特許第6190790号(P6190790)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ミネベア株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6190790-面状照明装置 図000002
  • 特許6190790-面状照明装置 図000003
  • 特許6190790-面状照明装置 図000004
  • 特許6190790-面状照明装置 図000005
  • 特許6190790-面状照明装置 図000006
  • 特許6190790-面状照明装置 図000007
  • 特許6190790-面状照明装置 図000008
  • 特許6190790-面状照明装置 図000009
  • 特許6190790-面状照明装置 図000010
  • 特許6190790-面状照明装置 図000011
  • 特許6190790-面状照明装置 図000012
  • 特許6190790-面状照明装置 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6190790
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】面状照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20170821BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20170821BHJP
   B29C 45/14 20060101ALI20170821BHJP
   B29C 33/14 20060101ALI20170821BHJP
   G02B 6/00 20060101ALI20170821BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20170821BHJP
【FI】
   F21S2/00 433
   F21S2/00 435
   F21V8/00 100
   B29C45/14
   B29C33/14
   G02B6/00 331
   F21Y115:10
【請求項の数】10
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-210850(P2014-210850)
(22)【出願日】2014年10月15日
(65)【公開番号】特開2016-81674(P2016-81674A)
(43)【公開日】2016年5月16日
【審査請求日】2015年7月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】特許業務法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】國持 亨
【審査官】 山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−131976(JP,A)
【文献】 特開2013−044988(JP,A)
【文献】 特開2011−165677(JP,A)
【文献】 特開平10−048427(JP,A)
【文献】 特開2006−155977(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する一対の主面の一方を光の出射面とする導光板と、該出射面に積層配置される複数の光学シートと、前記導光板の入光面に対向して配置される光源と、これらの構成要素を収納するためのフレームと、前記導光板の出射面の有効エリアを規定する遮光部材とを含む面状照明装置であって、
前記導光板の前記主面に、前記導光板の入光面となる端面に対して交差する方向に延びる端面に沿って、厚み方向に突出するバリからなる突起部と厚み方向に窪む凹部とが、対をなすようにして設けられ、
前記凹部の最大深さとなる底面部を基準として、前記突起部の最大高さが、前記凹部の最大深さと一致し、若しくは、前記凹部の最大深さよりも小さくなるように形成されており、
前記遮光部材が、前記光学シートの外縁部と前記フレームの上面とに跨るようにして固定され、前記突起部と前記光学シートの外縁部と前記遮光部材とが、前記導光板の入光面となる端面に対して交差する方向に延びる端面に沿って積層されていることを特徴とする面状照明装置。
【請求項2】
前記導光板の対向する一対の主面の一方に、前記導光板の入光面となる端面から、該端面と対向する端面に向かって延びる複数の凸条部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の面状照明装置。
【請求項3】
対向する一対の主面の一方を光の出射面とする導光板と、該出射面に積層配置される複数の光学シートと、前記導光板の入光面に対向して配置される光源と、これらの構成要素を収納するためのフレームとを含む面状照明装置であって、
前記導光板の前記主面に、前記導光板の入光面となる端面に対して交差する方向に延びる端面に沿って、厚み方向に突出するバリからなる突起部と厚み方向に窪む凹部とが、対をなすようにして設けられ、
前記光学シートの端縁部の積層方向への盛り上がり量が抑制ないし無くなるように、前記凹部の最大深さとなる底面部を基準として、前記突起部の最大高さが設定されており、
前記凹部には、前記導光板の入光面となる端面から、該端面と対向する端面に向かって延びる複数の凸条部が設けられており、
前記複数の凸条部の高さが、前記導光板の前記主面を平面視したときの中心部側から、前記導光板の入光面となる端面に対して交差する方向に延びる端面に向かって、徐々に減少することを特徴とする面状照明装置。
【請求項4】
前記導光板の出射面の有効エリアを規定する遮光部材を備え、該遮光部材が、前記光学シートの外縁部と前記フレームの上面とに跨るようにして固定されていることを特徴とする請求項3記載の面状照明装置。
【請求項5】
前記凹部の最大深さとなる底面部を基準として、前記突起部の最大高さが、前記凹部の最大深さと一致し、若しくは、前記凹部の最大深さよりも小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項3又は4記載の面状照明装置。
【請求項6】
前記導光板の対向する一対の主面を平面視したときの、前記突起部及び凹部の、前記突起部及び凹部が設けられた端面から中心部へと向かう方向の寸法が、前記突起部よりも前記凹部の方が大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の面状照明装置。
【請求項7】
前記凹部は、前記導光板の対向する一対の主面を平面視したときの中心部を起点として、前記突起部が設けられた端面へ向けて徐々に深くなり、前記端面ないし前記端面の近傍において最大深さとなるように形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の面状照明装置。
【請求項8】
前記突起部及び凹部の双方が、前記導光板の対向する一対の主面の一方に、かつ、前記主面の平面視で、前記突起部の内側に前記凹部が設けられていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の面状照明装置。
【請求項9】
前記突起部及び凹部の一方又は双方は、前記導光板の出射面となる主面側又はもう一方の主面側に設けられていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の面状照明装置。
【請求項10】
