【実施例】
【0017】
(実施例1)
図1は本発明に係る車両灯具のLED点灯回路の第1実施例を説明するためのブロック回路図である。
この
図1において、符号1は車両側の電源系統から車両灯具のLED点灯回路に印加電圧Vccが印加される電圧端子を示す。
【0018】
電圧端子1は逆接続防止用のダイオードD1を介して後述するLED電流制御回路の高電位側に電力線路LSを介して接続されている。
LED電流制御回路はここでは二個設けられ、各LED電流制御回路を符号1A、1Bを用いて示す。
【0019】
このLED電流制御回路1A,1Bは電力線路LSに並列に設けられている。このLED電流制御回路1A、1BにそれぞれLEDアッセンブリ2A、2Bの高電位側(アノード側)が接続されている。
【0020】
そのLED電流制御回路1A、1Bは、各LEDアッセンブリ2A、2Bに流す電流I1、I2を設定する機能を有する。
そのLEDアッセンブリ2A、2BはLEDの直列接続体から構成され、このLEDアッセンブリ2A、2Bの低電位側(カソード側)はアースされている。
【0021】
ここでは、このLEDアッセンブリ2A、2Bは3個のLED(発光ダイオード)の直列体から構成されているものとして説明するが、LEDの接続個数はこれに限られるものでない。
【0022】
また、ここでは、LEDアッセンブリ2A、2Bが二個並列であるものとして説明するが、二個以上であればこれに限られるものではない。
ダイオードD1とLEDアッセンブリ2A、2Bとの間の電力線路LSにはシャットダウン回路4が設けられている。
【0023】
ここでは、このシャットダウン回路4は、ダイオードD1とLED電流制御回路1A、1Bとの間の電力線路LSに設けられている。
このシャットダウン回路4は、印加電圧Vccが予め定められた設定値VDよりも低いときに各LEDアッセンブリ2A、2Bに流れる電流I1、I2をシャットダウンする役割を果たす。
【0024】
このシャットダウン回路4は、電界効果トランジスタFETとスイッチングトランジスタQ1とツェナーダイオードZD1とを有する。電界効果トランジスタFETは、ここでは、Pチャネル型である。
【0025】
ツェナーダイオードZD1のカソードはダイオードD1のカソードと電界効果トランジスタFETのドレインとに接続されている。
ツェナーダイオードZD1のアノードは抵抗器R1を介してアースされると共に抵抗器R2を介してスイッチングトランジスタQ1のベースに接続されている。
【0026】
電界効果トランジスタFETのソースとそのゲートとは抵抗器R3を介して接続されている。その電界効果トランジスタFETのドレインはLED電流制御回路1A、1Bの高電位側に接続されている。
【0027】
スイッチングトランジスタQ1のコレクタは電界効果トランジスタFETのゲートに接続され、スイッチングトランジスタQ1のエミッタはアースされている。
そのツェナーダイオードZD1は印加電圧Vccが設定値VD以上のときに、LED電流制御回路1A、1Bに電流を流す機能を有する。
【0028】
この実施例1によれば、印加電圧Vccが設定値VDよりも低い場合には、ツェナーダイオードZD1がブレークダウンしないため、スイッチングトランジスタQ1のベースにツェナーダイオードZD1を介してベース電流が流れないため、スイッチングトランジスタQ1がオフ状態にあり、従って、電界効果トランジスタFETはオフ状態を維持する。
【0029】
印加電圧Vccが設定値VDを超えると、スイッチングトランジスタQ1のベースにツェナーダイオードZD1を介してベース電流が流れるため、スイッチングトランジスタQ1がオンする。
【0030】
その結果、そのコレクタとそのエミッタとの間に電流が流れ、電界効果トランジスタFETはそのゲートとソースとの間の電圧が一定値以上となるため、電界効果トランジスタFETがオンし、そのドレインからそのソースに向かって電流が流れる。
【0031】
このため、印加電圧Vccが設定値VDよりも低い場合には各LEDアッセンブリ2A、2Bに電流I1、I2が流れることが防止される。逆に言えば、車両側から供給される印加電圧Vccが変動した場合でも、設定値VD以上の印加電圧Vccでは全てのLEDアッセンブリ2A、2BのLEDの点灯を保証することができる。
【0032】
このため、印加電圧Vccが設定値VDよりも低いときに、二個のLEDアッセンブリ2A、2Bのうちの片方のLEDが点灯し、他方のLEDが消灯しているという状態が防止される。
【0033】
(変形例)
図2は
図1に示す車両灯具のLED点灯回路の変形例を説明するためのブロック回路図である。
この変形例では、電界効果トランジスタFETにNチャネル型が用いられている。ツェナーダイオードZD1のカソードはダイオードD1のカソードとLED電流制御回路1A、1Bの高電位側とに電力線路LSを介して接続されている。
【0034】
ツェナーダイオードZD1のアノードは実施例1と同様に抵抗器R1を介してアースされると共に抵抗器R2を介してスイッチングトランジスタQ1のベースに接続されている。スイッチングトランジスタQ1のコレクタはダイオードD1のカソードとLED電流制御回路1A、1Bの高電位側とに接続されている。
【0035】
スイッチングトランジスタQ1のエミッタは電界効果トランジスタFETのゲートに接続されると共に抵抗器R3を介してアースされている。
電界効果トランジスタFETのソースはアースされ、電界効果トランジスタFETのドレインはLEDアッセンブリ2A、2Bの低電位側(カソード側)に接続されている。
【0036】
この
