特許第6191218号(P6191218)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6191218
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】車両用情報提示装置
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20170828BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20170828BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20170828BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
   G01C21/26 A
   G08G1/09 F
   G08G1/09 H
   G09B29/00 F
   G09B29/10 A
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-91678(P2013-91678)
(22)【出願日】2013年4月24日
(65)【公開番号】特開2014-215131(P2014-215131A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2016年2月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】井上 裕史
【審査官】 田中 純一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−240821(JP,A)
【文献】 特開2005−209114(JP,A)
【文献】 特開2007−318353(JP,A)
【文献】 特開2009−198334(JP,A)
【文献】 特開2003−044768(JP,A)
【文献】 特開2001−134650(JP,A)
【文献】 特開2006−313317(JP,A)
【文献】 特開2002−350153(JP,A)
【文献】 特開2005−174103(JP,A)
【文献】 特開2008−128658(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00 − 21/36
G01C 23/00 − 25/00
G08G 1/00 − 99/00
G09B 23/00 − 29/14
G06F 19/00 − 19/28
G06Q 10/00 − 50/20
G06Q 50/26 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の乗員に情報を提示する車両用情報提示装置であって、
自車両が立ち寄った施設である立寄施設の広告情報を前記立寄施設の広告情報送信装置から受信する広告情報受信部と、
前記広告情報受信部が受信した前記広告情報を蓄積する自車両広告情報蓄積部と、
前記自車両広告情報蓄積部が蓄積している前記広告情報を他車両に車車間通信で送信する自車両広告情報送信部と、
他車両の前記車両用情報提示装置の前記送信部から送信された前記広告情報である他車両広告情報を車車間通信で受信する他車両広告情報受信部と、
前記他車両広告情報受信部が受信した前記他車両広告情報を蓄積する他車両広告情報蓄積部と、
前記他車両広告情報蓄積部が蓄積している前記他車両広告情報に基づいて提示情報を生成する提示情報生成部と、
前記提示情報生成部が生成した前記提示情報を自車両の乗員に提示する情報提示部と
前記広告情報受信部と通信可能な前記広告情報送信装置である通信可能広告情報送信装置があるか否かを判定する通信可能広告情報送信装置判定部と、
自車両が停車したか否かを判定する停車判定部と、
自車両が始動したか否かを判定する始動判定部と、
を備え
前記広告情報受信部は、
前記通信可能広告情報送信装置があると前記通信可能広告情報送信装置判定部が判定し、且つ、自車両が停車したと前記停車判定部が判定したという第1条件と、
自車両が停車したと前記停車判定部が判定した後に自車両が始動したと前記始動判定部が判定し、且つ、自車両が始動したと前記始動判定部が判定した後に前記通信可能広告情報送信装置判定部が前記通信可能広告情報送信装置があると判定したという第2条件と、
の両方の条件を満たす場合に、前記通信可能広告情報送信装置から送信された前記広告情報を前記立寄施設の前記広告情報として受信することを特徴とする車両用情報提示装置。
【請求項2】
前記他車両広告情報蓄積部が蓄積している前記他車両広告情報のうちから、蓄積してから設定期間が経過した前記他車両広告情報を消去する他車両広告情報消去部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両用情報提示装置。
【請求項3】
前記自車両広告情報蓄積部が蓄積している前記自車両広告情報のうちから、蓄積してから設定期間が経過した前記自車両広告情報を消去する自車両広告情報消去部とを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用情報提示装置。
【請求項4】
前記広告情報は、施設の営業時間を含み、
前記自車両広告情報蓄積部は、前記停車判定部が自車両が停車したと判定したときの時刻、および前記始動判定部が自車両が始動したと判定したときの時刻の少なくともいずれかが、前記広告情報受信部が受信した前記広告情報が含んでいる施設の営業時間の範囲外である場合には、前記広告情報受信部が受信した前記広告情報を蓄積しないことを特徴とする請求項に記載の車両用情報提示装置。
【請求項5】
前記広告情報は、施設のジャンルを含み、
前記自車両広告情報蓄積部は、前記停車判定部が自車両が停車したと判定してから、前記始動判定部が自車両が始動したと判定するまでの間の時間が、前記広告情報受信部が受信した前記広告情報が含んでいる施設のジャンルに応じた想定利用時間よりも短い場合には、前記広告情報受信部が受信した前記広告情報を蓄積しないことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用情報提示装置。
【請求項6】
前記提示情報生成部は、前記他車両広告情報蓄積部が蓄積している前記他車両広告情報を順に配置した情報を前記提示情報として生成するとともに、前記他車両広告情報蓄積部が蓄積している前記他車両広告情報に基づいて前記他車両広告情報の配置順を設定することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の車両用情報提示装置。
【請求項7】
前記広告情報は、施設の営業時間を含み、
