(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る電子機器の一実施形態を図面に基づいて説明する。尚、本実施形態では、電子機器として複合機を例に説明するが、これに限定する趣旨ではなく、電子機器は、例えば、ファクシミリ装置、コピー機、スキャナー、又はプリンター等の画像処理装置やテレビ等であってもよい。
【0023】
図1は、本発明に係る電子機器の一実施形態に係る複合機1の電気的構成を示すブロック図である。
図1に示すように、複合機1は、画像読取部21と、画像形成部22と、操作部23と、記憶部24と、通信部25と、制御部10と、を備えている。また、複合機1は、スマートフォンやタブレット等の遠隔操作装置9によって遠隔操作可能に構成されている。
【0024】
画像読取部21は、CCD(Charge Coupled Device)ラインセンサーや露光ランプ等を有する不図示の光学系ユニットを備えている。画像読取部21は、制御部10による制御の下、光学系ユニットに原稿の画像を読み取らせ、原稿の画像を表す画像データを生成し、当該画像データを制御部10へ出力する。
【0025】
画像形成部22は、制御部10による制御の下、制御部10に入力された画像データが表す画像を用紙に形成する。尚、制御部10には、上述の画像読取部21により生成された画像データや、後述の通信部25が外部装置から受信した画像データ等が入力される。
【0026】
具体的には、画像形成部22は、感光体ドラム、感光体ドラムの周面に対向して配設された帯電部、帯電部の下流側であって感光体ドラムの周面に対向して配設された露光部、露光部の下流側であって感光体ドラムの周面に対向して配設された現像部、現像部の下流側であって感光体ドラムの周面に対向して配設されたクリーニング部等を備えた周知の構成を有する。画像形成部22による、用紙に画像を形成する画像形成動作については、周知であるので、説明を省略する。
【0027】
操作部23は、情報を表示するための表示部231と、ユーザーに各種操作を行わせるための操作キー部232と、を備えている。表示部231は、例えばタッチパネル機能を有する液晶ディスプレイ等であり、各種情報を表示する。操作キー部232は、例えば、数値や記号を入力するためのテンキーや、表示部231に表示されたポインター(カーソル)を移動させるための方向キー等の各種キーを含む。
【0028】
記憶部24は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶装置である。記憶部24には、予め複合機1の使用が許可されたユーザーである認証ユーザーを認証するためのログイン情報が、複数の認証ユーザーのそれぞれに対応付けて記憶されている。ログイン情報は、例えば、認証ユーザーをそれぞれ識別するためのユーザー名と、当該認証ユーザーを認証するときに入力させるパスワードによって構成されている。
【0029】
通信部25は、遠隔操作装置9や不図示のパソコン等の外部装置と制御部10との間でLAN(Local Area Network)等を介して通信を行うための通信インターフェイス回路である。
【0030】
制御部10は、複合機1の各部の動作を制御する。具体的には、制御部10は、所定の演算処理を実行する不図示のCPU(Central Processing Unit)と、所定の制御プログラムが記憶されたEEPROM等の不図示の不揮発性メモリーと、データを一時的に記憶するための不図示のRAM(Random Access Memory)と、現在時刻を計時する不図示のタイマーと、これらの周辺回路等を備えている。
【0031】
制御部10は、不揮発性メモリー等に記憶された制御プログラムをCPUに実行させることにより、例えば、ログイン管理部11及び表示制御部12として動作する。ログイン管理部11及び表示制御部12の詳細については後述する。
【0032】
遠隔操作装置9は、タッチパネル機能を有する液晶ディスプレイ等で構成された表示部91を備えている。遠隔操作装置9は、複合機1を操作するための操作画面や、操作画面に各種情報を入力するためのソフトウェアキーボード等を表示部91に表示する。
【0033】
