特許第6191170号(P6191170)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 凸版印刷株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6191170-ロール状熱転写記録媒体 図000005
  • 特許6191170-ロール状熱転写記録媒体 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6191170
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】ロール状熱転写記録媒体
(51)【国際特許分類】
   B41M 5/382 20060101AFI20170828BHJP
   B41M 5/40 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
   B41M5/382 400
   B41M5/40 440
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-44229(P2013-44229)
(22)【出願日】2013年3月6日
(65)【公開番号】特開2014-172207(P2014-172207A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2016年2月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】宮内 康寛
(72)【発明者】
【氏名】大嶋 淳之
【審査官】 後藤 亮治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−025744(JP,A)
【文献】 特開2000−118144(JP,A)
【文献】 特開昭63−222892(JP,A)
【文献】 特開平10−297125(JP,A)
【文献】 実公平04−002061(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41M 5/00 − 5/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体と、前記支持体の一方の面に形成された耐熱滑性層と、前記支持体の他方の面に形成された熱転写層とを有する熱転写記録媒体と、前記熱転写記録媒体を巻き付けるコアとを備えて構成されるロール状熱転写記録媒体において、
前記ロール状熱転写記録媒体の一方の端面を固定し、前記ロール状熱転写記録媒体の他方の端面側の前記コアの端面に応力を強めるように加え続けた状態で、最初に前記ロール状熱転写記録媒体が巻きズレを起こした荷重である前記ロール状熱転写記録媒体の巻き硬さが10kgf〜100kgfであり、
前記耐熱滑性層の表面の二乗平均平方根粗さSqは、0.05μm〜0.4μmであり、かつ前記熱転写層の表面の二乗平均平方根粗さSqは、0.05μm〜0.4μmであることを特徴とするロール状熱転写記録媒体。
【請求項2】
前記耐熱滑性層の表面の二乗平均平方根粗さSqの値は、前記熱転写層の表面の二乗平均平方根粗さSqの値と同じ値であることを特徴とする請求項1に記載のロール状熱転写記録媒体。
【請求項3】
前記耐熱滑性層は、アクリルポリオール樹脂を含み、
前記熱転写層は、ポリビニルアセタール樹脂を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のロール状熱転写記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被熱転写体上に文字または画像を形成するための熱転写層を有するロール状熱転写記録媒体に関し、より詳細には、高温・多湿環境に保存した後も、熱転写層の染料の析出による地汚れを防ぐことのできるロール状熱転写記録媒体に関する。
関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、文字または画像等を被転写体に形成する方式として、昇華型熱転写方式または溶融型熱転写方式等が採用されている。例えば、昇華型熱転写方式の場合、以下の要領で行う。先ず、支持体上に染料やバインダー等を含む熱転写層等を設けた熱転写記録媒体の熱転写層表面と、他の支持体上に染料を受容する受容層を設けた被熱転写体の受容層表面とを互いに重ね合わせる。次に、熱転写記録媒体の熱転写層を設けていない面から文字または画像情報により温度制御されたサーマルヘッド等により加熱することで、熱転写層中の染料を昇華させ、受容層へ移行させることで、所望の文字または画像を形成する。
