(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態に係る発明は、照明装置と;前記照明装置が設けられる筐体と;前記照明装置を前記筐体に押し付ける固定部と;を具備する車両用灯具である。前記照明装置は、フランジ部と;前記フランジ部の一方の面から突出した収納部と;
前記収納部の側壁から外方に向けて突出し、前記筐体の内壁に接触する複数の凸部と;前記収納部の前記フランジ部側とは反対側の端部に設けられ、発光素子を有する発光モジュールと;を有している。前記筐体は、前記収納部が設けられる孔を有している。
前記フランジ部と、前記固定部とは、前記筐体の外側に設けられている。前記固定部は、前記収納部が設けられる前記孔の周縁近傍において、前記フランジ部を前記筐体に押し付ける。
この車両用灯具によれば、保守時などにおいては、照明装置の取り付けと取り外しを容易に行うことができる。そして、車両用灯具の使用時においては、照明装置が脱離し難くなるようにすることができる。
【0015】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
車両用灯具(以下、単に灯具と称する)としては、例えば、自動車に設けられるフロントコンビネーションライト、リアコンビネーションライト(ストップランプ、テールランプ、ターンシグナル、フォグランプなど)、室内用ライト、トランク用ライトなどを例示することができる。
なお、以下においては、一例として、灯具が、1灯式のストップランプである場合を説明する。ただし、灯具は、1灯式のストップランプに限定されるわけではない。灯具は、自動車や鉄道車両などに設けられる灯具であればよい。
【0016】
図1は、本実施の形態に係る灯具100を例示するための模式断面図である。
図1(a)は、灯具100の模式分解図である。
図1(b)は、灯具100の模式断面図である。
図1(c)は、凸部14と、嵌合部101cとの関係を例示するための模式拡大図である。
図1(a)、(b)に示すように、灯具100には、照明装置1、筐体101、カバー102、反射部103、シール部材104、および固定部105〜107が設けられている。
【0017】
筐体101は、一方の端部側が開口した箱状を呈している。筐体101は、例えば、光を透過しない樹脂などから形成することができる。
筐体101の底面には、照明装置1の収納部11が挿入される取付孔101aが設けられている。
取付孔101aの周縁には、凸部14が挿入される図示しない凹部が設けられている。 また、
図1(c)に示すように、筐体101の内部であって、取付孔101aの周縁近傍には、複数の凹状の嵌合部101cが設けられている。
なお、筐体101に取付孔101aと嵌合部101cが直接設けられる場合を例示したが、筐体101に取付部材を設け、取付孔101aおよび嵌合部101cの少なくともいずれかが取付部材に設けられるようにしてもよい。
嵌合部101cの数と配設位置は、対応する凸状の嵌合部14bの数と配設位置と同じとなっている。照明装置1を灯具100に取り付けた際には、嵌合部101cは、対応する凸状の嵌合部14bと嵌め合わされる。そのため、照明装置1の回転方向における取り付け位置を規定することができる。
【0018】
嵌合部101cは、絶縁性を有し、凸部14の材料よりも柔らかい材料から形成することが好ましい。この様にすれば、凸部14が導電性を有する高熱伝導性樹脂から形成されたとしても、削れなどによる導電性を有するゴミの発生を抑制することができる。
嵌合部101cは、例えば、ABS(acrylonitrile butadiene styrene)、PC(polycarbonate)などの樹脂を用いて形成することができる。
【0019】
嵌合部14bと嵌合部101cの形態には特に限定はなく、嵌合部14bと嵌合部101cとを嵌め合わせることができる形状であればよい。例えば、嵌合部14bを凹状とし、これに対応するように凸部14の外周側の端面にも開口したものであってもよいし、凸部14の外周側の端面に開口していないものであってもよい。また、嵌合部14bは、溝であってもよいし、凸部14を貫通する孔であってもよいし、凸部14を貫通しない底のある孔であってもよい。
また、嵌合部14bは、照明装置1のフランジ部12から離れるに従い断面寸法が短くなるテーパ状を呈するものとすることができる。
テーパ状を呈する嵌合部14bに対応するように、嵌合部101cの形状をテーパ状とすれば、嵌合部14bを嵌合部101cに誘い込むことができるので、位置決めが容易となる。また、回転方向におけるがたつきも抑制することができる。
【0020】
図1(a)、(b)に示すように、カバー102は、筐体101の開口を塞ぐようにして設けられている。カバー102は、透光性を有する樹脂などから形成することができる。
カバー102は、レンズなどの機能を有するものとすることができる。
反射部103は、照明装置1から照射された光を反射して、所定の配光パターンが形成されるようにする。反射部103は、筐体101の内部であって、取付孔101aの中心軸と同芯に設けられている。
【0021】
シール部材104は、フランジ部12の凸部14側の面に設けられている。シール部材104は、ゴムやシリコーン樹脂などの弾性を有する材料から形成することができる。
照明装置1が灯具100に取り付けられた際には、シール部材104は、フランジ部12と筐体101との間に挟まれる。そのため、シール部材104により、灯具100の内部空間が密閉される。
また、シール部材104の弾性力により、嵌合部14bが嵌合部101cに押し付けられる。そのため、照明装置1が、筐体101から脱離するのを抑制することができる。
