(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施の形態について以下に図面を参照して説明する。以下の説明は、本発明の好適な実施の形態を示すものであって、本発明の範囲が以下の実施の形態に限定されるものではない。以下の説明において、同一の符号が付されたものは実質的に同様の内容を示している。
【0025】
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態1に係る通信システム10の接続構成を示すブロック図である。通信システム10は、端末110と、小型基地局120と、サードパーティサーバ130と、セキュリティゲートウェイ140と、モバイルネットワーク管理ノード群150と、を含んで構成される。
【0026】
端末110は、エンドユーザが所有する携帯端末装置であり、小型基地局120と無線通信を行う。
【0027】
小型基地局120は、フェムトセルに代表される小規模のカバレッジエリアに通信接続サービスを提供する小型の基地局装置である。このようなフェムトセルをカバーエリアとする小型基地局は、フェムト基地局、フェムトセル基地局、ホーム基地局と呼ばれることがある。小型基地局120は、インターネットを介して、暗号化されたコネクションを用いてセキュリティゲートウェイ140と接続されている。
【0028】
サードパーティサーバ130は、小型基地局120と同じLAN内に設置されるサーバである。サードパーティサーバ130は小型基地局120にLAN接続されており、端末110に各種サービスを提供する。
【0029】
セキュリティゲートウェイ140は、オペレータネットワーク内で、インターネットとの境界に設置されるゲートウェイ装置である。
【0030】
モバイルネットワーク管理ノード群150は、オペレータネットワーク内にあって、ユーザ情報や端末情報といったモバイルネットワークで使用される情報の管理や、オペレータネットワーク内のノードの制御・管理を行う。また、モバイルネットワーク管理ノード群150は、端末110がインターネットにあるサーバやノードと接続する際のゲートウェイの役割も兼ねている。
【0031】
次に、小型基地局120について詳しく説明する。
図2は、小型基地局120の具体的構成を示すブロック図である。小型基地局120は、端末通信部121と、端末IP払い出し部122と、コア網通信部123と、LAN通信部124と、I/F部125と、基地局制御部126と、ID生成・管理・応答部127と、テーブル保持部128と、を備える。
【0032】
端末通信部121は、自局配下の端末110との通信を行う。端末通信部121は、自局配下の端末110より送信される在圏・接続処理の要求(位置登録要求)を受け取る。当該端末通信部121が受信した在圏・接続処理の要求は、端末110の固有ID取得のために一旦ID生成・管理・応答部127を経由した後、コア網通信部123に送られる。また、端末通信部121は、ID生成・管理・応答部127より受け取る在圏・接続処理の応答を端末110に返す。
【0033】
端末IPアドレス払い出し部122は、自局配下の端末110より送信されるLAN側への接続要求を端末通信部121を介して受け取り、当該端末110に対してIPアドレスを払い出す。ここで、端末IPアドレス払い出し部122は、小型基地局120配下の各端末にLANで通信するためのIPアドレスを払い出す場合に、ID生成・管理・応答部127にも、払い出したIPアドレスを通知する。これによって、ID生成・管理・応答部127では、ユーザ固有IDと、払い出しているIPアドレスの組を対応させてテーブル保持部128に格納することができる。
【0034】
コア網通信部123は、オペレータネットワーク内ノードとの通信を行う。コア網通信部123は、ID生成・管理・応答部127より受け取る端末110からの在圏・接続処理の要求をI/F部125を介してモバイルネットワーク管理ノード群150に送信する。また、コア網通信部123は、モバイルネットワーク管理ノード群150より送信された上記要求に対する応答である在圏・接続処理応答をI/F部125を介して受信する。当該受信された在圏・接続処理応答は、端末110の固有ID取得のためにID生成・管理・応答部127を経由した後、端末通信部121より端末110へ送信される。
【0035】
LAN通信部124は、LAN内ノードとの通信を行う。LAN通信部124は、端末通信部121で受信されたデータ要求等に基づいて、LAN内ノードとの通信を行う。
【0036】
I/F部125は、コア網通信部123とLAN通信部124の外部に対する物理的なインターフェイスである。
【0037】
基地局制御部126は、端末通信部121、コア網通信部123、LAN通信部124、でそれぞれ受信されて送られてくる情報を元に小型基地局120自身を制御する。
【0038】
ID生成・管理・応答部127は、端末からのアクセス毎に、コア網通信部123又は端末通信部121を通じてユーザに固有のID情報を受信し、テーブル保持部128に格納する。具体的には、端末通信部121を通じて送られる在圏・接続処理の要求又はコア網通信部123を通じて送られる在圏・接続処理の応答からユーザに固有のID(以下ユーザ固有IDと称する)を取り出してテーブル保持部128に格納する。
【0039】
当該ユーザ固有IDは、オペレータがユーザ毎に異なったサービスを提供する為や、ユーザ毎に異なった課金をすることを目的として、通常端末内のSIMカードに記録されている。当該ユーザ固有IDは、例えば、端末から基地局へのアタッチの際にオペレータネットワークに送信される。例えば3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、フェムトセルが配下端末のIMSI(International Mobile Subscriber Identity)と呼ばれるIDを取得できる。しかし必ずしも3GPPのIMSIに限らず、3GPP2やWiMAX等におけるユーザ固有のIDでもよい。
【0040】
また、ID生成・管理・応答部127は、端末IPアドレス払い出し部122が端末110に対して払い出したIPアドレスと、当該端末110のユーザ固有IDとを対応付させてテーブル保持部128に格納する。
【0041】
また、ID生成・管理・応答部127は、LAN側のサードパーティサーバ130に対して、当該サードパーティサーバ130に対してのみ有効な、端末110に対して一意のIDを生成して送る。当該ID生成・管理・応答部127が端末のIPアドレスに基づいて生成する当該端末110を識別する一時的な識別子をユーザ固有一時IDと呼ぶ。
【0042】
ここで、ユーザ固有IDは、例えば3GPPの場合、そのユーザがオペレータと契約を解除しない限りは同一のIDが割り当てられる。一方、本発明のユーザ固有一時IDは、端末110がある小型基地局120配下に在圏する場合に、サードパーティに対して必ず一意且つ常に同じとなるように割り当てられるIDである。
【0043】
ユーザ固有一時IDは、オペレータネットワーク内で使われているIDを用いる代わりに、ある程度セキュリティ要件を緩和する目的と、サードパーティ毎に異なった端末IDを割り当てるという目的で生成される。例えば、あるサードパーティで管理しているユーザ固有一時IDが漏洩した場合は、そのサードパーティ向けだけに別のIDを生成することで、対応することができる。
【0044】
なお、本発明の上記ユーザ固有一時IDは、3GPPにおいて端末110がSIMに記憶されたIMSIに基づいて生成するTMSI(Temporary Mobile Subscriber Identity)とは、一時的なIDという点で共通する以外は、使用目的、生成する主体、タイミング等の様々な点で異なり、別概念のIDである。
【0045】
