特許第6190941号(P6190941)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6190941
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】アップコンバージョン蛍光体
(51)【国際特許分類】
   C09K 11/68 20060101AFI20170821BHJP
【FI】
   C09K11/68CQC
【請求項の数】6
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-504105(P2016-504105)
(86)(22)【出願日】2015年2月17日
(86)【国際出願番号】JP2015054260
(87)【国際公開番号】WO2015125771
(87)【国際公開日】20150827
【審査請求日】2017年3月3日
(31)【優先権主張番号】特願2014-33011(P2014-33011)
(32)【優先日】2014年2月24日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516147545
【氏名又は名称】株式会社GBRY
(74)【代理人】
【識別番号】100076406
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 勝徳
(74)【代理人】
【識別番号】100117097
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 充浩
(72)【発明者】
【氏名】ルイテル ホムナト
【審査官】 古妻 泰一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−046002(JP,A)
【文献】 特開2013−060568(JP,A)
【文献】 特開2013−014651(JP,A)
【文献】 特開2014−234479(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 11/68
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ZnMoO4系の母体材料に、Yb3+と、Tm3+,Er3+及びHo3+からなる群より選ばれる少なくとも1種の希土類金属イオンと、Li+,K+,Na+及びRb+からなる群より選ばれる少なくとも1種の1価金属イオンとを含む、アップコンバージョン蛍光体。
【請求項2】
前記母体材料中の2価金属イオン、Yb3+、前記希土類金属イオン及び前記1価金属イオンの合計を100at%としたときのYb3+の含有比率が20at%以下である、請求項1に記載のアップコンバージョン蛍光体。
【請求項3】
前記希土類金属イオンがTm3+であり、前記母体材料中の2価金属イオン、Yb3+、前記希土類金属イオン及び前記1価金属イオンの合計を100at%としたときのTm3+の含有比率が2at%以下である、請求項1又は2に記載のアップコンバージョン蛍光体。
【請求項4】
前記希土類金属イオンがEr3+であり、前記母体材料中の2価金属イオン、Yb3+、前記希土類金属イオン及び前記1価金属イオンの合計を100at%としたときのEr3+の含有比率が5at%以下である、請求項1又は2に記載のアップコンバージョン蛍光体。
【請求項5】
前記希土類金属イオンがHo3+であり、前記母体材料中の2価金属イオン、Yb3+、前記希土類金属イオン及び前記1価金属イオンの合計を100at%としたときのHo3+の含有比率が5at%以下である、請求項1又は2に記載のアップコンバージョン蛍光体。
【請求項6】
前記母体材料中の2価金属イオン、Yb3+、前記希土類金属イオン及び前記1価金属イオンの合計を100at%としたときの前記1価金属イオンの含有比率が20at%以下である、請求項1から5までのいずれかに記載のアップコンバージョン蛍光体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、励起光よりエネルギーの高い光を放出させることのできるアップコンバージョン蛍光体に関する。
【背景技術】
【0002】
アップコンバージョン蛍光体は、励起光よりエネルギーの高い光を放射させることができるものである。 アップコンバージョン蛍光体では、エネルギーの低い光源を利用できる点で、様々な分野において応用が期待されるものであるが、蛍光体は、励起光よりエネルギーの低い光を放射する(ダウンコンバージョン)のが通常であり、アップコンバージョン現象を起こさせるためには、励起状態吸収、多光子吸収、エネルギー移動などの関与を要する。 そのため、様々な材料が検討されているとともに、発光効率を高めるべく種々の検討・提案が行われている。
【0003】
例えば、(R1-x,Erx23(RはY,La,Gd及びLuのうちの少なくとも1種。xはモル量で0.001≦x≦0.20。)の組成式で表され、500nm〜2000nmの範囲内の波長の光によりアップコンバージョン発光する蛍光体微粒子(特許文献1参照)や、Y23:Eu3+,Yb3+からの可視アップコンバージョン発光についての報告(非特許文献1参照)がある。 広い濃度範囲を有するYb3+を含むEr3+−Yb3+:NaYF4のアップコンバージョン特性についての報告(非特許文献2参照)もある。 ナノ結晶Y2Si27:Er3+及びY2Si27:Yb3+,Er3+におけるEr3+からのアップコンバージョン蛍光についての報告(非特許文献3参照)もある。 容器を用いない方法で作製したEr3+/Yb3+添加チタネイトガラスにおける赤外から可視光へのアップコンバージョン蛍光についての報告(非特許文献4参照)もある。 液体中のターゲット(アップコンバージョン特性を有する蛍光材料からなる)にレーザー光を照射してアップコンバージョンナノ粒子を製造する技術(特許文献2参照)や、コロイド状BaYF5ナノ結晶:Tm3+、Yb3+における近赤外からの青色アップコンバージョンについての報告(非特許文献5)もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−292599号公報
【特許文献2】特開2013−14651号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】H. Wang et. al., J. Phys. Chem. C, 2008, 112 (42), pp 16651-16654.
