(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
この分野では、「フラグ」として知られている障害指標は、複合システムの所与の場所に設置されかつ1つ以上の物理的な規模を測定する1つのセンサまたは1セットのセンサを用いて、しきい値に対して変動が検出されるたびに、1つ以上のプロセスによってアクティブにされる。
【0003】
このような障害フラグは、コンポーネント、サブシステム、完全なシステムに関する、またはときにはセンサに関する、あるいは確認されている障害に関する疑わしい障害を指し示すことができる。同フラグは、例えば離散スケールで、正常な状況から実際の故障までの種々の規模値であって、1つ以上の基準しきい値に対する変動と関連付けられた規模値を取ることができる。障害フラグをアクティブにしたセンサが、もはや基準しきい値に対する過度の変動を検出しない場合、障害フラグの規模値は、直ちに減少し始める。
【0004】
特に有利なやり方では、障害フラグは、欠陥(詳細には、不正確さ、不確実性、または不完全性)を表すそれぞれの信頼レベル(NC)と関連付けることができる。信頼レベルは、さまざまなやり方で、詳細にはセンサからの信号内のバイアスを検出することによって、もしくは信号内の雑音を測定することによって、または実際は、文献の国際公開第2011/104466号パンフレットに述べられるように対称性の不足を検出することによって、決定することができる。信頼レベルを決定するために、場合によっては他の要件を考慮に入れることもある。
【0005】
1つの障害フラグまたは1セットの障害フラグに関係する信号が安定であるとき、かつ関連付けられた信頼レベルが小さすぎないとき、これらの信号を特定の故障と関連付けるやり方が知られており、それによって、取るべき処置に関して人間によってまたは自動的に決定するための診断を構成する。これらの安定かつ明瞭な信号は、故障に固有の特徴を構成する。
【0006】
このように、文献の国際公開第2011/104466号パンフレットは、受信された未処理のメッセージからの情報をマージすることによって、そのメッセージがコンポーネント故障、サブシステム故障、完全なシステムの故障、またはセンサ故障と関連付けられるかにかかわらず、1つ以上の故障を特徴付ける連結メッセージをその未処理のメッセージ内の障害フラグと関連付けることを開示する。
【0007】
障害フラグをこのようにマージすることによって、高レベルの決定を行うことが可能になる。マージ処理用のフラグは、冗長な情報、相補的情報、一貫性のあるもしくは相反する情報、記号的情報、またはデジタル的情報を構成することができる。各障害フラグの信頼レベルは、マージ処理プロセスにおいて考慮される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
当該マージ処理プロセスによって、高度に信頼性のある診断を得ることがすでに可能になるが、このような故障診断を開発するとき、小さい規模の信号であって、主要な故障の固有の特徴を構成するフラグまたはフラグのグループよりも解釈するのが簡単でない一過性信号を考慮することも望ましい。当該一過性信号は、特に相互の調整をほとんど示すことができず、それによってマージ処理プロセスをより困難にする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
当該一過性信号を考慮するために、本発明は、複合システムを監視する情報プロセッサシステムを提案し、前記システムは、検出時点と関連付けられた少なくとも一点のイベント検出情報を受信する手段を有し、前記システムは、前記検出時点から開始して経時的に減少する少なくとも1つの残留信頼レベル値を発生させる手段を備える、ことを特徴とする。本システムを用いることによって、一過性信号は、その信号の消滅に続く瞬間においてわずかな存在を保持し、これにより、適切な場合、処理された一過性信号とほとんど調整されてない信号を用いて、マージ処理プロセスを実行することが可能になる。
【0010】
また、後に開示されるシステムにおいては、前記残留信頼レベル値は、前記検出時点と関連付けられる不調規模値の関数として選択された少なくとも1つの不調規模値と関連付けられる、という状況に関する。それゆえに本システムは、序論で述べた可変の規模スケールを考慮する。それにもかかわらず、本発明は、このような可変の規模スケールを利用しなくても、適用することができる。
【0011】
また、注目すべきことは、前記残留信頼レベル値は、前記一点のイベント検出情報と関連付けられた障害フラグと関連付けられる、という状況を提供される。次いで信号は、別の障害フラグ信号とのマージ処理を受ける用意ができる。それにもかかわらず、ある種の変形例では、残留信頼レベルは、センサ信号が障害フラグ内に確認される前に発生することもできる。
