(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記判断手段によって、前記第2の画像に対応する第1の画像が前記記憶手段に記憶されていないと判断した場合は、前記画像読取装置によって第1の画像が読み取られていないことを利用者に通知する通知手段
をさらに具備することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な一実施の形態の例を説明する。
図1は、本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(コンピュータ・プログラム)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、それらのモジュールとして機能させるためのコンピュータ・プログラム(コンピュータにそれぞれの手順を実行させるためのプログラム、コンピュータをそれぞれの手段として機能させるためのプログラム、コンピュータにそれぞれの機能を実現させるためのプログラム)、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するの意である。また、モジュールは機能に一対一に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(データの授受、指示、データ間の参照関係等)の場合にも用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態に応じて、又はそれまでの状況・状態に応じて定まることの意を含めて用いる。「予め定められた値」が複数ある場合は、それぞれ異なった値であってもよいし、2以上の値(もちろんのことながら、全ての値も含む)が同じであってもよい。また、「Aである場合、Bをする」という意味を有する記載は、「Aであるか否かを判断し、Aであると判断した場合はBをする」の意味で用いる。ただし、Aであるか否かの判断が不要である場合を除く。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。もちろんのことながら、「システム」には、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(社会システム)にすぎないものは含まない。
また、各モジュールによる処理毎に又はモジュール内で複数の処理を行う場合はその処理毎に、対象となる情報を記憶装置から読み込み、その処理を行った後に、処理結果を記憶装置に書き出すものである。したがって、処理前の記憶装置からの読み込み、処理後の記憶装置への書き出しについては、説明を省略する場合がある。なお、ここでの記憶装置としては、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、外部記憶媒体、通信回線を介した記憶装置、CPU(Central Processing Unit)内のレジスタ等を含んでいてもよい。
【0023】
本実施の形態である画像処理システムは、
図1の例に示すように、通信回線199によって互いに通信可能に接続された画像処理装置100、画像読取装置150、携帯情報処理装置170によって構成されている。画像処理装置100は、携帯情報処理装置170によって第
2の画像に対する指定された領域を用いて、画像読取装置150によって読み込まれた第
1の画像内の領域の画像を抽出するものであって、スキャン画像保存モジュール102、スキャン対象領域決定モジュール104、文書画像保存モジュール106、中間スキャン画像一時保存モジュール108、スキャン情報記憶モジュール110、スキャン結果登録モジュール112、スキャン予約登録モジュール114、スキャン情報取得モジュール116、通信モジュール118を有している。画像読取装置150は、スキャンモジュール152、中間スキャン画像登録モジュール154、スキャン識別情報指定モジュール156、スキャン情報確認モジュール158、通信モジュール160を有している。携帯情報処理装置170は、文書画像撮影モジュール172、文書画像選択モジュール174、領域指定モジュール176、スキャン識別情報指定モジュール178、スキャン予約モジュール180、スキャン画像取得モジュール182、通信モジュール184を有している。通信回線199は、無線、有線、これらの組み合わせであってもよく、例えば、通信インフラとしてのインターネット等であってもよい。
【0024】
利用者は小売店(コンビニエンスストア等)等に配置された画像読取装置150でスキャンを実施することで、通信回線199を通してインターネット上にスキャン画像を保存することができ、利用者は自宅のPC等でスキャン画像をダウンロードして利用することができる。この場合、スキャン対象である原稿において、その原稿全体ではなく、一部分の領域の画像だけを必要とする場合がある。
カメラ機能を搭載した携帯電話(スマートフォンを含む)等の携帯情報処理装置170でも、その原稿の画像を撮影することができるが、解像度の点で画像読取装置150よりも劣ることがあり、また、画像データの品質(画像読取装置150ではゆがみが少ない等)の点でも画像読取装置150よりも劣る。一方、携帯情報処理装置170では手軽に画像を撮影し、その画像に矩形を書き込む等の操作ができる。
本実施の形態では、利用者は携帯情報処理装置170を用いて、原稿を撮影し、その原稿内で必要な一部分の領域を囲む操作を行う。また、その画像の全体を画像読取装置150で読み込ませる。画像処理装置100は、携帯情報処理装置170から一部分の領域が囲まれた第
2の画像(以下、文書画像ともいう)を受け取り、画像読取装置150から文書画像に対応する第
1の画像(以下、中間スキャン画像ともいう)を受け取り、中間スキャン画像から必要とする一部分の領域の画像(以下、スキャン画像ともいう)を切り出す。
より具体的な例を用いて説明すると、利用者は携帯情報処理装置170のカメラ機能で撮影した文書の文書画像と、文書画像に対する領域指定情報を、事前に画像処理装置100にアップロードする。アップロードした情報は、スキャン識別情報(ユーザー認証によるユーザー識別子、携帯情報処理装置170の識別番号等)に関連付けられて保存される。
利用者は画像読取装置150で前記特定の識別情報を指定し、文書の全体、全ページをスキャンする。このスキャン結果は、中間スキャン画像として画像処理装置100に一時登録される。画像処理装置100では中間スキャン画像と文書画像の領域指定情報を元に、中間スキャン画像から領域指定された部分の画像をスキャン画像として登録する。
【0025】
まず、携帯情報処理装置170内の各モジュールについて説明する。
