特許第6191144号(P6191144)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6191144
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1333 20060101AFI20170828BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20170828BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
   G02F1/1333
   G02F1/13357
   G09F9/00 350Z
   G09F9/00 336E
   G09F9/00 304B
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-14956(P2013-14956)
(22)【出願日】2013年1月30日
(65)【公開番号】特開2014-145948(P2014-145948A)
(43)【公開日】2014年8月14日
【審査請求日】2015年12月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】福本 泰之
(72)【発明者】
【氏名】藤川 明弘
(72)【発明者】
【氏名】余川 明
【審査官】 鈴木 俊光
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−317480(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/150883(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/027588(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1333
G02F 1/13357
G09F 9/00
F21S 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
前記表示部の背面側に配置され、前記表示部に背面側から光を照射する光源と、
前記光源が実装された光源基板と、
前記光源基板が取り付けられ、前記光源からの熱を放熱する金属製の放熱部材と、
前記放熱部材が取り付けられ、前記表示部を背面側から保持する金属製の背面側保持部材とを備え、
前記背面側保持部材は、前記放熱部材を位置決めするための位置決め部と、前記位置決め部により位置決めされた前記放熱部材を固定するための固定部とを一体的に含み、
前記背面側保持部材は、前記光源基板が取り付けられる面に凹部を有し、
前記位置決め部は、前記凹部とは異なる位置に配置されており、
前記凹部の背面側に対応する凸部は、前記背面側保持部材の、前記光源基板とは異なる回路基板が取り付けられる領域を囲むように構成されている、表示装置。
【請求項2】
前記位置決め部は、前記放熱部材の側端面に当接する当接部と、前記放熱部材の表面側に形成され、前記光源からの熱に起因して前記放熱部材が表面側に反るのを抑制する反り抑制部とを含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記背面側保持部材は、矩形形状を有し、
前記放熱部材は、矩形形状を有する前記背面側保持部材の1辺の延びる方向に沿って延びるように形成されており、
前記当接部および前記反り抑制部を含む前記位置決め部は、少なくとも前記1辺の延びる方向における前記放熱部材の中央部近傍に対応する前記背面側保持部材の位置に配置されている、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記1辺の延びる方向における前記放熱部材の中央部近傍には、切欠きが形成されており、
前記位置決め部の前記当接部は、前記放熱部材の前記切欠きに対応する部分の内側面に当接するように構成されているとともに、前記位置決め部の反り抑制部は、前記放熱部材の前記切欠きに対応する部分の表面側に形成されている、請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記当接部および前記反り抑制部を含む前記位置決め部は、前記1辺の延びる方向における前記放熱部材の中央部近傍に対応する前記背面側保持部材の位置のみならず、前記1辺の延びる方向における前記放熱部材の両端部近傍に対応する前記背面側保持部材の位置にも配置されている、請求項3または4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記固定部は、前記放熱部材に対して前記位置決め部とは反対側に配置されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記放熱部材は、前記放熱部材の前記位置決め部とは反対側の端部近傍から前記背面側保持部材とは反対側に直立する直立部を含み、