なお、ID生成・管理・応答部127は、サードパーティサーバ130のIPアドレスを、上記端末IPアドレスをキー情報とする問い合わせを受け取ったタイミングで入手しテーブル保持部128に格納してもよい。
【0046】
また、ID生成・管理・応答部127は、サードパーティサーバ130より端末110のIPアドレスをキー情報として問い合わせがあった場合に、ユーザ固有一時IDを生成して当該サードパーティサーバ130へ送る構成であっても良い。
【0047】
また、ID生成・管理・応答部127は、予めサードパーティサーバ130からのsubscribeによって、サードパーティIDとサードパーティIPアドレスを受信することによってテーブル保持部128に格納してもよい。なお、サードパーティサーバ130からのsubscribeに対する在圏通知先は、必ずしも前記subscribeを送ったサーバでなくてもよく、同一のサードパーティの別のサーバでもよい。
【0048】
ここでID生成・管理・応答部127が生成したユーザ固有一時IDは、そのユーザ固有ID、別のサードパーティサーバ用に生成したユーザ固有一時ID、端末に払い出しているIPアドレス、過去に端末に払い出したIPアドレスと共に、テーブル保持部128に格納される。
【0049】
ユーザ固有一時IDの生成の仕方としては、例えば端末110が保持しているIMSI等の情報とIDの提供先のサードパーティサーバのIPアドレスを文字列として結合した後に、ハッシュ値を計算するといった方法が考えられる。しかし当該ユーザ固有一時IDの生成手段は、必ずしもこれに限らず、同様にサーバに対して一様であり、3G網の情報が外部に出ない手段であればよい。
【0050】
前記格納されたIPアドレスと、生成されたユーザ固有一時IDは、例えば
図3に示す形式で、テーブル保持部128内に格納される。なお、IDの格納形態は必ずしもこれに限らず、サードパーティサーバ130が、端末110のIPアドレスによって問い合わせた場合に、サード-パーティサーバ130内、或いはあるサードパーティのサードパーティサーバ群内で一意且つ有効なIDで応答可能であればよい。
【0051】
次に
図3に示すテーブル保持部128で保持しているテーブルについて詳しく説明する。
【0052】
テーブル保持部128では、901に示す列でユーザ固有IDを保持している。一つの端末110に対して最大でサードパーティの個数分のエントリが存在する。ユーザ固有IDに対して、サードパーティ毎に割り当てられるユーザ固有一時IDがユーザ固有IDをキーとして管理される(902)。なお、前記ユーザ固有一時IDは、端末110に払い出されるIPアドレスが変わっても変わらないIDとして、端末110が非在圏になった後も管理される。903に示す列では、その時点で小型基地局120に在圏している端末110に対して小型基地局120が払い出したIPアドレスである。904、905の列では、それぞれ、小型基地局120と同じLAN内にあるサードパーティサーバ130の所有、或いは管理主体としてのサードパーティのIDと、サードパーティサーバ130のIPアドレスである。
【0053】
なお、一定期間使われないエントリは小型基地局120から、別のサーバに情報を移すなどして、小型基地局120のテーブル保持部128に記憶される上記テーブルのテーブルサイズを削減してもよい。
【0054】
また、テーブル保持部128は必ずしもすべての小型基地局120になくてもよく、個々の小型基地局120のテーブル保持部128で管理しているテーブルを別のサーバに置いて集中管理してもよい。
【0055】
次に
図4のシーケンス図を用いて、本発明の動作について説明する。
【0056】
端末a110は、小型基地局120を経由してモバイルネットワーク管理ノード群150に対して在圏・接続処理を行う(ステップS501)。モバイルネットワーク管理ノード群150は、在圏・接続処理応答を小型基地局120を経由して端末
a110に返送する(ステップS502)。
【0057】
小型基地局120は、当該モバイルネットワーク管理ノード群150から端末a110に対する在圏・接続処理応答を中継する際に当該端末
a110のユーザ固有IDを取得する(ステップS503)。具体的に、当該ユーザ固有ID取得処理は小型基地局120内のID生成・管理・応答部127が行う。
【0058】
小型基地局120は、ステップS503で取得したユーザ固有IDに係る端末a110のユーザ固有一時IDを生成する(ステップS504)。具体的に、小型基地局120内のID生成・管理・応答部127が、当該ユーザ固有一時IDを生成し、既に取得しているユーザ固有IDと対応付けた状態でテーブル保持部128に格納する。
【0059】
図4で示される1001には、この段階で小型基地局120のテーブル保持部128に保持されている情報を示している。この段階では、ステップS503で取得されたユーザ固有IDと、ステップS504で生成されたユーザ固有一時IDとが対応付けられた状態で内部のテーブル保持部128に記憶されている。
【0060】
その後、端末a110は、LAN側のネットワークに接続を希望する場合に、小型基地局120に対してLAN側ネットワークへの接続要求を出す(ステップS505)。なお、当該LAN側への接続要求のタイミングは、端末a110が、モバイルネットワーク管理ノード群150に対して接続要求を出したあとの、任意のタイミングでよい。
【0061】
この接続要求を受けて、小型基地局120は、端末a110に対してLAN側ネットワークで利用可能なIPアドレスを払い出し(ステップS506)、端末a110に応答することで払い出したIPアドレスを通知する(ステップS507)。
【0062】
また、ステップS506で
端末IPアドレス払い出し部122が端末a110からの払い出したIPアドレスは、既に保持しているユーザ固有IDとユーザ
固有
一時IDとID生成・管理・応答部127において対応付けられる(ステップS508)。すなわち、ID生成・管理・応答部127は、
端末IPアドレス払い出し部122が端末a110からのLAN側接続要求に基づいて払い出したIPアドレスを、当該端末a110に対して既に保持しているユーザ固有IDとユーザ
固有
一時IDと更に対応付けてテーブル保持部128に格納する。
【0063】
図4で示される1002には、この段階で小型基地局120のテーブル保持部128に保持されている情報を示している。この段階では、ステップS506で新たに払い出されたIPアドレスが、ステップ504までで既に格納されているユーザ固有IDとユーザ
固有
一時IDと更に対応付けられている様子を示している。
【0064】
次に端末a110は、小型基地局120経由でLAN側のネットワークに接続されているサードパーティサーバ130に対してデータ要求を行う(ステップS509)。端末a110から送信される上記データ要求は、ステップS506で払い出されたIPアドレスを送信元アドレスとした要求である。小型基地局120において、端末a110より端末通信部121で受信された上記データ要求は、LAN通信部124に送られ、当該LAN通信部124よりサードパーティサーバ130に送られる。
【0065】
上記データ要求を受信したサードパーティサーバ130は、パケットの送信元アドレスから端末のアドレスを検出し、端末の一時的なIDとして利用する(ステップS510)。この段階で、サードパーティサーバ130が保有する当該端末a110に関する情報は、1003に示すように当該端末a110のIPアドレスだけである。
【0066】
次に、サードパーティサーバ130は、小型基地局120に対して端末IDを要求する(ステップS511)。当該端末ID要求には、ステップS510で検出したデータ要求に係る端末のIPアドレスがキー情報として含まれる。
【0067】
小型基地局120は、受信した端末ID要求に基づいて、当該端末ID要求に含まれるIPアドレスを端末IDに変換する処理を行う(ステップS512)。具体的には、小型基地局120のID生成・管理・応答部127は、LAN通信部124より受け取った上記端末ID要求に含まれるIPアドレスに対応付けられたユーザ固有一時IDを取り出す。
