(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ゲート電極の端部は、平面視で前記第二導電型チャネル領域と前記第一導電型の第二半導体領域との間に残存する前記第一導電型エピタキシャル層上に位置することを特徴とする請求項3に記載の炭化珪素半導体装置。
前記第二導電型チャネル領域と前記第一導電型の第二半導体領域との間に残存する前記第一導電型エピタキシャル層と、前記第一導電型の第二半導体領域との間に、不純物濃度が前記第一導電型エピタキシャル層より高く前記第一導電型の第二半導体領域より低い第一導電型の第三半導体領域が形成されており、
前記ゲート電極の端部は、平面視で前記第一導電型の第三半導体領域上に位置することを特徴とする請求項3に記載の炭化珪素半導体装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シリコンを用いたパワーMOSFETにおいては、二重拡散法を利用して自己整合的にチャネル領域を形成する方法が広く用いられている。炭化珪素を用いたパワーMOSFETにおいても同様の方法(第一の方法)が開示されている(例えば、上記した特許文献1参照。)。しかしながら、当該第一の方法は、炭化珪素中における不純物の拡散係数が極めて小さいことから、短チャネル効果を起こさない程度に十分に長いチャネル長を有するチャネル領域を形成するために高温長時間の拡散時間を要するため、実用的ではない。
【0005】
一方、サイドウォールを利用して自己整合的にチャネル領域を形成する方法(第二の方法)も提案されている(例えば、上記した特許文献2参照。)。しかしながら、当該第二の方法では、短チャネル効果を起こさない程度に十分に長いチャネル長を有するチャネル領域を形成するためには、サイドウォールを構成する膜(例えばSiO
2膜)を厚く形成する必要があることから、サイドウォールの上面が顕著にラウンド化し、これによりチャネル長を精度良く形成するのが極めて困難であるという問題がある。
【0006】
そこで、p型ボディ領域を形成した後に当該p型ボディ領域にn
++ソース領域を合わせてチャネル領域を形成する方法(第三の方法)が考えられる。しかしながら、当該第三の方法では、2回のマスク工程によりチャネル領域が形成されることから、マスク合わせ誤差によりチャネル長を精度良く画定するのが困難であるという問題がある。
【0007】
その結果、当該第三の方法においては、マスク合わせ誤差を考慮してチャネル長を長めに設定する必要が生じるため、チャネル抵抗ひいてはデバイスとしてのオン抵抗が大きくなり、また、ゲート容量も大きくなる。
【0008】
そこで、本発明は、上記した問題を解決するためになされたもので、1回のマスク工程でチャネル領域を形成可能、かつ、短チャネル効果を起こさない程度に十分に長いチャネル長を、実用的なプロセスで、かつ、精度良く画定可能な、炭化珪素半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[1]本発明の第一の態様に係る炭化珪素半導体装置は、第一導電型エピタキシャル層と、前記第一導電型エピタキシャル層の表面に形成され、前記第一導電型エピタキシャル層よりも不純物濃度が高い第一導電型の第一半導体領域と、前記第一導電型の第一半導体領域よりも深い位置に形成された第二導電型ボディ領域と、前記第一導電型エピタキシャル層の表面側から前記第一導電型の第一半導体領域を貫通して前記第二導電型ボディ領域に達するように形成され、前記第二導電型ボディ領域よりも不純物濃度が低い第二導電型チャネル領域と、前記第一導電型エピタキシャル層の表面側から前記第二導電型ボディ領域に向けて形成され、前記第一導電型の第一半導体領域よりも不純物濃度が高い第一導電型の第二半導体領域と、前記第一導電型エピタキシャル層の表面側から前記第一導電型の第一半導体領域を貫通して前記第二導電型ボディ領域に達するように形成され、前記第二導電型ボディ領域よりも不純物濃度が高い第二導電型ボディコンタクト領域と、少なくとも前記第二導電型チャネル領域上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極とを備え、前記第二導電型チャネル領域及び前記第一導電型の第二半導体領域は、前記第二導電型チャネル領域と前記第一導電型の第二半導体領域との間に前記第一導電型の第一半導体領域が残存し、かつ、前記第二導電型チャネル領域と前記第一導電型の第一半導体領域との境界面のうち外周側の境界面が平面視で前記第二導電型ボディ領域の外周面よりも内側に位置するような平面位置に形成されていることを特徴とする。
【0010】
なお、本発明の第一の態様に係る炭化珪素半導体装置において、前記第二導電型チャネル領域は、前記第一導電型エピタキシャル層の表面側から前記第一導電型の第一半導体領域を貫通して前記第二導電型ボディ領域に達する領域に位置し、前記第二導電型ボディ領域よりも不純物濃度が低い第二導電型チャネル領域と言うこともできる。また、前記第二導電型ボディコンタクト領域は、前記第一導電型エピタキシャル層の表面側から前記第一導電型の第一半導体領域を貫通して前記第二導電型ボディ領域に達する領域に位置し、前記第二導電型ボディ領域よりも不純物濃度が高い第二導電型ボディコンタクト領域と言うこともできる。
【0011】
[2]本発明の第一の態様に係る炭化珪素半導体装置においては、前記ゲート電極の端部は、平面視で前記第二導電型チャネル領域と前記第一導電型の第二半導体領域との間に残存する前記第一導電型の第一半導体領域上に位置することが好ましい。
【0012】
[3]本発明の第一の態様に係る炭化珪素半導体装置においては、前記ゲート電極の端部は、平面視で前記第一導電型の第二半導体領域上に位置することが好ましい。
【0013】
[4]本発明の第一の態様に係る炭化珪素半導体装置においては、前記第二導電型チャネル領域と前記第一導電型の第二半導体領域との間に残存する前記第一導電型の第一半導体領域と、前記第一導電型の第二半導体領域との間に、不純物濃度が前記第一導電型の第一半導体領域より高く前記第一導電型の第二半導体領域より低い第一導電型の第三半導体領域が形成されており、前記ゲート電極の端部は、平面視で前記第一導電型の第三半導体領域上に位置することが好ましい。
【0014】
