(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、実施形態に係るワイヤーハーネスモジュールについて説明する。
図1及び
図2は、
図1及び
図2はワイヤーハーネスモジュール20を示す概略斜視図である。
図1はワイヤーハーネスモジュール20を車両に組付ける前の形態を示しており、
図2はワイヤーハーネスモジュール20を車両に組付けた形態を示している。
【0019】
このワイヤーハーネスモジュール20は、ワイヤーハーネス22と、外装部材30と、車両固定部品としての第1曲げ状態保持用車両固定部品40と、第2曲げ状態保持用車両固定部品50とを備える。
【0020】
ワイヤーハーネス22は、複数の電線が分岐しつつ束ねられることにより形成されている。なお、各図では、複数の電線が束ねられた外形を示している。
図1及び
図2に示す例では、ワイヤーハーネス22は、その延在方向途中の2箇所で分岐している。ここでは、ワイヤーハーネス22は、幹線部分23と、当該幹線部分23の途中で分岐する分岐部分24a、24bとを備えている。ワイヤーハーネス22には、光ケーブル等が含まれていてもよい。
【0021】
ワイヤーハーネス22の各端部、すなわち、幹線部分23の両端部には、コネクタ25、26が取付けられ、分岐部分24a、24bの端部には、コネクタ27が取付けられている。
【0022】
コネクタ25、27は、それぞれ1つのハウジング部を有するコネクタであり、電線の端部の端子が当該コネクタのハウジングのキャビティ内に挿入保持されることによって、幹線部分23の端部及び分岐部分24a、24bの端部にコネクタ25、27が取付けられている。
【0023】
コネクタ26は、2つのハウジング部26aがその基端側の連結部26bを介して間隔をあけて並列状態で連結されて構成とされている。2つのハウジング部26aと連結部26bとは樹脂等によって一体的に金型成形されたものであってもよいし、別々に金型成形された2つのハウジング部26aに対して、これらとは別体に金型成形された連結部26bが嵌め込み固定等された構成であってもよい。2つのハウジング部26aの位置関係は、接続先となる相手側の2つのコネクタのハウジング部の位置に応じて決められている。
【0024】
そして、本ワイヤーハーネス22が車両に組付けられた状態で、各コネクタ25、26、27が相手側のコネクタに接続される。これにより、当該相手側のコネクタに接続されている各種電気部品同士が電気的に接続される。すなわち、本ワイヤーハーネス22は、車両における各種電気部品同士を電気的に接続する配線材として用いられる。
【0025】
なお、本ワイヤーハーネス22が組付けられる車両は、4輪自動車であってもよいし、2輪自動車であってもよい。
【0026】
外装部材30は、上記ワイヤーハーネス22に外装された部材である。
【0027】
ここでは、外装部材30は、樹脂を押出成形することによって形成された筒状部材である。外装部材30が軟質な樹脂又は曲げ可能な程度の厚みの筒状に形成されていれば、外装部材30を曲げ可能に構成することができる。例えば、外装部材30は、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等をベース樹脂とする材料によって形成するとよい。
【0028】
ここでは、外装部材30の延在方向全体が、直線状態から所定方向に最もよく曲るように曲げ方向を規制された構成とされている。具体的には、外装部材30の延在方向に対して直交する面において、外装部材30の断面形状が細長い環状形状、ここでは、一方に長い長方形環状をなすように形成されている。換言すれば、外装部材30は、長方形角筒状に形成されている。かかる外装部材30は、その直線状態から、その断面形状が短い方向(
図1の矢符A方向参照)においては比較的容易に曲ることができる一方、その断面形状が長い方向(
図1の矢符B方向参照)においては前者の方向よりも曲り難い。このため、外装部材30の延在方向の全体が、直線状態から所定方向(
図1の矢符A方向参照)に最もよく曲るように曲げ方向を規制する曲げ方向規制部として構成されていることになる。これにより、後に説明するように外装部材30を曲げることによって、ワイヤーハーネスモジュール20をコンパクトな構成にして搬送等することができる(
図6参照)。
【0029】
なお、上記ワイヤーハーネス22は、外装部材30の一端側の開口から当該外装部材30内に通していくことによって、または、外装部材30にその延在方向に沿ったスリットを形成し、そのスリットを通じて外装部材30内に配設される。また、外装部材30の延在方向の途中には開口が形成されており、分岐部分24a、24bは当該開口を通って外部に引出されている。
【0030】
なお、外装部材は、その他、楕円筒形状等であっても、所定方向に最もよく曲るように曲げ方向を規制することができる。また、外装部材の延在方向の一部にのみ、曲げ方向規制部が設けられていてもよい。
【0031】
もっとも、外装部材が所定方向に最もよく曲るように曲げ方向を規制していることは必須ではなく、外装部材は円筒形状、正方形筒形状等に形成されていてもよい。また、外装部材としてコルゲートチューブが用いられてもよい。このような場合であっても、ワイヤーハーネスに外装部材を取付ける前の状態と比べると、当該ワイヤーハーネスは自由に曲り難くなる。もっとも、外装部材30は、曲げ不能な程度の剛性を有していてもよい。
【0032】
なお、外装部材30が設けられていることは必須ではなく、この場合、車両固定部品が結束バンド等を用いて直接ワイヤーハーネス22に取付けられていてもよい。
【0033】
図3は第1曲げ状態保持用車両固定部品40を示す斜視図であり、
図4は第2曲げ状態保持用車両固定部品50を示す斜視図であり、
