(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を、その実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。以下の説明では、図において矢符で示す上下、前後、及び左右を使用する。
【0023】
実施の形態 1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る表示装置1の内部構成を模式的に示す側面図である。
本実施の形態の表示装置1は、例えばテレビジョン受信機、電子看板、又は、パーソナルコンピュータ用のモニタ等として構成されている。
【0024】
まず、表示装置1の各部について説明する。
表示装置1は、表示パネル11、枠体12、緩衝部13、光源装置2、及びスペーサ31,31,…を備えている。
光源装置2は、光学シート群21、導光板22、反射シート23、BLシャーシ24、及び光源25を備えている。
【0025】
表示パネル11は矩形状であり、本実施の形態では縦姿勢で配されている。表示パネル11は液晶表示パネルである。表示パネル11は、正面側のガラス基板と背面側のガラス基板とを有し、2枚のガラス基板の間には液晶が封止されている。表示パネル11の光透過率は、表示パネル11の液晶に印加された電圧に応じて変化する。表示パネル11には、矩形状の表示領域(表示パネル11における液晶が封止されている部分に対応)と、表示領域を囲繞する矩形枠状の額縁領域(表示パネル11の周縁部に対応)とが設けられている。
【0026】
枠体12は、前面部121と側面部122とを一体的に有する。
前面部121は矩形枠状であり、矩形枠の開口を通して表示パネル11の表示領域を露出させた状態で、表示パネル11の額縁領域を正面側から覆う。前面部121と表示パネル11の額縁領域との間には、矩形枠状の緩衝部13が配されている。
側面部122は前後方向の矩形筒状であり、前面部121の外周縁部から後ろ向きに突出している。
【0027】
光学シート群21は、各矩形状の複数枚の光学シートが積層されてなる。光学シート群21を構成している各光学シートは、光の拡散機能又は集光機能等を有する。光学シート群21の前面は表示パネル11の後面に対面配置されている。光学シート群21は、表示パネル11の背面側にて表示パネル11の少なくとも表示領域を覆う。
【0028】
導光板22は矩形板状になしてある。導光板22は、例えばアクリル樹脂を用いてなる。導光板22の前面は、表示パネル11の後面から適長離隔して、光学シート群21の後面に対面配置されている。即ち、光学シート群21は、表示パネル11と導光板22との間の空隙に配されている。光学シート群21は、例えば上辺部が導光板22の上辺部に貼り付けられている。導光板22は、光学シート群21の背面側にて光学シート群21を全面的に覆う。
導光板22は、導光板22の内部に入射した光が、導光板22の前面から出射するようにしてある。このために、導光板22の後面には、図示しない複数の反射部が設けられている。反射部に入射した光は、前面側へ反射する。
【0029】
反射シート23は矩形状である。反射シート23の前面は、導光板22の後面を全面的に覆って導光板22の後面に密着配置されている。従って、導光板22の後面から出射した光は、反射シート23に反射して、再び導光板22の内面に入射する。
【0030】
BLシャーシ24は板状になしてある。BLシャーシ24の周縁部は枠体12の側面部122の後端部に連結されている。BLシャーシ24の前面の中央部は、反射シート23の後面に密着して対面配置されている。BLシャーシ24の中央部には、導光板22及び反射シート23が取り付けられている。
【0031】
光源25は、導光板22の下方に配され、図示しないヒートシンクを介して、枠体12の側面部122の内面に支持されている。
光源25は、複数個のLED251,251,…とLED基板252とを備える。
LED基板252は、左右方向に長い横姿勢の矩形状になしてある。LED基板252の上面は、導光板22の下端面に対面配置されている。
LED251,251,…は、LED基板252の上面にて左右方向に一列に等配実装してある。LED251,251,…と導光板22の下端面とは、適長離隔して対向配置されている。
【0032】
なお、光源装置2は、光源25に替えて、複数個の光源を備えていてもよい。例えば、2個の光源が、導光板22の上下両方又は左右両方に1個ずつ配されていてもよい。
或いは、1個の光源が、導光板22の上方、左方、及び右方の何れか一方に配されていてもよい。
【0033】
表示パネル11と導光板22との間の空隙は、4個のスペーサ31,31,…(
図1に1個だけ図示)が表示パネル11の後面(背面)の周縁部と導光板22の前面(正面)の周縁部との間に介在することによって形成されている。