前記固定部は、前記放熱部材の前記直立部に係合するとともに、前記位置決め部により位置決めされた前記放熱部材の前記直立部を前記固定部に対して取り付ける際の取付方向と交差する方向に撓み変形可能なフック部を含む、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記位置決め部および前記固定部は、それぞれ、前記板金製の背面側保持部材が切り起こされることにより、前記板金製の背面側保持部材に一体的に形成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
表示部と、
前記表示部の背面側に配置され、前記表示部に背面側から光を照射する光源と、
前記光源が実装された光源基板と、
前記光源基板が取り付けられ、前記光源からの熱を放熱する板金製の放熱部材と、
前記放熱部材が取り付けられ、前記表示部を背面側から保持する板金製の背面側保持部材とを備え、
前記背面側保持部材は、前記放熱部材を位置決めするための位置決め部と、前記位置決め部により位置決めされた前記放熱部材を固定するための固定部とを一体的に含み、
前記位置決め部および前記固定部は、それぞれ、前記板金製の背面側保持部材が切り起こされることにより、前記板金製の背面側保持部材に一体的に形成されている、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示装置に関し、特に、放熱部材が取り付けられる背面側保持部材を備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、放熱部材が取り付けられる背面側保持部材を備えた表示装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、液晶パネル(表示部)に背面側から光を照射するLEDが実装された光源基板と、LEDからの熱を放熱するベース部材(放熱部材)と、液晶パネルを背面側から保持するバックパネルとを備えた表示装置が開示されている。この表示装置では、ベース部材とバックパネルとは、ボルトとナットとによって互いに締結されることにより位置決めされているとともに固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−198398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示された表示装置では、ベース部材とバックパネルとがボルトとナットとによって互いに締結されることにより位置決めされるとともに固定されているため、ボルトおよびナットの分、部品点数が増加するとともに、ボルトとナットとの締結作業の分、組立工数が増加するという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、部品点数および組立工数を削減することが可能な表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による表示装置は、表示部と、表示部の背面側に配置され、表示部に背面側から光を照射する光源と、光源が実装された光源基板と、光源基板が取り付けられ、光源からの熱を放熱する金属製の放熱部材と、放熱部材が取り付けられ、表示部を背面側から保持する金属製の背面側保持部材とを備え、背面側保持部材は、放熱部材を位置決めするための位置決め部と、位置決め部により位置決めされた放熱部材を固定するための固定部とを一体的に含み、背面側保持部材は、光源基板が取り付けられる面に凹部を有し、位置決め部は、凹部とは異なる位置に配置されており、凹部の背面側に対応する凸部は、背面側保持部材の、光源基板とは異なる回路基板が取り付けられる領域を囲むように構成されている
【0008】
この発明の第1の局面による表示装置では、上記のように、位置決め部および固定部を一体的に含むように金属製の背面側保持部材を構成することによって、放熱部材と背面側保持部材との位置決めおよび固定のためのボルトやナットなどの部品を別途設ける必要がないので、その分、部品点数および組立工数を削減することができる。
【0009】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、位置決め部は、放熱部材の側端面に当接する当接部と、放熱部材の表面側に形成され、光源からの熱に起因して放熱部材が表面側に反るのを抑制する反り抑制部とを含む。このように構成すれば、光源からの熱に起因して放熱部材が反った場合でも、反り抑制部によって放熱部材の反りを抑制しながら、当接部によって容易に放熱部材の位置決めをすることができる。
【0010】
