特許第6191468号(P6191468)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6191468-ヒータ 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6191468
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】ヒータ
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/82 20060101AFI20170828BHJP
   H05B 3/40 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
   H05B3/82
   H05B3/40 A
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-3891(P2014-3891)
(22)【出願日】2014年1月14日
(65)【公開番号】特開2015-133227(P2015-133227A)
(43)【公開日】2015年7月23日
【審査請求日】2016年11月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100087527
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 光雄
(72)【発明者】
【氏名】石川 温士
【審査官】 宮崎 光治
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭50−123939(JP,U)
【文献】 特開昭57−188996(JP,A)
【文献】 実開昭54−067831(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B3/02−3/18
H05B3/40−3/82
F28D15/00−15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱対象液体に没入させて配置するヒータ発熱部を備え、
前記ヒータ発熱部の加熱面に、或る長さ寸法を有する変形部材の一端部を取り付けて、他端部を自由端側とし、
且つ前記変形部材は、前記加熱対象液体の沸点よりも予め設定した或る温度幅分超過した変形温度よりも低い温度では、前記ヒータ発熱部の加熱面に沿う姿勢を取り、前記変形温度以上の温度になると、前記自由端側の端部が、前記ヒータ発熱部の加熱面より離反する方向に突出する形状に変形する温度感受式の変形能を備えるものとした構成を有すること
を特徴とするヒータ。
【請求項2】
変形部材は、ヒータ発熱部の加熱面に、加熱対象容器を貯留する液体加熱用容器内における加熱対象液体の流れ方向に沿う姿勢で配置すると共に、前記加熱対象液体の流れ方向の上流側に位置する端部を、前記ヒータ発熱部の加熱面に対し取り付ける構成とした
請求項1記載のヒータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱対象液体にヒータ発熱部の加熱面を接触させる形式のヒータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
投込ヒータ等のパイプヒータは、一般に、外面が平滑なヒータ管(シース又はパイプとも称す)に電熱線を封入した構成のヒータ発熱部を備えている。したがって、このパイプヒータでは、前記ヒータ管の外面が、ヒータ発熱部の加熱面になる。
【0003】
かかる構成のパイプヒータを使用する場合は、前記ヒータ発熱部を、液体加熱用容器内の加熱対象液体に没入させた状態で、ヒータ発熱部の電熱線への通電を行う。これにより、前記ヒータ発熱部では、加熱面より、該加熱面に接触している加熱対象液体に対する熱伝達を行って、該加熱対象液体を加熱するようにしている。
【0004】
ところで、前記パイプヒータを用いて加熱対象液体を沸騰させる場合は、前記ヒータ発熱部の加熱面で、前記加熱対象液体の蒸気による気泡が発生する。
【0005】
