【実施例】
【0036】
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。下記実施例及び比較例において、試験シートの減臭効果、視認効果、及び遮熱効果は下記の試験方法により測定し、評価した。
1)減臭効果
a)容積5LのTedlar(登録商標)バッグに10cm×10cmサイズの試験シート
を入れ、濃度10ppmに調整したアンモニアガスを3L注入し、0.5時間後と1
時間後のガス濃度を検知管で測定した。
b)容積5LのTedlar(登録商標)バッグに10cm×10cmサイズの試験シート
を入れ、濃度10ppmに調整したメチルメルカプタンガスを3L注入し、0.5時
間後と1時間後のガス濃度を検知管で測定した。
c)容積5LのTedlar(登録商標)バッグに10cm×10cmサイズの試験シート
を入れ、濃度10ppmに調整したホルムアルデヒドガスを3L注入し、0.5時間
後と1時間後のガス濃度を検知管で測定した。
2)視認効果
2−1)試験シートをマンションの2階居住部(地上3〜6m:室内照明OFF)に張囲し、試験シートの表面側が正午の太陽光(埼玉県草加市6月)で正面照射された状態で、住居部ベランダに大人1〜5人(マンセル明度6、マンセル彩度6のグレー色の作業着着用)が歩き回り、これを太陽を背にした観察者が25m離れた位置から目視確認した人数を、観察者5人に対して実施した結果を表した。
1:人数が正しく識別された。
2:人の存在は認識されたが、人数が正しく識別されなかった。
3:人の存在が識別されず、カウントなし。
3)熱線反射効果
表面を南方向に向けて屋外垂直設置したメッシュシート(埼玉県草加市6月)に正午〜13時の太陽光が直射された環境(晴天:気温28℃)でのメッシュシートの表面温度を放射温度計で測定した。また室内でASTM D4803−97法による250W赤外線ランプ照射による昇温曲線を30分間測定し、30分後の温度を求めた。
4)遮熱効果
幅100cm×高さ100cm×奥ゆき100cmの立方体の骨組みをアルミ製L型アングル(幅35mm)で組み立て、立方体骨組の底面を除く全面にメッシュシートを貼付固定し試験箱体を作製した。この試験箱体を正午〜13時の太陽光が直射された環境(埼玉県草加市6月:晴天:気温28℃)での試験箱体内部温度を温度センサー(試験箱体内部中心に温度センサーを50cm高さで宙吊り固定)で測定した。
5)マンセル表色系
JIS Z8721「色の表示方法-三属性による表示」に準拠した「修正マンセル表色系」を使用した。
【0037】
[実施例1]
1)ポリエステルのマルチフィラメント糸条250d(278dtex:円弧状断面)を経緯糸条として、経糸条26本/インチ、緯糸条28本/インチの打ち込みで製織した粗目平織物(質量60g/m
2:空隙率30%)を基布に用いた。〈基布1〉
2)次に粗目織物を被覆する表面側熱可塑性樹脂層用、及び裏面側熱可塑性樹脂層用に下記配合1の軟質ポリ塩化ビニル樹脂ゾルを配合調整した。
<配合1;軟質ポリ塩化ビニル樹脂ゾル組成>
ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 65質量部
エポキシ化大豆油 2質量部
Ba−Zn系複合安定剤 1.5質量部
炭酸カルシウム(充填材) 15質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 10質量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 0.3質量部
鉄−クロム−コバルト複合酸化物(近赤外線反射性:黒色系) 5質量部
酸化チタン光触媒粒子(臭気分子不活性化粒子) 3質量部
白竹炭(臭気分子不活性化粒子) 10質量部
鉄電気石:NaFe
3Al
6(BO
3)
3Si
6O
18(OH)
4(臭気分子不活性化粒子)
5質量部