この場合、好ましくは、背面側保持部材は、矩形形状を有し、放熱部材は、矩形形状を有する背面側保持部材の1辺の延びる方向に沿って延びるように形成されており、当接部および反り抑制部を含む位置決め部は、少なくとも1辺の延びる方向における放熱部材の中央部近傍に対応する背面側保持部材の位置に配置されている。このように構成すれば、当接部および反り抑制部を含む位置決め部が、放熱部材の重心が位置し、かつ、反りが発生しやすい部分(中央部近傍)に対応するように配置されるので、放熱部材の反りを効果的に抑制しながら、放熱部材を安定して位置決めすることができる。
【0011】
上記放熱部材が背面側保持部材の1辺の延びる方向に沿って延びるように形成された表示装置において、好ましくは、1辺の延びる方向(長手方向)における放熱部材の中央部近傍には、切欠きが形成されており、位置決め部の当接部は、放熱部材の切欠きに対応する部分の内側面に当接するように構成されているとともに、位置決め部の反り抑制部は、放熱部材の切欠きに対応する部分の表面側に形成されている。このように構成すれば、放熱部材の切欠きが形成されていない部分に対して切欠きの深さ分内側の、より反りが発生しやすい部分(放熱部材の短手方向の中央部側の部分)に対応するように反り抑制部が配置されるので、放熱部材の反りをより効果的に抑制することができる。
【0012】
上記放熱部材が背面側保持部材の1辺の延びる方向に沿って延びるように形成された表示装置において、好ましくは、当接部および反り抑制部を含む位置決め部は、1辺の延びる方向における放熱部材の中央部近傍に対応する背面側保持部材の位置のみならず、1辺の延びる方向における放熱部材の両端部近傍に対応する背面側保持部材の位置にも配置されている。このように構成すれば、当接部および反り抑制部を含む位置決め部が、放熱部材の中央部近傍に加えて、放熱部材の両端部近傍にも対応するように配置されるので、放熱部材の反りをより抑制しながら、放熱部材をより安定して位置決めすることができる。
【0013】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、固定部は、放熱部材に対して位置決め部とは反対側に配置されている。このように構成すれば、固定部と位置決め部とが放熱部材に対して互いに同じ側に配置されている場合と異なり、位置決め部を用いた放熱部材の位置決め作業と、固定部を用いた放熱部材の固定作業とを、放熱部材の一方側と他方側とにおいてそれぞれ別々に行うことができるので、放熱部材の位置決め作業および固定作業を効率的に行うことができる。
【0014】
この場合、好ましくは、放熱部材は、放熱部材の位置決め部とは反対側の端部近傍から背面側保持部材とは反対側に直立する直立部を含み、固定部は、放熱部材の直立部に係合するとともに、位置決め部により位置決めされた放熱部材の直立部を固定部に対して取り付ける際の取付方向と交差する方向に撓み変形可能なフック部を含む。このように構成すれば、放熱部材の直立部に係合するフック部(板金製)によって、放熱部材を背面側保持部材に対して強固に固定することができる。また、放熱部材(直立部)の背面側保持部材(フック部)への取り付け作業の際に、放熱部材が位置決めされた状態であっても、フック部を直立部の取付方向と交差する方向に撓み変形させることができるので、放熱部材の背面側保持部材への取り付け作業がフック部により妨げられるのを抑制することができる。これらの結果、放熱部材を背面側保持部材に対して容易にかつ強固に取り付けることができる。
【0015】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、位置決め部および固定部は、それぞれ、板金製の背面側保持部材が切り起こされることにより、板金製の背面側保持部材に一体的に形成されている。このように構成すれば、板金製の背面側保持部材に切り起こし加工を施すだけで、板金製の背面側保持部材に位置決め部および固定部を簡単に一体的に形成することができる。
【0016】
上記目的を達成するために、この発明の第2の局面による表示装置は、表示部と、表示部の背面側に配置され、表示部に背面側から光を照射する光源と、光源が実装された光源基板と、光源基板が取り付けられ、光源からの熱を放熱する板金製の放熱部材と、放熱部材が取り付けられ、表示部を背面側から保持する板金製の背面側保持部材とを備え、背面側保持部材は、放熱部材を位置決めするための位置決め部と、位置決め部により位置決めされた放熱部材を固定するための固定部とを一体的に含み、位置決め部および固定部は、それぞれ、板金製の背面側保持部材が切り起こされることにより、板金製の背面側保持部材に一体的に形成されている。

