(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の車載用操作表示装置においては、設定項目を選択するメカスイッチが必要であるという問題があった。
設定項目の選択画面をモニタに表示し、接触操作検出部によって設定項目の選択を受け付ける構成も考えられるが、設定項目が選択された場合、設定項目の選択画面から、選択された設定項目の内容を変更するための操作画面に切り替える必要がある。使用者は、各画面を切り替えて車載装置の設定操作を行う必要があるため、各画面の関連性が分かりにくくなる傾向があり、操作性が悪化するという問題があった。
もちろん、モニタに設定項目の選択画面及び操作画面
を並べて表示することもできるが、モニタが大型化し、使用者は視線を各画面に移す必要があるため、車載装置の操作に煩わしさを覚えるという問題がある。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は操作性を損なうこと無く車載装置の操作に必要なメカスイッチの数を低減することができる操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る操作装置は、車載装置の操作に関する画像を表示する表示パネルと、該表示パネルの正面側に配されており、前記表示パネルに表示される画像を透過する透明なパネルを有し、自発光により画像を表示する透明表示パネルと、該透明表示パネルへの接触操作を検出する接触操作検出部と、該接触操作検出部が検出した接触操作に基づいて前記透明表示パネルに所定の画像を表示させる制御部とを備え
、前記表示パネルは前記車載装置の操作に関する複数の設定項目それぞれに対応する複数の画像を表示するようにしてあり、前記透明表示パネルは、前記接触操作検出部によって検出された接触操作の位置が前記複数の画像のいずれか一つの画像の表示位置に対応する場合、該一つの画像に対応する設定項目の内容を変更するための操作画像を表示する。
【0007】
本発明にあっては、表示パネルは車載装置の操作に関する画像を表示する。接触操作検出部によって接触操作が検出された場合、透明表示パネルに所定の画像が表示される。
車載装置の操作に関する画像を表示パネルに表示して接触操作検出部が接触操作を検出し、接触操作に応じて所定の画像を透明表示パネルに表示させる構成であるため、車載装置の操作に必要なメカスイッチの数を低減させることができる。
また、透明表示パネルは表示パネルの正面側に配されているため、使用者は透明表示パネルに表示される画像と共に、背面側に配された表示パネルに表示される画像も視認することができる。透明表示パネルは表示パネルの正面側に配されているため、使用者は視線を移動させることなく、焦点をずらすだけで各パネルに表示される画像を視認することが可能である。
なお、透明表示パネルへの接触操作には、該透明表示パネルに対する直接的な接触操作はもちろん、透明表示パネルに保護板又は保護シート等の部材が積層されている場合、該部材に対する接触操作も本発明における透明表示パネルへの接触操作に含まれる。また、表示パネルの正面側に配された透明表示パネルは透明であるため、透明表示パネルへの接触操作は、表示パネルへの接触操作とも言える。
【0009】
本発明にあっては、表示パネルは車載装置の操作に関する複数の設定項目それぞれに対応する複数の画像を表示する。接触操作検出部によって検出された接触操作の位置が、複数の画像のいずれか一つの画像の表示位置に対応する場合、透明表示パネルは、該一つの画像に対応する設定項目の内容を変更するための操作画像を表示する。操作画像は、前記所定の画像に対応する。
従って、使用者は、表示パネルに表示される複数の画像のいずれかを接触操作検出部によって接触操作することにより、車載装置の設定項目を選択することができる。また使用者は、透明表示パネルに表示される操作画像を接触操作検出部によって接触操作することにより、選択された設定項目の内容を変更することが可能になる。
【0010】
本発明に係る操作装置は、前記制御部は、前記接触操作検出部によって検出された接触操作の位置が前記表示パネルに表示される画像の表示位置に対応する場合、前記表示パネルに表示する画像の明るさを低減させる。
【0011】
本発明にあっては、車載装置の操作に関する画像が接触操作検出部によって接触操作された場合、制御部は、表示パネルに表示される画像の明るさを低減させる。表示パネルの画像の明るさを低減させることによって、表示パネルに表示される画像に比べて、透明表示パネルに表示される操作画像を際立たせることができる。使用者は、主に透明表示パネルに表示される操作画像に注視するが、表示パネルに表示される画像も視認することも可能である。
