特許第6190912号(P6190912)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6190912
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21V 17/00 20060101AFI20170821BHJP
   F21V 17/10 20060101ALI20170821BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20170821BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20170821BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20170821BHJP
【FI】
   F21V17/00 251
   F21V17/10 500
   F21S2/00 310
   F21V5/04 200
   F21Y115:10 300
   F21Y115:10 500
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-68172(P2016-68172)
(22)【出願日】2016年3月30日
【審査請求日】2016年6月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】符阪 匡司
【審査官】 田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−021422(JP,A)
【文献】 特開2013−191488(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0218933(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 17/00
F21S 2/00
F21V 5/04
F21V 17/10
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する光源と、
光を透過させる光源カバーと、
光を反射する反射部材と、
前記光源と前記光源カバーと前記反射部材とを保持する枠体と
を備え、
前記光源カバーは、前記反射部材によって規定される領域内に少なくとも一部が配置され、
前記光源と前記光源カバーとは前記枠体に固定され、
前記反射部材は、前記枠体から着脱自在であ
前記光源カバーは主面と側面とを有し、
前記光源カバーは前記側面に突起部を有し、
前記反射部材は前記突起部が通過可能な切欠きを有し、
前記主面の法線方向から見て前記突起部と前記切欠きとは重ならない、照明器具。
【請求項2】
前記反射部材は開口部を有し、
前記主面の外径は前記開口部の内径よりも小さい、請求項に記載の照明器具。
【請求項3】
前記光源カバーはレンズ機能を有する形状を有する、請求項1または請求項2に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
照明器具は、配光または照射効率の向上のために、光源からの光を反射させる反射部材を備えることがある(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載された照明器具は、反射板を取付バネから取り外すことによって、反射板を交換することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−191762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された照明器具では、反射板の外側にレンズが位置するため、光源からの光の一部が反射板の外側に漏れ、光源からの光の照射効率が低下する可能性があった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は光源からの光の照射効率を向上させつつ、反射部材のみを容易に交換することができる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示する照明器具は、光源と、光源カバーと、反射部材と、枠体とを備える。前記光源は、光を出射する。前記光源カバーは、光を透過させる。前記反射部材は、光を反射する。前記枠体は、前記光源と前記光源カバーと前記反射部材とを保持する。前記光源カバーは、前記反射部材によって規定される領域内に少なくとも一部が配置される。前記光源と前記光源カバーとは前記枠体に固定される。前記反射部材は、前記枠体から着脱自在である。
【0007】
本願に開示する照明器具において、前記光源カバーは主面と側面とを有することが好ましい。前記光源カバーは前記側面に突起部を有することが好ましい。前記反射部材は前記突起部が通過可能な切欠きを有することが好ましい。前記主面の法線方向から見て前記突起部と前記切欠きとは重ならないことが好ましい。
