特許第6191002号(P6191002)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6191002
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】遊技機の可動装飾装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20170828BHJP
【FI】
   A63F7/02 304D
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-240722(P2013-240722)
(22)【出願日】2013年11月21日
(65)【公開番号】特開2015-100385(P2015-100385A)
(43)【公開日】2015年6月4日
【審査請求日】2016年9月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000148287
【氏名又は名称】株式会社浅間製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100085523
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 文夫
(74)【代理人】
【識別番号】100078101
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 達雄
(74)【代理人】
【識別番号】100154461
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 由布
(72)【発明者】
【氏名】杉田 義守
【審査官】 下村 輝秋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−214011(JP,A)
【文献】 特開2012−157414(JP,A)
【文献】 特開昭63−110936(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F7/02
A63H1/00−37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1太陽ギアを備え、遊技機に固定されたベース部と、
該ベース部の前面側に位置し、前記第1太陽ギアの中心を貫通する回転軸により回転される回転体と、
該回転体の前面側に位置し、回転体の回転中心線上に回動自在に軸支された意匠部と、を備え、
該意匠部には前記第1太陽ギアと同軸で同一歯数の第2太陽ギアを固設し、
また前記回転体には、前記第1太陽ギアと噛合する第1遊星ギアと、これと同一歯数であって前記第2太陽ギアと噛合する第2遊星ギアとを軸支し、
前記回転体を回転させても前記意匠部を非回転としたことを特徴とする遊技機の可動装飾装置。
【請求項2】
前記回転体の後面側に前記第1遊星ギアを緩挿し、前記回転体の前面側に前記第2遊星ギアを位置させるとともに、前記第1遊星ギアと前記第2遊星ギアとを、同一の回転軸部を介して前記回転体に取付けたことを特徴とする請求項1記載の遊技機の可動装飾装置。
【請求項3】
前記ベース部は、モータと、
該モータの駆動力を伝導するモータギアと、
該モータギアと噛合するとともに、前記第1太陽ギアの中心に形成された貫通口を挿通する突起部を備え、該突起部に前記回転体が固定されるハブギアと、
前記回転体に設けられた電気、電子部品への給電を行うスリップリング構造を備えた給電装置と、をその内部に備え、
前記ハブギアの後面側には、前記給電装置の回転軸部を取付けたことを特徴とする請求項1記載の遊技機の可動装飾装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光体等の電気、電子部品が搭載された回転体を持つ遊技機の可動装飾装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機には、興趣を高めるために様々な可動装飾装置が取付けられており、例えば特許文献1のような発光体を備えた回転体がある。前記発光体に給電を行う際には、回転体に対して同心円状に配置された環状の電路に、ブラシを接触させることによって電力や信号等を伝達することを可能としたスリップリングが利用される。
【0003】
しかしながら、スリップリングの回転軸部は、回転体の回転中心線上に位置することから、例えば回転体の前面側の回転中心線上に、メーカのロゴ等の意匠部を遊技者が視認できるよう固定しようとしても、この意匠部を支持する土台がないため固定することができない問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−224436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は前記した従来の問題点を解決し、回転体の前面側に、意匠部を遊技者が視認できるよう、回転させることなく固定することができる遊技機の可動装飾装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた本発明は、第1太陽ギアを備え、遊技機に固定されたベース部と、該ベース部の前面側に位置し、前記第1太陽ギアの中心を貫通する回転軸により回転される回転体と、該回転体の前面側に位置し、回転体の回転中心線上に回動自在に軸支された意匠部と、を備え、該意匠部には前記第1太陽ギアと同軸で同一歯数の第2太陽ギアを固設し、また前記回転体には、前記第1太陽ギアと噛合する第1遊星ギアと、これと同一歯数であって前記第2太陽ギアと噛合する第2遊星ギアとを軸支し、前記回転体を回転させても前記意匠部を非回転としたことを特徴とするものである。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の遊技機の可動装飾装置において、前記回転体の後面側に前記第1遊星ギアを緩挿し、前記回転体の前面側に前記第2遊星ギアを位置させるとともに、前記第1遊星ギアと前記第2遊星ギアとを、同一の回転軸部を介して前記回転体に取付けたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の遊技機の可動装飾装置において、前記ベース部は、モータと、該モータの駆動力を伝導するモータギアと、該モータギアと噛合するとともに、前記第1太陽ギアの中心に形成された貫通口を挿通する突起部を備え、該突起部に前記回転体が固定されるハブギアと、前記回転体に設けられた電気、電子部品への給電を行うスリップリング構造を備えた給電装置と、をその内部に備え、前記ハブギアの後面側には、前記給電装置の回転軸部を取付けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る遊技機の可動装飾装置は、第1太陽ギアを備え、遊技機に固定されたベース部と、このベース部の前面側に位置し、第1太陽ギアの中心を貫通する回転軸により回転される回転体と、この回転体の前面側に位置し、回転体の回転中心線上に回動自在に軸支された意匠部と、を備え、この意匠部には第1太陽ギアと同軸で同一歯数の第2太陽ギアを固設し、また回転体には、第1太陽ギアと噛合する第1遊星ギアと、これと同一歯数であって第2太陽ギアと噛合する第2遊星ギアとを軸支し、回転体を回転させても意匠部を非回転とした。