【0012】
本発明に係る操作装置は、前記接触操作検出部によって検出された接触操作の位置が前記操作画像の表示位置に対応する場合、前記操作画像における接触位置に応じた情報を出力する出力部を備える。
【0013】
本発明にあっては、接触操作検出部によって検出された接触操作の位置が操作画像の表示位置に対応する場合、出力部は、接触操作された操作画像に応じた情報を出力する。つまり、接触操作検出部によって操作画像が操作された場合、操作の内容を出力する。
前記接触操作された操作画像に応じた情報には、接触操作の位置に対応する設定値の情報、設定値を増加させる情報、設定値を減少させる情報、接触操作のスライド量に対応した設定値の変化量等が含まれる。
【0014】
本発明に係る操作装置は、前記複数の設定項目は、空気調和機に設定される温度、風量又は送風箇所のうち少なくとも一つに対応する。
【0015】
本発明にあっては、操作装置は、設定項目に対応する画像として、空気調和機に設定される温度、風量及び送風箇所のうち少なくとも一つに対応する画像を表示する。
【0016】
本発明に係る操作装置は、前記表示パネル及び前記透明表示パネルは間隙を有して対向している。
【0017】
本発明にあっては、表示パネル及び透明表示パネルは間隙を有して対向しているため、各パネルに表示される画像は、奥行きが異なる2つの面に表示される。
従って、表示パネルに表示される画像と、透明表示パネルに表示される画像とを異なる階層の画像として使用者に認識させることが可能になる。
【0018】
本発明に係る操作装置は、前記表示パネル及び前記透明表示パネルの表示面は略平行である。
【0019】
本発明にあっては、表示パネル及び透明表示パネルの表示面は略平行であるため、使用者は、各パネルの表示面に焦点を合わせ易い。
【0020】
本発明に係る操作装置は、前記表示パネル及び前記透明表示パネルはそれぞれ液晶表示パネル及び有機EL表示パネルである。
【0021】
本発明にあっては、液晶表示パネルの正面側に透光性の有機EL表示パネルが配され、各パネルには車載装置の操作に関する画像が表示される。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、操作性を損なうこと無く車載装置の操作に必要なメカスイッチの数を低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は本実施形態に係る操作システムの一構成例を示す断面図、
図2は操作システムの一構成例を示す正面図である。本実施形態に係る操作システムは、車輌に搭載された空気調和機21と、該空気調和機21の動作を制御する空気調和機ECU2と、空気調和機ECU2へ操作情報を出力することによって、空気調和機21を操作するための操作装置1とを備える。空気調和機21は、コンプレッサを含む冷媒サイクル、送風ファン、該送風ファンを回転させるファンモータ、吹出口を切り替えるための切替板、切替板を駆動する切替モータ等を備える。空気調和機ECU2には、操作装置1から出力される操作情報、車室内の温度情報等が入力し、空気調和機ECU2は入力された各種情報に基づいて、コンプレッサの動作、ファンモータの回転速度、切替モータの回転を制御する。
【0025】
操作装置1は、例えば車輌のインスツルメントパネルに設置された筐体10を備える。筐体10は中空の直方体形状をなし、
図2に示すように正面視が横長の矩形状である。筐体10には回路基板11が収容されており、回路基板11は、筐体10の背面壁の内面から正面側へ突出した支持柱10a,10aによって支持されている。回路基板11の正面側には、表示面が正面側を向くような姿勢で液晶表示パネル14を保持する保持体13が設けられており、該保持体13によって液晶表示パネル14が保持されている。液晶表示パネル14は例えば横長の矩形状である。回路基板11には液晶表示パネル14及び後述する有機EL表示パネル15の表示を制御する制御装置12が設けられており、液晶表示パネル14は、制御装置12の制御に従って空気調和機21の操作に関する画像を表示する。
【0026】