前記導光板は、射出圧縮成形品であることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項記載の面状照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置等の照明手段として用いられる面状照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、パーソナルコンピュータや携帯電話等の電子装置の表示デバイスとして、液晶表示装置が一般的に使用されている。液晶は自発光型の表示素子ではないため、例えば透過型の液晶表示装置では、その液晶パネルに対して光を照射する照明手段が必須であり、外光を利用する半透過型の液晶表示装置でも、暗所での使用を可能にするために補助的な照明手段を備えている。このような液晶表示装置の照明手段としては、導光板と導光板の側方に配置された光源とを主要な構成要素とする面状照明装置が、薄型化が容易であるという利点を有することから、液晶表示装置と組合せて広く使用されている。又、近年の白色発光ダイオード(LED)の高性能化に伴い、面状照明装置のさらなる小型・薄型化及び低消費電力化を図るため、光源として白色LEDを使用した面状照明装置も一般的となっている。
このような面状照明装置は、後述するように(図10参照)、光源と、対向する一対の主面の一方を光の出射面として、光源の光を受けて発光する導光板と、導光板の出射面側に配置され、導光板からの出射光を適切に拡散させる光学シートと、これらの構成要素を収納するためのフレームとを備えている。
【0003】
そして、面状照明装置の薄型化に対応するために、各構成要素の薄型化が求められている。この要請のため、導光板についても、溶融樹脂の充填中にわずかに金型のキャビティを拡大し、溶融樹脂の充填後にキャビティを狭めるように型締めをおこなうことで溶融樹脂を圧縮し、所定の形状の導光板を成形する、いわゆる射出圧縮成形法が採用される場合がある。
図11には、この射出圧縮成形法に係る金型100が示されている。金型100は、固定型102と、固定型102に対して金型の開閉方向Zへと離間接近する可動枠部104と、可動枠部104に対して金型の開閉方向Zに相対移動可能な可動型106とを備えている。キャビティ108は、固定型102と可動型106とによって構成され、キャビティ108内に充填された溶融樹脂がキャビティ108の形状に成形されて凝固することで、導光板120となる。
【0004】
上記金型構造において、可動枠部104と可動型106とを相対移動させる際の、両者間の良好な摺動性を確保し、両者間のかじり等金型トラブルの発生を防止する必要がある。このために、可動枠部104と可動型106との間には、わずかな隙間Sが設けられており、更に図示の例では、可動枠部104と可動型106との隙間Sに、回転自在にころ110が配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−292687号公報
【特許文献2】特開2009−034894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記金型100を備える射出成形機を用いて、導光板120を成形する際に、可動枠部104と可動型106との隙間Sに、キャビティ108から溶融樹脂が侵入し、導光板120の外形に沿って、導光板120の厚み方向に突出するバリ(定形又は不定形の突起)120BAが、僅かに生じることとなる。バリ120BAの突出高さは、隙間Sの狭小化や、導光板120の射出成形時の成形条件の最適化によって、例えば、30μm以下に抑えることが可能である。ところが、近年の導光板に対する更なる薄型化(例えば0.3mm以下)の要請から、上述のごとく抑制されたバリ120BAであっても、不具合の要因となることが報告されている。
【0007】
この不具合としては、図12に示されるように、導光板120の出射面120aに複数の光学シート181、182、183を積層配置してフレーム16に収め、面状照明装置10を組み立てる際に、バリ120BAに光学シート18が乗り上げ、面状照明装置10の厚み方向の寸法精度が損なわれるケースがある。
又、光学シート183の外縁部の高さ位置と、ハウジングフレーム16の上面16aの高さ位置との間にずれが生じることから、光学シート183の外縁部と、ハウジングフレーム16の上面16aとに跨って配置される遮光シート20が、光学シート183の外縁部において持ち上げられ、ハウジングフレーム16の上面16aに対する接触面積が減少し、遮光シート20の貼着が不十分となる場合がある。ハウジングフレーム16に対する遮光シート20の貼着が不十分であると、光学シート18をハウジングフレーム16に対して確実に固定することができず、更には、遮光シート20上に液晶表示パネルを安定して固定することができなくなる、といった不具合が生じるおそれがある。
又、導光板120の出射面120aと対向する主面120bの側に配置される反射シート118を、ハウジングフレーム16の下面16bに固定するための両面テープ(BST)127の位置にずれが生じ、導光板の主面120bにはみ出す態様で貼付されるような場合においても、BST127の厚みの分だけ全体の厚みが増加して、上述のバリ120BAと同様に、光学シート183の外縁部の高さ位置と、ハウジングフレーム16の上面16aの高さ位置との間にずれが生じ得ることとなる。
【0008】
これらの不具合は、面状照明装置において薄型化と共に要求される狭額縁化(ハウジングフレーム16及び遮光シート20の狭幅化)の進行に伴い、光学シート18とハウジングフレーム16との接着面積が狭小化することから、より顕著となる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、面状照明装置の更なる狭額縁化を促進すると共に、高い寸法精度と良好な組立性とを確保することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
【0010】
(1)対向する一対の主面の一方を光の出射面とする導光板と、該出射面に積層配置される複数の光学シートと、前記導光板の入光面に対向して配置される光源と、これらの構成要素を収納するためのフレームと、前記導光板の出射面の有効エリアを規定する遮光部材とを含む面状照明装置であって、前記導光板の前記主面に、前記導光板の入光面となる端面に対して交差する方向に延びる端面に沿って、厚み方向に突出するバリからなる突起部と厚み方向に窪む凹部とが、対をなすようにして設けられ、前記凹部の最大深さとなる底面部を基準として、前記突起部の最大高さが、前記凹部の最大深さと一致し、若しくは、前記凹部の最大深さよりも小さくなるように形成されており、前記遮光部材が、前記光学シートの外縁部と前記フレームの上面とに跨るようにして固定され、前記突起部と前記光学シートの外縁部と前記遮光部材とが、前記導光板の入光面となる端面に対して交差する方向に延びる端面に沿って積層されている面状照明装置(請求項1)。
【0011】
本項に記載の面状照明装置は、導光板の主面に、導光板の端面に沿って、厚み方向に突出するバリからなる突起部と厚み方向に窪む凹部とが、対をなすよう形作られることで、導光板の主面の端面に沿った部分の厚みが、これら突起部及び凹部によって意図的に決定されている。すなわち、導光板の主面の端面に沿った部分の厚みは、これら突起部及び凹部によって定められることで、適切な寸法範囲に収まることとなる。又、後述するように、導光板が射出圧縮成形法によって成形される射出圧縮成型品の場合、前記突起部が、導光板の端面に沿って主面から突出するように形成されるバリを有効利用するようして構成され、導光板の主面の端面に沿った部分の厚みは、突起部と対をなす凹部と関連して、適切な寸法範囲に収まることとなる。このため、導光板の出射面に積層配置される複数の光学シートの端縁部が、導光板の端面に沿った部分の厚みの如何によって、光学シートの積層方向に盛り上がることがなくなる。又、仮に光学シートに若干の盛り上がり生じたとしても、その盛り上がり量が抑制されることで、バリに起因する悪影響を軽減するものとなる。