【0003】
一方、溶融型熱転写方式の場合、以下の要領で行う。先ず、支持体上に顔料やワックス等を含む熱溶融性の熱転写層を設けた熱転写記録媒体3の熱転写層8表面と、他の支持体上に受容層を設けた被熱転写体の受容層表面とを互いに重ね合わせる。次に、サーマルヘッド等により加熱することで、熱転写層8を融着させ、受容層へ移行させることで、所望の文字または画像を形成する。上記の方式のうち、昇華型熱転写方式は、文字や図表などのモノクロプリントや、デジタルカメラ画像またはコンピューターグラフィックス画像などのカラープリントに広く採用されている。
【0004】
ところで、昇華型熱転写方式の場合、熱転写記録媒体の保存安定性が問題となることが多い。すなわち、高温・多湿環境に数日間保存すると、染料が熱転写層8表面に析出し、印画する際に受容層表面に付着してしまい、地汚れしてしまうことがある。これは染料の溶解性や、染料とバインダーの相性、使用するバインダーの特性、熱転写層に添加する離型剤の種類など、様々な原因が考えられる。
【0005】
上記のような問題を解決するために、例えば、特許文献1では、インク層中にHLB値が10以上の界面活性剤を含有することで、経時によるカブリ(染料析出による地汚れ)が防止でき、かつ濃度及び感度に優れた画像が得られる熱転写シートが提案されている。
また、例えば、特許文献2では、バインダー樹脂の分子量やガラス転移温度、ビニルアルコール部分の重量%を規定することで、経時による染料の析出を防止しようとする熱転写シートが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−313359号公報
【特許文献2】特許第2039317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に提案されている熱転写シートにおいて、高温・多湿環境に数日間保存した後に印画を行ったところ、染料層表面に界面活性剤の親水基が多いために、空気中の湿度の影響で染料が析出してしまい、結果としてカブリが発生してしまうことが確認された。ただし、通常環境にて同じく印画を行ったところ、経時によるカブリは確認できなかった。
【0008】
また、特許文献2では、高温・多湿環境に数日間保存した後に印画を行ったところ、次の結果であった。先ず、ビニルアルコール部分の重量%が多い水準に関しては、地汚れの発生が確認された。そればかりか、ビニルアルコール部分の重量%が少ない水準に関しても、使用する染料や離型剤の種類によっては、地汚れの発生が確認された。
これまで高温・多湿環境や経時での保存による染料の析出に関して、熱転写層8に用いるバインダーや離型剤等による、使用材料による改善は報告されている。その改善策に対する副作用として、1)耐熱性低下による印画時の熱シワ発生、2)塗布時の泡による塗布面欠陥、3)印画時の離型性の問題などが生じ、品質・製造安定性の面で問題となっていた。
本発明は、上記の問題に鑑み、高温・多湿環境に保存した後も、熱転写層の染料の析出による地汚れを防ぐことのできるロール状熱転写記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、ロール状熱転写記録媒体の巻き硬さを規定することで、上記目的を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、請求項1記載の発明は、支持体(6)と、前記支持体(6)の一方の面に形成された耐熱滑性層(7)と、前記支持体(6)の他方の面に形成された熱転写層(8)とを有する熱転写記録媒体(3)と、前記熱転写記録媒体(3)を巻き付けるコア(2)とを備えて構成されるロール状熱転写記録媒体(1)において、前記ロール状熱転写記録媒体(1)の一方の端面(4a)を固定し、前記ロール状熱転写記録媒体(1)の他方の端面(4b)側の前記コア(2)の端面(5b)に応力を強めるように加え続けた状態で、最初に前記ロール状熱転写記録媒体(1)が巻きズレを起こした荷重である前記ロール状熱転写記録媒体(1)の巻き硬さが10kgf〜100kgfであり、前記耐熱滑性層(7)の表面の二乗平均平方根粗さSqは、0.05μm〜0.4μmであり、かつ前記熱転写層(8)の表面の二乗平均平方根粗さSqは、0.05μm〜0.4μmであることを特徴とするロール状熱転写記録媒体である。
請求項2記載の発明は、前記耐熱滑性層(7)の表面の二乗平均平方根粗さSqの値は、前記熱転写層(8)の表面の二乗平均平方根粗さSqの値と同じ値であることを特徴とする請求項1に記載のロール状熱転写記録媒体である。
