(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記トナー容器は、前記装置本体に装着された場合に前記排出口を開放し、前記装置本体から離脱された場合に前記排出口を閉鎖する容器側シャッターを有していることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー補給装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、容器装着部からトナー容器を取り外したときに、トナー受入口(補給口)付近に存在するトナーの飛散を防止することができなかった。また、特許文献1に記載の技術は、各底壁を開いて回収されたトナーを排出したとしても、各溝部の壁面に付着(残留)したトナーの飛散を防止することができなかった。さらに、特許文献1に記載の技術は、清掃部材、2つの溝部、2つのフォトセンサーおよび2つの底壁の開閉機構等を設けなければならず、構造の複雑化および製造コストの増加という問題を有していた。
【0007】
本発明は上記した課題を解決すべくなされたものであり、簡単且つ安価な構造で、トナーの飛散を有効に抑制するためのトナー補給装置およびこれを備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的を達成するため、本発明のトナー補給装置は、トナーを収容し、装置本体に着脱可能に設けられるトナー容器と、前記装置本体の内部の空気を外部に排出する排気装置と、前記トナー容器の着脱動作に連動して前記トナー容器の排出口とトナーの補給先とを連通させる補給口を開閉する連動シャッターを含む連動装置と、を備え、前記排気装置は、前記装置本体の内部と外部とを連通させる排気ダクトと、前記排気ダクトに連通し、前記補給口に並設される吸気口と、を有し、前記連動装置は、前記装置本体に前記トナー容器を装着した場合に、前記補給口を開放すると共に前記吸気口を閉鎖するように前記連動シャッターを移動させ、前記装置本体から前記トナー容器を離脱させた場合に、前記補給口を閉鎖すると共に前記吸気口を開放するように前記連動シャッターを移動させることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、装置本体に装着されたトナー容器を離脱させる(取り外す)と、開放されていた補給口は連動シャッターによって閉鎖され、連動シャッターによって閉鎖されていた吸気口は開放される。連動シャッターの閉鎖過程において、トナーが、トナー容器の排出口や補給口から装置本体内に僅かに漏れ出す場合がある。漏出したトナーは、補給口の周辺に飛散する。ここで、補給口に並んで設けられる吸気口は、排気ダクトに通じているため、排気装置は、吸気口の周辺の空気に吸引力を作用させる。したがって、漏出したトナーは、吸気口付近の空気と共に吸気口から排気ダクト内に吸い込まれる。このように、トナーが飛散する虞があるトナー容器の離脱時に吸気口を開放することで、トナーによって装置本体の内部が汚染されることを有効に抑制することができる。
【0010】
また、装置本体にトナー容器を装着した状態では、吸気口は、連動シャッターによって閉鎖され、排気装置は、例えば、排気ダクトを通して装置本体内の排熱を行う。一方、装置本体からトナー容器を取り外した状態では、排気装置は、装置本体内の排熱に加えて、漏出したトナーの排出を行う。排気装置が排熱と漏出したトナーの排出とに併用されるため、トナーの排出専用の排気構造を設ける場合よりも、トナー補給装置に係る構造の簡易化および低コスト化を図ることができる。
【0011】
この場合、前記トナー容器は、前記装置本体の前面開口部から後方に延びる容器装着部に着脱可能に設けられ、前記排出口は、前記トナー容器の後部下面に設けられ、前記吸気口は、前記補給口の後側に隣接して設けられ、前記連動装置は、前記補給口を閉鎖するように前方に向けて前記連動シャッターを付勢する付勢部材を有していることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、ユーザーの手の届き難い容器装着部の後部に補給口が設けられているが、吸気口が補給口に隣接しているため、漏出したトナーを有効に吸い込むことができる。これにより、漏出したトナーによる装置本体内の汚染リスクを下げることができる。
【0013】