前記提示情報生成部は、前記他車両広告情報蓄積部が蓄積している前記他車両広告情報が含む施設の営業時間を考慮し、前記他車両広告情報蓄積部が蓄積している前記他車両広告情報のうち、営業時間内に自車両が到達できる施設の前記広告情報に基づいて前記提示情報を生成することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の車両用情報提示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用情報提示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自車両の乗員に情報を提示する車両用情報提示装置としては、例えば、特許文献1に記載の従来技術がある。この従来技術では、インターネット上から、自車両の現在位置周辺に存在する施設のうち、自車両の乗員の嗜好にマッチする施設のRSS(RDF Site Summary)情報を検索する。RSS情報としては、例えば、ウェブサイトの更新情報がある。続いて、この従来技術では、検索したRSS情報を自車両の乗員に提示する。これにより、この従来技術では、自車両の乗員の嗜好に合致したフレッシュな情報を提示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−276081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、インターネット上からRSS情報を検索するようになっている。それゆえ、上記従来技術では、インターネット上の情報を頻繁に更新している施設の広告情報も検索される。そのため、上記従来技術では、実際の利用状態に関わらず、広告費が多い施設の広告情報が提示される可能性がある。
本発明は、上記のような点に着目し、実際に利用されている施設の広告情報に関する提示情報を自車両の乗員に提示可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の一態様では、自車両が立ち寄った施設である立寄施設の広告情報を立寄施設の広告情報送信装置から受信する。続いて、本発明の一態様では、受信した広告情報を蓄積する。続いて、本発明の一態様では、蓄積している広告情報を他車両に車車間通信で送信する。また、本発明の一態様では、他車両の車両用情報提示装置の送信部から送信された広告情報である他車両広告情報を車車間通信で受信する。続いて、本発明の一態様では、受信した他車両広告情報を蓄積する。続いて、本発明の一態様では、蓄積している他車両広告情報に基づいて提示情報を生成する。続いて、本発明の一態様では、前記提示情報生成部が生成した前記提示情報を自車両の乗員に提示する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一態様では、他車両が立ち寄った施設の広告情報に関する情報、つまり、他車両が利用した施設の広告情報を自車両の乗員に提示する。それゆえ、本発明の一態様では、実際に利用されている施設の広告情報に関する提示情報を自車両の乗員に提示できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】車載装置1の概略構成を示す図である。
図2】情報提示部13の提示内容を表す図である。
図3】自車両広告情報蓄積処理を表すフローチャートである。
図4】他車両広告情報蓄積処理を表すフローチャートである。
図5】提示情報生成提示処理を表すフローチャートである。
図6】車両用情報提供システムAの動作を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態は、本発明を、車両用情報提供システムAに適用したものである。
(構成)
図1は、車両用情報提供システムAの概略構成を示す図である。
図1に示すように、車両用情報提供システムAは、複数台の車両Bが搭載する車載装置1、および複数の施設Cが有する広告情報送信装置2を備える。施設Cとしては、例えば、遊園地、水族館、公園等の公共施設や、飲食店等の店舗がある。車載装置1と広告情報送信装置2とは、アドホック通信を介して情報の伝送を行う。アドホック通信としては、例えば、基地局を介さずに装置間で直接に行う無線通信がある。また、各車両Bの車載装置1間は、アドホック通信(車車間通信)を介して情報の伝送を行う。
【0009】
(車載装置1の構成)
車載装置1は、スイッチ状態検出部3、表示要求部4、ナビゲーション装置5、自車両広告情報蓄積部6、他車両広告情報蓄積部7、無線通信部8、および装置制御部9を備える。
スイッチ状態検出部3は、自車両Bのイグニッションスイッチのスイッチ状態を検出する。スイッチ状態としては、例えば、オン状態、およびオフ状態がある。そして、スイッチ状態検出部3は、検出結果の情報を装置制御部9に出力する。
表示要求部4は、乗員の操作に応じて後述する提示情報の表示要求を行う。そして、表示要求部4は、表示要求の情報をルート案内部12に出力する。
【0010】
ナビゲーション装置5は、現在位置検出部10、目的地設定部11、ルート案内部12、および情報提示部13を備える。
現在位置検出部10は、自車両Bの現在位置を検出する。そして、現在位置検出部10は、検出結果の情報を装置制御部9およびルート案内部12に出力する。
目的地設定部11は、乗員の操作に応じて目的地を設定する。そして、目的地設定部11は、設定結果の情報をルート案内部12に出力する。
【0011】
ルート案内部12は、現在位置検出部10が出力した情報(現在位置)に基づき、目的地設定部11が設定した目的地までの案内ルートを探索する。そして、ルート案内部12は、現在位置検出部10が出力した情報(現在位置)に基づき探索した案内ルートに沿って自車両Bを案内する情報(以下、案内情報とも呼ぶ)を提示させる指令(以下、案内ルート提示指令とも呼ぶ)を情報提示部13に出力する。
【0012】
図2は、情報提示部13の提示内容を表す図である。
情報提示部13は、ルート案内部12が出力した案内ルート提示指令を取得すると、取得した案内ルート提示指令に従って案内情報を提示する。案内情報の提示方法としては、例えば、案内情報の画像を表示画面に表示する方法、案内情報を読み上げた音声をスピーカから出力する方法がある。また、情報提示部13は、装置制御部9が出力した提示情報提示指令を取得すると、取得した提示情報提示指令に従って提示情報を提示する。提示情報提示指令としては、例えば、提示情報を情報提示部13に提示させる指令がある。また、提示情報としては、例えば、図2に示すように、複数の他車両Bから取得した複数の広告情報を順に配置した情報がある。広告情報の配置順としては、例えば、他車両Bが立ち寄った回数が多い施設Cの広告情報の順、他車両Bが立ち寄った時刻が現在時刻に近い施設Cの広告情報の順、他車両Bが立ち寄った滞在時間が長い施設Cの広告情報の順、および現在位置からの距離が近い施設Cの広告情報の順がある。広告情報としては、例えば、施設Cの位置、および広告詳細情報等を含む情報がある。広告詳細情報としては、例えば、施設Cの名称、広告文、営業時間、ジャンル等がある。施設Cのジャンルとしては、例えば、遊園地、水族館、公園、飲食店がある。提示情報の提示方法としては、例えば、提示情報の画像を表示画面に表示する方法、提示情報を読み上げた音声をスピーカから出力する方法がある。