図5は第1曲げ状態保持用車両固定部品40と第2曲げ状態保持用車両固定部品50との合体状態を示す斜視図である。
【0034】
第1曲げ状態保持用車両固定部品40及び第2曲げ状態保持用車両固定部品50は、外装部材30に対してその延在方向において離れた位置に取付けられた部品である。第1曲げ状態保持用車両固定部品40と第2曲げ状態保持用車両固定部品50との間には、外装部材30をその弾性変形域で曲げて第1曲げ状態保持用車両固定部品40と第2曲げ状態保持用車両固定部品50とを合体させることができる寸法以上の間隔が設けられている。
【0035】
第1曲げ状態保持用車両固定部品40は、外装部材用の車両固定部品であり、樹脂等によって一体的に金型成形された部品であり、外装部材取付部42と、車両固定部44と、嵌め込み保持部46、48とを備える。
【0036】
外装部材取付部42は、上記外装部材30の延在方向の一部に取付可能に構成されている。ここでは、外装部材取付部42は、基部42aと、一対の側部42bとを備える。
【0037】
基部42aは、外装部材30の幅広側の外面に対してその幅方向全体に亘って配設可能な細長板状に形成されている。一対の側部42bは、基部42aの両側部から基部42aの一方主面側に立上がる形状に形成されている。一対の側部42bは、外装部材30の幅狭側の外面を越える程度の長さ寸法に形成されている。また、一対の側部42bの先端部には、その内向きに突出する係止片42cが形成されている。基部42aと一対の側部42bとの間に、外装部材30を配設可能な空間が形成されている。
【0038】
そして、基部42aの内向き面を外装部材30の幅広側の一方の外面に接触させると共に、一対の側部42bの内向き面を外装部材30の幅狭側の一対の外面に接触させ、係止片42cを外装部材30の幅広側の他方の外面の両側部に当接させることで、外装部材取付部42が外装部材30に対して取付けられ、第1曲げ状態保持用車両固定部品40全体としても外装部材30に取付けられる。
【0039】
車両固定部44は、車両の取付対象部位10(
図1参照)に固定可能に構成されている。
【0040】
ここでは、車両の取付対象部位10は板状に形成された部分であり、この取付対象部位10には、孔10hが形成されている。
【0041】
車両固定部44は、基部42aの外面の中央部から外方に向けて突出する柱状部44aと、柱状部44aの先端部に突設された一対の抜止め突部44bとを備える。抜止め突部44bは、柱状部44aの先端部から基端部に向けて外方に広がるように突設されている。そして、上記取付対象部位10の孔10hに本車両固定部44を挿入すると、前記抜止め突部44bが孔10hの周縁部に抜止め係止し、もって、車両固定部44が取付対象部位10に対して一定位置に固定される。この車両固定部44の構成自体は、クランプ、クリップ等とよばれる部品として、車両への取付用構造として採用されているものである。
【0042】
嵌め込み保持部46、48は、ワイヤーハーネス22のうち外装部材30から延出する部分を保持可能に構成されている。
【0043】
ここでは、一対の側部42bの一方側に嵌め込み保持部46が形成され、他方側に嵌め込み保持部48が形成されている。
【0044】
嵌め込み保持部46、48は、保持対象となるワイヤーハーネス22の部分、ここでは、ワイヤーハーネス22の幹線部分23の一端部と、分岐部分24aとを保持可能に構成されている。
【0045】
具体的には、嵌め込み保持部46、48は、一対の側部42bの外向き部分に、外装部材30の延在方向に沿った溝を形成することによって形成されている。
【0046】
溝は幹線部分23の一端部又は分岐部分24aを圧入状態で嵌め込むことができる程度の幅及び深さに形成されている。ここでは、溝は、断面半円弧状の溝形状に形成されている。溝は、幹線部分23の一端部又は分岐部分24aをより確実に保持できるように、開口外側で幅狭(やや幅狭)となる形状(例えば、断面半円弧よりも中心角が大きい溝形状)に形成されていることが好ましいが、これは必須ではない。
【0047】
そして、幹線部分23の一端部又は分岐部分24aを、外装部材30の延在方向に沿うように当該外装部材30の外周部に沿って配設し、嵌め込み保持部46、48に嵌め込む。これにより、幹線部分23の一端部又は分岐部分24aの基端側部分が曲げられ、その曲げ部分よりも先端側の部分が外装部材30に沿って配設された状態で保持される。そして、幹線部分23の一端部又は分岐部分24aを、外装部材30の嵌め込み保持部46、48から離れる方向に移動させることで、当該嵌め込み保持部46、48から取外すことができる。
【0048】
上記のように幹線部分23の一端部又は分岐部分24aを、嵌め込み保持部46、48に嵌め込むと、それらの先端部のコネクタ25、27は、車両固定部品である第1曲げ状態保持用車両固定部品40を介して車両に対して一定位置に配設されるように保持される。つまり、コネクタ25、27は、当該コネクタ25、27から延出するワイヤーハーネス22の部分である幹線部分23の一端部又は分岐部分24aを、嵌め込み保持部46、48に嵌め込むことで、第1曲げ状態保持用車両固定部品40に対して一定位置に保持される。第1曲げ状態保持用車両固定部品40は、車両に対して一定位置に固定される部品であるので、車両に対して一定位置に配設されるように保持されているといえる。また、コネクタ25、27は、取外し可能な状態で、第1曲げ状態保持用車両固定部品40に保持されている。
【0049】
第2曲げ状態保持用車両固定部品50は、外装部材用の車両固定部品であり、樹脂等によって一体的に金型成形された部品であり、外装部材取付部52と、車両固定部54と、嵌め込み保持部56、58とを備える。
【0050】