【0008】
本願に開示する照明器具において、前記反射部材は開口部を有することが好ましい。前記主面の外径は前記開口部の内径よりも小さいことが好ましい。
【0009】
本願に開示する照明器具において、前記光源カバーはレンズ機能を有する形状を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、光源からの光の照射効率を向上させつつ、反射部材のみを容易に交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る照明器具を示す側面図である。
図2】本発明の実施形態に係る照明器具を示す正面図である。
図3】照明器具の灯具本体の光源カバー近傍を示す断面図である。
図4】本発明の実施形態に係る灯具本体を示す分解斜視図である。
図5】光源カバーを示す斜視図である。
図6】反射部材を示す斜視図である。
図7】(a)は、本発明の実施形態に係る灯具本体を示す斜視図である。(b)は、本発明の実施形態に係る灯具本体を示す分解斜視図である。
図8】本発明の実施形態に係る灯具本体を示す分解断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0013】
図1図3を参照して、本発明の実施形態に係る照明器具1について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る照明器具1を示す側面図である。図2は、本発明の実施形態に係る照明器具1を示す正面図である。図3は、照明器具1の灯具本体3の光源カバー25近傍を示す断面図である。図3において、外径d1は、主面251の外径を示す。内径d2は、開口部31の内径を示す。外径d3は、底面部255の外径を示す。内径d4は、支持部材60の内径を示す。外径d5は、反射部材23の外径を示す。外径d6は、支持部材60の外径を示す。
【0014】
図1図3に示すように、照明器具1は、プラグ式のスポットライトである。照明器具1は、灯具本体3と、アーム5と、プラグユニット7と、コード9とを備える。アーム5は灯具本体3を保持する。アーム5は、プラグユニット7に連結される。アーム5は、軸線A1の周りを回転可能である。したがって、灯具本体3は、軸線A1の周りに回転可能である。
【0015】
プラグユニット7は、灯具本体3に内部電源電圧を供給する電源部8を含む。電源部8に接続されるコード9は、プラグユニット7から引き出され、灯具本体3に接続される。コード9は、電源部8が生成した内部電源電圧を灯具本体3に供給する。プラグユニット7は、配線ダクト11に装着される。そして、電源部8には、配線ダクト11から外部電源電圧が供給される。電源部8は、外部電源電圧に基づいて内部電源電圧を生成する。配線ダクト11は、長尺状であり、天井のような天壁13に固定される。
【0016】
灯具本体3は、軸線A2の周りに回転可能である。灯具本体3が回転されて、灯具本体3の姿勢が定められると、アーム5は、灯具本体3の姿勢が一定に維持されるように、灯具本体3を保持する。灯具本体3は、光源21と、反射部材23と、光源カバー25と、枠体としてのヒートシンク27と、外装部材29とを含む。
【0017】
光源21は、光を出射する。光源21は、LED(Light Emitting Diode)群21aと、基板21bとを含む。LED群21aは複数のLEDを含む。LED群21aは、略円形状または略多角形状の領域を形成する。LED群21aは、略円形状または略多角形状の基板21bの実装面に実装される。LED群21aは、COB(Chip on Board)タイプである。COBタイプは、複数のLEDを蛍光体で封止することによりLED群21aを形成するタイプである。なお、LED群21aは、SMD(Surface Mount Device)タイプであってもよい。SMDタイプは、LEDと蛍光体とを1ユニット化してLEDチップを形成し、複数のLEDチップを基板21bの実装面に載置して基板21bの導電パターンに電気的に接続することによりLED群21aを形成するタイプである。また、LED群21aに代えて、1つのLEDを基板21bに実装してもよい。
【0018】
反射部材23は、本体部23aと、鍔部23bとを有する。本体部23aは、基端232から先端234に向けて延びる。鍔部23bは、本体部23aに接続し、径方向外側に延びている。鍔部23bは、先端234側に設けられる。鍔部23bは、例えば、断面視において略L字状の形状を有する。反射部材23の基端232が光源21の近傍に配置される。反射部材23は、光源21が出射した光を反射する。反射部材23は、中空の略円錐台状であり、小径の開口部31と大径の開口部33とを有する。開口部31および開口部33の各々は略円形状である。開口部31の近傍には、開口部31から露出するように、光源21が配置されている。少なくとも反射部材23の内面は、光源21が出射した光を効率良く反射するために、白色塗装、銀色塗装、または光沢のある金属メッキなどの反射加工が施されていることが好ましい。反射部材23の素材が白色または銀色のような光反射率の高い色彩を有していてもよい。例えば、反射部材23は反射鏡である。