通信モジュール184は、スキャン予約モジュール180、スキャン画像取得モジュール182と接続されており、また通信回線199を介して、画像処理装置100の通信モジュール118、画像読取装置150の通信モジュール160と接続されている。通信モジュール184は、画像処理装置100又は画像読取装置150との通信を行う。具体的には、文書画像、領域指定モジュール176によって指定された領域に関する情報(以下、領域指定情報ともいう)を画像処理装置100に送信する。さらに、後述するスキャン識別情報を送信してもよい。
文書画像撮影モジュール172は、文書画像選択モジュール174と接続されている。文書画像撮影モジュール172は、文書画像を読み取る。具体的には、携帯情報処理装置170のカメラ機能を用いて、原稿の文書画像を撮影する。
【0026】
文書画像選択モジュール174は、文書画像撮影モジュール172、スキャン予約モジュール180と接続されている。文書画像選択モジュール174は、文書画像撮影モジュール172で撮影した文書画像から、画像処理装置100に登録する文書画像を選択する。
領域指定モジュール176は、スキャン予約モジュール180と接続されている。領域指定モジュール176は、操作者の操作に基づいて、スキャン画像取得モジュール182によって読み取られた文書画像内にあって、中間スキャン画像内から抽出する領域を指定する。具体的には、文書画像選択モジュール174で選択した文書画像に対して、スキャン画像にしたい領域(必要とする一部分の領域)を矩形で指定する。操作者の操作としては、タッチパネル上での指等による操作、カーソル操作等がある。具体的には、矩形の対角位置を指定する等がある。これによって、原稿そのものにマーカーペン等で書き込む必要はない。
【0027】
スキャン識別情報指定モジュール178は、スキャン予約モジュール180、スキャン画像取得モジュール182と接続されている。スキャン識別情報指定モジュール178は、対象とした原稿を画像読取装置150でスキャンする場合に、指定する識別情報を指定する。
スキャン予約モジュール180は、文書画像選択モジュール174、領域指定モジュール176、スキャン識別情報指定モジュール178、通信モジュール184と接続されている。スキャン予約モジュール180は、スキャン識別情報指定モジュール178で指定したスキャン識別情報と、文書画像選択モジュール174で選択した文書画像、領域指定モジュール176で指定した領域指定情報を対応させて、通信モジュール184を介して画像処理装置100にアップロードする。つまり、文書画像と、その文書画像に対する領域指定情報をスキャン識別情報に関連付けて登録する。
スキャン画像取得モジュール182は、スキャン識別情報指定モジュール178、通信モジュール184と接続されている。スキャン画像取得モジュール182は、スキャン識別情報指定モジュール178で指定したスキャン情報から、スキャン画像を取得する。
【0028】
次に、画像読取装置150内の各モジュールについて説明する。
通信モジュール160は、中間スキャン画像登録モジュール154、スキャン情報確認モジュール158と接続されており、また通信回線199を介して、画像処理装置100の通信モジュール118、携帯情報処理装置170の通信モジュール184と接続されている。通信モジュール160は、画像処理装置100又は携帯情報処理装置170との通信を行う。具体的には、中間スキャン画像を画像処理装置100に送信する。
スキャン識別情報指定モジュール156は、スキャン情報確認モジュール158と接続されている。スキャン識別情報指定モジュール156は、スキャン予約モジュール180で指定したスキャン識別情報と同じスキャン識別情報を指定する。
スキャン情報確認モジュール158は、スキャン識別情報指定モジュール156、通信モジュール160と接続されている。スキャン情報確認モジュール158は、スキャン識別情報指定モジュール156で指定したスキャン情報から、携帯情報処理装置170によるスキャン予約が登録済みか否か、そして画像読取装置150によるスキャン結果が登録済みか否かを確認する。
【0029】
スキャンモジュール152は、中間スキャン画像登録モジュール154と接続されている。スキャンモジュール152は、中間スキャン画像を読み取る。つまり、原稿を画像読取装置150のスキャン機能でスキャンして、原稿の中間スキャン画像を作成する。
中間スキャン画像登録モジュール154は、スキャンモジュール152、通信モジュール160と接続されている。中間スキャン画像登録モジュール154は、スキャン識別情報指定モジュール156で指定したスキャン識別情報と、スキャンモジュール152で作成された中間スキャン画像を対応付けて、画像処理装置100にアップロードする。
【0030】
次に、画像処理装置100内の各モジュールについて説明する。
通信モジュール118は、スキャン結果登録モジュール112、スキャン予約登録モジュール114、スキャン情報取得モジュール116と接続されており、また通信回線199を介して、画像読取装置150の通信モジュール160、携帯情報処理装置170の通信モジュール184と接続されている。通信モジュール118は、携帯情報処理装置170と画像読取装置150との通信を行う。
スキャン予約登録モジュール114は、スキャン情報記憶モジュール110、通信モジュール118と接続されている。スキャン予約登録モジュール114は、携帯情報処理装置170からアップロードされたスキャン識別情報と、文書画像、領域指定情報を関連づけて登録する。
スキャン情報記憶モジュール110は、スキャン画像保存モジュール102、スキャン対象領域決定モジュール104、文書画像保存モジュール106、スキャン結果登録モジュール112、スキャン予約登録モジュール114、スキャン情報取得モジュール116と接続されている。スキャン情報記憶モジュール110は、スキャン予約登録モジュール114で受け付けたスキャン予約情報(スキャン識別情報、文書画像、領域指定情報)とスキャン結果登録モジュール112で受け付けたスキャン結果情報(スキャン識別情報、スキャン対象領域情報、スキャン画像)を記憶する。スキャン情報記憶モジュール110は、スキャン識別情報に対して、文書画像、領域指定情報、スキャン対象領域情報、スキャン画像を関連づけて記憶する。
文書画像保存モジュール106は、スキャン対象領域決定モジュール104、スキャン情報記憶モジュール110と接続されている。文書画像保存モジュール106は、スキャン予約登録モジュール114で受け付けた文書画像を保存する。
【0031】