請求項3記載の発明は、前記耐熱滑性層(7)は、アクリルポリオール樹脂を含み、前記熱転写層(8)は、ポリビニルアセタール樹脂を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のロール状熱転写記録媒体である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、高温・多湿環境に保存した後も、熱転写層8の染料の析出による地汚れを防ぐことができるロール状熱転写記録媒体1を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係るロール状熱転写記録媒体の一実施形態を説明するための斜視図である。
図2図1のロール状熱転写記録媒体における熱転写記録媒体の一部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態についてさらに詳細に説明する。
図1はロール状熱転写記録媒体の模式図である。ロール状熱転写記録媒体1は、両側に端面5a,5bを有するコア2及び熱転写記録媒体3を備え、熱転写記録媒体3をコア2に巻き付けた状態で構成されている。すなわち、ロール状熱転写記録媒体1は、支持体6と、支持体6の一方の面に形成された耐熱滑性層7と、支持体6の他方の面に形成された熱転写層8とを有する熱転写記録媒体3と、熱転写記録媒体3を巻き付けるコア2とを備えて構成されている。
【0013】
また、本実施形態のロール状熱転写記録媒体1は、その巻き硬さが10〜100kgfであることが好ましい。巻き硬さが10kgfより小さいと、高温・多湿環境に保存した際に、ロール状熱転写記録媒体1を構成する重なった耐熱滑性層7/熱転写層8間にミクロな隙間が生じ、その隙間に湿度が入り込み、熱転写層8表面に湿度が作用し、染料が析出してしまう。また巻き硬さが10kgfより小さいと、輸送中などの強い振動により、簡単に巻きズレてしまう。逆に100kgfより大きいと、耐熱滑性層7と熱転写層8がブロッキングしてしまったり、コア2に巻いている途中でシワになってしまったりする。ロール状熱転写記録媒体1の巻き硬さを10〜100kgfとすることで、高温・多湿環境に数日間保存した後も、熱転写層8の染料の析出による地汚れを防ぎ、かつブロッキングやコア2に巻き付ける工程におけるシワ等の問題が起こらず、品質を安定させることができる。
【0014】
本発明における巻き硬さとは、一方のロール状熱転写記録媒体1の端面4aを固定し、もう一方のロール状熱転写記録媒体1の端面4b側のコア2の端面5bを、デジタルフォースゲージ等の荷重を測定できる計測器にて計測しながら、押すか引っ張るか、いずれかの応力を強めるように加え続けた状態で、最初にロール状熱転写記録媒体1が巻きズレを起こした荷重のことを指す。
【0015】
コア2は、従来のロール状熱転写記録媒体にも使用されているものと同等なものを使用することができる。このコア2は、機械的強度や耐熱性を有することが好ましいが、特に素材は限定されない。
図2は、図1のロール状熱転写記録媒体1における熱転写記録媒体3の一部拡大断面図である。熱転写記録媒体3は、支持体6と、支持体6の一方の面に、バインダーからなる耐熱滑性層7、支持体6の耐熱滑性層7とは反対側の面に、染料及びバインダーを有する熱転写層8で構成される。
【0016】
支持体6は、従来から熱転写記録媒体3の基材として使用されているものと同等なものを使用することがでる。この支持体6は、機械的強度、柔軟性、耐熱性などを有することが好ましい。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、セロファン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリイミド、ナイロン、ポリ塩化ビニリデン等のプラスチックフィルム、コンデンサーペーパー、パラフィン紙等の紙類を挙げることができる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレートである。また、支持体5の厚みは、2〜25μmが望ましい。より好ましくは2〜12μmである。
【0017】