【0068】
換言すると、ID生成・管理・応答部127は、接続毎に変わってしまう可能性がある端末IPアドレスの代わりに、端末のIPアドレスが変わっても変わらない、サードパーティサーバ130でのみ利用可能なユーザ固有一時IDを、当該サードパーティサーバ130に対して端末IDとして払い出す。
【0069】
なお、この段階で、小型基地局120では、ユーザ固有ID、ユーザ固有一時ID、IPアドレスに加えて、当該ユーザ固有一時IDが割り当てられるサードパーティサーバ130のIDが合わせて対応づけられる。
【0070】
小型基地局120は、ステップS512で変換して払い出したユーザ固有一時IDを含めて上記端末ID要求の応答を行う(ステップS513)。すなわち、小型基地局120は、ユーザ固有一時IDを端末a110の端末IDとしてサードパーティサーバ130に通知する。
【0071】
サードパーティサーバ130は、ステップS509で受信した端末a110のIPアドレスと、ステップS513で受信した端末a110のユーザ固有一時IDと、の紐付けを行う(ステップS514)。すなわち、サードパーティサーバ130は、ステップS509で受信して格納している端末a110のIPアドレスに、新たに通知された当該端末a110のユーザ固有一時IDを対応付けた状態で内部の記憶部に記憶する。この段階でサードパーティサーバ130には、1004に示すようにIPアドレスとユーザ固有一時IDとが紐づいた状態で保持される。
【0072】
その後は、サードパーティサーバ130は、端末IDである当該ユーザ固有一時IDを利用して小型基地局120経由で端末a110に対してステップS509のデータ要求に対する応答を行う(ステップS515)。
【0073】
なお、上記動作では、ステップS503において、小型基地局120のID生成・管理・応答部127ユーザ固有IDに係る端末a110に対するユーザ固有一時IDを生成する場合について説明したが、この時ID生成・管理・応答部127は、複数のユーザ固有一時IDを生成しても良い。そして、ID生成・管理・応答部127は、ステップS512において、サードパーティサーバ130に対して端末a110のユーザ固有一時IDを払い出す際に、上記生成した複数のユーザ固有一時IDから1つを選択して払い出しても良い。当該構成により異なるサードパーティサーバ130毎に同一端末の異なるユーザ固有一時IDを簡潔に割り当てることができる。
【0074】
また、上記説明では、ステップS502においてモバイルネットワーク管理ノード群150より通知される在圏・接続処理応答の中から小型基地局120がユーザ固有IDであるIMSIを取得する場合について説明したがこれに限定されるものではない。ステップS501において端末a110より送信される在圏・接続処理要求の中から小型基地局120がユーザ固有IDであるIMSIを取得しても良い。この場合、ステップS502とステップS503及びステップS504の順序が入れ替わる。
【0075】
なお、上記説明では、端末a110からのインターネット接続として、トラフィックオフロードにより小型基地局120から直接サードパーティサーバ130に接続する場合について説明したが、これに限定されるものではない。小型基地局120は、端末a110からデータ要求を受信すると、モバイルネットワーク管理ノード群150経由の主経路を用いて接続するよう処理しても良い。
【0076】
以上のように本実施の形態1に係る基地局装置は、配下端末からの通信に対して複数の経路が設定可能な基地局装置であって、外部からのID要求に対して、在圏してきた端末に関連したIDを応答する手段を備えたことを特徴とする。すなわち、端末の在圏に基づいて外部サーバに対して前記端末に関連したIDを通知する手段を備える。
【0077】
本実施の形態1の構成によれば、基地局装置でユーザ固有IDからユーザ固有一時IDを生成して外部装置であるサードパーティサーバに通知しているので、ユーザ固有IDと同様にユーザに対しての一意性を確保できる。
【0078】
また、当該基地局装置がユーザ固有IDに基づいて生成するユーザ固有一時IDは、サードパーティ、或いはサードパーティサーバ内で端末一意なIDであるため、仮に漏洩したとしても、被害の範囲をサードパーティに閉じることができる。
【0079】
すなわち、IMSIに代表されるユーザ固有IDは、オペレータのユーザ課金に利用されているIDであり、秘匿性が高く、当該IDが外部に漏洩すると、悪用される可能性がある。従って、当該ユーザ固有IDをモバイルネットワーク外部で利用することは、上記漏洩の観点好ましくない。一方、本発明では、このような秘匿性の高いユーザ固有IDに基づいて小型基地局において別のIDであって、端末を一意に識別できるIDを生成してサードパーティ毎に使い分ける構成を取るため、漏洩の被害範囲をサードパーティに閉じることができる。
【0080】
また、本実施の形態1の構成によれば、サードパーティサーバに対してIDを提供するID提供手段がプロトコルの仕様に依存していない。従って、一意な端末IDをサードパーティサーバで得るための手段をアプリケーションの種類に依存しない形で構築することができる。
【0081】
なお、上記説明した小型基地局120を別の観点から捉えた場合には、当該小型基地局120を
図5に示す機能ブロックで表すことができる。
図5において、小型基地局120は、第1識別情報取得部210と、第2識別情報生成部220と、端末識別情報通知部230と、を具備する。ここで、当該3つの機能ブロックは、
図2で示したID生成・管理・応答部127にそれぞれ対応する。
【0082】
第1識別情報取得部210は、配下の端末を識別する第1識別情報を取得する。当該第1識別情報は、上述したユーザ固有IDに対応し、具体的にはIMSIやTMSIとすることができる。このように、第1識別情報は、モバイルネットワークにおいて端末を一意に識別する識別情報である。すなわち、複数の基地局を含むモバイルネットワークにおいて当該第1識別情報は、各基地局が共通して端末を識別する識別情報である。
【0083】
第2識別情報生成部220は、第1識別情報取得部210で取得された第1識別情報に対応付けた第2識別情報を生成する。当該第2識別情報は、上述したユーザ固有一時IDに対応する。
【0084】
第2識別情報は、前記モバイルネットワークとは異なるローカルエリアネットワークにおいて、端末を一意に識別する識別情報である。当該第2識別情報は、ローカルエリアネットワークに含まれる当該基地局とサービスを提供する外部装置であるサードパーティサーバの間で一意に端末を識別する識別情報である。従って、ローカルエリアネットワークに複数の外部装置が含まれる場合は、当該基地局と複数の外部装置との間毎に複数の第2識別情報が生成される。
【0085】
従って、基地局と1つの外部装置との間で共有している所定の端末を識別する第2識別情報は、当該基地局が他の外部装置との間で共有している当該所定の端末を識別する第2識別情報とは異なる。すなわち、第2識別情報は、基地局と外部装置との間で所定の端末を一意に識別する情報であるが、当該基地局と別の外部装置との間では、当該所定の端末を一意に識別する別の第2識別情報が用いられる。
【0086】
このように、所定の端末を識別する各第2識別情報は、基地局と外部装置との間でのみ有効となる識別情報である。但し、外部装置(サードパーティサーバ)が複数集まって特定の外部装置群(サードパーティサーバ群)を形成する場合は、当該第2識別情報は、基地局と当該外部装置群との間で当該所定の端末を識別する識別情報とすることができる。この場合、同一の外部装置群に含まれる各外部装置は、当該第2識別情報を当該所定の端末を一意に識別する情報として共有している。
【0087】