つまり、遠隔操作装置9のユーザーは、表示部91に表示された操作画面内のボタンやソフトウェアキーボードをタッチ操作することにより、複合機1に実行させる機能の実行指示を入力する。遠隔操作装置9は、ユーザーにより入力された機能の実行指示を通信部25を介して制御部10へ送信する。制御部10は、遠隔操作装置9から受信した機能の実行指示に従って機能を実行する。このように、遠隔操作装置9は、ユーザーにより入力された機能の実行指示を通信部25を介して制御部10へ送信することにより、複合機1を遠隔操作する。
【0034】
一方、制御部10は、機能を実行後、当該機能の実行結果に応じて遠隔操作装置9に実行させるべき機能の実行指示を、通信部25を用いて遠隔操作装置9へ返信する。遠隔操作装置9は、複合機1から返信された機能の実行指示に従って機能を実行する。このように、制御部10は、通信部25を用いて、複合機1を遠隔操作した遠隔操作装置9へ機能の実行指示を返信することにより、遠隔操作装置9により行われた遠隔操作の結果に応じて、遠隔操作装置9を動作させる。
【0035】
以下、遠隔操作装置9が複合機1を遠隔操作するときの動作について説明する。当該説明の中で、ログイン管理部11及び表示制御部12の詳細について説明する。
図2は、遠隔操作装置9が複合機1を遠隔操作するときの動作を示すフローチャートである。
【0036】
図2に示すように、制御部10内のRAMに後述の予約ログイン情報が記憶されていない場合に(S1;NO)、遠隔操作装置9においてログイン操作が行われたとする(S2;YES)。ログイン操作とは、ログイン情報を入力し、当該入力したログイン情報を用いて遠隔操作装置9のユーザーを複合機1にログインさせるログイン指示を、通信部25を介して制御部10へ送信する操作を示す。
【0037】
図3は、遠隔操作装置9の表示部91に表示されるログイン操作画面W1を示す図である。具体的には、遠隔操作装置9のユーザーが、表示部91に表示された複合機1を遠隔操作するアプリケーションソフトウェアを起動するためのアイコンをタッチ操作したとする。この場合、遠隔操作装置9は、
図3に示すログイン操作画面W1を表示部91に表示する。また、遠隔操作装置9は、不図示のソフトウェアキーボードを表示部91に表示する。
【0038】
遠隔操作装置9のユーザーは、上記ソフトウェアキーボードをタッチ操作して、ユーザ名欄A1にユーザー名L1を入力し、パスワード欄A2にパスワードL2を入力する。そして、遠隔操作装置9のユーザーがログインキーK1をタッチ操作すると、遠隔操作装置9は、入力されたユーザー名L1及びパスワードL2からなるログイン情報Lを含むログイン指示を、通信部25を介して制御部10へ送信する。このように、ログイン操作は、ユーザー名L1及びパスワードL2を入力する操作とログインキーK1のタッチ操作の二つの操作によって行われる。
【0039】
遠隔操作装置9においてログイン操作が行われ(S2;YES)、制御部10がログイン情報Lを含むログイン指示を受信すると、ログイン管理部11は、受信したログイン指示に従って、当該ログイン指示に含まれるログイン情報Lを入力したユーザーを複合機1にログインさせる処理を開始する。ログイン管理部11は、先ず、複合機1にログインしているログインユーザーが存在するか否かを判定する(S3)。ステップS3の判定方法の詳細については後述する。
【0040】
ログイン管理部11は、ステップS3において、ログインユーザーが存在しないと判定すると(S3;NO)、ログイン指示に含まれるログイン情報Lが、記憶部24に記憶されている認証ユーザーに対応付けられたログイン情報の何れかと一致するか否かを判定する(S4)。
【0041】
ステップS4において、ログイン管理部11は、当該ログイン情報Lが記憶部24に記憶されているログイン情報の何れかと一致すると判定した場合(S4;YES)、当該ログイン情報Lを入力した遠隔操作装置9のユーザー(以下、遠隔ユーザーと記載する)が認証ユーザーであると判断する。この場合、ログイン管理部11は、当該遠隔ユーザーを複合機1にログインさせる(S6)。
【0042】