この場合、前記トナー容器は、前記装置本体に装着された場合に前記排出口を開放し、前記装置本体から離脱された場合に前記排出口を閉鎖する容器側シャッターを有していることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、容器側シャッターは、装置本体からトナー容器を取り外したときに排出口を閉じることで、トナーの漏出をより有効に抑制する。これにより、漏出したトナーによる装置本体内の汚染を防止することができる。
【0015】
この場合、前記トナー容器、前記連動装置および前記吸気口は、それぞれ、複数の前記トナーの補給先に応じて複数設けられ、前記排気装置は、前記複数の吸気口と前記排気ダクトとを連通させるマニホールドを更に有していることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、複数の吸気口は、マニホールドによって1つに合流し、単一の排気ダクトに連通される。これにより、各々の吸気口に対応した排気用のダクトを設ける場合よりも、排気装置に係る構造の簡易化および低コスト化を図ることができる。
【0017】
上記した目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、上記のいずれかに記載のトナー補給装置を備えていることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、トナー容器を取り外す過程において、トナーが、トナー容器の排出口や補給口から装置本体内に僅かに漏れ出し、補給口付近を浮遊する。漏出したトナーは、吸気口付近の空気と共に吸気口から排気ダクト内に吸い込まれる。これにより、トナーが装置本体内に飛散することを有効に抑制することができる。また、排気装置は、排熱と漏出したトナーの排出とに併用されるため、トナー補給装置に係る構造の簡易化および低コスト化を図ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、トナー補給装置を簡単且つ安価に構成することができる。また、トナーの飛散を有効に抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について説明する。
【0022】
図1および
図2を参照して、画像形成装置としてのカラープリンター1の全体の構成について説明する。
図1はカラープリンター1の内部構造を模式的に示す断面図である。
図2は現像装置32の内部構造を模式的に示す断面図である。なお、以下の説明では、
図1の紙面手前側をカラープリンター1の前側(正面側)とし、各図に適宜方向を示すこととする。
【0023】
図1に示すように、カラープリンター1は、略箱型形状の装置本体2と、装置本体2の下部に設けられる給紙カセット3と、装置本体2の上部に設けられる排紙トレイ4と、を備えている。
【0024】
また、カラープリンター1は、給紙部10と、画像形成部11と、定着装置12と、制御装置13と、を備えている。給紙部10は、給紙カセット3内の用紙Pを搬送経路14に供給するために給紙カセット3の右側近傍に設けられている。画像形成部11は、装置本体2の内部略中央に設けられている。定着装置12は、搬送経路14の下流側に設けられている。制御装置13は、カラープリンター1の各構成を統括制御するために設けられている。
【0025】
画像形成部11は、例えば、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナー(現像剤)を用いて画像形成処理を行うタンデム方式が採用されている。なお、以下の説明では、色指定をする場合に算用数字に括弧書きで(Y,M,C,K)を付し、それ以外の場合には算用数字のみを付す。
【0026】
画像形成部11は、トナー補給装置15と、4つのドラムユニット16と、4つの露光器17と、含んで構成されている。トナー補給装置15は、装置本体の内部上側に配設されている。4つのドラムユニット16は、トナー補給装置15の下側に配設されている。4つの露光器17は、それぞれ、各ドラムユニット16の下側に配設されている。
【0027】
トナー補給装置15は、4つのトナーコンテナ20と、中間転写ユニット21と、を含んで構成されている。トナー容器としての4つのトナーコンテナ20は、排紙トレイ4の下側に左右方向に並設されている。中間転写ユニット21は、各トナーコンテナ20の下側に配設されている。なお、トナー補給装置15の詳細な構成は後述する。