[5]本発明の第二の態様に係る炭化珪素半導体装置は、第一導電型エピタキシャル層と、前記第一導電型エピタキシャル層の表面側における所定の深さ位置に形成された第二導電型ボディ領域と、前記第一導電型エピタキシャル層の表面側から前記第二導電型ボディ領域に達するように形成され、前記第二導電型ボディ領域よりも不純物濃度が低い第二導電型チャネル領域と、前記第一導電型エピタキシャル層の表面側から前記第二導電型ボディ領域に向けて形成され、前記第一導電型エピタキシャル層よりも不純物濃度が高い第一導電型の第二半導体領域と、前記第一導電型エピタキシャル層の表面側から前記第二導電型ボディ領域に達するように形成され、前記第二導電型ボディ領域よりも不純物濃度が高い第二導電型ボディコンタクト領域と、少なくとも前記第二導電型チャネル領域上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極とを備え、前記第二導電型チャネル領域及び前記第一導電型の第二半導体領域は、前記第二導電型チャネル領域と前記第一導電型の第二半導体領域との間に前記第一導電型エピタキシャル層が残存し、かつ、前記第二導電型チャネル領域と前記第一導電型エピタキシャル層との境界面のうち外周側の境界面が平面視で前記第二導電型ボディ領域の外周面よりも内側に位置するような平面位置に形成されていることを特徴とする。
【0015】
なお、本発明の第二の態様に係る炭化珪素半導体装置において、前記第二導電型チャネル領域は、前記第一導電型エピタキシャル層の表面側から前記第二導電型ボディ領域に達する領域に位置し、前記第二導電型ボディ領域よりも不純物濃度が低い第二導電型チャネル領域と言うこともできる。また、前記第二導電型ボディコンタクト領域は、前記第一導電型エピタキシャル層の表面側から前記第二導電型ボディ領域に達する領域に位置し、前記第二導電型ボディ領域よりも不純物濃度が高い第二導電型ボディコンタクト領域と言うこともできる。
【0016】
[6]本発明の第二の態様に係る炭化珪素半導体装置においては、前記ゲート電極の端部は、平面視で前記第二導電型チャネル領域と前記第一導電型の第二半導体領域との間に残存する前記第一導電型エピタキシャル層上に位置することが好ましい。
【0017】
[7]本発明の第二の態様に係る炭化珪素半導体装置においては、前記ゲート電極の端部は、平面視で前記第一導電型の第二半導体領域上に位置することが好ましい。
【0018】
[8]本発明の第二の態様に係る炭化珪素半導体装置においては、前記第二導電型チャネル領域と前記第一導電型の第二半導体領域との間に残存する前記第一導電型エピタキシャル層と、前記第一導電型の第二半導体領域との間に、不純物濃度が前記第一導電型エピタキシャル層より高く前記第一導電型の第二半導体領域より低い第一導電型の第三半導体領域が形成されており、前記ゲート電極の端部は、平面視で前記第一導電型の第三半導体領域上に位置することが好ましい。
【0019】
[9]本発明の第一の態様に係る炭化珪素半導体装置の製造方法は、上記した本発明の第一の態様に係る炭化珪素半導体装置を製造するための炭化珪素半導体装置の製造方法であって、前記第一導電型エピタキシャル層を備える炭化珪素半導体基板を準備する炭化珪素半導体基板準備工程と、第二導電型不純物の最大濃度を示す深さ位置が、前記第二導電型チャネル領域の底面となる深さ位置よりも深くなるように、前記第一導電型エピタキシャル層の表面に前記第二導電型ボディ領域を形成する第二導電型ボディ領域形成工程と、前記第二導電型ボディ領域の表面に前記第一導電型の第一半導体領域を形成する第一導電型の第一半導体領域形成工程と、前記第一導電型の第一半導体領域内に、前記第二導電型チャネル領域、前記第一導電型の第二半導体領域及び第二導電型ボディコンタクト領域を形成する第二導電型チャネル領域等形成工程と、前記少なくとも前記第二導電型チャネル領域上にゲート絶縁膜を介して前記ゲート電極を形成するゲート電極形成工程とを含み、前記第二導電型チャネル領域等形成工程においては、前記第二導電型チャネル領域及び前記第一導電型の第二半導体領域が、前記第二導電型チャネル領域と前記第一導電型の第二半導体領域との間に前記第一導電型の第一半導体領域が残存し、かつ、前記第二導電型チャネル領域と前記第一導電型の第一半導体領域との境界面のうち外周側の境界面が平面視で前記第二導電型ボディ領域の外周面よりも内側に位置するような平面位置に形成されるように、前記第二導電型チャネル領域、前記第一導電型の第二半導体領域及び第二導電型ボディコンタクト領域を形成することを特徴とする。
【0020】
なお、本発明の第一の態様に係る炭化珪素半導体装置の製造方法において、前記ゲート電極形成工程においては、前記ゲート電極の端部が、平面視で前記第二導電型チャネル領域と前記第一導電型の第二半導体領域との間に残存する前記第一導電型の第一半導体領域上に位置するように前記ゲート電極を形成することが好ましい。
【0021】
また、本発明の第一の態様に係る炭化珪素半導体装置の製造方法において、前記ゲート電極形成工程においては、前記ゲート電極の端部が、平面視で前記第一導電型の第二半導体領域上に位置するように前記ゲート電極を形成することが好ましい。
【0022】
また、本発明の第一の態様に係る炭化珪素半導体装置の製造方法において、前記第二導電型チャネル領域等形成工程においては、前記第二導電型チャネル領域と前記第一導電型の第二半導体領域との間に残存する前記第一導電型の第一半導体領域と、前記第一導電型の第二半導体領域との間に、不純物濃度が前記第一導電型の第一半導体領域より高く前記第一導電型の第二半導体領域より低い第一導電型の第三半導体領域を形成するとともに、前記ゲート電極形成工程においては、前記ゲート電極の端部が、平面視で前記第一導電型の第三半導体領域上に位置するように前記ゲート電極を形成することが好ましい。
【0023】
[10]本発明の第二の態様に係る炭化珪素半導体装置の製造方法は、上記した本発明の第二の態様に係る炭化珪素半導体装置を製造するための炭化珪素半導体装置の製造方法であって、前記第一導電型エピタキシャル層を備える炭化珪素半導体基板を準備する炭化珪素半導体基板準備工程と、前記第一導電型エピタキシャル層の表面における、所定の深さ領域に前記第二導電型ボディ領域を形成する第二導電型ボディ領域形成工程と、前記第一導電型エピタキシャル層の表面に、前記第二導電型チャネル領域、前記第一導電型の第二半導体領域及び第二導電型ボディコンタクト領域を形成する第二導電型チャネル領域等形成工程と、前記少なくとも前記第二導電型チャネル領域上にゲート絶縁膜を介して前記ゲート電極を形成するゲート電極形成工程とを含み、前記第二導電型チャネル領域等形成工程においては、前記第二導電型チャネル領域及び前記第一導電型の第二半導体領域が、前記第二導電型チャネル領域と前記第一導電型の第二半導体領域との間に前記第一導電型エピタキシャル層が残存し、かつ、前記第二導電型チャネル領域と前記第一導電型エピタキシャル層との境界面のうち外周側の境界面が平面視で前記第二導電型ボディ領域の外周面よりも内側に位置するような平面位置に形成されるように、前記第二導電型チャネル領域、前記第一導電型の第二半導体領域及び第二導電型ボディコンタクト領域を形成することを特徴とする。
【0024】
なお、本発明の第二の態様に係る炭化珪素半導体装置の製造方法において、前記ゲート電極形成工程においては、前記ゲート電極の端部が、平面視で前記第二導電型チャネル領域と前記第一導電型の第二半導体領域との間に残存する前記第一導電型エピタキシャル層上に位置するように前記ゲート電極を形成することが好ましい。