外装部材取付部52は、上記外装部材30の延在方向の一部に取付可能に構成されている。ここでは、外装部材取付部52は、基部42aに対応する基部52aと、一対の側部42bに対応する一対の側部52bとを備える。この外装部材取付部52は、上記外装部材取付部42と同様構成であるため、その説明を省略する。
【0051】
車両固定部54は、車両の取付対象部位10(
図1参照)に固定可能に構成されている。
【0052】
ここでは、車両の取付対象部位10には、上記孔10hから離れた位置に取付突部10pが設けられている。この取付突部10pは、上記車両固定部44と同様構成である。
【0053】
車両固定部54は、一対の固定突部55aを含む。一対の固定突部55aは、基部52aの外面の中央部の間隔をあけた位置から外方に向けて突出している。一対の固定突部55aの基端部55ab間には間隔が隔てられており、一対の固定突部55aの先端部には、内向きに突出する突部55acが突設されている。突部55ac間にも隙間が設けられているが、この隙間の間隔は、基端部55ab間の間隔よりも小さい。従って、一対の固定突部55aの基端部55abの間であって、一対の突部55acの内側には、一対の突部55acの隙間よりも大きな幅の空間が広がっている。また、一対の突部55acの先端部には、弧状の凹部55adが形成されている。一対の凹部55adは、互いに向合っており、上記取付突部10pを挿入固定可能な孔状の空間を形成している。
【0054】
そして、取付突部10pを一対の凹部55ad内に挿入すると、上記車両固定部44が取付対象部位10の孔10hに挿入固定されるとの同様構成によって、一対の凹部55adに抜止め係止される。
【0055】
車両固定部44と取付突部10pとは同様構成であるため、車両固定部44も一対の凹部55ad内に挿入して抜止め係止することができる。この状態では、柱状部44aの基端部が一対の凹部55ad内に配設されると共に、一対の抜止め突部44bが一対の固定突部55aの基端部55ab間の空間に配設され、当該空間側から一対の突部55acに抜止め係止している。
【0056】
従って、第1曲げ状態保持用車両固定部品40と第2曲げ状態保持用車両固定部品50とは、合体可能とされている。しかも、第1曲げ状態保持用車両固定部品40と第2曲げ状態保持用車両固定部品50とは、それぞれの車両固定部44、54同士が係止し合うことで合体可能とされている。
【0057】
そして、この状態から、車両固定部44を、一対の先端部間の隙間に沿った側方に移動させることによって、車両固定部44を車両固定部54から引抜くことができる。つまり、第1曲げ状態保持用車両固定部品40と第2曲げ状態保持用車両固定部品50とは、分離可能に合体可能とされている。
【0058】
嵌め込み保持部56は、ワイヤーハーネス22のうち外装部材30から延出する部分を保持可能に構成されている。
【0059】
ここでは、嵌め込み保持部56は、一対の側部52bの一方に形成されており、上記嵌め込み保持部46、48と同様構成とされ、分岐部分24bを保持可能に構成されている。
【0060】
また、嵌め込み保持部58は、一対の側部52bの他方に形成されており、ワイヤーハーネス22の端部に取付けられているコネクタ26を嵌め込み保持可能に構成されている。
【0061】
ここでは、一対の側部52bの他方にL字状の面58fが形成されており、その面58fの一端部及び他端部に係止突部58pが形成されている。そして、コネクタ26の連結部26bがL字状の面58fによって囲まれる空間内に配設されると、各係止突部58pが連結部26bに係止して、コネクタ26の連結部26bが嵌め込み保持部58に対して嵌め込み保持される。
【0062】
そして、幹線部分23の他端部を、外装部材30の延在方向に沿うように当該外装部材30の外周部に沿って配設し、コネクタ26を嵌め込み保持部58に嵌め込む。これにより、幹線部分23の他端部の基端側部分が曲げられ、その曲げ部分よりも先端側の部分が外装部材30に沿って配設された状態で保持される。つまり、コネクタ26は、車両固定部品である第2曲げ状態保持用車両固定部品50に保持される。第2曲げ状態保持用車両固定部品50は、車両に固定される部品であるので、コネクタ26は、車両に対して一定位置に配設されるように保持されているともいえる。
【0063】
また、コネクタ26を、外装部材30の嵌め込み保持部58から離れる方向に移動させることで、当該嵌め込み保持部58から取外すことができる。
【0064】
このように、本ワイヤーハーネス22の端部のコネクタ25、26、27の全ては、車両固定部品である第1曲げ状態保持用車両固定部品40と第2曲げ状態保持用車両固定部品50を介して車両に対して一定位置に配設されるように保持されている。具体的には、コネクタ25、27は、当該コネクタ25、27から延出するワイヤーハーネス22の部分である幹線部分23の一端部又は分岐部分24a、24bを、嵌め込み保持部46、48、56に嵌め込むことで、前記ワイヤーハーネスに対して一定位置にて、取外し可能な状態で保持されている、また、コネクタ26は、当該コネクタ26の連結部26bが嵌め込み保持部58に嵌め込まれることで、第2曲げ状態保持用車両固定部品50に対して一定位置にて、取外し可能な状態で保持されている。そして、第1曲げ状態保持用車両固定部品40と第2曲げ状態保持用車両固定部品50を車両に固定した状態で、本ワイヤーハーネス22の端部のコネクタ25、26、27の全ては、車両固定部品である第1曲げ状態保持用車両固定部品40と第2曲げ状態保持用車両固定部品50を介して車両に対して一定位置に配設される。
【0065】