この気泡は、通常、前記ヒータ発熱部の加熱面に付着する気泡が多くなるにしたがって気泡同士がつながり、或る程度の大きさになると、気泡自身の浮力により自然に前記ヒータ発熱部の加熱面より離脱する。
【0006】
しかし、加熱度が上昇する場合は、熱流束の増加や、液体加熱用容器内における加熱対象液体の流れ方向で沸騰が発達することに伴い、大きな気泡がヒータ発熱部の加熱面を覆うようになる。
【0007】
このヒータ発熱部の加熱面にて大きな気泡に覆われた個所では、加熱対象液体との直接的な接触が妨げられるため、該ヒータ発熱部の加熱面に乾いた領域が生じる。このようなヒータ発熱部の加熱面における乾いた領域では、加熱対象液体への熱伝達率が急激に低下するため、その部分の加熱面温度が異常に上昇することがあり、それがパイプヒータの故障につながる虞がある。
【0008】
なお、ヒートパイプに関する技術分野では、ヒートパイプ内の或る地点に大きな局所的熱流束が存在した場合の局所的なドライアウトが生じることを防止するために、ヒートパイプの内部領域を区画形成するコンテナの内部表面に配置されるウィック材料を、第1の変態温度を有する第1の形状記憶合金から構成された内層と、第1の変態温度よりも高い第2の変態温度を有する第2の形状記憶合金から構成された外層とを備えたウィック材料とすることが従来提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0009】
しかし、前記特許文献1に示されたものは、形状記憶合金を利用しているが、ヒートパイプ内にて局所的なドライアウトが生じそうな場合に、その部分のウィック材料を収縮させて毛細管ポンプ圧を維持または増大させるためのものに過ぎない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−240462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明は、ヒータ発熱部の加熱面に加熱対象液体の気泡が付着しても加熱面温度が異常に上昇する現象を防止できるヒータを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、前記課題を解決するために、請求項1に対応して、加熱対象液体に没入させて配置するヒータ発熱部を備え、前記ヒータ発熱部の加熱面に、或る長さ寸法を有する変形部材の一端部を取り付けて、他端部を自由端側とし、且つ前記変形部材は、前記加熱対象液体の沸点よりも予め設定した或る温度幅分超過した変形温度よりも低い温度では、前記ヒータ発熱部の加熱面に沿う姿勢を取り、前記変形温度以上の温度になると、前記自由端側の端部が、前記ヒータ発熱部の加熱面より離反する方向に突出する形状に変形する温度感受式の変形能を備えるものとした構成を有するヒータとする。
【0013】
又、請求項2に対応して、前記請求項1に対応する構成において、変形部材は、ヒータ発熱部の加熱面に、加熱対象容器を貯留する液体加熱用容器内における加熱対象液体の流れ方向に沿う姿勢で配置すると共に、前記加熱対象液体の流れ方向の上流側に位置する端部を、前記ヒータ発熱部の加熱面に対し取り付ける構成とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、以下のような優れた効果を発揮する。
【0015】
ヒータ発熱部の加熱面に気泡が付着しても、加熱面温度が変形部材の変形温度に達した部分では、その部分に設けてある変形部材を介して気泡の外側の加熱対象液体へ伝熱を行うことができる。よって、前記ヒータ発熱部の加熱面の温度が異常に上昇する現象は防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明のヒータの実施の一形態を示すもので、(a)は液体加熱用容器に取り付けた状態を示す概略側面図、(b)はヒータ発熱部の一部を拡大して示す図、(c)はヒータ発熱部の加熱面に気泡が付着した状態を示す(b)に対応する図である。
図2】本発明の実施の他の形態を示すもので、ヒータ発熱部の別の構成例を示す図1(b)に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
【0018】
図1(a)(b)(c)は本発明のヒータの実施の一形態を示すものである。