【非特許文献2】B.S. Cao et. al., J. Luminescence, 2013, 135 (3), pp 128-132.
【非特許文献3】J. Sokolnicki,Materials Chemistry and Physics, 2011, 131 (1-2), pp 306-312.
【非特許文献4】X. Pan et. al., J. Luminescence, 2012, 132, pp 1025-1029.
【非特許文献5】F. Vetrone et. al., Chem. Mater., 2009, 21 (9), pp 1847-1851.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来のアップコンバージョン蛍光体は、発光特性が未だ不十分であったり、フッ化物など好ましくない材料を用いるものであったりしたため、既存技術の改良ないし新規組成の開発が必要である。
【0007】
そこで、本発明は、種々の発光色を発現させることができ、かつ、その発光特性にも優れた新規なアップコンバージョン蛍光体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、その結果、母体材料がZnMoO4系である場合において、Yb3+と、Tm3+,Er3+及びHo3+からなる群より選ばれる少なくとも1種の希土類金属イオンと、Li+,K+,Na+及びRb+からなる群より選ばれる少なくとも1種の1価金属イオンとを含有させた場合に、青色系(Tm3+の場合)、緑色系(Er3+の場合)、赤色系(Ho3+の場合)、白色系(Tm3+及びHo3+併用の場合)など、様々な発光色の発光が高い発光強度で得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明にかかるアップコンバージョン蛍光体は、ZnMoO4系の母体材料に、Yb3+と、Tm3+,Er3+及びHo3+からなる群より選ばれる少なくとも1種の希土類金属イオンと、Li+,K+,Na+及びRb+からなる群より選ばれる少なくとも1種の1価金属イオンとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のアップコンバージョン蛍光体は、同じ母体材料でありながら、希土類金属の種類を適宜代えることにより、青色系、緑色系、赤色系、白色系などの様々な色のアップコンバージョン発光を得ることができ、しかも、その発光強度が高い。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例1,75,79の各試料のXRDである。
図2】実施例1の試料の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。
図3】実施例1〜7の各試料について、450〜510nmの波長域での発光スペクトルを示すグラフである。
図4】実施例1〜7の各試料について、750〜850nmの波長域での発光スペクトルを示すグラフである。
図5】実施例1,8〜12、比較例1の各試料について、450〜510nmの波長域での発光スペクトルを示すグラフである。
図6】実施例1,8〜12、比較例1の各試料について、750〜850nmの波長域での発光スペクトルを示すグラフである。
図7】実施例1,13〜15、比較例2の各試料について、450〜510nmの波長域での発光スペクトルを示すグラフである。
図8】実施例1,13〜15、比較例2の各試料について、750〜850nmの波長域での発光スペクトルを示すグラフである。
図9】実施例1,16〜20、比較例2の各試料について、450〜510nmの波長域での発光スペクトルを示すグラフである。
図10】実施例1,16〜20、比較例2の各試料について、750〜850nmの波長域での発光スペクトルを示すグラフである。
図11】実施例21〜26、比較例3の各試料の発光スペクトルを示すグラフである。
図12】実施例21,27〜31、比較例4の各試料の発光スペクトルを示すグラフである。
図13】実施例21,32〜34、比較例5の各試料の発光スペクトルを示すグラフである。
図14】実施例21,35〜38、比較例5の各試料の発光スペクトルを示すグラフである。
図15】実施例39〜46の各試料の発光スペクトルを示すグラフである。
図16】実施例41,47〜51、比較例6の各試料の発光スペクトルを示すグラフである。
図17】実施例41,52〜54、比較例7の各試料の発光スペクトルを示すグラフである。
図18】実施例41,55〜58、比較例7の各試料の発光スペクトルを示すグラフである。
図19】実施例59〜62の各試料の発光スペクトルを示すグラフである。
図20】実施例63〜65の各試料の発光スペクトルを示すグラフである。
図21】実施例66〜68の各試料の発光スペクトルを示すグラフである。
