特許第6191245号(P6191245)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6191245
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】皮膚化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/88 20060101AFI20170828BHJP
   A61K 8/9789 20170101ALI20170828BHJP
   A61Q 19/08 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
   A61K8/88
   A61K8/9789
   A61Q19/08
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-115114(P2013-115114)
(22)【出願日】2013年5月31日
(65)【公開番号】特開2014-234352(P2014-234352A)
(43)【公開日】2014年12月15日
【審査請求日】2016年5月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004341
【氏名又は名称】日油株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124349
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 圭啓
(72)【発明者】
【氏名】三田地 喜樹
(72)【発明者】
【氏名】田村 猛
(72)【発明者】
【氏名】石田 実咲
【審査官】 駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−278768(JP,A)
【文献】 国際公開第00/011956(WO,A1)
【文献】 特開2010−037275(JP,A)
【文献】 特開2003−313106(JP,A)
【文献】 特開2002−128633(JP,A)
【文献】 特開2003−040724(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
A61K 31/33−33/44
A61K 36/00−36/05
A61K 36/07−36/9068
A61K 35/00−35/768
A61K 36/06−36/068
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)海洋深層水を15〜35質量部及び(B)硬度100mg/L以下の淡水を65〜85質量部含有し、(A)海洋深層水及び(B)淡水の合計100質量部に対して、(C)ポリ塩基性アミノ酸を0.01〜0.5質量部、(D)グレープフルーツ種子エキスの乾燥残留分として0.001〜0.1質量部を含有し、浸透圧が200〜350mOsmであり、pHが6.5〜9.5である皮膚化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚用の化粧料に関し、さらに詳しくは、不快な味、ヒリヒリ感、べたつき感やつっぱり感を感じ難く、肌がテカリ難く、くすみ改善効果に優れる皮膚化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人の体液の浸透圧(約285mOsm)とほぼ等しいものとしては、生理食塩水(塩化ナトリウムを約0.9質量%含む水溶液)が知られている。生理食塩水のような等張液は、主に医療の分野で輸液用や皮膚・創傷部の洗浄用として使用されている。例えば、特許文献1には、海洋深層水を用いた等張液が提案されており、動物性臓器や組織細胞の保存に適することが記載されている。
【0003】
一方、肌へのミネラル補給成分として海洋深層水が近年、注目を集めている。海洋深層水とは、太陽光が到達せず、工業排水や生活排水が直接流入しない水深200mよりも深いところから取水できる海水の総称であり、天然ミネラルや無機栄養類に富み、生物の生育がほとんどないことから細菌類が少なく、清浄性があり、年間を通じて低温で物性等が安定している。このような特性により、医療分野以外でも、水産分野をはじめ、食品、飲料、美容などの分野で活用されはじめており、近年の健康・美容志向の高まりから海洋深層水の利用は今後ますます広がっていくことが予想される。
