(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記オフセット処理、前記安定待ち処理および前記測定処理を、前記オフセット処理における前記オフセット値を変更して複数回実行するように構成されている
請求項1〜7の何れか1項に記載の光ディスク装置。
【発明を実施するための形態】
【0028】
<課題の詳細>
課題の詳細について、
図1および
図2を基に説明する。
【0029】
上述した光ディスクにおけるK値の調整方法には、例えば、対物レンズの位置をずらしてTE信号を測定することにより、K値を検索する方法がある。ここで、TE信号は、光ディスクODのトラックと光の照射位置との位置ずれを示す信号である。対物レンズの位置の調整は、例えば、対物レンズの位置ずれを示すLE信号(レンズエラー信号)を調整して行う。具体的には、LE信号に対し、対物レンズのシフト量に応じたオフセット値を追加する。なお、一般的に、上述したK値の調整方法では、TE信号の測定は、対物レンズの位置を変えて複数回行う。
【0030】
上述した光ディスク装置では、重心があまり偏っていない光ディスク(以下、適宜「通常ディスク」と称する)の場合は、光ディスクを回転させた際に発生するレンズ振動の大きさが相当小さいため、K値の調整値はあまりばらつかないと考えられる。
【0031】
しかし、上述した光ディスク装置において、重心が偏った光ディスク(以下、適宜「偏重心ディスク」と称する)の場合、レンズ振動が比較的大きくなる傾向がある。レンズ振動が大きくなると、上述したK値の調整値のバラつきが大きくなると言う問題がある。
【0032】
ここで、
図1は、通常ディスクを用いた場合のメインプッシュプル信号MPP、サブプッシュプル信号SPPおよび信号TrDrvの波形を示す波形図である。
図2は、偏重心ディスクを用いた場合のメインプッシュプル信号MPP、サブプッシュプル信号SPPおよび信号TrDrvの波形を示す波形図である。
図1および
図2において、(1)は、LE信号に対し、対物レンズが内周側に移動するように+オフセット値を追加してTEを測定した期間である。(2)は、LE信号に対し、対物レンズが外周側に移動するように−オフセット値を追加してTE信号を測定した期間である。
【0033】
図1および
図2から分かるように、偏重心ディスクは、通常ディスクに比べ、メインプッシュプル信号MPPおよびサブプッシュプル信号SPPの振幅の変動が大きい。特に、図中の(1)内周側に示すように、LE信号に対し内周側へのオフセット値が追加される期間の開始直後には、振幅が大きくなっている。同様に、図中の(2)外周側に示すように、LE信号に対し外周側へのオフセット値が追加される期間の開始直後には、振幅が大きくなっている。このように、レンズ振動が発生し、信号のレベルが安定しない状態では、K値の調整値がばらついてしまう場合があるという問題がある。
【0034】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、各図は、必ずしも各寸法あるいは各寸法比等を厳密に図示したものではない。
【0035】
また、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、特許請求の範囲によって特定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
【0036】
(実施の形態1)
実施の形態1の光ディスク装置およびその駆動方法について、
図1〜
図8を基に説明する。
【0037】
本実施の形態の光ディスク装置は、K値の調整において、対物レンズの移動直後ではなく、一定の時間が経過した後、つまり、レンズ振動がある程度低減した後に、TE信号の測定を行う。
【0038】
<1−1.光ディスク装置の構成>
光ディスク装置100の構成について、
図3を基に説明する。
図3は、光ディスク装置100の構成を示すブロック図である。
【0039】
光ディスク装置100は、
図3に示すように、
(1)光ディスクの回転およびその制御を行うスピンドルモータ10およびスピンドルモータ駆動部11と、
(2)光ディスクに記憶されたデータの読み出しを行う光ピックアップ20と、
(3)光ピックアップ20を構成する光学部材の駆動を制御する光ピックアップ駆動部26および信号処理部30と、
(4)光ピックアップ20の径方向の移動を制御する光ピックアップ移動機構40および移動機構駆動部41と、
(5)温度センサ50と、
(6)光ディスク装置100を構成する各部を制御する制御部60とを備えている。
【0040】
(1)スピンドルモータ10は、ターンテーブルに連結されている。ターンテーブルは、光ディスクODの再生時または記録時において、光ディスクODを載置する部材であり、スピンドルモータ10の駆動に応じて回転する。光ディスクODの再生時または記録時において、光ディスクODを載置した状態でターンテーブルを回転させることにより、光ディスクODを回転させることができる。
