特許第6190970号(P6190970)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6190970リフトアジャスタおよびリフトアジャスタを有する着座用および/またはリクライニング家具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6190970
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】リフトアジャスタおよびリフトアジャスタを有する着座用および/またはリクライニング家具
(51)【国際特許分類】
   F16B 7/14 20060101AFI20170821BHJP
   A47C 7/00 20060101ALI20170821BHJP
   A47C 1/02 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
   F16B7/14 K
   A47C7/00 Z
   A47C1/02
   F16B7/14 F
【請求項の数】13
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-547155(P2016-547155)
(86)(22)【出願日】2014年10月27日
(65)【公表番号】特表2017-502235(P2017-502235A)
(43)【公表日】2017年1月19日
(86)【国際出願番号】EP2014073015
(87)【国際公開番号】WO2015071080
(87)【国際公開日】20150521
【審査請求日】2016年7月15日
(31)【優先権主張番号】102013019172.6
(32)【優先日】2013年11月18日
(33)【優先権主張国】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511087280
【氏名又は名称】フェルディナント ルーシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Ferdinand Lusch GmbH & Co.KG
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】エーリッヒ サルティソン
【審査官】 村山 禎恒
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭57−156605(JP,U)
【文献】 特開昭63−251694(JP,A)
【文献】 実開昭62−020207(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 7/00−7/22
A47C 1/02
A47C 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(2、2’)と調整ブラケット(3)とを有する、着座用家具および/またはリクライニング家具を調整するためのリフトアジャスタ(1、1’)であって、前記調整ブラケット(3)は前記ハウジング内に保持されて前記ハウジング(2、2’)から部分的に引き出し可能であり、
少なくとも1つのクランプ要素(10)を保持するクランプスライド(11)が挟持位置と少なくとも1つの調整位置との間で前記調整ブラケット(3)に対して変位可能に設けられ、前記ハウジング(2)内への前記調整ブラケット(3)の摺動が防止されるように、前記少なくとも1つのクランプ要素(10)は前記調整ブラケット(3)と前記ハウジング(2)との間の挟持間隙(9)内の前記挟持位置に挟持式に収容されるリフトアジャスタ(1、1’)において、
前記調整ブラケット(3)と前記クランプスライド(11)との間の別個の解除可能な連結がもたらされ、前記別個の連結によって前記クランプスライド(11)と連結された状態で、前記調整ブラケット(3)が終端位置から前記ハウジング(2、2’)内の初期位置まで摺動可能であるようになっていることと、前記調整ブラケット(3)が引き出されたときに前記調整ブラケット(3)と前記クランプスライド(11)との間の前記別個の連結が前記終端位置において形成されるように、前記クランプスライド(11)のためのエンドストップ(19)が前記ハウジング(2、2’)に設けられることとを特徴とするリフトアジャスタ(1、1’)。
【請求項2】
前記挟持間隙(9)は前記調整ブラケット(3)の引き出し方向に先細になることを特徴とする、請求項1に記載のリフトアジャスタ。
【請求項3】
前記調整ブラケット(3)は前記ハウジング(2、2’)内に収容される先細の端部(6)を備えることと、前記少なくとも1つのクランプ要素(10)は前記調整ブラケット(3)の先細の端部と前記ハウジング(2、2’)との間の前記挟持位置に挟持されることとを特徴とする、請求項1または2に記載のリフトアジャスタ。
【請求項4】
記クランプスライド(11)は前記調整ブラケット(3)に、保持されて前記ハウジング(2、2’)内に収容されることとを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載のリフトアジャスタ。