【0004】
海洋深層水を利用した皮膚化粧料として、海洋深層水の濃縮水を利用した化粧料(特許文献2)が提案されている。しかしながら、この化粧料は、使用後にべたつき感を感じたり、また口に入ったときに不快な味がしたりして、十分に満足のいくものではなかった。
また、海洋深層水と特定の植物エキスを組み合わせた外用剤や化粧料(特許文献3及び4)が提案されている。しかしながら、これら外用剤や化粧料は、使用後のべたつき感やつっぱり感、肌のテカリ、くすみ改善効果の点で十分に満足のいくものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−303182号公報
【特許文献2】特開2000−159654号公報
【特許文献3】特開平10−182412号公報
【特許文献4】特開2003−313106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記課題を解決することであり、詳しくは、不快な味、ヒリヒリ感、べたつき感やつっぱり感を感じ難く、肌がテカリ難く、くすみ改善効果に優れる皮膚化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、下記に記す特定の4成分をそれぞれ特定の割合で組み合わせることによって、目的とする皮膚化粧料が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、(A)海洋深層水を15〜35質量部及び(B)硬度100mg/L以下の淡水を65〜85質量部含有し、(A)海洋深層水及び(B)淡水の合計100質量部に対して、(C)ポリ塩基性アミノ酸を0.01〜0.5質量部、(D)グレープフルーツ種子エキスの乾燥残留分として0.001〜0.1質量部を含有し、浸透圧が200〜350mOsmであり、pHが6.5〜9.5である皮膚化粧料である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の皮膚化粧料は、不快な味、ヒリヒリ感、べたつき感やつっぱり感を感じ難く、肌がテカリ難く、くすみ改善効果に優れるという効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を説明する。本発明の皮膚化粧料は、(A)海洋深層水、(B)硬度100以下の淡水、(C)ポリ塩基性アミノ酸、及び(D)グレープフルーツ種子エキスをそれぞれ特定の比率で含有する。これらの成分を順次説明する。
なお、本明細書において記号「〜」を用いて規定された数値範囲は「〜」の両端(上限及び下限)の数値を含むものとする。例えば「2〜5」は2以上5以下を表す。
【0011】
〔(A)海洋深層水〕
本発明に用いられる(A)海洋深層水は、水深200m又はそれよりも深くから採取された海水のことである。取水深度は、好ましくは250〜500m、さらに好ましくは300〜400mである。取水地に限定はなく、日本では、富山県の富山湾、高知県の室戸岬沖、静岡県の駿河湾、沖縄県の久米島などが挙げられる。例えば、富山湾の海洋深層水は、年間を通じて2℃以下の低温で水温変化がほとんどなく、塩分も安定しており、無機栄養塩類が著しく豊富であるという特徴を有する。
【0012】
〔(B)淡水〕
本発明に用いられる(B)淡水は、塩分をほとんど含まない水であり、一般に塩分濃度が0.05質量%以下である。具体的には、例えば、精製水、蒸留水、水道水の他、地下水から得られるナチュラルミネラルウォーター、海水をイオン交換膜処理や逆浸透膜処理、多段式電気透析処理等により脱塩処理を施して得られた水などが挙げられ、ナチュラルミネラルウォーター、又は海水を脱塩処理して得られた淡水が好ましい。
水は硬度により軟水と硬水と分類することができる。本発明に用いられる(B)淡水は、味やヒリヒリ感の観点から硬度が100mg/L以下であり、より好ましくは50mg/L以下の軟水である。なお、硬度の数値は、JIS K 0101(工業用水試験法)のキレート滴定法により全硬度を測定して得られた数値である。
【0013】
〔(C)ポリ塩基性アミノ酸〕