4個のスペーサ31,31,…は、表示パネル11及び導光板22夫々の上辺部、下辺部、及び左右両辺部に一対一対応である。これらは同様の構成であるので、以下では、表示パネル11及び導光板22夫々の下辺部に対応するスペーサ31(
図1に示すスペーサ31)について説明する。
【0034】
スペーサ31は形状記憶合金を用いてなる。スペーサ31は、パネル取付部311、導光板取付部312、及び連結部313を一体に有する。
パネル取付部311(及び導光板取付部312)は、表示パネル11(及び導光板22)に沿って表示パネル11の後面(及び導光板22の前面)の周縁部に取り付けられている。具体的には、パネル取付部311及び導光板取付部312夫々は、左右方向に細長い縦姿勢の矩形平板状である。パネル取付部311の前面は、表示パネル11の後面の下辺部に接着してある。導光板取付部312の後面は、導光板22の前面の下辺部に接着してある。
【0035】
連結部313は、左右方向に細長く、パネル取付部311及び導光板取付部312夫々に直交する横姿勢の矩形平板状である。連結部313は、パネル取付部311の下辺部と導光板取付部312の上辺部とを一体に連結している。換言すれば、パネル取付部311及び導光板取付部312は、連結部313の前辺部及び後辺部から背反方向に直角に突出している。
つまり、スペーサ31は、平板部材を変形Z字状に屈曲させたような屈曲板材である。
パネル取付部311の後面は、光学シート群21の前面の下辺部に対面配置されている。
【0036】
次に、光源装置2による表示パネル11の照明について説明する。
光源25が発した光は、導光板22の下端面から導光板22の内部に入射する。
導光板22の内部に入射した光の一部は、導光板22の前面、後面、又は反射部にて反射し、やがて前面から光学シート群21へ出射する。導光板22の内部に入射した光の他の一部は、導光板22の後面から出射し、反射シート23に反射して再び導光板22の内部に入射する。
【0037】
光学シート群21へ出射した光は、光学シート群21による拡散及び集光等を経て、表示パネル11の後面から表示パネル11の内部に入射する。
以上のように、表示パネル11は、光源装置2によって背面側から照明される。表示パネル11の内部に入射した光は、表示パネル11を透過するか、又は、表示パネル11の通過を遮断される。この結果、表示パネル11の表示領域に映像が表示される。
【0038】
次に、表示装置1を製造する手順を説明する。
図2は、スペーサ31の変形を説明するための側面図である。
図3〜
図5は、表示装置1の製造方法を説明するための側面図である。
説明を簡単にするため、
図2〜
図5における上下、前後、及び左右は
図1における上下、前後、及び左右に対応している。また、図を見やすくするため、
図3〜
図5において反射シート23及びBLシャーシ24の図示は省略している。
製造者は、まず、BLシャーシ24に対して反射シート23及び導光板22をこの順に取り付ける(この工程は不図示)。
【0039】
また、製造者は、形状記憶合金を用いてスペーサ31を形成する(形成工程。
図2に示す向かって左側のスペーサ31参照)。このために、製造者は、例えば形状記憶合金製の平板部材を準備し、室温より高い所定温度以上の熱処理を施しつつ、平板部材を変形Z字状に屈曲させる。
この後、スペーサ31は所定温度未満に冷却される。
【0040】
次に、製造者は、スペーサ31に外力を加えることによって、導光板取付部312に対するパネル取付部311の姿勢を変更する(変更工程。
図2に示す向かって右側のスペーサ31参照)。具体的には、パネル取付部311の姿勢を連結部313同様の横姿勢にする。このとき、スペーサ31は断面L字状になり、パネル取付部311の後面と連結部313の上面とが面一になる。
【0041】
次いで、製造者は、スペーサ31の導光板取付部312の後面に接着剤を塗布し、導光板22の前面の下辺部に、導光板取付部312を接着する(
図3参照。第1取付工程)。接着時のスペーサ31の向きは、面一になったパネル取付部311の後面と連結部313の上面とが上向きになる向きである。
同様に、製造者は、導光板22の前面の上辺部及び左右両辺部夫々に対しても、スペーサ31の導光板取付部312を接着する。
このとき、導光板22の前面には光学シート群21が配置されていないので、各スペーサ31を容易且つ確実に導光板22に取り付けることができる。
【0042】
次に、製造者は、光学シート群21を導光板22の前面に対面配置して、光学シート群21の上辺部を導光板22の上辺部に貼り付ける(
図3参照。配置工程)。このとき、光学シート群21の配置位置は、スペーサ31によって規定される(具体的には、導光板22の四辺部に接着されている4個のスペーサ31,31,…に囲繞された範囲内に限定される)。即ち、光学シート群21が位置決めされる。換言すれば、光学シート群21の位置ずれが起こらない。