【0028】
4つのトナーコンテナ20は、4色のトナーを収容している。トナーコンテナ20は、装置本体2に着脱(交換)可能に設けられている。
【0029】
中間転写ユニット21は、略矩形状の中間筐体22(
図4参照)の外周に走行可能に支持される中間転写ベルト23を含んで構成されている。中間転写ベルト23は、装置本体2内の右側に軸支される駆動ローラー24と、装置本体2内の左側に軸支されるテンションローラー25との間に架設されている。中間転写ベルト23は、駆動装置(図示せず)によって駆動ローラー24を回転駆動することで、
図1に示す矢印方向に回動する。なお、中間転写ユニット21は、各トナーコンテナ20と各ドラムユニット16(現像装置32)とを連通させる中間搬送路62(詳細は後述する)を有している(
図4参照)。
【0030】
4つのドラムユニット16は、それぞれ、感光体ドラム30と、帯電装置31と、現像装置32と、一次転写ローラー33と、ドラムクリーニング装置34と、二次転写ローラー35と、を含んで構成されている。なお、4つのドラムユニット16は同様の構成を有しているため、以下、1つのドラムユニット16について説明する。
【0031】
感光体ドラム30は、中間転写ベルト23の下側表面に接触している。感光体ドラム30は、駆動装置(図示せず)によって回転駆動される。帯電装置31、現像装置32、一次転写ローラー33およびドラムクリーニング装置34は、感光体ドラム30の周囲に転写プロセス順に配置されている。
【0032】
図2に示すように、現像装置32は、現像ハウジング40と、2つの攪拌部材41と、磁気ローラー42と、現像ローラー43と、を含んで構成されている。現像ハウジング40は、補給されたトナーを内部に収容する。現像ハウジング40の後部左側には、トナーを受け入れるための供給口44が開口している。現像装置32は、中間転写ユニット21を介してトナーコンテナ20からトナーの補給を受けるように構成されている。各攪拌部材41は、軸周りに回転して現像ハウジング40内のトナーを循環させながら攪拌する。磁気ローラー42は、感光体ドラム24に向けて筐体30内のトナーを搬送し、現像ローラー43は、トナーを感光体ドラム30に付着させる。
【0033】
図1に示すように、一次転写ローラー33は、中間転写ベルト23を挟んで上側から感光体ドラム30に対向配置されている。二次転写ローラー35は、中間転写ベルト23を挟んで右側から中間転写ユニット21の駆動ローラー24に対向配置され、二次転写ニップ部35aを形成している。
【0034】
ここで、カラープリンター1の動作について説明する。カラープリンター1の制御装置13は、入力された画像データに基づいて、以下のように画像形成処理を実行する。
【0035】
各帯電装置31は、感光体ドラム30の表面を帯電させる。各露光器17は、感光体ドラム30に向けて画像データに対応した露光(
図1の破線矢印参照)を行う。これにより、静電潜像が、各感光体ドラム30の表面に形成される。各現像装置32は、トナーコンテナ20から供給されたトナーを用いて静電潜像を現像する。これにより、4色のトナー像が、4つの感光体ドラム30の表面に担持される。4つのトナー像は、一次転写バイアスを印加した一次転写ローラー33によって、走行する中間転写ベルト23に順番に一次転写される。これにより、フルカラーのトナー像が、中間転写ベルト23の表面に形成される。
【0036】
一方、給紙カセット3から供給された用紙Pは、搬送経路14を搬送されて二次転写ニップ部35aを通過する。フルカラーのトナー像は、二次転写バイアスが印加された二次転写ローラー35によって、用紙Pに二次転写される。定着装置12は、用紙Pにフルカラーのトナー像を定着させる。定着処理後の用紙Pは、排紙トレイ4に排出される。ドラムクリーニング装置34は、転写後に感光体ドラム30の表面に残ったトナーを除去する。
【0037】
次に、
図3ないし
図6を参照して、トナー補給装置15について詳細に説明する。
図3はトナー補給装置15を模式的に示す斜視図である。
図4は、
図3のIV−IV断面図である。
図5はトナー補給装置15の連動装置27等を模式的に示す斜視図である。
図6はトナー補給装置15を模式的に示す縦断面図である。
【0038】
図3に示すように、トナー補給装置15は、4つのトナーコンテナ20と、中間転写ユニット21と、排気装置26と、4つの連動装置27(