【0019】
本発明のヒータは、図1(a)に符号1で示すもので、電熱線(図示せず)を封入したU字状のヒータ管3と、該ヒータ管3の両端部が接続された電源ユニット4を備える。該電源ユニット4は、電源コード5を介して図示しない電源より供給される電力を、前記ヒータ管3に封入されている図示しない電熱線に供給するためのものである。
【0020】
更に、前記電源ユニット4における前記ヒータ管3寄りの端部には、容器取付手段としてのフランジ部6が設けてある。
【0021】
これにより、前記本発明のヒータ1は、たとえば、図1(a)に示すように、水平方向に延びる液体加熱用容器7に対し、長手方向の一端壁に設けられた開口部8から前記ヒータ管3を容器内部に挿入するように配置した状態で、該開口部8の周縁部の外面に、前記フランジ部6を図示しないボルトを介して取り付ける構成としてある。
【0022】
なお、前記液体加熱用容器7は、長手方向の他端寄りの下部に設けた入口9に加熱対象液体としての水(冷水)10の供給管11が接続され、一端寄りの上部に設けた出口12に温水13の送出管14が接続された構成となっている。したがって、前記液体加熱用容器7では、供給管11を通して入口9より供給される水10が容器内に充満すると、出口12まで水位が達する。
【0023】
そのため、前記本発明のヒータ1は、前記液体加熱用容器7に水10が充満した状態では、前記ヒータ管3全体が水10に没入した配置となることから、該ヒータ管3全体をヒータ発熱部2とするようにしてある。
【0024】
更に、本発明のヒータ1は、図1(a)(b)に示すように、前記ヒータ発熱部2の加熱面に、後述する温度感受式の変形能を有する変形部材15を設けた構成としてある。
【0025】
前記変形部材15は、たとえば、或る長さ寸法を有する矩形板状としてある。
【0026】
又、前記変形部材15は、前記ヒータ発熱部2の加熱面の一部である前記ヒータ管3の水平方向に延びる部分の上半部の外面に、該変形部材15の長手方向をヒータ管3の軸心方向に沿わせた姿勢で、千鳥形の配列で複数配置されている。このように配置された各変形部材15は、前記液体加熱用容器7内で入口9から出口12に向かう水10の流れ方向(図1(a)(b)に矢印fで示す方向)の上流寄りに位置する側の端部が、前記ヒータ管3の外面の対応する個所に、スポット溶接により取り付けられている。図1(b)にて前記各変形部材15の固定側端部は符号16で示す。
【0027】
なお、前記変形部材15を前記ヒータ管3の長手方向に沿わせた姿勢とし、且つ該変形部材15の前記固定側端部16を前記液体加熱用容器7内における水10の流れ方向(矢印f方向)の上流側に配置したのは、前記液体加熱用容器7内における水10の流れに対する前記変形部材15による圧力損失の増加を抑えるためである。
【0028】
又、前記変形部材15を前記ヒータ管3における水平方向に延びる部分の上半部の外面に取り付けるのは、後述するように前記ヒータ発熱部2により前記液体加熱用容器7内の水10を加熱して沸騰させるときに発生する気泡18は、前記ヒータ管3の水平方向に延びる部分の上半部に付着して留まりやすいためである。よって、この構成では、前記気泡18が付着しにくいその他の部分には前記変形部材15を配置しないので、本発明のヒータ1の構成部材の数を減らすことができる。
【0029】
次に、前記変形部材15の温度感受式の変形能について説明する。
【0030】
前記変形部材15は、たとえば、前記加熱対象液体である水10の沸点よりも予め設定した或る温度幅分超過した温度を変形温度(変態点)とする形状記憶合金製としてあり、前記変形温度よりも低い温度の場合は、図1(b)に示すように、平らな板状となって、前記ヒータ発熱部2の加熱面であるヒータ管3の外面に沿う姿勢を取るものとする。
【0031】
一方、前記変形部材15は、前記変形温度以上の温度になると、図1(c)に示すように、長手方向の全長に亘り前記ヒータ発熱部2の加熱面とは逆側に湾曲して(反って)、前記固定側端部16とは反対側の自由端側の端部17が、前記ヒータ発熱部2の加熱面より離反する方向に突出する形状に変形するものとする。なお、前記変形部材15は、このように湾曲変形した状態のときに、前記自由端側の端部17のヒータ発熱部2の加熱面からの突出量が、本発明のヒータ1の使用時に前記ヒータ発熱部2の加熱面に付着すると想定される最も大きい気泡18の厚み寸法よりも大となるように、該変形部材15の長さ寸法、及び、湾曲変形時の曲率あるいは湾曲変形時の形状が設定してあるものとする。