本発明に用いられる(C)ポリ塩基性アミノ酸は、塩基性アミノ酸を重合することにより得られる化合物であり、一般的には、縮合重合法や発酵法等により得られる。具体的には、例えば、ポリリジン、ポリアルギニン、ポリオルニチン、ポリヒスチジン等が挙げられる。これらの中でも、味や入手の容易性等の観点から、リジンがε位のアミノ基とα位のカルボキシル基で直鎖状につながったε−ポリリジンが好ましい。ε−ポリリジンは水に溶けやすく、広い抗菌スペクトルを有していることから、食品分野で長年利用されてきており、例えば、チッソ株式会社製の「ポリリジン」や一丸ファルコス株式会社製の「ポリリジン 10」(重量平均分子量約5000)などが挙げられる。ポリ塩基性アミノ酸の重量平均分子量は、好ましくは1000〜8000であり、さらに好ましくは3000〜6000である。ポリ塩基性アミノ酸は1種又は2種以上を用いることができる。
【0014】
〔(D)グレープフルーツ種子エキス〕
本発明に用いられる(D)グレープフルーツ種子エキスは、ミカン科のグレープフルーツ(Citrus paradisi Macf)の種子から、水やアルコールなどの各種溶媒を用いて抽出して得られるエキスである。例えば、グレープフルーツ種子エキスとして、有限会社エービーシーテクノ製の「D−10」やカルファケミカル株式会社製の「カルファ」などの市販のエキスを用いることができる。
【0015】
本発明の皮膚化粧料において、(A)成分である海洋深層水及び(B)成分である淡水の合計を100質量部としたとき、(A)成分である海洋深層水の含有量は、15〜35質量部、より好ましくは18〜32質量部、さらに好ましくは20〜30質量部である。15質量部未満のときは、つっぱり感や肌のテカリに関する効果、くすみ改善効果が低下することがあり、35質量部を超えるときは、ヒリヒリ感、使用後のべたつき感に関する効果が低下することがあり、味についても十分に満足が得られないことがある。
【0016】
また、(B)成分である淡水の含有量は、65〜85質量部、より好ましくは68〜82質量部、さらに好ましくは70〜80質量部である。65質量部未満のときは、ヒリヒリ感、使用後のべたつき感に関する効果が低下することがあり、味についても十分に満足が得られないことがあり、85質量部を超えるときは、使用後のつっぱり感に関する効果、肌のテカリに関する効果、くすみ改善効果が低下することがある。
【0017】
(C)成分であるポリ塩基性アミノ酸の含有量は、(A)海洋深層水及び(B)淡水の合計100質量部に対して、0.01〜0.5質量部、より好ましくは0.02〜0.4質量部、さらに好ましくは0.05〜0.3質量部である。0.01質量部未満のときは、べたつき感やつっぱり感、肌のテカリ、くすみ改善効果が低下することがあり、0.5質量部を超えるときは、使用後のべたつき感に関する効果が低下することがある。
【0018】
(D)成分であるグレープフルーツ種子エキスの乾燥残留分としての含有量は、0.001〜0.1質量部、より好ましくは0.001〜0.08質量部、さらに好ましくは0.003〜0.04質量部である。0.001質量部未満のときは、べたつき感やつっぱり感、肌のテカリに関する効果が低下することがあり、味についても満足が得られないことがあり、0.1質量部を超えるときは、べたつき感に関する効果が低下することがある。
【0019】
本発明の皮膚化粧料は、浸透圧が200〜350mOsm、より好ましくは220〜320mOsm、さらに好ましくは240〜300mOsmである。浸透圧が200mOsm未満のときは、つっぱり感や肌のテカリに関する効果、くすみ改善効果が低下することがあり、350mOsmを超えるときは、ヒリヒリ感、使用後のべたつき感や味に関する効果が低下することがある。浸透圧の調整は、例えば、(A)海洋深層水及び(B)淡水の含有量の割合を適宜調整することによって行なうことができる。
なお、浸透圧は、日本薬局方一般試験法の浸透圧測定方に従って測定することができる。
【0020】
本発明の皮膚化粧料は、pHが6.5〜9.5、より好ましくは6.5〜8.5、さらに好ましくは7.0〜8.0である。pHが6.5未満のときやpHが9.5を超えるときは、ひげそり後のヒリヒリ感に関する効果が低下することがある。pHの調整に用いるpH調整剤としては、皮膚化粧料に配合される通常のpH調整剤を用いることができ、例えば有機酸又は無機酸及びそれらの塩、アミノ酸類などが挙げられる。具体的には、例えば、クエン酸、酒石酸、乳酸などの有機酸及びその塩、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニンなどのアミノ酸類、塩酸、リン酸、炭酸などの無機酸及びその塩が挙げられる。
なお、pHは、医薬部外品原料規格(JSQI)一般試験法に従って測定することができる。