【請求項5】
前記調整ブラケット(3)は長方形の穴(14)を備えることと、前記クランプスライド(11)は、前記長方形の穴(14)に押込み式に、かつ変位可能に、係合することとを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載のリフトアジャスタ。
【請求項6】
前記調整ブラケット(3)が引き出されるときに前記クランプスライド(11)が前記調整ブラケット(3)に載って前記調整ブラケット(3)と共に前記ハウジング(2、2’)に沿って移動されるように、前記調整ブラケット(3)が引き出されるときに作用する押込み式係合が前記クランプスライド(11)の間にもたらされることを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載のリフトアジャスタ。
【請求項7】
前記別個の連結は、挟持式連結および/または掛止式連結であることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載のリフトアジャスタ。
【請求項8】
前記調整ブラケット(3)が前記初期位置まで摺動されたときに前記調整ブラケット(3)と前記クランプスライド(11)との間の前記別個の連結が強制的に解除されるように、前記ハウジング(2、2’)は、前記クランプスライド(11)のための初期ストップ(24、29’)を提供することを特徴とする、請求項1〜7の何れか一項に記載のリフトアジャスタ。
【請求項9】
前記調整ブラケット(3)は少なくとも1つのピン(15)を備えることと、前記クランプスライド(11)は少なくとも1つの連結要素(20)を備えることと、前記別個の連結が形成されるときに前記連結要素(20)は前記ピン(15)の背後で締め付ける、および/または係合する、こととを特徴とする、請求項1〜8の何れか一項に記載のリフトアジャスタ。
【請求項10】
前記ハウジング(2、2’)および前記調整ブラケット(3)は対応する当たり面をそれぞれ備えることと、前記対応する当たり面は、引き出し力を前記ハウジング(2、2’)に伝達するために、前記調整ブラケット(3)の終端位置において接触することとを特徴とする、請求項1〜9の何れか一項に記載のリフトアジャスタ。
【請求項11】
記クランプスライド(11)は前記ハウジング(2、2’)に、少なくとも複数の部分において、摩擦係合式に当たることを特徴とする、請求項1〜10の何れか一項に記載のリフトアジャスタ。
【請求項12】
前記調整ブラケット(3)は前記ハウジング(2、2’)に沿って連続的に調整可能であることを特徴とする、請求項1〜11の何れか一項に記載のリフトアジャスタ。
【請求項13】
請求項1〜12の何れか一項に記載のリフトアジャスタ(1、1’)を取り付けることができる、背もたれ、頭部、足部、および/または肘掛けを備えた着座用および/またはリクライニング家具において、前記背もたれ、頭部、足部、および/または肘掛けは、前記リフトアジャスタ(1、1’)によって調整できることを特徴とする着座用および/またはリクライニング家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウジングと、ハウジング内に保持されてハウジングから部分的に引き出し可能な調整ブラケットとを有する、着座用家具および/またはリクライニング家具を調整するためのリフトアジャスタに関する。本発明は、リフトアジャスタを介して連結されて互いに対して調整可能な2つの構成要素を有する、好ましくは背もたれ、頭部、足部、および/または肘掛けを備えた着座用および/またはリクライニング家具に更に関する。
【背景技術】
【0002】
使用者の快適さを向上させるために、肘掛け椅子、ソファ、寝椅子、およびベッドなどの多数の着座用およびリクライニング家具は使用者による調整が可能である。この調整可能性は、例えば、その傾斜および/または高さの調整が可能な、例えば背もたれ、頭部、足部、および/または肘掛けに関係する。所謂リフトアジャスタ自体は、相応の調整可能性を提供できることが実証されている。
【0003】
リフトアジャスタは、ハウジングと、このハウジングから部分的に引き出し可能な調整ブラケットとを備えている。調整ブラケットは、ばね式掛止要素を担持している。調整ブラケットが引き出されるとき、掛止要素は、バネ力の結果として、この目的のためにハウジングに沿って設けられた複数の収容凹部に次々と掛合する。
【0004】
この点において、収容凹部によって事前に決められた位置に調整ブラケットが掛合した後は調整ブラケットが再びハウジング内に摺動できないように、これら収容凹部と掛止要素とは互いに整合される。ハウジング内への摺動は、掛止要素が対応する収容凹部に押込み式に係合することによって防止される。
【0005】