【0025】
また、本発明の第二の態様に係る炭化珪素半導体装置の製造方法において、前記ゲート電極形成工程においては、前記ゲート電極の端部が、平面視で前記第一導電型の第二半導体領域上に位置するように前記ゲート電極を形成することが好ましい。
【0026】
また、本発明の第二の態様に係る炭化珪素半導体装置の製造方法において、前記第二導電型チャネル領域等形成工程においては、前記第二導電型チャネル領域と前記第一導電型の第二半導体領域との間に残存する前記第一導電型エピタキシャル層と、前記第一導電型の第二半導体領域との間に、不純物濃度が前記第一導電型エピタキシャル層より高く前記第一導電型の第二半導体領域より低い第一導電型の第三半導体領域を形成するとともに、前記ゲート電極形成工程においては、前記ゲート電極の端部が、平面視で前記第一導電型の第三半導体領域上に位置するように前記ゲート電極を形成することが好ましい。
【発明の効果】
【0027】
本発明の炭化珪素半導体装置及びその製造方法によれば、上記第三の方法と異なり、チャネル領域を1回のマスク工程で形成することが可能となることから、マスク合わせ誤差によりチャネル長を精度良く画定するのが困難であるという問題がなくなる。また、本発明の炭化珪素半導体装置及びその製造方法によれば、上記した第一の方法や第二の方法のように二重拡散法やサイドウォールを利用することなく所定のチャネル長を画定できることから、短チャネル効果を起こさない程度に十分に長いチャネル長を、実用的なプロセスで、かつ、精度良く画定することが可能となる。
【0028】
なお、特開2007−13058号公報には、第一導電型の第一半導体領域(n型蓄積チャネル層824)を貫通して第二導電型ボディ領域(p型ボディ層832)に達するように形成された第二導電型チャネル領域(p型層827)を備える炭化珪素半導体装置(MOSFET800)が記載されている(
図19参照。)。しかしながら、当該炭化珪素半導体装置800においては、p型層827の底面がn
−型ドリフト層834に露出していることから、p型層827とn
−型ドリフト層834との境界面のうちp型層827の底面部分の境界面からp型層827の表面に向かって空乏層が延びてくるため、トランジスタのしきい値が変動したりパンチスルーが生じたりするという問題が起こり易くなる。
【0029】
これに対して、本発明の炭化珪素半導体装置によれば、第二導電型チャネル領域と第一導電型の第一半導体領域との境界面のうち外周側の境界面が平面視で第二導電型ボディ領域の外周面よりも内側に位置するような平面位置に形成されていることことから、第二導電型チャネル領域の底面はすべて第二導電型ボディ領域に覆われることとなる。このため、第二導電型チャネル領域の底面から第二導電型チャネル領域の表面に空乏層が延びることがなくなり、トランジスタのしきい値が変動したりパンチスルーが生じたりするという問題が起こり難くなる。
【0030】
また、特開2014−29952号公報には、第一導電型の第一半導体領域(第1領域911)を貫通して第二導電型ボディ領域(ベース領域920)に達するように形成された第二導電型チャネル領域(ベース領域920と第1領域911とが重なる領域991)を備える炭化珪素半導体装置(MOSFET900)が記載されている(
図20参照。)。しかしながら、当該炭化珪素半導体装置900においては、特開2014−29952号公報の
図4及び
図5からも分かるように、2回のマスク工程により領域991を形成していることから、マスク合わせ誤差によりチャネル長を精度良く画定するのが困難であるという問題を解決することはできない。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の炭化珪素半導体装置及びその製造方法について、図に示す実施形態に基づいて説明する。
【0033】
[実施形態1]
1.実施形態1に係る炭化珪素半導体装置
実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100は、本発明の第一の態様に係る炭化珪素半導体装置である。実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100は、パワーMOSFETである。
【0034】
なお、以下の実施形態では、n型においてはn
−,n,n
+,n
++の順に、p型においてはp
−,p,p
++の順に、それぞれ当該導電型の不純物濃度が高くなっていることを示す。これらは、不純物濃度の相対的な大小の概略を示すものであり、例えばn
+型の領域は、n
−型の領域及びn型の領域よりも高く、かつ、n
++型の領域よりも低い不純物濃度を有するが、必ずしも特定の同じ不純物濃度を有するとは限らない。
【0035】
実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100は、
図1に示すように、n
+型低抵抗炭化珪素基板110と、n
+型低抵抗炭化珪素基板110の第一主面側の表面に形成されたn
−型エピタキシャル層112と、n
−型エピタキシャル層112の表面に形成されたn型半導体領域114と、n型半導体領域114よりも深い位置に形成されたp型ボディ領域116と、n
−型エピタキシャル層112の表面側からn型半導体領域114を貫通してp型ボディ領域116に達するように形成されたp
−型チャネル領域118と、n
−型エピタキシャル層の表面側からp型ボディ領域に向けて形成されたn
++型ソース領域120と、n
−型エピタキシャル層の表面側からn型半導体領域114を貫通してp型ボディ領域116に達するように形成されたp
++型ボディコンタクト領域122と、少なくともp
−型チャネル領域118上にゲート絶縁膜124を介して形成されたゲート電極126とを備える。そして、実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100においては、p
−型チャネル領域118及びn
++型ソース領域120は、p
−型チャネル領域118とn
++型ソース領域120との間にn型半導体領域114が残存し、かつ、p
−型チャネル領域118とn型半導体領域114との境界面のうち外周側の境界面が平面視でp型ボディ領域116の外周面よりも内側に位置するような平面位置に形成されている。
【0036】
ここで、n
−型エピタキシャル層112が本発明の第一導電型エピタキシャル層に相当し、n型半導体領域114が本発明の第一導電型の第一半導体領域に相当し、p型ボディ領域116が本発明の第二導電型ボディ領域に相当し、p
−型チャネル領域118が本発明の第二導電型チャネル領域に相当し、n
++型ソース領域が本発明の第一導電型の第二半導体領域に相当し、p
++型ボディコンタクト領域122が第二導電型ボディコンタクト領域に相当する。
【0037】
なお、
図1ではn型半導体領域114、p