次いで、製造者は、スペーサ31を所定温度以上に加熱する。この結果、形状記憶合金の性質により、パネル取付部311の姿勢が変更前の姿勢に戻る(
図4参照。復帰工程)。
【0043】
次に、製造者は、4個のスペーサ31,31,…のパネル取付部311,311,…夫々の前面に接着剤を塗布し、表示パネル11の後面の四辺部に接着する(
図5参照。第2取付工程)。
以上の結果、導光板22はスペーサ31,31,…を介して表示パネル11を支持し、また、光学シート群21を支持する。
【0044】
また、製造者は、枠体12の側面部122に対し、ヒートシンクを介して光源25を取り付ける(この工程は不図示)。
次いで、製造者は、枠体12の前面部121を、緩衝部13を介して表示パネル11の周縁部に配置し、側面部122をBLシャーシ24に取り付ける(
図1参照)。
【0045】
本実施の形態では、形成工程の終了後であって第1取付工程の開始前に変更工程を実行しているが、これに限定されず、第1取付工程の終了後であって配置工程の開始前に変更工程を実行してもよい。ただし、後者の場合、変更工程にてスペーサ31に外力を加えたときに、導光板取付部312が導光板22から脱離してしまわないよう注意する必要があるので、後者より前者の方が好適である。
【0046】
また、本実施の形態では、導光板22に対してスペーサ31、光学シート群21、及び表示パネル11が順に配置される手順であるが、これに限定されず、表示パネル11に対してスペーサ31、光学シート群21、及び導光板22が順に配置される手順でもよい。とはいえ、導光板22に比べると表示パネル11は一般に薄くて壊れやすいので、後者より前者の方が好適である。
【0047】
図6及び
図7は、表示装置1の製造方法の作用効果を説明するための側面図である。
図6は、変更工程を行なわずに第1取付工程を行なう手順を示している。この場合、復帰工程を行なう必要はない。
しかしながら、第1取付工程の実行時に、製造者は、例えば光学シート群21を撓ませることによって光学シート群21に4個のスペーサ31,31,…のパネル取付部311,311,…を迂回させてから光学シート群21をパネル取付部311,311,…と導光板22との間に挿入し、導光板22に取り付ける必要がある。つまり、光学シート群21の配置手順が煩雑である。
換言すれば、変更工程を行なってから第1取付工程を行なうことによって、光学シート群21の配置手順を単純化することができる。
【0048】
図7は、変更工程を行なわず、しかも第1取付工程を行なう前に配置工程を行なう手順を示している。この場合も、復帰工程を行なう必要はない。
しかしながら、配置工程の実行時には、導光板2
2に光学シート群21を位置決めするためのものが存在しないので、光学シート群21、又は光学シート群21に含まれている光学シートが位置ずれを起こし、スペーサ31の導光板取付部312を接着すべき部分を覆ってしまう虞がある。
光学シート群21の位置ずれに気付かなかった場合、製造者はスペーサ31を光学シート群21に接着してしまうので、スペーサ31を介した表示パネル11と導光板22との接着が為されなくなる。
【0049】
このような問題を解消するためには、光学シート群21の位置ずれの有無を検査し、位置ずれが起きていればそれを正すことが考えられるが、その分だけ光学シート群21の配置手順が煩雑になる。
換言すれば、変更工程を行なってから第1取付工程及び配置工程をこの順に行なうことによって、導光板22に対するスペーサ31の接着を確実化し、更に光学シート群21の配置手順を単純化することができる。
【0050】
以上のような表示装置1が備えるスペーサ31は、形成工程の説明で述べたように、簡単に形成することができる。また、スペーサ31は屈曲板材であるので、例えばブロック状の部材に比べて軽量化が容易である。
【0051】
特許文献1に記載の液晶表示装置に比べると、表示装置1は、スペーサ31の材質、形状、及び接着方法、並びに表示装置1の製造手順が異なる。
特許文献1に記載の液晶表示装置の場合、スペーサは形状記憶合金ではなく合成樹脂を用いてなり、断面形状は変形Z字状ではなく矩形状である。また、特許文献1に記載の液晶表示装置の場合、スペーサに隣接配置されている接着材が表示パネルと導光板とを接着している。一方、表示装置1の場合、スペーサ31のパネル取付部311及び導光板取付部312夫々に塗布された接着剤が表示パネル11と導光板22とを接着している。
【0052】
更に、特許文献1に記載の液晶表示装置の製造手順は、導光板に光学シート群を配置してからスペーサを配置する手順である。故に、前述したような光学シートの位置ずれが生じる虞がある。
【0053】
実施の形態 2.