ただし、同位置からの調整ブラケットの更なる引き出しは、問題なく行える。初期位置への調整ブラケットの復帰を可能にするには、初めに調整ブラケットを終端位置までハウジングから引き出す必要がある。この点において、調整ブラケットが逆方向に摺動されるときは、ハウジングに沿って設けられたどの収容凹部にも掛止要素が係合できないように掛止要素はブロックされる。ただし、調整ブラケットがハウジングから再び引き出されるときは、掛止要素は再び有効になり、その結果、ハウジングに沿って設けられた複数の収容凹部に再び次々と掛合する。
【0006】
公知のリフトアジャスタの調整ブラケットは、一般に、例えば背もたれ、ヘッドサポート、フットサポート、または肘掛けの形態の、調整対象の構成要素に連結され、このリフトアジャスタのハウジングは、調整対象の構成要素の調整相手となる構成要素に固着される。この点において、この構成要素は、具体的には、例えば家具のフレームまたは家具の着座部フレームなど、家具の支持要素とすることができる。調整対象の構成要素が調整される場合、すなわち、例えば、引き出されるか枢動される場合は、調整ブラケットはその一部がハウジングから引き出され、調整ブラケットの掛止要素がハウジングの収容凹部に押し込み式に係合した位置にとどまる。この位置にあるとき、調整対象の構成要素に使用者が荷重をかけても、不測の逆方向調整は起こらない。ただし、この点において、調整ブラケットの引き出し方向への更なる調整は可能であり、掛止要素は別の収容凹部に係合する。調整対象の構成要素をその初期位置に戻すには、初めに、調整ブラケットが終端位置に達するまで、調整対象の構成要素を更に調整する必要がある。この終端位置から、調整可能な構成要素をその初期位置まで逆方向に調整することによって、調整ブラケットを再びハウジング内に完全に摺動させることができる。この位置から、調整対象の構成要素の再調整、例えば枢動または引き出し、が可能である。
【0007】
ただし、公知のリフトアジャスタには、調整ブラケットを数か所でしかロックできないという欠点がある。調整ブラケットの逆方向への摺動のために掛止要素をブロックするには、調整ブラケットを最終ロック位置から極めて長い距離引き出す必要もある。掛止要素を再び有効にして最初の収容凹部に掛止できるようにするには、調整ブラケットを最大限摺動させた位置から極めて長い距離引き出す必要がある。各終端位置と最初または最後の収容凹部との間の対応する調整経路は、解除経路とも呼ばれ、操作を容易にするために短くあるべきである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、本発明の基礎を成す目的は、何れの場合も調整がより楽に行えるように、導入部で言及した種類の着座用および/またはリクライニング家具、および/またはリフトアジャスタを設計および改良することである。
【0009】
この目的は、請求項1の前提部分に記載のリフトアジャスタによって達成される。このリフトアジャスタにおいては、少なくとも1つのクランプ要素が挟持位置と少なくとも1つの調整位置との間で調整ブラケットに対して変位可能に設けられ、この少なくとも1つのクランプ要素は、ハウジング内への調整ブラケットの摺動が防止されるように、調整ブラケットとハウジングとの間の挟持間隙内の挟持位置に挟持式に収容される。
【0010】
上記の目的は、リフトアジャスタが請求項1〜12の何れか一項により設計された、請求項13の前提部分に記載の着座用および/またはリクライニング家具によっても達成される。
【0011】
したがって、本発明は、調整ブラケットとハウジングとの間の段階的掛合を省き、挟持式連結を好都合に採用できることを認識している。ただし、調整ブラケットをハウジングから引き出すときにハウジング内への調整ブラケットの不測の逆方向摺動を防止するために、少なくとも1つのクランプ要素が調整ブラケットに対して変位可能に、すなわち調整位置から挟持位置に、およびこの逆方向に、変位可能に、設けられる。これにより、少なくとも1つのクランプ要素は、調整レバーとハウジングとの間の挟持間隙に、すなわち調整ブラケットとハウジングとの間の挟持位置にこのクランプ要素が挟持式に配置されるように、到達できる。挟持間隙内へのクランプ要素のこの挟持式係合は、例えば調整ブラケットとクランプ要素との間に押し込み式係合を形成することによって、ハウジング内への調整ブラケットの逆方向摺動を防止する。
【0012】
ただし、調整ブラケットは、この挟持位置からの更なる引き出しが可能である。この場合、クランプ要素は調整ブラケットに対して調整位置まで変位される。この位置にあるとき、クランプ要素は、調整ブラケットの更なる引き出しを妨げない。
【0013】
クランプ要素は、基本的に、さまざまな形態を備えることができる。この点において、確実な挟持が実現されて高い挟持力の伝達が可能であるように、クランプ要素の形態が選択されることが好ましい。ただし、クランプ要素は、調整ブラケットが更に引き出される場合に挟持間隙内でのクランプ要素の挟持を容易に再び中止できるように設計される必要もある。この点において特に好適であるのは、球状または円筒状のクランプ要素である。容易な挟持を保証し、かつ調整ブラケットが更に引き出されるときに容易に挟持に打ち勝つことを保証するために、挟持間隙は、使用されるクランプ要素に適合させる必要もある。大きな挟持力を受け止められるように、調整ブラケット、ハウジング、および/またはクランプ要素は金属材料製であることが基本的に推奨される。