【0019】
光源カバー25は、略有底円筒状である。光源カバー25は、反射部材23によって規定される領域R内に少なくとも一部が配置される。領域Rは、例えば、反射部材23の基端232から先端234にかけて反射部材23によって囲まれる領域である。本実施形態では、光源カバー25は、反射部材23の基端232から先端234に向けて突出している。したがって、光源カバー25は、反射部材23によって覆われる。その結果、光源カバー25の横方向に出射される光を前方に反射させ、照射効率を向上させることができる。ここでは、横方向は、光源21の光軸中心線LAに直交する方向を示す。前方は、光軸中心線LAに沿って、基端232から先端234に向かう方向を示す。光源カバー25は、光源21に対向する。そして、光源カバー25は、光源21が出射した光と反射部材23が反射した光とを透過させ、光照射領域に向けて光を出射する。光源21の光軸中心線LAは光源カバー25と交差する。光軸中心線LAは、LED群21aの光出射面に直交し、LED群21aの中心を通る。光源カバー25は、レンズ機能を有する形状を有していてもよい。レンズ機能とは、光を屈折させて、光を発散または収束させる機能のことである。
【0020】
ヒートシンク27は、光源21と、光源カバー25と、反射部材23とを保持する。ヒートシンク27は、光源21の発する熱を放散する。具体的には、光源21の基板21bの実装面の裏面がヒートシンク27の吸熱面に接している。したがって、光源21が発した熱は、ヒートシンク27に伝達され、ヒートシンク27によって放散される。その結果、光源21の異常な温度上昇を抑制できる。ヒートシンク27は、伝熱性の高い材料で形成されており、例えば金属で形成されていることが好ましい。金属の中でも、成形加工の容易性や照明器具1の軽量化を考慮し、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金で形成されていることが好ましい。
【0021】
外装部材29は、略円筒状であり、大径の開口部35と、切欠部37と、小径の開口部39とを有する。開口部35および開口部39の各々は略円形状である。外装部材29は、反射部材23と、ヒートシンク27の一部とを覆う。光源カバー25は、開口部35を介して露出している。ヒートシンク27は、切欠部37および開口部39から露出している。したがって、ヒートシンク27の放熱効果を向上できる。アーム5は、ヒートシンク27のうち切欠部37から露出している部分を保持している。
【0022】
図3図8を参照して、灯具本体3についてさらに説明する。図4は、本発明の実施形態に係る灯具本体3を示す分解斜視図である。図5は、光源カバー25を示す斜視図である。図6は、反射部材23を示す斜視図である。図7(a)は、本発明の実施形態に係る灯具本体3を示す斜視図である。図7(b)は、本発明の実施形態に係る灯具本体3を示す分解斜視図である。図8は、本発明の実施形態に係る灯具本体3を示す分解断面図である。なお、図7(b)は、灯具本体3から反射部材23を取り外した状態の灯具本体3を示す。
【0023】
図3および図4に示すように、灯具本体3は、光源21と、反射部材23と、光源カバー25と、ヒートシンク27と、外装部材29とに加え、さらに、放熱シート40と、光源保持部材50と、支持部材60とを備える。
【0024】
図4に示すように、ヒートシンク27は、複数の放熱フィン271と、本体部276とを有する。複数の放熱フィン271は、略板状であり、本体部276から起立する。放熱フィン271は、熱を放散する。具体的には、放熱フィン271は、光源21が発した熱を放散する。本体部276は、吸熱面272を有する。吸熱面272には、複数のネジ孔274が形成されている。本実施形態では、吸熱面272には、3つのネジ孔274が形成されている。本体部276には、係合溝278が形成されている。また、本体部276は、段差部279を有する。
【0025】
放熱シート40は、放熱性を有する。放熱シート40は、例えば、略円形状である。放熱シート40は、本体部42を有する。本体部42には、3つの貫通孔44が形成される。
【0026】
光源保持部材50は、光源21を保持する。光源保持部材50は、例えば、ソケットである。光源保持部材50は、主に絶縁体により形成される。光源保持部材50は、本体部52を有する。本体部52には、3つの貫通孔54が形成される。光源保持部材50の貫通孔54と、放熱シート40の貫通孔44とにはネジが通される。そして、ネジが、ヒートシンク27のネジ孔274に螺合される。その結果、光源保持部材50と、放熱シート40とがヒートシンク27に固定される。また、光源21は、光源保持部材50を介してヒートシンク27に固定される。本体部52には、さらに、2つの係合孔56が形成されている。
【0027】