このようにコネクタ25、26、27が、車両固定部品である第1曲げ状態保持用車両固定部品40と第2曲げ状態保持用車両固定部品50を介して車両に対して一定位置に配設される構成としては、当該コネクタ26自体が車両固定部品側の部材に取付けられる構成に限られず、コネクタ25、27から延出するワイヤーハーネス22の部分(分岐部分24a、24b、幹線部分23の一端部)がワイヤーハーネス22側の部材に取付けられる構成を含む。
【0066】
もっとも、コネクタ25、27から延出するワイヤーハーネス22の部分(分岐部分24a、24b、幹線部分23の一端部)が車両固定部品側の部材に取付けられる構成においては、ワイヤーハーネス22の部分(分岐部分24a、24b、幹線部分23の一端部)の剛性、柔軟性、コネクタ25、27の重量等を考慮して、当該コネクタ25、27が車両固定部品に対して一定位置に保持されるようにすることが好ましい。
【0067】
例えば、ワイヤーハーネス22の部分(分岐部分24a、24b、幹線部分23の一端部)が細い場合(電線本数が少ない場合、各電線が細い場合等)、コネクタ25、27が重い場合には、なるべくコネクタ25、27に近い部分で、ワイヤーハーネス22の部分(分岐部分24a、24b、幹線部分23の一端部)を支持するとよい。また、逆に、例えば、ワイヤーハーネス22の部分(分岐部分24a、24b、幹線部分23の一端部)が太い場合(電線本数が多い場合、各電線が太い場合等)、コネクタ25、27が軽い場合には、ある程度コネクタ25、27から離れた部分で、ワイヤーハーネス22の部分(分岐部分24a、24b、幹線部分23の一端部)を支持してもよい。いずれにせよ、例えば、ワイヤーハーネス22を、コネクタ25、27側から視た場合において、車両固定部品に対して車両に固定された外装部材30に対して当該コネクタ25、27が重複して観察され得る程度で、コネクタ25、27が車両に対して一定位置で保持できればよい。
【0068】
また、コネクタ25、26、27及びワイヤーハーネス22の部分(分岐部分24a、24b、幹線部分23の端部等)は、車両固定部品に対して直接取付けられる必要はなく、当該車両固定部品によって車両に対して一定位置に保持される外装部材30、当該外装部材30に取付けられた部品、コネクタに取付けられた車両固定部品(この例については後で説明する)等を介して車両に対して一定位置に保持されてもよい。
【0069】
このワイヤーハーネスモジュール20では、搬送形態においては、
図6に示すように、外装部材30をその延在方向途中(例えば中央位置)で折返すように折曲げ、第1曲げ状態保持用車両固定部品40と第2曲げ状態保持用車両固定部品50とを合体させる。これにより、ワイヤーハーネスモジュール20の全長が初期状態の長さ寸法よりも半分程度になり、そのコンパクト化が可能となる。
【0070】
また、幹線部分23の両端部、分岐部分24a、24b、或はコネクタ26を、嵌め込み保持部46、48、56、58に嵌め込み保持させる。これにより、幹線部分23の両端部及び分岐部分24a、24bがワイヤーハーネス22の幹線部分23の中間部に沿って配設された状態となる。これにより、搬送形態のコンパクト化が図られると共に、ワイヤーハーネス22の端部が他と絡まり難くなる。
【0071】
そして、このように配送形態とされたワイヤーハーネス22を車両に組付ける際には、第1曲げ状態保持用車両固定部品40と第2曲げ状態保持用車両固定部品50とを掴んで、それらの合体状態を解除する。そして、第1曲げ状態保持用車両固定部品40を車両の取付対象部位10に固定すると共に、第2曲げ状態保持用車両固定部品50を車両の取付対象部位10に固定する(
図1参照)。あるいは、逆に、第1曲げ状態保持用車両固定部品40及び第2曲げ状態保持用車両固定部品50の一方を車両に固定した後、それらの合体状態を解除し、第1曲げ状態保持用車両固定部品40及び第2曲げ状態保持用車両固定部品50の他方を車両に固定する。
【0072】
このように、幹線部分23を、第1曲げ状態保持用車両固定部品40及び第2曲げ状態保持用車両固定部品50を介して車両の取付対象部位10に固定した状態で、コネクタ25、26、27は、第1曲げ状態保持用車両固定部品40及び第2曲げ状態保持用車両固定部品50に対して一定位置に保持され、もって、車両に対して一定位置に保持されることになる。このため、作業者は各コネクタ25、26、27を容易に見つけることができる。そして、幹線部分23の一端部及び分岐部分24a、24bを嵌め込み保持部46、48、56から取外し、各コネクタ25、27を車両の各電気部品12のコネクタに接続する。また、コネクタ26を嵌め込み保持部58から取外し、当該コネクタ26を車両の電気部品12に接続する。特に、コネクタ25、26、27は、それぞれ別々に保持されているため、一つずつ取外して接続作業を実施できる。
【0073】
このように構成されたワイヤーハーネスモジュール20によると、ワイヤーハーネス22の端部に取付けられた全てのコネクタ25、26、27が、車両に対して一定位置に配設されるように、取外し可能な状態で保持されている。このため、コネクタ25、26、27の接続作業前において、ワイヤーハーネス22に対する各コネクタ25、26、27の位置が定っている。これにより、各コネクタ25、26、27の位置を容易に把握することができる。従って,作業者等は、各コネクタ25、26、27を車両の電気部品12等に接続する作業を容易に行える。
【0074】
なお、例えば、各コネクタ25、26、27を車両の電気部品12等に接続する作業をロボットハンド等で掴んで行う場合でも、コネクタ25、26、27の位置が一定に定っているため、その位置のティーチング、コネクタの位置認識処理等を容易に行える。このため、上記構成は、ワイヤーハーネスモジュール20の車両への自動組付にも適する。
【0075】