【0014】
更に、1つのクランプ要素を設ければ基本的に十分であり得る。リフトアジャスタの操作時の快適さを向上するために、および必要に応じて力の伝達をより均衡化するために、複数のクランプ要素を設けることもできる。これらクランプ要素を共通の1つの挟持間隙内に設け、この挟持間隙内の挟持位置に挟持式に保持できる。ただし、特に好適なのは、複数の挟持間隙が設けられ、各挟持間隙に少なくとも1つのクランプ要素、特に厳密には1つのクランプ要素、が設けられる場合である。
【0015】
製造入力および製造コストを同時に低く維持するには、2つのクランプ要素を設けることが特に好適である。代わりに、または加えて、2つの挟持間隙を設けると、同じ理由で好適である。均等な力の分散を保証するために、この2つの挟持間隙を調整レバーの両面とハウジングの両内面との間に形成できると好適である。
【0016】
本発明によるリフトアジャスタでは、少なくとも1つのクランプ要素が挟持間隙内に挟持されることによってハウジング内への調整ブラケットの不測の摺動が防止されるので、リフトアジャスタの操作時の雑音が極めて小さい。従来技術の場合のように調整ブラケットがハウジングの対応する収容凹部に掛止要素が掛合するときの可聴掛止音はもはや発生しない。これにより、使用者の快適さが更に向上される。
【0017】
リフトアジャスタの第1の好適な実施形態の場合、少なくとも1つの挟持間隙は、調整ブラケットの引き出し方向に先細になる。これにより、挟持間隙内でのクランプ要素の変位によって挟持を実現でき、クランプ要素を反対方向に変位することによって挟持を再び中止できる。
【0018】
この点において、少なくとも1つのクランプ要素は、挟持間隙内の両位置に収容されることが好ましい。これにより、挟持間隙へのクランプ要素の導入時のクランプ要素の不測のブロックを回避できる。挟持間隙は、簡略化のために楔状に設計可能であり、互いに対して鋭角を成す平坦面を備えることができる。このことに関係なく、構造上の観点から、ハウジングの表面と調整ブラケットの表面とは、挟持間隙の2つの対向面によって形成されることが推奨される。
【0019】
調整ブラケットが少なくとも一方の側に向かって先細になる端部を備え、その端部がハウジング内に収容される場合は、少なくとも1つの挟持間隙を簡単な方法で設けることができる。これにより、少なくとも1つの挟持間隙を設けることができる。調整ブラケットの端部が複数の、好ましくは2つの、側において、先細になる場合は、複数の、好ましくは2つの、挟持間隙の形成も可能である。この場合、少なくとも1つのクランプ要素が調整ブラケットの先細の端部の少なくとも一方の側面とハウジングの内側面との間の挟持位置に挟持されると、必要な挟持が容易に実現される。
【0020】
調整ブラケットに対して、および/または対応する少なくとも1つの挟持間隙に対して、クランプ要素をより容易に、かつ正確に案内可能にするために、少なくとも1つのクランプ要素を保持するクランプスライドを設けることが推奨される。この点において、各クランプ要素の機能を保証するために、クランプスライドは、調整ブラケットに対して変位可能に、すなわち、挟持位置から調整位置に、およびその逆に、変位可能に設けられることが好ましい。
【0021】
クランプスライドは、変位可能であるにも拘らず、調整ブラケット自体の表面に保持され、かつ必要であればハウジング内に収容されることが構造上の観点からも好適である。基本的に、複数のクランプスライドを設けることもできる。これらクランプスライドは、何れの場合も、少なくとも1つのクランプ要素を備え、前記クランプ要素を調整ブラケットに対して変位可能に案内する。ただし、リフトアジャスタの製造に必要な構成要素の数を制限するために、単一のクランプスライドを設けることが基本的に好ましい。この点において、クランプ要素は、クランプスライドと一体に設計可能であり、結果としてクランプスライドによって形成可能である。ただし、2部品構成の設計が好適である。クランプスライドは、クランプ要素に比べ、より小さな力を受け止めればよいので、コスト上の理由により、クランプスライドはプラスチックでほぼ形成されることが好ましい。
【0022】
少なくとも1つのクランプ要素および/またはクランプスライドを調整ブラケットに対して変位可能に設けるために、および同時に分離不能な連結をもたらすために、調整ブラケットは長方形の穴を備えることができる。この場合、少なくとも1つのクランプ要素および/またはクランプスライドは、この長方形の穴に押し込み式に、かつ変位可能に、係合する。
【0023】