【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、上記のように、部品点数および組立工数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置の全体構成を示した斜視図である。
図2図1に示した液晶テレビジョン装置の背面図である。
図3図2の50−50線に沿った模式的な断面図である。
図4】本発明の一実施形態によるリアフレーム、ヒートシンク、光源基板、反射シートおよび拡散レンズを示した分解斜視図である。
図5】本発明の一実施形態によるリアフレームの位置決め部にヒートシンクが位置決めされた状態を拡大して示した拡大図である。
図6図5からヒートシンクを取り外した状態を示した拡大図である。
図7図5の51−51線に沿った模式的な断面図である。
図8】本発明の一実施形態によるリアフレームのフック部にヒートシンクが固定された状態を拡大して示した拡大図である。
図9図8からヒートシンクを取り外した状態を示した拡大図である。
図10図8の52−52線に沿った模式的な断面図である。
図11】本発明の一実施形態の変形例によるリアフレームの位置決め部を拡大して示した拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1図10を参照して、本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置100の構成について説明する。なお、液晶テレビジョン装置100は、本発明の「表示装置」の一例である。
【0021】
図1および図2に示すように、液晶テレビジョン装置100は、映像が表示される液晶セルからなる表示部1と、表示部1を正面側(矢印Y1方向側)から支持する樹脂製の前部筐体2と、液晶テレビジョン装置100を下方(矢印Z2方向側)から支持する樹脂製のスタンド部材3とを備える。前部筐体2は、正面から見て(矢印Y1方向側から見て)矩形形状の外形を有する枠状に形成されている。具体的には、前部筐体2の中央部近傍には、表示部1を露出させるための矩形形状の開口部2aが設けられている。また、図3に示すように、前部筐体2は、前方(矢印Y1方向)に窪む凹形状に形成されている。
【0022】
また、図2および図3に示すように、液晶テレビジョン装置100は、表示部1を背面側(矢印Y2方向側)から支持する板金製のリアフレーム4を備える。このリアフレーム4は、前部筐体2に対応する矩形形状の外形を有する。また、リアフレーム4は、後方(矢印Y2方向)に窪む凹形状に形成されている。なお、リアフレーム4は、本発明の「背面側保持部材」の一例である。
【0023】
また、図2および図3に示すように、板金製のリアフレーム4の背面側(矢印Y2方向側)には、リアフレーム4よりも小さい矩形形状を有する樹脂製のカバー部材5が取り付けられている。具体的には、リアフレーム4の背面には、リアフレーム4に対して背面側に突出する凸部41が形成されている。この凸部41は、リアフレーム4の背面側から見て、リアフレーム4の中央部近傍の矩形形状の領域Rを囲むように逆U字状に配置されている。そして、カバー部材5は、逆U字状に配置された凸部41の内側に構成される上記矩形形状の領域Rを覆うように、リアフレーム4の背面に取り付けられている。なお、リアフレーム4の背面の上記矩形形状の領域Rには、電源基板や信号処理基板などの種々の回路基板(図示せず)が取り付けられている。
【0024】
また、図3および図4に示すように、リアフレーム4の表面(矢印Y1方向側の面)には、リアフレームの1辺の延びる方向(水平方向:X方向)に沿って延びる板金製のヒートシンク6が、上下方向(Z方向)に間隔を隔てて3つ配置されている。これら3つのヒートシンク6の表面には、それぞれ、表示部1に背面側(矢印Y2方向側)から光を照射する光源7が実装された3つの光源基板8が配置されている。なお、光源7は、LED(Light Emitting Diode)などにより構成されている。また、光源7は、各光源基板8の表面に、各光源基板8の延びる方向(X方向)に沿って間隔を隔てて複数実装されている。また、ヒートシンク6は、本発明の「放熱部材」の一例である。
【0025】
また、図3および図4に示すように、光源基板8の複数の光源7が実装された側の表面(矢印Y1方向側の面)には、複数の光源7をそれぞれ覆う複数の拡散レンズ9が取り付けられている。この拡散レンズ9は、アクリルなどの樹脂により構成されており、光源7からの出射光を表示部1側に拡散する機能(図3の矢印付きの点線参照)を有する。なお、図3に示すように、拡散レンズ9の底面の中央部近傍(光源基板8の表面の光源7に対応する位置)には、凹部9aが設けられている。また、拡散レンズ9には、拡散レンズ9の底面から光源基板8側に延びる柱状のボス9bが設けられており、このボス9bが光源基板8の表面に接着されることにより、拡散レンズ9が光源基板8の表面の光源7に対応する位置に取り付けられている。