図8は、本発明の実施の形態2に係る表示装置1が備えるスペーサ32の変形を説明するための側面図である。
図9〜
図11は、表示装置1の製造方法を説明するための側面図である。
図8〜
図11は、実施の形態1の
図2〜
図5に対応する。
本実施の形態の表示装置1は、実施の形態1の表示装置1と略同様の構成である。以下では、実施の形態1との差異について説明し、その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
【0054】
表示装置1は、実施の形態1の4個のスペーサ31,31,…に替えて、4個のスペーサ32,32,…を備えている。
スペーサ32,32,…は互いに同様の構成であり、表示パネル11及び導光板22夫々の上辺部、下辺部、及び左右両辺部に一対一対応である。スペーサ32,32,…が表示パネル11の後面の周縁部と導光板22の前面の周縁部との間に介在することによって、表示パネル11と導光板22との間の空隙が形成される。
以下では、表示パネル11及び導光板22夫々の下辺部に対応するスペーサ32について説明する。
【0055】
スペーサ32は形状記憶合金を用いてなる。スペーサ32は、実施の形態1のスペーサ31のパネル取付部311、導光板取付部312、及び連結部313に対応するパネル取付部321、導光板取付部322、及び連結部323を一体に有する。
【0056】
ただし、連結部323は、パネル取付部321及び導光板取付部322の下辺部同士を一体に連結している。換言すれば、パネル取付部321及び導光板取付部322は、連結部323の前辺部及び後辺部から同一方向に直角に突出している。
つまり、スペーサ32は、平板部材をコ字状に屈曲させたような屈曲板材である。
パネル取付部321の後面は、光学シート群21の前面の下辺部に対面配置され、導光板取付部3
22の前面は、光学シート群21の後面の下辺部に対面配置されている。つまり、光学シート群21の四辺部は、スペーサ32,32,…の内部に配されている。
【0057】
次に、表示装置1を製造する手順を説明する。
製造者は、形状記憶合金を用いてスペーサ32を形成する(形成工程。
図8に示す向かって左側のスペーサ32参照)。このために、製造者は、例えば形状記憶合金製の平板部材を準備し、室温より高い所定温度以上の熱処理を施しつつ、平板部材をコ字状に屈曲させる。
この後、スペーサ32は所定温度未満に冷却される。
【0058】
次に、製造者は、スペーサ32に外力を加えることによって、導光板取付部322に対するパネル取付部321の姿勢を変更する(変更工程。図
8に示す向かって右側のスペーサ32参照)。具体的には、製造者は、パネル取付部321の姿勢を連結部323同様の横姿勢にすることによって、スペーサ32を断面L字状にする。
【0059】
次いで、製造者は、スペーサ32の導光板取付部322の後面に接着剤を塗布し、導光板22の前面の下辺部に、導光板取付部322を接着する(
図9参照。第1取付工程)。同様に、製造者は、導光板22の前面の上辺部及び左右両辺部夫々に対しても、スペーサ32の導光板取付部322を接着する。
このとき、導光板22の前面には光学シート群21が配置されていないので、各スペーサ32を容易且つ確実に導光板22に取り付けることができる。
【0060】
次に、製造者は、光学シート群21を導光板22の前面に対面配置して、光学シート群21の上辺部を、導光板22夫々の上辺部に接着されているスペーサ32に取り付ける(
図10参照。配置工程)。このとき、光学シート群21の配置位置は、導光板22の四辺部に接着されている4個のスペーサ32,32,…に囲繞された範囲内に限定される。即ち、光学シート群21が位置決めされる。換言すれば、光学シート群21の位置ずれが起こらない。
次いで、製造者は、スペーサ32を所定温度以上に加熱する。この結果、形状記憶合金の性質により、パネル取付部321の姿勢が変更前の姿勢に戻る(
図10参照。復帰工程)。
【0061】
次に、製造者は、4個のスペーサ32,32,…のパネル取付部321,321,…夫々の前面に接着剤を塗布し、表示パネル11の後面の四辺部に接着する(
図11参照。第2取付工程)。
以上の結果、導光板22はスペーサ32,32,…を介して表示パネル11を支持し、また、光学シート群21を支持する。
本実施の形態の表示装置1は、実施の形態1の表示装置1と同様の作用効果を奏する。
【0062】
実施の形態 3.