【0041】
スピンドルモータ駆動部11は、制御部60からの制御に応じて、スピンドルモータ10に駆動電流を供給することにより、スピンドルモータ10を駆動する。
【0042】
(2)光ピックアップ20は、光ディスクODの情報記憶面RSに光を照射し、反射された光を受光することにより、情報記憶面RSに記録されたデータを読み取る光学部材で構成されている。なお、光ピックアップ20は、光ディスクODにデータを書き込む機能を備えていてもよい。
【0043】
また、図示しないが、光ピックアップ20は、光ディスク装置100内に設けられた2本のガイドシャフトで支持されており、ガイドシャフトを伝って移動可能である。ガイドシャフトは、径方向に向けて配置されており、これにより、光ピックアップ20は、径方向に移動可能となっている。
【0044】
光ピックアップ20は、光学部材として、
図3に示すように、LD(半導体レーザ)21と、ビームスプリッタ22と、コリメータ23と、対物レンズ24と、受光部25とを備えている。
【0045】
LD21は、光源の一例であり、光を出射する部材である。
【0046】
ビームスプリッタ22は、LD21から照射された光を透過させてコリメータ23に照射する。より詳細には、ビームスプリッタ22は、LD21からの光を分光して、1つのメインビームと2つのサブビームとを生成し、コリメータ23に入射させる。また、ビームスプリッタ22は、光ディスクODから反射され、対物レンズ24およびコリメータ23を介して入射される光を、受光部25に入射させる。
【0047】
コリメータ23は、対物レンズ24における球面収差を補正するための部材であり、光軸方向に移動可能に構成されている。コリメータ23は、ビームスプリッタ22を介して照射されるLD21からの光を、コリメートする(平行光にする)。コリメータ23を光軸方向に移動させ、コリメータ23と対物レンズ24との距離を調整することで、対物レンズ24に入射する光の収束および発散の度合い(光の平行度)を調整することができる。これにより、球面収差の影響を抑制可能になる。
【0048】
対物レンズ24は、コリメータ23を介して照射されるLD21からの光を、情報記憶面RS上の任意の位置に集光して照射する部材であり、径方向および光軸方向に移動可能に構成されている。フォーカスの調整のため、対物レンズ24の光軸方向の位置が調整される。光ディスクODのトラック(溝)に光を集光させるため、対物レンズ24の径方向の位置が調整される。なお、本実施の形態では、対物レンズ24は、径方向の移動について、トラック4つ分の移動が可能である場合を例に説明する。
【0049】
受光部25は、情報記憶面RSで反射した光を受光して光電変換し、制御部60に出力する。ここで、
図4は、受光部25および後述する信号処理部30のTE信号生成部31の構成を示す図であり、
図5は、受光部25および後述する信号処理部30のLE信号生成部32の構成を示す図である。
図4および
図5に示すように、受光部は、メインビームを受光する4つの受光素子A〜Dと、サブビームを受光する4つの受光素子E〜Gとを備えている。
【0050】
(3)光ピックアップ駆動部26は、光学部材の調整を行うように構成されている。
【0051】
信号処理部30は、受光部25から出力される電気信号を用いて、RF信号、FE信号、TE信号およびLE信号等を生成し、制御部60に出力する。信号処理部30は、
図3に示すようにTE信号を生成するTE信号生成部31と、LE信号を生成するLE信号生成部32とを備えている。
【0052】
TE信号生成部31は、
図4に示すように、受光素子A〜Dからの電気信号を用いて差動プッシュプル信号DPP(TE信号)を生成するように構成されており、加算器ADD1〜加算器ADD4と、減算器SUB1〜3と、K値調整部K1とを備えている。
【0053】
差動プッシュプル信号DPPは、メインプッシュプル信号MPPからサブプッシュプル信号SPPをK倍した信号を減算して生成する。つまり、差動プッシュプル信号DPPは、MPP−K×SPPと表せる。
【0054】
TE信号生成部31は、
図4に示すように、受光素子A〜Dからの電気信号を用いてメインプッシュプル信号MPPを生成する。メインプッシュプル信号MPPは、A+D−(B+C)と表せる。
【0055】
また、TE信号生成部31は、
図4に示すように、受光素子E〜Hからの電気信号を用いてサブプッシュプル信号SPPを生成する。より詳細には、サブプッシュプル信号SPPは、E+G−(F+H)と表せる。
【0056】
以上より、差動プッシュプル信号DPPは、MPP−K×SPP=(A+D−(B+C))−K×(E+G−(F+H))と表せる。
【0057】