更には、導光板の厚みが、導光板の端面に沿って設けられた凹部によって、導光板の端部近傍において厚みが小さくなることで、導光板の端面から漏れる光の量が低減され、出射面からの光の出射量が増加することとなる。
【0012】
又、本項の突起部及び凹部が形成される位置としては、導光板の入光面となる端面に対して交差する方向に延びる端面の全長の一部又は全体に、設けられ得るものである。
なお、導光板は厚み寸法が小さいため、外形が拘束されていない状態では反りが生じやすいが、突起部及び凹部の寸法は、面状照明装置に組み込まれた状態のように、そりを矯正した本来の形状(金型による射出成形の場合には、金型のキャビティ内で成形された状態での形状)を基準として、特定されるものである。
【0013】
又、本項に記載の面状照明装置は、導光板の出射面の有効エリアを規定する遮光部材を備えることにより、有効エリアの明確化を図ると共に、遮光部材が、光学シートの外縁部とフレームの上面とに跨るようにして固定されることで、遮光部材を介して、光学シートをハウジングフレームに対して固定するものである。しかも、上記(1)項のごとく、導光板の主面に、導光板の端面に沿って形成された突起部と凹部とによって、導光板の主面の端面に沿った部分の厚みが意図的に決定されている。このため、導光板の主面の端面に沿った部分の厚み方向の寸法精度が確保されており、光学シートの外縁部と、ハウジングフレームの上面とに跨って配置される遮光シートが、光学シートの外縁部において、ハウジングフレームの上面に対する接触面積が減少するような態様で、持ち上げられることがない。よって、ハウジングフレームの上面に対する、遮光シートの固定が確実になされるものである。
【0014】
又、突起部及び凹部が、導光板の入光面となる端面に対して交差する方向に延びる端面に沿って設けられることで、かかる端面では、導光板の出射面に積層配置される複数の光学シートの端縁部が、導光板の入光面となる端面に対して交差する方向に延びる端面に沿った部分の厚みの如何によって、光学シートの積層方向に盛り上がることを防ぐことが可能となる。又、上記(1)項のごとく、光学シートの外縁部と、ハウジングフレームの上面とに跨るようにして固定され、突起部と光学シートの外縁部と遮光部材とが、導光板の入光面となる端面に対して交差する方向に延びる端面に沿って積層されていることから、光学シートがその外縁部において、光学シートの積層方向に盛り上がることで、ハウジングフレームの上面に対する遮光シートの接触面積が減少し、遮光シートの貼着が不十分となることを回避するものとなる。このため、狭額縁化(ハウジングフレーム及び遮光シートの狭幅化)を促進しても、導光板の入光面となる端面に対して交差する方向に延びる端面において、遮光シートとハウジングフレームとの、必要な接触面積が確保されるものとなる。
【0015】
(2)上記(1)項において、前記導光板の対向する一対の主面の一方に、前記導光板の入光面となる端面側から、該端面と対向する端面に向かって延びる複数の凸条部が設けられている面状照明装置(請求項2)。
本項に記載の面状照明装置は、導光板の入光面に入射した光源からの光が、導光板の対向する一対の主面の一方に設けられた、導光板の入光面となる端面側から、かかる端面と対向する端面に向かって延びる複数の凸条部による偏向作用を受けて屈折又は反射し、入光面と平行な方向に対して不規則に拡散される。そして、導光板の出射面から出射される光の均一化が促進されるものである。しかも、複数の凸条部の高さを各々調整することで、導光板の厚みを異なるように構成することで、導光板の全体形状として、凹部や突起部が形成されることとなる。例えば、導光板の対向する一対の主面を平面視したときの中心部を通る凸条部の高さを最も高くして、そこから導光板の端面に向けて、隣接する凸条部の高さを徐々に減少させていくことで、巨視的には、上記(1)項の構成を有する凹部が形成されることとなる。又、導光板の端部近傍を通る凸条部の高さを高くすることで、巨視的には、凹部と対をなす突起部が形成されることとなる。
なお、本項に係る導光板を射出成形する場合には、射出成形用金型の表面を切削工具(バイト)で溝を切削し、この溝が金型のキャビティに充填された溶融樹脂に転写されることで成形されるものである。このため、切削工具による溝の切削工程に、凹部及び突起部を成形するための金型の加工工程が集約されることにもなる。
【0016】
(3)対向する一対の主面の一方を光の出射面とする導光板と、該出射面に積層配置される複数の光学シートと、前記導光板の入光面に対向して配置される光源と、これらの構成要素を収納するためのフレームとを含む面状照明装置であって、前記導光板の前記主面に、前記導光板の入光面となる端面に対して交差する方向に延びる端面に沿って、厚み方向に突出するバリからなる突起部と厚み方向に窪む凹部とが、対をなすようにして設けられ、前記光学シートの端縁部の積層方向への盛り上がり量が抑制ないし無くなるように、前記凹部の最大深さとなる底面部を基準として、前記突起部の最大高さが設定されており、前記凹部には、前記導光板の入光面となる端面から、該端面と対向する端面に向かって延びる複数の凸条部が設けられており、前記複数の凸条部の高さが、前記導光板の前記主面を平面視したときの中心部側から、前記導光板の入光面となる端面に対して交差する方向に延びる端面に向かって、徐々に減少する面状照明装置(請求項3)。
【0017】
本項に記載の面状照明装置は、導光板の主面に、導光板の端面に沿って、厚み方向に突出するバリからなる突起部と厚み方向に窪む凹部とが、対をなすよう形作られることで、導光板の主面の端面に沿った部分の厚みが、これら突起部及び凹部によって意図的に決定されている。すなわち、導光板の主面の端面に沿った部分の厚みは、これら突起部及び凹部によって定められることで、適切な寸法範囲に収まることとなる。又、後述するように、導光板が射出圧縮成形法によって成形される射出圧縮成型品の場合、前記突起部が、導光板の端面に沿って主面から突出するように形成されるバリを有効利用するようして構成され、導光板の主面の端面に沿った部分の厚みは、突起部と対をなす凹部と関連して、適切な寸法範囲に収まる、即ち、光学シートの端縁部の積層方向への盛り上がり量が抑制ないし無くなるように、凹部の最大深さとなる底面部を基準として、突起部の最大高さが設定される。このため、導光板の出射面に積層配置される複数の光学シートの端縁部が、導光板の端面に沿った部分の厚みの如何によって、光学シートの積層方向に盛り上がることがなくなる。又、仮に光学シートに若干の盛り上がり生じたとしても、その盛り上がり量が抑制されることで、バリに起因する悪影響を軽減するものとなる。
更には、導光板の厚みが、導光板の端面に沿って設けられた凹部によって、導光板の端部近傍において厚みが小さくなることで、導光板の端面から漏れる光の量が低減され、出射面からの光の出射量が増加することとなる。
【0018】
又、突起部及び凹部が、導光板の入光面となる端面に対して交差する方向に延びる端面に沿って設けられることで、かかる端面では、導光板の出射面に積層配置される複数の光学シートの端縁部が、導光板の入光面となる端面に対して交差する方向に延びる端面に沿った部分の厚みの如何によって、光学シートの積層方向に盛り上がることを防ぐことが可能となる。又、後述のごとく、光学シートの外縁部と、ハウジングフレームの上面とに跨って配置される遮光シートを備える場合には、光学シートがその外縁部において、光学シートの積層方向に盛り上がることで、ハウジングフレームの上面に対する遮光シートの接触面積が減少し、遮光シートの貼着が不十分となることを回避するものとなる。このため、狭額縁化(ハウジングフレーム及び遮光シートの狭幅化)を促進しても、導光板の入光面となる端面に対して交差する方向に延びる端面において、遮光シートとハウジングフレームとの、必要な接触面積が確保されるものとなる。