−型チャネル領域118、n
++型ソース領域120、p
++型ボディコンタクト領域122がすべて同じ深さに描かれているが、必ずしもこの通りである必要はなく、それぞれ異なった深さであってもよい。
【0038】
実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100においては、ゲート電極126の端部は、平面視でp
−型チャネル領域118とn
++型ソース領域120との間に残存するn型半導体領域114上に位置する。
【0039】
実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100においては、平面視でp
−型チャネル領域118とn型半導体領域114との境界面のうち外周側の境界面と、p型ボディ領域116の外周面との間隔aは、例えば0.1μm≦a≦0.5μmの関係を満たす。
【0040】
間隔aが狭すぎると、製造誤差によって、平面視でp−型チャネル領域118の底面がn型半導体領域114またはn
−型エピタキシャル層112と接するものが生じることがあり、その結果、トランジスタのしきい値が変動したりパンチスルーが生じたりするおそれがある。一方、間隔aが広すぎると、
図1の左右方向の単位長さあたりに作製できるチャネルの数が減ることになるので、オン抵抗が増大する。
【0041】
なお、
図1中、符号128は層間絶縁膜を示し、符号130はソース電極を示し、符号132はドレイン電極を示す。また、本明細書において、n
+型低抵抗炭化珪素基板110とn
−型エピタキシャル層112とのうちn
−型エピタキシャル層112が形成されている側の主面を第一主面といい、当該第一主面とは反対側の主面を第二主面という。
【0042】
n
+型低抵抗炭化珪素基板110は、例えば、不純物として窒素が1〜10×10
18cm
−3程度ドープされたn
+型の半導体である低抵抗炭化珪素基板である。炭化珪素(SiC)は、周知の通り、C原子およびSi原子の配列によって、2H,3C,4H,6H,8H,10H,15R等の結晶構造の異なる種類が存在するが、いずれの結晶構造の炭化珪素であってもn
+型低抵抗炭化珪素基板110として用いることができる。
【0043】
n
−型エピタキシャル層112の厚さは、例えば5〜15μm程度である。n
−型エピタキシャル層112の不純物濃度は、例えば0.5〜1.5×10
16cm
−3程度である。
【0044】
n型半導体領域114の深さは、例えば0.4〜0.8μm程度である。n型半導体領域114の不純物濃度は、例えば2〜3×10
16cm
−3程度である。n型半導体領域114は、n
−型エピタキシャル層112の第一主面側の表面からn型不純物イオン(例えばNイオン)を注入することにより形成する。
【0045】
p型ボディ領域116の最浅部の深さは、例えば0.05〜0.5μm程度であり、p型ボディ領域116の最深部の深さは、例えば1.0〜2.0μm程度である。p型ボディ領域116においては最も不純物濃度の高い深さ位置は、例えば0.6〜0.9μmの深さ位置であり、その部分の不純物濃度は、例えば2×10
17〜1×10
19cm
−3程度である。p型ボディ領域116は、n
−型エピタキシャル層112の第一主面側の表面からp型不純物イオン(例えばAlイオン)を注入することにより形成する。
【0046】
p
−型チャネル領域118の深さは、例えば0.2〜0.5μm程度(p型ボディ領域116に到達しない深さを除く。)である。p
−型チャネル領域118の不純物濃度は、例えば0.5〜5×10
17cm
−3程度である。p
−型チャネル領域118は、n
−型エピタキシャル層112の第一主面側の表面からp型不純物イオン(例えばAlイオン)を注入することにより形成する。
【0047】
n
++型ソース領域120の深さは、例えば0.2〜0.6μm程度である。n
++型ソース領域120の不純物濃度は、例えば1〜50×10
19cm
−3程度である。n
++型ソース領域120は、n
−型エピタキシャル層112の第一主面側の表面からn型不純物イオン(例えばPイオン)を注入することにより形成する。
【0048】
p
++型ボディコンタクト領域122の深さは、例えば0.2〜0.6μm程度(p型ボディ領域116に到達しない深さを除く。)である。p
++型ボディコンタクト領域122の不純物濃度は、例えば1〜50×10
19cm
−3程度である。p
++型ボディコンタクト領域122は、n
−型エピタキシャル層112の第一主面側の表面からp型不純物イオン(例えばAlイオン)を注入することにより形成する。
【0049】
実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100においては、p
−型チャネル領域118の紙面の横方向に沿った長さ(チャネル長)は、例えば0.5〜1.0μm程度である。また、p
−型チャネル領域118とn
++型ソース領域120の間隔は、例えば0.1〜0.3μm程度である。
【0050】
2.実施形態1に係る炭化珪素半導体装置の製造方法
実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100は、以下に示す製造方法(実施形態1に係る炭化珪素半導体装置の製造方法)により製造することができる。
【0051】
以下、
図2〜
図9を用いて、実施形態1に係る炭化珪素半導体装置の製造方法を工程に沿って説明する。なお、
図2(b)、
図3(b)、
図4(b)及び
図5(b)中、横軸方向は第一主面を基準とした深さを示しており、符号d
0は第一主面における深さを示し、符号d
1はn型半導体領域114の底部の深さを示し、符号d
2はp型ボディ領域116の底部の深さを示し、符号d
3はn
−型エピタキシャル層112とn
+型低抵抗炭化珪素基板110との境界面の深さを示し、符号d
4は第二主面における深さを示す。
【0052】
1.炭化珪素半導体基板準備工程
まず、n
+型低抵抗炭化珪素基板110と、n
+型低抵抗炭化珪素基板110の第一主面側の表面に形成されたn
−型エピタキシャル層112とを備える炭化珪素半導体基板を準備する(
図2参照。)。
【0053】
2.p型ボディ領域形成工程
次に、n
−型エピタキシャル層112の表面に所定のマスクM1を形成した後、当該マスクM1を介してAlイオンを注入することによりp型ボディ領域116を形成する(
図3(a)参照。)。このとき、p型不純物の最大濃度を示す深さ位置が、p
−型チャネル領域118の底面となる深さ位置よりも深くなるように(具体的には例えば0.6〜0.9μmの深さ位置に)、n
−型エピタキシャル層112の表面にp型ボディ領域116を形成する(
図3(b)参照。)。
【0054】
3.n型半導体領域形成工程
次に、マスクM1を除去した後、n型不純物イオンを注入することにより、n
−型エピタキシャル層112の表面にn型半導体領域114を形成する(
