(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6190939
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】ゲーム・システム用グラフィカル・ユーザ・インターフェース
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0488 20130101AFI20170821BHJP
A63F 13/52 20140101ALI20170821BHJP
A63F 13/2145 20140101ALI20170821BHJP
A63F 13/30 20140101ALI20170821BHJP
A63F 13/426 20140101ALI20170821BHJP
【FI】
G06F3/0488 130
A63F13/52
A63F13/2145
A63F13/30
A63F13/426
【請求項の数】17
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-210300(P2016-210300)
(22)【出願日】2016年10月27日
(62)【分割の表示】特願2014-552719(P2014-552719)の分割
【原出願日】2013年4月9日
(65)【公開番号】特開2017-62809(P2017-62809A)
(43)【公開日】2017年3月30日
【審査請求日】2016年10月27日
(31)【優先権主張番号】13/479,637
(32)【優先日】2012年5月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513136528
【氏名又は名称】スーパーセル オーワイ
【氏名又は名称原語表記】Supercell Oy
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【弁理士】
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】デローム ジョン・ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】レッピネン ラッシ
【審査官】
岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−211242(JP,A)
【文献】
特開2011−036346(JP,A)
【文献】
特表2008−501490(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0122561(US,A1)
【文献】
特開2010−079590(JP,A)
【文献】
特開2009−279050(JP,A)
【文献】
特開2005−152509(JP,A)
【文献】
特開2006−185443(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00−13/98
G06F 3/048−3/0489
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のポイントで実行されるタッチ動作を同時に感知するよう構成される、タッチセンサ式のディスプレイ・スクリーンと;処理手段と;プログラム命令を格納する記憶手段と;を備える電子デバイスであって、前記プログラム命令は、前記処理手段に実行されると、前記ディスプレイ・スクリーンにグラフィカル・ユーザ・インターフェースを生成するように構成され;前記グラフィカル・ユーザ・インターフェースは、
・ 1つ以上のグラフィカル・オブジェクトと;
・ 1つ以上のユーザ選択可能なオプションであって、各オプションが、前記1つ以上のグラフィカル・オブジェクトのうちの1つ以上に対して動作を実行する1つ以上のリソースを表す、前記1つ以上のユーザ選択可能なオプションと;
を提示し、さらに前記プログラム命令は、前記処理手段に実行されると、
・ 前記ユーザ選択可能なオプションのうちの少なくとも1つがユーザに選択されたことを検出することと;
・ 前記グラフィカル・ユーザ・インターフェース上の複数の位置において同時に操作がなされたことを検出すること、及び該検出することに応じて、前記選択されたユーザ選択可能なオプションに対応する前記1つ以上のリソースを、前記複数の位置にレンダリングすることと;
を遂行させるよう構成され、さらに前記プログラム命令は、前記処理手段に実行されると、前記電子デバイスを戦争系ゲーム機器として構成するようにプログラムされ、前記グラフィカル・ユーザ・インターフェースは戦場に対応する、電子デバイス。
【請求項2】
前記プログラム命令は、前記処理手段に実行されると、前記1つ以上のリソースを複数の位置にレンダリングした後、ユーザの実行入力を受信するのに基づいて、1つ以上のグラフィカル・オブジェクトに対して前記1つ以上のリソースを介してアクションを実行するよう構成される、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記操作はタッチ動作またはスワイプ動作である、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記操作はタッチ操作であり、
前記プログラム命令は、前記処理手段に実行されると、前記操作が所定の時間にわたり実行されたときに、前記1つ以上のリソースを前記複数の位置にレンダリングするよう構成される、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項5】
前記所定の時間は、ユーザ調節可能である、請求項4に記載の電子デバイス。
【請求項6】
前記1つ以上のリソースを前記複数の位置にレンダリングする速さは、前記ディスプレイ・スクリーンでの前記ユーザのタッチ動作またはスワイプ動作の速さに少なくとも基づく、請求項3に記載の電子デバイス。
【請求項7】
前記複数の位置にレンダリングされる前記リソースの数は、タッチ動作またはスワイプ動作の実行中に前記ユーザが前記ディスプレイ・スクリーンに加える圧力に少なくとも依存する、請求項3に記載の電子デバイス。