【0019】
そして、凹部には、導光板の入光面となる端面から、端面と対向する端面に向かって延びる複数の凸条部が設けられており、複数の凸条部の高さが、導光板の主面を平面視したときの中心部側から、導光板の入光面となる端面に対して交差する方向に延びる端面に向かって、徐々に減少することにより、導光板の入光面に入射した光源からの光が、導光板の対向する一対の主面の一方に設けられた、導光板の入光面となる端面側から、かかる端面と対向する端面に向かって延びる複数の凸条部による偏向作用を受けて屈折又は反射し、入光面と平行な方向に対して不規則に拡散される。そして、導光板の出射面から出射される光の均一化が促進されるものである。しかも、複数の凸条部の高さを各々調整することで、導光板の厚みを異なるように構成することで、導光板の全体形状として、凹部や突起部が形成されることとなる。例えば、導光板の対向する一対の主面を平面視したときの中心部を通る凸条部の高さを最も高くして、そこから導光板の端面に向けて、隣接する凸条部の高さを徐々に減少させていくことで、巨視的には、上記(3)項の構成を有する凹部が形成されることとなる。又、導光板の端部近傍を通る凸条部の高さを高くすることで、巨視的には、凹部と対をなす突起部が形成されることとなる。
なお、本項に係る導光板を射出成形する場合には、射出成形用金型の表面を切削工具(バイト)で溝を切削し、この溝が金型のキャビティに充填された溶融樹脂に転写されることで成形されるものである。このため、切削工具による溝の切削工程に、凹部及び突起部を成形するための金型の加工工程が集約されることにもなる。
【0020】
(4)上記(3)項において、前記導光板の出射面の有効エリアを規定する遮光部材を備え、該遮光部材が、前記光学シートの外縁部と前記フレームの上面とに跨るようにして固定されている面状照明装置(請求項4)。
本項に記載の面状照明装置は、導光板の出射面の有効エリアを規定する遮光部材を備えることにより、有効エリアの明確化を図ると共に、遮光部材が、光学シートの外縁部とフレームの上面とに跨るようにして固定されることで、遮光部材を介して、光学シートをハウジングフレームに対して固定するものである。しかも、上記(3)項のごとく、導光板の主面に、導光板の端面に沿って形成された突起部と凹部とによって、導光板の主面の端面に沿った部分の厚みが意図的に決定されている。このため、導光板の主面の端面に沿った部分の厚み方向の寸法精度が確保されており、光学シートの外縁部と、ハウジングフレームの上面とに跨って配置される遮光シートが、光学シートの外縁部において、ハウジングフレームの上面に対する接触面積が減少するような態様で、持ち上げられることがない。よって、ハウジングフレームの上面に対する、遮光シートの固定が確実になされるものである。
【0021】
(5)上記(3)又は(4)項において、前記凹部の最大深さとなる底面部を基準として、前記突起部の最大高さが、前記凹部の最大深さと一致し、若しくは、前記凹部の最大深さよりも小さくなるように形成されている面状照明装置(請求項5)。
本項に記載の面状照明装置は、上記(3)項のごとく、導光板の主面に対をなすように設けられた突起部及び凹部の、突起部の最大高さが、凹部の最大深さとなる底面部を基準として定められるものである。この場合、突起部の最大高さは、凹部の最大深さと一致し、若しくは、前記凹部の最大深さよりも小さくなるように形成されている、すなわち、突起部の最大高さは、凹部の最大深さと一致若しくはそれよりも低くなるように形成されているものである。本構成により、導光板の端面近傍部分の厚み寸法を定める突起部の最大高さは、導光板の対向する一対の主面を平面視したときの中心部の厚み寸法に対して、同一若しくは小さくなる。このため、導光板の出射面に積層配置される複数の光学シートの端縁部が突起部に乗り上げ、突起部によって持ち上げられることはなくなる。
【0022】
(6)上記(1)から(5)項において、前記導光板の対向する一対の主面を平面視したときの、前記突起部及び凹部の、前記突起部及び凹部が設けられた端面から中心部へと向かう方向の寸法が、前記突起部よりも前記凹部の方が大きくなるように形成されている面状照明装置(請求項6)。
本項に記載の面状照明装置は、導光板の対向する一対の主面を平面視したときの、突起部が設けられた端面から中心部へと向かう方向の、凹部の寸法が突起部の寸法よりも大きくなるように構成される。すなわち、主面に占める凹部の範囲が突起部の範囲よりも広くなるように形成されることで、中心部から見て突起部が設けられた端面へと向かう方向における、導光板の板厚減少が緩やかとなり、凹部における板厚減少に起因する、導光板の出射面での輝線の発生を回避するものである。
【0023】
(7)上記(1)から(6)項において、前記凹部は、前記導光板の対向する一対の主面を平面視したときの中心部を起点として、前記突起部が設けられた端面へ向けて徐々に深くなり、前記端面ないし前記端面の近傍において最大深さとなるように形成されている面状照明装置(請求項7)。
本項に記載の面状照明装置は、凹部が、導光板の対向する一対の主面を平面視したときの中心部から始まり、突起部が設けられた端面若しくはその近傍で最大深さとなるように、広範囲にわたって形成されているものである。すなわち、主面の広範囲にわたって緩やかに厚みが減少するようにして凹部が形成されていることで、導光板の入光面に入射した光源からの光は、対向する一対の主面に形成された凹部形状による偏向作用を広範囲に受けて屈折又は反射し、導光板の端面からの漏れ光となる比率が減少することとなる。
【0024】
(8)上記(1)から(7)項において、前記突起部及び凹部の双方が、前記導光板の対向する一対の主面の一方に、かつ、前記主面の平面視で、前記突起部の内側に前記凹部が設けられている面状照明装置(請求項8)。
本項に記載の面状照明装置は、突起部及び凹部の双方が、突起部の内側に凹部が位置するようにして、導光板の対向する一対の主面の一方に設けられることで、上記(1)から(7)項の作用が得られるものである。
(9)上記(1)から(7)項において、前記突起部及び凹部の一方又は双方は、前記導光板の出射面となる主面側又はもう一方の主面側に設けられている面状照明装置(請求項9)。
本項に記載の面状照明装置は、突起部及び凹部の双方が、導光板の出射面となる主面側に設けられることに限定されず、もう一方の主面側に設けられる態様や、一対の主面の一方に突起部が、他方に凹部が設けられる態様を含むものである。より具体的には、出射面となる主面側に突起部が他方の主面側に凹部が設けられる態様と、これとは反対に、出射面となる主面側に凹部が他方の主面側に突起部が設けられる態様とが含まれるものである。かかる態様において、突起部及び凹部が、導光板の端面に沿って対をなすように設けられることから、導光板が面状照明装置に組み込まれた状態で、一方の主面側に形成された突起部は、他方の主面側に設けられた凹部を変形代として弾性変形し、導光板は平坦となる方向に矯正され、突起部の突出量が減少する。その結果、上記(1)から(7)項の面状照明装置に対応する作用が得られるものである。
【0025】
(10)上記(1)から(9)項において、前記導光板は、射出圧縮成形品である面状照明装置(請求項10)。
本項に記載の面状照明装置は、導光板が射出圧縮成形品であり、突起部及び凹部は、射出圧縮成形用金型の、固定型と可動型とによって構成されるキャビティ内に、溶融樹脂が充填され、キャビティの形状が溶融樹脂に転写された凝固することで、形成されたものである。具体的には、固定型又は可動型の一方又は双方のキャビティを構成する成形面に、突起部を成形するための凹形状部と、凹部を成形するための凸形状部とが形成されており、溶融樹脂の充填中にわずかに金型のキャビティを拡大し、溶融樹脂の充填後にキャビティを狭めるように型締めを行うことで溶融樹脂を圧縮し、主面に突起部と凹部とを有する導光板が得られるものである。このようにして成形された導光板を含む、本項に係る面状照明装置は、上記(1)から(9)項の面状照明装置に対応する作用が得られるものである。