また、ワイヤーハーネスモジュール20は、ワイヤーハーネス22を覆う外装部材30を備えるため、ワイヤーハーネス22がある程度曲げ規制される。これにより、ワイヤーハーネス22に対するコネクタ25、26、27の保持位置がより確実に一定となる。これにより、各コネクタ25、26、27の位置をより容易に把握することができる。
【0076】
しかも、外装部材30に取付けられた第1曲げ状態保持用車両固定部品40及び第2曲げ状態保持用車両固定部品50によって、コネクタ25、26、27が車両に対して一定位置に保持されることになる。このため、第1曲げ状態保持用車両固定部品40及び第2曲げ状態保持用車両固定部品50、つまり、車両を基準として、つまり、車両各コネクタ25、26、27の位置が定る。このため、各コネクタ25、26、27の位置をより把握し易くなる。
【0077】
{変形例}
上記実施形態では、車両固定部品がワイヤーハーネスの電線部分に取付けられた例で説明したが、車両固定部品がコネクタに取付けられ、当該車両固定部品が車両に固定されることで、当該コネクタが車両に対して一定位置に保持されてもよい。
【0078】
この例についてより具体的に説明する。
【0079】
図7はコネクタ接続装置120を示す概略側面図であり、
図8はコネクタ接続装置120を示す斜視図である。
図9は第1コネクタホルダ付連結部分136を示す斜視図であり、
図10は第1連結部分付電線モジュール134を示す斜視図であり、
図11は第2コネクタホルダ付連結部分236及び第2連結部分付電線モジュール234を示す斜視図である。
【0080】
<全体構成>
まず、コネクタ接続装置120の全体構成について説明する。このコネクタ接続装置120は、車両における2つの部分110、112同士を連結する構成部分に適用される。車両における2つの連結部分としては、例えば、車両において金属板金等で形成された車体部分と、当該金車体部分に固定される各種車両部品が想定される。車両部品としては、例えば、車両の車幅方向に沿って配設されるレインフォース、座席、ステアリングシャフト等が想定される。
【0081】
コネクタ接続装置120は、第1連結部分130及び第2連結部分230と、第1電線モジュール160と、第2電線モジュール260とを備える。
【0082】
第1連結部分130及び第2連結部分230は、車両における2つの部分110、112同士を連結可能に構成されている。第1連結部分130は、車両の部分110の一部又は当該部分110に固定される部分である。また、第2連結部分230は、車両の部分112の一部又は当該部分112に固定される部分である。
【0083】
ここでは、第1連結部分130は、車両の部分110に、例えば、溶接、ネジ止め、ボルト締等によって、固定される部分である。また、第2連結部分230は、車両の部分112の一部であり、例えば、レインフォースの端部等である。そして、第1連結部分130と第2連結部分230とが連結されることで、車両の部分112が車両の部分110に対して固定される。
【0084】
第1電線モジュール160は、複数の第1電線162と、複数の第1電線162の端部に取付けられた第1コネクタ164とを含む。
【0085】
複数の第1電線162は、分岐しつつ束ねられている。束ねられた複数の第1電線162の全部又は一部の端部に第1コネクタ164が取付けられている。ここでは、複数の第1電線162が幹線を構成するように束ねられており、その幹線の一端部において複数の第1電線162が複数(
図8では5つのグループを想定)のグループに分けられている。そして、その複数のグループの少なくとも一部(
図8では2つのグループを想定)に、第1コネクタ164が取付けられている。なお、複数の第1電線162の他の部分のコネクタは、上記実施形態と同様に保持されている。
【0086】
なお、複数のグループのうちの他の2つのグループには、第3コネクタ166、168が取付けられている。第3コネクタ166、168は、第1連結部分130と第2連結部分230との連結によっては接続されないコネクタである。第3コネクタ166は、例えば、第1連結部分130と第2連結部分230との周辺に配設される他のコネクタに接続されるコネクタである。第3コネクタ166は、第1電線モジュール160を車両に組付ける際に前記他のコネクタに接続されてもよいし、第1電線モジュール160を車両に組付けた後、必要に応じて他のコネクタに接続されるもの(オプション用のコネクタ等)であってもよい。第3コネクタ168は、例えば、車両の自己診断情報を外部に出力するための検査用コネクタである。この第3コネクタ168は、第1連結部分130に対して、外部から他のコネクタを接続可能な姿勢で取りつけられている。車両完成後等において、必要に応じて、診断情報読取装置側のコネクタが本第3コネクタ168に接続される。
【0087】
また、複数のグループのうち他の1つのグループ(ここでは1つの第1電線162のみ属するグループ)の端部には、孔が形成されたアース端子163が接続されている(
図10参照)。
【0088】
第2電線モジュール260は、少なくとも1つの第2電線262と、複数の第2電線262の端部に取付けられた第2コネクタ264とを含む。
【0089】
ここでは、第2電線モジュール260は、複数の第2電線262を含む。複数の第2電線は、1本に束ねられていてもよいし、分岐しつつ束ねられていてもよい。束ねられた複数の第2電線262の全部又は一部の端部に第2コネクタ264が取付けられている。ここでは、複数の第2電線262が幹線を構成するように束ねられており、その幹線の一端部において複数の第2電線262が複数(
図8では3つのグループを想定)のグループに分けられている。そして、その複数のグループの少なくとも一部(
図8では2つのグループを想定)に、第2コネクタ264が取付けられている。なお、複数の第2電線262の他の部分のコネクタは、上記実施形態と同様に保持されている。
【0090】