図12は、本発明の実施の形態3に係る表示装置1が備えるスペーサ31の変形を説明するための側面図である。
図13は、表示装置1の製造方法を説明するための側面図である。
図12及び
図13は、実施の形態1の
図2及び
図3に対応する。
本実施の形態の表示装置1は、実施の形態1の表示装置1と略同様の構成である。以下では、実施の形態1との差異について説明し、その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
【0063】
製造者は、形状記憶合金を用いてスペーサ31を形成する(形成工程。
図12に示す向かって左側のスペーサ31参照)。
この後、スペーサ31は所定温度未満に冷却される。
次に、製造者は、スペーサ31に外力を加えることによって、導光板取付部312に対するパネル取付部311及び連結部313の姿勢を変更する(変更工程。
図12に示す向かって右側のスペーサ31参照)。具体的には、パネル取付部311及び連結部313を、導光板取付部312に接近する方向に傾斜させる。このとき、スペーサ31は断面V字状になり、パネル取付部311の後面と連結部313の上面とが面一の傾斜面になる。
【0064】
次いで、製造者は、スペーサ31の導光板取付部312の後面に接着剤を塗布し、導光板22の前面の下辺部に、導光板取付部312を接着する(
図13参照。第1取付工程)。同様に、製造者は、導光板22の前面の上辺部及び左右両辺部夫々に対しても、スペーサ31の導光板取付部312を接着する。
【0065】
次に、製造者は、光学シート群21を導光板22の前面に対面配置して、光学シート群21の上辺部を導光板22の上辺部に貼り付ける(
図13参照。配置工程)。このとき、4個のスペーサ31,31,…によって光学シート群21が位置決めされる。しかも、スペーサ31,31,…のパネル取付部311及び連結部313は、光学シート群21の配置位置から離隔するように傾斜しているので、実施の形態1の場合よりも更に、スペーサ31,31,…が光学シート群21の配置作業を阻害する可能性が低い。
次いで、製造者は、復帰工程及び第2取付工程を行なう(
図4及び
図5参照。復帰工程)。
本実施の形態の表示装置1は、実施の形態1の表示装置1と同様の作用効果を奏する。
【0066】
実施の形態 4.
図14は、本発明の実施の形態4に係る表示装置1が備えるスペーサ33の変形を説明するための側面図である。
図14は実施の形態1の
図2に対応する。
本実施の形態の表示装置1は、実施の形態1の表示装置1と略同様の構成である。以下では、実施の形態1との差異について説明し、その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
【0067】
表示装置1は、実施の形態1の4個のスペーサ31,31,…に替えて、4個のスペーサ33,33,…を備えている。
スペーサ33,33,…は互いに同様の構成であり、表示パネル11及び導光板22夫々の上辺部、下辺部、及び左右両辺部に一対一対応である。スペーサ33,33,…が表示パネル11の後面の周縁部と導光板22の前面の周縁部との間に介在することによって、表示パネル11と導光板22との間の空隙が形成される。
以下では、表示パネル11及び導光板22夫々の下辺部に対応するスペーサ33(
図14に示す向かって左側のスペーサ33参照)について説明する。
【0068】
スペーサ33は形状記憶合金を用いてなる。スペーサ33は、実施の形態1のスペーサ31のパネル取付部311、導光板取付部312、及び連結部313に対応するパネル取付部331、導光板取付部332、及び連結部333を一体に有する。パネル取付部331の上下方向の長さは、導光板取付部332の上下方向の長さよりも長い。
【0069】
連結部333は、左右方向に細長く、パネル取付部331及び導光板取付部332夫々に鋭角的に交差する傾斜姿勢の矩形平板状である。連結部333は、パネル取付部331の下辺部と導光板取付部332の上辺部とを一体に連結している。換言すれば、パネル取付部331及び導光板取付部332は、連結部333の前辺部及び後辺部から背反方向に突出している。つまり、スペーサ33は、平板部材をZ字状に屈曲させたような屈曲板材である。
パネル取付部331の後面は、光学シート群21の前面の下辺部に対面配置されている。
【0070】
スペーサ33は、実施の形態1のスペーサ31と同様に使用される。
ただし、変更工程における製造者は、スペーサ33に外力を加えることによって、導光板取付部332に対するパネル取付部331の姿勢を変更する(
図14に示す向かって右側のスペーサ33参照)。具体的には、パネル取付部331の姿勢を連結部333同様の傾斜姿勢にする。このとき、スペーサ33は断面V字状になり、パネル取付部331の後面と連結部333の上面とが面一になる。
本実施の形態の表示装置1は、実施の形態1の表示装置1と同様の作用効果を奏する。
【0071】
実施の形態 5.