【0012】
また、注目すべきことは、前記残留信頼レベル値は、前記検出時点から開始して、前記イベント検出メッセージと関連付けられた最初の信頼レベルに依存する値から経時的に減少する、という状況を提供される。それゆえに、残留値内に、別の方法によって発生した信頼情報を考慮することは可能である。
【0013】
本発明の一実施形態は、少なくとも2つの残留信頼レベル値を発生させる手段を含み、前記各残留信頼レベル値は、不調規模値と関連付けられ、前記少なくとも2つの残留信頼レベル値のそれぞれは、他方から独立して変化する。
【0014】
本発明の他の実施形態は、少なくとも2つの残留信頼レベル値を発生させる手段を含み、前記各残留信頼レベル値は、不調規模値と関連付けられ、最も高い不調規模値または最も低い不調規模値と関連付けられた前記少なくとも2つの残留信頼レベル値の中の残留信頼レベル値は、他方の残留信頼レベル値がゼロでない場合、ゼロにリセットされる。
【0015】
本発明のある実施形態においては、残留信頼レベル値が未処理の値であり、それらは、積算を受けてもよい。
【0016】
当該状況下で、また、本発明の実施形態は、前記検出時点の前記未処理の残留信頼レベル値と組み合わせた前記最初の信頼レベルに等しい前記検出時点の値について、および、ゼロである検出時点でない時点の値について、積算された残留信頼レベル値を発生させる手段をさらに含む。
【0017】
また、本発明の他の実施形態は、前記未処理の残留信頼レベル値と組み合わせた前記最初の信頼レベルに等しいすべての時点の値について、積算された残留信頼レベル値を発生させる手段をさらに含む。
【0018】
これらの二つの実施形態においては、前記最初の信頼レベルと前記未処理の残留信頼レベル値とは、特に加算を用いて、前記積算された残留信頼値を与えるように組み合わせられてもよい。
【0019】
本発明の特別な実施形態においては、検出時点と関連付けられた前記一点の検出情報は、少なくとも故障時点、最初の信頼レベル、および故障識別子を含む故障メッセージ内に含まれる。このように必要となるすべての情報は、メッセージの形式で、残留信頼値を発生させるためのモジュールへ供給される。
【0020】
前記残留信頼レベル値がゼロである継続期間が、単一の障害フラグに対して、または複数の障害フラグに対して、ユーザによって設定することができる、ことは、ユーザにとって非常に有益である。
【0021】
同様に、ユーザが、減少関係を、前記残留信頼レベル値に対して、単一の障害フラグに対して、または複数の障害フラグに対して、設定できることは、ユーザにとって有益である。
【0022】
また、本発明は、複合システムを監視する情報処理方法を提供し、前記方法は、検出時点と関連付けられた少なくとも一点のイベント検出情報を受信するステップを備え、前記方法は、前記検出時点から開始して経時的に減少する少なくとも1つの残留信頼レベル値を発生するステップをさらに備えることを特徴とする。本方法は、説明されたシステムと同様な利点を提示する。本方法は、ソフトウェア形式で実装することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、入力としてメッセージ、本例では連結メッセージMSG
CONS、を受信するモジュールMOD
TRANSを示す。メッセージMSG
CONSの「連結される」性質は、例えば監視されたシステムのアーキテクチャおよび特性に関係する知識ベースを用いることによって、前処理を受けているという事実を意味する。
【0025】
これらのメッセージMSG
CONSは、タイムスタンプDATE、障害フラグ識別子ID
FLAG、不調規模値VAL、および信頼レベルNC2Cと関連付けられる。表記NC2C内のアラビア数字2は、この信頼レベルが、何らかのやり方で元の信頼レベルから導き出された信頼レベルであることを指し示す。
【0026】
不調規模値VALは、例えば集合0、1、2、および3などの、例えば離散値空間から選択することができる。示された実施形態において、タイムスタンプDATE、識別子ID
FLAG、値VAL、およびレベルNC2Cは、メッセージMSG
CONS内に含まれる。
【0027】
モジュールMOD
TRANSは、規模および時間軸を備えた障害フラグBC
FLAGSの知識ベースならびにモジュールM1を用いて、フラグ識別子ID
FLAGおよび不調規模バルブVALと関連付けられた未処理の時変の障害フラグ信号SIG
BRUTを発生させる。センサが単にイベントを検出するときにモジュールMOD
TRANSによって受信されたメッセージMSG
