(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、依然として多くの電気機器は、無線通信でリモコンコードを受信することはできず、赤外線信号のみでしかリモコンコードを受信できない。その結果、ユーザは、無線通信機能を備えた携帯端末で電気機器を操作することができない場合が多い。
【0006】
そこで、本発明は、無線通信によってリモコンコードを受信できない電気機器であっても、無線通信機能を備えた携帯端末を用いて操作できるようにするリモコン信号送受信機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のリモコン信号送受信機は、NFC規格に準じた無線通信で機器から送信されたリモコンコードを受信する受信部と、点灯、消灯することで、赤外線信号を作成する発光部と、前記受信部で受信したリモコンコードに応じて前記発光部を点灯、消灯制御することで赤外線信号を作成し送出する送信部と、を備える。
【0008】
受信部は、機器(例えば携帯端末)がNFC(;Near Field Communication)規格に準じた無線通信で送信したリモコンコードを受信する。送信部は、発光部を点灯、消灯制御することで、当該リモコンコードに対応した赤外線信号を送信する。したがって、携帯端末が赤外線通信できず、かつ電気機器が無線通信(例えば無線LANやBluetooth(登録商標))によってリモコンコードを受信できない場合でも、電気機器は、当該リモコンコードを受信できる。その結果、ユーザは、無線通信によってリモコンコードを受信できない電気機器であっても、本発明のリモコン信号送受信機を介することにより、携帯端末で当該電気機器を操作することができる。
【0009】
また、NFCは、他の無線通信と比べて、通信可能な距離が例えば10cmと短い。したがって、リモコン信号送受信機は、遠方に存在する携帯端末から送信されたリモコンコードを受信しない。すなわち、他の携帯端末から送信されたリモコンコードは、電気機器に受信されないため、電気機器は、ユーザの意図しない誤作動を起こしにくい。
【0010】
また、従来、携帯端末が無線LAN又はBluetooth(登録商標)によってリモコンコードを送る場合、携帯端末と電気機器とを接続するためのネットワーク構築又は携帯端末と電気機器とのペアリング設定が必要であったが、NFC規格ではネットワーク構築及びペアリング設定の必要がない。
【0011】
また、赤外線は、一般的に特定の方向に進む。したがって、リモコンコード送受信機は、ユーザが向けた方向にのみ赤外線信号を送信する。その結果、ユーザは、リモコンコード送受信機を向けた方向に存在する意図する電気機器のみを操作できる。
【0012】
また、前記リモコン信号送受信機は、前記機器を装着する装着部を備えてもよい。
【0013】
この態様では、ユーザは、携帯端末とリモコン信号送受信機とを一体にして使用できる。
【0014】
また、前記リモコン信号送受信機は、操作入力を受け付ける受付部と、前記操作入力に対応したリモコンコードを複数記憶する記憶部と、前記機器が装着されたことを検知する検知部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記検知部が前記機器の装着を検知した場合、前記受信部で受信されたリモコンコードに対応する赤外線信号を前記送信部から送出させる中継モードを実行し、前記検知部が前記機器の装着を検知しない場合、前記受付部で受け付けた操作入力に応じたリモコンコードを前記記憶部から読み出して、対応する赤外線信号を前記送信部から送出させる独立動作モードを実行しても構わない。
【0015】
リモコン信号送受信機は、携帯端末が装着されていないと、受付部で受け付けた操作入力(例えばリモコン信号送受信機に備えられたボタンの押下)に従って、リモコンコードを赤外線信号として送信する。すなわち、リモコン信号送受信機は、携帯端末がなくても、電気機器のリモートコントローラとして動作する。
【0016】
従来のリモコンは、記憶済みのリモコンコードのみ赤外線信号として送信するが、リモコン信号送受信機は、携帯端末が装着されると、該携帯端末からリモコンコードを電気機器に中継する。その結果、リモコン信号送受信機は、自装置に記憶していないリモコンコードであっても、赤外線で送信することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、無線通信によってリモコンコードを受信できない電気機器であっても、リモコン信号送受信機が近距離無線通信で受信したリモコンコードを赤外線信号として送信するため、無線通信機能を備えた携帯端末から、リモコン信号送受信機を介してリモコンコードを当該電気機器に送信することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施形態1に係る携帯端末カバー100(本発明のリモコン信号送受信機に相当する。)について、
図1乃至