図5等参照)と、を備えている。既に説明したように、4つのトナーコンテナ20は、装置本体2の上部に着脱可能に配設され、中間転写ユニット21は、各トナーコンテナ20と各現像装置32との間に配設されている。排気装置26は、装置本体2の内部の空気を外部に排出するために設けられている。各連動装置27は、装置本体2にトナーコンテナ20を装着することで、現像装置32に対するトナーの補給を可能にする。
【0039】
図3および
図6に示すように、4つのトナーコンテナ20は、それぞれ、容器本体50と、容器内スクリュー51と、排出口52と、容器側シャッター53と、容器側バネ54と、を含んで構成されている。なお、4つのトナーコンテナ20は同様の構成を有しているため、以下、イエローのトナーを収容するトナーコンテナ20(Y)に着目して説明する。
【0040】
容器本体50は、前後方向に長い中空の略箱状に形成されている。容器内スクリュー51は、前後方向に延在し、容器本体50の内部に軸支されている。排出口52は、容器本体50の後部底面に上下方向に貫通して形成されている。容器側シャッター53は、排出口52を開放する位置と閉鎖する位置との間でスライドするように容器本体50の下面に取り付けられている。容器側バネ54は、例えば、コイルバネであって、容器本体50と容器側シャッター53の前端部との間に設けられている。容器側バネ54は、排出口52を閉鎖する位置(後方)に向けて容器側シャッター53を付勢している。
【0041】
図3に示すように、装置本体2の上部前面には、各トナーコンテナ20を挿入するための4つの前面開口部55が左右方向に並設されている。なお、各前面開口部55は、前面カバー(図示せず)によって覆われている。4つのトナーコンテナ20は、それぞれ、装置本体2の各前面開口部55から後方に延びる4つの容器装着部56に着脱可能に設けられている。
図3および
図4に示すように、各容器装着部56の内部には、トナーコンテナ20の装着空間Sが形成されている。各容器装着部56の後部下面には、後側開口部57が上下方向に貫通形成されている。
【0042】
図4に示すように、中間転写ユニット21は、4つの補給口60と、4つの中間排出口61と、4つの中間搬送路62と、を含んで構成されている。
【0043】
4つの補給口60は、容器装着部56の後側開口部57に対応するように、中間筐体22の後部上面において左右方向に並設されている。各補給口60は、中間筐体22の上面から上方に凸設され、略筒状に形成されている。各補給口60は、トナーコンテナ20の排出口52と現像装置32とを連通させている。各トナーコンテナ20の排出口52から排出されたトナーは、補給口60を介してトナーの補給先としての現像装置32内に供給される。
【0044】
4つの中間排出口61は、現像装置32の供給口44に対応するように、中間筐体22の後部下面において左右方向に並設されている。各中間排出口61は、補給口60から受け入れたトナーを現像装置32に向けて排出する。
【0045】
4つの中間搬送路62は、それぞれ、補給口60と中間排出口61とを連通させるように、中間筐体22の内部において略クランク状に形成されている。隣り合う中間搬送路62の間には、移送されるトナーの混合を防止するための隔壁62aが形成されている。中間筐体22の内部には、全ての中間搬送路62の水平部分を貫くように搬送スクリュー62bが軸支されている。搬送スクリュー62bは、駆動装置(図示せず)によって回転駆動され、各補給口60から導入されたトナーを各中間排出口61に向けて移送する。
【0046】
図5および
図6に示すように、排気装置26は、排気ダクト70と、排気ファン装置71と、排熱管72と、4つの吸気管73と、マニホールド74と、を含んで構成されている。
【0047】
排気ダクト70は、装置本体2の内部と外部とを連通させている(
図1参照)。
図5に示すように、排気ダクト70の上流端部は、マニホールド74に接続されている。排気ファン装置71は、排気ダクト70とマニホールド74との接続部分に設けられている。
図1に示すように、排気ダクト70の下流端部は、装置本体2の側壁に開口する排気口75に接続されている。排気口75には、トナーを捕集するためのフィルター76が設けられている。
【0048】
図6に示すように、排熱管72の上流端部には、排熱口77がドラムユニット16に向けて開口されている。排熱口77は、各ドラムユニット16や各露光器17等の動作によって加熱された空気(熱気)を取り入れるために開口している。排熱管72の下流端部は、マニホールド74に接続されている。