筐体10の正面壁には、液晶表示パネル14の表示面と略同形状の開口部が形成されている。該開口部には、液晶表示パネル14と間隙を有して略平行に対向するように有機EL表示パネル15が設けられている。有機EL表示パネル15は、液晶表示パネル14に表示される画像の光を透過すると共に、自発光により操作に係る画像を表示する。有機EL表示パネル15は、液晶表示パネル14と同様、制御装置12の制御に従って、空気調和機21の操作に係る画像を表示する。有機EL表示パネル15は、例えば液晶表示パネル14と同様、横長の矩形状である。有機EL表示パネル15の光透過率は特に限定されるものでは無く、有機EL表示パネル15を介して液晶表示パネル14の画像を視認可能な光透過率を有していれば足りる。また、有機EL表示パネル15は無色透明である必要は無く、有色であっても良い。
【0027】
有機EL表示パネル15の正面側には静電容量方式、抵抗膜方式、光学方式等のタッチパネル16及び保護板17が積層されている。タッチパネル16は、保護板17に対する物体の接触位置を検出する。つまり、タッチパネル16は、保護板17に使用者の指が接触した場合、保護板17における使用者の指の接触位置を検出する。より具体的には、タッチパネルは使用者による接触操作を検出する。そして、タッチパネル16は、検出した接触位置に係る信号を制御装置12へ出力する。本実施形態では、有機EL表示パネル15に外付けされるタッチパネル16を説明するが、有機EL表示パネル15にタッチパネル16を内蔵させても良い。保護板17は透明なガラス板又は樹脂板である。なお、タッチパネル16は、液晶表示パネル14及び有機EL表示パネル15への接触操作を検出する接触操作検出部として機能する。
【0028】
操作装置1は、筐体10の正面壁の適宜箇所、例えば有機EL表示パネル15の下辺側に、メカスイッチを構成する複数の操作子18を備える。複数の操作子18は、押下可能な押しボタンであり、有機EL表示パネル15の下辺に沿って並んでいる。回路基板11には、各操作子18の押下をそれぞれ検出する複数のスイッチ19が設けられている。複数のスイッチ19は、各操作子18の操作状態を示す信号を制御装置12へ出力する。
【0029】
図3は、操作システムの一構成例を示すブロック図である。制御装置12は、該制御装置12の各構成部の動作を制御する制御部12aを備える。制御部12aは、例えば一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、マルチコアCPU等を有する。制御部12aには、バスを介して一時記憶部12b、記憶部12c、出力部12d、第1I/F12e、第2I/F12f、第1入力部12g及び第2入力部12hが接続されている。制御部12aは、記憶部12cに記憶されている後述の制御プログラムを一時記憶部12bに読み出し、各構成部の動作を制御する。
【0030】
一時記憶部12bは、SRAM(Static RAM)、DRAM(Dynamic RAM)等の揮発性メモリである。一時記憶部12bは、制御部12aの演算処理を実行する際に記憶部12cから読み出された制御プログラム、演算処理によって生ずる各種データを一時記憶する。揮発性メモリは一時記憶部12bの一例であり、不揮発性メモリで一時記憶部12bを構成しても良い。
【0031】
記憶部12cは、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。記憶部12cは、制御部12aが制御装置12の各構成部の動作を制御することにより、空気調和機21の操作を受け付け、受け付けた操作に応じた操作情報を空気調和機ECU2へ出力する処理を実行するための制御プログラムを記憶している。記憶部12cは、空気調和機21の操作を受け付けるための各種画像データを記憶している。
【0032】
出力部12dは、通信線を介して空気調和機ECU2に接続されている。出力部12dは、所定の通信プロトコルに従って、操作情報を空気調和機ECU2へ出力する。制御部12aが出力部12dを介して空気調和機ECU2へ出力する操作情報は、例えば、空気調和機21に設定される温度、風量、送風する吹出口等を示す情報が含まれる。
【0033】
第1I/F12eには、液晶表示パネル14を駆動する液晶駆動部14aが接続されている。制御部12aは第1I/F12eを介して画像情報を液晶駆動部14aへ出力する。液晶駆動部14aは制御部12aから出力された画像情報を入力し、該画像情報に基づいて液晶表示パネル14を駆動することによって、該画像情報に係る画像を液晶表示パネル14に表示する。
【0034】