【0026】
また、図3および図4に示すように、光源基板8と拡散レンズ9との間には、光源7からの光を表示部1側に反射する反射シート10が配置されている。この反射シート10は、光源基板8の表面上に配置された状態で、リアフレーム4に沿った形状(矢印Y2方向側に窪む凹形状)を有する。また、反射シート10と表示部1との間には、拡散レンズ9により拡散された光を表示部1側にさらに拡散する拡散板などの種々の光学部材(図示せず)が配置されている。なお、反射シート10には、複数のLED7(拡散レンズ9)にそれぞれ対応する複数の穴部10aが形成されている。
【0027】
ここで、本実施形態では、図4図10に示すように、リアフレーム4は、ヒートシンク6を位置決めするための位置決め部42と、位置決め部42により位置決めされたヒートシンク6を固定するためのフック部43とを一体的に含む。フック部43は、ヒートシンク6に対して位置決め部42とは反対側(矢印Z1方向側)に配置されている。なお、フック部43は、本発明の「固定部」の一例である。
【0028】
図5図7に示すように、位置決め部42は、板金製のヒートシンク6の下側(矢印Z2方向側)の側端面に当接する当接部42aと、板金製のヒートシンク6の表面側(矢印Y1方向側)に形成され、光源7からの熱に起因して板金製のヒートシンク6が表面側に反るのを抑制する反り抑制部42bとを含む。なお、図5は、リアフレーム4の上下方向(Z方向)の中央部近傍で、かつ、水平方向(X方向)の中央部近傍に形成された位置決め部42を拡大して示した図である。この図5では、説明の便宜上、光源基板8の表面に配置される反射シート10の図示を省略している。ここで、当接部42aおよび反り抑制部42bを含む位置決め部42は、ヒートシンク6の水平方向(X方向)の中央部近傍に対応するリアフレーム4の位置に配置されている。
【0029】
すなわち、図4図7に示すように、ヒートシンク6の水平方向(X方向:ヒートシンク6の長手方向)の中央部近傍には、水平方向に延びる切欠き61が形成されている。そして、当接部42aは、ヒートシンク6の切欠き61に対応する部分の水平方向の両端部近傍の内側面に当接するように配置されているとともに、反り抑制部42bは、ヒートシンク6の切欠き61に対応する部分の水平方向の両端部近傍の表面側(矢印Y1方向側)に配置されている。なお、当接部42aおよび反り抑制部42bは、共に、前後方向(Y方向)および上下方向(Z方向)に延びる板状に形成されている。
【0030】
具体的には、図7に示すように、当接部42aは、ヒートシンク6の厚みtよりも大きい前後方向(Y方向)の長さL1を有する板状に形成されている。また、反り抑制部42bは、当接部42aの前後方向の長さL1よりも大きい前後方向の長さL2を有する板状に形成されている。ここで、反り抑制部42bは、当接部42aの上端部(矢印Z1方向側の端部)よりも上側に配置されている。これにより、当接部42aの上端部よりも上側に配置された反り抑制部42bのリアフレーム4側(矢印Y2方向側)の端面と、リアフレーム4の前面(矢印Y1方向側の面)との間に溝状の空間Sが形成され、この溝状の空間Sに、光源基板8が取り付けられたヒートシンク6の下端部近傍(矢印Z2方向側の端部近傍)が挿入されている。なお、反り抑制部42bの上端面は、リアフレーム4側からリアフレーム4とは反対側に向かうにしたがって上側に傾斜する傾斜面42cを有する。この傾斜面42cは、光源基板8が取り付けられたヒートシンク6をリアフレーム4に対して前方に傾斜させた状態(図7の一点鎖線参照)で上記溝状の空間Sに容易に挿入可能にするために設けられている。なお、図7の矢印Aは、光源基板8が取り付けられたヒートシンク6のリアフレーム4の前面に対する取付方向を示している。また、この図7の矢印Aは、後述する図10の矢印Aと同じである。
【0031】
ここで、本実施形態では、図4に示すように、当接部42aおよび反り抑制部42bを含む位置決め部42は、ヒートシンク6の水平方向(X方向)の中央部近傍に対応するリアフレーム4の位置のみならず、ヒートシンク6の水平方向の両端部近傍に対応するリアフレーム4の位置にも配置されている。具体的には、位置決め部42は、ヒートシンク6の水平方向の中央部近傍に対応するリアフレーム4の位置と、ヒートシンク6の水平方向の両端部近傍に対応するリアフレーム4の位置との両方に、それぞれ2つずつ(合計4つ)配置されている。詳細には、ヒートシンク6の水平方向の中央部近傍に対応する2つの位置決め部42は、それぞれ、ヒートシンク6の切欠き61の上下方向(Z方向)の深さD(図5および図7参照)分、ヒートシンク6の水平方向の両端部近傍に対応する2つの位置決め部42よりも上側(矢印Z1方向側)に配置されている。なお、ヒートシンク6の水平方向の両端部近傍に対応する2つの位置決め部42の当接部42aは、それぞれ、ヒートシンク6の水平方向の両端部近傍の下側(矢印Z2方向側)の側端面に当接するように構成されている。たとえば、図8に示すように、ヒートシンク6の矢印X2方向側の端部近傍に対応する位置決め部42の当接部42aは、ヒートシンク6の矢印X2方向側の端部近傍の下側の側端面に当接するように構成されている。