LE信号生成部32は、
図5に示すように、受光素子A〜Dからの電気信号を用いて、LE信号を生成するように構成されており、加算器ADD5〜加算器ADD7と、減算器SUB4と、PEAK検波部DET1およびPEAK検波部DET2と、オフセット付加部O1とを備えている。
【0058】
LE信号は、受光素子Aからの電気信号と受光素子Dからの電気信号とを加算した信号のPEAKを検波した信号から、受光素子Bからの電気信号と受光素子Cからの電気信号とを加算した信号のPEAKを検波した信号を、減算器SUB4により減算して生成される。さらに、K値の調整の際には、減算器SUB4から出力される信号に対し、
図3に示す対物レンズ24の径方向のシフト量に応じたオフセット値が、加算器ADD7により加算される。オフセット値は、オフセット付加部O1により生成される。
【0059】
(4)光ピックアップ移動機構40は、例えば、ガイドシャフトに平行に設けられたリードスクリュー(送りネジ、図示せず)と、リードスクリューの凹凸部分に噛み合い、リードスクリューの回転に伴って移動するティース部材で構成されている。ティース部材は、光ピックアップ20に設けられており、ティース部材が移動することにより、光ピックアップ20がガイドシャフトに沿って移動する。
【0060】
移動機構駆動部41は、制御部60からの信号に応じて、光ピックアップ移動機構40を構成するリードスクリューの回転を制御する。
【0061】
(5)温度センサ50は、本実施の形態では、サーミスタである。温度センサ50は、常時温度を計測し、制御部60に温度情報を出力する。
【0062】
(6)制御部60は、CPU(Central Processing Unit)等を用いて構成され、後述する記憶部64に記憶された制御プログラムを実行することにより、光ディスク装置100を構成する各部を制御する。
【0063】
制御部60は、
図3に示すように、再生処理部61と、記録処理部62と、駆動制御部63と、記憶部64とを備えている。
【0064】
再生処理部61は、信号処理部30から出力されたRF信号をデコードし、外部に出力する。出力先の機器としては、例えば、液晶ディスプレイあるいはTV等の映像を再生する機能を有する機器、スピーカ等の音声を出力する機能を備える機器、あるいは、PC(Personal computer)等が考えられる。
【0065】
記録処理部62は、外部から入力されたデータを符号化し、光ピックアップ20に出力して、光ディスクODに当該データの書き込みを行わせる。
【0066】
駆動制御部63は、信号処理部30から出力されるRF信号、FE信号、TR信号およびLE信号、および、温度センサ50から出力される温度情報に基づいて、スピンドルモータ駆動部11、光ピックアップ駆動部26および移動機構駆動部41等を制御する。
【0067】
記憶部64は、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)を備えている。RAMには、制御部60における各種制御に必要なパラメータ等が一時的に記憶される。ROMには、上述した制御プログラムが記憶されている。
【0068】
<1−2.光ディスク装置の駆動方法>
本実施の形態における光ディスク装置100の駆動方法について、
図6および
図8を基に説明する。
図6は、本実施の形態の光ディスク装置100におけるK値の調整の処理手順を示すフローチャートである。
図8は、本実施の形態のレンズ中点サーボ信号、TE信号の測定信号、MPP、SPPの波形を示す波形図である。なお、
図8では、サーボが可能な範囲において、重心の偏りが相当大きい場合を示している。
【0069】
光ディスク装置100の制御部60は、時刻t0において、レンズ中点サーボ処理(中点サーボ処理)を開始する(S101)。ここで、レンズ中点サーボ処理とは、
図3に示す光ピックアップ20を構成する対物レンズ24の径方向の位置を、LE信号を用いて中点位置に保持する処理である。
図7は、レンズ中点サーボ信号(
図7のLE)と、対物レンズ24のシフト量との関係を示すグラフである。
図7では、±100μm分の関係を示している。また、K値の調整時は、光ディスクODを通常の2倍速で回転させている。
【0070】
制御部60は、対物レンズ24を複数回移動させてTE信号を測定する。具体的には、制御部60は、対物レンズ24を内周側の1点に移動させてTE信号の測定を行う第一測定処理(S102)と、外周側の1点に移動させてTE信号の測定を行う第二測定処理(S103)とを実行する。
【0071】