図22】実施例69〜74の各試料の発光スペクトルを示すグラフである。
図23】実施例1,75〜79の各試料について、450〜510nmの波長域での発光スペクトルを示すグラフである。
図24】実施例1,75〜79の各試料について、620〜680nmの波長域での発光スペクトルを示すグラフである。
図25】実施例1,75〜79の各試料について、750〜850nmの波長域での発光スペクトルを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明にかかるアップコンバージョン蛍光体について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
【0013】
〔アップコンバージョン蛍光体〕 本発明のアップコンバージョン蛍光体の母体材料はZnMoO4系の母体材料である。 ここで、本発明において、「ZnMoO4系の母体材料」には、ZnMoO4の他、その特性を本質的に変じさせない限度において、ZnMoO4におけるZnの一部が他の同等元素、例えば、Caなどによって置換された母体材料も含む。 具体的には、例えば、Znと他の同等元素の比率は、原子基準で、Zn:他の同等元素=100:0〜80〜20の範囲が好ましい。 この母体材料に、下記の特定のイオンを含有させることにより、本発明のアップコンバージョン蛍光体が構成される。 なお、本発明のアップコンバージョン蛍光体において、下記の特定のイオンは、いずれも、母体材料中のZn2+と置換しているものと推測される。
【0014】
〔Yb3+〕 本発明のアップコンバージョン蛍光体には、Yb3+が含まれる。 前記母体材料中の2価金属イオン、Yb3+、前記希土類金属イオン及び前記1価金属イオンの合計を100at%としたときのYb3+の含有比率(以下、単に「Yb3+の含有比率」ということがある)が20at%以下であることが好ましく、5〜15at%の範囲であることがより好ましい。 ここで、上記における「母体材料中の2価金属イオン」は、母体材料がZnMoO4である場合にはZn2+であり、また、ZnMoO4におけるZnの一部が他の同等元素(Caなど)によって置換されたものである場合には、Zn2+及び前記同等元素のイオン(Ca2+など)を指すこととなる。後述する希土類金属イオンの含有比率及び1価金属イオンの含有比率に関しても、「母体材料中の2価金属イオン」は同様の意味である。 また、上では、Yb3+の含有比率が20at%以下であることが好ましいと説明したが、Yb3+は必須成分であるから、0at%である場合を含むものでないことは言うまでもない。他の必須成分に関する説明においても同様である。
【0015】
〔希土類金属イオン〕 本発明のアップコンバージョン蛍光体には、Tm3+,Er3+及びHo3+からなる群より選ばれる少なくとも1種の希土類金属イオンが含まれる。
【0016】
希土類金属イオンがTm3+である場合、アップコンバージョン蛍光体は、青色系の発光を示す。 前記母体材料中の2価金属イオン、Yb3+、前記希土類金属イオン及び前記1価金属イオンの合計を100at%としたときのTm3+の含有比率(以下、単に「Tm3+の含有比率」ということがある)が2at%以下であることが好ましく、0.05〜1at%の範囲であることがより好ましく、0.05〜0.5at%の範囲であることが特に好ましい。
【0017】
希土類金属イオンがEr3+である場合、アップコンバージョン蛍光体は、緑色系の発光を示す。 前記母体材料中の2価金属イオン、Yb3+、前記希土類金属イオン及び前記1価金属イオンの合計を100at%としたときのEr3+の含有比率(以下、単に「Er3+の含有比率」ということがある)が5at%以下であることが好ましく、0.1〜2at%の範囲であることがより好ましく、0.2〜0.6at%の範囲が特に好ましい。
【0018】
希土類金属イオンがHo3+である場合、アップコンバージョン蛍光体は、赤色系の発光を示す。 前記母体材料中の2価金属イオン、Yb3+
、前記希土類金属イオン及び前記1価金属イオンの合計を100at%としたときのHo3+の含有比率(以下、単に「Ho3+の含有比率」ということがある)が5at%以下であることが好ましく、2at%以下であることがより好ましく、0.03〜1at%の範囲が特に好ましい。
【0019】
前記希土類金属イオンは、複数組み合わせて母体材料に含有させることもできる。 このように複数組み合わせることで、Tm3+,Er3+又はHo3+を単独で適用した場合には得られない色のアップコンバージョン発光を得ることも可能となる。 この場合、複数の希土類金属イオンを組み合わせる際の相互割合を適宜選定することにより、所望の発光色を得ることができる。 白色系の発光を得る場合には、希土類金属イオンとして、Tm3+とHo3+とを組み合わせることが有利である。