【請求項8】
前記電子デバイスは、前記1つ以上のグラフィカル・オブジェクトの状態の変化を継続的に記録および更新するデータベースをさらに備え、
前記プログラム命令は、前記処理手段に実行されると、前記グラフィカル・ユーザ・インターフェースの動作可能な状態の中断が生じた場合に、前記1つ以上のグラフィカル・オブジェクトの状態を、前記データベースにおいて最後に更新された前記1つ以上のグラフィカル・オブジェクトの状態に復旧するよう構成される、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項9】
ネットワークを介してサーバに接続された、請求項1に記載の複数の電子デバイスを有するシステムであって、前記グラフィカル・ユーザ・インターフェースを用いた複数のユーザのやり取りを容易にするために、前記グラフィカル・ユーザ・インターフェースは、前記電子デバイスの各々で時間的に同時に生成され、前記複数の電子デバイスで生成された前記グラフィカル・ユーザ・インターフェースは、前記サーバを介して調整および同期され、時間と共に、前記複数の電子デバイスで同時に更新される、システム。
【請求項10】
デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、iPad(登録商標)、またはiPhone(登録商標)、Android(登録商標)フォン、もしくはSymbian(登録商標)フォンを含むスマートフォンである、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項11】
電子デバイスの処理手段がプログラム命令を実行することにより、前記電子デバイスが遂行する方法であって:
グラフィカル・ユーザ・インターフェースを生成して前記電子デバイスのディスプレイにレンダリングすることと;
1つ以上のグラフィカル・オブジェクトと、前記1つ以上のグラフィカル・オブジェクトに対応するユーザ選択可能な1つ以上のオプションとを、前記グラフィカル・ユーザ・インターフェースにレンダリングすること、ただし、ユーザ選択可能なオプションはそれぞれ、前記インターフェースに展開される1つ以上のリソースに対応する、前記レンダリングすることと;
前記ユーザ選択可能なオプションのうちの1つ以上を選択して、前記ディスプレイの複数のポイントでのタッチ動作と、前記ディスプレイの前記複数のポイントにわたるスワイプ動作とのうちの一方を実行することと;
前記選択されたユーザ選択可能なオプションに対応する前記1つ以上のリソースを、前記インターフェースの複数の位置に同時に展開すること、ただし、前記複数の位置は、前記タッチ動作が実行された前記複数のポイント、または前記スワイプ動作が実行された前記複数のポイントに対応する、前記展開することと;
を含む方法であって、前記プログラム命令は、前記処理手段に実行されると、前記電子デバイスを戦争系ゲーム機器として構成するようにプログラムされ、前記グラフィカル・ユーザ・インターフェースは戦場に対応する、方法。
【請求項12】
前記ディスプレイ・スクリーンの複数の前記ポイントでの前記タッチ動作が所定の時間にわたり実行されることの検出に少なくとも基づいて、複数の位置に前記1つ以上のリソースを展開することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
複数の位置での前記1つ以上のリソースの展開の速さは、前記スワイプ動作または前記タッチ動作の速さに依存する、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記インターフェースの様々な前記位置に展開されるリソースの数は、前記タッチ動作または前記スワイプ動作の実行中に前記ディスプレイ・スクリーンに対して加えられる圧力に依存する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記1つ以上のグラフィカル・オブジェクトの状態の変化をデータベースに継続的に記録および更新することと、
前記グラフィカル・ユーザ・インターフェースの動作の中断が生じた場合に、1つ以上のグラフィカル・オブジェクトの状態を、前記データベースにおいて最後に更新された前記1つ以上のグラフィカル・オブジェクトの状態に復旧することと、
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
複数の前記電子デバイスを、ネットワークを介してサーバに接続することと;
前記グラフィカル・ユーザ・インターフェースを、前記電子デバイスの各々のディスプレイに時間的に同時に生成することと;
前記グラフィカル・ユーザ・インターフェースを用いた複数のユーザのやり取りおよび連携を容易にするために、前記サーバを介して複数の前記グラフィカル・ユーザ・インターフェースを調整し、それらを、時間と共に同時に更新することと;
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
電子デバイスの処理手段により実行されることにより、前記電子デバイスに請求項11から15に記載の方法を遂行させるように構成されるプログラム命令を備える、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、全般的に、ユーザ・インターフェースに関し、特に、ゲーム・システム用グラフィカル・ユーザ・インターフェースに関する。
【0002】