また、耐熱滑性層7は、不図示のサーマルヘッドの熱による支持体6の熱収縮や、サーマルヘッドとの摩擦による支持体6の破断を防止するために、支持体6の熱転写層8の反対側の面に設けられる。耐熱滑性層7に用いられるバインダー樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。耐熱性を向上させる目的で、架橋剤を併用してもよい。また、滑性を向上させる目的でシリコーンオイル等の滑剤等を併用してもよく、上記樹脂をシリコーン変性等したものを使用してもよい。また、支持体6と耐熱滑性層7との間の密着性を向上させるために、支持体6の上に易接着層を設け、その上に耐熱滑性層7を設けてもよい。
【0018】
熱転写層8は、熱転写記録媒体3の耐熱滑性層7側からサーマルヘッドにより加熱することで、不図示の被熱転写体上に、熱転写層8に含有される染料を転写する機能を持つ。
熱転写層8は、昇華性染料及びバインダー樹脂を含有する。昇華性染料としては従来公知のものを用いることができる。具体的には、イエローとしては、カヤセットイエローAG、カヤセットイエローTDN、PYT52、プラストイエロー8040、ホロンブリリアントイエローS6GLPI等が挙げられる。マゼンタとしては、カヤセットレッドB、カヤセットレッド130、セレスレッド7B、マクロレックスレッドバイオレットR、C.I.ディスパースレッド60等を挙げられる。シアンとしては、カヤセットブルー714、セレスブルーGN、MSブルー50、TSD−44、C.I.ソルベントブルー63、C.I.ソルベントブルー36等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
昇華性染料との組み合わせで熱転写層8に用いるバインダー樹脂として、従来公知のものが使用できる。具体的には、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合樹脂、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリカーボネート等の耐熱性、染料移行性等に優れた樹脂が使用できる。また、より耐熱性、染料移行性に優れた樹脂として、ポリビニルアセタール樹脂が好ましい。
【0020】
昇華性染料との組み合わせで熱転写層8に用いるバインダー樹脂のガラス転移温度は、50℃以上が好ましい。この、ガラス転移温度が50℃以下であると、熱転写時に熱転写層8が被熱転写体に融着しやすくなったりするため好ましくない。さらに、熱転写層8に含まれる昇華性染料とバインダー樹脂との比率は、100:50〜100:300が好ましい。
【0021】
また、熱転写層8は、架橋剤を含有しても良い。昇華性染料、バインダー樹脂との組み合わせで熱転写層8に用いる架橋剤としては、従来公知のものが使用できる。架橋剤を含有させることで耐熱性が向上し、熱転写記録媒体3の変形を防止できる。より耐熱性に優れた架橋剤として、ポリイソシアネートが挙げられ、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系のポリオール樹脂やセルロース系樹脂、アセタール樹脂等の組合せで用いられる。
【0022】
熱転写層8には、離型剤を含有してもよい。離型剤を含有させると、熱転写層8表面の形状による離型性がさらに向上する。例えば、シリコーン系、フッ素系、リン酸エステル系、といった各種オイルや、界面活性剤や、金属酸化物、シリカ等の各種フィラー等が使用できる。中でも、シリコーンオイルを使用することが好ましい。
熱転写層8には、粒子を含有してもよい。粒子として、例えば、タルク、クレー、カオリン、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウムなどの無機系粒子や、ポリエチレン粒子、ポリプロピレン粒子、ポリスチレン粒子、シリコーン粒子などの有機系粒子が挙げられる。
【0023】
熱転写層8の膜厚は、0.1〜5.0μmが望ましいが、より好ましくは0.4〜3.0μmである。この熱転写層8の膜厚が、0.1μmを下回ると十分な発色感度が得られず、また、5.0μmを越えると発色感度が悪くなるという欠点が生じる。
その他、熱転写層8には、必要に応じて、界面活性剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等を添加してもよく、これらの機能を有した層を積層しても良い。
【0024】
上述した耐熱滑性層7及び熱転写層8は、ロール状熱転写記録媒体1の巻き硬さを10〜100kgfと規定することに加えて、耐熱滑性層7の表面の二乗平均平方根粗さSq(Root−Mean−Square Deviation)を0.05〜0.4とし、かつ熱転写層8の二乗平均平方根粗さSqを0.05〜0.4と規定する。このように規定することで、高温・多湿環境に更に長期間の保存した後も、染料の析出を起こすことなく、地汚れの発生を抑制することができる。