第一測定処理(S102)では、LE信号生成部32は、時刻t1において、対物レンズを内周側にシフトさせる+オフセット値をLE信号に加算する(S111、オフセット処理)。具体的には、時刻t1になると、制御部60が、レンズシフト量(例えば、100μm)に対応したデジタル値を所定のレジスタに書き込み、LE信号生成部32のオフセット付加部O1が、前記デジタル値に応じた電圧を生成する。加算器ADD7は、オフセット付加部O1により生成された+オフセット値に対応する電圧をLE信号に加算する。LE信号にオフセット値が加算されたことにより、光ピックアップ駆動部26は、対物レンズ24を内周側に移動させる。
【0072】
制御部60は、LE信号への+オフセット値の追加後、+オフセット値に応じて設定された第一時間(第一固定時間の一例)が経過するのを待つ安定待ち処理を行う(S112)。第一時間は、光ディスク装置100に固有の時間である。ここで、本実施の形態では、対物レンズ24の中点位置からのシフト量が100umに、第一時間が5msecに設定されている。対物レンズ24の中点位置からのシフト量が100umの場合、第一時間は、例えば、5msec〜20msecの範囲としてもよい。なお、対物レンズ24のシフト量が異なる場合には、当該対物レンズ24のシフト量に応じて、第一時間を適切な時間に設定する。
【0073】
制御部60は、第一時間の経過後(時刻t2)、TE信号の測定を行う(S113、測定処理)。制御部60は、信号処理部30のTE信号生成部31からTE信号を取得する。
【0074】
第二測定処理(S103)では、LE信号生成部32は、時刻t4において、対物レンズを外周側にシフトさせる−オフセット値をLE信号に加算する(S121、オフセット処理)。具体的には、時刻t4になると、制御部60が、レンズシフト量(例えば、100μm)に対応したデジタル値を所定のレジスタに書き込み、LE信号生成部32のオフセット付加部O1が、前記デジタル値に応じた電圧を生成する。加算器ADD7は、オフセット付加部O1により生成された−オフセット値に対応する電圧をLE信号に加算する。LE信号にオフセット値が加算されたことにより、光ピックアップ駆動部26は、対物レンズ24を外周側に移動させる。
【0075】
制御部60は、LE信号への−オフセット値の追加後、−オフセット値に応じて設定された第二時間(第一固定時間の一例)が経過するのを待つ安定待ち処理を行う(S122)。第二時間は、第一時間と同様に、光ディスク装置100に固有の時間である。ここで、本実施の形態では、第二時間は、第一時間と同じ値に設定されている。このときの対物レンズ24の中点位置からのシフト量は、第一測定処理と同様に、100umに設定されている。なお、対物レンズ24のシフト量が異なる場合には、当該対物レンズ24のシフト量に応じて、第二時間を適切な時間に設定する。
【0076】
制御部60は、第二時間の経過後(時刻t5)、TE信号の測定を行う(S123、測定処理)。制御部60は、信号処理部30のTE信号生成部31からTE信号を取得する。
【0077】
第二測定処理(S103)の実行後、制御部60は、オフセット付加部O1にLE信号のオフセット値を元に戻させる(S104)。
【0078】
制御部60は、レンズ中点サーボ処理を終了する(S105)。
【0079】
制御部60は、第一測定処理(S102)で測定したTE信号および第二測定処理(S103)で測定したTE信号を用いて、K値の調整を行う(S106、K値調整処理)。
【0080】
<1−3.効果等>
本実施の形態の光ディスク装置100は、K値の調整において、レンズ振動がある程度低減した後に、TE信号の測定を行うので、K値の調整値がばらつくのを低減できる。例えば、
図8から分かるように、測定信号の振幅は、対物レンズ24をシフトさせた後(レンズ中点サーボ信号が変位した後)大きくなり、次第に振れ幅が低減する。このため、測定信号の振幅のふれ幅がある程度低減した後に、TE信号の測定を行うことで、K値の調整値がばらつくのを低減することが可能になる。
【0081】
以下、従来の光ディスク装置との差異を
図9および
図10を用いて説明する。
【0082】
図9は、従来の光ディスク装置におけるK値の調整方法の処理手順を、
図10は、
図9に示すK値の調整方法における各波形を示す図である。
【0083】
図9に示すように、従来の光ディスク装置では、まず、対物レンズの光軸方向への移動を抑制するレンズダンピング制御を開始する(S01)。
【0084】
従来の光ディスク装置は、LE信号に−オフセット値を追加し(S02)、追加した後すぐに、TE信号の測定を行う(S03)。
【0085】
引き続き、従来の光ディスク装置は、LE信号のオフセット値を中点位置に戻して(S04)、対物レンズの径方向の中点位置でTE信号を測定する(S05)。従来の光ディスク装置は、LE信号に−オフセット値を追加し(S06)、追加した後すぐに、TE信号の測定を行う(S03)。
【0086】
従来の光ディスク装置は、ステップS03、S05、S07において取得したTE信号を用いて、K値の調整を行う(S08)。
【0087】