なお、複数のグループのうちの他のグループには、第4コネクタ266が取付けられている。第4コネクタ266は、第1連結部分130と第2連結部分230との連結によっては接続されないコネクタである。第4コネクタ266は、例えば、第1連結部分130と第2連結部分230との周辺に配設される他のコネクタに接続されるコネクタである。例えば、第1連結部分130と第2連結部分230との周辺に電子制御ユニット(ECU)114が配設され、この電子制御ユニット114の筐体にコネクタ115が設けられている場合が考えられる。そして、第4コネクタ266が電子制御ユニット114のコネクタ115に接続される。
【0091】
なお、通常、第1電線162又は第2電線262の端部に取付けられた端子が、第1コネクタ164、第2コネクタ264、第3コネクタ166、168、第4コネクタ266のハウジングに形成されたキャビティに挿入されることで、第1電線162又は第2電線262の端部に、第1コネクタ164、第2コネクタ264、第3コネクタ166、168、第4コネクタ266が取付けられる。
【0092】
上記第1コネクタ164は、第1連結部分130に取付けられており、第2コネクタ264は、第2連結部分230に取付けられている。第1連結部分130と第2連結部分230とを連結する際、両者は所定の突き合せ方向Pに沿って突合わされる。第1コネクタ164は、突き合せ方向Pにおいて第2連結部分230側を向いており、第2コネクタ264は、突き合せ方向Pにおいて第1連結部分130側を向いている。また、突き合せ方向Pに対して直交する面で観察すると、第1コネクタ164と第2コネクタ264とは同じ位置に配設されている。さらに、第1連結部分130と第2連結部分230とを連結した状態で、突き合せ方向Pにおいて、第1コネクタ164の先端部と第2コネクタ264の先端部とは重なり合う位置関係に配設されている。そして、第1連結部分130と第2連結部分230とを突合わせつつ連結すると、第1コネクタ164と第2コネクタ264とがコネクタ接続されるようになっている。
【0093】
つまり、第1連結部分130と第2連結部分230とを連結することによって、第1電線モジュール160の第1コネクタ164と第2電線モジュール260の第2コネクタ264との接続がなされることになり、両コネクタ164、264同士の接続を容易に行える。
【0094】
<第1連結部分側の構成について>
第1連結部分130側の構成についてより具体的に説明する。
【0095】
第1連結部分130側には、第1連結部分付電線モジュール134が設けられる。第1連結部分付電線モジュール134は、第1連結部分130と第1電線モジュール160とを備える。第1電線モジュール160の第1コネクタ164は、第1コネクタホルダ140を介して第1連結部分130に取付けられている。
【0096】
第1連結部分130と第1コネクタホルダ140とによって、第1コネクタホルダ付連結部分136が構成されている。
【0097】
もっとも、第1コネクタは、ネジ止、嵌め込み構造等によって直接第1連結部分に取付けられていてもよい。
【0098】
第1連結部分130は、車両における部分110に固定可能に構成されている。ここでは、第1連結部分130は、対向する位置に形成された2つの主面を有するブロック状に形成されている。第1連結部分130の一方主面を部分110に面接触させた状態で、第1連結部分130が当該部分110に対して溶接、ネジ止め、ボルト締等によって固定されている。この状態で、第1連結部分130の他方側主面は、部分110の反対側に向いている。
【0099】
第1連結部分130は、鉄、銅、アルミニウム、ステンレス等によって形成された導電性部材である。このため、第1連結部分130は、金属板金等によって形成された車体の部分110に電気的に接続された状態で、部分110に固定されている。第1連結部分130の内部は中空であってもよいし、埋っていてもよい。
【0100】
第1連結部分130の他方主面に、ネジ孔130Sが形成されている。ここでは、第1連結部分130の他方主面に、2つのネジ孔130Sが形成されている。一方のネジ孔130Sの開口を囲むように端子固定凹部131が形成されている。そして、第1電線162の端部に接続されたアース端子163の先端部の接続部が上記端子固定凹部131に嵌め込まれる(
図10参照)。
【0101】
また、第1連結部分130の一側部には、第1コネクタホルダ140を取付けるための取付片132が突設されている。ここでは、第1連結部分130の一側部に、間隔をあけて一対の取付片132が突設されている。取付片132は、第1連結部分130の一側部から外方に延出すると共にその延出部分の先端部で前記他方主面側に延びるL字状の形状に形成されている(
図10参照)。
【0102】
第1コネクタホルダ140は、樹脂等によって形成された部材であり、コネクタ支持部142と、電線収容部144と、固定部146とを備える。
【0103】
コネクタ支持部142は、第2連結部分230側より嵌め込まれる第1コネクタ164を嵌め込み可能なコネクタ支持凹部143が形成された枠状に形成されている。コネクタ支持凹部143には、第1コネクタ164の背部を受ける段部143Sが形成されている。そして、第1コネクタ164がコネクタ支持凹部143に嵌め込まれた状態で、その背部が段部143Sによって受止められる。これにより、第1コネクタ164が第1コネクタ164を介して第1連結部分130に取付けられる。この状態で、第1コネクタ164の先端部は、コネクタ支持部142よりも第2連結部分230側に突出しており、第1連結部分130と第2連結部分230とを連結した状態で、当該第2連結部分230に取付けられた第2コネクタ264が第1コネクタ164にコネクタ接続される。
【0104】