【0020】
〔1価金属イオン〕 本発明のアップコンバージョン蛍光体には、Li+,K+,Na+及びRb+からなる群より選ばれる少なくとも1種の1価金属イオンが含まれる。 中でもK+やNa+を用いた場合に発光特性が優れており、K+を用いることが特に好ましい。 前記母体材料中の2価金属イオン、Yb3+、前記希土類金属イオン及び前記1価金属イオンの合計を100at%としたときの前記1価金属イオンの含有比率(以下、単に「1価金属イオンの含有比率」や「Li+の含有比率」などということがある)は、20at%以下であることが好ましく、5〜15at%の範囲であることがより好ましい。
【0021】
〔アップコンバージョン蛍光体の製造方法〕 本発明のアップコンバージョン蛍光体は、上記各成分を含有する化合物の混合物を用いて、例えば、公知の固相法や液相法(例えば、ゾル−ゲル法など)により製造することができる。 特に限定するわけではないが、例えば、以下のようにして製造することが好ましい。
【0022】
まず、アップコンバージョン蛍光体を構成する各元素を含む各化合物(例えば、酸化物や炭酸塩など)を混合する。 混合物には、融剤を含んでもよい。 融剤としては、例えば、Li2CO3、H3BO3、NH4F、CaF2、MgF2、B23、(NH42CO3などが挙げられるが、中でも、Li2CO3、H3BO3、NH4Fが好ましい。
【0023】
混合方法は、乾式混合、湿式混合のいずれでも良く、特に限定されないが、エタノールや水などを加えて行う湿式混合が好適に挙げられる。なお、湿式混合の場合は、混合後、適宜乾燥を行う。
【0024】
各成分の混合割合については、アップコンバージョン蛍光体における各成分の含有比率を考慮して、適宜決定すればよい。 なお、融剤を添加する場合は、0.005〜0.4モルの範囲であることが好ましい。
【0025】
次に、上記のようにして得られる混合物を焼成する。 焼成は、空気雰囲気中、500〜800℃の温度範囲で行うことが好ましく、550〜700℃の温度範囲で行うことがより好ましい。 また、焼成時間としては、3〜5時間が好ましい。
【0026】
焼成後は、粉砕して粉末としてもよく、好ましくは、例えば、数nm〜数十nm程度の粉末とする。
【実施例】
【0027】
以下、実施例を用いて、本発明にかかるアップコンバージョン蛍光体について詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0028】
〔実施例1〕 ZnCO3;0.433g、MoO3;0.9596g、TmCl3・6H2O;0.0026g、Yb23;0.134g、K2CO3;0.046gの各粉末を用い、乳鉢内で乳棒及びエタノールを用いて湿式混合した。 上記混合後、130℃で4時間乾燥し、乳棒で粉砕して、混合粉末を得た。 次に、上記で得られた混合粉末を二軸押出成形してペレット(Φ13×3mm)を得、空気雰囲気中、650℃で4時間焼成した(加熱速度5℃/min)。 焼成後のペレットを振動ミルで細かく粉砕した。 以上のようにして、実施例1にかかる試料として、ZnMoO4:Yb3+,Tm3+,K+で表され、Yb3+の含有比率10at%,Tm3+の含有比率0.1at%,K+の含有比率10at%の粉末を得た。
【0029】
〔実施例2〜7〕 原料となる各粉末を下表1のとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2〜7にかかる各試料として、ZnMoO4:Yb3+,Tm3+,K+で表され、Yb3+,Tm3+及びK+の各含有比率が下表1のとおりである各粉末を得た。
【0030】
【表1】
【0031】
〔実施例8〜12、比較例1〕 原料となる各粉末を下表2のとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例8〜12にかかる各試料として、ZnMoO4:Yb3+,Tm3+,K+で表され、Yb3+,Tm3+及びK+の各含有比率が下表2のとおりである各粉末を得た。 同様に、比較例1にかかる試料として、ZnMoO4:Tm3+,K+で表され、Tm3+及びK+の各含有比率が下表2のとおりである粉末を得た。
【0032】
【表2】
【0033】
〔実施例13〜15、比較例2〕 原料となる各粉末を下表3のとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例13〜15にかかる各試料として、ZnMoO4:Yb3+,Tm3+,M+で表され、Yb3+,Tm3+及びM+の各含有比率が下表3のとおりである各粉末を得た。なお、M+はK+、Na+、Li+、Rb+の何れかを表す。 同様に、比較例2にかかる試料として、ZnMoO4:Yb3+,Tm3+で表され、Yb3+及びTm3+の各含有比率が下表3のとおりである粉末を得た。
【0034】
【表3】
【0035】