【0021】
本発明の皮膚化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧料や医薬品に常用されている添加剤を配合することも可能である。本発明の皮膚化粧料を皮膚に適用するに際しては、化粧料を直接皮膚に塗布する方法、不織布等の吸収体に化粧料を含侵させたもので皮膚を拭く方法などが採用される。
本発明の皮膚化粧料は、水を含有する様々な剤型、例えば、化粧水、乳液、ジェル、クリームなどの剤型をとることができ、特に、べたつき感などの使用感の点、水の含有割合がより多くなる点から、化粧水の剤型が好ましい。
【実施例】
【0022】
次に、実施例及び比較例によって、本発明をさらに詳細に説明する。
〔実施例1〜5及び比較例1〜6〕
表1に示す成分を混合し撹拌して、皮膚化粧料として化粧水を調製した。得られた化粧水について、(1)味、(2)ヒリヒリ感、(3)べたつき感やつっぱり感、(4)肌のテカリ、(5)くすみ改善効果(肌の明るさ)について評価を行った。その結果を表1に示す。
なお、各化粧料はクエン酸一水和物によりpH7.4付近に調整した。また、pH、浸透圧及び硬度は、本明細書に記載の方法に従って測定した。
【0023】
20名の男性(22〜45歳)をパネラーとして、得られた化粧水を用いて下記に示す方法によって判定を行った。なお、(2)ヒリヒリ感、(3)べたつき感やつっぱり感、(4)肌のテカリ、(5)くすみ改善効果(肌の明るさ)については、4週間、毎日1回使用し、使用期間の終了後に評価を行なった。
【0024】
(1)味
使用期間のはじめに、化粧水を舐めてもらい、そのときに感じた味について以下の基準で評価した。
2点:舐めた際、不快感が全くないと感じた場合。
1点:舐めた際、ほぼ不快感がないと感じた場合。
0点:舐めた際、明らかに不快感があると感じた場合。
【0025】
20名の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:合計点が35点以上かつ0点が0人:味に全く不快感のない皮膚化粧料である。
○:合計点が30点以上、35点未満、又は合計点が35点以上かつ0点が1人以上、2人以下:味にほぼ不快感がない皮膚化粧料である。
△:合計点が20点以上、30点未満:味にやや不快感がある皮膚化粧料である。
×:合計点が20点未満:味に明らかに不快感がある皮膚化粧料である。
【0026】
(2)ヒリヒリ感
ひげそり後の肌に化粧水(約2ml)を塗布し、使用時に感じた肌のヒリヒリ感について使用期間終了後に以下の基準で評価した。
2点:使用期間中、すべての日において全くヒリヒリしなかった場合。
1点:使用期間中、ヒリヒリすると感じた日が1〜3日あった場合。
0点:使用期間中、ヒリヒリすると感じた日が3日よりも多くあった場合。
【0027】
20名の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:合計点が35点以上かつ0点が0人:ひげそり後に全くヒリヒリしない皮膚化粧料である。
○:合計点が30点以上、35点未満、又は合計点が35点以上かつ0点が1人以上、2人以下:ひげそり後にほとんどヒリヒリしない皮膚化粧料である。
△:合計点が20点以上、30点未満:ひげそり後にややヒリヒリする皮膚化粧料である。
×:合計点が20点未満:ひげそり後に明らかにヒリヒリする皮膚化粧料である。
【0028】
(3)べたつき感やつっぱり感
ひげそり後及び入浴後に化粧水(約2ml)を肌に塗布し、肌になじんだ際のべたつき感、及び塗布後1時間以内に感じた肌のつっぱり感について、使用期間終了後に以下の基準で評価した。
2点:使用期間中、べたつき感やつっぱり感を全く感じなかった場合。
1点:使用期間中、ややべたつき感がある、あるいはややつっぱり感があると感じた場合。
0点:使用期間中、べたつき感やつっぱり感が明らかにあると感じた場合。
【0029】
20名の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:合計点が35点以上かつ0点が0人:べたつき感やつっぱり感のない皮膚化粧料である。
○:合計点が30点以上、35点未満、又は合計点が35点以上かつ0点が1人以上、2人以下:べたつき感やつっぱり感を感じにくい皮膚化粧料である。
△:合計点が20点以上、30点未満:ややべたつき感やつっぱり感のある皮膚化粧料である。
×:合計点が20点未満:べたつき感やつっぱり感のある皮膚化粧料である。