また、外部装置と一つの基地局との間で設定される所定の端末を識別する第2識別情報は、当該外部装置と別の基地局装置との間で設定される当該所定の端末を識別する第2識別情報とは異なる。このように、第2識別情報は、外部装置と基地局との間で端末を識別する情報であるため、基地局において当該第2識別情報を生成する第2識別情報生成手段は、当該端末を識別する第1識別情報と、当該外部装置を識別する外部装置識別情報とに基づいて第2識別情報を生成すると良い。このような生成方法を採用することで、基地局は、端末毎及び外部装置毎に異なる第2識別情報を生成することができる。ここで、上記外部装置識別情報には、当該外部装置のIPアドレスを用いても良い。
【0088】
通常、第2識別情報は、各基地局が個別に生成して各外部装置との間で共有する端末識別情報であるため、他の基地局との間で共通して用いられることは無い。但し、一定範囲の基地局間で第2識別情報を共有する構成を追加することは可能である。しかしながら、モバイルネットワークに含まれる基地局全体で共通に用いられる第1識別情報とは異なり、限られた位置やサービス提供者の間でのみ共有されるものに留まる。
【0089】
ここで、当該第2識別情報とは、IPアドレスとは異なる。IPアドレスは、ローカルエリアネットワークに接続する端末へ一時的に割り当てられるネットワーク上のアドレスである。従って、当該端末が自基地局の配下より外れた場合は、当該端末に割り当てられていたIPアドレスが開放され、当該開放されたIPアドレスは別の端末に割り当てられる。また、当該端末が再度自基地局配下に入ってネットワーク接続を試みる場合には、別のIPアドレスが割り当てられる。
【0090】
一方、第2識別情報は、端末が自基地局の配下より外れた場合でも、基地局と外部装置間で共有した状態で保持され続ける識別情報である。従って、在圏エリアから頻繁に外れる端末であっても、基地局と外部装置との間では一意に識別し続けることが可能となる。
【0091】
端末識別情報通知部230は、第2識別情報生成部220で生成された第2識別情報を、端末を識別する情報として外部装置に通知する。上述のように当該外部装置は、サードパーティサーバ等、小型基地局120と接続されている装置であって、端末からの要求に応じてサービスを提供するサービス提供サーバである。
【0092】
このように、小型基地局120が配下の端末と外部装置との間に入って、ユーザ固有IDを生成して外部装置に通知することで、秘匿性が高いユーザ固有IDを用いずにサービスの管理が可能となる。
【0093】
また、より具体的に上記説明した小型基地局120を別の観点から捉えた場合には、
図6に示す機能ブロックで表現することも可能である。
図6において、小型基地局120は、第1識別情報取得部210と、第2識別情報生成部220と、端末識別情報通知部230と、に加えて、在圏・接続処理要求受信部240と、在圏・接続処理要求送信部241と、在圏・接続処理応答受信部242と、在圏・接続処理応答送信部243と、LAN接続要求受信部250と、IPアドレス割り当て部260と、管理部270と、通知要求受信部280と、を具備する。
【0094】
図2との対比で、在圏・接続処理要求受信部240及び在圏・接続処理応答送信部243が端末通信部121に、在圏・接続処理要求送信部241及び在圏・接続処理応答受信部242がコア網通信部123に、それぞれ対応する。また、LAN接続要求受信部250及び通知要求受信部280がLAN通信部124に、IPアドレス割り当て部260が端末IPアドレス払い出し部122に対応する。また、第1識別情報取得部210と、第2識別情報生成部220と、管理部270と、がID生成・管理・応答部127に、それぞれ対応している。
【0095】
在圏・接続処理要求受信部240は、自局配下の端末から送信される第1識別情報を含む在圏・接続処理要求を受信する。当該在圏・接続処理要求は、在圏・接続処理要求送信部241に送られる。
【0096】
在圏・接続処理要求送信部241は、上記在圏・接続処理要求を外部の上位装置(上位ノード)であるモバイルネットワーク管理ノードに送信する。
【0097】
在圏・接続処理応答受信部242は、上記在圏・接続処理要求に対する応答であって、前記上位装置であるモバイルネットワーク管理ノードより送信される第1識別情報を含む在圏・接続処理応答を受信する。当該在圏・接続処理応答は、在圏・接続処理応答送信部243に送られる。
【0098】
在圏・接続処理応答送信部243は、上記在圏・接続処理応答を端末に送信する。
【0099】
ここで、第1識別情報取得部210は、在圏・接続処理要求受信部240で受信された在圏・接続処理要求の中から第1識別情報を取得することができる。また、第1識別情報取得部210は、在圏・接続処理応答受信部242で受信された在圏・接続処理応答の中から第1識別情報を取得することも可能である。このような接続処理には、IMSI等のユーザ固有IDが含まれるため、当該IDを第1識別情報とすることができる。
【0100】
第2識別情報生成部220は、第1識別情報取得部210で取得された第1識別情報に基づいて第2識別情報を生成する。第2識別情報生成部220で生成された第2識別情報は、一旦管理部270に送られた後、端末識別情報通知部230より外部装置に通知される。
【0101】
LAN接続要求受信部250は、自局配下の端末よりLANへの接続の要求であるLAN接続要求を受信する。LAN接続要求受信部250は、受信したLAN接続要求をIPアドレス割り当て部260に送る。
【0102】
IPアドレス割り当て部260は、前記端末にIPアドレスを割り当てる。ここでIPアドレス割り当て部260は、LAN接続要求受信部250で受信されたLAN接続要求に基づいて、当該LAN接続要求の要求元の端末にIPアドレスを割り当てる。
【0103】
管理部270は、第1識別情報と、第2識別情報と、IPアドレスとを対応付けた状態で管理する。当該対応付けを纏めた管理テーブルが小型基地局120内部の記憶部(テーブル保持部)に格納されることで、上記複数の識別情報が管理される。
【0104】
通知要求受信部280は、サードパーティサーバ等である外部装置より基地局120配下の端末を一意に識別する情報の通知要求を受信する。通知要求受信部280は、当該受信した通知要求を、端末識別情報通知部230へ送る。当該通知要求の中には、端末のIPアドレスが含まれる。
【0105】
端末識別情報通知部230は、通知要求受信部280で受信された通知要求を受け取ると、当該通知要求に含まれるIPアドレスを検索キー情報として管理部270に送り、管理部270が当該IPアドレスと対応付けて記憶している当該端末の第2識別情報を受け取る。端末識別情報通知部230は、上記端末のIPアドレスをキーとして管理部270より受け取った当該端末の第2識別情報を上記外部装置へ通知する。
【0106】
これまで説明したように、本実施の形態では、小型基地局がセルラ網とLAN網との経路上に位置しており、LAN側のサーバに対して、セルラ網で使用している一意なIDと等価なIDをLAN側のサーバに提供することができる。また、ある小型基地局配下の端末へのIPアドレスの払い出しとIDの払い出しは常に同じノードで行われるため、IPアドレスとIDとの対応関係を維持することができる。これにより、同一の端末に払い出すIPアドレスが変わっても、IPアドレスをキーとしたサードパーティサーバからの問い合わせに対して同一のIDを応答することができる。
【0107】
なお、本実施の形態1に係るサードパーティサーバ130の構成の一例を
図7に示す。サードパーティサーバ130は、データ要求受信部131と、端末ID特定部132と、IP-ID変換テーブル記憶部133と、端末ID要求送信部134と、端末ID受信部135とIP-ID対応付け部136と、サービス提供部137と、サービス管理テーブル記憶部138を具備する。
【0108】