曲面の二乗平均平方根粗さSqとは、JIS B 0601にて記載されている、二次元の輪郭曲線の二乗平均平方根粗さRqを、三次元に拡張したものであり、表面形状の曲線をf(x,y)、Lxをx方向の測定長、Lyをy方向の測定長とすると、下記式(1)にて表される。
【0025】
【数1】
【0026】
耐熱滑性層7の表面のSqが0.05より小さい場合と、熱転写層8の表面のSqが0.05より小さい場合との、すくなくとも何れかの場合は、次の不具合が発生することがある。すなわち、ロール状熱転写記録媒体1において、熱転写層8の表面から耐熱滑性層7への染料の裏移り量が多くなるため、耐熱滑性層7に裏移りした染料が印画した際にサーマルヘッド表面を汚染してしまう。あるいは、染料により汚染されたサーマルヘッド表面には異物が付着しやすくなり、その結果ムラが発生したり、ひどい場合には抜け等が発生したりする。
【0027】
逆に、耐熱滑性層7の表面のSqが0.4より大きい場合と、熱転写層8の表面のSqが0.4より大きい場合との、すくなくとも何れかの場合は、次の不具合が発生することがある。すなわち、ロール状熱転写記録媒体1において、高温・多湿環境に長期間保存すると、染料が析出を起こし、その結果印画の際に地汚れが発生してしまう。これはロール状熱転写記録媒体1の巻き硬さが10〜100kgfであっても、耐熱滑性層7と熱転写層8のSqが大きいため、ロール状熱転写記録媒体1を構成する重なった耐熱滑性層7と熱転写層8との間に、ミクロな隙間が生じ、その隙間に湿度が入り込むためと考えられる。
【0028】
本実施形態の耐熱滑性層7及び熱転写層8は、耐熱滑性層7の表面のSqを0.05〜0.4とし、かつ熱転写層8のSqを0.05〜0.4と規定することで、高温・多湿環境に更に長期間の保存した後も、染料の析出を起こすことなく、地汚れの発生を抑制することができる。
本実施形態におけるSqの調整手段としては、フィラーの添加や熱溶融性の滑剤やワックスの添加など従来公知の手段を使用できるが、特に限定はされない。
本実施形態の熱転写記録媒体3には、支持体6と熱転写層8との密着性を向上させるために、中間層として易接着層を設けても良い。
【0029】
また密着性を向上させるために、熱転写層8と支持体6との間に不図示の下引き層を設けても良い。下引き層には、支持体6,熱転写層8との密着、及び転写感度を向上させるための染料バリア性、さらには通常溶剤系からなる熱転写層8を下引き層に積層させるために耐溶剤性が求められる。密着性、染料バリア性、耐溶剤性を有する下引き層であれば、従来公知のもので対応できる。例えば、ポリビニルアルコールとその変性/共重合体、ポリビニルピロリドンとその変性/共重合体、ポリエステルとアクリルの共重合体、デンプン、ゼラチン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等を挙げられる。
【0030】
また熱転写記録媒体3は、支持体6の熱転写層8側に、熱転写層8とは別に不図示の保護層を、面順次に設けても良い。この保護層は、熱転写層8等により被熱転写体上に形成された画像を保護するための層である。保護層は、熱転写法により熱転写記録媒体3から剥離して被熱転写体上に転写される一方、性能として紫外線等からの耐性が要求される。このため、保護層が耐性のある不図示の剥離層の一層で構成される場合のほか、被熱転写体表面との密着性を向上させるために剥離層の上に不図示の接着層を設けてもよい。また、剥離層が支持体6から容易に転写できるように、剥離層と支持体6との間に不図示の離型層を設けてもよい。
【0031】
離型層は、支持体からの保護層の剥離の程度を適当な範囲内に調整し、支持体からの安定的な剥離性を確保するために設けられるものであり、剥離の程度が適当な範囲であれば必ずしも必要ではない。離型層の材質としては、特に制限されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等の水溶性高分子、塩化ゴム、環化ゴム等の天然ゴム誘導体、天然ワックス、合成ワックス等のワックス類、ニトロセルロース、セルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、アクリル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリアセタール系、塩素化ポリオレフィン系、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系等の熱可塑性樹脂、メラミン系、エポキシ系、ポリウレタン系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。