図5を用いて説明する。
【0020】
図1は、実施形態1に係る携帯端末カバー100と他の機器との接続を示す図である。携帯端末カバー100は、携帯端末800及びAVアンプ700と共に使用される。携帯端末カバー100は、携帯端末800がインターネット901にアクセスして取得したリモコンコードをNFC(;Near Field Communication)で受信して、当該リモコンコードに対応する赤外線信号をAVアンプ700の受信部701に向けて送信するものである。
【0021】
図2(A)は、携帯端末カバー100の前面の斜投影図である。
図2(B)は、携帯端末800を嵌め込んだ状態の携帯端末カバー100の前面の斜投影図である。
【0022】
図3(A)は、携帯端末800のブロック図の一部を示す図である。
図3(B)は、実施形態1に係る携帯端末カバー100のブロック図の一部を示す図である。
【0023】
携帯端末800は、
図2(A)、
図2(B)、及び
図3(A)に示すように、筐体801、NFC制御部802、表示制御部803、操作受付部804、無線LAN制御部805、及び制御部806を備えている。
【0024】
筐体801は、直方体形状であり、高さ方向及び幅方向よりも、奥行き方向に短い。
【0025】
制御部806は、携帯端末800の各機能部を統括的に制御する。
【0026】
NFC制御部802は、NFCアンテナ810を用いて、NFCで他の機器との通信を実現するための機能部である。NFCは、規格上、通信可能な距離が例えば10cm等の至近距離に制限されている。NFCアンテナ810は、
図2(A)に示すように、筐体801に内蔵されている。
【0027】
表示制御部803は、LCD811への表示を実現する機能部である。LCD811は、長方形状の表示面を有し、筐体801の正面に配置される。操作受付部804は、タッチパネル812を介してユーザの操作を受け付ける機能部である。タッチパネル812は、LCD811の表示面と同形状の平膜形状である。
【0028】
表示制御部803は、制御部806の制御に従い、LCD811に画像を表示させる。制御部806は、操作受付部804が受け付けたユーザの操作に基づいて、表示制御部803に表示を変更させる。このようにして、携帯端末800は、GUI(;Graphical User Interface)を実現する。
【0029】
無線LAN制御部805は、不図示の無線LANアンテナを用いて無線LAN通信を実現する機能部である。携帯端末800は、
図1に示すように、無線LAN通信でアクセスポイント900と通信することにより、インターネット901に接続されたサーバ902と通信する。
【0030】
次に、携帯端末カバー100は、
図2(A)、
図2(B)及び
図3(B)に示すように、筐体101、NFC制御部102、赤外線信号制御部103、及び制御部104を備える。筐体101は、大きい直方体から小さい直方体を除し1面を開口した箱型状であり、高さ方向及び幅方向よりも、奥行き方向に短い。筐体101は、正面が全て開口している。
【0031】
筐体101は、正面が開口しているため、ユーザは、
図2(B)に示すように、携帯端末800を筐体101の当該開口部に嵌め込んで、携帯端末800を使用する。
【0032】
制御部104は、携帯端末カバー100の各機能部を統括的に制御する。
【0033】
NFC制御部102は、NFCアンテナ110を用いて、NFCで他の機器との通信を実現するための機能部である。NFCアンテナ110は、
図2(A)に示すように、筐体101の背面となる枠に内蔵されている。
【0034】
NFCアンテナ110の位置は、
図2(B)に示すように、携帯端末800が筐体101に嵌め込まれたときにNFCアンテナ810に近接するように配置されている。その結果、NFC制御部102は、携帯端末800が筐体101に嵌め込まれると、NFC制御部802と通信可能となる。
【0035】
赤外線信号制御部103は、LED111を介して赤外線でリモコンコードを送出するための機能部である。LED111は、
図2(A)に示すように、筐体101の上面に備えられている。LED111は、発光すると筐体101の上面方向に赤外線を出力する。
【0036】
赤外線信号制御部103へは、制御部104の制御のもとリモコンコードが入力される。赤外線信号制御部103は、入力されたリモコンコードに基づいてLED111を点滅させ、リモコンコードを赤外線信号として送出する。
【0037】
次に、
図4は、実施形態1に係る携帯端末カバー100により送受信されるリモコンコードの例を示す図である。
図5(A)及び
図5(B)は、携帯端末800の表示の例を示す図である。
図5(C)は、携帯端末カバー100から送信される赤外線の範囲、並びにAVアンプ700及びテレビ600が設置された空間を鉛直上方向から下向きに見た図である。
【0038】
携帯端末800は、サーバ902からリモコンコードを含む操作用データを複数取得する。操作用データは、