3)配合1の軟質ポリ塩化ビニル樹脂ゾルの液浴中に粗目織物を浸漬し、マングルロールで圧搾して余分なゾルを除いた後180℃の熱風炉でゲル化処理して熱可塑性樹脂被覆層を形成し両面が黒色で、かつ両面の熱可塑性樹脂被覆層に近赤外線反射性金属複合酸化物を2.3質量%及び臭気分子不活性化粒子を8.3質量%含有する質量130g/m
2の養生2類メッシュシートを得た。両面の被覆層の付着量合計は70g/m
2、メッシュシートの空隙率は29%、1インチ四方の全表面積は1118mm
2、表面側熱可塑性樹脂層(黒)及び裏面側熱可塑性樹脂層(黒)のマンセル明度2であった。
【0038】
[実施例2]
実施例1で用いた基布1を下記基布2に変更した以外は実施例1と同様にして、配合1による表面側及び裏面側熱可塑性樹脂被覆層を設け、両面が黒色で、かつ両面の熱可塑性樹脂被覆層に近赤外線反射性金属複合酸化物を2.3質量%及び臭気分子不活性化粒子を8.3質量%含有する質量170g/m
2の養生2類メッシュシートを得た。両面の被覆層の付着量合計は70g/m
2、メッシュシートの空隙率は42%、1インチ四方の全表面積は1150mm
2、表面側熱可塑性樹脂層(黒)及び裏面側熱可塑性樹脂層(黒)のマンセル明度2であった。 〈基布2〉
ポリエステルのマルチフィラメント糸条500d(555dtex:円弧状断面)を経緯糸条として、経糸条19本/インチ、緯糸条20本/インチの打ち込みで製織した粗目平織物(質量70g/m
2:空隙率43%)
【0039】
[実施例3]
実施例1で用いた基布1を下記基布3に変更した以外は実施例1と同様にして、配合1による表面側及び裏面側熱可塑性樹脂被覆層を設け、両面が黒色で、かつ両面の熱可塑性樹脂被覆層に近赤外線反射性金属複合酸化物を2.3質量%及び臭気分子不活性化粒子を8.3質量%含有する質量455g/m
2の養生1類メッシュシートを得た。両面の被覆層の付着量合計は230g/m
2、メッシュシートの空隙率は30%、1インチ四方の全表面積は1205mm
2、表面側熱可塑性樹脂層(黒)及び裏面側熱可塑性樹脂層(黒)のマンセル明度2であった。 〈基布3〉
ポリエステルのマルチフィラメント糸条2000d(2222dtex:円弧状断面)を経緯糸条として、経糸条13本/インチ、緯糸条13本/インチの打ち込みで製織した粗目平織物(質量225g/m
2:空隙率31%)
【0040】
[実施例4]
実施例1で用いた基布1を下記基布4に変更した以外は実施例1と同様にして、配合1による表面側及び裏面側熱可塑性樹脂被覆層を設け、両面が黒色で、かつ両面の熱可塑性樹脂被覆層に近赤外線反射性金属複合酸化物を2.3質量%及び臭気分子不活性化粒子を8.3質量%含有する質量470g/m
2の養生1類メッシュシートを得た。両面の被覆層の付着量合計は245g/m
2、メッシュシートの空隙率は10%、1インチ四方の全表面積は1362mm
2、表面側熱可塑性樹脂層(黒)及び裏面側熱可塑性樹脂層(黒)のマンセル明度2であった。 〈基布4〉
ポリエステルのマルチフィラメント糸条750d/3本模紗(833dtex/3本模紗:円弧状断面)を経緯糸条として、経糸条11本/インチ、緯糸条11本/インチの打ち込みで製織した粗目模紗織物(質量225g/m
2:空隙率11%)
【0041】
【表1】
【0042】
[実施例5〜8]
実施例1〜4に用いた配合1を下記配合2に変更した以外、各々実施例1〜4と同様にして実施例5〜8のメッシュシートを得た。実施例5〜8のメッシュシートは両面が黒色(マンセル明度2)で、かつ両面の熱可塑性樹脂被覆層に近赤外線反射性金属複合酸化物を2.3質量%及び臭気分子不活性化粒子を8.3質量%含有していた。
<配合2;軟質ポリ塩化ビニル樹脂ゾル組成>
ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 65質量部
エポキシ化大豆油 2質量部
Ba−Zn系複合安定剤 1.5質量部
