【実施例1】
【0014】
以下、本発明を貯湯給湯装置の外装ケースに適用した場合の例について、
図1〜
図4に基づいて説明する。
図1、
図2に示すように、貯湯給湯装置の外装ケース1は、金属製薄板からなる複数の外装板21〜26を組み合わせて形成された箱状の外装ケースである。以下、説明の都合上、
図1に示す前後左右を前後左右として説明する。
【0015】
外装ケース1は、左右幅が大きく、前後幅が小さな直方体状のものである。
図2に示すように、外装ケース1の内部の左半部には、補助熱源機収容部2と、ポンプやバルブ類や熱交換器や膨張タンクや制御ユニットが収納される機器収納部3が設けられ、機器収納部3の下側には、外部配管に接続される配管類が収納される配管収納部4が設けられている。外装ケース1の内部の右半部には貯湯タンクを収納するタンク収納部5が設けられる。
【0016】
外装ケース1は、支柱や板材等からなるフレーム構造10と、このフレーム構造10の外面に付設される複数の外装板21〜26とを備えている。
【0017】
フレーム構造10は、下端部に左右向きに配置された前後1対のベース部材11と、これらベース部材11の左端に立設された前後1対の支柱12と、タンク収納部5の左端面を区画する鉛直な仕切板13と、機器収納部3の底部を区画する底部板14と、補助熱源機収容部2の下端に左右方向向きに配置された前後1対の桟部材15と、補助熱源機収容部2の中段前面の桟部材16と、補助熱源機収容部2の中段後面の遮熱板17等を備えている。前記仕切板13は、左右方向の中間位置よりもやや右寄り位置に配設されて1対のベース部材11や底部板14や桟部材15,16や遮熱板17に固定されている。
【0018】
前記複数の外装板21〜26は、外装ケース1の上部約2/3部分の前面を覆う前側主外装板21と、タンク収納部5の下部約1/3の前面を覆う前側副外装板22と、補助熱源機収容部2と機器収納部3の左側面を覆う左側外装板23と、外装ケース1の上部約2/3部分の後面を覆う後側主外装板24と、タンク収納部5の下部約1/3の後面を覆う後側副外装板(図示略)と、外装ケース1の右側面を覆う右側外装板25と、外装ケース1の頂面を覆う頂面外装板26などを備えている。
【0019】
前側主外装板21、前側副外装板22、左側外装板23、後側主外装板24、後側副外装板、頂面外装板26は、複数のビスを用いてフレーム構造10に固定される。
次に、外装ケース1の全高をほぼ3等分する中段上部位置と中段下部位置において、右側外装板25を、隣接する前側主外装板21および後側主外装板24に、取付片31を介して夫々固定する固定構造30A,30Bについて説明する。
【0020】
図2〜
図4に示すように、右側外装板25の前端寄り部位を、前記中段上部位置と中段下部位置において、前側主外装板21の端部に取付片31を介して夫々固定する2組の固定構造30Aと、右側外装板25の後端寄り部位を、前記中段上部位置と中段下部位置において、後側主外装板24の端部に取付片31を介して夫々固定する2組の固定構造30Bとが設けられている。尚、前側主外装板21と後側主外装板24が、夫々「一方の外装板」に相当し、右側外装板25が「他方の外装板」に相当する。
【0021】
前記固定構造30Aと固定構造30Bは前後に対称であるので、ここでは、固定構造30Bを例にして
図3、
図4に基づいて説明する。
図3に示すように、後側主外装板24の右端寄り部分24aは平坦に形成され、その右端には断面コ字状のフランジ部24bが形成されている。右側外装板25の後端寄り部分25aは前記右端寄り部分24a側へ湾曲状に折り曲げられており、その後端には、前記フランジ部24bに右方から当接可能な断面L形のフランジ部25bが形成されている。
【0022】
図3、
図4に示すように、取付片31は複数部位で屈曲された細長い板片(例えば、厚さ1.2 mm)で構成されている。取付片31は、後側主外装板24に固定される平板状の第1固定部32と、右側外装板25に固定される平板状の第2固定部33と、第1固定部32の右端から斜め前方へ少し延びた第1斜板部34と、この第1斜板部34の右端(前端)から右方へ延びて一部がフランジ部25bの内面に当接した平板部35と、この平板部35の右端から斜め前方へ延びた第2斜板部36と、この第2斜板部36の前端である第2固定部33の後端(第2固定部33の第1固定部32側端部)に形成された第1折曲部37とを有する。
【0023】
後側主外装板24の右端寄り部分24aには前方へ突出するボス部24cが形成され、第1固定部32は、ボス部24cの内面に当接させてビス41で固定されている。第2固定部33は、右側外装板25の内面に面接触状に当接させてビス42で固定されている。
平板部35と第2斜板部36の境界の第2折曲部38は、右側外装板25との間に隙間を空けて配置され、第1固定部32と第1斜板部34の境界の第3折曲部39は、後側主外装板24との間に隙間を空けて配置されている。
【0024】
図4に示すように、前記取付片31には、第1折曲部37の両端部とその近傍部を切欠いた切欠き部40が形成されている。切欠き部40の形状は、部分円形又は弓形形状である。
【0025】
次に、前記外装ケース1の作用、効果について説明する。
前記固定構造30Bにおいては、取付片31に第1折曲部37の両端部とその近傍部を切欠いた切欠き部40が形成され、第1折曲部37の上下両端部の尖った角部が除去されているため、搬送中に右側外装板25が振動しても、取付片31の第1折曲部37の上下両端部の角部による打痕が右側外装板25に発生することがないから、外装ケース1の損傷を確実に防止して外観の悪化、つまり商品性の低下を確実に防止することができる。
しかも、第1折曲部37の両端部とその近傍部を切欠いた切欠き部40を設けるという簡単な構成で実現できるため、簡単且つ安価に実施可能である。なお、前記切欠き部40の形状は一例を示すもので、種々の形状の切欠き部を採用することができる。
【0026】
次に、前記取付片31を部分的に変更した変更例について説明する。
図5に示すように、この取付片31Aにおいては、第1折曲部37の両端部とその近傍部を切欠いた三角形状の切欠き部40Aが形成されている。この取付片31Aによっても、前記取付片31と同様の作用、効果が得られる。
【0027】
図6に示すように、この取付片31Bにおいては、第1折曲部37の両端部とその近傍部を切欠いた長方形状の切欠き部40Bが形成されている。この取付片31Bによっても、前記取付片31と同様の作用、効果が得られる。
【0028】
次に、前記実施例を部分的に変更する例について説明する。
1)本発明は、貯湯給湯装置の外装ケースに限らず、種々の機器や装置の外装ケースに適用することができる。
2)本発明において採用可能な取付片は、
図4〜
図6に図示のものに限定される訳ではなく、例えば、
図7に示すような取付片に切欠き部を形成したものでもよく、その他の種々の構造の取付片でもよい。
3)なお、当業者であれば、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能である。