【0030】
(4)肌のテカリ
入浴後に化粧水(約2ml)を肌に塗布し、朝起きた際の肌のテカリについて使用期間終了後に以下の基準で評価した。
2点:朝起きた際、肌が明らかにテカリにくくなったと感じた場合。
1点:朝起きた際、肌がややテカリにくくなったと思った場合。
0点:朝起きた際、肌のテカリは抑えられていないと思った場合。
【0031】
20名の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:合計点が35点以上かつ0点が0人:肌のテカリ抑制効果に非常に優れた皮膚化粧料である。
○:合計点が30点以上、35点未満、又は合計点が35点以上かつ0点が1人以上、2人以下:肌のテカリ抑制効果に優れた皮膚化粧料である。
△:合計点が20点以上、30点未満:やや肌のテカリ抑制効果のある皮膚化粧料である。
×:合計点が20点未満:肌のテカリ抑制効果がない皮膚化粧料である。
【0032】
(5)くすみ改善効果(肌の明るさ)
ひげそり後及び入浴後に化粧水(約2ml)を肌に塗布し、使用期間終了後の肌の明るさについて以下の基準で評価した。
2点:くすみが減り、肌が明るくなったと思った場合。
1点:少し肌が明るくなったと思った場合。
0点:特に変化がないと思った場合。
【0033】
20名の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:合計点が35点以上かつ0点が0人:くすみ改善効果に非常に優れた皮膚化粧料である。
○:合計点が30点以上、35点未満、又は合計点が35点以上かつ0点が1人以上、2人以下:くすみ改善効果に優れた皮膚化粧料である。
△:合計点が20点以上、30点未満:やや肌のくすみの改善効果のある皮膚化粧料である。
×:合計点が20点未満:肌のくすみの改善効果がない皮膚化粧料である。
【0034】
【表1】
【0035】
実施例1〜5及び比較例1〜6に用いた化粧水の配合成分として下記を用いた。
(A)海洋深層水(商品名:滑川海洋深層水(原水)、株式会社WAVE滑川製)
(B)淡水(1):海洋深層水の脱塩処理水(商品名:滑川海洋深層水(RO脱塩水)、株式会社WAVE滑川製、硬度30mg/L)
(B)淡水(2):ナチュラルミネラルウォーター(商品名:アルプス清水、五洲薬品株式会社製、硬度20mg/L)
(B)淡水(3):精製水(イオン交換水、硬度0)
(C)ポリリジン水溶液(商品名:ポリリジン10、一丸ファルコス株式会社製)
(D)グレープフルーツ種子エキス(商品名:D−10、有限会社エービーシーテクノ製)
(A’)富山湾の海水(取水深度100m未満)
(B’)淡水(4):ナチュラルミネラルウォーター(商品名:エビアン、ダノンジャパン株式会社製、硬度304mg/L)
【0036】
本発明の皮膚化粧料(実施例1〜5)によれば、不快な味、ヒリヒリ感、べたつき感やつっぱり感を感じ難く、肌がテカリ難く、くすみ改善効果に優れていた。
【0037】
一方、比較例1〜6では十分な性能が得られていない。
比較例1では、(A)成分に代えて、(A' )成分として3質量%塩化ナトリウム水溶液が含まれているので、肌のテカリに関する効果、くすみ改善効果において十分な性能が得られず、味についても満足が得られなかった。
比較例2では、(A)成分に代えて、(A' )成分として海水が含まれているので、くすみ改善効果について十分な性能が得られなかった。
比較例3では、(B)成分に代えて、(B' )成分として硬度の高いナチュラルミネラルウォーターが含まれているので、味について十分な満足が得られなかった。
比較例4では、(A)成分が含まれていないので、べたつき感やつっぱり感、肌のテカリに関する効果、くすみ改善効果において十分な性能が得られなかった。
比較例5では、(C)成分が含まれていないので、使用後のべたつき感やつっぱり感、くすみ改善効果、肌のテカリに関する効果において十分な性能が得られなかった。
比較例6では、(D)成分が含まれていないので、使用後のべたつき感やつっぱり感、肌のテカリに関する効果において十分な性能が得られなかった。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の皮膚化粧料は、不快な味、ヒリヒリ感、べたつき感やつっぱり感を感じ難く、肌がテカリ難く、くすみ改善効果に優れるという効果を有するので、例えば、敏感肌用化粧水、ベビー用化粧水、アフターシェーブローション、にきび用化粧水などに好適に使用することができる。