具体的には、ステップS6において、ログイン管理部11は、制御部10内のタイマーを用いて現在時刻を取得する。ログイン管理部11は、当該取得した現在時刻を当該遠隔ユーザーが複合機1にログインしたログイン時刻とする。そして、ログイン管理部11は、遠隔操作装置9から受信したログイン指示に含まれるログイン情報Lと、当該ログイン時刻とを対応付けてRAMに記憶する。
【0043】
ログイン管理部11が遠隔ユーザーを複合機1にログインさせると(S6)、表示制御部12は、各種操作画面の表示機能の実行指示を遠隔操作装置9へ返信する(S7)。尚、表示制御部12は、ステップS7において、各種操作画面の表示機能の実行指示に、ステップS6においてRAMに記憶したログイン情報Lに含まれるユーザー名L1を含めて返信する。また、表示制御部12は、ステップS7において、各種操作画面の表示機能の実行指示に、各種操作画面内に表示する情報を含めて返信する。
【0044】
遠隔操作装置9は、各種操作画面の表示機能の実行指示を受信すると、当該実行指示に従って各種操作画面を表示部91に表示する。そして、遠隔ユーザーにより、表示部91に表示された各種操作画面を用いて各種機能の実行指示が入力され(S8;YES)、制御部10へ当該各種機能の実行指示が送信されると、制御部10は、受信した当該各種機能の実行指示に従って、各種機能を実行する(S9)。そして、再びステップS7が行われる。
【0045】
図4は、遠隔操作装置9の表示部91に表示されるユーザー文書操作画面W2を示す図である。例えば、遠隔操作装置9は、表示制御部12がステップS7において返信したユーザー文書操作画面W2の表示機能の実行指示を受信したとする。この場合、遠隔操作装置9は、
図4に示すユーザー文書操作画面W2を表示部91に表示する。
【0046】
ユーザー文書操作画面W2には、ユーザー文書操作画面W2の表示機能の実行指示に含まれたユーザー名L1と、ユーザー文書リストDLと、印刷指示キーF1と、送信指示キーF2と、結合指示キーF3と、移動/コピー指示キーF4と、削除指示キーF5と、ログアウトキーK2と、が表示される。
【0047】
ユーザー文書リストDLには、遠隔ユーザーが過去に複合機1の機能を実行したときに用いた各画像データを示す電子ファイルの名称(
図4における文書名欄)と、当該各画像データを用いて機能を実行した日時(
図4における日時欄)と、の組み合わせが一覧表示される。ユーザー文書リストDLに一覧表示された各組み合わせは、タッチ操作によって選択可能になっている。尚、表示制御部12は、ステップS7において、ユーザー文書リストDLに一覧表示する各組み合わせを示す情報を、ユーザー文書操作画面W2の表示機能の実行指示に含めて返信する。
【0048】
印刷指示キーF1は、ユーザー文書リストDLに一覧表示された組み合わせのうち、選択された組み合わせに対応する画像データ(以下、選択画像データと記載する)が表す画像を用紙に形成させる印刷機能の実行指示を入力するために設けられている。送信指示キーF2は、選択画像データを他の装置へ送信する送信機能の実行指示を入力するために設けられている。結合指示キーF3は、一以上の選択画像データを結合する結合機能の実行指示を入力するために設けられている。移動/コピー指示キーF4は、選択画像データの記憶先を移動する又は選択画像データをコピーする機能の実行指示を入力するために設けられている。削除指示キーF5は、選択画像データを削除する削除機能の実行指示を入力するために設けられている。
【0049】
例えば、遠隔ユーザーによって印刷指示キーF1がタッチ操作されることにより、選択画像データを用いた印刷機能の実行指示が入力され(S8;YES)、制御部10へ当該印刷機能の実行指示が送信されると、制御部10は、受信した実行指示に従って、選択画像データを用いた印刷機能を実行する(S9)。具体的には、制御部10は、ステップS9において、画像形成部22に当該選択画像データが表す画像を用紙に形成させる。
【0050】
ログアウトキーK2は、ユーザー文書操作画面W2内に表示されたユーザー名L1が示す遠隔ユーザーを、複合機1からログアウトさせるログアウト指示を入力するために設けられている。
【0051】