図4に示すように、例えば、対象機器名、操作名称、及びリモコンコードが対応付けられたデータである。対象機器名は、ユーザの操作対象となる機器を示す。操作名称は、操作内容を示す。リモコンコードは、操作対象となる機器専用の赤外線リモートコントローラに記憶されているLED発光(点灯、消灯)制御に対応するリモコンコードである。例えば、リモコンコード「FC00」及びリモコンコード「ED00」は、アンプAの赤外線リモートコントローラに記憶されている。リモコンコード「3131」及びリモコンコード「3132」は、スピーカBの赤外線リモートコントローラに記憶されている。リモコンコード「B8XX」及びリモコンコード「C5YY」の詳細は、後述する。
【0039】
携帯端末800は、サーバ902から操作用データを複数取得すると、ユーザに操作項目を選択させる表示を行う。具体的には、LCD811は、
図5(A)に示すように、複数の操作用データに含まれる複数の対象機器名及び複数の操作名称からなるリスト500を表示している。また、LCD811は、表示切替ボタン501も表示している。表示制御部803は、表示切替ボタン501が押下されると、
図5(A)のリスト500に現在表示されている操作項目以外の操作項目をLCD811に表示させて表示内容を変更する。
【0040】
図5(A)において、携帯端末800は、ユーザから操作項目の選択を受け付けると、送信すべきリモコンコードを特定する。例えば、
図5(A)において、操作項目「アンプA:電源ON」が選択されると、制御部806は、
図4に示す操作用データを対象機器名が「アンプA」、かつ操作名称が「電源ON」で参照して、リモコンコード「FC00」を特定する。
【0041】
なお、
図4において、リモコンコードに含まれる「XX」又は「YY」は、ユーザが指定する値である。例えば、携帯端末800は、
図5(A)において、操作項目「ボリュームの入力」が選択されると、
図5(B)に示すように、ボリューム値を入力させる画面を表示して、ユーザにボリューム値を入力させる。すると、リモコンコード「B8XX」のうち「XX」が入力されたボリューム値に基づいて設定される。
【0042】
以上のように、携帯端末800は、GUIを利用して、リモコンコードを特定する。
【0043】
リモコンコードが特定されると、制御部806は、当該リモコンコードをNFCアンテナ810から送信するように、NFC制御部802を制御する。より具体的には、NFC制御部802は、特定されたリモコンコードをそのまま、又は該リモコンコードを含めたパケットデータを作成し、当該リモコンコード、又は当該パケットデータに応じた高周波信号を生成する。そして、NFC制御部802は、当該高周波信号をアンテナ810から送信する。
【0044】
携帯端末カバー100のNFCアンテナ110は、アンテナ810から送信された高周波信号を受信する。NFC制御部102は、受信した高周波信号をリモコンコードとして制御部104に入力する。または、NFC制御部102は、アンテナ110が受信した高周波信号からパケットデータを抽出し、当該パケットデータに含まれるリモコンコードを抽出して制御部104に入力する。制御部104は、NFC制御部102から入力されたリモコンコードを赤外線信号制御部103に出力する。
【0045】
赤外線信号制御部103は、LED111を点灯・消灯制御して、入力されたリモコンコードに対応する赤外線信号を発光制御する。
【0046】
AVアンプ700の受信部701は、赤外線信号しか受光できないが、赤外線信号制御部103によりリモコンコードに対応する赤外線信号が発光されるため、該赤外線信号を受光することでリモコンコードを受信できる。AVアンプ700は、受信したリモコンコードに応じた動作を行う。
【0047】
以上のように、携帯端末800のリモコンコマンド(操作項目)が選択操作されるだけで、NFC通信を介し、リモコンコマンドに応じた赤外線信号が点灯・消灯制御され送出される。また、携帯端末800は、赤外線信号を発光する構成を備えず、かつAVアンプ700が無線LAN等の赤外線信号以外の無線信号を受信できなくても、携帯端末800は、携帯端末カバー100を介してリモコンコードをAVアンプ700に送信することができる。
【0048】
また、ハードウェアのボタンを備える従来の赤外線リモートコントローラでは、ボタンの数は、多くのリモコンコードに対応するほど、多くなる。しかし、従来の赤外線リモートコントローラは、筐体の大きさに制限があるためにボタンが小さくなってしまう。しかし、携帯端末カバー100と共に使用される携帯端末800は、GUIを実現するため、ソフトウェアのボタンを大きく表示しつつ、表示を切り替えることにより、多くのボタンを表示することができる。また、従来の赤外線リモートコントローラのボタンは、固定されているものであったため、ユーザがボタン配置を変更できなかった。しかし、携帯端末800は、ソフトウェアによる表示でユーザに操作項目を選択させるため、表示内容の変更が可能である。
【0049】
また、携帯端末カバー100は、