スキャン結果登録モジュール112は、中間スキャン画像一時保存モジュール108、スキャン情報記憶モジュール110、通信モジュール118と接続されている。スキャン結果登録モジュール112は、スキャン対象領域決定モジュール104によって決定された領域の画像を、中間スキャン画像から抽出して、スキャン画像を生成する。
具体的には、スキャン結果登録モジュール112は、画像読取装置150からアップロードされたスキャン識別情報と、中間スキャン画像を受け付ける。スキャン結果登録モジュール112は、中間スキャン画像はスキャン識別情報に関連づけて、中間スキャン画像一時保存モジュール108に一時的に保存する。スキャン対象領域決定モジュール104で決定されたスキャン対象領域と中間スキャン画像からスキャン画像を作成し、同じスキャン識別情報に関連づけてスキャン対象領域情報と、スキャン画像を登録する。
中間スキャン画像一時保存モジュール108は、スキャン対象領域決定モジュール104、スキャン結果登録モジュール112と接続されている。中間スキャン画像一時保存モジュール108は、スキャン結果登録モジュール112で受け付けた中間スキャン画像をスキャン識別情報に関連づけて一時的に保存する。スキャン対象領域決定モジュール104でスキャン対象領域情報が決定した場合、中間スキャン画像は削除される。
【0032】
スキャン対象領域決定モジュール104は、スキャン画像保存モジュール102、文書画像保存モジュール106、中間スキャン画像一時保存モジュール108、スキャン情報記憶モジュール110と接続されている。スキャン対象領域決定モジュール104は、画像読取装置150によって読み取られる画像内の領域を指定するために用いられた文書画像を受け付ける。例えば、携帯可能な携帯情報処理装置170に備え付けられたスキャン画像取得モジュール182によって読み取られた画像を受け付けるようにしてもよい。
また、スキャン対象領域決定モジュール104は、画像読取装置150によって読み取られた中間スキャン画像を受け付ける。具体的には、文書画像よりも高解像度に読み込み可能である画像読取装置150によって読み取られた画像を受け付けるようにしてもよい。
そして、スキャン対象領域決定モジュール104は、文書画像に対して指定された領域に基づいて、中間スキャン画像から抽出する領域を決定する。次に、スキャン対象領域決定モジュール104は、決定した領域の画像を、中間スキャン画像から抽出するように、スキャン結果登録モジュール112に指示する。
例えば、同じスキャン識別情報に対する文書画像、領域指定情報、中間スキャン画像からスキャン対象領域情報を決定する。決定したスキャン対象領域情報はスキャン識別情報に関連づけて、スキャン情報記憶モジュール110に登録する。
【0033】
また、スキャン対象領域決定モジュール104は、文書画像に対応する中間スキャン画像が中間スキャン画像一時保存モジュール108に記憶されているか否かを判断して、文書画像に対応する中間スキャン画像が中間スキャン画像一時保存モジュール108に記憶されていると判断した場合は、中間スキャン画像一時保存モジュール108から文書画像に対応する中間スキャン画像を対象として、決定した領域の画像を抽出するようにしてもよい。
そして、スキャン対象領域決定モジュール104は、文書画像に対応する中間スキャン画像が中間スキャン画像一時保存モジュール108に記憶されていないと判断した場合は、画像読取装置150によって中間スキャン画像が読み取られていないことを利用者に通知するようにしてもよい。つまり、スキャン忘れを防止することになる。ここでの利用者とは、携帯情報処理装置170の利用者であってもよいし、予め定められた者であってもよい。携帯情報処理装置170の利用者と画像読取装置150の利用者は異なっていてもよい。例えば、携帯情報処理装置170の利用者Aから原稿をスキャンするように指示された者Bが、画像読取装置150を用いるようにしてもよい。例えば、携帯情報処理装置170と利用者Bのメールアドレスを対応させたテーブルを予め用意しておき、携帯情報処理装置170からスキャン識別情報を伴う文書画像を受信して、予め定められた期間が過ぎた場合は、そのテーブルを利用して、利用者Bのメールアドレスに原稿をスキャンする旨のメッセージを送信してもよい。そのメッセージ内にはスキャン識別情報を含める。
また、スキャン対象領域決定モジュール104は、携帯情報処理装置170の通信モジュール184から送信された文書画像と領域に関する情報を受け付け、画像読取装置150の通信モジュール160から送信された中間スキャン画像を受け付け、領域に関する情報に基づいて、中間スキャン画像から抽出する領域を決定するようにしてもよい。
【0034】
スキャン画像保存モジュール102は、スキャン対象領域決定モジュール104、スキャン情報記憶モジュール110と接続されている。スキャン画像保存モジュール102は、スキャン結果登録モジュール112で作成されたスキャン画像を保存する。
スキャン情報取得モジュール116は、スキャン情報記憶モジュール110、通信モジュール118と接続されている。スキャン情報取得モジュール116は、スキャン情報記憶モジュール110から、携帯情報処理装置170又は画像読取装置150から受け付けたスキャン識別情報に対するスキャン情報を取得する。
【0035】
図2は、本実施の形態(主に携帯情報処理装置170)による処理例(スキャン予約処理例)を示すフローチャートである。
ステップS202では、スキャン識別情報を指定する。スキャン識別情報には、例えば次のようなものがある。
・ユーザー認証によって得られるユーザー識別子
・携帯情報処理装置170に割り当てられた機器識別子
・スキャン予約時に自動的に生成される、他とは重複しないスキャン予約番号
スキャン識別情報は、利用者の操作によって入力されてもよいし、携帯情報処理装置170によって自動的に指定されてもよいし、画像処理装置100側で作成されてもよい。
ステップS204では、文書画像はあるか否かを判断し、ある場合はステップS206へ進み、ない場合はステップS208へ進む。利用者がスキャン対象とする画像を含む文書画像があるか否かを判断する。携帯情報処理装置170に文書画像がある場合はステップS206の処理に移り、文書画像がない場合はステップS208の処理に移る。
【0036】
ステップS208では、文書画像を撮影する。携帯情報処理装置170の文書画像撮影モジュール172(カメラ機能)を使用して、スキャン対象とする画像を含む文書画像を撮影する。
ステップS206では、文書画像を選択する。利用者の操作に応じて、携帯情報処理装置170にある文書画像の一覧から、スキャン対象とする画像を含む文書画像を選択する。このとき利用者の操作によって、複数の文書画像が選択されてもよい。
【0037】