【0013】
なお、本実施形態では、情報提示部13が、複数の他車両Bから取得した複数の広告情報を順に配置した画像を提示する例を示したが、例えば、他の構成を採用することもできる。例えば、情報提示部13が、乗員の操作に応じたジャンルの施設Cを表す広告情報のみを提示する構成としてもよい。この場合、乗員の操作に応じて乗員の興味のあるジャンル(例えば、映画)を設定可能とする。このようにすれば、情報提示部13が、乗員が興味のないジャンルの施設Cの広告情報を提示対象から除外できる。
【0014】
また、情報提示部13は、装置制御部9が出力した更新情報提示指令を取得すると、取得した更新情報提示指令に従って更新情報を提示する。更新情報提示指令としては、例えば、更新情報を情報提示部13に提示させる指令がある。また、更新情報としては、例えば、提示情報を更新した旨、つまり、提供情報を新たに生成した旨を伝える情報がある。更新情報の提示方法としては、例えば、更新情報の画像を表示画面にポップアップ表示する方法、更新情報を読み上げた音声をスピーカから出力する方法がある。
【0015】
自車両広告情報蓄積部6は、自車両Bが立ち寄った施設C(以下、立寄施設Cとも呼ぶ)の広告情報送信装置2からアドホック通信(無線通信部8)を介して装置制御部9が受信した広告情報(以下、自車両広告情報とも呼ぶ)を蓄積する。
他車両広告情報蓄積部7は、他車両Bの車載装置1の無線通信部8からアドホック通信(無線通信部8)を介して装置制御部9が受信した広告情報(以下、他車両広告情報とも呼ぶ)を蓄積する。その際、他車両広告情報蓄積部7は、蓄積した他車両広告情報に他車両Bを一意に特定する識別子(以下、車両固有キーとも呼ぶ)を対応付ける。
【0016】
無線通信部8は、電波が届く範囲内に存在する他車両Bの無線通信部8を探し出す。続いて、無線通信部8は、探し出した他車両Bの無線通信部8とアドホック通信によって情報を送受信可能な状態とする。これにより、無線通信部8は、他車両Bの無線通信部8とアドホック通信を確立する。また、無線通信部8は、別の他車両B(以下、第1他車両Bとも呼ぶ)とアドホック通信を確立している他車両B(以下、第2他車両Bとも呼ぶ)とアドホック通信を確立した場合、第2他車両Bの無線通信部8を介して第1他車両Bともアドホック通信を確立する。これにより、装置制御部9は、アドホック通信(無線通信部8)を介して、他車両Bの無線通信部8が送信してくる他車両広告情報を受信する。また、装置制御部9が、アドホック通信(無線通信部8)を介して、自車両広告情報蓄積部6が蓄積している自車両広告情報を他車両Bの無線通信部8に送信する。
【0017】
また、無線通信部15は、電波が届く範囲内に存在する施設Cの無線通信部15を探し出す。続いて、無線通信部15は、探し出した施設Cの無線通信部15とアドホック通信によって情報を送受信可能な状態とする。これにより、無線通信部15は、施設Cの無線通信部15とアドホック通信を確立する。そして、装置制御部9は、アドホック通信(無線通信部15)を介して、施設Cの無線通信部15が送信してくる広告情報を受信する。
【0018】
装置制御部9は、スイッチ状態検出部3が出力した情報を取得する。そして、装置制御部9は、取得した情報、および無線通信部8と無線通信部15とのアドホック通信の確立状態に基づき、自車両広告情報蓄積処理を実行する。自車両広告情報蓄積処理では、装置制御部9は、自車両Bが立ち寄った施設C(以下、施設Cとも呼ぶ)の広告情報を自車両広告情報として自車両広告情報蓄積部6に蓄積する。
【0019】
また、装置制御部9は、アドホック通信(無線通信部8)を介して、他車両Bの無線通信部8が出力した他車両広告情報を受信する。続いて、装置制御部9は、受信した他車両広告情報に基づき、他車両広告情報蓄積処理を実行する。他車両広告情報蓄積処理では、装置制御部9は、他車両Bの車載装置1の無線通信部8から受信した他車両広告情報を他車両広告情報として他車両B広告情報蓄積部に蓄積する。また、他車両広告情報蓄積処理では、装置制御部9は、アドホック通信(無線通信部8)を介して、自車両広告情報蓄積部6が蓄積している自車両広告情報を他車両Bの無線通信部8に送信する。
【0020】
さらに、装置制御部9は、表示要求部4が出力した情報を取得する。そして、装置制御部9は、取得した情報、および他車両広告情報蓄積部7が蓄積している他車両広告情報に基づき提示情報生成提示処理を実行する。提示情報生成提示処理では、装置制御部9は、情報提示部13に提示させる提示情報を生成し、生成した提示情報を提示させる指令(提示情報提示指令)を情報提示部13に出力する。
【0021】
(広告情報送信装置2の構成)
広告情報送信装置2は、広告情報蓄積部14、無線通信部15、および無線制御部16を備える。
広告情報蓄積部14は、自施設Cの広告情報を蓄積している。
無線通信部15は、電波が届く範囲内に存在する車両Bの無線通信部8を探し出す。続いて、無線通信部15は、探し出した車両Bの無線通信部8とアドホック通信によって情報を送受信可能な状態とする(車両Bの無線通信部8とアドホック通信を確立する)。続いて、装置制御部9は、アドホック通信(無線通信部15)を介して、自車両広告情報蓄積部6が蓄積している自車両広告情報を車両Bの無線通信部8に送信する。
無線制御部16は、アドホック通信(無線通信部8)を介して、広告情報蓄積部14が蓄積している広告情報を車両Bの無線通信部8に送信する。
【0022】
(演算処理)
次に、装置制御部9が実行する自車両広告情報蓄積処理について説明する。
図3は、自車両広告情報蓄積処理を表すフローチャートである。
図3に示すように、ステップS101では、装置制御部9は、自車両広告情報蓄積部6が蓄積している自車両広告情報のうちから、蓄積してから設定期間が経過した自車両広告情報を消去する。設定期間としては、例えば、自車両広告情報を蓄積した日、自車両広告情報を蓄積してから24時間、自車両Bが自宅に戻るまでの期間がある。
【0023】
続いてステップS102に移行して、装置制御部9は、無線通信部8と通信可能な広告情報送信装置2があるか否かを判定する。具体的には、装置制御部9は、電波が届く範囲内(例えば、半径50mの範囲内)に存在する施設Cの無線通信部15を無線通信部8が探し出したか否かを判定する。そして、装置制御部9は、電波が届く範囲内に存在する施設Cの無線通信部15を無線通信部8が探し出した場合には(Yes)、無線通信部8と通信可能な広告情報送信装置2があると判定し、ステップS103に移行する。一方、装置制御部9は、電波が届く範囲内に存在する施設Cの無線通信部15を無線通信部8が探し出せなかった場合には(No)、無線通信部8と通信可能な広告情報送信装置2がないと判定し、前記ステップS101に移行する。