第2I/F12fは、有機EL表示パネル15を駆動する有機EL表示パネル15が接続されている。制御部12aは第2I/F12fを介して画像情報を有機EL駆動部15aへ出力する。有機EL駆動部15aは制御部12aから出力された画像情報を入力し、該画像情報に基づいて有機EL表示パネル15を駆動することによって、該画像情報に係る画像を有機EL表示パネル15に表示する。
【0035】
第1入力部12gにはタッチパネル16が接続されており、タッチパネル16によって検出された接触位置に係る信号が入力する。制御部12aは第1入力部12gを介して、タッチパネル16が検出した接触位置の情報を取得する。
【0036】
第2入力部12hにはスイッチ19が接続されており、複数の操作子18それぞれの押下状態を示した信号が入力する。制御部12aは第2入力部12hを介して、操作子18の押下状態に係る情報を取得する。
【0037】
図4は、空気調和機21の操作に係る制御部12aの処理手順を示すフローチャートである。制御部12aは、空気調和機21の操作に関する複数の設定項目をそれぞれに対応する複数の項目画像3(
図5参照)を液晶表示パネル14に表示させる(ステップS11)。
【0038】
図5は、液晶表示パネル14に表示された項目画像3を示す模式図である。液晶表示パネル14には、項目画像3として、例えば、助手席側の設定温度に対応する助手席側設定温度画像31、風量に対応する設定風量画像32、吹出口に対応する設定吹出口画像33、及び運転席側の設定温度に対応する運転席側設定温度画像34が表示される。本実施形態の項目画像3は、空気調和機21の設定項目を表すと共に、空気調和機21に設定されている設定項目の内容を表示している。
具体的には、助手席側設定温度画像31及び運転席側設定温度画像34は、助手席側及び運転席側の設定温度をそれぞれ示した数字の画像である。設定風量画像32は、空気調和機21に設定された風量を縦棒の数で示す画像である。設定吹出口画像33は、空気調和機21からの送風を行う吹出口を示した画像である。
以下、助手席側設定温度画像31、設定風量画像32、設定吹出口画像33及び運転席側設定温度画像34のいずれか一つを適宜、項目画像3と呼ぶ。
【0039】
ステップS11の処理を終えた制御部12aは、タッチパネル16にて項目画像3が選択されたか否かを判定する(ステップS12)。具体的には、制御部12aは、タッチパネル16の操作状態を監視しており、タッチパネル16によって検出された接触位置が、複数の項目画像3のいずれか一つの表示位置に対応するか否かを判定する。記憶部12cは液晶表示パネル14に表示される各項目画像3の表示位置を記憶しており、制御部12aは接触位置と、記憶部12cが記憶する各項目画像3の表示位置とを比較することによって、接触位置が項目画像3のいずれかに対応するか否かを判定することができる。
【0040】
設定項目が選択されていないと判定した場合(ステップS12:NO)、制御部12aはステップS12の処理を再度実行し、設定項目の選択待ち受け状態で待機する。いずれかの設定項目が選択されたと判定した場合(ステップS12:YES)、制御部12aは、液晶表示パネル14に表示中の各項目画像3の明るさを低減させる(ステップS13)。
【0041】
次いで、制御部12aは、ステップS12で選択された設定項目が温度設定であるか否かを判定する(ステップS14)。選択された設定項目が温度設定であると判定した場合(ステップS14:YES)、制御部12aは、温度設定に係るサブルーチンの処理を実行する(ステップS15)。一時記憶部12bは空気調和機21の助手席側及び運転席側の設定温度、設定風量、並びに設定吹出口を記憶しており、制御部12aはステップS15の処理によって一時記憶部12bが記憶している設定温度の変更を行う。
なお、使用者によって選択される設定項目である温度設定には、助手席側の温度設定と、運転席側の温度設定とがあるが、両者は同様の処理であるため、主に助手席側の温度設定の処理を説明する。
【0042】
図6は温度設定のサブルーチンを示すフローチャート、
図7及び
図8は助手席側の温度設定の操作方法を示す説明図である。
図7A及び
図7Bに示すように、液晶表示パネル14に項目画像3が表示されている状態で、助手席側設定温度画像31が選択された場合、制御部12aは、温度設定の内容を変更するための設定温度操作画像(操作画像)を有機EL表示パネル15に表示させる(ステップS41)。