ステップS210では、ステップS206で選択した文書画像が複数ある場合は、総選択数(NX)だけ、ステップS212からステップS216までの処理を繰り返す。
ステップS212では、文書画像の領域指定を行う。利用者は選択した文書画像に対して、スキャン対象とする画像に対して領域指定を行う。領域指定方法には、例えば次のような方法がある。
・利用者が矩形領域の頂点情報を直接入力することで、領域指定する。
・利用者はスキャン対象とする画像に対してマーク(丸印等)をつけ、マーク情報から画像の領域情報を自動的に検出することで、領域指定する。
・選択文書画像から画像と画像の領域情報を自動的に抽出し、利用者は複数の画像から、スキャン対象とする画像を選択することで、領域指定する。
1つの文書画像にスキャン対象とする画像が複数存在する場合は、1つの文書画像に対して複数の領域指定を行う。また、後述する
図4の例に示すステップS408の処理における判定精度を向上させるために、次のような情報を領域指定情報に含めてもよい。
・文書画像を撮影した際の機器情報(撮影機器の傾き情報など)
・文書画像を撮影した際の撮影条件(撮影時間、撮影環境、被写体との距離など)
【0038】
ステップS214では、変数N+1を変数Nに代入(変数Nをインクリメント)する。つまり、次の繰り返し処理をするための準備を行う。
ステップS216では、変数N>総選択数(NX)であるか否かを判断し、変数N>総選択数である場合はステップS218へ進み、それ以外の場合はステップS210へ戻る。つまり、次の選択文書画像が存在しない場合は、繰り返し処理を終了する。
ステップS218では、スキャンを予約する。つまり、ステップS202〜ステップS216の処理によって得た、スキャン識別情報と、文書画像、領域指定情報を画像処理装置100にアップロードし、画像処理装置100は、スキャン予約によるスキャン情報として、スキャン識別情報と、文書画像、領域指定情報を関連付けて登録する。
【0039】
図3は、本実施の形態(主に画像読取装置150)による処理例(中間スキャン画像登録処理例)を示すフローチャートである。
ステップS302では、ステップS202と同様に、スキャン識別情報を指定する。
ステップS304では、ステップS302で指定したスキャン識別情報に関連したスキャン情報を取得する。スキャン識別情報に関連したスキャン情報が存在しない場合は、スキャン識別情報に対するスキャン予約が行われていない、というスキャン情報がわかる。
【0040】
ステップS306では、ステップS304で取得したスキャン情報から、スキャン予約が登録されているかどうかを判断する。スキャン予約が登録されている場合はステップS308の処理に移り、スキャン予約が登録されていない場合はエラー画面を表示するなどして処理を中断する(ステップS399)。
ステップS308では、スキャン画像はあるか否かを判断し、ある場合は処理を終了し(ステップS399)、ない場合はステップS310へ進む。
【0041】
ステップS310では、利用者が所持する原稿が複数ある場合は、総ページ数(MX)だけ、ステップS312からステップS316までの処理を繰り返す。
ステップS312では、原稿をスキャンする。利用者の操作に応じて、画像読取装置150のスキャンモジュール152(スキャン機能)を使用して、原稿をスキャンする。スキャンした原稿の全体画像は中間スキャン画像として保持される。なお、スキャンする原稿には、スキャン対象とする画像が含まれていない原稿、つまり本来であればスキャンする必要がない原稿も一緒にスキャンしてもよい。
ステップS314では、変数M+1を変数Mに代入(変数Mをインクリメント)する。つまり、次の繰り返し処理をするための準備を行う。
ステップS316では、変数M>総ページ数(MX)であるか否かを判断し、変数M>総ページ数である場合はステップS318へ進み、それ以外の場合はステップS310へ戻る。つまり、次の原稿が存在しない場合は繰り返し処理を終了する。
【0042】
ステップS318では、中間スキャン画像を登録する。つまり、ステップS302〜ステップS316の処理によって得た、スキャン識別情報と、中間スキャン画像を画像処理装置100にアップロードし、画像処理装置100は、スキャン情報として、中間スキャン画像登録によるスキャン情報として、スキャン識別情報と、中間スキャン画像を関連付けて登録する。そして、スキャン結果登録するためにステップS402の処理に移る。
【0043】
図4は、本実施の形態(主に画像処理装置100)による処理例(スキャン結果登録処理例)を示すフローチャートである。
ステップS402では、中間スキャン画像を一時保存する。つまり、ステップS318によって登録されたスキャン識別情報と、中間スキャン画像を関連付けて、一時的に保存する。
ステップS404では、ステップS402のスキャン識別情報に関連した領域指定情報をスキャン情報記憶モジュール110から取得する。領域指定が複数ある場合は、総領域指定数(LX)だけ、ステップS406からステップS420までの処理を繰り返す。
ステップS406では、ステップS402のスキャン識別情報に関連した中間スキャン画像を中間スキャン画像一時保存モジュール108から取得する。中間スキャン画像が複数ある場合は、総中間スキャン画像数(KX)だけ、ステップS408からステップS412までの処理を繰り返す。
【0044】
ステップS408では、スキャン対象領域はあるか否かを判断し、ある場合はステップS414へ進み、ない場合はステップS410へ進む。つまり、中間スキャン画像に対して、領域指定情報と、領域指定情報に対応する文書画像から、中間スキャン画像にスキャン対象が含まれるか否かを画像処理で判断する。スキャン対象領域が存在する場合はステップS414の処理に移り、スキャン対象領域が存在しない場合はステップS410の処理に移る。
スキャン対象が含まれるか否かの判断基準としては次のような基準がある。
・文書画像全体に対する、領域指定のレイアウトパターンの類似度
・文書画像における、領域指定部分の画像特徴情報(色情報、特徴点抽出など)の類似度
また、文書画像は原稿(紙用紙)を携帯情報処理装置170のカメラ機能で撮影した画像であることから、必要に応じて次の要素に対する補正を行った上で判定を行う。
・撮影機器に対する原稿全体の横方向、縦方向の傾き
・原稿自体のたわみ、折り曲げあと、破れ、汚れ
・文書画像の撮影後から、中間スキャン画像を登録されるまでに追記された文字、下線また、ステップS212で領域指定情報に判定精度を向上させるための追加情報がある場合は、それらの追加情報を判定時に加味する。例えば、中間スキャン画像から追加情報を削除すること、又は文書画像に追加情報を付加することを行う。