【0032】
更に、前記変形部材15は、前記変形温度以上の温度から該変形温度よりも低い温度まで温度低下すると、前記初期形状である平らな板状に形状が復帰するよう再変形するものとしてある。
【0033】
又、前記変形部材15は、その表面に、たとえば、酸化チタン被膜による親水性加工が施されている。この酸化チタン被膜の親水性加工は、既知のスプレーコート法やスパッタ法などの親水性加工方法を用いて行うようにすればよい。これにより、前記変形部材15では、前記自由端側の端部17が水10に接触していれば、前記親水性加工されている表面が濡れることによって、その水10を固定側端部16まで導くことができる構成としてある。
【0034】
あるいは、前記変形部材15は、前記親水性加工に代えて、その表面に、長手方向に延びる細い溝(図示せず)を多数設けて、前記自由端側の端部17が水10に接触している状態のときに、その水10を前記溝による毛管現象により固定側端部16まで導くことができる構成としてもよい。
【0035】
以上の構成としてある本発明のヒータ1を使用する場合は、前述したように液体加熱用容器7に取り付けた状態とし、予め、この液体加熱用容器7内に、供給管11より入口9を通して供給される水10を充満させる。その後、この供給管11からの水10の供給は、或る一定流量で連続的に行うようにする。
【0036】
この状態で、本発明のヒータ1では、電源ユニット4から前記ヒータ発熱部2の図示しない電熱線への通電を開始する。これにより、前記液体加熱用容器7内では、前記ヒータ発熱部2の加熱面に接している水10が順次加熱されるため、前記入口9から容器内へ供給された水10は、出口12に向かう間に温水13とされ、この温水13が、出口12より送出管14を通して外部へ送り出されるようになる。
【0037】
本発明のヒータ1により前記ヒータ発熱部2の加熱面に接する水10を沸騰させる加熱を行う場合は、該ヒータ発熱部2の加熱面で蒸気の気泡18が発生する。
【0038】
その後、加熱度が上昇して、図1(c)に示すように、大きな気泡18がヒータ発熱部2の加熱面を覆うようになると、その気泡18に覆われた個所では、加熱面に乾いた領域が生じて、その部分の加熱面温度が、前記水10の沸点よりも上昇するが、その加熱面温度が前記変形部材15の変形温度に達すると、該変形温度まで温度上昇した部分に取り付けられている変形部材15が、前述したような湾曲変形を生じる。
【0039】
これにより、前記湾曲変形した変形部材15では、自由端側の端部17が、前記気泡18の外側に突出して水10に接するようになるため、ヒータ発熱部2の加熱面の前記気泡18に覆われた部分の熱が、その部分に配置されている変形部材15を介して気泡18の外側の水10に伝熱される。
【0040】
更に、前記変形部材15では、水10に接している自由端側の端部17から固定側端部16へ、親水性加工されている変形部材15の表面に沿って水が導かれる。あるいは、前記変形部材15が表面に長手方向に延びる細い溝を多数設けた構成としてある場合は、該溝による毛管現象により、前記自由端側の端部17より固定側端部16まで水10が導かれる。
【0041】
したがって、前記ヒータ発熱部2の加熱面における前記気泡18に覆われた部分には、その気泡18の外側へ突出するように湾曲変形した変形部材15を伝って水10が加熱面側へ供給されるため、該加熱面の乾燥が抑制される。
【0042】
以上により、本発明のヒータ1では、前記加熱面の異常な温度上昇が防止される。
【0043】
その後、前記気泡18が前記ヒータ発熱部2の加熱面より離脱すると、この気泡18に覆われていた部分の加熱面温度は、前記変形部材15の変形温度から、水10の沸点付近まで温度低下する。これにより、前記湾曲変形していた変形部材15は、前記ヒータ発熱部2の加熱面に沿う形状に復帰するため、該変形部材15が湾曲変形していたときに生じていた圧力損失の増加が解消される。