つまり、遠隔ユーザーにより、ログアウトキーK2をタッチ操作するログアウト操作が行われると(S10;YES)、遠隔操作装置9は、ユーザー名L1を含むログアウト指示を通信部25を介して制御部10へ送信する。ログイン管理部11は、制御部10が受信したログアウト指示に従って、当該ログアウト指示に含まれるユーザー名L1が示す遠隔ユーザーを複合機1からログアウトさせる(S11)。
【0052】
具体的には、ステップS11において、ログイン管理部11は、制御部10内のタイマーを用いて現在時刻を取得する。そして、ログイン管理部11は、当該取得した現在時刻を、当該ログアウト指示に含まれるユーザー名L1が示す遠隔ユーザーを複合機1からログアウトさせたログアウト時刻とする。そして、ログイン管理部11は、RAMに記憶されている当該ユーザー名L1を含むログイン情報Lに、更に、当該ログアウト時刻を対応付けて記憶する。
【0053】
つまり、ログイン管理部11は、ステップS3において、ログイン時刻が対応付けられ、且つ、ログアウト時刻が対応付けられていないログイン情報Lが、RAMに記憶されているか否かによって、複合機1にログインしているログインユーザーが存在するか否かを判定する。
【0054】
一方、ログイン管理部11は、ステップS3においてログインユーザーが存在すると判定した場合(S3;YES)及びステップS4においてログイン情報Lが記憶部24に記憶されているログイン情報と一致しないと判定した場合(S4;YES)、警告表示機能の実行指示を遠隔操作装置9へ返信する(S5)。
【0055】
警告表示機能とは、ログインできない旨の警告を示すメッセージを遠隔操作装置9の表示部91に表示する機能である。遠隔操作装置9は、当該警告表示機能の実行指示を受信すると、ログインできない旨の警告を示すメッセージを表示部91に表示する。ステップS5の実行後は、再びステップS1が行われる。
【0056】
ステップS11において、ログイン管理部11が遠隔ユーザーを複合機1からログアウトさせると、制御部10は、
図2に示す動作とは別に、RAMに記憶されている、当該ログアウトされた遠隔ユーザーが入力したユーザー名L1を含むログイン情報Lを用いて、再ログイン処理を実行する(S12)。ステップS12の実行後は、再びステップS1が行われる。
【0057】
以下、ステップS12の再ログイン処理の詳細、ステップS1、ステップS13、ステップS14の詳細について説明する。尚、以下では、ステップS11において、複合機1からログアウトされた遠隔ユーザーをログアウトユーザーと示す。また、RAMに記憶されている、ログアウトユーザーが入力したユーザー名L1を含むログイン情報Lを、ログアウトユーザーのログイン情報Lと示す。
図5は、再ログイン処理の動作を示すフローチャートである。
【0058】
図5に示すように、ステップS12(
図2)において、制御部10が、ログアウトユーザーのログイン情報Lを用いた再ログイン処理の実行を開始すると、表示制御部12は、再ログインキー表示機能の実行指示を遠隔操作装置9へ返信する(S21)。再ログインキー表示機能とは、ログイン情報Lを入力せずにログアウトユーザーを再ログインさせる再ログイン指示を入力するための再ログインキーを、遠隔操作装置9の表示部91に表示する機能である。
【0059】
表示制御部12は、ステップS21において、更に、再ログインキー表示機能の実行指示を返信した時刻をRAMに記憶する。また、表示制御部12は、再ログインキー表示機能の実行指示にログアウトユーザーのログイン情報Lに含まれるユーザー名L1を含めて返信する。
【0060】
例えば、遠隔ユーザーにより、ログアウト操作が行われ(S10(
図2);YES)、当該遠隔ユーザーが複合機1からログアウトされたとする(S11(
図2))。そして、当該ログアウトユーザーのログイン情報Lを用いた再ログイン処理の実行が開始されたとする(S12)。
図6は、再ログインキーKRが表示されたログイン操作画面W1aを示す図である。
【0061】
この場合、ステップS21において、表示制御部12が再ログインキー表示機能の実行指示を遠隔操作装置9へ返信すると(S21)、遠隔操作装置9は、受信した再ログインキー表示機能の実行指示に従って、
図6に示すように、再ログインキーKRが表示されたログイン操作画面W1aを表示部91に表示する。このとき、遠隔操作装置9は、受信した実行指示に含まれるユーザー名L1を再ログインキーKRのラベルに含めて表示する。