ステップS410では、変数K+1を変数Kに代入(変数Kをインクリメント)する。つまり、次の繰り返し処理をするための準備を行う。
【0045】
ステップS412では、変数K>総中間スキャン画像数(KX)であるか否かを判断し、N>総中間スキャン画像数(KX)である場合はステップS418へ進み、それ以外の場合はステップS406へ戻る。つまり、次の文書原稿が存在しない場合は、繰り返し処理を終了する。
ステップS414では、スキャン対象領域を決定する。つまり、ステップS408で判定されたスキャン対象領域の判定情報と中間スキャン画像から、スキャン対象領域を決定する。
ステップS416では、スキャン画像を登録する。つまり、ステップS414で決定したスキャン対象領域と中間スキャン画像から、スキャン画像を作成し、ステップS402のスキャン識別情報に関連付けてスキャン画像を保存する。スキャン画像を保存後、ステップS406〜ステップS412の繰り返し処理は中断し、ステップS404の繰り返し処理(ステップS418)に移る。
【0046】
ステップS418では、変数L+1を変数Lに代入(変数Lをインクリメント)する。つまり、次の繰り返し処理をするための準備を行う。
ステップS420では、変数L>総領域指定数(LX)であるか否かを判断し、変数L>総領域指定数(LX)である場合はステップS422へ進み、それ以外の場合はステップS404へ戻る。つまり、次の領域指定が存在しない場合は、繰り返し処理を終了する。
ステップS422では、中間スキャン画像を削除する。
【0047】
図5は、本実施の形態(主に画像処理装置100)による処理例(スキャン画像処理例)を示すフローチャートである。
ステップS502では、スキャン識別情報を指定する。つまり、ステップS202と同様に、スキャン識別情報を指定する。
ステップS504では、スキャン識別情報に関連するスキャン情報を取得し、スキャン画像が存在するか否かを判断する。スキャン画像が存在する場合はステップS506の処理に移り、スキャン画像が存在しない場合はエラー画面等を表示して処理を終了する(ステップS599)。
ステップS506では、ステップS502で指定されたスキャン識別情報に関連するスキャン画像を取得する。
【0048】
以下、本実施の形態で用いるスキャン予約情報テーブル600、スキャン結果登録情報テーブル700、文書画像保存テーブル800、中間スキャン画像一時保存テーブル900、スキャン画像保存テーブル1000について説明する。これらは、スキャン識別情報として、スキャン予約番号を用いた場合のデータ構造の例を示す。
スキャン情報記憶モジュール110には、例えばスキャン予約情報テーブル600が記憶されている。
図6は、スキャン予約情報テーブル600のデータ構造例を示す説明図である。スキャン予約情報テーブル600は、スキャン予約番号欄610、領域指定識別子欄620、始点座標欄630、終点座標欄640、文書画像識別子欄650を有している。スキャン予約番号欄610は、スキャン識別情報としてのスキャン予約番号を記憶している。領域指定識別子欄620は、そのスキャン識別情報に対応する領域指定情報の一部である領域指定識別子を記憶している。始点座標欄630は、そのスキャン識別情報に対応する領域指定情報の一部である始点座標(例えば、矩形の左上座標)を記憶している。終点座標欄640は、そのスキャン識別情報に対応する領域指定情報の一部である終点座標(例えば、矩形の右下座標)を記憶している。文書画像識別子欄650は、そのスキャン識別情報に対応する文書画像を示す文書画像識別子を記憶している。
【0049】
スキャン結果登録モジュール112には、例えばスキャン結果登録情報テーブル700が記憶されている。
図7は、スキャン結果登録情報テーブル700のデータ構造例を示す説明図である。
スキャン結果登録情報テーブル700は、スキャン予約番号欄710、スキャン対象領域識別子欄720、始点座標欄730、終点座標欄740、中間スキャン画像識別子欄750、スキャン画像識別子欄760を有している。スキャン予約番号欄710は、スキャン識別情報としてのスキャン予約番号を記憶している。スキャン対象領域識別子欄720は、そのスキャン識別情報に対応するスキャン対象領域識別子を記憶している。中間スキャン画像における領域を指定するものであり、
図14、15、16を用いて後述する。始点座標欄730は、そのスキャン対象領域識別子に対応する始点座標(例えば、矩形の左上座標)を記憶している。終点座標欄740は、そのスキャン対象領域識別子に対応する終点座標(例えば、矩形の右下座標)を記憶している。中間スキャン画像識別子欄750は、そのスキャン識別情報に対応する中間スキャン画像を示す中間スキャン画像識別子を記憶している。スキャン画像識別子欄760は、そのスキャン識別情報に対応するスキャン画像(抽出処理の結果である画像)を示すスキャン画像識別子を記憶している。
【0050】
文書画像保存モジュール106には、例えば文書画像保存テーブル800が記憶されている。
図8は、文書画像保存テーブル800のデータ構造例を示す説明図である。文書画像保存テーブル800は、文書画像識別子欄810、文書画像データ欄820を有している。文書画像識別子欄810は、文書画像識別子を記憶している。文書画像データ欄820は、その文書画像識別子で示されている文書画像データを記憶している。
中間スキャン画像一時保存モジュール108には、例えば中間スキャン画像一時保存テーブル900が記憶されている。
図9は、中間スキャン画像一時保存テーブル900のデータ構造例を示す説明図である。中間スキャン画像一時保存テーブル900は、スキャン予約番号欄910、中間スキャン画像識別子欄920、中間スキャン画像データ欄930を有している。スキャン予約番号欄910は、スキャン識別情報としてのスキャン予約番号を記憶している。中間スキャン画像識別子欄920は、そのスキャン識別情報に対応する中間スキャン画像識別子を記憶している。中間スキャン画像データ欄930は、その中間スキャン画像識別子で示されている中間スキャン画像データを記憶している。
スキャン画像保存モジュール102には、例えばスキャン画像保存テーブル1000が記憶されている。
図10は、スキャン画像保存テーブル1000のデータ構造例を示す説明図である。スキャン画像保存テーブル1000は、スキャン画像識別子欄1010、スキャン画像データ欄1020を有している。スキャン画像識別子欄1010は、スキャン画像識別子を記憶している。スキャン画像データ欄1020は、そのスキャン画像識別子で示されているスキャン画像データを記憶している。
【0051】
図11は、本実施の形態(主に携帯情報処理装置170)による処理例を示す説明図である。特にステップS206での処理を示す例である。