データ要求受信部131は、端末a110より送信されたデータ要求を小型基地局120経由で受信する。当該データ要求には、当該端末a110のIPアドレスが含まれる。データ要求受信部131は、受信したデータ要求を端末ID特定部132に送る。
【0109】
端末ID特定部132は、データ要求受信部131より受け取ったデータ要求に係る端末a110の端末IDを特定する。具体的にはIP-ID変換テーブル記憶部133に記憶されているIP-ID変換テーブルを参照してデータ要求受信部131より受け取ったデータ要求に含まれるIPアドレスと対応付けられているIDを取得する。
【0110】
端末ID特定部132は、データ要求受信部131より受け取ったデータ要求に含まれるIPアドレスと上記特定したIDとをサービス提供部137へ送る。ここで、端末ID特定部132は、上記IP-ID変換テーブルに該当するIPアドレスが記憶されていない場合は、当該IPアドレスをIP-ID変換テーブルに新しいエントリとして格納する共に端末ID要求送信部134に端末ID要求指示を出す。
【0111】
IP-ID変換テーブル記憶部133は、IPアドレスと端末IDとの対応付けを纏めたIP-ID変換テーブルを記憶する。
【0112】
端末ID要求部134は、端末ID特定部132からの指示に基づいて小型基地局120へ端末ID要求を送信する。ここで、端末ID要求部134は、端末ID特定部132から端末ID要求指示と共に送られてくる端末のIPアドレスを含めて端末ID要求を送信する。
【0113】
端末ID受信部135は、上記端末ID要求部134で送信した端末ID要求に対する応答を受信する。当該応答の中には、端末IDが含まれる。ここで、当該端末IDは、小型基地局120で生成されたユーザ固有一時ID(第2識別情報)である。端末ID受信部135は、受信した端末IDをIP-ID対応付け部136に送る。
【0114】
IP-ID対応付け部136は、端末ID受信部135より受け取った端末IDと当該端末のIPアドレスとを対応付ける。具体的には、端末ID受信部135より受け取った端末IDとIP-ID変換テーブル記憶部133に記憶されているIP-ID変換テーブルのエントリに格納されている当該端末のIPアドレスとを紐付ける。また、IP-ID対応付け部136は、当該端末に関する端末IDとIPアドレスとをサービス提供部137に送る。
【0115】
サービス提供部137は、IP-ID対応付け部136より受け取った端末IDに基づくサービスを提供する。すなわち、サービス管理テーブル記憶部138に記憶されているサービスと端末IDとの対応付けを纏めたサービス管理テーブルを参照し、端末IDと対応付けられたサービスを特定して提供する。具体的にデータ要求受信部131で受信するデータ要求がhttp requestである場合は、サービス提供部137は、当該端末IDに基づくhttp responseを小型基地局120経由で端末a110へ送信する。
【0116】
当該構成とすることで、プロトコルに依存せずにユーザ毎のパーソナライズを実現することができ、ID漏洩に対しても影響を抑えることができる。
【0117】
(実施の形態2)
本実施の形態2に係る小型基地局は、ユーザ固有一時ID(第2識別情報)の生成タイミングが実施の形態1と異なることを特徴とする。以下、図面を用いて説明する。なお、本実施の形態2に係る小型基地局の構成については、
図2又は
図6を流用して説明する。その他、実施の形態1で既に説明した部分については一部説明を省略する。
【0118】
図8は、本実施の形態2に係る通信システムの動作を示すシーケンス図である。なお、
図8におけるステップS601〜ステップS603及びステップS609〜ステップS615は、それぞれ
図4のステップS501〜ステップS503及びステップS509〜ステップS515と略同一であるため説明を省略する。
【0119】
本実施の形態2に係る小型基地局320は、端末a110より出されたLAN側ネットワークへの接続要求を受信すると(ステップS604)、LAN側ネットワークで利用可能なIPアドレスを払い出し(ステップS605)、端末a110に対して当該払い出したIPアドレスを通知する(ステップS606)。
【0120】
小型基地局320は、端末a110に対してIPアドレスを払い出した後に、端末a110に対するユーザ固有一時IDを生成する(ステップS607)。具体的に、小型基地局320内のID生成・管理・応答部127が、当該ユーザ固有一時IDを生成する。
【0121】
当該ID生成・管理・応答部127は、ステップS607で生成したユーザ固有一時IDをステップS603で既に取得しているユーザ固有IDとステップS605で払い出したIPアドレスと対応付けた状態でテーブル保持部128に格納する。
【0122】
すなわち、この段階でテーブル保持部128では、
図8の1102が示すように、ユーザ固有IDである端末a110のIMSIと、端末a110用に生成されたユーザ固有一時IDと、端末a110に割り当てられたIPアドレスが、対応付けられて記憶される。
【0123】
以上のように本実施の形態2によれば、端末からのLAN側接続要求を待って、小型基地局が当該端末に対するユーザ固有一時IDを生成する。実際にユーザ固有一時IDが必要になるのは、端末側からLAN側へのアクセスが発生する時であるため、これを待ってユーザ固有一時IDを生成することでも、サードパーティサーバからの要求に対してユーザ固有一時IDを割り当てることが可能となる。従って、
図8のステップS614において端末のIPアドレスと、当該端末に割り当てられたユーザ固有一時IDとを1104に示す形で対応付けて記憶することができる。
【0124】
なお、ID生成・管理・応答部127は、自局320に接続されているサードパーティサーバ
130の数だけユーザ固有一時IDを生成するように構成されていても良い。
【0125】
(実施の形態3)
本実施の形態3に係る小型基地局は、ユーザ固有一時ID(第2識別情報)の生成タイミングが実施の形態1、2と異なることを特徴とする。以下、図面を用いて説明する。なお、本実施の形態3に係る小型基地局の構成については、
図2又は
図6を流用して説明する。その他、実施の形態1、2で既に説明した部分については一部説明を省略する。
【0126】
図9は、本実施の形態3に係る通信システムの動作を示すシーケンス図である。なお、
図9におけるステップS701〜ステップS706及びステップS708〜ステップS710は、
図8におけるステップS601〜ステップS606及びステップS609〜ステップS611と略同一であるため説明を省略する。
【0127】
本実施の形態3に係る小型基地局420は、ステップS705で端末a110に対して払い出したIPアドレスと、ステップS703で取得したユーザ固有IDとを対応付けて記憶する(ステップS707)。この段階で、小型基地局420内のテーブル保持部128に記憶されている各識別情報は1202の状態になる。
【0128】
小型基地局420はステップS710でサードパーティサーバ130より端末ID要求を受信すると、当該端末ID要求に係る端末a110のユーザ固有一時IDを生成する(ステップS711)。続いて、当該端末a110のユーザ固有IDと、端末a110のユーザ固有一時IDと、端末a110に割り当てられたIPアドレスとを1204のように対応付けて記憶する(ステップS712)。
【0129】
次に、小型基地局420は、ステップS710におけるサードパーティサーバ130からの端末ID要求に基づいて、当該サードパーティサーバ130用に生成した端末a110のユーザ固有一時IDを当該サードパーティサーバ130に送信する(ステップS713)。サード―パーティサーバ130は、当該送信されたユーザ固有一時IDとIPアドレスとを1205のように対応付けて記憶し(ステップS714)、その後は当該ユーザ固有一時IDに応じて応答する(ステップS715)。
【0130】