コンピューティング・デバイスには、iPad(登録商標)などのタブレット・コンピュータ、ならびにAppleのiPhone(登録商標)、GoogleのAndroid(登録商標)フォン、およびSymbian(登録商標)フォンを含むスマートフォンがある。これらのコンピューティング・デバイスは、そのユーザに対して容易かつ迅速なやり取りを可能にする、非常に使い易いインターフェースを有する。これらのデバイスの多くは、ユーザの入力を取得して円滑なユーザのやり取りを容易にする、タッチセンサ式スクリーンを組み込んでいる。ゲーム・ソフトウェアは、余暇を楽しむ目的で、これらのデバイスの多くにおいて採用されている。ゲーム・システムの重要な側面の1つは、ゲームをプレイするデバイスのユーザ・インターフェースを用いてユーザが所望の入力を入力し、やり取りすることができる容易さである。タッチ・スクリーン機能が組み込まれていないデバイスの場合、そのようなデバイスでゲームをプレイ中、ユーザがやり取りを行える唯一の方法は、付属のマウスをクリックすること、付属のキーボード機能/キーを使用して操作すること、または付属のジョイスティックを使用することによる。多くの低級電子デバイスに組み込まれた「ポイント・アンド・クリック」または「ジョイスティック」による体験には互換性がなく、ゲームプレイ中に時間がかかることが多い。特に、ユーザ/プレーヤーが、クリック、ポイント、タップ、およびドラッグ動作を何度も、かつ多くの場合はデバイス・ディスプレイの様々な位置で使用しなければならない特定のゲームが存在するが、これをマウスまたはジョイスティックを介して操作するのは難しい。ユーザが、インターフェースの複数のポイントをクリックまたはタッチして同種の動作を実行しなければならない典型的なゲーム環境では、これは煩わしいものとなる。多くの従来型電子デバイスで提供されるタッチセンサ式スクリーンでさえ、感知できるのは、一度につき1つのポイントでのタッチ動作だけである。マルチタッチ・スクリーンはまだ広く普及しておらず、ゲーム環境では今後非常に有益となる可能性がある。従来型ゲーム機のアプリケーションの一部は、マルチタッチ・センシティブ操作によって制御できるが、戦略ゲーム環境において一定の所望の動作を実行するには、いくつかの欠点が依然としてある。
【0003】
したがって、前述の問題を考慮すると、コンピューティング・デバイスでゲームをプレイする際、より優れた高度に快適なゲーム・システム用グラフィカル・ユーザ・インターフェースが求められている。
【0004】
本開示は、ユーザがコンピューティング・デバイスでゲームプレイ中に、簡単なユーザのやり取りを容易にする、互換性が非常に高いグラフィカル・ユーザ・インターフェースを提供する。具体的には、本開示は、ゲーム機に対応するグラフィカル・ユーザ・インターフェースの複数のポイントで実行されるタッチ動作またはスワイプ動作によるユーザ入力を感知および取得することによって、改善されたユーザ体験を提供するシステムおよび方法を提供する。
【0005】
一側面において、本開示は、タッチセンサ式ディスプレイ・スクリーンと、ゲーム・システムに対応するソフトウェア製品を実行するコンピューティング・ハードウェアとを含む、電子デバイスを提供する。ディスプレイ・スクリーンは、スクリーンの複数の位置で実行されるタッチ動作を同時に感知する。ソフトウェア製品は、コンピューティング・ハードウェアで実行されると、グラフィカル・ユーザ・インターフェースを生成して、電子デバイスのディスプレイ・スクリーンにレンダリングする。グラフィカル・ユーザ・インターフェースは、簡単なユーザのやり取りを容易にし、ディスプレイ・スクリーンにレンダリングされると、複数のグラフィカル・オブジェクトと、グラフィカル・オブジェクトに対応する、ユーザ選択可能ないくつかのオプションとを提示する。ユーザ選択可能なオプションはそれぞれ、或る動作をグラフィカル・オブジェクトのうちの1つ以上に対して実行する複数のリソースを表す。ユーザは、これらのオプションのうちの1つ以上を選択し、ソフトウェア製品は、そのオプションに対応するリソースを、インターフェースの様々な位置にレンダリングする。選択されたオプションに対応するリソースは、ユーザがインターフェースの複数のポイントにわたってタッチまたはスワイプすると、レンダリングされる。さらに、インターフェースでの様々なリソースのレンダリングおよび展開特性は、ユーザがタッチ動作もしくはスワイプ動作を実行する速さ、またはタッチ動作もしくはスワイプ動作のいずれかを実行中にインターフェースに対してユーザが加える圧力のようなパラメータに依存する。
【0006】
別の側面では、本開示は、グラフィカル・ユーザ・インターフェースを用いた簡単なユーザのやり取りを容易にする方法を提供する。ソフトウェア製品が、電子デバイスのコンピューティング・ハードウェアで実行され、この結果、インターフェースが生成され、デバイスのディスプレイ・スクリーンにレンダリングされる。1つ以上のグラフィカル・オブジェクトと、グラフィカル・オブジェクトに対応するユーザ選択可能な一組のオプションとが、インターフェースにレンダリングされる。ユーザ選択可能なオプションはそれぞれ、インターフェースに展開される1つ以上のリソースに対応する。本方法は、これらの選択可能なオプションのうちの1つ以上を選択することと、デバイスのディスプレイ・スクリーンの複数のポイントでタッチ動作またはスワイプ動作を実行することとを含む。結果的に、選択されたオプションに対応するリソースが、インターフェースの複数の位置に同時に展開される。これらの位置は、タッチ動作またはスワイプ動作が実行される様々なポイントに対応する。
【0007】
本開示のシステムおよび方法は、ゲーム機において、ゲーム機の複数の領域にわたって同時に同種の動作を実行することを容易にし、様々なポイントを一度に1つずつタッチまたはスワイプしていく煩わしい動作をなくす。
【0008】
本開示のさらなる側面、利点、特徴、および目的は、添付の特許請求の範囲に関連して解釈される図面および例示の実施形態の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示による、電子デバイスのグラフィカル・ユーザ・インターフェースでの操作方法の図である。
【0010】
【
図2】本開示の方法およびシステムがゲーム環境を制御するために使用されるとき、電子デバイスのディスプレイ・スクリーンにレンダリングされる、ゲーム・システムに対応するグラフィカル・ユーザ・インターフェースの図である。
【
図3】本開示の方法およびシステムがゲーム環境を制御するために使用されるとき、電子デバイスのディスプレイ・スクリーンにレンダリングされる、ゲーム・システムに対応するグラフィカル・ユーザ・インターフェースの図である。
【