【0062】
図5に参照を戻す。表示制御部12は、RAMに記憶されている、再ログインキー表示機能の実行指示を返信した時刻から現在時刻までの経過時間が、予め定められた制限時間を超えているか否かを判定する(S22)。当該制限時間は、遠隔ユーザーが複合機1にログインしてからログアウトするまでに要すると考えられる程度の時間(例えば、5分)に定められ、制御部10内の不揮発性メモリーに記憶されている。
【0063】
表示制御部12は、ステップS22において、上記経過時間が制限時間を超えていないと判定した場合(S22;NO)、複合機1にログインしているログインユーザーが存在するか否かを判定する(S23)。
【0064】
具体的には、表示制御部12は、ステップS23において、ステップS3と同様に、ログイン時刻が対応付けられ、且つ、ログアウト時刻が対応付けられていないログイン情報LがRAMに記憶されているか否かによって、複合機1にログインしているログインユーザーが存在するか否かを判定する。
【0065】
表示制御部12は、ステップS23において、ログインユーザーが存在すると判定した場合(S23;YES)、当該ログインユーザーがログアウトユーザーの次にログインしたネクストユーザーであるか否かを判定する(S24)。
【0066】
具体的には、ステップS24において、表示制御部12は、先ず、RAMに記憶されているログイン情報Lに対応付けられたログイン時刻のうち、ログアウトユーザーが入力したログイン情報Lに対応付けられたログイン時刻を取得する。以下、当該取得したログイン時刻を、ログアウトユーザーのログイン時刻TAと示す。
【0067】
次に、表示制御部12は、RAMに記憶されているログイン情報Lに対応付けられたログイン時刻のうち、ステップS23で存在すると判定されたログインユーザーが入力したログイン情報Lに対応付けられたログイン時刻を取得する。以下、当該取得したログイン時刻を、ログインユーザーのログイン時刻TBと示す。
【0068】
そして、RAMに記憶されているログイン情報Lに対応付けられているログイン時刻の中に、ログアウトユーザーのログイン時刻TAからログインユーザーのログイン時刻TBまでの間の時刻t(TA<t<TB)が存在するとする。この場合、表示制御部12は、ログアウトユーザーがログインしてからステップS23で存在すると判定されたログインユーザーがログインするまでの間に、ログアウトユーザー及び当該ログインユーザーとは他のユーザーがログインしているので、当該ログインユーザーは、ネクストユーザーではないと判定する(S24;NO)。
【0069】
一方、RAMに記憶されているログイン情報Lに対応付けられているログイン時刻の中に、ログアウトユーザーのログイン時刻TAからログインユーザーのログイン時刻TBまでの間の時刻t(TA<t<TB)が存在しないとする。この場合、表示制御部12は、ログアウトユーザーがログインしてからステップS23で存在すると判定されたログインユーザーがログインするまでの間に、ログアウトユーザー及び当該ログインユーザーとは他のユーザーがログインしていないので、当該ログインユーザーは、ネクストユーザーであると判定する(S24;YES)。
【0070】
表示制御部12は、ステップS22において、上記経過時間が上記制限時間を超えたと判定した場合(S22;YES)、及び、ステップS24において、ログインユーザーはネクストユーザーではないと判定した場合(S24;NO)、再ログインキー非表示機能の実行指示を遠隔操作装置9へ返信する(S25)。そして、制御部10は、当該再ログイン処理を終了する。遠隔操作装置9は、再ログインキー非表示機能の実行指示を受信すると、当該実行指示に従って、ログイン操作画面W1a(
図6)に表示していた再ログインキーKRを非表示にする。
【0071】
また、表示制御部12は、ステップS23においてログインユーザーが存在しないと判定した場合(S23;NO)、ネクストユーザーが存在するか否かを判定する(S26)。
【0072】