〔実施例16〜20〕 原料となる各粉末を下表4のとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例16〜20にかかる各試料として、ZnMoO4:Yb3+,Tm3+,K+で表され、Yb3+,Tm3+及びK+の各含有比率が下表4のとおりである各粉末を得た。
【0036】
【表4】
【0037】
〔実施例21〜26、比較例3〕 原料となる各粉末を下表5のとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例21〜26にかかる各試料として、ZnMoO4:Yb3+,Er3+,K+で表され、Yb3+,Er3+及びK+の各含有比率が下表5のとおりである各粉末を得た。 同様に、比較例3にかかる試料として、ZnMoO4:Yb3+,K+で表され、Yb3+及びK+の各含有比率が下表5のとおりである粉末を得た。
【0038】
【表5】
【0039】
〔実施例27〜31、比較例4〕 原料となる各粉末を下表6のとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例27〜31にかかる各試料として、ZnMoO4:Yb3+,Er3+,K+で表され、Yb3+,Er3+及びK+の各含有比率が下表6のとおりである各粉末を得た。 同様に、比較例4にかかる試料として、ZnMoO4:Er3+,K+で表され、Er3+及びK+の各含有比率が下表6のとおりである粉末を得た。
【0040】
【表6】
【0041】
〔実施例32〜34、比較例5〕 原料となる各粉末を下表7のとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例32〜34にかかる各試料として、ZnMoO4:Yb3+,Er3+,M+で表され、Yb3+,Er3+及びM+の各含有比率が下表7のとおりである各粉末を得た。なお、M+はK+、Na+、Li+、Rb+の何れかを表す。 同様に、比較例5にかかる試料として、ZnMoO4:Yb3+,Er3+で表され、Yb3+及びEr3+の各含有比率が下表7のとおりである粉末を得た。
【0042】
【表7】
【0043】
〔実施例35〜38〕 原料となる各粉末を下表8のとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例35〜38にかかる各試料として、ZnMoO4:Yb3+,Er3+,K+で表され、Yb3+,Er3+及びK+の各含有比率が下表8のとおりである各粉末を得た。
【0044】
【表8】
【0045】
〔実施例39〜46〕 原料となる各粉末を下表9のとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例39〜46にかかる各試料として、ZnMoO
4:Yb3+,Ho3+,K+で表され、Yb3+,Ho3+及びK+の各含有比率が下表9のとおりである各粉末を得た。
【0046】
【表9】
【0047】
〔実施例47〜51、比較例6〕 原料となる各粉末を下表10のとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例47〜51にかかる各試料として、ZnMoO4:Yb3+,Ho3+,K+で表され、Yb3+,Ho3+及びK+の各含有比率が下表10のとおりである各粉末を得た。 同様に、比較例6にかかる試料として、ZnMoO4:Ho3+,K+で表され、Ho3+及びK+の各含有比率が下表10のとおりである粉末を得た。
【0048】
【表10】
【0049】
〔実施例52〜54、比較例7〕 原料となる各粉末を下表11のとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例52〜54にかかる各試料として、ZnMoO4:Yb3+,Ho3+,M+で表され、Yb3+,Ho3+及びM+の各含有比率が下表11のとおりである各粉末を得た。なお、M+はK+、Na+、Li+、Rb+の何れかを表す。 同様に、比較例7にかかる試料として、ZnMoO4:Yb3+,Ho3+で表され、Yb3+及びHo3+の各含有比率が下表11のとおりである粉末を得た。
【0050】
【表11】
【0051】
〔実施例55〜58〕 原料となる各粉末を下表12のとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例55〜58にかかる各試料として、ZnMoO4:Yb3+,Ho3+,K+で表され、Yb3+,Ho3+及びK+の各含有比率が下表12のとおりである各粉末を得た。
【0052】
【表12】
【0053】
〔実施例59〜62〕 原料となる各粉末を下表13のとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例59〜62にかかる各試料として、ZnMoO4:Yb3+,Tm3+,Ho3+,K+で表され、Yb3+,Tm3+,Ho3+及びK+の各含有比率が下表13のとおりである各粉末を得た。