【0032】
剥離層は、例えば、バインダー、紫外線吸収剤や離型性や滑り性等を付与する機能性添加剤によって構成され、剥離層の厚みは、0.3〜3μm程度が好ましい。剥離層を構成するバインダーとしては、熱溶融性以外の点で、特に限定されるものではないが、例として、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、石油樹脂、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステルガム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、ポリ塩素化オレフィン等の天然樹脂や合成ゴムの誘導体、カルナバワックス、パラフィンワックス等のワックス類が挙げられる。特に、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース誘導体、エポキシ樹脂が好ましい。
【0033】
剥離層に含有する紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、トリアジン系等が挙げられる。具体的には、例としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール等やこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また、複数を混合して使用してもよい。また、例としてトリアジン系紫外線吸収剤としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−イソ−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジン等やこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また、複数を混合して使用してもよい。上記紫外線吸収剤は、バインダー100重量部に対し、1〜20重量部添加されることが好ましい。添加量が1重量部未満の場合、十分な紫外線吸収能を発揮することができない場合がある。一方、20重量部以上添加すると、印画物表面へのブリードアウトが生じ、得られる被転写記録媒体自体の問題を伴う可能性が高くなる。
【0034】
また、剥離層に含有する機能性添加剤としては、ストレートシリコーン、変性シリコーン等のシリコーンオイル、フルオロアルキル基またはパーフルオロアルキル基を持つ界面活性剤、リン酸エステル系に代表される離型剤、カルナバワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ライスワックス等のワックス類、有機又は無機フィラーに代表される滑り剤等が挙げられる。その他必要に応じて、ヒンダードアミン系、Niキレート系等の光安定剤、ヒンダードフェノール系、硫黄系、肥土レジン系等の熱安定剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシシウム等の難燃剤、フェノール系、イオウ系、リン系等の酸化防止剤、ブロッキング防止剤、触媒促進剤、透明性を維持する範囲での着色剤、半透明化のための光散乱剤、艶調整剤、蛍光増白剤、帯電防止剤等を添加してもよい。
【0035】
接着層について、バインダーとしては熱溶融性以外特に限定されるものではないが、例として、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、石油樹脂、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステルガム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、ポリ塩素化オレフィン等の天然樹脂や合成ゴムの誘導体、カルナバワックス、パラフィンワックス等のワックス類が挙げられる。特に、アクリル系樹脂、セルロース誘導体が好ましい。また、必要に応じて、シリコーンオイル、界面活性剤、離型剤、ワックス類、有機又は無機フィラーに代表される滑り剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、難燃剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、触媒促進剤、着色剤、光散乱剤、艶調整剤、蛍光増白剤、帯電防止剤等を添加することができる。