CONSとは違って、モジュールMOD
TRANSによって発生した信号SIG
BRUTは、時間の関数として変化する連続信号である。単純化された説明である、
図1の右手部分の曲線で示すように、信号SIG
BRUTは、時点DATEで値NC2Cを取り、次いで減少する。
【0028】
モジュールMOD
TRANSは、ユーザが端末を用いて選択した変数を考慮するように規定される。この変数は、継続期間を表す時間窓FEN
TEMPである。時点DATEから開始して継続期間FEN
TEMPが過ぎると、信号SIG
BRUTはゼロになる。
【0029】
より洗練された実施形態では、モジュールMOD
TRANSは、ユーザが端末を用いて選択した減少関数も考慮し、信号SIG
BRUTが減少するときの割合は、その関数によって定義される。減少関数および時間窓FEN
TEMPは両方とも、その識別子ID
FLAGによって識別されたフラグごとにおよび/または規模値VALごとに、特定のやり方でユーザによって選択することができるように規定される。
【0030】
図2は、2つの相異なるフラグFLAG1およびFLAG2に対して、モジュールMOD
TRANSによって平行して(同時に)発生した信号を示す。
【0031】
これらの2つのフラグは、5つの相異なる規模レベル、すなわちレベルVal−1、Val0、Val1、Val2、およびVal3で表される。レベルVal−1は、情報が入手できないことを指し示し、一方でレベル0から3は、その規模が、それぞれ次の意味、「順調」、「軽度の不調」、「重度の不調」、および「故障」を有する取り決めを用いて、故障の重度さを指し示す。
【0032】
フラグごとにおよび規模のレベルごとに、
図1に示された信号SIG
BRUTと同様な未処理の信号が、モジュールMOD
TRANSによって連続的に生成される。2つの特定の信号が、例として
図2に示される。これらは、信号SIG1およびSIG2である。これらの信号は、特定の時点において取られた初期値から減少する。これらの信号はそれぞれ、時間窓FEN
TEMPに対応する継続期間が経過し始めると、次第にゼロにより接近する。
【0033】
図3は、本発明の一実施形態において、障害フラグと故障の対応表を示す。この表に従って、所与の故障に対する障害フラグは、この表内に「1」またはいくつかの別の値を与えられた障害フラグを考慮に入れることによってマージされ、一方でこの表が「0」を含む場合の障害フラグは無視される。
【0034】
図4は、本発明の第1の実施形態において障害フラグが連結されるやり方を示す。単にメッセージMSG
CONS内に含まれた情報に基づいて構成された現実フラグが、同図の最上部に示される。各時点に対して1つの規模だけがアクティブにされると理解することができる。その規模は、メッセージMSG
CONS内に指定された規模VALに対応する。その規模は、メッセージMSC
CONS内に定義された信頼レベル、すなわちNC2Cに等しい信頼レベルを有する。メッセージMSG
CONSが受信されない時間の間、フラグ内のすべての規模は、1.0に等しい信頼レベルを有する規模0以外、ゼロの信頼レベルを有する。
【0035】
その後、「仮想」と言われているフラグは、同図の中央部に示される。これは、
図1に示されたモジュールMOD
TRANSによって生成された残留信頼フラグである。メッセージMSG
CONSを受信した瞬間に、対応する規模はアクティブにされて、メッセージMSG
CONS内に含まれた値NC2Cによって定義された初期値から減少する信頼レベルを有すると理解することができる。これは、規模1、2、および3に対して観測される。規模0は、この仮想フラグにおいて連続的に0に等しい信頼レベルにとどまる。
【0036】
同図の例は、メッセージMSG
CONSに続く規模「2」の一過性の再アクティブ化を示す。このシナリオでは、メッセージが到達する時点において残留信頼レベルは0.4であり、0.2の信頼レベルを与える。次いで残留信頼レベルは、これらの2つの値の和、すなわち形式0.6から減少する。最初に見える値は0.5である。
【0037】
同図は、その最下部において、(現実空間とは異なる仮想空間を用いて)現実フラグおよび仮想フラグを別々の状態に保つルールで2つの上述したフラグを統合する(または合計する)ことから生じるフラグSIG
RVを示す。本実施形態において、仮想フラグは、現実フラグ内で規模が変化する場合だけは、現実フラグと合計される。それゆえに、1つの規模に対して、メッセージMSG
CONSによって定義された検出時点における積算されたフラグ値は、メッセージ(NC2C)内に含まれた最初の信頼レベルに、その瞬間において仮想フラグによって与えられた残留信頼レベルの値を加えた結果に等しい。検出時点でない時点では、積算されたフラグの値はゼロである。