携帯情報処理装置170のカメラ機能で撮影した文書画像を選択する。例えば、選択した文書画像として
図11(a)の例に示すDOC−101、
図11(b)の例に示すDOC−102がある。DOS−101、DOC−102は、モバイル端末、デジタルカメラ等の携帯情報処理装置170の文書画像撮影モジュール172で撮影した文書画像である。これらの文書画像は、原稿が斜めに撮影されているものである。つまり、文書画像は携帯情報処理装置170のカメラ機能で利用者によって撮影されるため、文書画像に対して原稿の画像(もちろんのことながら、その原稿内に含まれているスキャンしたい領域の画像)は傾き、ゆがみ等が発生している場合がある。また、文書画像には、スキャン不要な画像が含まれている場合もある。ここで、領域1102、領域1106、領域1108は、本来のスキャンしたい領域の画像である。領域1104は、スキャン不要な領域の画像である。
【0052】
図12は、本実施の形態(主に携帯情報処理装置170)による処理例を示す説明図である。特にステップS212での処理を示す例である。利用者は文書画像(DOS−101、DOC−102)に対して、スキャンしたい領域の画像の領域指定を行う。例えば、DOS−101に対して、領域1102を囲むDOC−AREA−101、DOS−102に対して、領域1106を囲むDOC−AREA−102、領域1108を囲むDOC−AREA−103が領域指定された領域である。始点座標と終点座標を指定するため、撮影された文書の傾きによっては、スキャンしたい画像の枠とは必ずしも一致しない。また、利用者の手作業等で指定するため、スキャンしたい画像と領域指定にずれが生じる場合もある。なお、もちろんのことながら、領域1104は、スキャン不要な領域であるので、領域指定は行われていない。
【0053】
図13は、本実施の形態(主に画像読取装置150)による処理例を示す説明図である。特にステップS312での処理を示す例である。
利用者の操作によって、画像読取装置150がスキャンしたい領域の画像が含まれている原稿をスキャンする。このスキャン結果は中間スキャン画像として、一時的に保存される。
図13の例では、
図13(a)の例に示すTEMP−SCAN−101、
図13(b)の例に示すTEMP−SCAN−102、
図13(c)の例に示すTEMP−SCAN−103、
図13(d)の例に示すTEMP−SCAN−104、
図13(e)の例に示すTEMP−SCAN−105が中間スキャン画像である。この順序でスキャンが行われたとする。また、これらの中間スキャン画像は、画像読取装置150でスキャンされているので、携帯情報処理装置170のカメラ機能で撮影された画像と比べると、傾き、ゆがみ等は少ない。
これら中間スキャン画像には、スキャンしたい領域がない原稿の中間スキャン画像(TEMP−SCAN−101、TEMP−SCAN−103、TEMP−SCAN−105)を含んでいてもよい。また、利用者は、原稿のスキャン順序を気にしなくてもよい。
【0054】
図14、15は、本実施の形態(主に画像処理装置100)による処理例を示す説明図である。特にステップS408での処理を示す例である。
ここでは、文書画像の領域指定(
図12の例で示したDOC−AREA−101等)と文書画像(
図11の例で示したDOC−101等)、中間スキャン画像(
図13の例で示したTEMP−SCAN−102等)からスキャン対象領域を決定する。スキャンしたい画像が含まれているか否かを判断する際は、文書画像を傾き、ゆがみ等を必要に応じて補正する。この補正は既存の技術を用いればよい。2つの画像データ(文書画像と中間スキャン画像)を比較する際は、画像のサイズの違いを補正した上で、パターンマッチング技術等によってスキャン対象領域を決定する。
図14(a)の例は、文書画像DOC−101、領域1102を囲んでいるDOC−AREA−101を示している。
図14(b)の例は、文書画像DOC−101の傾き、ゆがみ等を補正した結果を示している。
図14(c)の例は、
図13(a)〜(e)の例に示した中間スキャン画像群と比較する文書画像を示している。もちろんのことながら、中間スキャン画像の大きさに合わせて、
図14(c)の画像を拡大縮小して、比較してもよい。そして、比較の結果、文書画像DOC−101に対応する中間スキャン画像として、
図14(d)に例示のTEMP−SCAN−104が抽出され、さらに、DOC−AREA−101に対応する領域としてSCAN−AREA−101を特定したものである。
【0055】
図15(a)の例は、文書画像DOC−102、領域1106を囲んでいるDOC−AREA−102、領域1108を囲んでいるDOC−AREA−103を示している。
図15(b)の例は、文書画像DOC−102の傾き、ゆがみ等を補正した結果を示している。
図15(c)の例は、
図13(a)〜(e)の例に示した中間スキャン画像群と比較する文書画像を示している。もちろんのことながら、中間スキャン画像の大きさに合わせて、
図15(c)の画像を拡大縮小して、比較してもよい。そして、比較の結果、文書画像DOC−102に対応する中間スキャン画像として、
図15(d)に例示のTEMP−SCAN−102が抽出され、さらに、DOC−AREA−102に対応する領域としてSCAN−AREA−102、DOC−AREA−103に対応する領域としてSCAN−AREA−103を特定したものである。
【0056】
図16は、本実施の形態(主に画像処理装置100)による処理例を示す説明図である。特にステップS416での処理を示す例である。
ここでは、スキャン対象領域と中間スキャン画像からスキャン画像を作成する。つまり、
図16(a)の例に示すように、中間スキャン画像TEMP−SCAN−104内から、スキャン対象領域であるSCAN−AREA−101に囲まれている領域の画像を抽出し、
図16(c)の例に示すスキャン画像SCAN−101として登録する。また、
図16(b)の例に示すように、中間スキャン画像TEMP−SCAN−102内から、スキャン対象領域であるSCAN−AREA−102に囲まれている領域の画像を抽出し、
図16(c)の例に示すスキャン画像SCAN−102として登録し、スキャン対象領域であるSCAN−AREA−103に囲まれている領域の画像を抽出し、
図16(c)の例に示すスキャン画像SCAN−103として登録する。
【0057】
画像処理装置100で抽出した領域の画像を、その領域を指定した携帯情報処理装置170に送信するようにしてもよい。
一例として、スキャン予約モジュール180から