これによって、意匠部は静止して遊技者から視認されることから、意匠部を遊技者から見て回転させることなく回転体の前面側に固定させることが可能となり、また演出の幅も広がる。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の遊技機の可動装飾装置において、ベース部の内部には、モータと、このモータの駆動力を伝導するモータギアと、このモータギアと噛合するとともに、第1太陽ギアの中心に形成された貫通口を挿通する突起部を備え、この突起部に回転体が固定されるハブギアと、回転体に設けられた電気、電子部品への給電を行うスリップリング構造を備えた給電装置と、を備え、ハブギアの後面側には、給電装置の回転軸部を取付けた。これにより、回転体が回転する間も、回転体に搭載された電気、電子部品への給電を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態の前面側を示す分解斜視図である。
図2】本実施形態の後面側を示す分解斜視図である。
図3】本実施形態を示す断面斜視図である。
図4】本実施形態を示す斜視図である。
図5】本実施形態を示す上面図である。
図6】本実施形態の前面側の要部を示す斜視図である。
図7】本実施形態の後面側の要部を示す斜視図である。
図8】本実施形態の要部を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明の好ましい実施形態を示す。図示しない遊技機の遊技盤には、図1及び図2に示すベース部1が固定される。ベース部1は、遊技盤に取付けられるベース部本体2と、その前面側に固定されるベース部カバー3とからなるものである。ベース部本体2の内部には、モータ4が取付けられるとともに、このモータ4の駆動力を伝導するモータギア5が設けられる。そして、このモータギア5と噛合する係合部を備えたハブギア6は、ベース部1の内部でモータギア5と噛合するとともに、その前面側に延設された突起部7が、ベース部カバー3の中心に形成された貫通口8を挿通している。さらに、ハブギア6の前面側に位置する回転体9は、前記突起部7に固定されるため、ハブギア6と同軸(すなわち図3のA軸)で回転する。
【0013】
ベース部カバー3の貫通口8の前面側の外周には、第1太陽ギア10が形成されている。また、この第1太陽ギア10と噛合する第1遊星ギア11が、前記回転体9の後面側に緩挿されている。さらに、回転体9の前面側には、第1遊星11ギアと同一歯数であり、また第1遊星ギア11と回転軸部12を介して取付けられた第2遊星ギア13が設けられている。なお、本実施形態においては、第1遊星ギア11と第2遊星ギア13とを同軸(すなわち図3のB軸)としたが、両者の歯数が同一であれば、これに限定されるものではい。
【0014】
回転体9の前面側においては、メーカのロゴ等が取付けられる意匠部14に形成された回転軸部15が、回転体9の回転中心線上に軸支されている。意匠部14には、図2に示すように、その後面側のうち回転軸部15を中心とした同心円上に、第2太陽ギア16が形成されおり、前記した第2遊星ギア13と噛合している。このとき、意匠部14に形成された第2太陽ギア16と、ベース部カバー3に形成された第1太陽ギア10との歯数は同一である。したがって、図3に示すように、ハブギア6と、回転体9と、意匠部14とは、A軸上に各々の回転中心が位置するものである。
【0015】
以上の構成により、モータ4が駆動すると、これに連動してモータギア5が回転し、このモータギア5に噛合したハブギア6が、A軸を中心に回転する。したがって、回転体9もA軸を中心として回転する。ここで、第1太陽ギア10が形成されたベース部カバー3は遊技盤に固定されていることから、回転体9が回転することにより、回転体9のB軸線上に緩挿された第1遊星ギア11は、B軸を中心として自転をしながら、A軸を中心として公転することとなる。さらに、この第1遊星ギア11と回転軸部12を介して取付けられた第2遊星ギア13も、同様にB軸を中心として自転をしながら、A軸を中心として公転する。また意匠部14は、前記第2遊星ギア13と噛合する第2太陽ギア16を備えており、さらに、第1太陽ギア10の歯数と第2太陽ギア16との歯数が同一であり、かつ第1遊星ギア11の歯数と第2遊星ギア13との歯数が同一であることから、前記意匠部14は非回転となる。すなわち、回転体9を回転させても意匠部14は静止して遊技者から視認されることから、意匠部14を遊技者から見て回転させることなく回転体9の前面側に固定させることが可能となると同時に、演出の幅も広げることが可能となる。
【0016】
なお、本実施形態においては、第1太陽ギア10と第1遊星ギア11とを同一歯数とし、また第2太陽ギア16と第2遊星ギア13とを同一歯数としたが、これに限定されるものではない。
【0017】
回転体9の左右両方向に延設されたブレード17の前面側には、電気、電子部品である発光素子18が一直線上に複数設けられており、本実施形態においては、回転体9の回転に伴い文字や数字等が残像として表示されるバーサライタとしたが、これに限定されるものではない。前記発光素子18には給電を行う必要があり、その給電方法としてスリップリングを用いる構造とした。スリップリングは、ベース部本体2の内部に取付けられた給電装置19内に設けられており、回転するスリップリングに図示しないブラシが接触することによって給電が行われるものである。給電装置19の回転軸部20は、図3のA軸線上に位置し、またこの回転軸部20はハブギア6の後面側に固定されるものとした。このような構成によって、回転体9が回転する間も、回転体9に設けられた発光素子18に常時給電を行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0018】
1 ベース部
2 ベース部本体
3 ベース部カバー
4 モータ
5 モータギア
6 ハブギア
7 突起部
8 貫通口
9 回転体
10 第1太陽ギア
11 第1遊星ギア
12 回転軸部
13 第2遊星ギア
14 意匠部
15 回転軸部
16 第2太陽ギア
17 ブレード
18 発光素子
19 給電装置
20 回転軸部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8