排泄情報処理部102の説明に記載した内容と同等である。
【0170】
<食事履歴データベース2603の説明>
図28は、食事履歴データベース2603の一例を示す図である。食事履歴データベース2603には、前記ペットが餌を食べた時刻が記録されている。給餌場情報処理部2602は、ペットが餌を食べたか否かを判断すると、その判断をしたときの時刻を判断結果と対応付けて食事履歴データベース2603に記録する。
【0171】
<排泄履歴データベース2001の説明>
図29は、排泄履歴データベース2001の一例を示す図である。排泄履歴データベース2001には、前記ペットがペットトイレ305外で排泄を行った位置と、前記ペットが排泄を行った時刻とが、互いに対応付けて、記録されている。尚、前記ペットがペットトイレ305外で排泄を行った時刻とは、排泄情報処理部102が前記ペットの排泄を判断したときの排泄情報を、排泄情報取得装置101が取得したときの観測時刻とする。
【0172】
排泄位置判断部105は、
図29に示されるように、ペットがペットトイレ305外で排泄を行ったか否かを判断すると、判断ごとに、観測時刻と排泄の有無とを対応付けて、排泄履歴データベース2001に記録する。排泄位置判断部105は、ペットがペットトイレ305外で排泄を行ったと判断すると、さらに排泄位置を観測時刻に対応付けて、排泄履歴データベース2001に記録する。
【0173】
<排泄予測部2002の説明>
排泄予測部2002は、位置情報処理部702が算出した前記ペットの位置と、排泄履歴データベース2001に記録されている前記ペットの排泄位置の履歴と、食事履歴データベース2603に記録されている前記ペットの食事時刻の履歴とに基づいて、前記ペットが排泄を行おうとしていることを予測する。
【0174】
一般に、犬や猫などは、1日における排泄のタイミングが決まっていることが多い。例えば、ペットは朝起きたときに排泄を行う、ペットは食事を食べた後に排泄を行う、などが考えられる。
【0175】
そこで、排泄予測部2002は、排泄履歴データベース2001に記録されている過去の排泄履歴に基づいて、どの時間帯に排泄を行っている割合が高いかを判断する。排泄予測部2002は、前記割合が高い時間帯に現在の時刻が含まれ、且つ、位置情報処理部702が算出した前記ペットの位置が、排泄履歴データベース2001に記録されている過去の排泄位置に近づいた場合、前記ペットが排泄を行おうとしていると予測する。
【0176】
代替的に、排泄予測部2002は、排泄履歴データベース2001に記録されている過去の排泄履歴と、食事履歴データベース2603に記録されている過去の食事履歴とに基づいて、食事を行ってから排泄を行うまでの経過時間の割合を判断してもよい。排泄予測部2002は、前記割合が高い食後の時間帯に現在の時刻が含まれ、且つ、位置情報処理部702が算出した前記ペットの位置が、排泄履歴データベース2001に記録されている過去の排泄位置に近づいた場合に、前記ペットが排泄を行おうとしていると予測してもよい。
【0177】
ここで、前記排泄を行っている割合が高い時間帯は、例えば、1時から2時、2時から3時、などの1時間区切りとしてもよい。また、前記食事を行ってから排泄を行うまでの経過時間は、例えば、食後1時間から2時間、食後2時間から3時間、などの1時間区切りとしてもよい。
【0178】
尚、前記ペットの位置と過去の排泄位置とが近づいたか否かの判断に関しては、第5実施形態にて記載した内容と同等である。このため、詳細な説明を省略する。
【0179】
<フローチャートの説明>
図26は、第6実施形態の排泄物検知システムの全体処理を示すフローチャートである。以下、
図26のフローチャートに対応させながら、
図27に示す飼育環境2801における、各構成要素の動作について説明する。
【0180】
尚、ステップS2701からステップS2704以外の各ステップに関しては、第1実施形態から第5実施形態の何れかに記載した内容と同等である。このため、詳細な説明を省略する。
【0181】
ステップS2701では、給餌場観測装置2601としての画像センサ2802が、所定の観測周期(例えば、1sec)で、画像センサ2802の観測範囲である給餌場1601の画像を取得する。
【0182】
ステップS2702では、給餌場情報処理部2602は、画像センサ2802が取得した画像に基づいて、給餌場1601から餌が無くなったか否かを判断する。給餌場情報処理部2602は、前記判断結果を食事履歴データベース2603に記録する。
【0183】
図28に示される食事履歴データベース2603の例では、給餌場情報処理部2602は、2012年9月2日10時43分9秒、及び、2012年9月3日11時3分24秒の時刻に、犬304が餌を食べ終わったと判断している。
【0184】