(11)対向する一対の主面の一方を光の出射面とする導光板と、該出射面に積層配置される複数の光学シートと、前記導光板の入光面に対向して配置される光源と、これらの構成要素を収納するためのフレームとを含む面状照明装置であって、
前記導光板は、射出圧縮成形法によって成形された射出成型品であり、前記光学シートの少なくとも1枚の外縁部には、前記光学シートを平面視したときの中心部へ向けて切欠きが設けられている面状照明装置。
本項に記載の面状照明装置は、導光板が射出圧縮成形法によって成形された射出成型品であることで、導光板の外形に沿って、導光板の厚み方向に突出するバリが形成される。このバリを、光学シートの少なくとも1枚の外縁部に、光学シートを平面視したときの中心部へ向けて設けられた切欠きによって避けることなる。よって、バリに光学シートが乗り上げることに起因する、複数積層された光学シートの外縁部の高さ位置と、ハウジングフレームの上面の高さ位置との間にずれが生じることを、回避するものである。
例えば、複数積層された光学シートのうち、導光板に最も近い一層目の光学シートに切欠きを設けることとすれば、この導光板に最も近い光学シートはバリに乗り上げることがなくなり、積層された二層目以降の他の光学シートの外縁部は、平坦を維持するものとなる。又、導光板の主面からのバリの突出高さが、一枚の光学シートの厚みを上回ることで、二層目以降の光学シートに若干の盛り上がりが生じたとしても、その盛り上がり量が抑制されることで、悪影響を軽減するものとなる。又、例えば、二層目の光学シートに切欠きを設けることとすれば、一層目の光学シートはバリに乗り上げて盛り上がりが生じるが、二層目の光学シートの切欠きによって、一層目の光学シートの盛り上がった部分を回避することとなり、二層目の光学シートの外縁部は盛り上がりを生じず、又は、盛り上がり量が抑制される。
なお、バリの突出量の如何によっては、二枚以上の光学シートの同一箇所に切欠きを設けることで、複数積層された光学シートの全体で、バリの突出分を十分に打ち消すように構成することとしても良い。
(12)上記(11)項において、前記光学シートの少なくとも2枚に前記切欠きが設けられており、このうち、1枚の光学シートに形成された前記切欠きと、他の光学シートに形成された前記切欠きとが、前記光学シートを平面視したときに、互いに重ならない位置に設けられている面状照明装置。
本項に記載の面状照明装置は、光学シートに切欠きが設けられた箇所においては、光学シートの端縁部が光学シートを平面視したときの中心部へ向けて後退することに起因して、光学シートの外縁部におけるバリの影響を確実に回避するものである。すなわち、1枚の光学シートに形成された切欠きと、他の光学シートに形成された切欠きとが、光学シートを平面視したときに、互いに重ならない位置に設けられていることで、バリの存在する場所の如何に関わらず、バリ又はバリによる光学シートの盛り上がりを、いずれかの光学シートの切欠きによって確実に回避するものである。
(13)上記(10)項において、前記光学シートの少なくとも1枚の外縁部には、前記光学シートを平面視したときの中心部へ向けて切欠きが設けられている面状照明装置。
本項に記載の面状照明装置は、上記(10)項に係る面状照明装置において、上記(11)の面状照明装置に対応する作用が得られるものである。
(14)上記(13)項において、前記光学シートの少なくとも2枚に前記切欠きが設けられており、このうち、1枚の光学シートに形成された前記切欠きと、他の光学シートに形成された前記切欠きとが、前記光学シートを平面視したときに、互いに重ならない位置に設けられている面状照明装置。
本項に記載の面状照明装置は、上記(13)項に係る面状照明装置において、上記(12)の面状照明装置に対応する作用が得られるものである。
【発明の効果】
【0026】
本発明はこのように構成したので、面状照明装置の更なる狭額縁化を促進すると共に、高い寸法精度と良好な組立性とを確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施の形態に係る面状照明装置の、要部断面図である。
図2図1に示される面状照明装置の導光板を抽出して示した部分断面図である。
図3】(a)(b)共に、図2に示される導光板の応用例を示す、部分断面図である。
図4図2に示される導光板を射出圧縮成形法により成形するための成形用金型と、導光板の断面を示す模式断面図である。
図5図4の応用例を示す模式断面図である。
図6図3に示される導光板を射出圧縮成形法により成形するための成形用金型と、導光板の断面を示す模式断面図である。
図7図4図6の成形用金型の加工工程の一例を示す説明図である。
図8】(a)(b)は、本発明の実施の形態に係る面状照明装置の、別例を示す要部断面図である。
図9図8に示される面状照明装置の、光学シートの平面図であり、このうちの(a)(b)がセットで用いられるものであり、又、(c)(d)がセットで用いられるものである。
図10】本発明の実施の形態に係る面状照明装置の全体構成を示す断面図である。
図11】従来の導光板を射出圧縮成形法により成形するための成形用金型と、導光板の断面を示す模式断面図である。
図12図11の導光板を備える従来の面状照明装置の、要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、従来技術と同一部分若しくは相当する部分については、適宜同一の符号を付して、詳しい説明を省略する。又、以下の説明における「上」、「下」の方向は、本説明における面状照明装置を平置きした状態での、上下方向を意味するものである。
【0029】
図1及び図10には、本発明の実施の形態に係る面状照明装置10の概略構成を示している。又、図1には、図10のA−A線における断面図を部分的に示している。この面状照明装置10は、対向する一対の主面12a、12bのうちの一方12aを光の出射面とする導光板12と、出射面12aに積層配置される複数の光学シート18と、出射面12aの有効エリアを規定する遮光部材20と、導光板12の入光面12cに対向して配置される光源14としての(点状光源である)LEDと、これらの構成要素を収納するための、例えば合成樹脂からなるフレーム16とを含むものである。ところで、遮光部材20によって規定される出射面12aの「有効エリア」は、導光板12の側端面での光の反射等の影響を受けて出射光の均一性が低下する等、導光板12の出射面12aの端縁部近傍に、不可避的に生じてしまう「非有効エリア」を除いたエリアである。本項に記載の面状照明装置は、導光板12の出射面12aの平面視で、非有効エリアを例えば枠状(額縁状)の遮光部材20で覆い隠し、有効エリアからの出射光を最大限有効活用するものである。この遮光部材20は、例えば一面又は両面に粘着層が形成された粘着テープの態様をなしており、光学シート18の外縁部とフレーム16の上面16aとに跨るようにして、接着固定されている。
なお、図1図10中に符号16bで示されるフレームの下面は、反射シート118の取付座であり、この取付座に対して、両面テープ(BST)127を用いて、反射シート118が固定されている。
【0030】
又、本実施の形態では、光学シート18は、導光板12の出射面12aから数えた積層段が一段目の第1シート181と、第1シート181上に積層される第2シート182と、第2シート182上に積層される第3シート183とを含むものである。一例として、第1シート181は拡散シート、第2シート182は下プリズムシート、第3シート183は上プリズムシートである。そして、これらの各光学シート181、182、183は、導光板12の、入光面12cとの対向面12e側の端縁部181b、182b、183bが、フレーム16の内周面に当接することにより、フレーム16に対する位置決めがなされている。なお、図示の例では、導光板12の出射面12aから数えた積層段が上段の光学シートほど、導光板12の入光面12c側の端縁部181a、182a、183aの位置が、導光板12の入光面12cから離間するように形成されている。