【0032】
また、図8および図10に示すように、ヒートシンク6は、ヒートシンク6の位置決め部42とは反対側(矢印Z1方向側)の端部からリアフレーム4とは反対側(矢印Y1方向側)に直立する直立部62を含む。そして、図10に示すように、フック部43は、ヒートシンク6の直立部62に係合するとともに、位置決め部42により位置決めされたヒートシンク6の直立部62をフック部43に対して取り付ける際の取付方向(図10の矢印A参照)と交差する方向(図10の矢印B参照)に撓み変形可能に構成されている。なお、図8は、リアフレーム4の上下方向(Z方向)の中央部近傍で、かつ、水平方向の一方側(矢印X2方向側)の端部近傍に配置された位置決め部42およびフック部43を拡大して示した図である。この図8では、説明の便宜上、光源基板8の表面に配置される反射シート10の図示を省略している。
【0033】
図8図10に示すように、フック部43は、リアフレーム4に対して前方(矢印Y1方向側)に直立する長い部分43aと、長い部分43aのリアフレーム4とは反対側(矢印Y1方向側)の端部から下方(矢印Z2方向側)に延びる短い部分43bとを有する。これらの長い部分43aおよび短い部分43bは、共に、板状に形成されている。具体的には、長い部分43a、水平方向(X方向)および前後方向(Y方向)に延びる板状に形成されているとともに、短い部分43bは、水平方向および上下方向(Z方向)に延びる板状に形成されている。ここで、図8に示すように、ヒートシンク6の直立部62の水平方向の幅W1は、フック部43(長い部分43aおよび短い部分43b)の水平方向の幅W2よりも大きい。また、図10に示すように、長い部分43aは、直立部62の前後方向の長さL3よりも大きい前後方向の長さL4を有する。また、短い部分43bは、直立部62の厚み(ヒートシンク6の厚み)tよりも大きい上下方向の長さL5を有する。また、長い部分43aと短い部分43bとは、ヒートシンク6がリアフレーム4に取り付けられた状態で、それぞれ、直立部62の上側の表面と前方の端面とに対して僅かな隙間を隔てて離間するように配置されている。
【0034】
なお、本実施形態では、図4に示すように、位置決め部42およびフック部43は、それぞれ、水平方向(X方向)に沿って複数設けられている。具体的には、位置決め部42は、上記のように、ヒートシンク6の水平方向の中央部近傍に対応するリアフレーム4の位置と、ヒートシンク6の水平方向の両端部近傍に対応するリアフレーム4の位置とに、それぞれ2つずつ(合計4つ)設けられている。そして、フック部43は、図4において最も奥側(矢印X1方向側)に配置された位置決め部42と奥から2番目に配置された位置決め部42との間、および、図4において最も手前側(矢印X2方向側)に配置された位置決め部42と手前から2番目に配置された位置決め部42との間に、それぞれ1つずつ(合計2つ)配置されている。
【0035】
また、本実施形態では、図4図10に示すように、位置決め部42およびフック部43は、それぞれ、板金製のリアフレーム4がヒートシンク6側(矢印Y1方向側)に切り起こされることによりリアフレーム4に一体的に形成されている。これにより、リアフレーム4の位置決め部42およびフック部43に対応する部分には、それぞれ、穴部44および45が形成されている。なお、図5図9に示すように、位置決め部42(当接部42a)とリアフレーム4との境界部分の上下方向(Z方向)の中央部近傍には、位置決め部42を補強するための補強リブ42dが一体的に形成されている。この補強リブ42dは、位置決め部42のリアフレーム4との境界部分の中央部近傍にシボ加工などが施されることにより、位置決め部42とリアフレーム4との境界部分に対して穴部44側から穴部44とは反対側に突出するように形成されている。
【0036】
本実施形態では、上記のように、ヒートシンク6を位置決めするための位置決め部42と、位置決め部42により位置決めされたヒートシンク6を固定するためのフック部43とをリアフレーム4に一体的に形成することによって、ヒートシンク6とリアフレーム4とを位置決めするとともに固定するためのボルトやナットなどの部品を別途設ける必要がないので、その分、部品点数および組立工数を削減することができる。
【0037】