ステップS2104において、犬304が、過去のペットトイレ305外の排泄位置に存在しない場合は(ステップS2104でNo)、処理は、ステップS201、ステップS203、ステップS801、及びステップS2701に進む。一方、犬304が、過去のペットトイレ305外の排泄位置に存在する場合は(ステップS2104でYes)、処理はステップS2703に進む。
【0185】
ステップS2703では、排泄予測部2002は、排泄履歴データベース2001に記録されている犬304の過去の排泄履歴と、食事履歴データベース2603に記録されている犬304の過去の食事履歴とに基づいて、犬304が排泄を行う時刻が近づいているか否かを判断している。
【0186】
図29に示される排泄履歴データベース2001の例では、排泄位置判断部105(または排泄情報処理部102)は、2012年9月2日12時0分9秒の時刻に、犬304が排泄を行ったと判断している。
図28に示した犬304の食事履歴データベース2603の例と合わせてみると、犬304が餌を食べ終わった2012年9月2日10時43分9秒から1時間17分後に排泄を行っていることになる。したがって、食後1時間から2時間の間に排泄を行ったと判断される。
【0187】
2012年9月2日10時以前の食事履歴及び排泄履歴は、
図28及び
図29に示されていない。しかし、ここでは、食事を行ってから排泄を行うまでの経過時間の割合が、食後1時間から2時間の間で最も高くなっていたとする。
【0188】
この場合、前回の食事時刻である2012年9月3日11時3分24秒から1時間が経過したときに、排泄予測部2002は、犬304の排泄を行う時刻が近づいていると判断する。
【0189】
ステップS2102において、排泄位置判断部105が、犬304はペットトイレ305内に存在しないと判断した場合は(ステップS2102でNo)、処理はステップS2704に進む。ステップS2704では、排泄位置判断部105は、犬304が排泄を行った時刻及び排泄位置を、排泄履歴データベース2001に記録する。
【0190】
図26において、ステップS2701,S2702は、給餌場観測装置2601及び給餌場情報処理部2602において所定の観測周期で繰り返し実行される。
【0191】
以上説明されたように、第6実施形態では、排泄予測部2002は、前回の食事時刻からの経過時間に基づき、ペットが排泄を行う時刻が近づいていると判断し、かつ、位置情報処理部702により算出されたペットの位置が、排泄履歴データベース2001に記録されている過去のペットトイレ305外での排泄位置に近づくと、ペットが排泄を行おうとしていると予測する。報知制御部106は、排泄予測部2002による予測をペットの飼い主に対して報知する。したがって、第6実施形態によれば、ペットがペットトイレ305外で排泄することを防止することができる。
【0192】
図26のステップS2703では、排泄予測部2002は、排泄履歴データベース2001に記録されている犬304の過去の排泄履歴と、食事履歴データベース2603に記録されている犬304の過去の食事履歴とに基づいて、犬304が排泄を行う時刻が近づいているか否かを判断している。しかし、排泄予測部2002の判断方法は、上記に限られない。
【0193】
代替的に、排泄予測部2002は、排泄履歴データベース2001に記録されている排泄時刻の履歴に基づいて、排泄周期を算出してもよい。また、排泄予測部2002は、前回の排泄時刻からの経過時間が、算出された排泄周期に近づくと、次回の排泄時刻が近づいていると判断してもよい。
【0194】
図30は、排泄履歴データベース2001の別の例を示す図である。排泄位置判断部105は、排泄位置がペットトイレ305の内外に関係なく、排泄位置を排泄履歴データベース2001に記録する。
【0195】
図30に示される排泄履歴データベース2001の例では、排泄位置判断部105は、2012年9月2日12時0分9秒、及び、2012年9月3日18時0分51秒の時刻に、犬304が排泄を行ったと判断している。排泄位置判断部105は、2012年9月2日12時0分9秒の時刻では、犬304が、座標(300,500)のペットトイレ305外において排泄を行ったと判断している。また、排泄位置判断部105は、2012年9月3日18時0分51秒の時刻では、犬304が、座標(100,100)のペットトイレ305内において排泄を行ったと判断している。
【0196】
図30に示される排泄履歴データベース2001の例では、排泄周期は、2012年9月2日12時0分9秒から2012年9月3日18時0分51秒までの30時間になっている。2012年9月2日10時以前の排泄履歴は、
図30に示されていない。しかし、ここでは、排泄予測部2002により算出される排泄周期の平均値は、30時間から31時間の間であったとする。その結果、排泄予測部2002は、2012年9月3日18時から30時間後の2012年9月5日0時に近づくと、次回の排泄時刻が近づいていると判断する。