【0024】
続いてステップS103に移行して、装置制御部9は、自車両Bが停車しているか否かを判定する。具体的には、装置制御部9は、スイッチ状態検出部3が検出したイグニッションスイッチの状態に基づき、イグニッションスイッチがオフ状態であるか否かを判定する。そして、装置制御部9は、イグニッションスイッチがオフ状態であると判定した場合には(Yes)、自車両Bが停車していると判定し、ステップS104に移行する。一方、装置制御部9は、イグニッションスイッチがオン状態であると判定した場合には(No)、自車両Bが停車していないと判定し、前記ステップS101に移行する。
【0025】
なお、本実施形態では、装置制御部9が、イグニッションスイッチがオフ状態であると判定した場合に、自車両Bが停車していると判定する例を示したが、他の構成を採用してもよい。例えば、装置制御部9が、自車両Bの車速が設定値(例えば、5km/h)以下であると判定した場合に自車両Bが停車していると判定する構成としてもよい。
続いてステップS104に移行して、装置制御部9は、自車両Bが始動しているか否かを判定する。具体的には、装置制御部9は、スイッチ状態検出部3が検出したイグニッションスイッチの状態に基づき、イグニッションスイッチがオン状態であるか否かを判定する。そして、装置制御部9は、イグニッションスイッチがオン状態であると判定した場合には(Yes)、自車両Bが始動していると判定し、ステップS104に移行する。一方、装置制御部9は、イグニッションスイッチがオン状態であると判定した場合には(No)、自車両Bが始動していないと判定し、この判定を再度繰り返し実行する。
【0026】
続いてステップS105に移行して、装置制御部9は、無線通信部8と通信可能な広告情報送信装置2があるか否かを判定する。具体的には、装置制御部9は、電波が届く範囲内(例えば、半径50mの範囲内)に存在する施設Cの無線通信部15を無線通信部8が探し出したか否かを判定する。そして、装置制御部9は、電波が届く範囲内に存在する施設Cの無線通信部15を無線通信部8が探し出した場合には(Yes)、無線通信部8と通信可能な広告情報送信装置2があると判定し、ステップS106に移行する。一方、装置制御部9は、電波が届く範囲内に存在する施設Cの無線通信部15を無線通信部8が探し出せなかった場合には(No)、無線通信部8と通信可能な広告情報送信装置2がないと判定し、前記ステップS101に移行する。
【0027】
前記ステップS106では、装置制御部9が、自車両Bの無線通信部8と施設Cの無線通信部15とがアドホック通信を確立したか否かを判定する。そして、装置制御部9が、自車両Bの無線通信部8と施設Cの無線通信部15とがアドホック通信を確立したと判定した場合には(Yes)ステップS107に移行する。一方、装置制御部9が、自車両Bの無線通信部8と施設Cの無線通信部15とがアドホック通信を確立していないと判定した場合には(No)この判定を再度繰り返し実行する。
前記ステップS107では、装置制御部9は、アドホック通信(無線通信部8)を介して、施設Cの無線通信部15から送信されてくる広告情報を受信する。
【0028】
続いてステップS108に移行して、装置制御部9は、自車両Bの停車時間が適正でないか否かを判定する。具体的には、装置制御部9は、前記ステップS103で自車両Bが停車したと判定したときの時刻、および前記ステップS104で自車両Bが始動したと判定したときの時刻を取得する。続いて、装置制御部9は、取得した時刻の少なくともいずれかが、前記ステップS107で受信した広告情報が含んでいる施設Cの営業時間の範囲外であるか否かを判定する。そして、装置制御部9は、施設Cの営業時間の範囲外であると判定した場合には(Yes)、自車両Bの停車時間が適正でないと判定し、前記ステップS101に移行する。一方、装置制御部9は、施設Cの営業時間の範囲内であると判定した場合には(No)、自車両Bの停車時間が適正であると判定し、ステップS109に移行する。これにより、装置制御部9は、自車両Bの停車時間が適正でないと判定した場合には、受信した広告情報を自車両広告情報蓄積部6に蓄積しない。
【0029】
このように、本実施形態では、装置制御部9が、自車両Bが停車したと判定したときの時刻、および自車両Bが始動したと判定したときの時刻の少なくともいずれかが、受信した広告情報が含んでいる施設Cの営業時間の範囲外であると判定した場合には、受信した広告情報を自車両広告情報蓄積部6に蓄積しない。それゆえ、本実施形態では、自車両Bが停車したと判定したときの時刻、および自車両Bが始動したと判定したときの時刻の少なくともいずれかが、施設Cの営業時間の範囲外である場合、つまり、自車両Bの乗員が施設Cを利用していない場合には、受信した施設Cの広告情報を蓄積しない。そのため、本実施形態では、より適切な広告情報を蓄積できる。
【0030】
なお、本実施形態では、自車両Bが停車したと判定したときの時刻、および自車両Bが始動したと判定したときの時刻の少なくともいずれかが、受信した広告情報が含んでいる施設Cの営業時間の範囲外であると判定した場合には、受信した広告情報を自車両広告情報蓄積部6に蓄積しない例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、装置制御部9が、自車両Bが停車したと判定してから、自車両Bが始動したと判定するまでの間の時間が、受信した広告情報が含んでいる施設Cのジャンルに応じた想定利用時間よりも短い場合には、受信した広告情報を自車両広告情報蓄積部6に蓄積しない構成としてもよい。具体的には、装置制御部9は、前記ステップS103で自車両Bが停車したと判定してから、前記ステップS104で自車両Bが始動したと判定するまでの間の時間を取得する。続いて、装置制御部9は、取得した時間が、前記ステップS107で受信した広告情報が含んでいる施設Cのジャンルに応じた想定利用時間よりも短いと判定した場合には(Yes)、自車両Bの停車時間が適正でないと判定し、前記ステップS101に移行する。施設Cのジャンルに応じた想定利用時間としては、例えば、ジャンルが遊園地や水族館である場合には2時間、ジャンルが公園である場合には1時間、ジャンルが飲食店である場合には30分とする。一方、装置制御部9は、取得した時間が、前記ステップS107で受信した広告情報が含んでいる施設Cのジャンルに応じた想定利用時間よりも長いと判定した場合には(No)、自車両Bの停車時間が適正であると判定し、ステップS109に移行する。これにより、装置制御部9は、自車両Bの停車時間が適正でないと判定した場合には、受信した広告情報を自車両広告情報蓄積部6に蓄積しない。
【0031】