【0049】
図5および
図6に示すように、4つの吸気管73は、各トナーコンテナ20に対応して設けられている。各吸気管73の上流端部には、吸気口78が開口している。各吸気口78は、補給口60の後側に隣接して設けられている。各吸気管73の下流端部は、マニホールド74に接続されている。すなわち、各吸気口78は、マニホールド74を介して排気ダクト70に連通し、各補給口60に並設されている。
【0050】
マニホールド74は、排熱口77(排熱管72)を通る空気と、各吸気口78(吸気管73)を通る空気と、を1つに合流させるために設けられている。マニホールド74は、排熱口77と排気ダクト70とを連通させると共に、各吸気口78と排気ダクト70とを連通させている。
【0051】
図5および
図6に示すように、4つの連動装置27は、それぞれ、連動シャッター80と、連動バネ83と、を含んで構成されている。なお、4つの連動装置27は同様の構成を有しているため、以下、トナーコンテナ20(Y)に対応する連動装置27(Y)に着目して説明する。
【0052】
連動シャッター80は、中間転写ユニット21の中間筐体22に対して前後方向に移動可能に支持されている。連動シャッター80は、略前側半分の連通部81と、略後側半分の封止部82と、を有して一体形成されている。連通部81には、中央部に連通穴81aが上下方向に貫通形成されている。封止部82は、補給口60または吸気口78を覆うように設けられている。封止部82の上面には、係合部82aが凸設されている。
【0053】
連動バネ83は、例えば、コイルバネであって、中間筐体22と連動シャッター80の後端部との間に設けられている。連動バネ83は、補給口60を閉鎖するように前方に向けて連動シャッター80を付勢している。
【0054】
なお、各連動装置27は、トナーコンテナ20の装着過程で容器側シャッター53の前端面に当接する左右一対の当接部84を有している(
図4も参照)。各当接部84は、中間転写ユニット21の補給口60付近に設けられている。
【0055】
次に、
図6および
図7を参照して、トナー補給装置15の作用について説明する。
図7(A)はトナーコンテナ20の着脱途中を模式的に示すトナー補給装置15の縦断面図である。
図7(B)はトナーコンテナ20が装着された状態を模式的に示すトナー補給装置15の縦断面図である。なお、以下の説明では、引き続き、トナーコンテナ20(Y)の着脱に着目して説明する。
【0056】
まず、装置本体2(容器装着部56)にトナーコンテナ20を装着する場合について説明する。
図6に示すように、トナーコンテナ20を装着する前の連動シャッター80は、連動バネ83によって前方に付勢されている。このため、連動シャッター80の封止部82は、補給口60を閉鎖し、連動シャッター80の連通部81は、補給口60の前方に位置している。また、トナーコンテナ20の容器側シャッター53は、容器側バネ54によって後方に付勢され、排出口52を閉鎖している。
【0057】
作業者は、装置本体2の前面カバーを開放し、前面開口部55から容器装着部56の装着空間Sにトナーコンテナ20を差し込む。トナーコンテナ20の後部が後側開口部57まで進入すると、
図7(A)に示すように、トナーコンテナ20の容器側シャッター53は、各当接部84に当接する。また、略同時に、トナーコンテナ20(容器本体50)の後部に形成される係合段部50aが、連動シャッター80の係合部82aに係合する。
【0058】
トナーコンテナ20を更に進入させると、
図7(B)に示すように、容器側シャッター53は、容器側バネ54の付勢力に抗して相対的に前方に移動する。これにより、トナーコンテナ20の排出口52が、開放される。また、略同時に、連動シャッター80は、トナーコンテナ20に押され、連動バネ83の付勢力に抗して後方に移動する。連動シャッター80の連通部81は、中間転写ユニット21の補給口60上に移動し、連動シャッター80の封止部82は、排気装置26の吸気口78上に移動する。これにより、中間転写ユニット21の補給口60が、連通部81の連通穴81aを介して開放されると共に、排気装置26の吸気口78が、封止部82によって閉鎖される。
【0059】