【0044】
このように、本発明のヒータ1によれば、前記ヒータ発熱部2の加熱面に気泡18が付着しても、加熱面温度が異常に上昇する現象が発生することを防止できて、ヒータの故障につながる虞を回避できる。
【0045】
更に、本発明のヒータ1では、前記変形部材15は、ヒータ発熱部2の加熱面に変形部材15の変形温度までの温度上昇が生じていない個所では、前記ヒータ発熱部2の加熱面に沿う姿勢となっているので、圧力損失が常時増加することはなく、圧力損失が増加するとしても、その増加量を抑制できる。
【0046】
なお、前記実施の形態では、変形部材15を、形状記憶合金製のものとしたが、設定された前記変形部材15の変形温度よりも低い温度ではほぼ平板状となり、一方、前記変形温度以上では湾曲変形する特性を備えたバイメタルによる変形部材15を採用してもよい。
【0047】
又、前記実施の形態では、変形部材15を、矩形板状のものとしたが、前記したヒータ発熱部2の加熱面に沿う姿勢と、該加熱面に付着する気泡18の外側まで突出する湾曲変形状態との間での双方向の変形を行うことができれば、任意の平面形状の板状、又は、棒状等、矩形板状以外の任意の形状を採用してもよいことは勿論である。
【0048】
前記の実施の形態では、ヒータ発熱部2の加熱面のうち、ヒータ管3の水平方向に延びる部分の上半部の外面にのみ変形部材15を設ける構成としたが、本発明のヒータ1を液体加熱用容器7に取り付けて使用する際のヒータ管3の向きが予め定まっていない場合や、本発明のヒータ1が、ヒータ管3が上下方向に延びる配置となる姿勢で使用するものである場合は、図2に示すように、ヒータ管3の外周の周方向全域に、前記変形部材15を取り付ける構成としてもよい。
【0049】
液体加熱用容器7内での水10の流れに対して変形部材15が与える圧力損失を低減するためには、変形部材15は、前記液体加熱用容器7内での水10の流れ方向に沿わせて配置すると共に、その上流側に位置する端部をヒータ発熱部2の加熱面へ固定する構成が望ましいが、変形部材15の姿勢と前記ヒータ発熱部2の加熱面への取付側の端部の配置は自在に設定してよい。
【0050】
本発明のヒータ1は、前記ヒータ管3全体をヒータ発熱部2とするものとしたが、たとえば、液体加熱用容器7内の加熱対象液体の貯留形式や、本発明のヒータ1の取り付け姿勢等に応じて、ヒータ管3の加熱対象液体に没入させる部分にのみヒータ発熱部2が設定される形式であってもよい。
【0051】
ヒータ発熱部2は、複数のヒータ管3による加熱面を備えた構成や、棒状、板状等、ヒータ管3以外の任意の形状の加熱面を備えたものであってもよい。
【0052】
又、本発明は、前記実施の形態にのみ限定されるものではなく、前記変形部材15のヒータ発熱部2の加熱面への取り付けは、本発明のヒータ1の使用温度条件で変形部材15の取り付け状態を維持でき、且つヒータ発熱部2の加熱面から変形部材15への熱の伝達を阻害することがなければ、スポット溶接以外の溶接方法や、溶接以外の任意の取付手段を採用してよい。
【0053】
変形部材の表面の親水性加工は、本発明のヒータ1の使用温度条件で親水性を維持できれば、酸化チタン被膜以外の任意の親水性加工を採用してもよい。
【0054】
液体加熱用容器7は、図示した以外の任意の形状、入口9と出口12の配置は任意であり、更には、バッチ式で加熱対象液体を加熱する形式の液体加熱用容器7であってもよい。
【0055】
本発明のヒータ1は、水10以外の親水性を有する加熱対象液体の加熱に用いるヒータに適用してもよい。更に、本発明のヒータ1は、加熱対象液体が親油性や非極性の液体である場合に適用してもよく、この場合は、変形部材15の表面を親油性加工するようにしてもよい。このように親油性加工した表面を有する変形部材15では、自由端側の端部17から固定側端部16へ表面に沿って前記親油性や非極性の液体を導くことができるものとなる。
【0056】
その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0057】
1 ヒータ、2 ヒータ発熱部、7 液体加熱用容器、10 水(加熱対象液体)、15 変形部材、16 固定側端部、17 端部
図1
図2