【0054】
【表13】
【0055】
〔実施例63〜65〕 原料となる各粉末を下表14のとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例63〜65にかかる各試料として、ZnMoO4:Yb3+,Tm3+,Er3+,K+で表され、Yb3+,Tm3+,Er3+及びK+の各含有比率が下表14のとおりである各粉末を得た。
【0056】
【表14】
【0057】
〔実施例66〜68〕 原料となる各粉末を下表15のとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例66〜68にかかる各試料として、ZnMoO4:Yb3+,Er3+,Ho3+,K+で表され、Yb3+,Er3+,Ho3+及びK+の各含有比率が下表15のとおりである各粉末を得た。
【0058】
【表15】
【0059】
〔実施例69〜74〕 原料となる各粉末を下表16のとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例69〜74にかかる各試料として、ZnMoO4:Yb3+,Tm3+,Er3+,Ho3+,K+で表され、Yb3+,Tm3+,Er3+,Ho3+及びK+の各含有比率が下表16のとおりである各粉末を得た。
【0060】
【表16】
【0061】
〔実施例75〜79〕 ペレットの焼成温度を550℃、600℃、700℃、750℃又は800℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例75〜79にかかる試料として、ZnMoO4:Yb3+,Tm3+,K+で表され、Yb3+の含有比率10at%,Tm3+の含有比率0.1at%,K+の含有比率10at%の各粉末を得た。
【0062】
〔物性評価1:試料の同定〕 上記実施例1,75,79の各試料について、XRDにより結晶相の同定を行った。X線回折装置としては、島津製作所社製の「XRD−6300」を用い、CuKαを使用した。結果を図1に示す。 また、実施例1の試料について、走査型電子顕微鏡(SEM)画像を図2に示す。 図1,2に示す結果から、上記各実施例に示す操作によって、目的とするアップコンバージョン蛍光体が微小な粉末状で得られていることが確認できた。
【0063】
〔物性評価2:発光特性〕 上記実施例及び比較例にかかる各試料について、980nmレーザーを照射した場合の発光スペクトルを「USB 4000 UV/VIS/NIR」(小型光ファイバースペクトロメータ、オーシャンオプティクス社製)により測定した。測定は室温で行った。 結果は図3〜25に示すとおりである。 以下、図3〜25に示す結果について、全体的な考察を示した後(下記(1))、各成分の種類、含有量等による発光特性への影響について、個別的な考察を示す(下記(2)〜(6))。
【0064】
(1)全体的考察 希土類金属イオンとしてYb3+を添加した実施例1〜20,75〜79の試料においては、480nm付近及び800nm付近にピークが認められた。 これらの試料において、人間の視覚によって観察される発光色は青色であったが、これは、480nm付近のピークに対応する発光によるものと推察される。なお、800nm付近のピークは近赤外発光に対応するものであり、可視領域外の波長域にあるため、人間の視覚によっては観察されない。
【0065】
また、希土類金属イオンとしてEr3+を添加した実施例21〜38の試料においては、520〜565nm付近及び630〜670nm付近にピークが認められた。 これらの試料において、人間の視覚によって観察される発光色は明るい緑色であったが、これは、主として520〜565nm付近のピークに対応する発光によるものであり、630〜670nm付近の微小なピークに対応する発光の影響も若干受けていると推察される。
【0066】
さらに、希土類金属イオンとしてHo3+を添加した実施例39〜58の試料においては、550nm付近及び650nm付近にピークが認められた。 これらの試料において、人間の視覚によって観察される発光色は明るい赤橙色であったが、これは、主として650m付近のピークに対応する発光によるものであり、550nm付近のピークに対応する発光の影響も受けていると推察される。
【0067】