図5に示すように、光源カバー25は、主面251と、側面252と、底面部255と、爪部256とを有する。図3に示すように、主面251の外径d1は、開口部31の内径d2よりも小さい。光源カバー25は、側面252に突起部254を有する。突起部254の先端は、開口部31よりも径方向外側に位置する。突起部254は、例えば、主面251よりも底面部255に近い位置に配置される。突起部254は、反射部材23の切欠き236(図6参照)よりも小さい。具体的には、突起部254の幅d7は、切欠き236の幅d8よりも小さい。したがって、突起部254は、切欠き236を通過可能である。なお、図6図7とでは、縮尺が異なるため図面上では幅d7が幅d8よりも大きく見えている。
【0028】
突起部254は、例えば、断面視において略台形状の形状を有する。突起部254は、接続面254aと、対向面254bと、平坦面254cと、傾斜面254dと、2つの側面254eとを有する。接続面254aは、光源カバー25の側面252と接続する。対向面254bは、接続面254aに対向する。平坦面254cは、光源カバー25の底面部255と平行である。傾斜面254dは、接続面254aから対向面254bに向けて傾斜している。2つの側面254eのそれぞれは、接続面254aと、対向面254bと、平坦面254cと、傾斜面254dとに接続する。なお、平坦面254cは、少なくとも反射部材23の基端232が引っ掛かればよいため、光源カバー25の底面部255と平行であることに限らず鋭角であってもよい。
【0029】
底面部255は、例えば、略円環状である。底面部255は、側面252から径方向外側に向かって延びている。底面部255の外径d3は、開口部31の内径d2よりも大きい(図3参照)。したがって、反射部材23が取り付けられた状態で、底面部255は反射部材23の基端232の一部と当接または微小隙間を挟んで対向する。光源カバー25は、底面部255から起立する2つの爪部256を有する。2つの爪部256は、対向する位置に設けられる。爪部256は、例えば、断面視において略L字状の形状を有する。光源保持部材50の係合孔56には、光源カバー25の爪部256が係合される。その結果、光源カバー25が光源保持部材50に固定される。したがって、光源カバー25は、光源保持部材50を介してヒートシンク27に固定される。本明細書において、光源21と光源カバー25とがヒートシンク27に固定されるとは、本実施形態のように光源カバー25が光源保持部材50に固定されている構造も含む。
【0030】
底面部255には、複数の凹部258が形成されている。複数の凹部258は、例えば、光源保持部材50と、放熱シート40とをヒートシンク27に固定するためのネジの一部が通過可能である。したがって、光源保持部材50と、放熱シート40とをヒートシンク27から取り外すためにネジをゆるめる際に、底面部255が妨げにならない。その結果、光源カバー25をつけた状態で、光源保持部材50と、放熱シート40とをヒートシンク27から取り外すことができる。
【0031】
図3に示すように、反射部材23の外径d5は、ヒートシンク27の内径よりも小さい。図4および図5に示すように、反射部材23は、切欠き236を有する。切欠き236は、例えば、矩形状である。切欠き236は、突起部254が通過可能な大きさである。切欠き236は、例えば、矩形状である。
【0032】
図3に示すように、支持部材60の外径d6は、係合溝278の最大内径よりも小さく、最小内径よりも大きい。したがって、支持部材60は、ヒートシンク27の係合溝278に係合する。また、反射部材23の外径d5は、支持部材60の内径d4よりも大きく、支持部材60の外径d6よりも小さい。したがって、支持部材60の少なくとも一部は、反射部材23に当接し、支持部材60は、反射部材23を支持する。その結果、鍔部23bが、支持部材60と段差部279とに挟まれ、反射部材23の光軸中心線LA方向への変位が規制される。支持部材60は、弾性体であることが好ましい。支持部材60は、例えば、バネである。図4に示すように、支持部材60は、例えば、円弧状である。支持部材60は、円弧部62と、直線部64とを有する。円弧部62は、例えば、円弧状である。直線部64は、例えば、直線状である。円弧部62と直線部64とは接続している。直線部64は、円弧部62よりも径方向内側に向かって延びている。支持部材60をヒートシンク27の係合溝278に係合させているとき、円弧部62が係合溝278に係合し、直線部64の少なくとも一部が係合溝278から突出している。
【0033】
反射部材23のヒートシンク27への取り付け方法について説明する。まず、図7(b)および図8に示した状態から、反射部材23の切欠き236を光源カバー25の突起部254に通過させる。そして、光源カバー25の主面251の法線方向D1から見て突起部254と切欠き236が重ならない位置まで、反射部材23を光軸中心線LAを中心として右回りまたは左回りに回転させる。続いて、支持部材60をヒートシンク27の係合溝278に係合させる。その結果、図7(a)および図3に示すように、支持部材60が反射部材23を支持し、反射部材23がヒートシンク27へ取り付けられる。