リフトアジャスタを常時固定して不測の伸縮を防止するには、この少なくとも1つのクランプ要素を調整ブラケットに対して単に変位不能に保持するだけでは足りない。調整ブラケットがより大きな長さ増分で更に引き出されるときは、この少なくとも1つのクランプ要素を調整ブラケットと共にハウジングに沿って移動できる必要がある。したがって、少なくとも1つのクランプ要素および/またはクランプスライドを調整ブラケットと共により長い距離引き出せるようにするために、少なくとも1つのクランプ要素および/またはクランプスライドの間に押し込み式係合を形成できることが好ましい。ただし、挟持間隙に対して挟持を僅かに中止して少なくとも1つのクランプ要素を変位させるために、少なくとも1つのクランプ要素および/またはクランプスライドを伴わずに、調整ブラケットを僅かに引き出せることが好ましい。
【0024】
調整ブラケットをハウジングから正常に引き出した後に調整ブラケットをハウジング内に逆摺動可能にするために、少なくとも1つのクランプ要素が挟持間隙内に挟持式に係合されない、調整ブラケット上の位置に少なくとも1つのクランプ要素および/またはクランプスライドが固定されるようにすることができる。この目的のために、調整ブラケットと少なくとも1つのクランプ要素および/またはクランプスライドとの間の別の解除可能な連結が役立つ。
【0025】
この場合、調整ブラケットは、少なくとも1つのクランプ要素および/またはクランプスライドとの別個の連結によって連結された状態で、終端位置からハウジング内に、例えば少なくとも初期位置に、摺動可能であることが好ましい。この連結が別個の連結と称される理由は、少なくとも1つのクランプ要素および/またはクランプスライドは、別の連結によって調整ブラケットの表面に依然として変位可能に保持されているからである。
【0026】
この別個の連結は、調整ブラケットが逆方向に摺動されるときにのみクローズされる、例えば、終端位置まで引き出された調整ブラケットが初期位置まで摺動されたときにのみクローズされる、解除可能な連結である必要があるので、簡素化のために挟持式連結および/または掛止式連結が別個の連結として可能である。
【0027】
調整ブラケットが引き出されたときに終端位置で調整ブラケットと少なくとも1つのクランプ要素および/またはクランプスライドとの間の別個の連結を強制的にクローズさせるために、ハウジングはクランプ要素および/またはクランプスライドのためのエンドストップを提供できる。これにより、少なくとも1つのクランプ要素および/またはクランプスライドの更なる変位が妨げられているとき、必要であれば、調整ブラケットを更に引き出し方向に変位させることができる。これにより、一方の少なくとも1つのクランプ要素および/またはクランプスライドと、他方の調整ブラケットとの間にもたらされる相対移動は、使用者による更なる操作なしに、別個の連結を強制的にクローズするために使用可能である。
【0028】
したがって、少なくとも1つのクランプ要素および/またはクランプスライドが、好ましくはエンドストップによって、調整ブラケットの引き出し方向に固定されているとき、調整ブラケットを更に僅かに引き出すことができる。したがって、必要に応じて設けられた、ハウジングと調整ブラケットとの間のエンドストップは、調整ブラケットが更に僅かに引き出されたときにのみ機能する。ハウジングと調整ブラケットの分離を回避するために、ハウジングと調整ブラケットとの間のエンドストップは、調整ブラケットがハウジングから完全に引き出されないことを保証する。少なくとも1つのクランプ要素および/またはクランプスライドのためのエンドストップに到達してから調整ブラケットのエンドストップまでの調整ブラケットの調整経路(解除経路)は、使用者によるリフトアジャスタの操作を楽にするべく、極めて短くなるべく選択可能である。
【0029】
調整ブラケットが初期位置まで摺動されたときに調整ブラケットとクランプ要素および/またはクランプスライドとの間の別個の連結の強制解除を可能にするために、ハウジングは、代わりに、または加えて、クランプ要素および/またはクランプスライドのための初期ストップを提供することができる。これにより、少なくとも1つのクランプ要素および/またはクランプスライドが初期ストップに当たった後、調整ブラケットがハウジング内で別の終端位置に向けて初期位置の方向に更に僅かに摺動されたときに、それにより一方の少なくとも1つのクランプ要素および/またはクランプスライドと、他方の調整ブラケットとの間にもたらされる相対移動は、少なくとも1つのクランプ要素および/またはクランプスライドと調整ブラケットとの間の別個の連結を再び解除するために使用可能である。初期ストップがハウジング内への少なくとも1つのクランプ要素および/またはクランプスライドの移動を制限しているとき、調整ブラケットをハウジング内に更に僅かに摺動させることができる。その後にハウジング内への調整ブラケットの最大摺動距離を制限するのは、調整ブラケットとハウジングとの間に必要に応じて設けられた初期ストップのみである。代わりに、少なくとも1つの挟持間隙内に調整ブラケットに対して再び変位可能に保持されている少なくとも1つのクランプ要素を調整ブラケットの初期ストップの方向にロックすることによってハウジング内への最大摺動距離を制限することもできる。少なくとも1つのクランプ要素および/またはクランプスライドの初期ストップに達してから調整ブラケットの初期ストップまでの調整ブラケットの調整経路(解除経路)は、使用者によるリフトアジャスタの操作を楽にするべく極めて短くするべく選択可能である。