【0031】
一方、遮光部材20が、導光板12の入光面12c側から、各光学シート181、182、183の、導光板12の入光面12c側の各端縁部181a、182a、183aの近傍を覆うようにして延びている。この、遮光部材20は、各光学シート181、182、183の、導光板12の入光面12c側の各端縁部181a、182a、183aの近傍に対して固定されている。
又、導光板12の出射面12aの、入光面12cから中央部寄りの所定幅の範囲には、対向する一対の主面間の厚みを導光板の中央部に向けて薄くする傾斜面12dが形成され、傾斜面12dよりも中央部寄りの範囲は一定の厚みとなっている。
そして、各光学シート181、182、183のうち、第1シート181、第2シート182の、導光板12の入光面12c側の端縁部181a、182aから所定幅の範囲が、導光板12の出射面12aに形成された傾斜面12dに倣って傾斜している。
【0032】
図10に示される例では、光源14の配線基板132が、導光板12の傾斜面12dに沿って傾斜し、傾斜面12dに対して両面テープ130で固定されている。そして、この配線基板132に、第1シート181が積層されることで、導光板12の入光面12c側の端縁部181aから所定幅の範囲が、導光板12の傾斜面12dに倣って傾斜している。又、第1シート181の、導光板12の入光面12c側の端縁部181aから所定幅の範囲の傾斜部分に、第2シート182が積層されることで、導光板12の入光面12c側の端縁部182aから所定幅の範囲も、導光板12の傾斜面12dに倣って傾斜している。なお、上記「所定幅の範囲」は、導光板12の傾斜面12dと、各シート181、182の端縁部181a、182aとの位置関係によって定まるものである。
【0033】
更に、本発明の実施の形態では、図1に示されるように、導光板12の出射面12aに、導光板12の端面12f(図1の端面12fは、導光板23の入光面12c(図10参照)に対して交差する方向に延びる端面である。)に沿って、厚み方向に突出する突起部12Prと厚み方向に窪む凹部12Cnとが、対をなすようにして設けられている。
これら突起部Pr及び凹部12Cnは、必要に応じ、図1に示されるような、導光板23の入光面12c(図10参照)に対して交差する方向に延びる端面12f、及び、入光面12cと対向する端面12eのうちの、いずれか又は全てに設けられている。また、本発明の実施の形態では、導光板12は射出圧縮成形法によって成形されていることから、突起部Pr及び凹部12Cnは、これら各端面12f、12eの全長の一部または全体に設けられている。
なお、導光板12の入光面12cについては、他の端面のような狭額縁化の要請は少なく、かつ、光源14と導光板12との結合効率に悪影響を及ぼすことが懸念されるため、突起部Pr及び凹部12Cnは設置されない。
【0034】
そして、図2に示されるように、導光板12の凹部12Cnの最大深さとなる底面部を基準daとして、突起部12Prの最大高さHが、凹部12Cnの最大深さDと一致し(H=D)、若しくは、凹部12Cnの最大深さDよりも小さくなる(H<D)ように形成されている。図2の例は後者を示しており、突起部12Prが設けられた部位の厚み寸法は、導光板12の主面12aを平面視したときの中心線Cにおける厚み寸法(対向する一対の主面12a、12bの距離)よりも小さくなっている。
又、導光板12の出射面12aを平面視したときの、突起部12Pr及び凹部12Cnが設けられた端面12fから導光板12の中心部(中心線C)へと向かう方向の、突起部12Pr及び凹部12Cnの寸法W1、W2が、突起部12Prの寸法W2よりも凹部12Cnの寸法(W1−W2)の方が大きくなるように形成されている。
【0035】
さて、図1図2の例に係る導光板12の製造に際しては、図4に示される金型100A1を用いて、射出圧縮成形されるものである。従来の金型100(図11)との相違点としては、キャビティ108を構成する可動型106の成形面106aに、導光板12の凹部12Cnを成形するための突起部106bが形成されているものである。図4の例では、突起部106bは、成形面106aの端部側の領域において、端部(図4の左右方向の端部)へと向かうほど、下側(固定型102の成形面102a側)に突き出るように構成されている。
この金型100A1で導光板12を成形することにより、突起部106bの形状がキャビティ108に充填された溶融樹脂に転写され、図1図2図4に示される凹部12Cnが形成される。一方、可動枠部104と可動型106との隙間Sには、キャビティ108から溶融樹脂が侵入し、導光板12の外形に沿って、導光板12の厚み方向に突出するバリ(定形又は不定形の突起)が、突起部12Prとなる。このとき、隙間Sのキャビティ108側の起点は、突起部106bの先端部となることから、キャビティ108から隙間Sへの溶融樹脂の浸入深さが従来の金型100と同一(溶融樹脂の粘性や金型温度等により制御可能)であれば、突起部12Prの突出高さは、従来のバリBAよりも低くなり、上述したH<Dの関係(図2参照)が成り立つこととなる。
又、図4の例において、上述とは逆に、固定型102の成形面102a側で導光板12の出射面12aを成形し、可動型106の成形面106a側で他方の主面12bを成形し、出射面12aと対向する主面12bに、突起部12Pr及び凹部12Cnを成形することとしても良い。
【0036】
ところで、図1図2の例では、凹部12Cnを平面視したときの幅寸法(W1−W2)は、端面12fから中心軸Cに至らない範囲に設けられている。しかしながら、図5に示されるように、導光板12の出射面12aを平面視したときの中心部を起点として、突起部12Prが設けられた端面へ向けて徐々に深くなり、端面12fないしその近傍において、最大深さDとなるように形成されることとしても良い。
【0037】
この場合の導光板12は、図5に示される金型100A2を用いて、射出圧縮成形される。図4に示される金型100A1との相違点としては、可動型106の成形面106aに、導光板12の凹部12Cnを成形するための突起部106bが、導光板12の出射面12aを平面視したときの中心部を起点として、より広範囲にわたり形成されているものである。図5の例では、突起部106bは、成形面106aの中心部から、成形面106aの端部(図5の左右方向の端部)に至るまで、連続的な曲面を描くようにして、下側(固定型102の成形面102a側)に突き出るように構成されている。
この金型100A2で導光板12を成形することにより、突起部106bの形状がキャビティ108に充填された溶融樹脂に転写され、図5に示される凹部12Cnが形成される。一方、突起部12Prについては、図4の例と同様である。
【0038】
又、図1図2の例では、突起部12Pr及び凹部12Cnの双方が、導光板12の対向する一対の主面の一方すなわち出射面12aに、かつ、出射面12aの平面視で、突起部12Prの内側に凹部12Cnが設けられているが、これに限定されるものではない。
例えば、図3(a)に示されるように、出射面12aに突起部12Prが他方の主面12bに凹部Cnが設けられる態様と、これとは反対に、図3(b)に示されるように、出射面12aに凹部Cnが他方の主面12bに突起部Prが、設けられる態様とが含まれるものである。
【0039】