【0034】
続いて、反射部材23のヒートシンク27からの取り外し方法について説明する。まず、図7(a)および図3に示した状態から、支持部材60を係合溝278(図3参照)から取り外す。支持部材60は、径方向内側に延びている直線部64(図4参照)を有しているため、直線部64を径方向内側に引っ張ることによって、円弧部62が弾性変形して縮径し、容易に支持部材60を係合溝278から取り外すことができる。ここで、光源カバー25の主面251の法線方向D1から見て突起部254と切欠き236が重なっていない。また、突起部254の先端は、開口部31よりも径方向外側に位置する。したがって、支持部材60を係合溝278から取り外す際に、反射部材23が突起部254に引っ掛かる。したがって、支持部材60を取り外したときに反射部材23が自重で落下することを防げる。その結果、支持部材60を外しながら反射部材23を作業者が押さえることが不要となり、反射部材23の交換作業を容易にできる。
【0035】
続いて、光源カバー25の主面251の法線方向D1から見て突起部254と切欠き236が重なる位置まで、反射部材23を光軸中心線LAを中心として右回りまたは左回りに回転させる。そして、反射部材23の切欠き236を光源カバー25の突起部254に通過させる。その結果、図7(b)に示すように、反射部材23がヒートシンク27から取り外される。
【0036】
このように、照明器具1では、ヒートシンク27から反射部材23を着脱自在である。したがって、照明器具1では、工具を使用することなく、容易に反射部材23を交換することができる。その結果、例えば、既に装着されている反射部材23を配光角度が異なる他の反射部材23に交換することで、照明器具1の配光角度を容易に変更することができる。あるいは、黒い反射部材23のような反射率が低い反射部材23に交換することで、グレアを低減することができる。着脱自在とは、例えば、工具を使用することなく容易に取り外しができることを示す。具体的には、本実施形態のように、反射部材23の光軸中心線LA方向への変位を支持部材60で規制する構造を含む。
【0037】
また、照明器具1では、光源カバー25の主面251の外径d1は、反射部材23の開口部31の内径d2よりも小さい。したがって、照明器具1では、光源カバー25を取り外さずに反射部材23のみを交換することができる。その結果、光源カバー25が光源21を覆った状態で反射部材23を交換することができる。したがって、光源21が露出しないため、光源21に異物が付着することを抑制することができる。
【0038】
以上、図1図8を参照して説明したように、照明器具1において、光源カバー25は、反射部材23によって規定される領域R内に反射部材23の基端232から先端234に向けて突出して配置される。したがって、光源カバー25の横方向に出射される光を反射部材23によって前方に反射することができる。また、反射部材23は、枠体(ヒートシンク27)から着脱自在である。したがって、照射効率を向上させつつ、反射部材23のみを容易に交換することができる。
【0039】
また、照明器具1において、反射部材23を支持する支持部材60を備える。したがって、工具を使用することなく、容易に反射部材23を交換することができる。
【0040】
また、照明器具1において、光源カバー25の主面251の法線方向D1から見て突起部254と切欠き236が重なっていない。したがって、支持部材60を係合溝278から取り外す際に、反射部材23が自重で下がってきたとしても反射部材23が突起部254に引っ掛かる。したがって、支持部材60を取り外したときに反射部材23が自重で落下することを防げる。その結果、支持部材60を外しながら反射部材23を作業者が押さえることが不要となり、反射部材23の交換作業を容易にできる。
【0041】
以上、図面(図1図8)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す(1)〜(9))。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0042】
(1)図1図8を参照して説明したように、照明器具1では、支持部材60は、円弧状であったが、本発明はこれに限定されない。例えば、支持部材60は、円環状であってもよい。
【0043】
(2)図1図8を参照して説明したように、照明器具1では、突起部254と、切欠き236とはそれぞれ1つずつ設けられていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、突起部254と、切欠き236とはそれぞれ複数設けられてもよい。
【0044】
(3)照明器具1は、スポットライトであったが、本発明は任意の照明器具であってもよい。例えば、照明器具1は、ダウンライトである。
【0045】