図7Cは、液晶表示パネル14に表示されている項目画像3の明るさが低減し、有機EL表示パネル15に設定温度操作画像が表示された状態を示している。破線で示した項目画像3は、該項目画像3の明るさが減少していることを示している。助手席用の設定温度操作画像は、例えば、本サブルーチンにおいて未確定状態にある設定温度に対応する助手席側仮設定温度画像41、並びに設定温度を変更するための温度スライドバー41a、正ボタン41c及び負ボタン41bを含む。助手席側仮設定温度画像41は、液晶表示パネル14の左端側に表示されている。温度スライドバー41aは、助手席側仮設定温度画像41の右側に表示されている。正ボタン41c及び負ボタン41bは、温度スライドバー41aの右側及び左側にそれぞれ表示されている。
後述するように使用者はタッチパネル16による温度スライドバー41aのタップ操作、又は温度スライドバー41aに表示されているスライダのスライド操作によって助手席側の設定温度を変更することができる。また、使用者は、タッチパネル16による正ボタン41c及び負ボタン41bのタップ操作によって、助手席側の設定温度を増減させることができる。
【0043】
ステップS41の処理を終えた制御部12aは、
図7Dに示すように、タッチパネル16によって温度スライドバー41aのスライド操作が行われたか否かを判定する(ステップS42)。スライド操作が行われたと判定した場合(ステップS42:YES)、制御部12aは、スライダのスライド量に応じた設定温度を特定する(ステップS43)。制御部12aは、特定された設定温度を一時記憶部12bに記憶させる。
【0044】
ステップS43の処理を終えた場合、又は温度スライドバー41aのスライド操作が行われていないと判定した場合(ステップS42:NO)、制御部12aは、
図7Eに示すように、タッチパネル16によって温度スライドバー41aのタップ操作が行われたか否かを判定する(ステップS44)。温度スライドバー41aのタップ操作が行われたと判定した場合(ステップS44:YES)、制御部12aは、タップ操作が行われた位置に対応する設定温度を特定する(ステップS45)。制御部12aは、特定された設定温度を一時記憶部12bに記憶させる。
【0045】
ステップS45の処理を終えた場合、又は温度スライドバー41aのタップ操作が行われていないと判定した場合(ステップS44:NO)、制御部12aは、
図7Fに示すように、タッチパネル16によって正ボタン41cのタップ操作が行われたか否かを判定する(ステップS46)。正ボタン41cのタップ操作が行われたと判定した場合(ステップS46:YES)、制御部12aは設定温度を所定温度増加させる(ステップS47)。制御部12aは、所定温度増加させた設定温度を一時記憶部12bに記憶させる。
【0046】
ステップS47の処理を終えた場合、又は正ボタン41cのタップ操作が行われていないと判定した場合(ステップS46:NO)、制御部12aは、タッチパネル16によって負ボタン41bのタップ操作が行われたか否かを判定する(ステップS48)。負ボタン41bのタップ操作が行われたと判定した場合(ステップS48:YES)、制御部12aは設定温度を所定温度減少させる(ステップS49)。制御部12aは、所定温度減少させた設定温度を一時記憶部12bに記憶させる。
【0047】
以上、ステップS43、ステップS45,ステップS47又はステップS49の処理によって設定温度が変更された場合、制御部12aは、
図8Gに示すように、変更後の設定温度を示した助手席側仮設定温度画像41を有機EL表示パネル15に表示させる。
ステップS49の処理を終えた場合、又は負ボタン41bのタップ操作が行われていないと判定した場合(ステップS48:NO)、制御部12aは、温度設定の処理を終了するか否かを判定する(ステップS50)。例えば、制御部12aは、
図8Hに示すようにタッチパネル16によって助手席側仮設定温度画像41のタップ操作が行われた場合、制御部12aは温度設定の処理を終了すると判定する。また、制御部12aは、タッチパネル16の非操作状態が所定時間継続した場合、温度設定の処理を終了すると判定する。
【0048】
温度設定を終了しないと判定した場合(ステップS50:NO)、制御部12aは処理をステップS42へ戻す。温度設定を終了すると判定した場合(ステップS50:YES)、制御部12aは、有機EL表示パネル15の表示を消去し(ステップS51)、サブルーチンの処理を終える。有機EL表示パネル15の表示が消去され、サブルーチンの処理を終えた場合、後述するように液晶表示パネル14に表示する項目画像3の明るさが復帰し、
図8Iに示すように、設定温度の変更を開始する前の表示に戻る。助手席側設定温度画像31は、変更後の設定温度を表している。
【0049】
以上の通り、
図7及び