図3(a)の例に係る導光板12は、図6に示される金型100A3を用いて、射出圧縮成形されるものである。図4に示される金型100A1との相違点としては、キャビティ108を構成する固定型102の成形面102aに、導光板12の凹部12Cnを成形するための曲面部102bが形成されているものである。図6の例では、曲面部102bは、成形面102aの中心部から、成形面102aの端部(図6の左右方向の端部)に至るまで、連続的な曲面を描くようにして、端部へと向かうほど、上側(可動型106の成形面106a側)に湾曲するように構成されている。
この金型100A3で導光板12を成形することにより、曲面部102bの形状がキャビティ108に充填された溶融樹脂に転写され、図3(a)、図6に示される凹部12Cnが形成される。一方、突起部12Prについては、従来例(図11)のバリBAと同様であるが、上述したH<Dの関係が成り立つように、曲面部102bの形状が設定される。
なお、図3(b)の例に係る導光板12の製造に際しては、固定型102の成形面102側で、導光板12の出射面12aを成形し、可動型106の成形面106a側で他方の主面12bを成形することで、対応可能である。
【0040】
更に、導光板12の対向する一対の主面12a、12bの一方に、導光板の入光面12c(図10参照)側から、入光面12cと対向する端面12e(図10参照)に向かって延びる、複数の凸条部12h(図7にのみ仮想的に示す)が設けられていることとしても良い。
この応用例の場合には、図7に示されるように、固定型102の成形面102a又は可動型106の成形面106aに、切削工具(バイト)200を用いて、複数の溝102c、106cを切削する。しかも、溝102c、106cの切削加工の際に、各溝の高さを各々調整する。例えば、導光板12の対向する一対の主面12a、12bを平面視したときの中心部に対応する部分の溝102c、106cの高さを最も深くし、そこから導光板12の端面12fに向けて、隣接する溝102c、106cの高さを徐々に減少させていくことで、巨視的には、図4図6に示されるような、突起部106b、曲面部102bが形成されることとなる。
そして、射出圧縮成形時に、これらの溝102c、106cが金型のキャビティ108(図4図6参照)に充填された溶融樹脂に転写されることで、導光板12の対向する一対の主面12a、12bの一方に、上述したような複数の凸条部12hが、成形されるものである。
【0041】
さて、上記構成をなす、本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能である。
すなわち、本発明の実施の形態に係る面状照明装置10は、導光板12の主面12a、12bに、導光板12の端面12f(12e)に沿って、厚み方向に突出する突起部12Prと厚み方向に窪む凹部Cnとが、対をなすよう形作られることで、導光板12の主面12a、12bの端面12fに沿った部分の厚みが、これら突起部12Pr及び凹部Cnによって意図的に決定されることとなる。すなわち、導光板12の主面12a、12bの端面12fに沿った部分の厚みは、これら突起部12Pr及び凹部Cnによって定められることで、適切な寸法範囲に収まることとなる。又、後述するように、導光板12が射出圧縮成形法によって成形される射出圧縮成形品であり、この際、突起部12Prが、導光板12の端面12fに沿って主面12aから突出するように形成されるバリ(図12のバリ120BA参照)を有効利用するようにして構成されるものであるが、導光板12の主面12a、12bの端面12fに沿った部分の厚みは、突起部12Prと対をなす凹部12Cnと関連して、適切な寸法範囲に収まることとなる。このため、導光板12の出射面12aに積層配置される複数の光学シート18の端縁部181c、182c、183cが、導光板12の端面12fに沿った部分の厚みの如何によって、光学シート12の積層方向に盛り上がることがなくなる。又、仮に光学シート18に若干の盛り上がり生じたとしても、その盛り上がり量が抑制されることで、バリに起因する悪影響を軽減するものとなる。
更には、導光板12の厚みが、導光板12の端面12fに沿って設けられた凹部12Cnによって、導光板12の端部近傍において厚みが小さくなることで、導光板12の端面12fから漏れる光の量が低減され、出射面12aからの光の出射量が増加することとなる。
すなわち、突起部12Prと凹部12Cnとを対をなすように導光板12の端面12fに沿って設けることにより、光学シート18を全幅にわたって水平に近い状態で配置し易くなるとともに、出射面12aからの光の出射量の増加が期待できる。
【0042】
又、導光板12の出射面12aの有効エリアを規定する遮光部材20を備えることにより、有効エリアの明確化を図ると共に、遮光部材20が、光学シート18の外縁部とフレーム16の上面16aとに跨るようにして固定されることで、遮光部材20を介して、光学シート18をハウジングフレーム16に対して固定するものである。しかも、導光板12の主面12a、12bの端面12fに沿った部分の厚み方向の寸法精度が確保されることにより、光学シート18の外縁部と、ハウジングフレーム16の上面16aとに跨って配置される遮光シート20が、光学シート18の外縁部において、ハウジングフレーム16の上面16aに対する接触面積が減少するような態様で、持ち上げられることがない。よって、ハウジングフレーム16の上面16aに対する、遮光シート20の固定が確実になされることとなる。
又、BST127の位置にずれが生じ、導光板の主面120bにはみ出す態様で貼付されるような場合においても、BST127の厚みを凹部12Cnによって吸収することが可能となり、同様の作用効果が得られることとなる。
【0043】
又、突起部12Pr及び凹部12Cnが、導光板12の入光面12cに対して交差する方向に延びる端面12fに沿って設けられることで、かかる端面12fでは、導光板12の出射面12aに積層配置される複数の光学シート18の端縁部181c、182c、183cが、端面12fに沿った部分の厚みの如何によって、光学シート18の積層方向に盛り上がることを防ぐことが可能となる。このため、狭額縁化を促進しても、導光板12の入光面12cに対して交差する方向に延びる端面12fにおいて、遮光シート20とハウジングフレーム16との、必要な接触面積が確保されるものとなる。
【0044】
又、導光板12の主面12a、12bに対をなすように設けられた突起部12Pr及び凹部12Cnの、突起部12Prの最大高さが、凹部12Cnの最大深さとなる底面部を基準(図2の符号da参照)として定められており、突起部12Prの最大高さHは、凹部12Cnの最大深さDと一致し、若しくは、凹部12Cnの最大深さDよりも小さくなるように形成されている。すなわち、突起部12Prの最大高さHは、凹部12Cnの最大深さDと一致若しくはそれよりも低くなるように形成されているものである。本構成により、導光板12の端面12f近傍部分の厚み寸法を定める突起部12Prの最大高さHは、導光板12の対向する一対の主面12a、12bを平面視したときの中心部の厚み寸法に対して、同一若しくは小さくなる。このため、導光板12の出射面12aに積層配置される複数の光学シート18の端縁部181c、182c、183cが突起部12Prに乗り上げ、突起部によって持ち上げられることはなくなる。
【0045】
又、導光板12の対向する一対の主面12a、12bを平面視したときの、突起部12Prが設けられた端面12fから中心部へと向かう方向の、凹部12Cnの寸法(図2のW1−W2)が、突起部12Prの寸法(図2のW2)よりも大きくなるように構成される。すなわち、主面12aに占める凹部12Cnの範囲が突起部12Prの範囲よりも広くなるように形成されることで、中心部から見て突起部12Prが設けられた端面12fへと向かう方向における、導光板12の板厚減少が緩やかとなる。その結果、凹部12Cnにおける板厚減少に起因する、導光板12の出射面12aでの輝線の発生を回避することが可能となる。