以上のように、トナーコンテナ20を装着すると、連動シャッター80によって閉鎖されていた補給口60は開放され、吸気口78は連動シャッター80によって閉鎖される。トナーコンテナ20の装着が完了した状態で、排出口52と補給口60とは、連通穴81aを挟んで、互いに対向するように配置されている。すなわち、補給口60、中間排出口61および中間搬送路62は、トナーコンテナ20の排出口52と現像装置32の供給口44とを連通させている。なお、連通部81の周りには、補給口60の周りに密着するシール部材(図示せず)が設けられている。
【0060】
トナーコンテナ20は、駆動装置(図示せず)によって容器内スクリュー51を軸周りに回転駆動することで、開放された排出口52から容器本体50の外部にトナーを排出する。排出されたトナーは、連通穴81a、補給口60、中間排出口61および中間搬送路62を通って、供給口44から現像装置32の現像ハウジング40内に供給される。
【0061】
排気装置26の排気ファン装置71は、回転駆動され、排熱口77から排気口75に向かう気流を形成する(
図6の破線矢印参照)。画像形成処理の実行時に各ドラムユニット16等から発生する熱によって加熱された空気(熱気)は、排気装置26によって装置本体2の外部に排出される。詳細には、熱気は、排熱口77から排熱管72に吸い込まれ、マニホールド74で合流した後に排気ダクト70を通って、排気口75から装置本体2の外部に排出される(
図1参照)。
【0062】
次に、装置本体2(容器装着部56)からトナーコンテナ20を離脱させる場合について説明する。作業者は、装置本体2の前面カバーを開放し、トナーコンテナ20を前端部に形成された把持部(図示せず)を把持して、容器装着部56の装着空間Sからトナーコンテナ20を引き出す。
【0063】
すると、トナーコンテナ20の装着時とは、逆の順序で各シャッター53,80が移動する。詳細には、容器側シャッター53は、容器側バネ54の付勢力によって後方に移動する(
図7(A)参照)。これにより、トナーコンテナ20の排出口52が、閉鎖される。また、略同時に、連動シャッター80は、連動バネ83の付勢力によって前方に移動する(
図7(A)参照)。連動シャッター80の連通部81は、中間転写ユニット21の補給口60の前方に移動し、連動シャッター80の封止部82は、排気装置26の吸気口78上から補給口60上に移動する。これにより、中間転写ユニット21の補給口60が、閉鎖されると共に、排気装置26の吸気口78が、開放される。
【0064】
以上のように、装置本体2に装着されたトナーコンテナ20を離脱させる(取り外す)と、開放されていた補給口60は連動シャッター80によって閉鎖され、連動シャッター80によって閉鎖されていた吸気口78は開放される。ここで、トナーコンテナ20の排出口52の閉鎖過程、および、中間転写ユニット21の補給口60の閉鎖過程において、排出口52および補給口60から僅かにトナーが漏れ出す場合がある。漏出したトナーは、補給口60の周辺に飛散し、装置本体2の内部を汚染する虞がある。そこで、本実施形態に係るトナー補給装置15は、排気装置26によって装置本体2の外部に排出されるように構成されている。
【0065】
吸気口78(吸気管73)は、マニホールド74を介して排気ダクト70に接続されているため、排気ファン装置71は、排熱口77から排気口75に向かう気流に加えて、吸気口78から排気口75に向かう気流も形成する(
図5および
図6の破線矢印参照)。飛散したトナーを含む空気は、各吸気口78から吸気管73に吸い込まれ、マニホールド74で合流した後に排気ダクト70を通って、排気口75から装置本体2の外部に排出される。排出される空気に含まれたトナーは、排気口75に設けられたフィルター76(
図1参照)に捕集される。なお、排出される空気に含まれたトナーは、例えば、廃棄するトナーを貯留する廃トナーボトル(図示せず)に回収されてもよい。
【0066】
以上説明した本実施形態に係るトナー補給装置15の連動装置27は、装置本体2にトナーコンテナ20を装着した場合に、補給口60を開放すると共に吸気口78を閉鎖するように連動シャッター80を移動させ、装置本体2からトナーコンテナ20を離脱させた場合に、補給口60を閉鎖すると共に吸気口78を開放するように連動シャッター80を移動させる。つまり、連動シャッター80は、トナーコンテナ20の着脱動作に連動して補給口60(吸気口78)を開閉する。以上説明した本実施形態に係るトナー補給装置15によれば、補給口60に並んで設けられる吸気口78は、排気ダクト70に通じているため、排気装置26は、吸気口78の周辺の空気に吸引力を作用させる。したがって、漏出したトナーは、吸気口78付近の空気と共に吸気口78から排気ダクト70内に吸い込まれる。このように、トナーが飛散する虞があるトナーコンテナ20の離脱時に吸気口78を開放することで、トナーによって装置本体2の内部が汚染されることを有効に抑制することができる。