図4(a)参照。)。このとき、n型半導体領域114においてn型不純物の濃度がp型不純物の濃度よりも高くなる条件でイオン注入を行う(
図4(b)参照。)。n型半導体領域114は、炭化珪素半導体装置100における能動領域の全域に形成する。
【0055】
4.p
−型チャネル領域等形成工程
次に、n型半導体領域114内に、p
−型チャネル領域118を形成するp
−型チャネル領域形成工程(
図5参照。)と、p
++型ボディコンタクト領域122を形成するp
++型ボディコンタクト領域形成工程(
図6参照。)と、n
++型ソース領域120を形成するn
++型半導体領域形成工程(
図7参照。)を順次実施する。
【0056】
(1)p
−型チャネル領域形成工程
まず、n
−型エピタキシャル層112の表面に所定のマスクM2を形成した後、当該マスクM2を介してp型不純物イオン(例えばAlイオン)を注入することにより、n型半導体領域114内にp
−型チャネル領域118を形成する(
図5(a)参照。)。このとき、p
−型チャネル領域118は、n型半導体領域114を貫通してp型ボディ領域116に達するようにn型半導体領域114内に形成する(
図5(b)参照。)。また、p
−型チャネル領域118は、p
−型チャネル領域118とn型半導体領域114との境界面のうち外周側の境界面が平面視でp型ボディ領域116の外周面よりも内側に位置するような平面位置に形成する。
【0057】
(2)p
++型ボディコンタクト領域形成工程
次に、マスクM2を除去した後、n
−型エピタキシャル層112の表面に所定のマスクM3を形成した後、当該マスクM3を介してp型不純物イオン(例えばAlイオン)を注入することにより、n型半導体領域114内に、p
++型ボディコンタクト領域122を形成する(
図6参照。)。このとき、p
++型ボディコンタクト領域122は、n型半導体領域114を貫通してp型ボディ領域116に達するようにn型半導体領域114内に形成する。
【0058】
(3)n
++型半導体領域形成工程
次に、マスクM3を除去した後、n
−型エピタキシャル層112の表面に所定のマスクM4を形成した後、当該マスクM4を介してn型不純物イオンを注入することにより、n型半導体領域114内に、n
++型ソース領域120を形成する(
図7参照。)。このとき、n
++型ソース領域120は、n型半導体領域114を貫通してp型ボディ領域116に達するようにn型半導体領域114内に形成する。また、n
++型ソース領域120は、p
−型チャネル領域118とn
++型ソース領域120との間にn型半導体領域114が残存するような平面位置に形成する。なお、n
++型ソース領域120は、p型ボディ領域116に達しないように形成してもよい。
【0059】
5.ゲート電極形成工程
次に、マスクM4を除去し、活性化アニールを行った後、少なくともp
−型チャネル領域118上にゲート絶縁膜124を介してゲート電極126を形成する(
図8参照。)。
【0060】
6.ソース電極及びドレイン電極形成工程
次に、ゲート電極126を覆うとともに、n
++型ソース領域120とp
++型ボディコンタクト領域122のそれぞれについて少なくとも一部が露出するように、層間絶縁膜128を形成し(
図9参照。)、その後、n
−型エピタキシャル層112及び層間絶縁膜128を覆うとともに、n
++型ソース領域120及びp
++型ボディコンタクト領域122にオーミック接触するソース電極130を形成する。さらに、n
+型低抵抗炭化珪素基板110の表面(裏面)にオーミック接触するドレイン電極132を形成する(
図1参照。)。
【0061】
以上の工程を実施することにより、実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100を製造することができる。
【0062】
なお、p型ボディ領域形成工程、n型半導体領域形成工程、p
−型チャネル領域等形成工程は、必ずしも上記した順序で行う必要はないが、注入されたイオン同士が干渉する可能性がある場合には、上記した順序とするのが、設計が容易である。また、p
−型チャネル領域等形成工程に含まれるp
−型チャネル領域形成工程、p
++型ボディコンタクト領域形成工程、n
++型半導体領域形成工程についても、必ずしも上記した順序で行う必要はない。
【0063】
3.実施形態1に係る炭化珪素半導体装置及びその製造方法の効果
実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100及びその製造方法によれば、上記した従来の第三の方法と異なり、チャネル領域を1回のマスク工程で形成することが可能となることから、マスク合わせ誤差によりチャネル長を精度良く画定するのが困難であるという問題がなくなる。また、実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100及びその製造方法によれば、上記した第一の方法や第二の方法のように二重拡散法やサイドウォールを利用することなく所定のチャネル長を画定できることから、短チャネル効果を起こさない程度に十分に長いチャネル長を、実用的なプロセスで、かつ、精度良く画定することが可能となる。
【0064】
また、実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100及びその製造方法によれば、p
−型チャネル領域118とn型第一半導体領域114との境界面のうち外周側の境界面が平面視でp型ボディ領域116の外周面116aよりも内側に位置するような平面位置に形成されていることことから、p
−型チャネル領域118の底面はすべてp型ボディ領域116に覆われることとなる。このため、p
−型チャネル領域118の底面からp
−型チャネル領域118の表面に向かって空乏層が延びることがなくなり、トランジスタのしきい値が変動したりパンチスルーが生じたりするという問題が起こり難くなる。
【0065】
また、実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100及びその製造方法によれば、p
−型チャネル領域118及びn
++型ソース領域120は、p
−型チャネル領域118とn
++型ソース領域120との間にn型半導体領域114が残存するような平面位置に形成されていることから、p
−型チャネル領域形成工程においてp型不純物イオンを注入した部分が確実にp
−型チャネル領域118となり、チャネル領域を1回のマスク工程で形成することが可能となる。
【0066】
また、実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100及びその製造方法によれば、ゲート電極126の端部が、平面的に見て、p
−型チャネル領域118とn