【0030】
調整ブラケットが少なくとも1つのピン等を備える場合は、調整ブラケットと少なくとも1つのクランプ要素および/またはクランプスライドとの間の別個の連結を構造的に単純かつ確実にもたらすことができる。この場合、少なくとも1つのクランプ要素および/またはクランプスライドは、別個の連結がクローズされた場合にピンまたは匹敵する連結要素の背後で係合する、および/または締め付ける、少なくとも1つの連結要素を、代わりに、または加えて、備えることができる。この場合、調整ブラケットの少なくとも1つのピンは、少なくとも1つのクランプ要素および/またはクランプスライドの凹部に収容可能である。代わりに、少なくとも1つのクランプ要素および/またはクランプスライドに少なくとも1つのピンを設けることも勿論可能である。この場合、前記ピンは調整ブラケットの少なくとも1つの連結要素と協働、ひいては連結、可能である。何れの場合も、対応する連結は、力式および/または押し込み式係合を形成することが好ましい。少なくとも押し込み式係合の場合は、掛止式連結が特に推奨される。
【0031】
基本的に、ハウジングおよび調整ブラケットは、ハウジングと少なくとも1つのクランプ要素および/またはクランプスライドとの間に、エンドストップとは独立に、対応する当たり面をそれぞれ備えることもできる。これら当たり面が互いに当たっているときに調整ブラケットの終端位置において引き出し力を安全に偏向させてハウジングに伝達するために、これら対応する当たり面はエンドストップを形成することができる。したがって、調整ブラケットとハウジングが分離されるまで調整ブラケットがハウジングから引き出されることが回避される。
【0032】
挟持位置と調整位置との間における、一方の調整ブラケットと、他方の少なくとも1つのクランプ要素および/またはクランプスライドとの間の相対変位を構造的に単純な方法で保証するために、少なくとも1つのクランプ要素および/またはクランプスライドは、ハウジングの少なくとも複数の部分に摩擦係合式に当たることができる。したがって、調整ブラケットが挟持位置からハウジングの外に更に引き出されるとき、例えば、少なくとも1つのクランプ要素および/またはクランプスライドはハウジングに対する位置を初期において維持することができる。一方の少なくとも1つのクランプ要素および/またはクランプスライドと、他方の調整ブラケットとの間の対応する相対移動によって、クランプ要素は挟持間隙内に挟持式に保持されなくなる。
【0033】
この場合、調整ブラケットがハウジングに対して更に調整されるとき、例えば、調整ブラケットと少なくとも1つのクランプ要素および/またはクランプスライドとの間の押し込み式連結により、少なくとも1つのクランプ要素および/またはクランプスライドをハウジングに沿って変位させることができる。この場合、調整ブラケットは、別の位置において、クランプ要素が再び挟持間隙内の挟持位置に達してハウジング内への調整ブラケットの更なる摺動を防ぐ前に、極めて短距離だけハウジング内に再摺動可能である。必要であれば、調整ブラケットが調整されているときに、少なくとも1つのクランプ要素および/またはクランプスライドをハウジングに引き続き当てておくことができる。この場合、少なくとも1つのクランプ要素および/またはクランプスライドが調整されているとき、すなわち調整ブラケットと少なくとも1つのクランプ要素および/またはクランプスライドとの間の押し込み式連結の結果として、対応する静止摩擦に打ち勝つ。
【0034】
リフトアジャスタの特に好適な一実施形態においては、ハウジングに沿って少なくともほぼ連続的に複数の領域において調整ブラケットを調整できるようになっている。したがって、ハウジング内の対応する挟持力によって調整ブラケットを固定できるので、ハウジング内への調整ブラケットの摺動を調整経路の広範な部分にわたって防止できる。
【0035】
すなわち、公知のリフトアジャスタとは異なり、特定の収容凹部の領域だけではなく、好ましくはハウジングの各箇所の領域においても、挟持をもたらすことができる。
【0036】
以下においては、例示的実施形態のみを示している図面によって本発明を更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明による第1のリフトアジャスタを斜視図で示す。
図2】部分的に引き出された位置にある図1のリフトアジャスタをIIA−IIA線およびIIB−IIB線に沿った断面図で示す。
図3】ほぼ完全に引き出された位置にある図1のリフトアジャスタを長手方向断面図で示す。
図4】終端位置まで引き出された図1のリフトアジャスタを長手方向断面図で示す。
図5】本発明による第2のリフトアジャスタを上面図で示す。
図6】ハウジング内にほぼ完全に摺動させた位置にある図5のリフトアジャスタを長手方向断面図で示す。
図7】初期位置までハウジング内に摺動させた図5のリフトアジャスタを長手方向断面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1には、リフトアジャスタ1が斜視図で示されている。リフトアジャスタ1は、ハウジング2と、ハウジング2から部分的に引き出される調整ブラケット3とを備える。