このように、本実施形態では、装置制御部9が、自車両Bが停車したと判定してから、自車両Bが始動したと判定するまでの間の時間が、受信した広告情報が含んでいる施設Cのジャンルに応じた想定利用時間よりも短い場合には、受信した広告情報を自車両広告情報蓄積部6に蓄積しない。それゆえ、本実施形態では、自車両Bが停車したと判定してから、自車両Bが始動したと判定するまでの間の時間が、受信した広告情報が含んでいる施設Cのジャンルに応じた想定利用時間(2時間)よりも短い場合、つまり、自車両Bの乗員が施設Cを利用していない場合には、施設Cの広告情報を蓄積しない。そのため、本実施形態では、より適切な広告情報を蓄積できる。
前記ステップS109では、装置制御部9は、前記ステップS107で受信した広告情報を自車両広告情報として自車両広告情報蓄積部6に蓄積した後、前記ステップS101に移行する。
【0032】
次に、装置制御部9が実行する他車両広告情報蓄積処理について説明する。
図4は、他車両広告情報蓄積処理を表すフローチャートである。
図4に示すように、ステップS201では、装置制御部9は、自車両Bを一意に特定する識別子(車両固有キー)を生成する。車両固有キーは、設定期間が経過したら無効とする。設定期間としては、例えば、車両固有キーを生成した日、車両固有キーを生成してから24時間、自車両Bが自宅に戻るまでの期間がある。
【0033】
続いてステップS202に移行して、装置制御部9は、自車両Bの周囲に自車両Bとアドホック通信が可能な他車両Bがあるか否かを判定する。具体的には、装置制御部9は、電波が届く範囲内(例えば、半径50m)に存在する他車両Bの無線通信部8を無線通信部8が探し出したか否かを判定する。そして、装置制御部9は、電波が届く範囲内に存在する他車両Bの無線通信部8を無線通信部8が探し出した場合には(Yes)、自車両Bの周囲に自車両Bとアドホック通信可能な他車両Bがあると判定し、ステップS203に移行する。一方、装置制御部9は、電波が届く範囲内に存在する他車両Bの無線通信部8を無線通信部8が探し出せなかった場合には(No)、自車両Bの周囲に自車両Bとアドホック通信可能な他車両Bがないと判定し、この判定を再度繰り返し実行する。
【0034】
前記ステップS203では、装置制御部9が、自車両Bの無線通信部8と他車両Bの無線通信部8とがアドホック通信を確立したか否かを判定する。そして、装置制御部9が、自車両Bの無線通信部8と他車両Bの無線通信部8とがアドホック通信を確立したと判定した場合には(Yes)ステップS204に移行する。一方、装置制御部9が、自車両Bの無線通信部8と他車両Bの無線通信部8とがアドホック通信を確立していないと判定した場合には(No)前記ステップS202に移行する。
【0035】
前記ステップS204では、装置制御部9は、アドホック通信(無線通信部8)を介して、他車両Bの無線通信部8から送信されてくる広告情報(他車両広告情報)、および他車両Bの車両固有キーを受信する。
続いてステップS205に移行して、装置制御部9は、前記ステップS204で受信した車両固有キーと同一の車両固有キーに対応付けられている他車両広告情報(以下、対応他車両広告情報とも呼ぶ)が他車両広告情報蓄積部7に蓄積されているか否かを判定する。そして、装置制御部9は、対応他車両広告情報が他車両広告情報蓄積部7に蓄積されていると判定した場合には(Yes)ステップS206に移行する。一方、装置制御部9は、対応他車両広告情報が他車両広告情報蓄積部7に蓄積されていないと判定した場合には(No)ステップS207に移行する。
【0036】
前記ステップS206では、装置制御部9は、前記ステップS204で受信した他車両広告情報が他車両広告情報蓄積部7に未蓄積の他車両広告情報であるか否かを判定する。具体的には、装置制御部9は、他車両広告情報蓄積部7に蓄積されている対応他車両広告情報のうちに、前記ステップS204で受信した他車両広告情報と同一の他車両広告情報がないか否かを判定する。そして、装置制御部9は、前記ステップS204で受信した他車両広告情報と同一の他車両広告情報がないと判定した場合には(Yes)、他車両広告情報蓄積部7に未蓄積の他車両広告情報であると判定し、前記ステップS207に移行する。一方、装置制御部9は、前記ステップS204で受信した他車両広告情報と同一の他車両広告情報があると判定した場合には(No)、他車両広告情報蓄積部7に未蓄積の他車両広告情報ではないと判定し、ステップS208に移行する。
【0037】
前記ステップS207では、装置制御部9は、前記ステップS204で受信した他車両広告情報を他車両広告情報蓄積部7に蓄積した後、前記ステップS208に移行する。その際、装置制御部9は、蓄積した他車両広告情報に前記ステップS204で受信した車両固有キー(他車両Bの車両固有キー)を対応付ける。
前記ステップS208では、装置制御部9は、アドホック通信(無線通信部8)を介して、他車両Bの無線通信部8に自車両広告情報、および自車両Bの車両固有キーを送信した後、前記ステップS202に移行する。
【0038】
次に、装置制御部9が実行する提示情報生成提示処理について説明する。
図5は、提示情報生成提示処理を表すフローチャートである。
図5に示すように、ステップS301では、装置制御部9は、他車両広告情報蓄積部7が蓄積している他車両広告情報のうちから、蓄積してから設定期間が経過した他車両広告情報を消去する。設定期間としては、例えば、他車両広告情報を蓄積した日、他車両広告情報を蓄積してから24時間、自車両Bが自宅に戻るまでの期間がある。
【0039】
続いてステップS302に移行して、装置制御部9は、他車両広告情報蓄積部7が蓄積している他車両広告情報を更新したか否かを判定する。具体的には、装置制御部9は、他車両広告情報蓄積部7がこの提示情報生成提示処理を前回実行したときに蓄積していた他車両広告(以下、前回広告情報とも呼ぶ)と現在蓄積している他車両広告情報(以下、現在広告情報とも呼ぶ)とが異なっているか否かを判定する。そして、装置制御部9は、前回広告情報と現在広告情報とが異なっていると判定した場合には(Yes)、他車両広告情報を更新したと判定し、ステップS303に移行する。一方、装置制御部9は、前回広告情報と現在広告情報とが同一であると判定した場合には(No)、他車両広告情報を更新していないと判定し、前記ステップS301に移行する。
【0040】
前記ステップS303では、装置制御部9は、他車両広告情報蓄積部7が蓄積している他車両広告情報に基づいて提示情報を生成する。その際、装置制御部9が、他車両広告情報蓄積部7が蓄積している他車両広告情報が含む施設Cへの自車両Bの予想到達時刻を判定する。続いて、装置制御部9が、他車両広告情報蓄積部7が蓄積している他車両広告情報が含む施設Cの営業時間を取得する。続いて、装置制御部9が、取得した施設Cの営業時間を考慮し、他車両広告情報蓄積部7が蓄積している他車両広告情報のうち、営業時間内に自車両Bが到達できる施設Cの広告情報に基づいて、つまり、該施設Cの広告情報のみを含んだ提示情報を生成する。これにより、情報提示部13は、営業時間内に自車両Bが到達できる施設Cの広告情報のみを提示情報として自車両Bの乗員に提示する。