++型ソース領域120との間に残存するn型半導体領域114上に位置することから、仮にゲート電極126を形成する際にゲート電極126の端部に若干の位置ずれが生じたとしても、ゲート電極が確実にチャネル領域を覆うようになる。このため、チャネル長は常に一定の値に維持されるようになり、所望のチャネル長を精度良く画定することができる。
【0067】
また、実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100及びその製造方法によれば、ゲート電極126直下のJFET領域にn型不純物が導入されて低抵抗化されていることから、オン抵抗を低減できるという効果もある。
【0068】
なお、実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100においては、「n
++型ソース領域120」と「n
++型ソース領域120とp
−型チャネル領域118との間に残存するn型半導体領域114」とがパワーMOSFETのソース領域を構成することとなる。
【0069】
[実施形態2]
実施形態2に係る炭化珪素半導体装置102は、本発明の第一の態様に係る炭化珪素半導体装置である。実施形態2に係る炭化珪素半導体装置102は、パワーMOSFETである。
【0070】
実施形態2に係る炭化珪素半導体装置102は、基本的には実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100と同様の構成を有するが、ゲート電極の端部の平面位置が実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100の場合と異なる。すなわち、実施形態2に係る炭化珪素半導体装置102においては、
図10に示すように、ゲート電極126の端部が平面的に見てn
++型ソース領域120上に位置する。
【0071】
このように、実施形態2に係る炭化珪素半導体装置102は、ゲート電極の端部の平面位置が実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100の場合と異なるが、実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100の場合と同様に構成されたp
−型チャネル領域118を有することから、短チャネル効果を起こさない程度に十分に長いチャネル長を、実用的なプロセスで、かつ、精度良く画定することが可能となる。また、トランジスタのしきい値が変動したりパンチスルーが生じたりするという問題が起こり難くなる。
【0072】
また、実施形態2に係る炭化珪素半導体装置102によれば、ゲート電極126の端部が平面的に見てn
++型ソース領域120上に位置することから、実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100の場合と同様に、仮にゲート電極126を形成する際にゲート電極126の端部に若干の位置ずれが生じたとしても、ゲート電極が確実にチャネル領域を覆うようになる。このため、チャネル長は常に一定の値に維持されるようになり、所望のチャネル長を精度良く画定することができる。
【0073】
また、実施形態2に係る炭化珪素半導体装置102によれば、ゲート電極126の端部が平面的に見てn
++型ソース領域120上に位置することから、実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100の場合よりもp
−型チャネル領域118の表面全域にわたって確実にチャネルを形成でき、また、n型半導体領域114の表面が蓄積状態になり抵抗が小さくなることから、実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100の場合よりもオン抵抗が小さくなる。
【0074】
なお、半導体装置が炭化珪素半導体装置である場合は、n型半導体領域114の表面が蓄積状態になったとしても、なおもn
++型ソース領域120の方が低抵抗であることが一般的であるから、製造誤差が生じたとしてもn
++型ソース領域120とp
−型チャネル領域118との間に確実にn型半導体領域114が残存するようにしつつ、n
++型ソース領域120とp
−型チャネル領域118をなるべく近づけるようにすることが望ましい。これにより、より一層オン抵抗が小さくなる。
【0075】
実施形態2に係る炭化珪素半導体装置102は、ゲート電極の端部の平面位置以外の点においては実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100の場合と同様の構成を有するため、実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100が有する効果のうち該当する効果を有する。
【0076】
[実施形態3]
実施形態3に係る炭化珪素半導体装置104は、本発明の第一の態様に係る炭化珪素半導体装置である。実施形態3に係る炭化珪素半導体装置104は、パワーMOSFETである。
【0077】
実施形態3に係る炭化珪素半導体装置104は、基本的には実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100と同様の構成を有するが、ゲート電極の端部の平面位置が実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100の場合と異なる。すなわち、実施形態3に係る炭化珪素半導体装置104においては、
図11に示すように、ゲート電極126の端部が、平面的に見て、n
++型ソース領域120とn型半導体領域114との間に形成されたn
+型半導体領域134上に位置する。なお、実施形態3において、n
+型半導体領域134が本発明の第一導電型の第三半導体領域に相当する。
【0078】
n
+型半導体領域134の深さは、例えば0.2〜0.6μm程度である。n
+型半導体領域134の不純物濃度は、例えば0.5〜10×10
18cm
−3程度である。n
+型半導体領域134は、n
−型エピタキシャル層112の第一主面側の表面からn型不純物イオン(例えばNイオン)を注入することにより形成する。
【0079】
このように、実施形態3に係る炭化珪素半導体装置104は、ゲート電極の端部の平面位置が実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100の場合と異なるが、実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100の場合と同様に構成されたp
−型チャネル領域118を有することから、短チャネル効果を起こさない程度に十分に長いチャネル長を、実用的なプロセスで、かつ、精度良く画定することが可能となる。また、トランジスタのしきい値が変動したりパンチスルーが生じたりするという問題が起こり難くなる。
【0080】
また、実施形態3に係る炭化珪素半導体装置104によれば、ゲート電極126の端部が、n