図5(C)に示すように、NFCでリモコンコードを受信するので、離れた位置にある他の携帯端末800Aが無線LAN等の無線通信でリモコンコードを送信したとしても、誤って受信することがない。
【0050】
また、LED111は、構造上、無線通信に用いられる電波に比べて指向性が強い赤外線を出力する。
図5(C)において、薄墨で示す範囲は、LED111から送出された赤外線信号の広がる範囲を示す。LED111から送出された赤外線信号は、
図5(C)に示すように、携帯端末カバー100を向けた方向にしか届かない。テレビ600は、携帯端末カバー100が向けられた方向に存在しないため、携帯端末カバー100からの赤外線信号を受信して動作することがない。その結果、携帯端末カバー100は、向いた方向に存在する機器のみが動作するので、ユーザが意図する機器のみ動作させることができる。
【0051】
なお、サーバ902は、本発明に必須の構成ではなく、例えば、それぞれの携帯端末800が操作用データを記憶する態様であっても構わない。また、操作用データは、複数記憶されるに限らず、1つ記憶されるだけであってもよい。
【0052】
また、無線LAN通信によって操作用データを取得するのではなく、Bluetooth(登録商標)によって操作用データを取得する態様であってもかまわない。
【0053】
次に、実施形態2に係るリモコン200について
図6(A)、
図6(B)及び
図6(C)を用いて説明する。
図6(A)は、リモコン200の正面の斜投影図である。
図6(B)は、リモコン200の背面の斜投影図である。
図6(C)は、リモコン200のブロック図の一部を示す図である。
【0054】
リモコン200は、複数のボタン112を筐体101に備え、プッシュスイッチ113が押下されていると、携帯端末カバー100と同じ動作を行い、プッシュスイッチ113が押下されていないと、携帯端末800からリモコンコードを受信しなくても、リモコンコードを送信するリモートコントローラとして動作する点において、携帯端末カバー100と相違する。携帯端末カバー100と重複する構成の説明は省略する。
【0055】
リモコン200は、
図6(C)に示すように、NFC制御部102、赤外線信号制御部103、制御部104、記憶部105、操作受付部106、及び状態検知部107を備える。
【0056】
記憶部105は、複数のボタン112にそれぞれ対応した複数のリモコンコードを記憶している。
【0057】
操作受付部106は、複数のボタン112の押下を受け付ける。複数のボタン112は、
図6(B)に示すように、それぞれ筐体101の背面に配置される。
【0058】
状態検知部107は、プッシュスイッチ113を介して筐体101への携帯端末800の装着状態を検知する機能部である。プッシュスイッチ113は、
図8(A)に示すように、筐体101内部の筐体101の正面方向の面に配置されている。プッシュスイッチ113は、筐体101の背面方向に押し込まれる自動復帰型スイッチである。プッシュスイッチ113は、携帯端末800が筐体101に嵌め込まれるとON(オン)となり、携帯端末800が筐体101から外れるとOFF(オフ)となる。状態検知部107がプッシュスイッチ113のON状態又はOFF状態を検知することにより、制御部104は、筐体101に携帯端末800が装着されているか否かを判断することができる。
【0059】
制御部104は、筐体101に携帯端末800が装着されていると判断すると、携帯端末カバー100と同様に、携帯端末800からNFCで受信したリモコンコードを赤外線信号として赤外線信号制御部103に送信させる。この場合、制御部104は、操作受付部106がボタン112の押下を受け付けても何もしない。すなわち、リモコン200は、筐体101に携帯端末800が装着されていると、携帯端末800からNFCで送信されたリモコンコードを赤外線信号として送出する中継モードで動作する。
【0060】
制御部104は、筐体101に携帯端末800が装着されていないと判断すると、NFCでリモコンコードを受信しても何もしない。この場合、制御部104は、押下されたボタン112に対応付けられたリモコンコードを記憶部105から読み出して、当該リモコンコードを赤外線信号として赤外線信号制御部103に送出させる。すなわち、リモコン200は、筐体101に携帯端末800が装着されていないと、押下されたボタンに応じてリモコンコードを赤外線信号として送出する独立動作モードで動作する。
【0061】
このように、リモコン200は、携帯端末800が筐体101に装着されたり、外されたりするだけで、動作モードが切り替わるため、ユーザは直感的にリモコン200の動作が分かる。
【0062】
また、リモコン200は、携帯端末800からNFCでリモコンコードを受信するため、記憶部105に記憶されていないリモコンコードであっても、該リモコンコードに対応してLED111を点灯・消灯制御することで赤外線信号を送出することができる。すなわち、リモコン200は、ハードウェア上の変更をしなくても、赤外線信号として送出できるリモコンコードを変更することができる。