【0039】
ハウジング2の後端部および調整ブラケット3の前端部には、何れの場合も、貫通開口部4が設けられる。これら開口部4を用いて、リフトアジャスタ1を着座用および/またはリクライニング家具の複数の異なる構成要素に取り付けることができる。この点において、調整ブラケット3は家具の調整可能な構成要素に取り付けられることが好ましく、ハウジング2は家具の調整不能な構成要素または独立に調整可能な構成要素に取り付けられることが好ましい。ソファの場合、例えば、調整ブラケット3は旋回可能な肘掛けに取り付け可能であり、ハウジング2はソファのフレーム要素に、またはシートのフレームに、固着される。ベッドの場合は、頭部を調整ブラケット3に連結でき、ハウジング2はベッドフレームまたはベッド構造に固着される。
【0040】
この点において好適な図示のリフトアジャスタ1の場合、調整ブラケット3はオフセットされた外側端部5を備え、この端部に開口部4が設けられる。調整ブラケット3の残りの部分は、ほぼ条片状に設計されるが、例えばロッド形状に設計することも可能である。この点において好適な図示のリフトアジャスタの場合、ハウジング2は直角断面を有するが、正方形または別形状の断面を有することも可能である。ハウジング2は、汚れに対する保護のためにほぼ密閉されるが、これは必須ではない。
【0041】
図2Aおよび図2Bには、部分的に引き出された位置にあるリフトアジャスタ1が互いに垂直な2つの断面図で示されている。調整ブラケット3は先細の内側端部6を備えることが分かる。したがって、この内側端部6は、2つの外面7を調整ブラケット3の狭まった2つの側面に形成する。前記2つの外面は、ハウジング2の対向する内側面8に対して斜めに延在する。この点において好適な図示のリフトアジャスタの場合、ハウジング2の両内側面8は互いに対して平行に、かつ調整ブラケット3の引き出し方向に平行に、延在する。したがって、調整ブラケット3の斜めに延びる各面7とハウジング2の対向する内側面8との間に挟持間隙9が形成され、これら挟持間隙にクランプ要素10がそれぞれ収容される。この点において好適な図示のリフトアジャスタ1の場合、挟持間隙9を形成する各面7は平らに設計され、各クランプ要素10は円筒形状を有する。各クランプ要素10は、その湾曲した周囲全体が調整ブラケット3とハウジング2との間に挟持される。
【0042】
調整ブラケット3が図2Aに示されている位置からハウジング2に押し込まれた場合、調整ブラケット3の対応する移動は、調整ブラケット3の両側に設けられた挟持間隙9にクランプ要素10が食い込むことによって阻止される。この点において、大きな力が加わっても調整ブラケット3がハウジング2内に摺動できないように、各クランプ要素10は大きなクランプ力を受け止めることができる。
【0043】
各クランプ要素10はクランプスライド11内に保持される。クランプスライド11は調整ブラケット3の表面に保持される。この点において好適な図示のリフトアジャスタ1のクランプスライド11は、2つの部品で形成され、調整ブラケット3の下端部を取り囲む。クランプスライド11の2つの部分の各々は、フィンガ13を備える。フィンガ13は、調整ブラケット3の長方形の穴14に係合する。
【0044】
これにより、クランプスライド11は、調整ブラケット3に対して変位可能に取り付けられる。ただし、調整ブラケット3に対するクランプスライド11の変位可能度は、一方向においては挟持間隙9内でのクランプ要素10の挟持によって制限され、他方向においては調整ブラケット3、特に調整ブラケットのピン、との押込み式係合によって制限される。
【0045】
クランプスライド11は、その両側に摩擦ブラケット16を備える。各摩擦ブラケット16はハウジング2の内側面8に当たり、各クランプ要素10と協働する。
【0046】
これにより引き起こされる静止摩擦は、クランプスライド11がその位置を維持するために傾斜することを保証する。ただし、クランプスライド11が調整ブラケット3に確実に当たっていても、調整ブラケット3をハウジング2内に摺動させるとき、またはハウジング2から引き出すときは、静止摩擦に打ち勝つ十分な力がクランプスライド11に加わるので、クランプスライド11は、調整ブラケット3と共に、ハウジング2内で変位される。調整ブラケット3の複数の側方突起17とハウジング2とは、引き出し方向への当たり面をそれぞれ形成する。これらは一緒に調整ブラケット3のためのエンドストップ18を形成し、ハウジング2からの調整ブラケット3の更なる引き出しを防止する。
【0047】