【0067】
また、装置本体2にトナーコンテナ20を装着した状態では、吸気口78は、連動シャッター80によって閉鎖され、排気装置26は、例えば、排気ダクト70を通して装置本体2内の排熱を行う。一方、装置本体2からトナーコンテナ20を取り外した状態では、排気装置26は、装置本体2内の排熱に加えて、漏出したトナーの排出を行う。排気装置26が排熱と漏出したトナーの排出とに併用されるため、トナーの排出専用の排気構造を設ける場合よりも、トナー補給装置15に係る構造の簡易化および低コスト化を図ることができる。
【0068】
また、本実施形態に係るトナー補給装置15によれば、ユーザーの手の届き難い容器装着部56の後部に補給口60が設けられているが、吸気口78が補給口60に隣接しているため、漏出したトナーを有効に吸い込むことができる。これにより、漏出したトナーによる装置本体2内の汚染リスクを下げることができる。
【0069】
また、本実施形態に係るトナー補給装置15の容器側シャッター53は、装置本体2にトナーコンテナ20を装着した場合に排出口52を開放し、装置本体2からトナーコンテナ20を離脱させた場合に排出口52を閉鎖する。この構成によれば、装置本体2からトナーコンテナ20を取り外したときに、容器側シャッター53が排出口52を閉じることで、トナーの漏出および装置本体2内の汚染を防止することができる。
【0070】
また、本実施形態に係るトナー補給装置15によれば、4つの吸気口78は、マニホールド74によって1つに合流し、単一の排気ダクト70に連通される。これにより、各々の吸気口78に対応した排気用のダクトを設ける場合よりも、排気装置26に係る構造の簡易化および低コスト化を図ることができる。
【0071】
なお、本実施形態に係るトナー補給装置15は、カラープリンター1に適用され、トナーコンテナ20、連動装置27、補給口60等および吸気口78等は、それぞれ、4つのドラムユニット16(現像装置32)に対応するように4つ設けられていたが、本発明はこれに限定されない。ドラムユニット16やトナーコンテナ20等は、1つ以上設けられていればよく、例えば、モノクロプリンター、ファクシミリまたは複合機等に本発明を適用してもよい。
【0072】
なお、本実施形態に係るトナー補給装置15は、中間転写ユニット21に4つの補給口60を設けたが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図8に示すように、中間転写ベルト23を備えた中間転写ユニット21とは別に、各現像装置32(現像ハウジング40)の供給口44に接続される中間ホッパー90に補給口60を設けてもよい。この場合、中間ホッパー90は、内部にトナーを現像装置32に向けて送り出す供給ローラー91を備えることが好ましい。他にも、例えば、
図9に示すように、各現像装置32(現像ハウジング40)の供給口44を補給口60としてもよい。この場合、補給口60とトナーコンテナ20(排出口52)との間には、トナーの補給量と調整する補給量制御部92を配設することが好ましい。
【0073】
なお、本実施形態に係るトナー補給装置15の容器側シャッター53または/および連動シャッター80は、電気的な駆動源によって開閉されてもよい。
【0074】
なお、トナーコンテナ20に収容されるトナーは、磁性トナーから成る一成分現像剤でもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤でもよい。
【0075】
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係るトナー補給装置およびこれを備える画像形成装置における一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施態様に限定されるものではない。上記実施形態における構成要素は、適宜、既存の構成要素等との置き換えや組み合わせが可能であって、上記実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。