炭酸カルシウム(充填材) 15質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 10質量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 0.3質量部
銅−クロム−マンガン複合酸化物(近赤外線反射性:黒色系) 5質量部
酸化チタン光触媒粒子(臭気分子不活性化粒子) 3質量部
白竹炭(臭気分子不活性化粒子) 10質量部
鉄電気石:NaFe
3Al
6(BO
3)
3Si
6O
18(OH)
4(臭気分子不活性化粒子)
5質量部
【0043】
【表2】
【0044】
[実施例9〜12]
実施例1〜4に用いた配合1を下記配合3に変更した以外、各々実施例1〜4と同様にして実施例9〜12のメッシュシートを得た。実施例9〜12のメッシュシートは両面が黒色(マンセル明度2)で、かつ両面の熱可塑性樹脂被覆層に近赤外線反射性金属複合酸化物を2.3質量%及び臭気分子不活性化粒子を8.3質量%含有していた。
<配合3;軟質ポリ塩化ビニル樹脂ゾル組成>
ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 65質量部
エポキシ化大豆油 2質量部
Ba−Zn系複合安定剤 1.5質量部
炭酸カルシウム(充填材) 15質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 10質量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 0.3質量部
マンガン−ビスマス複合酸化物(近赤外線反射性:黒色系) 5質量部
酸化チタン光触媒粒子(臭気分子不活性化粒子) 3質量部
白竹炭(臭気分子不活性化粒子) 10質量部
鉄電気石:NaFe
3Al
6(BO
3)
3Si
6O
18(OH)
4(臭気分子不活性化粒子)
5質量部
【0045】
【表3】
【0046】
[
参考例1〜4]
実施例1〜4に用いた配合1を下記配合4に変更した以外、各々実施例1〜4と同様にして
参考例1〜4のメッシュシートを得た。
参考例1〜4のメッシュシートは赤色系近赤外線反射性金属複合酸化物、青色系近赤外線反射性金属複合酸化物、黄色系近赤外線反射性金属複合酸化物の3種による減色混合により着色された、両面が茶褐色(マンセル明度3)で、かつ両面の熱可塑性樹脂被覆層に近赤外線反射性金属複合酸化物を2.3質量%及び臭気分子不活性化粒子を8.3質量%含有していた。
<配合4;軟質ポリ塩化ビニル樹脂ゾル組成>
ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 65質量部
エポキシ化大豆油 2質量部
Ba−Zn系複合安定剤 1.5質量部
炭酸カルシウム(充填材) 15質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 10質量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 0.3質量部
亜鉛−鉄−クロム複合酸化物(近赤外線反射性:赤色系) 1.5質量部
コバルト−アルミニウム−クロム複合酸化物(近赤外線反射性:青色系) 2質量部
クロム−アンチモン−チタン複合酸化物(近赤外線反射性:黄色系) 1.5質量部
酸化チタン光触媒粒子(臭気分子不活性化粒子) 3質量部
白竹炭(臭気分子不活性化粒子) 10質量部
鉄電気石:NaFe
3Al
6(BO
3)
3Si
6O
18(OH)
4(臭気分子不活性化粒子)
5質量部
【0047】
【表4】
【0048】
実施例1〜
12の建築養生メッシュシートは、空隙率10〜45%、(1インチ四方当たりの表面積1000〜1400mm