また、本実施形態では、上記のように、位置決め部42に、ヒートシンク6の下側(矢印Z2方向側)の側端面に当接する当接部42aと、板金製のヒートシンク6の表面側(矢印Y1方向側)に形成され、光源7からの熱に起因して板金製のヒートシンク6が表面側に反るのを抑制する反り抑制部42bとを設ける。これにより、光源7からの熱に起因してヒートシンク6が反った場合でも、反り抑制部42bによってヒートシンク6の反りを抑制しながら、当接部42aによって容易にヒートシンク6の位置決めをすることができる。
【0038】
また、本実施形態では、上記のように、当接部42aおよび反り抑制部42bを含む位置決め部42を、リアフレーム4の1辺の延びる方向(水平方向:X方向)におけるヒートシンク6の中央部近傍に対応するリアフレーム4の位置に配置する。これにより、当接部42aおよび反り抑制部42bを含む位置決め部42が、ヒートシンク6の重心が位置し、かつ、反りが発生しやすい部分(中央部近傍)に対応するように配置されるので、ヒートシンク6の反りを効果的に抑制しながら、ヒートシンク6を安定して位置決めすることができる。
【0039】
また、本実施形態では、上記のように、ヒートシンク6の水平方向(X方向:ヒートシンク6の長手方向)の中央部近傍に切欠き61を形成し、当接部42aを、ヒートシンク6の切欠き61に対応する部分の下側(矢印Z2方向側)の内側面に当接するように構成するとともに、反り抑制部42bを、ヒートシンク6の切欠き61に対応する部分の表面側(矢印Y1方向側)に形成する。これにより、ヒートシンク6の切欠き61が形成されていない部分に対して切欠き61の上下方向(Z方向)の深さD(図5および図7参照)分内側の、より反りが発生しやすい部分(ヒートシンクの短手方向の中央部側の部分)に対応するように反り抑制部42bが配置されるので、ヒートシンク6の反りをより効果的に抑制することができる。
【0040】
また、本実施形態では、上記のように、当接部42aおよび反り抑制部42bを含む位置決め部42を、ヒートシンク6の水平方向(X方向)の中央部近傍に対応するリアフレーム4の位置のみならず、ヒートシンク6の水平方向の両端部近傍に対応するリアフレーム4の位置にも配置する。これにより、当接部42aおよび反り抑制部42bを含む位置決め部42が、ヒートシンク6の中央部近傍に加えて、ヒートシンク6の両端部近傍にも対応するように配置されるので、ヒートシンク6の反りをより抑制しながら、ヒートシンク6をより安定して位置決めすることができる。
【0041】
また、本実施形態では、上記のように、フック部43を、ヒートシンク6に対して位置決め部42とは反対側(矢印Z1方向側)に配置する。これにより、フック部43と位置決め部42とがヒートシンク6に対して互いに同じ側に配置されている場合と異なり、位置決め部42を用いたヒートシンク6の位置決め作業と、フック部43を用いたヒートシンク6の固定作業とを、ヒートシンク6の一方側と他方側とにおいてそれぞれ別々に行うことができるので、ヒートシンク6の位置決め作業および固定作業を効率的に行うことができる。
【0042】
また、本実施形態では、上記のように、ヒートシンク6に、ヒートシンク6の位置決め部42とは反対側(矢印Z1方向側)の端部からリアフレーム4とは反対側(矢印Y1方向側)に直立する直立部62を設け、フック部43を、ヒートシンク6の直立部62に係合するとともに、位置決め部42により位置決めされたヒートシンク6の直立部62をフック部43に対して取り付ける際の取付方向(図10の矢印A参照)と交差する方向(図10の矢印B参照)に撓み変形可能に構成する。これにより、ヒートシンク6の直立部62に係合するフック部43(板金製)によって、ヒートシンク6をリアフレーム4に対して強固に固定することができる。また、ヒートシンク6(直立部62)のリアフレーム4(フック部43)への取り付け作業の際に、ヒートシンク6が位置決めされた状態であっても、フック部43を直立部62の取付方向と交差する方向に撓み変形させることができるので、ヒートシンク6のリアフレーム4への取り付け作業がフック部43により妨げられるのを抑制することができる。これらの結果、ヒートシンク6をリアフレーム4に対して容易にかつ強固に取り付けることができる。
【0043】
また、本実施形態では、上記のように、位置決め部42およびフック部43を、それぞれ、板金製のリアフレーム4を切り起こすことにより、板金製のリアフレーム4に一体的に形成する。これにより、板金製のリアフレーム4に切り起こし加工を施すだけで、板金製のリアフレーム4に位置決め部42およびフック部43を簡単に一体的に形成することができる。
【0044】
また、本実施形態では、上記のように、位置決め部42およびフック部43を、それぞれ、ヒートシンク6の延びる方向(X方向)に沿って複数設ける。これにより、ヒートシンク6の延びる方向に沿って複数設けられた位置決め部42およびフック部43によって、ヒートシンク6の位置決めおよび固定をより確実に行うことができる。