図15は、本発明の実施の形態5に係る表示装置1が備えるスペーサ34の変形を説明するための側面図である。
図15は実施の形態1の
図2に対応する。
本実施の形態の表示装置1は、実施の形態1の表示装置1と略同様の構成である。以下では、実施の形態1との差異について説明し、その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
【0072】
表示装置1は、実施の形態1の4個のスペーサ31,31,…に替えて、4個のスペーサ34,34,…を備えている。
スペーサ34,34,…は互いに同様の構成であり、表示パネル11及び導光板22夫々の上辺部、下辺部、及び左右両辺部に一対一対応である。スペーサ34,34,…が表示パネル11の後面の周縁部と導光板22の前面の周縁部との間に介在することによって、表示パネル11と導光板22との間の空隙が形成される。
以下では、表示パネル11及び導光板22夫々の下辺部に対応するスペーサ34(
図15に示す向かって左側のスペーサ34参照)について説明する。
【0073】
スペーサ34は形状記憶合金を用いてなる。スペーサ34は、実施の形態1のスペーサ31のパネル取付部311、導光板取付部312、及び連結部313に対応するパネル取付部341、導光板取付部342、及び連結部343を一体に有する。
ただし、連結部343は、パネル取付部341及び導光板取付部342夫々に鈍角的に交差する傾斜姿勢である。
パネル取付部341の後面は、光学シート群21の前面の下辺部に対面配置されている。
【0074】
スペーサ34は、実施の形態1のスペーサ31と同様に使用される。
ただし、変更工程における製造者は、スペーサ34及び連結部343に外力を加えることによって、導光板取付部342に対するパネル取付部341及び連結部343の姿勢を変更する(変更工程。
図15に示す向かって右側のスペーサ34参照)。具体的には、パネル取付部341及び連結部343夫々の姿勢を横姿勢にする。このとき、スペーサ34は断面L字状になり、パネル取付部341の後面と連結部343の上面とが面一になる。
本実施の形態の表示装置1は、実施の形態1の表示装置1と同様の作用効果を奏する。
【0075】
実施の形態1〜5のスペーサ31〜34は断面形状が変形Z字状、コ字状、又はZ字状の屈曲板材であるが、これに限定されず、例えば断面形状がU字状の屈曲板材でもよく、断面形状がH字状の部材でもよい。
【0076】
実施の形態 6.
図16〜
図18は、本発明の実施の形態6に係る表示装置1の製造方法を説明するための側面図である。
図16〜
図18は実施の形態1の
図3〜
図5に対応するが、反射シート23は省略せずに図示してある。
本実施の形態の表示装置1は、実施の形態2の表示装置1と略同様の構成である。以下では、実施の形態2との差異について説明し、その他、実施の形態2に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
【0077】
表示装置1は、実施の形態1の4個のスペーサ31,31,…に替えて、実施の形態2のスペーサ32と、3個のスペーサ35,35,…とを備えている。
スペーサ32は、表示パネル11及び導光板22夫々の下辺部に対応している。スペーサ35,35,…は互いに同様の構成であり、表示パネル11及び導光板22夫々の上辺部及び左右両辺部に一対一対応である。スペーサ32とスペーサ35,35,…とが表示パネル11の後面の周縁部と導光板22の前面の周縁部との間に介在することによって、表示パネル11と導光板22との間の空隙が形成される。
以下では、表示パネル11及び導光板22夫々の上辺部に対応するスペーサ35について説明する。
【0078】
スペーサ35は形状記憶合金を用いてなる。スペーサ35は、実施の形態2のスペーサ32のパネル取付部321、導光板取付部322、及び連結部323に対応するパネル取付部351、導光板取付部352、及び連結部353を一体に有する。
パネル取付部351は、表示パネル11に沿って表示パネル11の後面の周縁部に取り付けられている。導光板取付部352は、導光板22に沿って導光板22の後面の周縁部に反射シート23を介して取り付けられている。
具体的には、パネル取付部351及び導光板取付部352夫々は、左右方向に細長い縦姿勢の矩形平板状である。パネル取付部351の前面は、表示パネル11の後面の上辺部に接着してある。導光板取付部352の前面は、反射シート23の後面の上辺部に接着してあり、導光板取付部352の後面は、BLシャーシ24に接着してある。
【0079】
連結部353は、左右方向に細長く、パネル取付部351及び導光板取付部352夫々に直交する横姿勢の矩形平板状である。連結部353は、パネル取付部351及び導光板取付部352夫々の上辺部を一体に連結している。換言すれば、パネル取付部351及び導光板取付部352は、連結部353の前辺部及び後辺部から同一方向に直角に突出している。