従来の光ディスク装置におけるK値の調整方法では、
図10の点線で囲んだ部分に示すように、LE信号(レンズ中点サーボ信号)の振れ幅が多きい間に、TE信号の測定が行われることになる。このため、K値の調整値がばらつきやすい。
【0088】
これに対し、本実施の形態の光ディスク装置100では、
図8から分かるように、LE信号(レンズ中点サーボ信号)の振れ幅がある程度減少してから、TE信号を測定する。このため、K値の調整値のばらつきを抑えることが可能になる。
【0089】
(実施の形態2)
実施の形態2の光ディスク装置およびその駆動方法について、
図11〜
図13を基に説明する。
【0090】
実施の形態1では、第一固定時間が経過した後にTE信号の測定を行ったが、本実施の形態では、LE信号の振幅を測定してTE信号の測定のタイミングを決定する。
【0091】
なお、本実施の形態の光ディスク装置の構成は、
図3に示す光ディスク装置100の構成と同じである。
【0092】
<2−1.光ディスク装置の駆動方法>
本実施の形態における光ディスク装置100の駆動方法について、
図11および
図12を基に説明する。
図11は、本実施の形態の光ディスク装置100におけるK値の調整の処理手順を示すフローチャートである。
図12は、本実施の形態のレンズ中点サーボ信号およびTE信号の測定信号の波形を示す波形図である。なお、
図12では、サーボが可能な範囲において、重心の偏りが相当大きい場合を示している。
【0093】
光ディスク装置100の制御部60は、まず、レンズ中点サーボ処理を開始する(S201)。なお、実施の形態1で説明したように、K値の調整時は、光ディスクODを通常の2倍速で回転させている。
【0094】
制御部60は、本実施の形態では、次に、LE信号の基準レベルの測定を行う(S202)。さらに、制御部60は、基準レベルから、レンズ振動が低減したか否かを判定するための基準範囲を設定する(基準範囲設定処理)。
【0095】
ここで、基準レベルの測定は、レンズ中点サーボ処理の開始から、第二固定時間、例えば、10msecが経過した後に行う。これは、基準レベルから、上述したレンズ振動が低減したか否かを判定するための基準範囲を設定するため、基準レベルの測定時には、ある程度、レンズ振動が低減していることが望ましいためである。基準範囲は、K値の調整値のばらつきが抑えられる範囲を考慮して設定することができ、第二固定時間の長さ等を考慮して設定する。基準範囲は、本実施の形態では、基準レベル以下とする。
【0096】
制御部60は、LE信号の基準レベルの測定後、対物レンズ24を複数回移動させてTE信号を測定する。具体的には、制御部60は、対物レンズ24を内周側の1点に移動させてTE信号の測定を行う第一測定処理(S203)と、外周側の1点に移動させてTE信号の測定を行う第二測定処理(204)とを実行する。
【0097】
第一測定処理(S203)では、LE信号生成部32は、時刻t1において、対物レンズを内周側にシフトさせる+オフセット値をLE信号に加算する(S211、オフセット処理)。具体的には、時刻t1になると、制御部60が、レンズシフト量(例えば、100μm)に対応したデジタル値を所定のレジスタに書き込み、LE信号生成部32のオフセット付加部O1が、前記デジタル値に応じた電圧を生成する。加算器ADD7は、オフセット付加部O1により生成された+オフセット値に対応する電圧をLE信号に加算する。LE信号にオフセット値が加算されたことにより、光ピックアップ駆動部26は、対物レンズ24を内周側に移動させる。
【0098】
制御部60は、LE信号の振幅を測定し(S212)、LE信号の振幅が基準範囲内であるか否かを判定する(S213、安定待ち処理)。制御部60は、LE信号の振幅が基準範囲外であると判定した場合(S213の「NO」)、ステップS212に移行する。
【0099】
制御部60は、LE信号の振幅が基準範囲内であると判定した場合(S213の「YES」)、TE信号の測定を行う(S214、測定処理)。制御部60は、信号処理部30のTE信号生成部31からTE信号を取得する。
【0100】
第二測定処理(S204)では、LE信号生成部32は、時刻t3において、対物レンズを外周側にシフトさせる−オフセット値をLE信号に加算する(S221、オフセット処理)。具体的には、時刻t3になると、制御部60が、レンズシフト量(例えば、100μm)に対応したデジタル値を所定のレジスタに書き込み、LE信号生成部32のオフセット付加部O1が、前記デジタル値に応じた電圧を生成する。加算器ADD7は、オフセット付加部O1により生成された+オフセット値に対応する電圧をLE信号に加算する。LE信号にオフセット値が加算されたことにより、光ピックアップ駆動部26は、対物レンズ24を外周側に移動させる。
【0101】