具体的には、表示制御部12は、ステップS26において、ログアウトユーザーが入力したログイン情報Lに対応付けられたログイン時刻よりも後の時刻がログイン時刻として対応付けられているログイン情報Lが、RAMに記憶されているか否かによって、ネクストユーザーが存在するか否かを判定する(S26)。
【0073】
つまり、表示制御部12は、ステップS23において、ログインユーザーが存在しないと判定し(S23;NO)、ステップS26において、ネクストユーザーが存在すると判定した場合(S26;YES)、ネクストユーザーが複合機1からログアウトした後であって、且つ、ログインユーザーが存在しない状態であると判断する。この場合(S23;NO、S26;YES)も、表示制御部12は、再ログインキー非表示機能の実行指示を遠隔操作装置9へ返信する(S25)。そして、制御部10は、再ログイン処理を終了する。
【0074】
一方、表示制御部12が、ステップS24において、ログインユーザーがネクストユーザーであると判定した場合に(S24;YES)、遠隔操作装置9のユーザーにより、再ログインキーKR(
図6)をタッチ操作する再ログイン操作が行われたとする(S27;YES)。
【0075】
この場合(S27;YES)、遠隔操作装置9は、ログイン情報Lを入力せずにログアウトユーザーを再ログインさせる再ログイン指示を通信部25を介して制御部10へ送信する。ログイン管理部11は、制御部10が受信した再ログイン指示に従って、ログイン情報Lを入力せずにログアウトユーザーを再ログインさせる処理の実行を開始する(S28)。
【0076】
具体的には、ステップS28において、ログイン管理部11は、ログアウトユーザーのログイン情報LをRAMから取得する。そして、ログイン管理部11は、当該取得したログイン情報Lを予約ログイン情報としてRAMに記憶する(S28)。同様に、表示制御部12がステップS26においてネクストユーザーが存在しないと判定した場合に(S26;NO)、再ログイン操作が行われたときにも(S27;YES)、ステップS28が行われる。そして、制御部10は、再ログイン処理を終了する。
【0077】
一方、表示制御部12が、ステップS24においてログインユーザーがネクストユーザーであると判定した場合(S24;YES)、及び、ステップS26においてネクストユーザーが存在しないと判定した場合(S26;NO)に、再ログイン操作が行われないときは(S27;NO)、再びステップS22が行われる。
【0078】
このように、制御部10による再ログイン処理が実行され、ステップS28において、ログアウトユーザーのログイン情報Lが予約ログイン情報としてRAMに記憶されたとする(S28)。この場合、
図2に示す動作において、ログイン管理部11は、RAMに予約ログイン情報が記憶されているので(S1;YES)、ステップS3と同様にして、複合機1にログインしているログインユーザーが存在するか否かを判定する(S13)。
【0079】
ログイン管理部11は、ステップS13において、ログインユーザーが存在しないと判定すると(S13;NO)、RAMに記憶されている予約ログイン情報を、遠隔操作装置9から受信したログイン指示に含まれるログイン情報Lとして取得する(S14)。そして、ログイン管理部11は、RAMに記憶されている予約ログイン情報を削除する。
【0080】
そして、ログイン管理部11は、ステップS6を実行する。つまり、ログイン管理部11は、当該ステップS6において、ステップS13において遠隔操作装置9から受信したログイン指示に含まれるログイン情報Lとして取得した予約ログイン情報と、ログイン時刻とを対応付けてRAMに記憶する。これにより、ログイン管理部11は、ログイン情報Lを入力させずにログアウトユーザーを複合機1に再ログインさせる。
【0081】
一方、ログイン管理部11は、ステップS13において、ログインユーザーが存在すると判定した場合(S13;YES)、RAMに記憶されている予約ログイン情報が、ステップS24(
図4)においてログインユーザーがネクストユーザーであると判定され(S24;YES)、再ログイン操作が行われた場合に(S27;YES)、RAMに記憶された予約ログイン情報であると判断する。
【0082】