つまり、スペーサ35は、平板部材をコ字状に屈曲させたような屈曲板材である。
【0080】
パネル取付部351の後面は、光学シート群21の前面の上辺部に対面配置されている。
連結部353の下面は、導光板22の上端面及び反射シート23の上端部を覆う。故に、導光板22の上端面から導光板22の外部への漏光が抑制される。
【0081】
表示パネル11及び導光板22夫々の下辺部に対応するスペーサがスペーサ32であってスペーサ35でない理由は、表示パネル11及び導光板22夫々の下辺部に対応してスペーサ35を配置すると、光源25が発した光が導光板22の下端面に入射できなくなるからである。
なお、3個のスペーサ35によって十分に表示パネル11及び導光板22を支持できるのであれば、スペーサ32は不要である。また、スペーサ32に替えて、スペーサ31,33,34の何れかが備えられていてもよい。
【0082】
次に、表示装置1を製造する手順を説明する。ただし、スペーサ32の取り付け手順は実施の形態2と同様であるので、説明を省略する。
製造者は、形状記憶合金を用いてスペーサ35を形成する(形成工程。
図17又は
図18に示すスペーサ35参照)。
この後、スペーサ3
5は所定温度未満に冷却される。
【0083】
次に、製造者は、スペーサ35に外力を加えることによって、導光板取付部352に対するパネル取付部351の姿勢を変更する(変更工程。
図16に示すスペーサ35参照)。具体的には、パネル取付部351の姿勢を連結部353同様の横姿勢にする。このとき、スペーサ35は断面L字状になり、パネル取付部351の後面と連結部353の下面とが面一になる。
【0084】
次いで、製造者は、スペーサ35の導光板取付部352の後面に接着剤を塗布し、BLシャーシ24に導光板取付部352を接着する(この工程は不図示)。
次に、製造者は、スペーサ35の導光板取付部352の前面に接着剤を塗布し、反射シート23の後面の上辺部を、導光板取付部352に接着し、BLシャーシ24に取り付ける(
図16参照。第1取付工程)。同様に、製造者は、反射シート23の後面の左右両辺部夫々に対しても、スペーサ35の導光板取付部352の接着とBLシャーシ24の取り付けとを行なう。
次いで、製造者は、導光板22を反射シート23及びBLシャーシ24に取り付ける(
図16参照)。
【0085】
次に、製造者は、光学シート群21を導光板22の前面に対面配置して、光学シート群21の上辺部を導光板22の上辺部に貼り付ける(
図16参照。配置工程)。このとき、スペーサ32及びスペーサ35,35,…によって光学シート群21が位置決めされる。
次いで、製造者は、スペーサ35を所定温度以上に加熱する。この結果、形状記憶合金の性質により、パネル取付部351の姿勢が変更前の姿勢に戻る(
図17参照。復帰工程)。
【0086】
次に、製造者は、スペーサ35,35,…のパネル取付部351,351,…夫々の前面に接着剤を塗布し、表示パネル11の後面の上辺部及び左右両辺部に接着する(
図18参照。第2取付工程)。
本実施の形態の表示装置1は、実施の形態2の表示装置1と同様の作用効果を奏する。
【0087】
実施の形態 7.
図19は、本発明の実施の形態7に係る表示装置1が備えるスペーサ36の変形を説明するための側面図である。
図20〜
図22は、表示装置1の製造方法を説明するための側面図である。
図19〜
図22は、実施の形態1の
図2〜
図5に対応する。
本実施の形態の表示装置1は、実施の形態1の表示装置1と略同様の構成である。以下では、実施の形態1との差異について説明し、その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
【0088】
表示装置1は、実施の形態1の4個のスペーサ31,31,…に替えて、4個のスペーサ36,36,…を備えている。
スペーサ36,36,…は互いに同様の構成であり、表示パネル11及び導光板22夫々の上辺部、下辺部、及び左右両辺部に一対一対応である。スペーサ36,36,…が表示パネル11の後面の周縁部と導光板22の前面の周縁部との間に介在することによって、表示パネル11と導光板22との間の空隙が形成される。
以下では、表示パネル11及び導光板22夫々の下辺部に対応するスペーサ36について説明する。
【0089】
スペーサ36は形状記憶合金を用いてなる。スペーサ36は、パネル取付部361及び導光板取付部362を一体に有する。
パネル取付部361は、表示パネル11に沿って表示パネル11の後面の周縁部に取り付けられている。具体的には、パネル取付部361は、左右方向に細長い縦姿勢の矩形平板状である。パネル取付部361の前面は、表示パネル11の後面の下辺部に接着してある。
パネル取付部361の後面は、光学シート群21の前面の下辺部に対面配置されている。
【0090】
導光板取付部362は、表示パネル11の後面及び導光板22の前面夫々の周縁部に取り付けられている。具体的には、導光板取付部362は矩形ブロック状であり、各平面状の前面36a及び後面36bを有する。前面36aは、パネル取付部361の