図4】本開示の方法およびシステムがゲーム環境を制御するために使用されるとき、電子デバイスのディスプレイ・スクリーンにレンダリングされる、ゲーム・システムに対応するグラフィカル・ユーザ・インターフェースの図である。
【0011】
【
図5】本開示による方法およびシステムを実装する例示の環境の図である。
【0012】
【
図6】本開示による、グラフィカル・ユーザ・インターフェースを用いたユーザの改善されたやり取りを容易にする例示の方法の図である。
【0013】
以下の詳細な説明は、特許請求される発明の各側面と、それを実装できる方法とを開示する。しかしながら、本記載は、本発明を定義または限定することを意図したものではなく、そのような定義または限定は、本願明細書に添付の特許請求の範囲にのみ含まれる。本発明を実施する最良の形態が包括的に開示されているが、当業者には当然のことながら、本発明を実施または実践する他の実施形態もあり得ると理解されよう。
【0014】
本開示は、ゲームプレイ中、簡単かつ迅速なユーザのやり取りを容易にし、ゲームがプレイされている電子デバイスのタッチセンサ式スクリーンでタッチ動作またはスワイプ動作を実行中に発生する現存の問題を回避する、ゲーム・システム用グラフィカル・ユーザ・インターフェースに関連する。
【0015】
ゲーム・システムは、コンピュータ、iPad(登録商標)、移動電話、タブレット・コンピュータ、およびスマートフォンを含む多数の電子コンピューティング・デバイスに、余暇を楽しむ目的で組み込まれている。そのような従来型電子デバイスの多くは、ユーザ入力を取得して、インターフェースの快適なユーザ体験をもたらすために、タッチセンサ式スクリーンを組み込んでいる。多くのデスクトップおよびラップトップ・コンピュータを含む、タッチセンサ式スクリーンのない電子デバイスでゲームをプレイする場合、ユーザは一般に、マウス、キーパッドの一定のキー、およびジョイスティックなどの接続された入力デバイスを介して、ゲーム・システムのインターフェースを用いてやり取りし、インターフェースに対して入力を提供する。マウスによる複数のクリック動作を使用することは、例えば、ゲーム・インターフェースの複数のポイントで同じ動作が実行されなければならない場合、時間がかかり好ましくない。タッチセンサ式ディスプレイを有するデバイスを用いても、プレイ中のゲームに対応する同種の動作がインターフェースの複数の領域にわたって同時に実行されなければならない場合、これを達成することは難しくなるが、これは、従来型タッチセンサ式スクリーンが感知できるタッチ動作が、特定のポイントにおいて一度に1つであるためである。現在、マルチタッチセンサ式スクリーンが利用可能であり、電子デバイスに組み込まれているが、一部のゲームに対応するプレイ時の動作は、スクリーンの複数の領域にわたって実行される複数のタッチ動作またはスワイプ動作を同時に感知および検出することを必要とする。
【0016】
本開示は、強化されたゲーム・システム用グラフィカル・ユーザ・インターフェースを提供し、これにより、電子デバイスでゲームプレイ中のユーザ体験が改善される。本システムおよび方法は、電子デバイスのマルチタッチセンサ式スクリーンを介したタッチ動作およびスワイプ動作の実行を容易にし、ユーザが、インターフェースの様々な領域にわたって、ゲームに関連する同種の動作を同時に実行できるようにする。
【0017】
図1には、電子デバイスでプレイ中のゲームに対応するグラフィカル・ユーザ・インターフェースが示されており、戦略ゲームをプレイしているユーザが、インターフェースの複数の位置にわたって同種の動作を実行するために、インターフェースの複数のポイントにわたってタッチ動作またはスワイプ動作を同時に実行する方法を示す。図のように、プレイ中のゲームに対応するグラフィカル・ユーザ・インターフェース100が、電子デバイスのディスプレイ・スクリーンにレンダリングされる。具体的には、ゲームに対応するソフトウェア製品が電子デバイスのコンピューティング・ハードウェアで実行されると、インターフェース100がディスプレイ・スクリーンにレンダリングおよび提示される。ディスプレイ・スクリーンは、スクリーンの複数のポイントで同時に実行されるタッチ動作またはスワイプ動作を感知できる、マルチタッチセンサ式スクリーンである。ユーザ108は、2本の指を使用して、インターフェース100の2つの異なる位置102および104でタッチ動作を実行する。インターフェース100は、この動作を感知し、ゲームに対応するソフトウェア製品は、実行されたタッチ動作に関連するアクションを、インターフェース100の様々なグラフィカル・オブジェクトに対して実行する。これについては、後の図面に関連して、特定のゲーム環境の例に関しより詳しく後述する。
【0018】
図2には、ユーザがデバイスでゲームをプレイし、ゲーム・インターフェースを制御するために本開示の方法を使用するときの、電子デバイスのディスプレイ・スクリーンのスナップショットが示されている。図のように、電子デバイス200は、ディスプレイ・スクリーン202を有し、ゲームに対応するアクションを実行するための様々なリソースが、ディスプレイ・スクリーン202のグラフィカル要素206にレンダリングされている。本開示の説明において、示されているゲーム環境は、戦争系ゲームに対応し、ディスプレイ・スクリーン202にレンダリングされるゲーム環境は、戦場204に対応する。デバイス200は、マルチタッチセンサ式スクリーンを組み込んだ任意の適切な電子デバイスとすることができ、これには、iPad(登録商標)、例えばAppleのiPhone(登録商標)、Androidフォン(登録商標)、もしくはSymbianフォン(登録商標)などのスマートフォン、タブレット・コンピュータ、デスクトップ・コンピュータ、またはラップトップ・コンピュータなどが含まれる。戦場204には、例えば城または基地を表すことができるターゲット208などの様々なグラフィカル・オブジェクトがある。ゲームの目標は、グラフィカル要素206内に示されている様々なリソースA、B、およびCなどによって城を攻撃することにより、城を勝ち取ることであってもよい。