つまり、この場合(S13;YES)、ログイン管理部11は、ネクストユーザーがログインしていると判断し、当該ネクストユーザーがログアウトしてログインユーザーが存在しなくなった直後にステップS14以降の処理を実行できるよう、ステップS10に処理を移す。
【0083】
つまり、ログイン管理部11は、遠隔操作装置9においてログイン情報Lを入力するログイン操作がユーザーにより行われた場合(S2;YES)、複合機1にログインしているログインユーザーが存在しなければ(S3;NO)、当該ユーザーを複合機1にログインさせ(S4;YES、S6)、遠隔操作装置9において複合機1からユーザーをログアウトさせるログアウト操作が行われた場合(S10;YES)、当該ユーザーを複合機1からログアウトさせる(S11)。
【0084】
表示制御部12は、ログイン管理部11がユーザーを複合機1からログアウトさせた場合(S11)、ログイン情報Lを入力せずに当該ログアウトさせたログアウトユーザーを再ログインさせる再ログインキーKRを、遠隔操作装置9の表示部91に表示させる(S21)。
【0085】
また、ログイン管理部11は、遠隔操作装置9において再ログインキーKRの操作が行われた場合(S27;YES)、ログアウトユーザーを複合機1にログインさせるときに用いたログイン情報Lを用いて、当該ログアウトユーザーを複合機1にログインさせる(S28、S14、S6)。
【0086】
このため、遠隔操作装置9においてログイン情報Lを入力するログイン操作を行って複合機1にログインしたユーザーは、その後、ログアウト操作を行って複合機1からログアウトした場合であっても、ログアウトしてから制限時間が経過するまでの間は、再ログインキーKRの操作を行うだけで、ログイン情報Lを入力する手間をかけることなく、迅速に複合機1に再ログインすることができる。
【0087】
これにより、遠隔操作装置9のユーザーは、複合機1の遠隔操作を終えたものとしてログアウト操作を行った後、やり残した複合機1の遠隔操作があることに気付いた場合であっても、迅速に複合機1に再ログインして、当該やり残した複合機1の遠隔操作を行うことができる。
【0088】
また、表示制御部12は、ログイン管理部11がログアウトユーザーを複合機1からログアウトさせたときから予め定められた制限時間が経過するまで、再ログインキーKRを遠隔操作装置9の表示部91に表示させる(S21、S22;YES、S25)。
【0089】
このため、再ログインキーKRが不要に長い時間、遠隔操作装置9の表示部91に表示される虞を軽減することができる。これにより、ログアウトユーザーとは他のユーザーが再ログインキーKRが表示された遠隔操作装置9を使用する虞を軽減することができる。その結果、ログアウトユーザーとは他のユーザーが、再ログインキーKRを操作して、ログアウトユーザーになりすまして不正にログインする虞を軽減することができる。
【0090】
また、表示制御部12は、ログイン管理部11がログアウトユーザーを複合機1からログアウトさせたときから制限時間が経過するまでに(S22;NO)、ログアウトユーザーの次に複合機1にログインしたネクストユーザーが存在しないとき(S26;NO)、又は、ネクストユーザーがログインしているとき(S24;YES)は、再ログインキーKRを遠隔操作装置の表示部に表示させる(S21)。
【0091】
このため、ネクストユーザーが存在しないとき又はネクストユーザーが複合機1にログインしているときに、つまり、ログアウトユーザーの次に複合機1からログアウトしたユーザーが存在しないときに、再ログインキーKRを遠隔操作装置9の表示部91に表示することができる。
【0092】
これにより、ログアウトユーザーが使用する遠隔操作装置9に再ログインキーKRが表示されているときに、ログアウトユーザーとは他のユーザーが使用する遠隔操作装置9に再ログインキーKRが表示されることを回避することができる。その結果、複数の遠隔操作装置9に表示された再ログインキーKRが同時に操作された場合に、再ログインさせるユーザーを何らかの方法で決定する必要が生じる等、ユーザーを複合機1に再ログインさせるための処理が煩雑化する虞を軽減することができる。
【0093】