図2の例に示したフローチャート内のステップS218で送信されるスキャン予約に携帯情報処理装置170のIPアドレス又は利用者のメールアドレス等の通知先情報が含まれているようにする。又は、予め利用者の識別情報に対応したメールアドレスやファイルサーバのアドレス等の送信先情報が画像処理装置100に登録されている。そして、領域の画像の抽出が完了すると、スキャン結果登録モジュール112は、抽出した画像の登録後又は同時に、上記の通知先情報又は送信先情報に対して、抽出した領域の画像を送信する。
抽出した領域の画像の通知又は送信に際しては、結果の画像そのものを送信するようにしてもよいし、又は抽出した領域の画像への参照情報(例えば、ダウンロード用のURL)を通知し、携帯情報処理装置170の利用者の操作によって、その参照情報を利用して結果の画像を取得するようにしてもよい。また、参照情報を送付する場合は、スキャン画像のサムネール(つまり指定した領域の形状と概要を示す画像)を生成し、そのサムネールを参照情報とともに送信してもよい。そして、携帯情報処理装置170では、液晶ディスプレイ等の表示装置で、結果の画像等を表示する。
【0058】
図17を参照して、本実施の形態の画像処理装置(画像処理装置100、画像読取装置150)のハードウェア構成例について説明する。
図17に示す構成は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)などによって構成されるものであり、スキャナ等のデータ読み取り部1717と、プリンタなどのデータ出力部1718を備えたハードウェア構成例を示している。
【0059】
CPU(Central Processing Unit)1701は、前述の実施の形態において説明した各種のモジュール、すなわち、スキャン画像保存モジュール102、スキャン対象領域決定モジュール104、文書画像保存モジュール106、スキャン予約登録モジュール114、スキャン情報取得モジュール116、スキャンモジュール152、中間スキャン画像登録モジュール154、スキャン識別情報指定モジュール156、スキャン情報確認モジュール158、通信モジュール160等の各モジュールの実行シーケンスを記述したコンピュータ・プログラムにしたがった処理を実行する制御部である。
【0060】
ROM(Read Only Memory)1702は、CPU1701が使用するプログラムや演算パラメータ等を格納する。RAM(Random Access Memory)1703は、CPU1701の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を格納する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス1704により相互に接続されている。
【0061】
ホストバス1704は、ブリッジ1705を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス1706に接続されている。
【0062】
キーボード1708、マウス等のポインティングデバイス1709は、操作者により操作される入力デバイスである。ディスプレイ1710は、液晶表示装置又はCRT(Cathode Ray Tube)などがあり、各種情報をテキストやイメージ情報として表示する。
【0063】
HDD(Hard Disk Drive)1711は、ハードディスクを内蔵し、ハードディスクを駆動し、CPU1701によって実行するプログラムや情報を記録又は再生させる。ハードディスクには、スキャン予約情報テーブル600、スキャン結果登録情報テーブル700、文書画像保存テーブル800、中間スキャン画像一時保存テーブル900、スキャン画像保存テーブル1000などが格納される。さらに、その他の各種のデータ処理プログラム等、各種コンピュータ・プログラムが格納される。
【0064】
ドライブ1712は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体1713に記録されているデータ又はプログラムを読み出して、そのデータ又はプログラムを、インタフェース1707、外部バス1706、ブリッジ1705、及びホストバス1704を介して接続されているRAM1703に供給する。リムーバブル記録媒体1713も、ハードディスクと同様のデータ記録領域として利用可能である。
【0065】
接続ポート1714は、外部接続機器1715を接続するポートであり、USB、IEEE1394等の接続部を持つ。接続ポート1714は、インタフェース1707、及び外部バス1706、ブリッジ1705、ホストバス1704等を介してCPU1701等に接続されている。通信部1716は、通信回線に接続され、外部とのデータ通信処理を実行する。データ読み取り部1717は、例えばスキャナであり、ドキュメントの読み取り処理を実行する。データ出力部1718は、例えばプリンタであり、ドキュメントデータの出力処理を実行する。
【0066】
なお、本実施の形態(携帯情報処理装置170)としてのプログラムが実行されるコンピュータのハードウェア構成は、
図18に例示するように、一般的なコンピュータであり、具体的には、カメラを備えたスマートフォンを含む携帯電話、ノートパソコン等である。つまり、具体例として、処理部(演算部)としてCPU1801を用い、記憶装置としてRAM1802、ROM1803、HD1804を用いている。HD1804として、例えばハードディスクを用いてもよい。文書画像撮影モジュール172、文書画像選択モジュール174、領域指定モジュール176、スキャン識別情報指定モジュール178、スキャン予約モジュール180、スキャン画像取得モジュール182、通信モジュール184等のプログラムを実行するCPU1801と、そのプログラムやデータを記憶するRAM1802と、本コンピュータを起動するためのプログラム等が格納されているROM1803と、補助記憶装置(フラッシュメモリ等であってもよい)であるHD1804と、キーボード、マウス、タッチパネル等に対する利用者の操作に基づいてデータを受け付け、カメラによって撮影された画像を受け付ける受付装置1806と、CRT、液晶ディスプレイ等の出力装置1805と、ネットワークインタフェースカード等の通信ネットワークと接続するための通信回線インタフェース1807、そして、それらをつないでデータのやりとりをするためのバス1808により構成されている。これらのコンピュータが複数台互いにネットワークによって接続されていてもよい。
【0067】
前述の実施の形態のうち、コンピュータ・プログラムによるものについては、本ハードウェア構成のシステムにソフトウェアであるコンピュータ・プログラムを読み込ませ、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働して、前述の実施の形態が実現される。