【0041】
このように、本実施形態では、装置制御部9が、他車両広告情報蓄積部7が蓄積している他車両広告情報が含む施設Cの営業時間を考慮し、営業時間内に自車両Bが到達できる施設Cの広告情報のみを提示情報として自車両Bの乗員に提示する。それゆえ、本実施形態では、営業時間内に自車両Bが到達できない施設Cの広告情報を提示情報から省くことができる。そのため、本実施形態では、より適切な提示情報を提示できる。
続いてステップS304に移行して、装置制御部9は、更新情報提示指令を情報提示部13に出力した後、前記ステップS305に移行する。
【0042】
前記ステップS305では、装置制御部9は、自車両Bの乗員が提示情報を表示させる操作を行ったか否かを判定する。具体的には、装置制御部9は、表示要求部4が表示要求を出力したか否かを判定する。そして、装置制御部9は、表示要求部4が表示要求を出力したと判定した場合には(Yes)、自車両Bの乗員が提示情報を表示させる操作を行ったと判定し、ステップS306に移行する。一方、装置制御部9は、表示要求部4が表示要求を出力していないと判定した場合には(No)、自車両Bの乗員が提示情報を表示させる操作を行っていないと判定し、前記ステップS301に移行する。
【0043】
前記ステップS306では、装置制御部9は、前記ステップS303で生成した提示情報を提示させる提示情報提示指令を情報提示部13に出力した後、この演算処理を終了する。
なお、本実施形態では、装置制御部9が、自車両Bの乗員が提示情報を表示させる操作を行ったと判定した場合に提示情報提示指令を情報提示部13に出力する例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、装置制御部9が、提示情報を生成するたびに、提示情報提示指令を情報提示部13に出力する構成としてもよい。
【0044】
(動作その他)
次に、車両用情報提供システムAの動作について説明する。
図6は、車両用情報提供システムAの動作を説明するための説明図である。
複数台の車両Bのうちの車両B(以下、対象車両B1とも呼ぶ)の車載装置1が、自車両広告情報を自車両広告情報蓄積部6に蓄積する際の動作について説明する。
まず、対象車両B1の乗員が、図6(a)に示すように、施設Cの駐車場、つまり、施設Cの無線通信部15からの電波が届く範囲に対象車両B1を停車させたとする。そして、対象車両B1の無線通信部8と施設Cの無線通信部15とが、アドホック通信を確立したとする。すると、対象車両B1の装置制御部9(以下、対象装置制御部9とも呼ぶ)が、対象車両B1の周囲に広告情報を無線通信部8へ送信する広告情報送信装置2があると判定する(図3のステップS102「Yes」)。続いて、対象装置制御部9が、対象車両B1が停車していると判定する(図3のステップS103「Yes」)。
【0045】
ここで、施設Cが、映画館であったとする。そして、対象車両B1の乗員が、対象車両B1から降車し、施設Cで映画を鑑賞したとする。また、施設Cで映画の鑑賞を終え、対象車両B1の乗員が、対象車両B1に乗車し、対象車両B1を始動させたとする。すると、対象装置制御部9が、対象車両B1が始動していると判定する(図3のステップS104「Yes」)。続いて、対象装置制御部9が、対象車両B1の周囲に広告情報を無線通信部8へ送信する広告情報送信装置2があると判定する(図3のステップS105「Yes」)。続いて、対象装置制御部9が、自車両Bの無線通信部8と施設Cの無線通信部15とがアドホック通信を確立したと判定する(図3のステップS106「Yes」)。続いて、対象装置制御部9が、アドホック通信を介して、施設Cの無線通信部15から送信されてくる広告情報を受信する(図3のステップS107)。続いて、対象装置制御部9が、適正な停車時間であると判定する(図3のステップS108「No」)。続いて、対象装置制御部9が、受信した広告情報を自車両広告情報として自車両広告情報蓄積部6に蓄積する(図3のステップS109)。これにより、装置制御部9が、対象車両B1が立ち寄った施設Cの広告情報を自車両広告情報として自車両広告情報蓄積部6に蓄積する。
【0046】
このように、本実施形態では、装置制御部9が、無線通信部8と通信可能な広告情報送信装置2(以下、通信可能広告情報送信装置2とも呼ぶ)があると判定し、且つ、対象車両B1が停車したと判定した後に、通信可能広告情報送信装置2があると判定し、且つ、対象車両B1が始動したと判定した場合に、通信可能広告情報送信装置2から送信された広告情報を施設Cの広告情報として受信する。それゆえ、本実施形態では、例えば、対象車両B1の運転者が、施設Cの広告情報送信装置2からの電波が届く範囲に対象車両B1を停車させ、対象車両B1を降車し、施設Cで用事を済ませた後に、対象車両B1に乗車し、対象車両B1を始動させた場合に、施設Cの広告情報送信装置2から送信される広告情報を施設Cの広告情報として広告情報送信装置2から受信する。そのため、本実施形態では、より適切な広告情報送信装置2から広告情報を受信できる。
【0047】
また、上記フローを繰り返し実行するうちに、対象装置制御部9が、自車両広告情報蓄積部6が蓄積している自車両広告情報のうちから、蓄積してから設定期間(自車両広告情報を蓄積した日、自車両広告情報を蓄積してから24時間、自車両Bが自宅に戻るまでの期間)が経過した自車両広告情報を順次消去する(図3のステップS101)。
このように、本実施形態では、装置制御部9が、自車両広告情報蓄積部6に蓄積している自車両広告情報のうちから、蓄積してから設定期間(自車両広告情報を蓄積した日、自車両広告情報を蓄積してから24時間、自車両Bが自宅に戻るまでの期間)が経過した自車両広告情報を消去する。それゆえ、設定期間(自車両広告情報を蓄積した日、自車両広告情報を蓄積してから24時間、自車両Bが自宅に戻るまでの期間)内に取得した自車両広告情報、つまり、フレッシュな自車両広告情報を他車両Bに送信できる。
【0048】
続いて、対象車両B1の車載装置1が、他車両広告情報を他車両広告情報蓄積部7に蓄積するとともに、自車両広告情報を他車両Bに送信する際の動作について説明する。