【0038】
最初の信頼レベル(NC2C)は、単純加算以外のやり方で、積算された残留信頼値(SIG
RV)を得るように、未処理の残留信頼レベルの値と組み合わせることもできると規定される。
【0039】
それゆえに説明されたシナリオにおいて、積算されたフラグは、規模2が再アクティブ化される時間を除いて現実フラグに等しいが、その値として、現実フラグの信頼値、すなわち0.2に、仮想フラグの信頼値、すなわち0.4を加えた、0.6の値を与える合計を取る。
【0040】
図5は、本発明の第2の実施形態に従って連結された障害フラグを示す。
図4に示された現実フラグと同一の現実フラグが、図の最上部に示される。メッセージMSG
CONSが受信されない時間の間、フラグのすべての規模は、規模0を除いて、1.0に等しい信頼値を有する信頼レベル0を有する。
【0041】
その後、仮想フラグが同図の中央部に示される。
図4におけるように、メッセージMSG
CONSの受信に続く瞬間において、対応する規模は、アクティブにされ、メッセージMSG
CONS内に含まれる値NC2Cによって定義された初期値から開始して減少する信頼レベルを有する。
【0042】
このように、例として、規模2で信頼レベル0.2のフラグの再アクティブ化を指し示すメッセージMSG
CONSが受信されると、現実フラグは、
図4におけるように、これを考慮する。それに比べて、ここで説明される実施形態では、仮想フラグは、この規模2のフラグの再アクティブ化を考慮に入れなくても、メッセージが受信される前と同様に変化し続ける。本例において、この選択肢は、規模2に対する残留信頼レベル、本例において0.4が、現実フラグと関連付けられたレベル、すなわち0.2、よりも高いという事実を考慮することによって選択される。
【0043】
最後に、同図は、その最下部において、仮想空間と現実空間を重ね合わせるルールを用いて、蓄積された最も重度の規模を利用して、2つの上述したフラグを統合することから生じるフラグSIG
RVを示す。本実施形態では、積算されたフラグは、各瞬間において、現実フラグに、仮想フラグのアクティブにされた最大の規模を加えた合計に等しい。それゆえに、アクティブにされた規模よりも低い、仮想フラグのこれらの規模によって、仮想フラグの信頼レベルは0に低減される。説明された実施形態において、最初にアクティブにされた規模3は、積算されたフラグ内に、仮想フラグにおけるように次第に減少する信頼値を有すると理解することができる。反対に、規模3よりも低い、規模1および2によって、これらの規模のそれぞれの信頼レベルは、これらの規模をアクティブにしたメッセージMSG
CONSの時点に続く瞬間より、0に低減される。
【0044】
最初の信頼レベル(NC2C)と未処理の残留信頼レベルの値とは、単純加算以外のやり方で、積算された残留信頼値(SIG
RV)を得るように組み合わせることができると、この時点でも規定される。
【0045】
図6は、本発明の第3の実施形態に従って連結された障害フラグを示す。
図4および
図5に示された現実フラグと同一の現実フラグが、図の最上部に示される。その後、仮想フラグは、同図の中央部に示される。この仮想フラグは、
図5に示された仮想フラグと同一である。
【0046】
最後に、同図は、その最下部において、仮想空間と現実空間を重ね合わせるルールを用いて、しかし今度は蓄積された最も軽度の規模を用いて、2つの上述したフラグを統合することから生じるフラグSIG
RVを示す。本実施形態において、積算されたフラグは、各瞬間において、現実フラグと、仮想フラグの最低のアクティブにされた規模(規模0を除いて)との合計に等しい。それゆえに、アクティブにされた規模よりも高い、仮想フラグの規模によって、同規模の信頼レベルは0に低減される。示された実施形態において、規模1が規模3の後でアクティブにされて以来、積算されたフラグ内で、規模1は、仮想フラグにおけるように次第に減少する信頼値を有し、一方で規模3は、規模1のアクティブ化に続く瞬間から開始して0に戻された信頼レベルを有する。
【0047】
最初の信頼レベル(NC2C)と未処理の残留信頼レベルの値とは、単純加算以外の何らかのやり方で、積算された残留信頼値(SIG
RV)を与えるように組み合わせることができると、やはり規定される。
【0048】
図7は、第4の本発明の実施形態に従って連結された障害フラグを示す。
図4から
図6に示された現実フラグと同一の現実フラグが、図の最上部に示される。次いで同図の中央部に、仮想フラグが示される。この仮想フラグは、
図5および
図6に示された仮想フラグと同一である。
【0049】