なお、
図17、18に示すハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、
図17、18に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えばASIC等)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続しているような形態でもよく、さらに
図17、18に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、特に、パーソナルコンピュータの他、情報家電、複写機、ファックス、スキャナ、プリンタ、複合機(スキャナ、プリンタ、複写機、ファックス等のいずれか2つ以上の機能を有している画像処理装置)などに組み込まれていてもよい。
【0068】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納して提供してもよく、また、そのプログラムを通信手段によって提供してもよい。その場合、例えば、前記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明として捉えてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通などのために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu−ray(登録商標) Disc)、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、SD(Secure Digital)メモリーカード等が含まれる。
そして、前記のプログラム又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して
記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化など、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。
前述の実施の形態は以下のように把握してもよい。
[A1]画像読取装置によって読み取られる画像内の領域を指定するために用いられた第1の画像を受け付ける第1の画像受付手段と、
前記画像読取装置によって読み取られた第2の画像を受け付ける第2の画像受付手段と、
前記第1の画像に対して指定された領域に基づいて、前記第2の画像から抽出する領域を決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された領域の画像を、前記第2の画像から抽出する抽出手段
を具備することを特徴とする画像処理装置。
[A2]前記第1の画像受付手段は、携帯可能な情報処理装置に備え付けられた画像読取手段によって読み取られた画像を受け付ける
ことを特徴とする[A1]に記載の画像処理装置。
[A3]前記第2の画像受付手段は、前記第1の画像よりも高解像度に読み込み可能である前記画像読取装置によって読み取られた画像を受け付ける
ことを特徴とする[A1]又は[A2]に記載の画像処理装置。
[A4]前記第2の画像を記憶する記憶手段と、
前記第1の画像に対応する第2の画像が前記記憶手段に記憶されているか否かを判断する判断手段
をさらに具備し、
前記抽出手段は、前記判断手段によって、前記第1の画像に対応する第2の画像が前記記憶手段に記憶されていると判断した場合は、前記記憶手段から前記第1の画像に対応する第2の画像を対象として、前記決定手段によって決定された領域の画像を抽出する
ことを特徴とする[A1]から[A3]のいずれか一項に記載の画像処理装置。
[A5]前記判断手段によって、前記第1の画像に対応する第2の画像が前記記憶手段に記憶されていないと判断した場合は、前記画像読取装置によって第2の画像が読み取られていないことを利用者に通知する通知手段
をさらに具備することを特徴とする[A4]に記載の画像処理装置。
[A6]前記第1の画像を読み取る画像読取手段と、
操作者の操作に基づいて、前記第1の画像内にあって、前記第2の画像内から抽出する領域を指定する第1の指定手段と、
前記第1の画像、前記第1の指定手段によって指定された領域に関する情報を前記画像処理装置に送信する送信手段
を備えた情報処理装置と、
前記第2の画像を読み取る画像読取手段と、
前記第2の画像を前記画像処理装置に送信する送信手段
を備えた画像読取装置と、
[A1]に記載の画像処理装置
を具備し、
前記画像処理装置の第1の画像受付手段は、前記情報処理装置の送信手段から送信された前記第1の画像と領域に関する情報を受け付け、
前記画像処理装置の第2の画像受付手段は、前記画像読取装置の送信手段から送信された前記第2の画像を受け付け、
前記画像処理装置の決定手段は、第1の画像受付手段が受け付けた領域に関する情報に基づいて、前記第2の画像から抽出する領域を決定する
ことを特徴とする画像処理システム。
[A7]コンピュータを、
画像読取装置によって読み取られる画像内の領域を指定するために用いられた第1の画像を受け付ける第1の画像受付手段と、
前記画像読取装置によって読み取られた第2の画像を受け付ける第2の画像受付手段と、
前記第1の画像に対して指定された領域に基づいて、前記第2の画像から抽出する領域を決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された領域の画像を、前記第2の画像から抽出する抽出手段
として機能させるための画像処理プログラム。
そして、前述の発明は、以下の効果を有する。
[A1]の画像処理装置によれば、第1の画像に対する指定された領域を用いて、第2の画像内の領域の画像を抽出することができる。
[A2]の画像処理装置によれば、携帯可能な情報処理装置に備え付けられた画像読取手段によって読み取られた画像を受け付けることができる。
[A3]の画像処理装置によれば、第1の画像よりも高解像度に読み込み可能である画像読取装置によって読み取られた画像を受け付けることができる。
[A4]の画像処理装置によれば、第2の画像が既に画像読取装置によって読み取られていた場合は、記憶された第2の画像を対象として処理を行うことができる。
[A5]の画像処理装置によれば、画像読取装置によって第2の画像が読み取られていないことを利用者に通知することができる。
[A6]の画像処理システムによれば、第1の画像に対する指定された領域を用いて、第2の画像内の領域の画像を抽出することができる。
[A7]の画像処理プログラムによれば、第1の画像に対する指定された領域を用いて、第2の画像内の領域の画像を抽出することができる。