前面に隣接しており、表示パネル11の後面の下辺部に接着剤を介して接触している。後面36bは、導光板22の前面の下辺部に接着剤を介して接触している。即ち、前面36a及び後面36bは本発明の実施の形態におけるパネル接触面及び導光板接触面として機能する。
【0091】
導光板取付部362には、前面36aとパネル取付部361の前面とが面一になり、導光板取付部362の上面とパネル取付部361の後面とが直交する姿勢でパネル取付部361が
上向きに突設されている。
なお、パネル取付部361の前面による接触面積が十分に広いのであれば、前面36aは表示パネル11に接着されていなくてもよい。
【0092】
次に、表示装置1を製造する手順を説明する。
製造者は、形状記憶合金を用いてスペーサ36を形成する(形成工程。
図19に示す向かって左側のスペーサ36参照)。
この後、スペーサ3
6は所定温度未満に冷却される。
【0093】
次に、製造者は、スペーサ36に外力を加えることによって、導光板取付部362に対するパネル取付部361の姿勢を変更する(変更工程。
図19に示す向かって右側のスペーサ36参照)。具体的には、パネル取付部361を前側に倒してパネル取付部361の姿勢を横姿勢にする。このとき、導光板取付部362の上面とパネル取付部361の後面とが面一になり、前面36aとパネル取付部361の前面とが直交する。
【0094】
次いで、製造者は、スペーサ36の導光板取付部362の後面36bに接着剤を塗布し、導光板22の前面の下辺部に、導光板取付部362を接着する(
図20参照。第1取付工程)。接着時のスペーサ36の向きは、面一になった導光板取付部362の上面とパネル取付部361の後面とが上向きになる向きである。
同様に、製造者は、導光板22の前面の上辺部及び左右両辺部夫々に対しても、スペーサ36の導光板取付部362を接着する。
このとき、導光板22の前面には光学シート群21が配置されていないので、各スペーサ36を容易且つ確実に導光板22に取り付けることができる。
【0095】
次に、製造者は、光学シート群21を導光板22の前面に対面配置して、光学シート群21の上辺部を導光板22の上辺部に貼り付ける(
図20参照。配置工程)。このとき、光学シート群21の配置位置は、スペーサ36によって規定される(具体的には、導光板22の四辺部に接着されている4個のスペーサ36,36,…に囲繞された範囲内に限定される)。即ち、光学シート群21が位置決めされる。換言すれば、光学シート群21の位置ずれが起こらない。
次いで、製造者は、スペーサ36を所定温度以上に加熱する。この結果、形状記憶合金の性質により、パネル取付部361の姿勢が変更前の姿勢に戻る(
図21参照。復帰工程)。
【0096】
次に、製造者は、4個のスペーサ36,36,…のパネル取付部361,361,…夫々の前面と導光板取付部362,362,…の前面36a,36a,…とに接着剤を塗布し、表示パネル11の後面の四辺部に接着する(
図22参照。第2取付工程)。
以上の結果、導光板22はスペーサ36,36,…を介して表示パネル11を支持し、また、光学シート群21を支持する。
【0097】
以上のような表示装置1が備えるスペーサ36は、スペーサ36のパネル取付部361の前面と導光板取付部362の前面36aとが表示パネル11に接着されている。故に、前面36aが表示パネル11に接触していない場合に比べて、パネル取付部361及び導光板取付部362による表示パネル11の確実な支持が期待される。また、パネル取付部361の前面のみが接着されている場合に比べて、スペーサ36の表示パネル11からの剥離が生じ難い。
【0098】
しかも、表示パネル11と導光板22との間に導光板取付部362が介在しているので、表示パネル11と導光板22との間に板状のものが介在している場合に比べて、無用な外力(特に、導光板取付部362に対する、表示パネル11と導光板22とを接近させる方向の圧縮力)が加えられたときであっても、スペーサ36が無用に変形する可能性が低い。即ち、スペーサ36の信頼性は高い。
実施の形態1〜5のスペーサ31〜34及び実施の形態7のスペーサ36は、表示パネル11及び導光板22夫々の4辺部に配される構成に限定されず、何れか2辺部又は3辺部に配される構成でもよい。
【0099】
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、請求の範囲と均等の意味及び請求の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
また、本発明の効果がある限りにおいて、表示装置1に、実施の形態1〜7に開示されていない構成要素が含まれていてもよい。
各実施の形態に開示されている構成要件(技術的特徴)はお互いに組み合わせ可能であり、組み合わせによって新しい技術的特徴を形成することができる。