要素206内のリソースA、B、およびCは、銃、大砲、矢、弓などを含む武器を表すこと、または様々な部隊、武装兵隊、歩兵隊、もしくは騎兵隊などを表すことができる。そのようなリソースが3つのみ示されているが、ゲームをプレイするためのリソースがこの他に複数あってもよい。戦略ゲームでは、ユーザは、これらのリソースのうちの1つ以上を選択して、選択されたリソースを戦場204内の複数の位置に展開する。続いて、選択されたリソースは、ターゲット208を征服する動作を実行するために使用される。例えば、展開されたリソースは、それらの所有する様々な武器でターゲット208を攻撃するよう動作させることができる。ユーザは、複数のタッチ動作を、ディスプレイ202の様々なポイントで同時に使用して、リソースA、B、Cなどを戦場204内の複数の位置に展開することができる。さらに、ユーザは、特定の経路にわたって指をスワイプすることによってスワイプ動作を実行して、当該経路に沿った一組のポイントすべてにわたって特定のリソースを展開することもできる。展開された様々なリソースがターゲット208から離れる動き、またはターゲット208に近づく動きは、展開された特定のリソースをポイントし、所望の方向に指をスワイプすることによって制御することができる。選択されたリソースを展開するためにユーザがディスプレイ・スクリーン202にタッチすると、スクリーン202は、各ポイントでユーザが加えた圧力を検出する。各位置に展開されるリソースの数は、加えられる圧力の大きさに依存してもよい。具体的には、特定のポイントに加えられる圧力が高くなるにつれて、そのポイントに展開されるリソースの数が増加し、逆の場合も同様である。さらに、プレイ時、リソースは、ゲーム設定に応じて、時間と共に一定速度で、または加速/減速しながらリリース(release)することができる。さらに、戦場204の各位置にリソースを展開する速さは、ユーザが各ポイントにわたってタッチ動作またはスワイプ動作を実行する速さに依存する。例えば、ユーザが、選択されたリソースを、特定の経路内の様々なポイントに沿って展開することを望み、その経路にわたってスワイプ動作を実行する場合、リソースは、その経路にわたってスワイプ動作が実行されるのと同じくらいの速さで展開される。素早いスワイプ動作の結果、遅いスワイプ動作に比べて、より迅速にリソースが展開される。
【0019】
さらに続けて、
図3には、戦争系ゲームの戦場内にリソースを展開するために、選択可能なオプションA、B、およびCのうちの1つをユーザが選択したときの、デバイスのディスプレイ・スクリーンが示されている。例示では、ユーザは、後にターゲット208に対して動作するよう戦場に展開される、特定のカテゴリまたはタイプのリソースに対応するオプションBを選択した。前述の通り、選択されたリソースは、部隊、特定の種類の武器を所有する武装兵隊、騎兵隊などであってもよい。さらに、1つのみのオプションが選択されて示されているが、ユーザは、様々な種類のリソースを戦場に展開するために複数のオプションを選択することもできる。結果的に、オプションBを選択した後、ユーザは、2本の指を使用してインターフェースを制御し、図のように所望の2つのポイント302および304に部隊を展開する。具体的には、ユーザは、部隊の同時展開を可能にするために、ポイント302および304で同時にタッチ動作を実行することが好ましい。あるいは、タッチ動作は時間順に、すなわち1つずつ実行できる。あるいは、特定の所望の経路全体にわたってリソースを展開するために、選択されたポイント302および304のいずれかから開始して、その所望の経路にわたってスワイプ動作が実行されてもよい。こうした実施形態では、リソースは、タッチ動作が実行された後、或る決まった所定の時点で、選択されたポイントに展開される。例えば一実施形態では、リソースは、約0.5〜1秒等の所定の時間にわたり、ユーザが指を特定のポイントに接触した状態に保持した場合に限り、そのポイントに展開されてもよい。この機能は調節可能であり、リソースを展開するためにユーザが指をスクリーンと接触した状態に保持しなければならない最短時間は、ゲームをプレイする前にユーザの要望に基づいてカスタマイズ可能である。さらにこれによって、意図しない、または不必要なリソースの展開という事態がなくなる。
【0020】
展開された特定のリソースは、一定の条件の検出に基づいて、例えばターゲット208を攻撃するよう、アクションのためにリリースされる。この条件は例えば、リソースが所望のポイントに既に展開された後、約1〜2秒にわたって、ユーザが指をなお当該ポイントに保持することを含んでもよい。別の場合には、実行オプションが、ディスプレイ・スクリーンに別にレンダリングされてもよく、ユーザは、リソースが展開された後、このオプションを介して実行コマンドを提供しなければならない。さらに、別々の指により実行されるマルチタッチ動作は、独立して作用し、ディスプレイ・スクリーンは、これらの指により実行されるスワイプ動作またはタッチ動作を、独立して感知および解釈するよう構成される。具体的には、例として、1本の指がスクリーンの特定のポイントにわたってタッチまたはスワイプすると、それらのポイントに対応する一組の位置に、一組のリソースが展開されてもよく、さらにその後、別の指が別の一組のポイントにわたってタッチまたはスワイプすると、その後、第2組のリソースも、当該ポイントに展開されてもよい。この2つの組のリソースは、ユーザ調節可能なゲーム設定に応じて、同じであっても異なってもよく、ゲームをプレイする前にカスタマイズ可能である。さらに、前述の通り、ディスプレイ・スクリーンは、様々なポイントで同時に実行されるタッチ動作またはスワイプ動作を感知することもでき、リソースを様々なポイントに一斉に展開する。実施形態では、様々なポイントに展開されるリソースの数は、当該ポイントで実行されるタッチ動作の検出に対応して1つずつであってもよい。あるいは、タッチ動作またはスワイプ動作が特定のポイントで、または一組のポイントにわたって実行中に、当該ポイントに単位時間当たり一定数のリソースが展開されてもよい。別の実施形態では、前述の通り、展開されるリソースの数は、タッチ動作またはスワイプ動作を実行中にユーザが加える圧力の関数である。具体的には、特定のポイントに加えられる圧力が高くなるにつれて、そのポイントに展開されるリソースの数が多くなってもよく、その逆も同じである。