最後に、同図は、その最下部において、仮想空間と現実空間を重ね合わせるルールを用いて、しかし今度はすべての蓄積された規模を用いて、2つの上述したフラグ内の積算から生じるフラグSIG
RVを示す。本実施形態では、積算されたフラグは、各瞬間において、現実フラグに仮想フラグを加えた合計に等しい。同図において、規模2の再アクティブ化が考慮に入れられ、それによって、漸進的減少の第1段階の後でかつ漸進的減少の第2段階の前に、積算されたフラグの上昇を、この規模と関連付けられた信頼レベルの上昇に与えると理解することができる。
【0050】
最初の信頼レベル(NC2C)と未処理の残留信頼レベルの値とは、単純加算以外の何らかのやり方で、積算された残留信頼値(SIG
RV)を与えるように組み合わせることができると、やはり規定される。
【0051】
図8は、本発明を実装する完全なシステムの一実施形態を示す。詳細には、完全なシステムは、障害フラグを備えるメッセージを受信し、特に残留信頼レベル値を発生させるように同メッセージを処理し、例えば是正処置または予防処置などの処置に関して、人間によってまたは自動的に決定することを可能にする故障診断を得るように、同メッセージをマージする。
【0052】
本システムの入力は、未処理のメッセージMSG
PBと未処理のメッセージMSG
CAPとを連結するためのモジュールMOD
CONSで構成され、同メッセージは、本システムのこの入力モジュールによって受信される。第1メッセージは、コンポーネントの識別子、障害フラグID
FLAGの識別子、および信頼レベルNC2を備える一点の状態情報INF
PBを備える状態メッセージであり、一方第2メッセージは、センサの状態に関係し、信頼レベルとも関連付けられる。用いられた表記法は、文献の国際公開第2011/104466号パンフレットから引用される。
【0053】
モジュールMOD
CONSは、知識ベースBC
DEFを利用して、不調T
NDの重度さに関する表を抜き取り、スケール0、1、2、および3上に不調規模ND2Cを含む連結メッセージMSG
CONSを供給する。問題になっているセンサが正常に機能しない場合、不調規模は−1であり、すなわち情報が入手できないことを意味する。連結された信頼レベルNC2Cも生成されて、種々のメッセージMSG
PBおよびMSG
CAP内に受信された信頼レベルの機能として、発生した連結メッセージ内に挿入される。
【0054】
メッセージMSG
CONSは、モジュールMOD
TRANSへ送信され、同モジュールは、
図1を参照して述べられたように同メッセージを使用し、それゆえに障害フラグの未処理の、時変信号SIG
BRUTFLAG1、SIG
BRUTFLAG2、などを連続的に生成する。
【0055】
メッセージMSG
CONSは、フラグ位置決めモジュールMOD
POSFLAGへ送信され、同モジュールは、例として
図3に示すように、エンジン、サブシステム、およびコンポーネントを備えるアセンブリを特徴付ける対応表であって、フラグと故障の間の対応表上にメッセージMSC
CONSを位置決めするために、フラグ知識ベースBC
FLAGSを利用する。このようにメッセージMSG
CMPは、同モジュールによって受信され送信されるメッセージMSG
CONSよりも大きい。メッセージMSG
CMPは、障害フラグID
FLAGが知識ベースBC
FLAGSによって関連付けられた相手である故障の識別子、および故障計算中にフラグに与えるべき重みも含む。
【0056】
モジュールMOD
TRANSによって発生した信号SIG
BRUTおよびモジュールMOD
POSFLAGによって発生したメッセージMSG
CMPは、衝突を管理し、不一致を解決し、相関関係を調べるためのモジュールMOD
CCDへ送られる。ある種の実施形態において、衝突または不一致が存在する場合、このモジュールは、オペレータが使用する端末へ警報信号を送ることができる。
【0057】
次いで信号は、
図4から
図7を参照して上述したように、(モジュールMOD
POSFLAGから受信された)現実フラグと(モジュールMOD
TRANSから受信された)仮想フラグとを積算するモジュールMOD
RVへ送られる。モジュールMOD
RVは、障害フラグごとに、信号SIG
BRUTRV1、SIG
BRUTRV2、などを生成する。最後に、情報はマージモジュールMOD
FSTへ送信され、同モジュールは、信頼レベルNC3の故障情報INF
PCを得るために、種々のフラグを続けてマージする。このデータは、連結された故障メッセージMSG
PC内に含まれる。
【0058】
本発明は、特定の実施形態を参照して上述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲内に入るすべての変形例を包含する。