図8を用いて、主に助手席側の温度設定の操作処理を説明したが、運転席側の温度設定の操作手順も同様である。
図9は、運転席側の温度設定の操作方法を示す説明図である。
図9Aに示すように、液晶表示パネル14に項目画像3が表示されている状態で、運転席側設定温度画像34が選択された場合、制御部12aは、運転席側の温度設定の内容を変更するための設定温度操作画像を有機EL表示パネル15に表示させる。運転席用の設定温度操作画像は、
図9Bに示すように、運転席側仮設定温度画像44、並びに設定温度を変更するための温度スライドバー44a、正ボタン44c及び負ボタン44bを含む。使用者はタッチパネル16による温度スライドバー44aのタップ操作、又は温度スライドバー44aに表示されているスライダのスライド操作によって運転席側の設定温度を変更することができる。また、使用者は、タッチパネル16による正ボタン44c及び負ボタン44bのタップ操作によって、運転席側の設定温度を増減させることができる。
【0050】
図4に示すように、ステップS15の処理を終えた場合、又は設定項目が温度設定で無いと判定した場合(ステップS14:NO)、制御部12aは、ステップS12で選択された設定項目が風量設定であるか否かを判定する(ステップS16)。選択された設定項目が風量設定であると判定した場合(ステップS16:YES)、制御部12aは、風量設定に係るサブルーチンの処理を実行する(ステップS17)。
【0051】
図10は風量設定のサブルーチンを示すフローチャート、
図11は風量設定の操作方法を示す説明図である。
図11A及び
図11Bに示すように、液晶表示パネル14に項目画像3が表示されている状態で設定風量画像32が選択された場合、制御部12aは、風量設定の内容を変更するための設定風量操作画像(操作画像)を有機EL表示パネル15に表示させる(ステップS61)。設定風量操作画像は、例えば、送風をオフにするためのオフボタン42、設定風量を変更するための風量スライドバー42a、正ボタン42c及び負ボタン42bを含む。オフボタン42は液晶表示パネル14の左端側に表示されている。風量スライドバー42aは、オフボタン42の右側に表示されている。また、風量スライドバー42aには、本サブルーチンにおいて未確定状態にある設定風量の大きさを示す風量目盛りが表示されている。正ボタン42c及び負ボタン42bは、風量スライドバー42aの右側及び左側にそれぞれ表示されている。
後述するように使用者はタッチパネル16による風量スライドバー42aのタップ操作、又は風量スライドバー42aに表示されているスライダのスライド操作によって設定風量を変更することができる。また、使用者は、タッチパネル16による正ボタン42c及び負ボタン42bのタップ操作によって、設定風量を増減させることができる。
【0052】
ステップS61の処理を終えた制御部12aは、タッチパネル16によって風量スライドバー42aのスライド操作が行われたか否かを判定する(ステップS62)。スライド操作が行われたと判定した場合(ステップS62:YES)、制御部12aは、スライダのスライド量に応じた設定風量を特定する(ステップS63)。制御部12aは、特定された設定風量を一時記憶部12bに記憶させる。
【0053】
ステップS63の処理を終えた場合、又は風量スライドバー42aのスライド操作が行われていないと判定した場合(ステップS62:NO)、制御部12aは、タッチパネル16によって風量スライドバー42aのタップ操作が行われたか否かを判定する(ステップS64)。風量スライドバー42aのタップ操作が行われたと判定した場合(ステップS64:YES)、制御部12aは、タップ操作が行われた位置に対応する設定風量を特定する(ステップS65)。制御部12aは、特定された設定風量を一時記憶部12bに記憶させる。
【0054】
ステップS65の処理を終えた場合、又は風量スライドバー42aのタップ操作が行われていないと判定した場合(ステップS64:NO)、制御部12aは、タッチパネル16によって正ボタン42cのタップ操作が行われたか否かを判定する(ステップS66)。正ボタン42cのタップ操作が行われたと判定した場合(ステップS66:YES)、制御部12aは設定風量を所定風量増加させる(ステップS67)。制御部12aは、所定風量増加させた設定風量を一時記憶部12bに記憶させる。
【0055】