以上のように本実施の形態3によれば、サードパーティサーバ130からの端末ID要求に基づいて、小型基地局が当該端末に対するユーザ固有一時IDを生成する。このようなタイミングでユーザ固有一時IDを割り当てることも可能となる。
【0131】
(実施の形態4)
本実施の形態4に係る小型基地局は、ユーザ固有一時ID(第2識別情報)の生成タイミングが実施の形態1〜3と異なることを特徴とする。以下、図面を用いて説明する。但し、実施の形態1〜3において既に説明した部分については、発明の明確化のため一部説明を省略する。
【0132】
図10は、本実施の形態4に係る小型基地局520の構成を示すブロック図である。小型基地局520は、第1識別情報取得部210と、第2識別情報生成部220と、端末識別情報通知部230と、在圏・接続処理要求受信部240と、在圏・接続処理要求送信部241と、在圏・接続処理応答受信部242と、在圏・接続処理応答送信部243と、LAN接続要求受信部250と、IPアドレス割り当て部260と、通知要求受信部280と、Subscribe要求受信部521と、管理部522と、在圏通知部523と、を備える。
【0133】
Subscribe要求受信部521は、サードパーティサーバ530より送信されるSubscribe要求を受信する。ここで、Subscribe要求とは、小型基地局に端末が在圏した契機で、その端末又は端末ユーザに係るIDを小型基地局に通知させる処理である所謂Subscribe処理を小型基地局520に実行させるために、予め在圏通知を受けたいサードパーティサーバが自身の登録処理を小型基地局に対して行わせるための要求である。当該Subscribe要求には、要求元のサードパーティサーバを識別するためのサーバ識別情報が含まれる。ここでサーバ識別情報としては、当該サードパーティサーバの固有IDやIPアドレスを用いることができる。
【0134】
Subscribe要求受信部521は、受信したSubscribe要求を受信した場合に、管理部522にSubscribe処理の実行を指示する。
【0135】
管理部522は、Subscribe処理を実行する。具体的には、管理部522は、Subscribe要求受信部521よりSubscribe処理実行指示を受けると、当該Subscribe要求に含まれる上記サーバ識別情報をSubscribe対象のサーバを識別する情報として内部の記憶部に記憶する。そして、第1識別情報取得部210で第1識別情報を取得した場合に、管理部522は、第2識別情報生成部220で生成された第2識別情報を在圏通知部523に送る。
【0136】
また、第1識別情報取得部210で取得される第1識別情報と、第2識別情報生成部220で生成される第2識別情報と、IPアドレス割り当て部260で割り当てられるIPアドレスと、Subscribe要求受信部521で受信されるサーバ識別情報とを対応付けた状態で管理する。当該対応付けを纏めた管理テーブルが小型基地局520内部の記憶部(テーブル保持部)に格納されることで、上記複数の識別情報が
図3に示したように管理される。
【0137】
在圏通知部523は、管理部522におけるSubscribe処理に基づいて送られてくる第2識別情報を含む在圏通知をサードパーティサーバ530に対して行う。
【0138】
次に、本実施の形態4に係る通信システムの動作の流れについて
図11のシーケンス図を用いて説明する。
【0139】
サードパーティサーバ530は、小型基地局520に対して予め在圏通知を行わせるsubscribe処理を実行させるためにsubscribe要求を送信する(ステップS801)。ここでsubscribe処理とは、サードパーティサーバ530が小型基地局520より在圏通知を受信するために先だって行う処理である。当該subscribe処理によりサードパーティサーバ530は、小型基地局520から在圏通知を受信するための準備が完了する。
【0140】
端末a110は、小型基地局520を経由してモバイルネットワーク管理ノード群150に対して在圏・接続処理を行う(ステップS802)。モバイルネットワーク管理ノード群150は、在圏・接続処理応答を小型基地局520を経由して端末a110に返送する(ステップS803)。
【0141】
小型基地局520は、当該モバイルネットワーク管理ノード群150から端末a110に対する在圏・接続処理応答を中継する際に当該端末
a110のユーザ固有IDを取得する(ステップS804)。
【0142】
小型基地局520は、ステップS804で取得したユーザ固有IDに係る端末a110に対するユーザ固有一時IDを生成する(ステップS805)。ここで、小型基地局520は、ステップS801におけるsubscribe処理により、既に認識しているサードパーティサーバ530数に対応する数のユーザ固有一時IDを生成する。すなわち、小型基地局520にて生成される各ユーザ固有一時IDは、サードパーティサーバ530毎に固有の端末IDとなる。
【0143】
小型基地局520は、ステップS805で生成した各ユーザ固有一時IDをそれぞれsubscribe処理済みのサードパーティサーバ530に在圏通知と合わせて送信する(ステップS806)。すなわち、小型基地局520は、サードパーティサーバ530に対して端末a110が在圏した旨を当該サードパーティサーバ固有の端末IDであるユーザ固有一時IDをもって通知する。これによって、サードパーティサーバ530では、端末a110がLAN側の通信をするか否かに関わらず、端末a110のIDを取得できる。
【0144】
各サードパーティサーバ530は、ステップS806で小型基地局520より送信された端末a110のユーザ固有一時IDを内部に保管しておく(ステップS807)。
【0145】
なお、ステップS801で発生するsubscribe処理は、ステップS802以前に限られるものではなく、新たにLANにサードパーティサーバ530が設置されるに従って発生する。小型基地局520は、新たなサードパーティサーバ530より新たなsubscribe処理が発生すると、当該サードパーティサーバ530用に自局配下の端末a110のユーザ固有一時IDを追加で生成し、在圏通知と共に当該サードパーティサーバ530に送信しても良い。
【0146】
次に端末a110は、小型基地局520に対してLAN側ネットワークへの接続要求を出す(ステップS808)。LAN側への接続要求は、接続要求のタイミングは、端末a110が、モバイルネットワーク管理ノード群150に対して接続要求を出したあとの、任意のタイミングでよい。この接続要求を受けて、小型基地局520は、端末a110に対してLAN側ネットワークで利用可能なIPアドレスを払い出し(ステップS809)、当該払い出したIPアドレスを端末a110に通知する(ステップS810)。
【0147】
小型基地局520が端末
a110
からの払い出したIPアドレスは、ユーザ固有IDとユーザ
固有
一時IDと対応付けられる(ステップS811)。この段階で、小型基地局520では、ステップS801で取得したサードパーティサーバ530を識別するIDと、ステップS804で取得した端末a110のユーザ固有IDと、ステップS805で生成した端末a110のサードパーティサーバ530用のユーザ固有一時IDと、ステップS809で割り当てた端末a110のIPアドレスとが対応づけられる。一方、この段階のサードパーティサーバ530側では、端末a110のユーザ固有一時IDを受信して保管しているものの、その他の情報とは対応付けられていない。
【0148】
次に端末a110は、小型基地局520経由でLAN側のネットワークに接続されているサードパーティサーバ530に対してデータ要求を行う(ステップS812)。サードパーティサーバ530では、パケットの送信元アドレスから端末のアドレスを検出し、端末の一時的なIDとして利用する(ステップS813)。但し、この段階におけるサードパーティサーバ530では、ステップS806で既に取得しているユーザ固有一時IDと、ステップS812で検出されて取得された端末a110のIPアドレスとの間に紐付けはない。