【0045】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0046】
たとえば、上記実施形態では、本発明の表示装置の一例として液晶テレビジョン装置を用いる例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明は、液晶テレビジョン装置以外にも、PC(Personal Computer)用のディスプレイ装置などの一般的な表示装置に適用可能である。
【0047】
また、上記実施形態では、図6に示すように、上下方向(Z方向)および前後方向(Y方向)に延びる板状の当接部42aと反り抑制部42bとにより位置決め部42を構成する例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、図11に示す変形例のように、水平方向(X方向)および前後方向に延びる当接部142aと、水平方向および上下方向に延びる反り抑制部142bとにより位置決め部142を構成してもよい。この図11に示す変形例においても、上記実施形態と同様に、位置決め部142は、板金製のリアフレーム14に切り起こし加工が施されることによりリアフレーム14に一体的に形成されている。ここで、図11に示す変形例では、反り抑制部142bが、水平方向に所定の幅W3を有し、ヒートシンク6の下側(矢印Z2方向側)の端部近傍の表面(矢印Y1方向側の面)と面接触するように配置されているので、ヒートシンク6の反りを抑制しながら、反り抑制部142bとリアフレーム14との間にヒートシンク6を挟み込んでヒートシンク6を強固に保持することができる。なお、リアフレーム14は、本発明の「背面側保持部材」の一例である。
【0048】
また、上記実施形態では、ヒートシンクの中央部近傍および両端部近傍に対応するように位置決め部をそれぞれ2つずつ(合計4つ)配置する例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、ヒートシンクの中央部近傍に対応するように配置する位置決め部の個数を1つとしてもよいし、3つ以上としてもよい。同様に、ヒートシンクの端部近傍に対応するように配置する位置決め部の個数を1つとしてもよいし、3つ以上としてもよい。また、本発明では、ヒートシンクの中央部近傍および両端部近傍以外の部分に対応するように位置決め部を配置してもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、ヒートシンクの中央部近傍に切欠きを設け、ヒートシンクの中央部近傍に対応する位置決め部を、ヒートシンクの両端部近傍に対応する位置決め部に対して切欠きの上下方向の深さ分上側に配置する例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、ヒートシンクに切欠きを設けずに、ヒートシンクの中央部近傍に対応する位置決め部と、ヒートシンクの両端部近傍に対応する位置決め部とを互いに同じ高さ位置に配置してもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、位置決め部をヒートシンクに対して下側に配置するとともに、フック部をヒートシンクに対して上側に配置して、位置決め部とフック部とをヒートシンクに対して互いに反対側に配置する例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、位置決め部およびフック部のヒートシンクに対する位置を上記とは反対にしてもよい。すなわち、位置決め部およびフック部をヒートシンクに対してそれぞれ上側および下側に配置してもよい。また、本発明では、位置決め部とフック部とをヒートシンクに対して同じ側に配置してもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、ヒートシンクに直立部を設けるとともに、リアフレームに直立部に対応するフック部を設け、直立部とフック部とを互いに係合させることにより、ヒートシンクをリアフレームに固定する例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、フック構造以外の固定手段をリアフレームに一体的に形成することにより、ヒートシンクをリアフレームに固定してもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 表示部
4、14 リアフレーム(背面側保持部材)
6 ヒートシンク(放熱部材)
7 光源
8 光源基板
42、142 位置決め部
42a、142a 当接部
42b、142b 反り抑制部
43 フック部(固定部)
61 切欠き
62 直立部
100 液晶テレビジョン装置(表示装置)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11