++型ソース領域120とn型半導体領域114との間に形成されたn
+型半導体領域134上に位置することから、実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100の場合と同様に、仮にゲート電極126を形成する際にゲート電極126の端部に位置ずれが生じたとしても、ゲート電極が確実にチャネル領域を覆うようになる。このため、チャネル長は常に一定の値に維持されるようになり、所望のチャネル長を精度良く画定することができる。
【0081】
また、実施形態3に係る炭化珪素半導体装置104によれば、ゲート電極126の端部が、n
++型ソース領域120とn型半導体領域114との間に形成されたn
+型半導体領域134上に位置することから、実施形態2に係る炭化珪素半導体装置102の場合よりも、ゲート電極126に対向する炭化珪素半導体に含まれるイオン注入に起因する表面荒れや結晶欠陥が少なくなるので、表面荒れや結晶欠陥の影響が小さいデバイスを得ることができる。表面荒れや結晶欠陥の影響としては、例えば、ゲート耐圧や信頼性の低下がある。
【0082】
実施形態3に係る炭化珪素半導体装置104は、ゲート電極の端部の平面位置以外の点においては実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100の場合と同様の構成を有するため、実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100が有する効果のうち該当する効果を有する。
【0083】
実施形態3に係る炭化珪素半導体装置104は、ゲート電極の端部の位置がn
++型ソース領域120上かn
+型半導体領域134上かの違いはあるが、実施形態2の場合と同様に、n型半導体領域114の表面が蓄積状態になり抵抗が小さくなることから、実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100の場合よりもオン抵抗が小さくなる。
【0084】
なお、半導体装置が炭化珪素半導体装置である場合は、n型半導体領域114の表面が蓄積状態になったとしても、なおもn
+型半導体領域134の方が低抵抗であることが一般的であるから、製造誤差が生じたとしてもn
+型半導体領域134とp
−型チャネル領域118との間に確実にn型半導体領域114が残存するようにしつつ、n
+型半導体領域134とp
−型チャネル領域118とをなるべく近づけるようにすることが望ましい。これにより、より一層オン抵抗が小さくなる。
【0085】
なお、実施形態3に係る炭化珪素半導体装置104においては、「n
++型ソース領域120」と「n
+型半導体領域134」と「n
+型半導体領域134とp
−型チャネル領域118との間に残存するn型半導体領域114」とがパワーMOSFETのソース領域を構成することとなる。
【0086】
[実施形態4]
実施形態4に係る炭化珪素半導体装置106は、本発明の第一の態様に係る炭化珪素半導体装置である。実施形態4に係る炭化珪素半導体装置106は、パワーMOSFETである。実施形態4に係る炭化珪素半導体装置106は、
図12に示すように、基本的には実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100とほぼ同様の構成を有する。
【0087】
実施形態4に係る炭化珪素半導体装置は、上記したように実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100とほぼ同様の構成を有するが、
図13に示すように、実施形態4に係る炭化珪素半導体装置の製造工程(n型半導体領域形成工程)においてp
++型ボディコンタクト領域122に対応する部分にn型不純物イオンをイオン注入しないため、製造される炭化珪素半導体装置が、p
++型ボディコンタクト領域122に対応する部分にn型不純物イオンがイオン注入されていない炭化珪素半導体装置である点で実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100とは異なる。
【0088】
このように、実施形態4に係る炭化珪素半導体装置は、p
++型ボディコンタクト領域122に対応する部分にn型不純物イオンがイオン注入されていない点で実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100とは異なるが、実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100の場合と同様に構成されたp
−型チャネル領域118を有することから、短チャネル効果を起こさない程度に十分に長いチャネル長を、実用的なプロセスで、かつ、精度良く実現することが可能となる。また、トランジスタのしきい値が変動したりパンチスルーが生じたりするという問題が起こり難くなる。
【0089】
また、実施形態4に係る炭化珪素半導体装置によれば、p
++型ボディコンタクト領域122に対応する部分にn型不純物イオンがイオン注入されていないことから、ソース電極130とp
++型ボディコンタクト領域とのコンタクト抵抗をより一層低減できるという効果も得られる。
【0090】
実施形態4に係る炭化珪素半導体装置は、p
++型ボディコンタクト領域122に対応する部分にn型不純物イオンがイオン注入されていない点以外の点においては実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100とは同様の構成を有するため、実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100が有する効果のうち該当する効果を有する。
【0091】
なお、本発明においては、p
++型ボディコンタクト領域122だけでなく、隣接するn
++型ソース領域120に対応する領域の一部についても、n型半導体領域114を形成する際にn型不純物イオンがイオン注入されないようにしてもよい。
【0092】
[実施形態5]
実施形態5に係る炭化珪素半導体装置108は、本発明の第二の態様に係る炭化珪素半導体装置である。実施形態5に係る炭化珪素半導体装置108は、パワーMOSFETである。実施形態5に係る炭化珪素半導体装置108は、基本的には実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100とほぼ同様の構成を有する。
【0093】
実施形態5に係る炭化珪素半導体装置108は、上記したように、基本的には実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100とほぼ同様の構成を有するが、