【0046】
又、図3図6に示されるように、凹部12Cnが、導光板12の対向する一対の主面12a、12bを平面視したときの中心部から始まり、突起部12Prが設けられた端面12f若しくはその近傍で最大深さとなるように、広範囲にわたって形成され、主面12a、12bの広範囲にわたって緩やかに厚みが減少するようにして凹部12Cnが形成されていることで、導光板12の入光面12cに入射した光源14からの光は、対向する一対の主面12a、12bに形成された凹部12Cnの形状による偏向作用を広範囲に受けて屈折又は反射し、導光板12の端面12fからの漏れ光となる比率が減少することとなる。
【0047】
又、導光板12の対向する一対の主面12a、12bの一方に、導光板12の入光面12cから対向する端面12eに向かって延びる複数の凸条部12hを設けた場合(図7参照)には、導光板12の入光面12cに入射した光源14からの光が、この凸条部12hによる偏向作用を受けて、屈折又は反射し、入光面12cと平行な方向に対して不規則に拡散されることとなる。そして、導光板12の出射面12aから出射される光の均一化が促進されることとなる。しかも、複数の凸条部12hの高さを各々調整することで、導光板12の厚みを異なるように構成することで、導光板12の全体形状として、凹部12Cnや突起部12Prが形成されることとなる。
しかも、射出成形用金型100A1、100A2,100A3の表面を切削工具200で溝102c、106cを切削し、この溝102c、106cが金型のキャビティ108に充填された溶融樹脂に転写されることで、導光板12の全体形状として、凹部12Cnや突起部12Prが形成されることから、切削工具200による溝102c、106cの切削工程に、凹部12Cn及び突起部12Prを成形するための金型の加工工程が、集約されることにもなる。
【0048】
なお、図1図2に示されるように、突起部12Pr及び凹部12Cnの双方が、導光板12の出射面12aに設けられることに限定されず、図3に示されるように、一対の主面12aの一方に突起部12Prが、他方に凹部12Cnが設けられるものであっても良い。かかる態様においても、突起部12Pr及び凹部12Cnが、導光板12の端面12fに沿って対をなすように設けられることから、導光板12が面状照明装置10に組み込まれた状態で、一方の主面側に形成された突起部12Prは、他方の主面側に設けられた凹部12Cnを変形代として弾性変形し、導光板12は平坦となる方向に矯正され、突起部12Prの突出量が減少することとなる。
【0049】
さて、上述した本発明の実施の形態と、課題を同じくする別の応用例が、図8に示されている。本応用例においても、面状照明装置10の概略構成については、図10を参照されたい。
本例は、対向する一対の主面12a、12bの一方、ここでは12aを出射面とする導光板12と、出射面12aに積層配置される複数の光学シート18と、導光板12の入光面に対向して配置される光源14と、これらの構成要素を収納するためのフレーム16とを含むものであり、導光板12は、射出圧縮成形法によって成形されている。そして、複数の光学シート181,182、183の少なくとも1枚の外縁部には、光学シート18を平面視したときの中心部へ向けて切欠きが設けられているものである。
【0050】
図8(a)の例では、複数積層された光学シート181、182、183のうち、導光板12に最も近い一層目の光学シート181に、切欠き181dが設けられている。この場合、光学シート181は、バリ12BAに乗り上げることがなくなり、積層された二層目以降の他の光学シート182、183の外縁部は、図示のごとく平坦を維持するものとなる。又、仮に、導光板12の出射面12aからのバリ12BAの突出高さが、光学シート181の厚みを上回ることで、二層目以降の光学シート182、183に若干の盛り上がり生じたとしても、その盛り上がり量が抑制されることで、バリの悪影響を軽減することが可能となる。
又、図8(b)の例では、二層目の光学シート182に切欠き182dが設けられている。この場合、一層目の光学シート181はバリ12BAに乗り上げて盛り上がりが生じるが、二層目の光学シート182の切欠き182dによって、一層目の光学シート181の盛り上がった部分を回避することで、二層目の光学シート182の外縁部は盛り上がりを生じず、又は、盛り上がり量が抑制されることとなる。
【0051】
従って、本応用例によれば、導光板12が射出圧縮成形法によって成形されることで、導光板12の外形に沿って形成される、導光板の厚み方向に突出するバリ12BAを、光学シート12の少なくとも1枚の外縁部に、光学シート12を平面視したときの中心部へ向けて設けられた切欠き181d、182dによって避けることが可能となる。よって、バリ12BAに光学シート18が乗り上げることに起因する、複数積層された光学シート18の外縁部の高さ位置と、ハウジングフレーム16の上面16aの高さ位置との間にずれが生じることを、回避することが可能となる。
なお、バリ12BAの突出量の如何によっては、二枚以上の光学シート18の同一箇所に切欠きを設けることで、複数積層された光学シート18の全体で、バリ12BAの突出分を十分に打ち消すように構成することとしても良い。
【0052】
又、図9には、図8の応用例にかかる光学シートの平面図が示されている。ここで、図9(a)(b)は、面状照明装置10として組み込まれた状態で、光源部14との対向辺を除く3つの辺に、切欠き181d、182dを設けたものであり、セットで用いられる。又、(c)(d)は、光源部14との対向辺と交差する1つの辺にのみ、切欠き181d、182dを設けたものであり、セットで用いられる。
そして、図9に示されるように、2枚の光学シート181、182に切欠き181d、182dが設けられており、このうち、1枚の光学シート181に形成された切欠き181dと、他の光学シート182に形成された切欠き182dとが、光学シート18を平面視したときに、互いに重ならない位置に設けられているものである。
【0053】
この構成によれば、光学シート181、182に切欠き181d、182dが設けられた箇所において、光学シート181、182の端縁部181b、181c、182b、182cが、光学シート181、182を平面視したときの中心部へ向けて後退することに起因して、光学シート18の外縁部におけるバリ12BAの影響を確実に回避することが可能となる。すなわち、1枚の光学シート181に形成された切欠き181dと、他の光学シート182に形成された切欠き182dとが、光学シート181、812を平面視したときに、互いに重ならない位置に設けられていることで、バリ12BAの存在する場所の如何に関わらず、バリ12BA又はバリ12BAによる光学シート181の盛り上がりをいずれかの光学シートの切欠き181d、182によって、確実に回避することが可能となる。
なお、図9(a)の例は、導光板12の入光面12cを除く3つの端面12e、12fにバリ12BAが存在する場合の適用例であり、図9(b)は、導光板12の1つの端面12fにのみバリ12BAが存在する場合(他の端面のバリ12BAの除去作業を行う場合)の適用例である。又、図8図9の応用例は、図1図7において説明した実施の形態と、併用することも可能であることは、理解されるであろう。
【符号の説明】
【0054】
10 面状照明装置、12 導光板、12a:出射面、12b:出射面と対向する主面、12c:入光面、12h:凸条部、12Cr:凹部、12Pr:突起部、14:光源、16:フレーム、16a:上面、18:光学シート、181:第1シート、182:第2シート、183:第3シート、183c:端縁部、20:遮光部材、 da:基準
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12