ステップS67の処理を終えた場合、又は正ボタン42cのタップ操作が行われていないと判定した場合(ステップS66:NO)、制御部12aは、タッチパネル16によって負ボタン42bのタップ操作が行われたか否かを判定する(ステップS68)。負ボタン42bのタップ操作が行われたと判定した場合(ステップS68:YES)、制御部12aは設定風量を所定風量減少させる(ステップS69)。制御部12aは、所定風量減少させた設定風量を一時記憶部12bに記憶させる。
【0056】
ステップS69の処理を終えた場合、又は負ボタン42bのタップ操作が行われていないと判定した場合(ステップS68:NO)、制御部12aは、タッチパネル16によってオフボタン42のタップ操作が行われたか否かを判定する(ステップS70)。オフボタン42のタップ操作が行われたと判定した場合(ステップS70:YES)、制御部12aは、設定風量の情報として送風停止を一時記憶部12bに記憶させる(ステップS71)。
【0057】
ステップS71の処理を終えた場合、又はオフボタン42のタップ操作が行われていないと判定した場合(ステップS70:NO)、制御部12aは、風量設定の処理を終了するか否かを判定する(ステップS72)。例えば、制御部12aは、タッチパネル16の非操作状態が所定時間継続した場合、風量設定の処理を終了すると判定する。
【0058】
風量設定を終了しないと判定した場合(ステップS72:NO)、制御部12aは処理をステップS62へ戻す。風量設定を終了すると判定した場合(ステップS72:YES)、制御部12aは、有機EL表示パネル15の表示を消去し(ステップS73)、サブルーチンの処理を終える。有機EL表示パネル15の表示が消去され、サブルーチンの処理を終えた場合、後述するように液晶表示パネル14に表示する項目画像3の明るさが復帰し、設定風量の変更を開始する前の表示に戻る。設定風量画像32は、変更後の設定風量を表している。
【0059】
ステップS17の処理を終えた場合、又は設定項目が風量設定で無いと判定した場合(ステップS16:NO)、制御部12aは、ステップS12で選択された設定項目が吹出口設定であるか否かを判定する(ステップS18)。選択された設定項目が吹出口設定であると判定した場合(ステップS18:YES)、制御部12aは、吹出口設定に係るサブルーチンの処理を実行する(ステップS19)。
【0060】
図12は吹出口設定のサブルーチンを示すフローチャート、
図13は吹出口設定の操作方法を示す説明図である。
図13A及び
図13Bに示すように、液晶表示パネル14に項目画像3が表示されている状態で設定吹出口画像33が選択された場合、制御部12aは、吹出口設定の内容を変更するための設定吹出口操作画像(操作画像)を有機EL表示パネル15に表示させる(ステップS81)。設定吹出口操作画像は、例えば、複数種類の送風態様を示した第1乃至第4吹出口画像43a,43b,43c,43dを含む。
後述するように使用者はタッチパネル16による第1乃至第4吹出口画像43a,43b,43c,43dのタップ操作によって、使用する吹出口を切り替えることができる。
【0061】
ステップS81の処理を終えた制御部12aは、タッチパネル16によって第1乃至第4吹出口画像43a,43b,43c,43dのタップ操作が行われたか否かを判定する(ステップS82)。タップ操作が行われたと判定した場合(ステップS82:YES)、制御部12aは、選択された第1乃至第4吹出口画像43a,43b,43c,43dのいずれかに対応する設定吹出口を特定する(ステップS83)。制御部12aは、特定された設定吹出口を一時記憶部12bに記憶させる。
【0062】
ステップS83の処理を終えた場合、又はタップ操作が行われていないと判定した場合(ステップS82:NO)、制御部12aは、吹出口設定の処理を終了するか否かを判定する(ステップS84)。例えば、制御部12aは、タッチパネル16の非操作状態が所定時間継続した場合、吹出口設定の処理を終了すると判定する。
【0063】
吹出口設定を終了しないと判定した場合(ステップS84:NO)、制御部12aは処理をステップS82へ戻す。吹出口設定を終了すると判定した場合(ステップS84:YES)、制御部12aは、有機EL表示パネル15の表示を消去し(ステップS85)、サブルーチンの処理を終える。有機EL表示パネル15の表示が消去され、サブルーチンの処理を終えた場合、後述するように液晶表示パネル14に表示する項目画像3の明るさが復帰し、設定吹出口の変更を開始する前の表示に戻る。設定吹出口画像33は、変更後の設定吹出口を表している。
【0064】