【0021】
さらに続けて、
図4には、電子デバイスのディスプレイ・スクリーンが示されており、選択されたオプションBに対応するリソースが、ディスプレイ・スクリーンの複数の位置に展開されて示されている。図のように、一組のリソース410が、スクリーン202の一組の位置に展開され、これらは、ポイント302(
図3に示した)あたりで先に実行された複数のタッチ動作に対応する。リソース410を展開するために、ユーザは、これらのポイントを含む経路にわたってスワイプ動作を実行してもよい。さらに、別の組のリソース420が、ターゲット208の反対側に展開されて示されている。これらのリソースは、ポイント304(
図3参照)から開始するタッチ動作がユーザの別の指で実行されると、レンダリングされる。同様に、リソースを他の望ましいポイントに展開するために、タッチ動作またはスワイプ動作が、ディスプレイ・スクリーン202の他の多数のポイントで実行されてもよい。
【0022】
図5には、本開示による方法およびシステムを実装する例示の環境の図が示されている。複数の電子デバイス502、504、506、および508が示されており、これらを介してユーザは、550、560、および570で表された複数のネットワークのうちの1つを介して、異なるゲーム・サーバ510および540のうちの1つに接続することができる。電子デバイス502、504、506、または508は、ゲーム・システムに対応するソフトウェア製品をサポートおよび実行できるコンピューティング・ハードウェアを有する、任意の適切な電子デバイスとすることができる。示されている電子デバイスの典型的な例としては、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、タブレット・コンピュータ、一般に周知のiPhone(登録商標)、Androidフォン(登録商標)などを含むスマートフォン、iPad(登録商標)などを挙げることができる。さらに、これらの電子デバイスはすべて、1つ以上のディスプレイ・スクリーンの複数のポイントで実行されるタッチ動作またはスワイプ動作によるユーザの入力を感知および取得する、1つ以上のマルチタッチセンサ式スクリーンを有する。さらに、電子デバイス502、504、506、および508は、一般に、適切な通信ネットワークを介して、サーバ510および540のいずれかを介し相互に接続される。ネットワーク550、560、および570などは、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN:Wireless Local area network)、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN:Local area network)、例えば2Gネットワーク、3Gネットワークなどのセルラー・ネットワークなど、無線ネットワークであってもよい。さらに、電子デバイス502、504、506、および508の任意のものが、それ自体のBluetooth(登録商標)ネットワークも使用してもよく、Bluetooth(登録商標)サーバに接続して他の電子デバイスと同期することができてもよい。示された例示の環境は、適切なネットワークを介して接続し相互に同期する様々なデバイスを介して、複数のユーザがオンラインとなることを容易にすることにより、マルチプレーヤー・ゲームもサポートする。さらに、モジュール520、530等で示される複数のデータベースが各サーバに接続され、様々なユーザがマルチプレーヤー・ゲームでオンラインのとき、ゲーム環境に関係する情報がこれらのデータベースに継続的に記憶される。
【0023】
シングルプレーヤー・ゲームを容易にするために、ユーザは、電子デバイス502、504、506、または508のいずれかを介してログオンし、適切なネットワークを介して、例えばインターネットおよび/または無線通信ネットワーク経由で、ゲーム・サーバ510または540のうちの1つに接続する。ユーザがログオンして、ユーザの利用する特定のデバイス、例えばデバイス502のコンピューティング・ハードウェアでゲーム・ソフトウェアを実行するのに伴い、ゲームに対応するグラフィカル・ユーザ・インターフェースが生成され、デバイス502のディスプレイ・スクリーンにレンダリングされる。グラフィカル・ユーザ・インターフェースは、ゲームに関連する様々なグラフィカル・オブジェクトを、デバイス502のディスプレイ・スクリーンに提示する。グラフィカル・オブジェクトは、グラフィカル・ユーザ・インターフェースの様々なブロック/セグメントで表されてもよく、それに対して、プレイ中のゲームに対応する様々な動作を実行可能である。例えば、ゲームが戦争系ゲームである場合、そのようなブロック/セグメントは、前に
図2において示したターゲット208など、征服しなければならない1つ以上のターゲットを表してもよい。さらに、グラフィカル・オブジェクトに対してアクションを実行するためのユーザ選択可能な一組のオプションを表す、1つ以上のグラフィカル要素も、デバイス502のインターフェースにレンダリングされる。そのような要素については、本開示の、戦争系ゲームに関連する前の図面に関連して詳細に前述した。さらに、様々なグラフィカル・オブジェクトの上を移動可能なポイント・オブジェクト(カーソル)が、ゲームの動作を制御するためにグラフィカル・ユーザ・インターフェースに表示される。ポインタ・オブジェクトは、デバイス502のディスプレイ・スクリーンでタッチ動作、スワイプ動作、またはタップ動作を実行することによって制御可能である。さらに、ユーザ入力の提供を容易にするために、(図示されてはいないが)マウス、ジョイスティック、または一組のキーボード・ボタンを含む他の入力デバイスが、デバイス502に接続されてもよい。ディスプレイ・スクリーンでのタッチ動作は、指、ペン、ペンシル、ポインティング手段などを含む適切なタッチセンサ式オブジェクトを使用して実行可能である。
【0024】