図2に示す変形例の車両灯具のLED点灯回路は、シャットダウン回路4にNチャネル型の電界効果トランジスタFETを用いた場合の回路接続が異なるのみで、その作用は実施例1と同様であるので、その作用の説明は省略する。
【0037】
(実施例2)
図3は本発明に係る車両灯具のLED点灯回路の第2実施例を説明するためのブロック回路図である。
ここでは、シャットダウン回路4は、印加電圧Vccが予め定められた第1設定値VDよりも低いときと第2設定値VD’よりも高いときに各LEDアッセンブリ2A、2Bに流れる電流I1、I2をシャットダウンする役割を果たす。
【0038】
このシャットダウン回路4は、電界効果トランジスタFETとスイッチングトランジスタQ1、Q1’とツェナーダイオードZD1、ZD1’とを有する。電界効果トランジスタFETは、ここでは、Pチャネル型である。
【0039】
ツェナーダイオードZD1、ZD1’のカソードはダイオードD1のカソードと電界効果トランジスタFETのドレインとに接続されている。
ツェナーダイオードZD1のアノードは抵抗器R1を介してアースされると共に抵抗器R2を介してスイッチングトランジスタQ1のベースに接続されている。
【0040】
ツェナーダイオードZD1’のアノードは抵抗器R5を介してアースされると共に抵抗器R6を介してスイッチングトランジスタQ1’のベースに接続されている。
スイッチングトランジスタQ1’のコレクタはダイオードD1のカソードに接続されると共に、電界効果トランジスタFETのソースと抵抗器R3の高電位側とに接続されている。スイッチングトランジスタQ1’のエミッタは抵抗器R3の低電位側に接続されると共に抵抗器R4と電界効果トランジスタFETのゲートとに接続されている。
【0041】
スイッチングトランジスタQ1のコレクタは抵抗器R4を介して電界効果トランジスタFETのゲートに接続され、そのスイッチングトランジスタQ1のエミッタはアースされている。
【0042】
そのツェナーダイオードZD1、ZD1’はそれぞれ第1の設定値VDと第2の設定値VD’とを設定する役割を果たし、第2の設定値VD’は第1の設定値VDよりも高い電圧とされている。
【0043】
この第2実施例によれば、印加電圧Vccが第1の設定値VDよりも低いときには、ツェナーダイオードZD1がブレークダウンしないため、スイッチングトランジスタQ1がオフのままであり、従って、LEDアッセンブリ2A、2Bに流れる電流I1、I2が遮断されている。
【0044】
印加電圧Vccが第1の設定値VD以上のときには、ツェナーダイオードZD1がブレークダウンし、抵抗器R2を介してスイッチングトランジスタQ1のベースに電流が流れるため、実施例1と同様にスイッチングトランジスタQ1がオンし、これにより、電界効果トランジスタFETがオンするため、LEDアッセンブリ2A、2Bに流れる電流I1、I2が流れる。
【0045】
印加電圧Vccが第1の設定値VDと第2の設定値VD’との間にあるときには、ツェナーダイオードZD1’がブレークダウンしないため、スイッチングトランジスタQ1’はオフのままとなり、従って、LEDアッセンブリ2A、2Bに電流I1、I2が流れ続ける。
【0046】
印加電圧Vccが第2の設定値VD’を超えると、ツェナーダイオードZD1’がブレークダウンするため、スイッチングトランジスタQ1’のベースに電流が流れる。このため、そのスイッチングトランジスタQ1’のコレクタとエミッタとの間が短絡され、電界効果トランジスタFETのゲートとソースとの間の電位が略ゼロとなる。
【0047】
このため、スイッチングトランジスタQ1がオンしていたとしても、電界効果トランジスタFETがオフとなる。従って、LEDアッセンブリ2A、2Bに電流I1、I2が流れることが禁止される。
従って、印加電圧Vccが高くなりすぎた場合、その各LEDが過電流により故障することが防止される。
また、このLED点灯回路に用いられる周辺回路部品の絶対最大低格を低く抑えることができ、回路部品の小型化、軽量化、低コスト化に通じる。
【0048】
(変形例)
図4は
図3に示すシャットダウン回路の変形例を説明するためのブロック回路図である。ツェナーダイオードZD1、ZD1’のカソードはダイオードD1のカソードとLED電流制御回路1A、1Bの高電位側に接続されている。
【0049】
ツェナーダイオードZD1のアノードは実施例2と同様に抵抗器R1を介してアースされると共に抵抗器R2を介してスイッチングトランジスタQ1のベースに接続されている。ツェナーダイオードZD1’のアノードは実施例2と同様に抵抗器R5を介してアースされると共に抵抗器R6を介してスイッチングトランジスタQ1’のベースに接続されている。
【0050】
スイッチングトランジスタQ1のコレクタは抵抗器R4を介してダイオードD1のカソードとLED電流制御回路1A、1Bの高電位側とに接続されている。
【0051】
スイッチングトランジスタQ1のエミッタは電界効果トランジスタFETのゲートに接続されると共に抵抗器R3を介してアースされている。
スイッチングトランジスタQ1’のコレクタは抵抗器R3の高電位側とスイッチングトランジスタQ1のエミッタに接続されている。スイッチングトランジスタQ1’のエミッタはアースされている。
【0052】
電界効果トランジスタFETのソースはアースされ、電界効果トランジスタFETのドレインはLEDアッセンブリ2A、2Bの低電位側(カソード側)に接続されている。
【0053】
この
図4に示す変形例の車両灯具のLED点灯回路は、シャットダウン回路4にNチャネル型の電界効果トランジスタFETを用いた場合の回路接続が実施例2と異なるのみであるので、その作用の説明は省略する。