(4)図1図8を参照して説明したように、照明器具1では、光源カバー25の主面251は、反射部材23によって規定される領域R内に配置されていたが、光源カバー25の少なくとも一部が領域R内に配置されている限り、主面251が領域Rの外側に配置されてもよい。例えば、主面251が開口部33を通過して外側へ突出するように光源カバー25が配置されてもよい。
【0046】
(5)図1図8を参照して説明したように、照明器具1では、光源カバー25の一部は、領域Rの外側に配置されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、光源カバー25の全体が領域R内に配置されていてもよい。
【0047】
(6)図1図8を参照して説明したように、照明器具1では、光源21と、光源保持部材50とは領域Rの外側に配置されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、光源カバー25に加え、光源21と、光源保持部材50とも領域R内に配置されてもよい。この場合、光源21および光源保持部材50の外径は、反射部材23の開口部31の内径よりも小さい。
【0048】
(7)図1図8を参照して説明したように、照明器具1では、突起部254は、断面視において略台形状の形状を有していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、突起部254は、断面視において矩形状または三角形状であってもよい。
【0049】
(8)図1図8を参照して説明したように、照明器具1は、光源保持部材50を備えていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、照明器具1は、光源保持部材50を備えずに、光源21を直接ヒートシンク27にネジで固定してもよい。この場合、例えば、爪係合のような固定手段によって光源カバー25はヒートシンク27に固定される。
【0050】
(9)図1図8を参照して説明したように、照明器具1は、支持部材60を備えていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、照明器具1は、支持部材60を備えずに、光源カバー25の突起部254を複数設け、複数の突起部254が反射部材23を支持し、突起部254と反射部材23の基端側の開口部31の外周縁部との係合のみで反射部材23を光源カバー25に保持させてもよい。この場合、光源カバー25の基端側から突起部254までの距離と、反射部材23の基端部の厚さとを近い寸法にすることが好ましい。あるいは、光源カバー25の基端側から突起部254までの距離を、各突起部254で異ならせてもよい。例えば、光源カバー25が第1突起部と、第2突起部とを有してもよい。第2突起部は、第1突起部よりも光源カバー25の基端までの距離が短い。また、第1突起部と第2突起部とは、例えば、光源カバー25の径方向において対向する位置に設けられる。この場合、反射部材23を光源カバー25に取り付ける際、まず、反射部材23の切欠き236を第1突起部に通過させる。そして、切欠き236が第2突起部の位置に来るように、反射部材23を光軸中心線LAを中心として右回りまたは左回りに回転させる。続いて、切欠き236を第2突起部に通過させる。その後、切欠き236が第1突起部と第2突起部と重ならない位置(例えば、第1突起部と第2突起部との中間の位置)まで、反射部材23を光軸中心線LAを中心として右回りまたは左回りに回転させる。このようにして、反射部材23は光源カバー25に取り付けられる。一方、反射部材23を光源カバー25から取り外す際は、まず、切欠き236を第2突起部に通過させた後、切欠き236を第1突起部に通過させることによって、反射部材23は光源カバー25から取り外される。
【符号の説明】
【0051】
1 照明器具
21 光源
23 反射部材
25 光源カバー
27 ヒートシンク(枠体)
50 光源保持部材
60 支持部材
232 基端
234 先端
236 切欠き
251 主面
252 側面
254 突起部
278 係合溝
R 領域
【要約】
【課題】光源からの光の照射効率を向上させつつ、反射部材のみを容易に交換することができる照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具1は、光源21と、光源カバー25と、反射部材23と、枠体27とを備える。光源21は、光を出射する。光源カバー25は、光を透過させる。反射部材23は、光を反射する。枠体27は、光源21と光源カバー25と反射部材23とを保持する。光源カバー25は、反射部材23によって規定される領域R内に少なくとも一部が配置される。光源21と光源カバー25とは枠体27に固定される。反射部材23は、枠体27から着脱自在である。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
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図6
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図8