また、希土類金属イオンとしてTm3+,Er3+及びHo3+の2種以上を組み合わせて添加した実施例59〜74の試料においては、その組合せに応じて、Tm3+に基づくものと推測される480nm付近のピーク、Er3+及びHo3+に基づくものと推測される550nm付近のピーク、Ho3+に基づくものと推測される650nm付近のピークが認められた。 これらの試料において、人間の視覚によって観察される発光色は、Tm3+とHo3+の組合せ(実施例59〜62)では白色、Tm3+とEr3+の組合せ(実施例63〜65)では青色〜緑色、Er3+とHo3+の組合せ(実施例66〜68)では黄色、Tm3+とEr3+とHo3+の組合せ(実施例69〜74)では、これらの相互割合に応じて、白色、青色〜緑色、黄色等、様々であった。 これらの発光色は、各希土類金属イオンに由来する複数の波長の発光の組み合わせにより生じたものであると推察される。
【0068】
(2)Tm3+含有のアップコンバージョン蛍光体についての考察(2−1)Tm3+の含有率の発光特性への影響 図3,4は、実施例1〜7の各試料の発光スペクトルの測定結果(図3:450〜510nmの波長域、図4:750〜850nmの波長域)を示すものである。 図3,4に示す結果から、Tm3+の含有比率が発光特性に影響を与えていることが確認できるとともに、優れた発光特性を得るためには、0.05〜1at%の範囲、特に0.05〜0.5at%の範囲が好ましいことが確認できた。
【0069】
(2−2)Yb3+の含有率の発光特性への影響 図5,6は、実施例1,8〜12、比較例1の各試料の発光スペクトルの測定結果(図5:450〜510nmの波長域、図6:750〜850nmの波長域)を示すものである。 図5,6に示す結果において、まず、比較例1(Yb3+非含有)と他の実施例との対比から、Yb3+が、目的のアップコンバージョン発光を得る上で必須の含有成分であることが確認できた。 また、各実施例の結果から、Yb3+含有比率が発光特性に影響を与えていることが確認できるとともに、優れた発光特性を得るためには、Yb3+の含有比率が20at%以下、特に5〜15at%の範囲が好ましいことが確認できた。
【0070】
(2−3)1価金属イオン含有による発光特
性への影響 図7,8は、実施例1,13〜15、比較例2の各試料の発光スペクトルの測定結果(図7:450〜510nmの波長域、図8:750〜850nmの波長域)を示すものである。 図7,8に示す結果において、まず、比較例2(1価金属イオン非含有)と他の実施例との対比から、本発明所定の1価金属イオンが必須の含有成分であることが確認できた。 また、各実施例の結果から、優れた発光特性を得るためには、K+,Na+,Li+が好ましく、K+,Na+がより好ましく、K+が特に好ましいことが確認できた。
【0071】
(2−4)1価金属イオンの含有率の発光特性への影響 図9,10は、実施例1,16〜20、比較例2の各試料の発光スペクトルの測定結果(図9:450〜510nmの波長域、図10:750〜850nmの波長域)を示すものである。 図9,10に示す結果から、1価金属イオンの含有比率が発光特性に影響を与えていることが確認できるとともに、優れた発光特性を得るためには、1価金属イオンの含有比率が20at%以下、特に5〜15at%の範囲が好ましいことが確認できた。
【0072】
(3)Er3+含有のアップコンバージョン蛍光体についての考察(3−1)Er3+の含有率の発光特性への影響 図11は、実施例21〜26、比較例3の各試料の発光スペクトルの測定結果を示すものである。なお、図11では、533nm及び555nmにおける各実施例及び比較例の発光強度をプロットしたグラフも併記した。 図11に示す結果において、まず、比較例3(本発明所定の希土類金属イオン非含有)と他の実施例との対比から、各実施例のピークがEr3+に由来するピークであることが確認できた。 また、各実施例の結果から、Er3+含有比率が発光特性に影響を与えていることが確認できるとともに、優れた発光特性を得るためには、Er3+の含有比率が0.1〜2at%の範囲、特に0.2〜0.6at%の範囲が好ましいことが確認できた。
【0073】
(3−2)Yb3+の含有率の発光特性への影響 図12は、実施例21,27〜31、比較例4の各試料の発光スペクトルの測定結果を示すものである。なお、図12では、522nm、533nm、547nm及び554nmにおける各実施例及び比較例の発光強度をプロットしたグラフも併記した。 図12に示す結果において、まず、比較例4(Yb3+非含有)と他の実施例との対比から、Yb3+が、目的のアップコンバージョン発光を得る上で必須の含有成分であることが確認できた。 また、各実施例の結果から、Yb3+含有比率が発光特性に影響を与えていることが確認できるとともに、優れた発光特性を得るためには、Yb3+の含有比率が5〜15at%の範囲が好ましいことが確認できた。
【0074】