制御部60は、LE信号の振幅を測定し(S222)、LE信号の振幅が基準範囲内であるか否かを判定する(S223、安定待ち処理)。制御部60は、LE信号の振幅が基準範囲外であると判定した場合(S223の「NO」)、ステップS222に移行する。
【0102】
制御部60は、LE信号の振幅が基準範囲内であると判定した場合(S223の「YES」)、TE信号の測定を行う(S224、測定処理)。制御部60は、信号処理部30のTE信号生成部31からTE信号を取得する。
【0103】
第二測定処理(S204)の実行後、制御部60は、オフセット付加部O1にLE信号のオフセット値を元に戻させる(S205)。
【0104】
制御部60は、レンズ中点サーボ処理を終了する(S206)。
【0105】
制御部60は、第一測定処理(S203)で測定したTE信号および第二測定処理(S204)で測定したTE信号を用いて、K値の調整を行う(S207、K値調整処理)。
【0106】
なお、上述したK値の調整方法では、ステップS213およびS223に示すように、LE信号の振幅が基準範囲内となるまで、TE信号の測定を待機させるが、光ディスク装置100の応答性等を考慮し、第三固定時間(例えば、30msec)が経過した後は、LE信号の振幅が基準範囲外であっても、TE信号の測定を行う(タイムアウトする)ように構成してもよい。
【0107】
<2−2.効果等>
本実施の形態の光ディスク装置100は、K値の調整において、LE信号の振幅が基準範囲内となってから、つまり、レンズ振動がある範囲内に低減した後に、TE信号を測定するので、K値の調整値のばらつきをより確実に低減可能になる。また、本実施の形態の光ディスク装置100は、LE信号の実際の測定により、TE信号の測定のタイミングを決定するので、予め光ディスク装置の特性を知る必要がない。
【0108】
図13は、従来の光ディスク装置、実施の形態1の光ディスク装置100、および、本実施の形態(実施の形態2)の光ディスク装置100におけるK値の調整値のばらつきの一例を示すグラフである。
図13において、四角の各点は、従来の光ディスク装置におけるK値を示している。菱形の各点は、実施の形態1の光ディスク装置100におけるK値を示している。三角形の各点は、本実施の形態の光ディスク装置100におけるK値を示している。
【0109】
図13から分かるように、実施の形態1および実施の形態2の何れの場合も、従来の光ディスク装置に比べ、K値のばらつきが低減していることが分かる。
【0110】
(実施の形態3)
実施の形態3の光ディスク装置およびその駆動方法について説明する。
【0111】
実施の形態2では、LE信号の振幅が基準範囲内であるか否かに応じてTE信号の測定のタイミングを決定したが、本実施の形態の光ディスク装置100では、調整精度に応じて、基準範囲を設定する場合について説明する。
【0112】
なお、本実施の形態の光ディスク装置の構成は、
図3に示す光ディスク装置100の構成と同じである。
【0113】
<3−1.光ディスク装置の駆動方法>
本実施の形態における光ディスク装置100の駆動方法について、
図11を参照して説明する。
【0114】
光ディスク装置100の制御部60は、レンズ中点サーボ処理を開始し(S201)、一定期間経過後に、LE信号の基準レベルの測定および基準範囲の設定を行う(S202)。
【0115】
ここで、本実施の形態では、光ディスク装置100に求められる光ディスクODの再生および記録における精度に応じて、基準範囲を適宜設定する。
【0116】
具体的には、例えば、基準範囲は、高い精度が要求される場合(高精度)は、基準レベル以下、あるいは、基準レベル±10%の範囲とする。また、例えば、基準範囲は、一般的な精度が求められる場合(中精度)は、基準レベル±20%の範囲とする。さらに、例えば、基準範囲は、精度があまり要求されない場合(低精度)は、基準レベル±30%の範囲とする。
【0117】
制御部60は、LE信号の基準レベルの測定後、対物レンズ24を複数回移動させてTE信号を測定する。具体的には、制御部60は、対物レンズ24を内周側の1点に移動させてTE信号の測定を行う第一測定処理(S203)と、外周側の1点に移動させてTE信号の測定を行う第二測定処理(204)とを実行する。
【0118】
第一測定処理(S203)および第二測定処理(S204)の処理手順は、実施の形態2と同じである。
【0119】
第二測定処理(S204)の実行後、制御部60は、オフセット付加部O1にLE信号のオフセット値を元に戻させる(S205)。
【0120】
制御部60は、レンズ中点サーボ処理を終了する(S206)。
【0121】
制御部60は、第一測定処理(S203)で測定したTE信号および第二測定処理(S204)で測定したTE信号を用いて、K値の調整を行う(S207、K値調整処理)。
【0122】
なお、本実施の形態においても、ステップS213およびS223において、タイムアウトするように構成してもよい。