【0036】
前記各塗布層には、一般の塗被紙製造において使用される濡れ剤、分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤等の各種補助剤が適宜添加される。各塗布層は、バーコート、ブレードコート、エアナイフコート、グラビアコート、ロールコート、ダイコート等の公知のウェットコーティング法によって、所定の塗工液を各層毎、あるいは2層以上を同時に塗工、乾燥して得ることができる。
【実施例】
【0037】
以下、実施例について詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
下記組成の耐熱滑性層7に用いるインキ組成物を調整し、厚み4.5μmのポリエチレンテレフタレートフイルムに、乾燥後の耐熱滑性層7の膜厚が1.0μmになるように塗布及び乾燥を行った。
〔耐熱滑性層7用インキ〕
・アクリルポリオール樹脂 15部
・2−6,トリレンジイソシアネート 5部
・シリコーンフィラー(粒径1.0μm) 0.2部
・アミノ変性シリコーンオイル 1部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
【0038】
次に、下記組成の熱転写層8用インキ組成物を調製し、基材の耐熱滑性層7を形成した面とは反対側の面に、乾燥後の熱転写層8の膜厚が1.0μmになるように塗布及び乾燥して本実施形態の熱転写記録媒体3を得た。
〔熱転写層8用インキ〕
・C.I.ソルベントブルー63 2.5部
・C.I.ソルベントブルー36 2.5部
・ポリビニルアセタール樹脂 5部
・シリコーンフィラー(粒径:1.0μm) 0.05部
・メチルエチルケトン 60部
・トルエン 30部
【0039】
また、作製した熱転写記録媒体3を、コア2に両面テープを用いて貼り、300m巻き付ける際の張力を調整することで巻き硬さを50kgfとし、本実施形態に係るロール状熱転写記録媒体1を得た。また作製した耐熱滑性層7及び熱転写層8の表面をレーザー顕微鏡にて観察し、それぞれのSqを測定した。耐熱滑性層7の表面のSqは0.2、熱転写層8の表面のSqは0.2であった。
【0040】
次に、基材シートとして、発泡ポリプロピレンフィルム(厚み:50μm)/接着樹脂層/コート紙(塗布量:108g/m2 )/接着樹脂層/発泡ポリプロピレンフィルム(厚み:50μm)を用い、この片方の面に下記の受容層用インキを乾燥後の膜厚が4μmとなるように塗布して乾燥させた。その後、45℃で1週間エージングを行い、受容層付きの被熱転写体を得た。
〔受容層用インキ〕
・塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体
(日信化学工業社製、ソルバインA) 50.0部
・シリコーンオイル
(信越化学工業社製、KF393) 2.0部
・メチルエチルケトン 25.0部
・トルエン 25.0部
【0041】
<実施例2>
耐熱滑性層7用インキ組成物のうち、シリコーンフィラーの添加量を0.04部とした以外は、実施例1と同様にしてロール状熱転写記録媒体1を得た。得られた耐熱滑性層7の表面をレーザー顕微鏡にて観察し、Sqを測定したところ、0.03であった。
<実施例3>
熱転写層8用インキ組成物のうち、シリコーンフィラーの添加量を0.01部とした以外は、実施例1と同様にしてロール状熱転写記録媒体1を得た。得られた熱転写層8の表面をレーザー顕微鏡にて観察し、Sqを測定したところ、0.03であった。
【0042】
<実施例4>
耐熱滑性層7用インキ組成物のうち、シリコーンフィラーの粒径を2.0μmとし、その添加量を0.4部とした以外は、実施例1と同様にしてロール状熱転写記録媒体1を得た。得られた耐熱滑性層7の表面をレーザー顕微鏡にて観察し、Sqを測定したところ、0.5であった。
<実施例5>
熱転写層8用インキ組成物のうち、シリコーンフィラーの粒径を2.0μmとし、その添加量を0.1部とした以外は、実施例1と同様にしてロール状熱転写記録媒体1を得た。得られた熱転写層8の表面をレーザー顕微鏡にて観察し、Sqを測定したところ、0.5であった。
【0043】
<比較例1>
実施例1にて作製した熱転写記録媒体3を、コア2に巻き付ける際の張力を調整することで、巻き硬さを5kgfとした以外は、実施例1と同様にしてロール状熱転写記録媒体1を得た。
<比較例2>
実施例1にて作製した熱転写記録媒体3を、コア2に巻き付ける際の張力を調整することで、巻き硬さを120kgfとした以外は、実施例1と同様にしてロール状熱転写記録媒体1を得た。