図14に示すように、n型半導体領域を有しない点で実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100とは異なる。すなわち、実施形態5に係る炭化珪素半導体装置108においては、「n
++型ソース領域120とp
−型チャネル領域118との間に残存する領域」が「n型半導体領域」ではなくて「n
−型エピタキシャル層112」である。
【0094】
実施形態5に係る炭化珪素半導体装置108は、
図14に示すように、n
+型低抵抗炭化珪素基板110と、n
+型低抵抗炭化珪素基板110の第一主面側の表面に形成されたn
−型エピタキシャル層112と、n
−型エピタキシャル層112の表面側における所定の深さ位置に形成されたp型ボディ領域116と、n
−型エピタキシャル層112の表面側からp型ボディ領域116に達するように形成されたp
−型チャネル領域118と、n
−型エピタキシャル層112の表面側からp型ボディ領域116に向けて形成されたn
++型ソース領域120と、n
−型エピタキシャル層112の表面側からp型ボディ領域116に達するように形成されたp
++型ボディコンタクト領域122と、少なくともp
−型チャネル領域118上にゲート絶縁膜124を介して形成されたゲート電極126とを備える。そして、p
−型チャネル領域118及びn
++型ソース領域120は、p
−型チャネル領域118とn
++型ソース領域120との間にn
−型エピタキシャル層112が残存し、かつ、p
−型チャネル領域118とn
−型エピタキシャル層112との境界面のうち外周側の境界面が平面視でp型ボディ領域116の外周面よりも内側に位置するような平面位置に形成されている。
【0095】
実施形態5に係る炭化珪素半導体装置108は、p型ボディ領域形成工程において、n
−型エピタキシャル層112の表面における、所定の深さ領域にp型ボディ領域116を形成し(
図15参照。)、n
−型エピタキシャル層112の表面に、p
−型チャネル領域118(
図16参照。)、n
++型ソース領域120及びp
++型ボディコンタクト領域122を形成すること以外は、実施形態1に係る炭化珪素半導体装置の製造方法と同様の工程を実施することにより製造することができる。
【0096】
このように、実施形態5に係る炭化珪素半導体装置108は、n型半導体領域を有しない点で実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100とは異なるが、実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100の場合と同様に構成されたp
−型チャネル領域118を有することから、短チャネル効果を起こさない程度に十分に長いチャネル長を、実用的なプロセスで、かつ、精度良く画定することが可能となる。また、トランジスタのしきい値が変動したりパンチスルーが生じたりするという問題が起こり難くなる。
【0097】
また、実施形態5に係る炭化珪素半導体装置によれば、n型半導体領域形成工程を省略できるという効果も得られる。
【0098】
実施形態5に係る炭化珪素半導体装置は、n型半導体領域を有しない点以外の点においては実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100の場合と同様の構成を有するため、実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100が有する効果のうち該当する効果を有する。
【0099】
[実施形態6]
実施形態6に係る炭化珪素半導体装置200は、本発明の第一の態様に係る炭化珪素半導体装置である。実施形態6に係る炭化珪素半導体装置200は、IGBTである。
図17は、実施形態6に係る炭化珪素半導体装置200の要部断面図である。
図17中、符号210はp
+型低抵抗炭化珪素基板を示し、符号212はn
−型エピタキシャル層を示し、符号214はn型半導体領域を示し、符号216はp型ボディ領域を示し、符号218はp
−型チャネル領域を示し、符号220はn
++型エミッタ領域を示し、符号222はp
++型ボディコンタクト領域を示し、符号224はゲート絶縁層を示し、符号226はゲート電極を示し、符号228は層間絶縁層を示し、符号230はエミッタ電極を示し、符号232はコレクタ電極を示す。なお、実施形態6において、n
++型エミッタ領域220が本発明の第一導電型の第二半導体領域に相当する。
【0100】
実施形態6に係る炭化珪素半導体装置200は、基本的には実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100とほぼ同様の構成を有するが、
図17に示すように、低抵抗炭化珪素基板としてp
+型低抵抗炭化珪素基板210を備える点で実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100とは異なる。すなわち、実施形態6に係る炭化珪素半導体装置200はIGBTである。
【0101】
このように、実施形態6に係る炭化珪素半導体装置は、低抵抗炭化珪素基板としてp
+型低抵抗炭化珪素基板210を備え、IGBTである点で実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100とは異なるが、実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100の場合と同様に構成されたp
−型チャネル領域118を有することから、短チャネル効果を起こさない程度に十分に長いチャネル長を、実用的なプロセスで、かつ、精度良く画定することが可能となる。また、トランジスタのしきい値が変動したりパンチスルーが生じたりするという問題が起こり難くなる。
【0102】
なお、実施形態6に係る炭化珪素半導体装置200は、低抵抗炭化珪素基板としてp
+型低抵抗炭化珪素基板210を備え、IGBTである点以外の点においては実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100の場合と同様の構成を有するため、実施形態1に係る炭化珪素半導体装置100が有する効果のうち該当する効果を有する。
【0103】
以上、本発明を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
【0104】
(1)上記の各実施形態においては、第一導電型をn型、第二導電型をp型として本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。第一導電型をp型、第二導電型をn型としてもよい。
【0105】
(2)上記の各実施形態においては、トランジスタがストライプ状に形成された炭化珪素半導体装置を例にとって本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、トランジスタがスクエア状に形成された炭化珪素半導体装置にも適用することができる。