【0123】
<3−2.効果等>
本実施の形態の光ディスク装置100は、精度に応じて基準範囲を設定するので、光ディスク装置の用途に応じた設定が可能になる。なお、光ディスク装置毎に異なる基準範囲としても良いし、1台の光ディスク装置において複数種類のメディアを再生可能な場合には、メディア毎に基準範囲を変更する等しても良い。
【0124】
また、本実施の形態の光ディスク装置100は、K値の調整において、LE信号の振幅が基準範囲内となってから、つまり、レンズ振動がある範囲内に低減した後に、TE信号を測定するので、K値の調整値のばらつきをより確実に低減可能になる。また、本実施の形態の光ディスク装置100は、実施の形態2と同様に、LE信号の実際の測定により、TE信号の測定のタイミングを決定するので、予め光ディスク装置の特性を知る必要がない。
【0125】
(他の実施の形態)
以上、本発明の実施の形態に係る光ディスク装置について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
【0126】
また、上記の各装置(例えば、制御部60)は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクドライブ、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムとして構成されても良い。RAMまたはハードディスクドライブには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、各装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0127】
さらに、上記の各装置を構成する構成要素の一部(例えば、制御部60の一部または全部)は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしても良い。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0128】
さらにまた、上記の各装置を構成する構成要素の一部(例えば、制御部60の一部または全部)は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしても良い。ICカードまたはモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。ICカードまたはモジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしても良い。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、ICカードまたはモジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしても良い。
【0129】
また、本発明は、上記に示す方法であるとしても良い。また、本発明は、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしても良いし、上記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしても良い。
【0130】
さらに、本発明は、上記コンピュータプログラムまたは上記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray(登録商標) Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしても良い。また、これらの非一時的な記録媒体に記録されている上記デジタル信号であるとしても良い。
【0131】
また、本発明は、上記コンピュータプログラムまたは上記デジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしても良い。
【0132】
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、上記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、上記マイクロプロセッサは、上記コンピュータプログラムに従って動作するとしても良い。
【0133】
また、上記プログラムまたは上記デジタル信号を上記非一時的な記録媒体に記録して移送することにより、または上記プログラムまたは上記デジタル信号を上記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしても良い。
【0134】
さらに、上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしても良い。