【0149】
次にサードパーティサーバ530は、小型基地局520に端末IDを要求する(ステップS814)。当該サードパーティサーバ530から小型基地局520に送信される上記端末ID要求には、当該要求に係る端末のIPアドレスが含まれている。
【0150】
小型基地局520は、サードパーティサーバ530より送られた上記端末ID要求に基づいて、当該端末ID要求に含まれる端末のIPアドレスをユーザ固有一時IDに変換する(ステップS815)。具体的には、小型基地局520は、上記端末ID要求に含まれる端末IPアドレスと、サードパーティサーバ530を識別するIDと、に対応付けられたユーザ固有一時IDを抽出する。
【0151】
小型基地局520は、ステップS815で求められたユーザ固有一時IDをサードパーティサーバ530に送信する(ステップS816)。接続毎に変わってしまう可能性がある端末IPアドレスの代わりに、端末のIPアドレスが変わっても変わらないサードパーティサーバ530でのみ利用可能なユーザ固有一時IDを、小型基地局520がサードパーティサーバ530に送る。
【0152】
上記ユーザ固有一時IDを改めて受信したサードパーティサーバ530は、事前に在圏通知によって得ていた端末のユーザ固有一時IDと受信したデータ要求に係る端末のIPアドレスとの間で紐付けを行う(ステップS817)。この段階で、1303に示すように端末a110のIPアドレスとユーザ固有一時IDとが対応付けられた状態で記憶部に記憶されることになる。その後は、サードパーティサーバ530は、当該ユーザ固有一時IDを用いて応答する(ステップS818)。
【0153】
このような構成をとることで、端末が在圏していて且つ通信がない状態でも、個人を特定することなく、ユーザに間接的に紐付いたIDを用いたサービスの提供が可能となる。且つ、通信が開始した際には、基地局に問い合わせることで、以前サービスを提供する際にユーザと紐付けていたIDと、通信によってサーバに来たパケットのIPの宛先アドレスとを紐付けることができる。
【0154】
図12は、小型基地局520におけるIP-ID変換処理の具体的動作の流れを示すフローチャート図である。
図12は、LAN側の接続を確立した後の、小型基地局520の動作について示している。
【0155】
小型基地局520は、サードパーティサーバ530から、端末のIPアドレスをキーとしたID問い合わせである端末ID要求を受信する(ステップS901)。当該ステップS901は、
図11におけるステップS814に対応する。
【0156】
ステップS901で端末ID要求を受信した小型基地局520は、テーブル保持部が保持しているIPアドレスとユーザ固有一時IDの組のテーブルの中から、受信した問い合わせ中のIPアドレスを検索する(ステップS902)。小型基地局520は、前記検索によって、複数のIPアドレスが検索結果として得られたか否かを判定する(ステップS903)。
【0157】
小型基地局520は、ステップS903における判定の結果、複数の同一IPアドレスを得た場合は(ステップS903:YES)、ステップS901で受信した端末ID要求の送信元アドレスを確認し、どのサードパーティサーバからの要求であるかを特定する(ステップS904)。
【0158】
小型基地局520は、上記テーブルから適切なユーザ固有一時IDを選択する(ステップS905)。すなわち、小型基地局520は、ステップS903で得られた複数の同一IPアドレスにそれぞれ対応付けられているユーザ固有一時IDのうち、更に上記サードパーティサーバの送信元アドレスと対応付けられているIDを当該サードパーティサーバ用の問い合わせに係る端末のユーザ固有一時IDとして選択する。
【0159】
一方、小型基地局520は、ステップS903における判定の結果、1つのIPアドレスを得た場合は(ステップS903:No)、ステップS905に飛び、ステップS903で得られたIPアドレスに対応付けられたユーザ固有一時IDを上記テーブルから抽出する。
【0160】
小型基地局520は、ステップS905で選択されたIDを、ID問い合わせ元のサードパーティサーバ530に問い合わせに係る端末の端末IDとして送信する(ステップS906)。
【0161】
なお、サードパーティサーバが1台しか無い場合などで、検索結果としてIPアドレスが1つしか得られない場合でも、ステップS904におけるサードパーティのIDやサードパーティサーバIPアドレスの確認処理を行ってから、ステップS905の処理を行ってもよい。
【0162】
また、サードパーティが複数ある場合に払い出すキーは、必ずしもID問い合わせの送信元アドレスでなくてもよく、問い合わせ元のサードパーティサーバのIDが分かるものが問い合わせに含まれていればよい。
【0163】
図13は、本実施の形態4に係るサードパーティサーバ530の構成を示すブロック図である。サードパーティサーバ530は、
図7で説明したサードパーティサーバ130と比べて、更にSubscribe要求部531と、在圏通知受信部532とを更に備える。
図7で既に説明した部分については発明を省略する。
【0164】
Subscribe要求部531は、Subscribe処理を実行させたい小型基地局520に対してSubscribe要求を送信する。この時、Subscribe要求部531は、Subscribe要求に自サーバのIPアドレスや自サーバを識別するIDを含めて当該Subscribe要求を送信する。
【0165】
在圏通知受信部532は、上記Subscribe要求に基づいて小型基地局520より通知される小型基地局520配下に端末が在圏していることを示す在圏通知を受信する。当該在圏通知には、当該端末を識別するユーザ固有一時IDが含まれる。
【0166】
在圏通知受信部532は、受信した在圏通知に含まれるユーザ固有一時IDをIP-ID変換テーブル記憶部133に格納しておく。
【0167】
IP-ID変換テーブル記憶部133には、在圏通知受信部532よりユーザ固有一時IDが格納され、端末ID特定部132よりIPアドレスが格納されるが、これらのユーザ固有一時ID とIPアドレスとは紐付けがなされておらず、浮いた状態で記憶されている。
【0168】
IP-ID対応付け部136は、端末ID受信部135で受信された情報に基づいて当該IP-ID変換テーブル記憶部133にばらばらに記憶されているユーザ固有一時IDとIPアドレスの内、適切な2つを選択して紐付けを行う。IP-ID対応付け部136が当該紐付けを行うことにより、同一端末のユーザ固有一時IDとIPアドレスとが対応付けられた状態でIP-ID変換テーブルに記憶される。
【0169】
以上のように本実施の形態4においては、在圏トリガと組み合わせた場合に、在圏トリガで通知されるユーザ固有一時IDとIPアドレスとを紐付けることができ、端末からのアクセスが無い場合でも、ユーザを特定することができる。さらにその後端末からの通信が合った場合に、在圏トリガによって得たユーザ固有一時IDとその後の通信によるIDをサードパーティサーバ内で紐付けることができる。
【0170】
これによって通信が発生しないユーザへのサービス提供のキーとなるユーザ固有一時IDと、その後の通信によるサービス提供のキーとなるユーザ固有一時IDを一括して扱うことができ、例えばユーザへの課金を統一的に扱うことができる。
【0171】
その理由は、IPアドレスをキーとして基地局から得たユーザ固有一時IDと、事前に基地局から受信した在圏トリガ内のユーザ固有一時IDを比較することによって、端末IPアドレスとその端末を使用しているユーザ固有一時IDをサードパーティサーバ内で紐付けることができるからである。
【0172】
以上各実施の形態で説明したように、本発明の小型基地局によれば、秘匿性が高いユーザ固有IDを用いずにサービスの管理が可能となる。
【0173】
なお、上記のIDは必ずしもサーバ毎且つ端末毎に割り当てる必要はなく、端末毎に異なっていれば、LAN内では同一の端末IDを用いてもよい。