2を満たすこと)、表面側熱可塑性樹脂層及び裏面側熱可塑性樹脂層とが無機多孔性物質、酸化・還元性物質、及び光触媒性物質からなる3種類の臭気分子不活性化粒子を1〜20質量%(8.3質量%)含み、さらに表面側熱可塑性樹脂層及び裏面側熱可塑性樹脂層とが、近赤外線反射性金属複合酸化物を0.1〜15質量%(2.3質量%)含んで着色されていることによって適度なブラインド効果と視認効果とを有しながら、特に化学物質臭や有機溶剤臭を減少させる減臭効果を有し、また暗色系メッシュシートであっても、特に夏期の太陽熱に伴う工事現場張囲内の温度上昇及び蓄熱を緩和する遮熱効果が得られることが明らかとなった。また臭気分子不活性化粒子が光触媒性物質を含むことにより、特に無機多孔性物質や酸化・還元性物質などと共に光触媒性物質を用いることで、より高く、持続性に優れた減臭効果が得られた。実施例1〜
12の建築養生メッシュシートが太陽光の照射を受け続ける条件では、光触媒性物質が常時活性化し、それによって臭気分子を吸着した無機多孔性物質や、臭気分子が配位した酸化・還元性物質に常時作用し、この作用によって捕捉した臭気分子を効果的に分解したり、分解無臭化していた。そしてこの臭気分子の分解により、無機多孔性物質や酸化・還元性物質などを吸着や配位前の初期状態に戻すことで、新たな臭気分子を捕捉できる状態とし、実施例1〜
12の建築養生メッシュシートが太陽光を浴びている環境では、「臭気分子の吸着・配位」と「臭気分子の分解・分解無臭化」とを連続的に交互に絶え間なく進行していることが明らかとなった。これは曇り日での減臭効果が晴天時の減臭効果に較べて約30%劣っていることの実証から明らかとなった。
【0049】
[比較例1]
実施例1の基布1を下記基布5に変更した以外は実施例1と同様にして、配合1による表面側及び裏面側熱可塑性樹脂被覆層を設け、両面がマンセル明度2の黒色に着色された、質量235g/m
2のメッシュシートを得た。両面の被覆層の付着量合計は105g/m
2、メッシュシートの空隙率は4%、1インチ四方の全表面積は1324mm
2であった。
〈基布5〉
ポリエステルのマルチフィラメント糸条250d(278dtex:円弧状断面)を経緯糸条として、経糸条36本/インチ、緯糸条38本/インチの打ち込みで製織した平織物(質量90g/m
2:空隙率5%)
【0050】
[比較例2]
実施例1の基布1を下記基布6に変更した以外は実施例1と同様にして、配合1による表面側及び裏面側熱可塑性樹脂被覆層を設け、両面がマンセル明度2の黒色に着色された、質量80g/m
2のメッシュシートを得た。両面の被覆層の付着量合計は44g/m
2、メッシュシートの空隙率は59%、1インチ四方の全表面積は666mm
2であった。
〈基布5〉
ポリエステルのマルチフィラメント糸条250d(278dtex:円弧状断面)を経緯糸条として、経糸条12本/インチ、緯糸条12本/インチの打ち込みで製織した平織物(質量36g/m
2:空隙率60%)
【0051】
[比較例3]
実施例1の配合1から、鉄−クロム−コバルト複合酸化物(近赤外線反射性黒色系着色剤)5質量部を省略し、代わりに酸化チタン(白顔料5質量部)を配合した以外は実施例1と同様にして熱可塑性樹脂被覆層を形成し両面が白色(マンセル明度9、及びマンセル彩度0)に着色された、質量130g/m
2のメッシュシートを得た。両面の被覆層の付着量合計は70g/m
2、メッシュシートの空隙率は29%、1インチ四方の全表面積は1118mm
2であった。
【0052】
[比較例4]
実施例1の配合1から、3種類の臭気分子不活性化粒子:可視光応答型光触媒粒子(3質量部)、白竹炭(10質量部)、鉄電気石(5質量部)の配合を省略した以外は実施例1と同様にして熱可塑性樹脂被覆層を形成し、両面がマンセル明度2の黒色に着色された黒色で、かつ両面の熱可塑性樹脂被覆層に臭気分子不活性化粒子を含まない、質量125g/m
2のメッシュシートを得た。両面の被覆層の付着量合計は65g/m
2、メッシュシートの空隙率は29%、1インチ四方の全表面積は1118mm
2であった。
【0053】
[比較例5]
実施例1の配合1から、鉄−クロム−コバルト複合酸化物(近赤外線反射性黒色系着色剤)5質量部を省略し、代わりにカーボンブラック(黒顔料5質量部)を配合した以外は実施例1と同様にして熱可塑性樹脂被覆層を形成し両面が黒色(マンセル明度2)に着色された、質量130g/m