【0063】
なお、状態検知部107は、携帯端末800が筐体101に装着されているか否かをプッシュスイッチ113の状態で判断せず、至近距離でしか通信できないNFC規格を利用して判断してもよい。具体的には、状態検知部107は、NFC制御部102がNFC制御部802とNFCにより通信できるか否かによって判断してもよい。この場合、リモコン200は、携帯端末800とNFC通信できると、携帯端末800が装着されていると判断して中継モードで動作し、携帯端末800とNFC通信できないと、携帯端末800が装着されていないと判断して独立動作モードで動作する。
【0064】
なお、リモコン200は、学習機能を備えてもよい。学習機能とは、受信したリモコンコードをボタン112に対応付けて記憶部105に記憶する機能である。以下、学習機能を備えるリモコン200について説明する。
【0065】
制御部104は、起動時には通常モードとして、携帯端末カバー100と同様の動作を行うように各機能部を制御する。制御部104は、操作受付部106がユーザからモード切替指示を受け付けると、学習モードへと切り替える。モード切替指示は、例えばボタン112の長押しによって操作受付部106に与えられる。
【0066】
学習モードでは、制御部104は、NFC制御部102が受信したリモコンコードをボタン112に対応付けて記憶部105に記憶させる。リモコンコードとボタン112との対応付けは、例えば、ボタン112が押下されてから所定の時間内にリモコンコードが受信されると行われる。
【0067】
通常モードの説明に戻り、制御部104は、ユーザが押下したボタン112に対応付けられたリモコンコードを記憶部105から読み出して赤外線信号制御部103に出力する。そして、赤外線信号制御部103は、リモコンコードを赤外線信号として送出する。
【0068】
以上のように、学習機能を備えたリモコン200は、携帯端末800からNFCで送信されたリモコンコードをボタン112に対応させて記憶することができる。
【0069】
なお、学習機能を備えたリモコン200は、携帯端末800から受信したリモコンコードではなく、操作対象となる機器の赤外線リモートコントローラから送信されたリモコンコードを記憶してもよい。この場合、赤外線信号制御部103は、赤外線信号を受光する受光部をさらに備える。そして、受信部は、機器の赤外線リモートコントローラから送信されたリモコンコードを赤外線信号として受信する。
【0070】
さらに、操作対象となる機器の赤外線リモートコントローラから送信されたリモコンコードは、携帯端末800に記憶されてもよい。この場合、リモコン200のNFC制御部102は、NFCでリモコンコードを携帯端末800のNFC制御部802に送信する。そして、携帯端末800は、LCD811に表示されたボタンに対応付けてリモコンコードを自装置のメモリに記憶する。
【0071】
次に、実施形態3に係るクレードル300について、
図7(A)及び
図7(B)を用いて説明する。
図7(A)は、クレードル300の正面の斜投影図である。
図7(B)は、クレードル300の使用状態を説明するための右側面図である。
【0072】
クレードル300は、筐体の形状、NFCアンテナ110の位置、LED111の位置、及び2つの充電端子304を備える点において、携帯端末カバー100と相違する。重複する構成の説明は省略する。
【0073】
クレードル300の筐体は、本体部301、及びスタンド302からなる。本体部301は、例えば直方体形状である。
【0074】
NFCアンテナ110は、スタンド302に内蔵されている。LED111は、
図7(B)に示すように、本体部301の背面に配置されている。
【0075】
本体部301の上面には、スロット303が形成されている。スロット303は、直方体形状の窪みである。スロット303は、携帯端末800の下面側が挿入される。スロット303は、携帯端末800が挿入されたときに携帯端末800の高さ方向が本体部301の上面の法線方向に対して傾斜するように形成されている。
【0076】
携帯端末800が傾斜してスロット303に挿入されると、スタンド302は、携帯端末800が自立するように、携帯端末800の背面を支える。すると、NFC制御部102は、NFCアンテナ110がNFCアンテナ810と近接するため、NFC制御部802と通信可能となる。
【0077】
2つの充電端子304は、スロット303の下面にそれぞれ配置されている。携帯端末800がスロット303に挿入されると、携帯端末800の下面に配置されている充電端子(不図示)と、2つの充電端子304とがそれぞれ電気的に接続される。2つの充電端子304には、携帯端末800の充電用の電圧がそれぞれ印加されている。
【0078】
このように、クレードル300は、携帯端末800を充電しながら、携帯端末800からNFCで受信したリモコンコードを赤外線信号として送出することができる。