まず、図6(b)に示すように、対象車両B1の周囲、つまり、対象車両B1の無線通信部8からの電波が届く範囲に他車両Bが走行していたとする。そして、対象車両B1の無線通信部8と他車両Bの無線通信部8とが、アドホック通信を確立したとする。すると、対象装置制御部9が、対象車両B1の周囲に対象車両B1とアドホック通信が可能な他車両Bがあると判定する(図4のステップS202「Yes」)。続いて、対象装置制御部9が、対象車両B1の無線通信部8と他車両Bの無線通信部8とがアドホック通信を確立したと判定する(図4のステップS203「Yes」)。続いて、対象装置制御部9が、アドホック通信を介して、他車両Bの無線通信部8から送信されてくる広告情報(他車両広告情報)および当該他車両Bの車両固有キーを受信する(図4のステップS204)。他車両広告情報は、他車両Bが立ち寄った施設Cの広告情報である。ここで、受信した車両固有キーに対応付けられている他車両広告情報(対応他車両広告情報)が、他車両広告情報蓄積部7に蓄積していなかったとする。すると、対象装置制御部9が、対応他車両広告情報が他車両広告情報蓄積部7に蓄積されていないと判定する(ステップS205「No」)。続いて、対象装置制御部9が、受信した他車両広告情報を他車両広告情報蓄積部7に蓄積する(図4のステップS207)。これにより、対象装置制御部9が、他車両Bが立ち寄った施設Cの広告情報他車両広告情報として他車両広告情報蓄積部7に蓄積する。
【0049】
続いて、対象装置制御部9が、アドホック通信を介して、他車両Bの無線通信部8に自車両広告情報、および対象車両B1の車両固有キーを送信する(図4のステップS208)。これにより、対象装置制御部9が、対象車両B1と同じ場所に存在し、対象車両B1と似た行動(例えば、同方向への走行、停車)を行っており、対象車両B1の無線通信部8から電波が届く範囲内に存在する他車両Bと広告情報の共有を行う。そして、同一の場所にいることをもって緩いSNS、つまり、広告情報の共有ネットワークを形成する。
【0050】
続いて、対象車両B1の車載装置1が提示情報を提示する際の動作について説明する。
まず、対象装置制御部9が、他車両広告情報蓄積部7に新しい他車両広告情報を追加したとする。すると、対象装置制御部9が、他車両広告情報蓄積部7が蓄積している他車両広告情報を更新したと判定する(図5のステップS302「No」)。続いて、対象装置制御部9が、他車両広告情報蓄積部7が蓄積している他車両広告情報に基づいて提示情報を生成する(図5のステップS303)。続いて、対象装置制御部9が、更新情報提示指令を情報提示部13に送信する。続いて、情報提示部13が、送信された提示情報提示指令に従って、提示情報を更新した旨の情報(画像、音声)を情報提示部13に提示する。これにより、対象車両B1の乗員は、提示情報が更新されたことを把握可能となる。
【0051】
ここで、提示情報を更新した旨の情報の提示に応じ、対象車両B1の乗員が、提示情報を表示させる操作を行ったとする。すると、表示要求部4が、表示要求を対象装置制御部9に送信する。続いて、対象装置制御部9が、対象車両B1の乗員が提示情報を表示させる操作を行ったと判定する(図5のステップS305「Yes」)。続いて、対象装置制御部9が、提示情報提示指令を情報提示部13に送信する。続いて、情報提示部13が、図2に示すように、送信された提示情報提示指令に従って提示情報(画像、音声)を情報提示部13に提示する。これにより、対象車両B1の乗員は、提示情報を把握可能となる。
【0052】
このように、本実施形態では、対象装置制御部9が、対象車両B1が立ち寄った施設Cの広告情報を施設Cの広告情報送信装置2からアドホック通信(車車間通信)で受信する。続いて、対象装置制御部9が、受信した広告情報(自車両広告情報)を自車両広告情報蓄積部6に蓄積する。続いて、対象装置制御部9が、蓄積している自車両広告情報を他車両Bに送信する。また、対象装置制御部9が、他車両Bの車載装置1の無線通信部8から送信された広告情報(他車両広告情報)を受信する。続いて、対象装置制御部9が、受信した他車両広告情報を他車両広告情報蓄積部7に蓄積する。続いて、対象装置制御部9が、蓄積している他車両広告情報に基づいて提示情報を生成する。続いて、対象装置制御部9が、生成した提示情報を対象車両B1の乗員に提示する。それゆえ、本実施形態では、例えば、インターネット上から検索したRSS情報を対象車両B1の乗員に提示する方法と異なり、実際に利用されている施設Cの広告情報に関する提示情報を対象車両B1の乗員に提示できる。すなわち、本実施形態では、各車両Bが、実際に利用した施設Cの広告情報を共有できる。それゆえ、本実施形態では、対象車両B1の乗員は、例えば、単に周辺の施設Cの広告情報を提示する方法と異なり、実利用がどの程度されているのかを把握可能となる。なお、本実施形態では、車両固有キーを参照することで、複数の他車両Bのうちのいずれの他車両Bから広告情報を受信し、受信した広告情報を基に施設Cを訪れたかを判定することが可能である。そのため、本実施形態では、アフィリエイト、つまり、広告情報の受信元の他車両Bに報酬を支払う制度を導入できる。
【0053】
また、本実施形態では、対象装置制御部9が、他車両広告情報蓄積部7が蓄積している他車両広告情報に基づく順番に配置した複数の他車両広告情報を提示情報として提示する。それゆえ、他車両広告情報をより適切に配置した提示情報を提示できる。
さらに、本実施形態では、対象装置制御部9が、アドホック通信を介して施設Cの無線通信部15や他車両Bの無線通信部8から広告情報を取得する。それゆえ、本実施形態では、例えば、インターネット上から広告情報を取得する方法と異なり、インターネットへ接続する必要なく、インターネットへ接続するための通信料金が発生しない。
【0054】
また、上記フローを繰り返し実行するうちに、対象装置制御部9が、他車両広告情報蓄積部7が蓄積している他車両広告情報のうちから、蓄積してから設定期間(他車両広告情報を蓄積した日、他車両広告情報を蓄積してから24時間、対象車両B1が自宅に戻るまでの期間)が経過した他車両広告情報を順次消去する(図5のステップS301)。
このように、本実施形態では、対象装置制御部9が、他車両広告情報蓄積部7に蓄積している他車両広告情報のうちから、蓄積してから設定期間(他車両広告情報を蓄積した日、他車両広告情報を蓄積してから24時間、対象車両B1が自宅に戻るまでの期間)が経過した他車両広告情報を消去する。それゆえ、設定期間内に取得した他車両広告情報、つまり、フレッシュな他車両広告情報を基に提示情報を生成できる。これにより、対象車両B1の周辺を走行している他車両Bの最新の人気スポットを提示できる。
【0055】