また、表示制御部12は、ログイン管理部11がログアウトユーザーを複合機1からログアウトさせたときから上記制限時間が経過するまでに(S22;NO)、ログアウトユーザーの次に複合機1にログインしたネクストユーザーが複合機1からログアウトした場合(S26;YES)、再ログインキーKRを非表示にさせる(S25)。
【0094】
このため、ネクストユーザーがログアウトして、ログアウトしたユーザーが複数存在するようになった場合に、当該複数のログアウトしたユーザーがそれぞれ使用する複数の遠隔操作装置9に再ログインキーKRが表示されることを回避することができる。これにより、例えば、複数の遠隔操作装置9に表示された再ログインキーKRが同時に操作された場合に、再ログインさせるユーザーを何らかの方法で決定する必要が生じる等、ユーザーを複合機1に再ログインさせるための処理が煩雑化する虞を軽減することができる。
【0095】
また、ログイン管理部11は、遠隔操作装置9において再ログインキーKRの操作が行われた場合、ログアウトユーザーの次に複合機1にログインしたネクストユーザーがログインしているときは(S24;YES、S27;YES、S28、S1;YES、S13;YES)、ネクストユーザーがログアウトした直後に、ログアウトユーザーを、当該ログアウトユーザーが複合機1にログインするときに入力したログイン情報Lを用いて複合機1にログインさせる(S10;YES、S11、S1;YES、S13;NO、S14、S6)。
【0096】
このため、ログアウトユーザーは、再ログインキーKRを操作した後、遅くても、ネクストユーザーがログアウトするまでの間待機するだけで、再ログインすることができる。つまり、再ログインキーKRを操作して迅速に再ログインしようとしているユーザーを、長い時間待機させる虞を低減することができる。
【0097】
尚、上記実施形態は、本発明に係る実施形態の例示に過ぎず、本発明を上記実施形態に限定する趣旨ではない。例えば、以下に示す、変形実施形態であってもよい。
【0098】
(1)例えば、遠隔操作装置9において再ログインキーKRの操作が行われた場合に、ログアウトユーザーの次に複合機1にログインしたネクストユーザーがログインしているときは、ログイン管理部11が当該再ログインキーKRの操作を無視するようにしてもよい。
【0099】
つまり、表示制御部12がステップS24においてログインユーザーがネクストユーザーであると判定した場合は(S24;YES)、再ログイン操作が行われたとしても(S27;YES)、ステップS28を行わずに、ステップS22に処理を戻すようにしてもよい。この場合、ログイン管理部11が、ステップS22に処理を戻す前に、再ログイン操作ができない旨のメッセージを表示部91に表示する機能の実行指示を遠隔操作装置9に返信するようにしてもよい。
【0100】
(2)また、ログイン管理部11がログアウトユーザーを複合機1からログアウトさせたときから上記制限時間が経過するまでに、ログアウトユーザーの次に複合機1にログインしたネクストユーザーが複合機1からログアウトした場合に、表示制御部12が、再ログインキーKRを非表示にする処理をしないようにしてもよい。
【0101】
つまり、ステップS26を省略し、表示制御部12がステップS23においてログインユーザーが存在しないと判定した場合には(S23;NO)、ステップS27を実行するようにしてもよい。
【0102】
(3)また、ログイン管理部11がログアウトユーザーを複合機1からログアウトさせたときから制限時間が経過するまでの間は、ネクストユーザーがログアウトした後にログインユーザーが存在している場合であっても、再ログインキーKRを遠隔操作装置9の表示部91に表示させるようにしてもよい。
【0103】
つまり、ステップS23、ステップS24、及びステップS26を省略し、ログイン管理部11がログアウトユーザーを複合機1からログアウトさせたときから制限時間が経過していないときは(S22;NO)、ステップS27を実行するようにしてもよい。
【0104】
(4)また、ログイン管理部11がログアウトユーザーを複合機1からログアウトさせたときから制限時間が経過した後も、表示制御部12が、再ログインキーKRを遠隔操作装置9の表示部91に表示させるようにしてもよい。つまり、ステップS22〜S26を省略し、ステップS21の後、ステップS27を行うようにしてもよい。