ゲーム・サーバ510に接続された別のデータベース580は、ゲーム・サーバ510のバックエンド・データベースとしての機能を果たす。デバイス502のユーザがゲームをプレイし始めるのに伴い、ユーザが実行する典型的なアクションおよびジェスチャが、バックエンド・データベース580に記録される。具体的には、そのようなアクションはゲーム・サーバ510を介して解釈され、メッセージとしてバックエンド・データベース580に送信され、このデータベースは結果的に、プレイされるゲームのログおよびバックアップを保持する。そのようなメッセージは、前述の通り、デバイス502をサーバ510に接続するのに用いられるインターネット接続で送信されるか、またはデバイス502をサーバ510に接続するその他任意の無線または有線のネットワークで送信される、データ・パッケージの形式とすることができる。そのような、ゲームのバックアップを保持するためのメッセージの典型的な構成要素は、ヘッダ、ペイロード、およびチェックサムを含み得る。チェックサムは、ペイロードの関数とすることが可能であり、または、ユーザ名または同様のものなど、固有のユーザ識別子とすることもできる。メッセージを保持するバックエンドにチェックサムを含めることによりもたらされる利点は、ゲームプレイ中に起こり得る不正行為を防止できることである。当業者であれば当然のことながら、ゲームプレイ中、チェックサムを得るために、収集されたデジタル・データに適切なチェックサム関数またはチェックサム・アルゴリズムが適用されてもよいと理解されよう。さらに、起こり得る不正行為を防止するために、特定のデータに対応するチェックサムが、任意の時点で再計算され、記憶されているチェックサムと比較され得る。サーバ510が受信するバックエンド・メッセージは、サーバ510の他のデータベース520および530にも送信される。これらのデータベース520、530では、これらのバックエンド・メッセージが、例えば、時間と共に更新される、プレーヤーの正確なスコア、およびプレーヤーが既に達したゲームの段階など、ゲーム状態を表す連続ロジックを保持するために使用される。データベース520および530によるバックエンド・メッセージの継続的な受信により、結果的に、時間と共に、これらのサーバ・データベース520および530内で、ゲーム状態の定期的な更新が行われる。これは、デバイス510が予期せずシャットダウンした場合や、デバイス510が予期せずその通信を妨害された場合、またはユーザがゲーム端末を変更した場合、もしくはユーザが意図的に一定期間プレイをやめて別のときにログインする場合に、ゲームをその最後の状態に確実に復旧できるようにするものであり、こうした復旧の可能性は、グラフィカル・ユーザ・インターフェースに対するユーザの満足度を高める助けとなる。リソース(部隊など)をリリース/使用すると、典型的には、ゲーム・クレジット、すなわちゲームのプレイに利用可能な資金が減少する。ゲーム・クレジットは、ゲーム中に獲得されるクレジットであってもよく、またはゲーム・クレジットは、クレジットカードその他の支払方法を用いて購入されてもよい。各プレーヤーは、そのゲーム・クレジットを、例えばバックエンド・データベース580に記憶させることができる。バックエンド・データベース580は、クレジットカード会社、銀行、もしくはその他Paypal(登録商標)などの支払/信用取引方法およびシステム、またはプレミアム・レート・メッセージ(ショート・メッセージ・サービス)を用いてなされるモバイル決済に対する、課金インターフェースを有することができる。
【0025】
本開示によるゲーム環境を実装するために、2つのみのサーバ510および540が示されたが、相互に連携する、相互接続された複数のゲーム・サーバであってもよい。さらに、
図5に示されている環境は、シンクライアント・ゲームを実装でき、すなわち、計算処理上の役割において部分的に独立したコンピュータ・プログラムで書かれ、ゲーム・ロジックの一部がサーバ510および540のいずれかに記憶されてもよく、さらにゲーム・ロジックの一部がゲーム端末に記憶されてもよい。示された環境は、シッククライアント・ゲームもサポートし、すなわち、完全に独立したコンピュータにおいて書かれ、ゲーム・ロジック全体がゲーム端末に記憶されてもよい。さらに、ゲームは、完全にウェブ・ベースであってもよく、ゲーム・ロジックのほとんどが、サーバ510または540のいずれかに記憶されてもよい。プレイされるゲームに対応するゲーム・ソフトウェアは、任意のプログラミング言語で書かれてもよい。
【0026】
示されたゲーム環境によって実装可能なゲーム・システムは、1人のユーザが電子デバイス502、504、506、または508のいずれかにログオンする場合について記載されたが、同ゲーム環境は、マルチプレーヤー・ゲームをサポートでき、その場合は、様々なユーザが、各電子デバイスを介してログオンでき、前述の通り適切なネットワークを介し、共通のゲーム・サーバ510および540のいずれかを介して同時に接続することによって相互に同期でき、進行中のゲームを表す共通のグラフィカル・ユーザ・インターフェースを共有できる。そのような実施形態では、各電子デバイスのディスプレイ・スクリーンにレンダリングされるグラフィカル・ユーザ・インターフェースは、ゲーム・サーバのバックエンドのデータベース520および530に記憶されたロジック・データを用いて、定期的に同時更新される。
【0027】