ステップS19の処理を終えた場合、又は設定項目が吹出口設定で無いと判定した場合(ステップS18:NO)、制御部12aは、ステップS15、ステップS17又はステップS19で一時記憶した変更後の温度、風量又は吹出口の設定内容を含む操作情報を、出力部12dを介して空気調和機ECU2へ出力する(ステップS20)。そして、項目画像3の内容を更新する(ステップS21)。そして、制御部12aは、液晶表示パネル14に表示する項目画像3の明るさを復帰させ(ステップS22)、処理を終える。
【0065】
このように構成された操作装置1によれば、空気調和機21の操作に必要なスイッチ19の数を低減することができる。
【0066】
また、透光性の有機EL表示パネル15は表示パネルの正面側に配されているため、使用者は透明表示パネルに表示される各種操作画像と共に、背面側に配された液晶表示パネル14に表示される項目画像3も視認することができる。
【0067】
更にまた、液晶表示パネル14及び有機EL表示パネル15は間隙を有して対向しているため、各パネルに表示される画像は、奥行きが異なる2つの面に表示される。従って、液晶表示パネル14に表示される項目画像3と、有機EL表示パネル15に表示される操作画像とを異なる階層の画像として使用者に認識させることができる。このように、項目画像3及び操作画像は奥行きが異なる2つの面に立体的に表示されるため、使用者は視線の移動を行わずとも、焦点をずらすだけで液晶表示パネル14に表示された項目画像3と、有機EL表示パネル15に表示された操作画像とを視認することができ、空気調和機21の設定操作を行うことができる。
【0068】
更にまた、液晶表示パネル14及び有機EL表示パネル15の表示面は略平行であるため、使用者は、各パネルの表示面に焦点を合わせ易く、視認性を向上させることができる。
【0069】
更にまた、項目画像3が選択され、有機EL表示パネル15に操作画像が表示される場合、制御部12aは、液晶表示パネル14に表示される項目画像3の明るさを低減させることにより、有機EL表示パネル15に表示される操作画像を際立たせて表示させることができる。従って、項目画像3を選択後、使用者の視線は、有機EL表示パネル15に表示される操作画像に誘導され、使用者は違和感無く、操作画像を視認し、空気調和機21の各種設定操作を行うことができる。
使用者は、液晶表示パネル14に表示される複数の項目画像3のいずれかをタッチパネル16によって操作することにより、空気調和機21の設定項目を選択することができる。そして、使用者は有機EL表示パネル15に表示される操作画像をタッチパネル16によって操作することにより、選択された設定項目の内容を変更することができる。
操作装置1は、タッチパネル16による操作画像の操作によって入力された、空気調和機21の温度、風量、吹出口の設定内容の情報を含む操作情報を空気調和機ECU2へ出力することができ、空気調和機21の設定内容を変更することができる。
【0070】
なお、本実施形態では項目画像3が選択操作された場合、液晶表示パネル14に表示する項目画像3の明るさを低減させる例を説明したが、項目画像3の彩度、色彩等を変更するように構成しても良い。
【0071】
また、本実施形態では表示パネルに、1枚の有機EL表示パネル15を配する例を説明したが、表示パネルの正面側に複数の透明表示パネルを配するように構成しても良い。複数の透明表示パネルのいずれか一つに画像を表示させる場合、他の透明表示パネル及び表示パネルに表示する画像の明るさを低減し、又は該画像を非表示にすると良い。例えば、一の透明表示パネルに画像を表示する場合、該一の透明表示パネルの正面側に配された透明表示パネルを非表示にし、前記一の透明表示パネルの背面側に配された透明表示パネル及び表示装置に表示される画像の明るさを低減させると良い。
【0072】
更に、本実施形態では液晶表示パネル14に有機EL表示パネル15を配した実施形態を説明したが、各表示パネルの種類はこれらに限定されるものでは無い。
【0073】
更にまた、本実施形態では空気調和機21を操作する操作装置1を説明したが、音響機器、カーナビゲーション装置、その他の車載装置を操作する操作装置1に本発明を適用しても良い。
【0074】
更に、本実施形態では、操作装置の制御装置と、空気調和機とが空気調和機ECUを介して接続される構成を説明したが、操作装置の制御装置が空気調和機に直接的に接続され、該制御装置が空気調和機の動作を制御するように構成しても良い。
【0075】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。