なお、第1コネクタ164の背部から延出する第1電線162は、コネクタ支持凹部143の内側において段部143S間を通って第1コネクタホルダ140内に導かれる。
【0105】
電線収容部144は、コネクタ支持部142の背部及び一側方において、第1電線162を覆いつつ案内するように構成されている。第1コネクタ164の背部から延出する第1電線162は、電線収容部144を通って第1コネクタホルダ140外に引出される。
【0106】
固定部146は、扁平な角筒形状に形成されており、第1コネクタホルダ140の両側部に設けられている。そして、第1コネクタホルダ140の一側部を、第1連結部分130の一側部に接触させた状態で、取付片132の先端部を当該固定部146内に嵌め込むことで、第1コネクタホルダ140が第1連結部分130の一側部に取付けられる。
【0107】
また、この第1コネクタホルダ140には、上記第3コネクタ166、168を保持する追加コネクタ保持部147、148が設けられている。
【0108】
追加コネクタ保持部147は、電線収容部144の外向き壁部分に設けられている。追加コネクタ保持部147は、4つの同径円を縦横に2つずつ並べた形状の外周輪郭をなす凹形状に形成されている。そして、第1電線162の端部に取付けられた検査用コネクタ等の第3コネクタ166が本追加コネクタ保持部147に嵌め込まれた状態で保持される(
図8参照)。この状態で、第3コネクタ166の先端部は外方を向いており、通常状態では、第3コネクタ166に、その先端側開口を閉じるキャップが嵌め込まれる。そして、必要に応じて、診断情報読取装置側のコネクタが本第3コネクタ168に接続される。よって、この第3コネクタ166は、追加コネクタ保持部147に対して取外し不能な状態で、保持されていてもよい。
【0109】
追加コネクタ保持部148は、一方の固定部146に設けられている。ここでは、追加コネクタ保持部148、細長い棒状(角棒状)に形成されており、固定部146の一側部から外方に延出するように設けられている。第3コネクタ168の外周部には、追加コネクタ保持部148を挿入可能な挿入孔が形成された挿入部169が形成されている。そして、追加コネクタ保持部148が第3コネクタ168の挿入部169の挿入孔に挿入されることで、第3コネクタ168が追加コネクタ保持部148に保持される。
【0110】
この第3コネクタ168は、例えば、第1連結部分130が車両の部分110に固定された状態で、追加コネクタ保持部148から取外され、他のコネクタに接続される。つまり、追加コネクタ保持部148は、車両に固定される部分である連結部分130に対して、第3コネクタ168を取外し可能な状態で一定位置に保持している。
【0111】
このため、第3コネクタ168を他のコネクタに接続しようとする際に、第3コネクタ168の位置が一定に定っており、作業者等は、当該第3コネクタ168の位置を容易に把握して、その接続作業を容易に行えることになる。
【0112】
上記第1コネクタホルダ140、或は、第1コネクタホルダ140及び第1連結部分130を含む構成は、第1コネクタ164に取付けられて、その第1コネクタ64を車両の部分110に対して一定位置に保持するコネクタ用車両固定部品であるといえる。また、第3コネクタ166、168は、第1コネクタホルダ140に取付けられている。従って、本第1コネクタホルダ140は、第3コネクタ166、168を、車両に対して一定位置に保持するための車両固定部品であるともいえる。
【0113】
第1電線モジュール160のその他のコネクタが、上記実施形態と同様に、車両固定部品を介して車両に対して一定位置に配設されるように保持されることで、ワイヤーハーネスとしての第1電線モジュール160の端部の全てのコネクタが、車両固定部品を介して車両に対して一定位置に配設されることになる。
【0114】
<第2連結部分側の構成について>
第2連結部分230側の構成についてより具体的に説明する。
【0115】
第2連結部分230側には、第2連結部分付電線モジュール234が設けられる。第2連結部分付電線モジュール234は、第2連結部分230と第2電線モジュール260とを備える。第2電線モジュール260の第2コネクタ264は、第2コネクタホルダ240を介して第2連結部分230に取付けられている。
【0116】
第2連結部分230と第2コネクタホルダ240とによって、第2コネクタホルダ付連結部分236が構成されている。
【0117】
第2連結部分230は、車両における部分112の一端部に設けられている。ここでは、第2連結部分230は、棒状(ここでは丸棒状)形成され、その先端部はその手前側部分よりも太径に形成されている。第2連結部分230の先端部には、その周方向に広がる鍔部231が形成されている。鍔部231のうち上記ネジ孔130Sに対応する位置にネジ挿通孔が形成されている。第2連結部分230の先端部は、円の両側部を切除したような平面上に形成されている。なお、第2連結部分230内は中空であってもよいし、埋っていてもよい。また、第2連結部分230は、金属等の導電性部材によって形成されていてもよいし、樹脂等によって形成されていてもよい。ここでは、第2連結部分230は、金属によって形成されている。
【0118】
なお、第2連結部分230の基端部には、車両の他の部分112(レインフォース、座席、ステアリングシャフト等)が繋がっている。
【0119】
そして、第2連結部分230の先端側の面を、第1連結部分130の他方の主面に面接触させるように突合わせた状態で、ネジSを鍔部231のネジ挿通孔に通し、第1連結部分130のネジ孔130Sに螺合させて締付けることで、第1連結部分130と第2連結部分230とが連結状態に支持される。ここでは、第1連結部分130の他方主面及び第2連結部分230の先端面に対して直交する方向(第2連結部分230の軸方向でもある)が、第1連結部分130と第2連結部分230との突き合せ方向である。