図6には、ゲームのプレイ中に、グラフィカル・ユーザ・インターフェースを用いたユーザのやり取りを容易にする方法が示されている。本方法は、本開示の先行する図面を用いて前述した、戦争系ゲームの典型的な例に関連して説明される。なお、本方法は、一般化されて他のゲーム環境においても実装でき、本開示の範囲を限定するよう意図されてはいない。ステップ604で、本方法は、電子デバイスのコンピューティング・ハードウェアでソフトウェア製品を実行するステップを含む。電子デバイスは、マルチタッチセンサ式スクリーンを組み込んだ任意の適切なデバイスとすることができ、その例は前述した。ソフトウェア製品は、電子デバイスでのゲームプレイを容易にするよう、ゲーム・システムに対応する。ソフトウェア製品が実行されるのに伴い、ステップ608で、本方法は、ゲーム環境の表現を生成して、電子デバイスのディスプレイ・スクリーンで、グラフィカル・ユーザ・インターフェースにレンダリングすることを含む。ステップ612で、本方法は、グラフィカル・ユーザ・インターフェースを介して、様々なグラフィカル・オブジェクト、ゲーム環境を制御するためのユーザ選択可能な一組のオプション、およびインターフェースの様々なポイントにわたってタッチ動作またはスワイプ動作を実行するためのポインタを提示することを含む。例えば、前述の通り、戦争系ゲームでは、グラフィカル・オブジェクトは、征服すべき城、破壊すべき基地などに対応してもよく、ゲーム環境は、戦場を表してもよい。ユーザ選択可能なオプションは、得点するためにグラフィカル・オブジェクトに対して動作を実行するべく、インターフェースの様々な部分にわたって展開可能な、様々なリソースに対応し得る。具体的には、リソースは、銃、爆弾、大砲、弓、矢などを含む多様な武器を所有する、様々な種類の部隊、騎兵隊、武装兵隊とされ得る。ステップ616で、本方法は、ゲーム環境内にユーザが展開したい様々な種類のリソースに対応する、選択可能な1つ以上のオプションを、ユーザが選択することを含む。さらに進んで、選択可能なオプションのうちの1つを選択して有効化した後、ステップ620で本方法は、対応するリソースを展開することを含み、ユーザは、リソースを展開したい位置に応じて、インターフェースの複数のポイントに対してタッチ動作またはスワイプ動作を実行する。ステップ624で、リソースが展開され、ゲーム・インターフェースに表示される。実施形態では、様々なリソースの展開特性が、様々なパラメータに依存してもよい。例えば、特定のポイントに展開されるリソースの数は、そのポイントでタッチ動作を実行中にディスプレイ・スクリーンに対してユーザにより加えられる圧力に依存する。さらに、ユーザが、特定の経路を構成する複数のポイントに沿ってリソースを展開することを望み、その経路に沿ってスワイプ動作を実行する場合、リソースが展開される速さは、その経路に沿ってユーザがスワイプ動作を実行する速さに依存する。別の実施形態では、タッチ動作が実行されている各ポイントに、単位時間当たり一定数のリソースを展開できる。リソースの展開特性は、ユーザ調節可能であり、ゲームプレイ前に、ユーザの優先事項に基づいてカスタマイズ可能である。
【0028】
ステップ628で、本方法は、リソースを介してアクションを実行する前に、他のリソースの展開が要望されるか否かを確認することを含む。要望される場合、本方法は、ステップ616に戻って、そのリソースに対応する選択可能なオプションを選択し、所望のポイントにわたって再度、タッチ動作またはスワイプ動作を実行することを含む。要望されない場合は、本方法は、さらに進んでステップ632で、ゲーム環境内で、展開されたリソースをアクションのためにリリースすることを含む。例えば、戦争系ゲームでは、展開された部隊/武装兵隊が、それらが展開されている各ポイントから特定のターゲットを攻撃するよう、そのターゲットに対する動作のためにリリースされる。実施形態では、展開されたリソースのリリースは、自動化されて、ユーザが特定のリソースを展開した後、その上に指を所定の時間にわたり保持すると発生する。例えば、この時間は、リソースが既に展開された後、約1〜2秒の、タッチ動作であってもよい。ディスプレイ・スクリーンは、この所定の時間を感知するよう構成され、これが発生すると、ソフトウェア製品は、展開されたリソースに関連するアクションを実行する。別の実施形態では、各リソースのリリースは、手動のユーザ入力を必要としてもよい。具体的には、例えば、(「発進」または「発射」オプションのような)トリガ・オプションが、リソースを展開した後にレンダリングされてもよく、リソースは、ユーザが手動でこのオプションを起動するまでリリースされなくてもよい。ステップ636で、展開されたリソースによってアクションが実行された後、グラフィカル・ユーザ・インターフェースが更新されて、ゲーム環境の最新状態を表す修正されたインターフェースがディスプレイ・スクリーンにレンダリングされる。
【0029】
ゲームに対応するグラフィカル・ユーザ・インターフェースを用いたユーザのやり取りを改善する本開示の方法およびシステムは、ユーザがゲーム環境において様々な動作を実行するときに大きな利点を提供する。ゲーム・インターフェースの様々な位置にわたる同種の動作を、ユーザが実行したい場合、ディスプレイ・スクリーンの複数のポイントにわたって同時にタッチまたはスワイプすることによって容易に実行できる。したがって、ゲーム・インターフェースのユーザ体験が、はるかに快適なものとなる。
【0030】
ゲーム環境で本開示を適用することができる例示の実施形態を用いて、さらに、特に戦争系ゲームの例を用いて、本開示について包括的に記載したが、本開示は、他のゲーム環境においても適用されるとともに、一般的には、ゲーム・システムに関連しない他のグラフィカル・ユーザ・インターフェースにも適用可能である。特定の適用では、開示された実施形態のユーザ・インターフェースは、任意のタイプのゲームの仮想制御のために使用可能である。開示された実施形態の特定の側面は、アーケードの構築およびパズル・ゲームの解決を含む、他の動作を実行するためにも適用可能である。さらに、この快適なユーザ・インターフェースは、例えばアドベンチャー・ゲーム、ロールプレイング・ゲーム、シューティング・ゲーム、建設および経営シミュレーション・ゲームなど、他のタイプのゲーム内にも実装可能である。例えば、この快適なユーザ・インターフェースは、シンセティック・クレジット・デフォルト・スワップまたはデリバティブ金融商品における取引などの金融取引を実行するときにトレーダーが複数の取引を同時に管理する必要がある、ニューヨーク・ウォール街およびロンドン証券取引所などの金融取引所で用いられるコンピュータ端末で使用することができる。
【0031】
考えられる側面および実施形態について論じるために、かなり詳細に現時点の本発明について包括的に記載したが、当業者には当然のことながら、本発明の他のバージョンも可能であると理解されよう。