得られたロール状熱転写記録媒体1を、40℃90%の環境に1週間及び1ヶ月間保存し、その保存環境から取り出した後、熱転写層8の表面と被熱転写体の受容層面とを重ね、耐熱滑性層7側からサーマルヘッドを用いて染料を転写させ、白ベタ画像、シアンベタ画像を印画した。
得られた画像及び、保存した後のロール状熱転写記録媒体1に対して、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
【0044】
〔評価項目〕
・地汚れ
得られた白ベタ画像の地汚れを、目視及びX−rite528濃度計(X−rite社製)の色相測定(D65光源)にて評価した。40℃90%の環境への保存前に印画した白ベタ画像の色相(a*b*)と、40℃90%の環境への保存した後に印画した白ベタ画像の色相(a*b*)を測定し、Δabを算出した。Δabは下式(2)より算出される。
【0045】
【数2】
【0046】
地汚れが目視では確認できず、上式(2)中のΔabが0〜0.3である場合は○、地汚れが目視では確認できず、上式(2)中のΔabが0.3〜1.0の場合には△印、地汚れが目視確認できる場合、またはΔabが1.0より大きい場合には×として評価した。
・画質
得られたシアンベタ画像の画質を、目視にて評価した。印画物に抜けやムラが無い場合は○印、印画物に抜けやムラがあるが、実用上問題ない場合は△印、印画物に実用上問題のある抜けやムラがある場合は×として評価した。
・その他不具合
外観等を検査し、不具合がある場合は表1に記載した。問題ない場合は○印、多少不具合はあるが、実用上問題ない場合は△印、不具合があり、実用上問題となる場合は×印として評価した。
【0047】
【表1】
【0048】
以上の結果の通り、本実施形態によると、ロール状熱転写記録媒体1において、高温・多湿環境に保存しても、地汚れの発生を防ぐことができた。実施例1では、ロール状熱転写記録媒体1の巻き硬さが10〜100kgfを満たし、かつ耐熱滑性層7の表面のSqが0.05〜0.4、かつ熱転写層8の表面のSqを0.05〜0.4を満たすことで、40℃90%の環境に1ヶ月間保存した後も、上式(2)中のΔab=0.1であり、熱転写層8は地汚れを起こさないことが確認できた。また画質も問題なく、その他不具合も発生しなかった。
【0049】
実施例2及び3では、40℃90%の環境に1ヶ月間保存した後も、上式(2)中のΔab=0.1であり、熱転写層8は地汚れを起こさないことが確認できた。しかし耐熱滑性層7の表面のSq、または熱転写層8の表面のSqが0.05より小さくなることで、印画物に実用上問題の無い程度の微小なムラが発生することが確認できた。
実施例4及び5では、40℃90%の環境に1週間保存した後も、熱転写層8は地汚れを起こさないことが確認できた。しかし耐熱滑性層7の表面のSq、または熱転写層8の表面のSqが0.4より大きくなることで、40℃90%の環境に1ヶ月間保存した後は、上式(2)中のΔab=0.5であり、目視では確認できない程度の地汚れが発生していることが確認できた。
【0050】
比較例1からは、ロール状熱転写記録媒体1の巻き硬さが10kgfより小さくなることで、40℃90%の環境に1週間保存した後は、上式(2)中のΔab=1.3となり、目視確認できる地汚れが発生していることが確認できた。またロール状熱転写記録媒体1を段ボールに入れて輸送する際などに、容易に巻きズレてしまうことが確認できた。
比較例2からは、ロール状熱転写記録媒体1の巻き硬さが100kgfより大きくなることで、重なり合う耐熱滑性層7と熱転写層8がブロッキングし、熱転写記録媒体3として使用できないことが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明のロール状熱転写記録媒体は、ロール状熱転写記録媒体の巻き硬さを適切に規定するとともに、耐熱滑性層及び熱転写層それぞれの表面の二乗平均平方根粗さSqも適切に規定したことにより、高温・多湿環境に保存した後も、熱転写層の染料の析出による地汚れを防ぐことのできるロール状熱転写記録媒体である。そのため、本発明のロール状熱転写記録媒体は、文字や図表などのモノクロプリントや、デジタルカメラ画像またはコンピューターグラフィックス画像などのカラープリントに広く採用される。
【符号の説明】
【0052】
1…ロール状熱転写記録媒体
2…コア
3…熱転写記録媒体
4a,4b…ロール状熱転写記録媒体の端面
5a,5b…コアの端面
6…支持体
7…耐熱滑性層
8…熱転写層
図1
図2