2のメッシュシートを得た。両面の被覆層の付着量合計は70g/m
2、メッシュシートの空隙率は29%、1インチ四方の全表面積は1118mm
2であった。
【0054】
[比較例6]
実施例1の配合1から、鉄−クロム−コバルト複合酸化物(近赤外線反射性黒色系着色剤)5質量部を省略し、代わりにイエロー系色素としてC.I.PY110(2質量部)、マゼンタ系色素としてC.I.PR122(1.5質量部)、シアン系色素としてC.I.PB15:3(1.5質量部)を用い、減色混合した以外は実施例1と同様にして熱可塑性樹脂被覆層を形成し両面が暗褐色(マンセル明度2)に着色された、質量130g/m
2のメッシュシートを得た。両面の被覆層の付着量合計は70g/m
2、メッシュシートの空隙率は29%、1インチ四方の全表面積は1118mm
2であった。
【0055】
[比較例7]
実施例1の配合1の、鉄−クロム−コバルト複合酸化物(近赤外線反射性黒色系着色剤)5質量部を、1質量部に減量した以外は実施例1と同様にして熱可塑性樹脂被覆層を形成し両面が黒色(マンセル明度4)に着色され、両面の熱可塑性樹脂被覆層に近赤外線反射性金属複合酸化物を0.46質量%含有する、質量130g/m
2のメッシュシートを得た。両面の被覆層の付着量合計は70g/m
2、メッシュシートの空隙率は29%、1インチ四方の全表面積は1118mm
2であった。
【0056】
[比較例8]
実施例1の配合1の、酸化チタン光触媒粒子3質量部を0.3質量部に減量、白竹炭10質量部を1質量部に減量、また鉄電気石5質量部を0.5質量部にそれぞれ減量し、臭気分子不活性化粒子の配合量を1/10とした以外は実施例1と同様にして熱可塑性樹脂被覆層を形成し両面が黒色(マンセル明度2)に着色され、両面の熱可塑性樹脂被覆層に臭気分子不活性化粒子を0.89質量%含有する、質量126g/m
2のメッシュシートを得た。両面の被覆層の付着量合計は66g/m
2、メッシュシートの空隙率は29%、1インチ四方の全表面積は1118mm
2であった。
【0057】
【表5】
【0058】
【表6】
【0059】
比較例1のメッシュシートは、空隙率を4%としたことで通気性が悪いものとし、臭気吸着、不活性化させるためのフィルター効果が阻害されて減臭効果が不十分となり、さらに視界や採光性も悪く、作業環境を薄暗いものとした。比較例2のメッシュシートは、空隙率を60%としたことで、臭気吸着、不活性化効果を発現するための表面積が過少となり、十分な減臭効果が発現しないばかりか、臭いが外に漏れ出てしまった。また比較例2のメッシュシートではJIS A8952及び(社)仮設工業会認定基準に規定される性能を満たさないものであった。比較例3のメッシュシートは、近赤外線反射性黒色系着色剤を省略し、代わりに酸化チタンを配合したことで十分な遮熱効果を発現することができず、しかも白の膨張色による眩しさで、メッシュシート空隙部越の作業現場内部の様子が暗く見え難いものとして外からの安全確認が困難となった。比較例4のメッシュシートは、臭気分子不活性化粒子の配合を省略したことで発生臭気の減臭及び拡散防止効果を発現できないものであった。比較例5のメッシュシートは、近赤外線反射性黒色系着色剤の代わりに黒顔料としてカーボンブラックを配合したことで遮熱効果を失い、反対に発熱して蓄熱する作用によって作業環境内部温度を高くする問題を生じた。比較例6のメッシュシートは、近赤外線反射性黒色系着色剤の代わりに有機着色剤の減色混合による暗褐色としたことで遮熱効果を失い、反対に蓄熱作用を生じて作業環境内部温度をやや高いものとした。比較例7のメッシュシートは、近赤外線反射性黒色系着色剤の含有量を1質量%未満としたことで遮熱効果を不十分なものとした。比較例8のメッシュシートは、臭気分子不活性化粒子の含有量を1質量%未満としたことで減臭効果を不十分なものとした。