(3−3)1価金属イオン含有による発光特性への影響 図13は、実施例21,32〜34、比較例5の各試料の発光スペクトルの測定結果を示すものである。なお、図13では、522nm、533nm及び555nmにおける各実施例及び比較例の発光強度をプロットしたグラフも併記した。 図13に示す結果において、まず、比較例5(1価金属イオン非含有)と他の実施例との対比から、本発明所定の1価金属イオンが、目的のアップコンバージョン発光を得る上で必須の含有成分であることが確認できた。 また、各実施例の結果から、優れた発光特性を得るためには、K+,Na+,Rb+が好ましく、K+,Na+がより好ましく、K+が特に好ましいことが確認できた。
【0075】
(3−4)1価金属イオンの含有率の発光特性への影響 図14は、実施例21,35〜38、比較例5の各試料の発光スペクトルの測定結果を示すものである。なお、図14では、533nm及び555nmにおける各実施例及び比較例の発光強度をプロットしたグラフも併記した。 図14に示す結果から、1価金属イオンの含有比率が発光特性に影響を与えていることが確認できるとともに、優れた発光特性を得るためには、1価金属イオンの含有比率が5〜15at%の範囲が好ましいことが確認できた。
【0076】
(4)Ho3+含有のアップコンバージョン蛍光体についての考察(4−1)Ho3+の含有率の発光特性への影響 図15は、実施例39〜46の各試料の発光スペクトルの測定結果を示すものである。 図15に示す結果に示す結果から、Ho3+含有比率が発光特性に影響を与えていることが確認できるとともに、優れた発光特性を得るためには、Ho3+の含有比率が2at%以下、特に0.03〜1at%の範囲が好ましいことが確認できた。
【0077】
(4−2)Yb3+の含有率の発光特性への影響 図16は、実施例41,47〜51、比較例6の各試料の発光スペクトルの測定結果を示すものである。 図16に示す結果において、まず、比較例6(Yb3+非含有)と他の実施例との対比から、Yb3+が、目的のアップコンバージョン発光を得る上で必須の含有成分であることが確認できた。 また、各実施例の結果から、Yb3+含有比率が発光特性に影響を与えていることが確認できるとともに、優れた発光特性を得るためには、Yb3+の含有比率が20at%以下、特に5〜15at%の範囲が好ましいことが確認できた。
【0078】
(4−3)1価金属イオン含有による発光特性への影響 図17は、実施例41,52〜54、比較例7の各試料の発光スペクトルの測定結果を示すものである。 図17に示す結果において、まず、比較例7(1価金属イオン非含有)と他の実施例との対比から、本発明所定の1価金属イオンが、目的のアップコンバージョン発光を得る上で必須の含有成分であることが確認できた。 また、各実施例の結果から、優れた発光特性を得るためには、K+,Na+,Rb+が好ましく、K+,Na+がより好ましいことが確認できた。
【0079】
(4−4)1価金属イオンの含有率の発光特性への影響 図18は、実施例41,55〜58、比較例7の各試料の発光スペクトルの測定結果を示すものである。 図18に示す結果から、1価金属イオンの含有比率が発光特性に影響を与えていることが確認できるとともに、優れた発光特性を得るためには、1価金属イオンの含有比率が5〜15at%の範囲が好ましいことが確認できた。
【0080】
(5)本発明所定の希土類金属イオンを複数組み合わせて含有させたアップコンバージョン蛍光体についての考察 図19は、実施例59〜62の各試料(Tm3+とHo3+の併用)の発光スペクトルの測定結果を示すものであり、図20は、実施例63〜65の各試料(Tm3+とEr3+の併用)の発光スペクトルの測定結果を示すものであり、図21は、実施例66〜68の各試料(Er3+とHo3+の併用)の発光スペクトルの測定結果を示すものであり、実施例69〜74の各試料(Tm3+とEr3+とHo3+の3者併用)の発光スペクトルの測定結果を示すものである。 図19〜22に示す結果から、本発明所定の希土類金属イオンを複数組み合わせた場合に、それらの含有割合に応じて、ピーク強度に変化を持たせることができ、発光色をコントロールすることができることが確認できた。
【0081】
(6)その他:焼成温度の発光特性への影響 図23〜25は、実施例1,75〜79の各試料の発光スペクトルの測定結果を示すものである。 図23〜25に示す結果から、焼成温度が発光特性に多少の影響を与えていることが確認できるとともに、優れた発光特性を得るためには、550〜800℃の範囲、特に550〜700℃の範囲が好ましいことが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明のアップコンバージョン蛍光体は、カラーディスプレイ、赤外線センサ、光学記録データ、レーザー材料など、従来の蛍光体と同様の用途に適用することができる。特に、低エネルギーの励起光源を利用することができるので、従来のダウンコンバージョン蛍光体に代替し、省エネルギー、安定性に優れた蛍光体として好適である。
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