【0174】
また、上記のIDは、必ずしもサードパーティ毎に異なっていなければならないわけではなく、サードパーティサーバ毎に異なっていてもよく、或いは、同一LAN内でサードパーティの区別無く同一IDを用いてもよい。
【0175】
なお、上記各実施の形態においては、サードパーティサーバがフェムトセル(小型基地局)と同じセグメントのLANに存在しており、プライベートIPアドレスを用いて通信を行うフェムトセルLIPA(Local IP Access)の場合を想定して説明したがこれに限定されるものではない。
【0176】
例えば、サードパーティサーバがLANの外側に存在していても良い。この場合、当該LANとインターネットの境界にNAPT(Network Address Port Translation)が配置され、サードパーティサーバはLANの外側から当該フェムトセルに対してアクセスする。サードパーティサーバは、LANの外部からリモートで当該フェムトセルに対してsubscribeを行い、フェムトセルは、当該LANの外側に位置するサードパーティサーバにユーザ固有一時ID(第2識別情報)を提供する。このようなネットワーク構成を取ることも可能である。
【0177】
また、本発明の小型基地局は、必ずしもフェムトセル等の従来と比較して小型の基地局に限るものではなく、端末に対して二つのネットワーク経路を提供するものであればよい。
【0178】
なお、上記各実施の形態で説明した各ブロックの機能は、情報処理装置(CPU:Central Processing Unit)にプログラムを実行させることにより実現される構成をとることが可能である。
【0179】
これらのプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0180】
その他本発明は、端末ID提供システム、端末ID提供方法、端末ID提供用プログラムと言った形態を取ることが出来る他、小型基地局がID保持テーブルを備え、端末に割り当てられたIPアドレスから端末に関連したIDを応答する小型基地局を含む通信システム、通信方法、通信用プログラムと言った形態を取ることができる。
【0181】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、以下の構成を取ることができる。
【0182】
(付記1)
配下の端末を識別する第1識別情報を取得する第1識別情報取得手段と、
前記第1識別情報取得手段で取得された第1識別情報に対応付けた第2識別情報を生成する第2識別情報生成手段と、
前記第2識別情報生成手段で生成された前記第2識別情報を、前記端末を識別する情報として外部装置に通知する端末識別情報通知手段と、
を具備する基地局装置。
(付記2)
前記外部装置より前記端末を識別する情報の通知要求を受信する通知要求受信手段を更に具備し、
前記端末識別情報通知手段は、前記通知要求受信手段で受信された前記通知要求に基づいて、前記端末を識別する情報として前記第2識別情報を前記外部装置に通知する、(付記1)に記載の基地局装置。
(付記3)
前記端末にIPアドレスを割り当てるIPアドレス割り当て手段と、
前記端末の前記第1識別情報と前記第2識別情報と前記IPアドレスとを対応付けて管理する管理手段とを更に具備する、(付記2)に記載の基地局装置。
(付記4)
前記端末を識別する情報の通知要求は、前記端末のIPアドレスが含まれ、
前記端末識別情報通知手段は、前記管理手段において前記通知要求受信手段で受信された通知要求に含まれるIPアドレスと対応付けられている前記第2識別情報を通知する、(付記3)に記載の基地局装置。
(付記5)
前記端末から送信される前記第1識別情報を含む在圏・接続処理要求を受信する在圏・接続処理要求受信手段と、
前記在圏・接続処理要求受信手段で受信された在圏・接続処理要求を外部の上位装置へ送信する在圏・接続処理要求送信手段と、
を具備し、
前記第1識別情報取得手段は、前記在圏・接続処理要求受信手段で受信された在圏・接続処理要求の中から前記第1識別情報を取得する、(付記1〜4)に記載の基地局装置。
(付記6)
前記端末から送信される在圏・接続処理要求を受信する在圏・接続処理要求受信手段と、
前記在圏・接続処理要求受信手段で受信された在圏・接続処理要求を外部の上位装置へ送信する在圏・接続処理要求送信手段と、
前記在圏・接続処理要求に対する応答であって、前記上位装置より送信される前記第1識別情報を含む在圏・接続処理応答を受信する在圏・接続処理応答受信手段と、
を具備し、
前記第1識別情報取得手段は、前記在圏・接続処理応答受信手段で受信された在圏・接続処理応答の中から前記第1識別情報を取得する、(付記1〜4)に記載の基地局装置。
(付記7)
第2識別情報生成手段は、前記第1識別情報取得手段で取得された第1識別情報に対応付けた複数の異なる第2識別情報を生成し、
前記端末識別情報通知手段は、複数の異なる外部装置よりそれぞれ送信された前記端末を識別する情報の通知要求に基づいて、前記複数の異なる外部装置の各々に対して、前記端末を識別する情報として前記第2識別情報生成手段で生成された前記複数の異なる第2識別情報のいずれかを選択して通知する、(付記1〜6)のいずれか1項に記載の基地局装置。
(付記8)
前記外部装置よりサブスクライブ要求を受信するサブスクライブ要求受信手段を更に具備し、
前記第2識別情報生成手段は、前記外部装置と前記第1識別情報とに対応付けた前記第2識別情報を生成し、
前記端末識別情報通知手段は、前記サブスクライブ要求に対する応答と共に前記第2識別情報生成手段で生成された前記第2識別情報を、前記端末を識別する情報として前記外部装置に通知する、(付記1)記載の基地局装置。
(付記9)
前記サブスクライブ要求は、前記外部装置を識別する外部装置識別情報を含み、
前記第2識別情報生成手段は、前記外部装置識別情報と前記第1識別情報とに対応付けた前記第2識別情報を生成する、(付記8)記載の基地局装置。
(付記10)
前記端末の前記第1識別情報と前記第2識別情報と前記端末のIPアドレスと前記外部装置識別情報との対応関係を管理する管理手段を更に具備する、(付記9)記載の基地局装置。
(付記11)
前記第1識別情報は、前記端末のIMSI(International Mobile Subscriber Identity)である、(付記1〜9)に記載の基地局装置。
(付記12)
前記第2識別情報生成手段は、第1識別情報取得手段で取得された第1識別情報と前記外部装置を識別する外部装置識別情報に基づいて求めたハッシュ値を前記第2識別情報とする、(付記1〜11)記載の基地局装置。
(付記13)
(付記1〜12)に係る基地局装置はフェムトセルである、基地局装置。
(付記14)
配下の端末と無線接続可能な基地局装置と基地局装置と接続されたサービス提供サーバとを含む通信システムであって、
前記基地局装置は、
前記配下の端末を識別する第1識別情報を取得する第1識別情報取得手段と、
前記第1識別情報取得手段で取得された第1識別情報に対応付けた第2識別情報を生成する第2識別情報生成手段と、
前記第2識別情報生成手段で生成された前記第2識別情報を、前記端末を識別する情報として前記サービス提供サーバに通知する端末識別情報通知手段と、
を具備し、
前記サービス提供サーバは、
前記基地局より通知された第2識別情報を受信する第2識別情報受信手段と、
前記第2識別情報受信手段で受信された第2識別情報に基づくサービスを提供するサービス提供手段と、
を具備する、
通信システム。
【0183】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0184】
この出願は、2012年2月3日に出願された日本出願特願2012−022335を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。