調整ブラケット3が図2Aに示されている位置から更に引き出されると、リフトアジャスタ1は図3に示されている位置に達する。この位置において、調整ブラケットはハウジングのほぼ終端位置までハウジング2から引き出されている。その結果、調整ブラケット3のピン15に当たっているクランプスライド11は、クランプスライド11のためのエンドストップ19まで変位されている。このエンドストップ19は、調整ブラケット3の引き出し方向へのクランプスライド11の更なる変位を制限する。その後、調整ブラケットが更にハウジングから引き出されてハウジング2に対してそのエンドストップ18に達すると、調整ブラケット3の各ピン15は摺動してクランプスライド11のブラケット形状の各連結要素20を通り過ぎる。その後、各連結要素20はピンの背後で係合し、ひいては調整ブラケット3とクランプスライド11との間に別個の連結を形成する。この点において、各ピン15は、クランプスライド11の対応する収容凹部21に収容される。これは、特に図4に示されている。このとき、クランプスライド11は、調整ブラケット3に連結された位置にある。この位置において、各クランプ要素10は挟持間隙9内に到達できないので挟持されない。したがって、大きな力の入力なしに、調整ブラケット3をハウジング2内に摺動させることができる。
【0048】
クランプスライド11と調整ブラケット3との間の別個の連結を再び解除するには、調整ブラケット3を初期位置までハウジング2内に摺動させる必要がある。これは、この点において好適な図示のリフトアジャスタ1においては、調整ブラケット3の各ピン15がハウジング2の基部22に係合し、そこで対応する収容凹部23の当たり面に当接することよって実現される。ただし、調整ブラケット3がこの初期位置に達する前に、クランプスライド11は、クランプスライド11のための初期ストップ24を形成するハウジング2の基部に当接する。クランプスライド11がこの位置に保持されているとき、調整ブラケット3を調整ブラケット3のための初期ストップ25まで更に摺動させることができる。この点において、調整ブラケット3の各ピン15はクランプスライド11の連結要素20の先まで押し込まれるので、調整ブラケット3とクランプスライド11との間の押し込み式掛止連結が解除される。これにより、調整ブラケットの各ピン15は、クランプスライド11の対応する収容凹部21にもはや収容されない。したがって、調整ブラケット3を再び部分的に引き出すことができる。この点において、調整ブラケット3は、対応する位置において、ハウジング2内への調整ブラケット3の再摺動を妨げるために、クランプスライド11を担持できる。調整ブラケット3をハウジング2内に再度摺動させて初期位置に到達させるには、上記のように、クランプスライド11を別個の掛止式連結によって調整ブラケット3に固定するために、調整ブラケット3を初めに終端位置までもう一度引き出す必要がある。
【0049】
ハウジング2内への調整ブラケット3の摺動は、調整ブラケット3と収容凹部23との間の初期ストップの代わりに、調整ブラケット3の側方突起17と基部22とによって制限することも、または、調整ブラケット3とクランプスライド11との間の別個の連結の解除後に各クランプ要素10を各挟持間隙9内にロックすることによって制限することもできる。
【0050】
一代替リフトアジャスタ1’が図5に示されている。リフトアジャスタ1’は、基部26’のデザインのみが図1〜4のリフトアジャスタ1と異なる。
【0051】
図5に示されているリフトアジャスタ1’のハウジング2’の基部26’は、図6に長手方向断面で示されている。基部26’の領域では、ハウジング2’の2つの端縁要素27’が内方に押し込まれて、引き出し方向に向いた当たり面28’をもたらす。各当たり面28’は、クランプスライド11’のための初期ストップ29’を形成する。内方に押し込まれるハウジング2’の端縁要素27’の代わりに、別のストップ要素によって当たり面28’を設けることもできる。
【0052】
上記の別個の連結を介してクランプスライド11に連結された調整ブラケット3をその初期位置に向けてハウジング2’内に摺動させると、クランプスライド11は当たり面28’によって決められた初期ストップ29’に最初に達する。クランプスライド11がこの位置に保持されているとき、調整ブラケット3を更に摺動させることができる。初期ストップ29’に既に当たっているクランプスライド11と調整ブラケット3との間の相対移動によって、調整ブラケット3の各ピン15はクランプスライド11の連結要素20の先まで押されて収容凹部21を出るため、この点において、クランプスライド11と調整ブラケット3との間の別個の連結が解除される。それにも拘わらず、一方では、調整ブラケット3を再度引き出せるように、他方では、各クランプ要素10がハウジング内への調整ブラケット3の不測の逆方向摺動を引き続き防止するように、クランプスライド11は引き続き調整ブラケット3上に保持され、調整ブラケット3に対して更に変位可能である。調整ブラケット3の初期ストップは、クランプ要素によって形成される。
【0053】
クランプスライド11と調整ブラケット3との間の別個の連結が解除された後、調整ブラケットがハウジング2’内に更に摺動されると、ハウジング2’と調整ブラケット3との間の挟持間隙9にクランプ要素10がより深く入り込んで挟持間隙9内に挟持されるので、調整ブラケット3の更なる摺動が防止される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7