【0120】
このように、第1連結部分130と第2連結部分230とを連結する際に、アース端子163の先端部の接続部が端子固定凹部131に嵌め込まれていると、アース端子163の接続部は、第1連結部分130と第2連結部分230との間に挟み込まれた状態で固定される。この状態で、アース端子163は、第1連結部分130に接しているため、第1連結部分130を介して車両の部分110に電気的に接続され、接地されることになる。
【0121】
なお、第2連結部分が導電性部材によって形成され、第2連結部分が車体の金属アース部分に電気的に接続されている場合には、アース端子は、第2連結部分を介して接地されてもよい。
【0122】
なお、上記第2連結部分230には、第4コネクタ266を嵌め込んで保持するためのコネクタ保持孔部233hが形成されたコネクタ保持部233が形成されている。コネクタ保持部233は、第2連結部分230の外周部から突出する立方体状部分であり、このコネクタ保持部233に貫通するコネクタ保持孔部233hが形成されている。このコネクタ保持孔部233hに第4コネクタ266が嵌め込み保持される。そして、第1連結部分130と第2連結部分230との周辺に設けられる電気機器(ここでは電子制御ユニット114)が車両に固定される際に、その電子制御ユニット114のコネクタ115が、コネクタ保持部233に保持された第4コネクタ266に接続される。なお、第4コネクタ266は、コネクタ保持部233から取外されて、他のコネクタに接続されてもよい。
【0123】
第2コネクタホルダ240は、金属板をプレス加工等することによって形成された部材である。ここでは、第2コネクタホルダ240は、第2連結部分230の外周部に沿う半円弧状の基部241と、当該基部241から第2連結部分230の外方に延出する一対の延出部242と、当該延出部242の先端部から第1連結部分130側に向けて延びる挿入端部243とを備える。上記基部241は、第2連結部分230に対して溶接、ネジ止、ボルト締等によって固定されている。
【0124】
第2コネクタ264の外周部には、挿入端部243を挿入可能な挿入穴部265hが形成された挿入部265が突設されている。挿入部265は、第2コネクタ264の背面側に開口しており、挿入端部243を、第2コネクタ264の背面側から挿入穴部265hに嵌め込むことで、第1連結部分130と第2連結部分230とを連結した状態で、第1コネクタ164に対してコネクタ接続可能な位置及び姿勢で、第2コネクタ264が第2コネクタホルダ240を介して第2コネクタホルダ240に取付けられている。
【0125】
第2連結部分230側においても、上記第1コネクタホルダ140と同様の構成によって、第2コネクタ264が支持されていてもよい。また、第1連結部分130側においても、上記第2コネクタホルダ240と同様の構成によって、第1コネクタ164が支持されていてもよい。
【0126】
<連結作業及び連結構成について>
上記第1連結部分付電線モジュール134と第2連結部分付電線モジュール234との連結作業及び連結構成について説明する。
【0127】
まず、第1連結部分130に第1コネクタホルダ140が取付けられ、電線モジュール160の第1コネクタ164が第1コネクタホルダ140を介して第1連結部分130に取付けられたものを準備する。なお、アース端子163は、第1コネクタホルダ140内を通って第1連結部分130側に引き出され、端子固定凹部131内に嵌め込まれている。なお、第1連結部分130は、後述する連結作業の前又は後に、車両の部分110に固定される。また、第1電線モジュール160、第2電線モジュール260の他の部分も、他の車両固定部品を介して車両に固定される。
【0128】
同様に、第2連結部分230に第2コネクタホルダ240が取付けられ、電線モジュール260の第2コネクタ264が第2コネクタホルダ240を介して第2連結部分230に取付けられたものを準備する。
【0129】
そして、第1連結部分130に対して第2連結部分230を近づけ、両者の先端面同士を突合わせる。この際、第1コネクタ164と第2コネクタ264とがコネクタ接続される。
【0130】
この状態で、ネジSをネジ締めすると、第1連結部分130と第2連結部分230とが連結状態に維持される。また、第1コネクタ164と第2コネクタ264とが接続状態に維持される。
【0131】
また、アース端子163は、第1連結部分130を通じて車両の部分110に接地される。
【0132】
そして、第1コネクタホルダ140、第2コネクタホルダ240等を車両に固定した後、必要に応じて、第3コネクタ168、第4コネクタ266等が他のコネクタに接続される。
【0133】
<効果等>
本変形例によっても、上記実施形態と同様に、第1電線モジュール60の端部のコネクタの全てが、車両固定部品を介して車両に対して一定位置に保持されることになる。このため、各コネクタを他のコネクタに接続する作業を容易に実施できる。
【0134】
なお、上記実施形態、変形例において、コネクタ及び当該コネクタから延出するワイヤーハーネスの部分は、車両固定部品を介して車両に固定される外装部材に直接取付けられてもよい。また、そのような外装部材に、コネクタ又はコネクタから延出するワイヤーハーネスの部分を保持する部材が取付けられていてもよい。つまり、コネクタが車両固定部品を介して車両に対して一定位置に配設されるように保持される場合には、コネクタが車両固定部品に保持される場合だけでなく、コネクタが、車両固定部品によって一定位置に支持される外装部品等に保持される場合を含む。
【0135】
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。