本実施形態では、図1の車載装置1が車両用情報提示装置を構成する。以下同様に、図1の無線通信部8、装置制御部9、図4のステップS107が広告情報受信部を構成する。また、図1の装置制御部9、図3のステップS109が広告情報取得部および自車両広告情報蓄積部を構成する。さらに、図1の無線通信部8、装置制御部9、図4のステップS208が自車両広告情報送信部を構成する。また、図1の無線通信部8、装置制御部9、図4のステップS204が他広告情報受信部を構成する。さらに、図1の他車両広告情報蓄積部7、装置制御部9、図4のステップS207が他車両広告情報蓄積部を構成する。また、図1の装置制御部9、図5のステップS303が提示情報生成部を構成する。さらに、図1の情報提示部13、装置制御部9、図5のステップS306が情報提示部を構成する。また、図1の装置制御部9、図5のステップS301が他車両広告情報消去部を構成する。さらに、図1の装置制御部9、図3のステップS101が自車両広告情報消去部を構成する。また、図1の装置制御部9、図3のステップS102、S105が通信可能広告情報送信装置判定部を構成する。さらに、図1の装置制御部9、図3のステップS103が停車判定部を構成する。また、図1の装置制御部9、図3のステップS104が始動判定部を構成する。
【0056】
(本実施形態の効果)
本実施形態は、次のような効果を奏する。
(1)装置制御部9は、自車両Bが立ち寄った施設C(立寄施設C)の広告情報を立寄施設Cの広告情報送信装置2から受信する。続いて、装置制御部9は、受信した広告情報(自車両広告情報)を自車両広告情報蓄積部6に蓄積する。続いて、装置制御部9は、蓄積している自車両広告情報を他車両Bに送信する。また、装置制御部9は、他車両Bの車載装置1の無線通信部8から送信された広告情報(他車両広告情報)を受信する。続いて、装置制御部9は、受信した他車両広告情報を他車両広告情報蓄積部7に蓄積する。続いて、装置制御部9は、蓄積している他車両広告情報に基づいて提示情報を生成する。続いて、装置制御部9は、生成した提示情報を自車両Bの乗員に提示する。
このような構成によれば、他車両Bが立ち寄った施設Cの広告情報、つまり、他車両Bが利用した施設Cの広告情報を自車両Bの乗員に提示する。それゆえ、実際に利用されている施設Cの広告情報に関する提示情報を自車両Bの乗員に提示できる。
【0057】
(2)装置制御部9は、他車両広告情報蓄積部7が蓄積している他車両広告情報のうちから、蓄積してから設定期間が経過した他車両広告情報を消去する。
このような構成によれば、設定期間内に取得した自車両広告情報、つまり、フレッシュな他車両広告情報を基に提示情報を生成できる。
【0058】
(3)装置制御部9は、自車両広告情報蓄積部6に蓄積している自車両広告情報のうちから、蓄積してから設定期間(自車両広告情報を蓄積した日、自車両広告情報を蓄積してから24時間、自車両Bが自宅に戻るまでの期間)が経過した自車両広告情報を消去する。
このような構成によれば、設定期間(自車両広告情報を蓄積した日、自車両広告情報を蓄積してから24時間、自車両Bが自宅に戻るまでの期間)内に取得した自車両広告情報、つまり、フレッシュな自車両広告情報を他車両Bに送信できる。
【0059】
(4)装置制御部9は、無線通信部8と通信可能な広告情報送信装置2(通信可能広告情報送信装置2)があると判定し、且つ、自車両Bが停車したと判定した後に、通信可能広告情報送信装置2があると判定し、且つ、自車両Bが始動したと判定した場合に、通信可能広告情報送信装置2から送信された広告情報を施設Cの広告情報として受信する。
このような構成によれば、例えば、自車両Bの運転者が、施設Cの広告情報送信装置2からの電波が届く範囲に自車両Bを停車させ、自車両Bを降車し、施設Cで用事を済ませた後に、自車両Bに乗車し、自車両Bを始動させた場合に、施設Cの広告情報送信装置2から送信される広告情報を施設Cの広告情報として広告情報送信装置2から受信する。それゆえ、より適切な広告情報送信装置2から広告情報を受信できる。
【0060】
(5)装置制御部9は、自車両Bが停車したと判定したときの時刻、および自車両Bが始動したと判定したときの時刻の少なくともいずれかが、受信した広告情報が含んでいる施設Cの営業時間の範囲外であると判定した場合には、受信した広告情報を自車両広告情報蓄積部6に蓄積しない。
このような構成によれば、自車両Bが停車したと判定したときの時刻、および自車両Bが始動したと判定したときの時刻の少なくともいずれかが、施設Cの営業時間の範囲外である場合、つまり、自車両Bの乗員が施設Cを利用していない場合には、施設Cの広告情報を蓄積しない。それゆえ、より適切な広告情報を蓄積できる。
【0061】
(6)装置制御部9は、自車両Bが停車したと判定してから、自車両Bが始動したと判定するまでの間の時間が、受信した広告情報が含んでいる施設Cのジャンルに応じた想定利用時間よりも短い場合には、受信した広告情報を自車両広告情報蓄積部6に蓄積しない。
このような構成によれば、自車両Bが停車したと判定してから、自車両Bが始動したと判定するまでの間の時間が、受信した広告情報が含んでいる施設Cのジャンルに応じた想定利用時間よりも短い場合、つまり、自車両Bの乗員が施設Cを利用していない場合には、施設Cの広告情報を蓄積しない。それゆえ、より適切な広告情報を蓄積できる。
【0062】
(7)装置制御部9は、他車両広告情報蓄積部7が蓄積している他車両広告情報を順に配置した情報を提示情報として生成するとともに、他車両広告情報蓄積部7が蓄積している他車両広告情報に基づいて、該他車両広告情報の配置順を設定する。
この構成によれば、蓄積している他車両広告情報に基づいて、該他車両広告情報の配置順を設定する。それゆえ、広告情報をより適切に配置した提示情報を提示できる。
【0063】
(8)装置制御部9は、他車両広告情報蓄積部7が蓄積している他車両広告情報が含む施設の営業時間を考慮し、他車両広告情報蓄積部7が蓄積している他車両広告情報のうち、営業時間内に自車両Bが到達できる施設Cの広告情報に基づいて提示情報を生成する。
このような構成によれば、営業時間内に自車両Bが到達できない施設Cの広告情報を提示情報から省くことができる。それゆえ、より適切な提示情報を提示できる。
【符号の説明】
【0064】
1 車載装置(車両用情報提示装置)
7 他車両広告情報蓄積部(他車両広告情報蓄積部)
8 無線通信部(広告情報受信部、自車両広告情報送信部、他広告情報受信部)
9 装置制御部(広告情報受信部、自車両広告情報蓄積部、自車両広告情報送信部、他広告情報受信部、他車両広告情報蓄積部、提示情報生成部、情報提示部、他車両広告情報消去部、自車両広告情報消去部、通信可能広告情報送信装置判定部、停車判定部、始動判定部)
13 情報提示部(情報提示部)
ステップS101(自車両広告情報消去部)
ステップS102(通信可能広告情報送信装置判定部)
ステップS103(停車判定部)
ステップS104(始動判定部)
ステップS105(通信可能広告情報送信装置判定部)
ステップS107(広告情報受信部)
ステップS109(自車両広告情報蓄積部)
ステップS204(他広告情報受信部)
ステップS207(他車両広告情報蓄積部)
ステップS208(自車両広告情報送信部)
ステップS301(他車両広告情報消去部)
ステップS303(提示情報生成部)
ステップS306(情報提示部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6