【0022】
ここで、灯具100は、走行に伴う振動が加えられたり、温度変化の大きな環境(−40℃〜85℃)において用いられたりする。すなわち、灯具100は、前述した締結部分に緩みが発生しやすくなる環境において用いられることになる。
一方、保守時などにおいて照明装置1を交換する際には、筐体101から照明装置1を容易に取り外すことができることが好ましい。
そのため、本実施の形態にかかる灯具100には、固定部105〜107が設けられている。
固定部105〜107は、収納部11が設けられる取付孔101aの周縁近傍において、フランジ部12を筐体101に押し付ける。
【0023】
図2は、固定部105を例示するための模式断面図である。
図2は、
図1(b)におけるA部の模式拡大図である。
図2に示すように、固定部105には、座部105aと、締結部材105bが設けられている。
座部105aは、筐体101の外側であって、取付孔101aの周縁近傍に設けられている。この場合、座部105aは、フランジ部12の周縁近傍に位置するように、筐体101に設けられている。
座部105aは、筐体101から外方に向けて突出するように設けられている。
【0024】
座部105aの厚み寸法は、フランジ部12の厚み寸法よりも若干短くなっている。そのため、締結部材105bの頭部105b1によりフランジ部12を筐体101に押し付けることができる。
座部105aは、筐体101と一体に設けることもできるし、筐体101とは別に設けることもできる。座部105aと筐体101とを別々に設ける場合には、筐体101に座部105aを接合してもよいし、筐体101に座部105aを接合しなくてもよい。
また、座部105aには雌ねじを設けることができる。なお、座部105aに孔を設け、筐体101に雌ねじを設けることもできる。また、座部105aと筐体101に雌ねじを設けることもできる。
すなわち、雌ねじは、筐体101および座部105aの少なくともいずれかに設けられていればよい。
【0025】
座部105aの形態には特に限定はない。例えば、座部105aは柱状を呈していてもよいし、取付孔101aを囲む環状を呈していてもよい。
柱状を呈する座部105aの場合には、座部105aの数や配設位置には特に限定はない。柱状を呈する座部105aの場合には、少なくとも1つの座部105aが設けられていればよい。
【0026】
締結部材105bは、フランジ部12を抑えることができるものであれば特に限定はない。ただし、保守時などにおいて照明装置1を交換することを考慮すると、取り外しと取り付けが容易なものとすることが好ましい。
例えば、締結部材105bは、頭部105b1と、雄ねじ部105b2を有するものとすることができる。頭部105b1は、フランジ部12と接触する。雄ねじ部105b2は、頭部105b1に接続され、筐体101および座部105aの少なくともいずれかに設けられた雌ねじに対応する雄ねじを有する。
【0027】
また、頭部105b1と、フランジ部12との間に挟まれる図示しない板状部材を設けることもできる。
後述するように、フランジ部12は、高熱伝導性樹脂から形成される場合がある。高熱伝導性樹脂は脆いので、割れなどが発生しやすくなる。
頭部105b1と、フランジ部12との間に挟まれる図示しない板状部材を設ければ、板状部材により接触面積を大きくすることができる。そのため、高熱伝導性樹脂から形成されたフランジ部12が割れたり、欠けたり、ひびが入ったりするのを抑制することができる。
【0028】
フランジ部12の周縁近傍における平坦部の寸法L(例えば、フランジ部12の周縁とフィン13との間の寸法)は、1mm以上とすることが好ましい。
平坦部の寸法Lが1mm以上となっていれば、高熱伝導性樹脂から形成されたフランジ部12が割れたり、欠けたり、ひびが入ったりするのを抑制することができる。
【0029】
図3は、他の実施形態に係る固定部106を例示するための模式断面図である。
図3に示すように、固定部106には、押圧部材106aと、締結部材105bが設けられている。
押圧部材106aは、板状を呈し、弾性材料から形成されている。押圧部材106aは、例えば、ステンレスやバネ鋼などの金属から形成することができる。
押圧部材106aの一方の端部側はフランジ部12に接触し、他方の端部側は締結部材105bにより筐体101に固定されている。
すなわち、押圧部材106aは、他方の端部側がフランジ部12の周縁近傍に位置するように、筐体101に設けられている。
【0030】
押圧部材106aの形態には特に限定はなく、弾性力によりフランジ部12を筐体101に押し付けることができればよい。押圧部材106aの形態は、例えば、平坦な板状体とすることもできるし、クランク状に屈曲した板状体とすることもできる。また、例えば、押圧部材106aの平面形状は、短冊状とすることもできるし、環状とすることもできる。
【0031】
図4(a)、(b)、(c)は、他の実施形態に係る固定部107を例示するための模式断面図である。
図4(a)は、固定部107の模式断面図である。
図4(b)は、(a)におけるB−B線矢視図である。
図4(c)は、他の実施形態に係る孔部107a1を例示するための模式図である。
【0032】
図4(a)、(b)に示すように、固定部107には、孔部107aと、締結部材105bが設けられている。
孔部107aは、フランジ部12に設けられている。孔部107aは、フランジ部12を厚み方向に貫通している。
締結部材105bは、頭部105b1と雄ねじ部105b2を有する。
頭部105b1は、フランジ部12に接触している。
雄ねじ部105b2は、一方の端部側が頭部105b1に接続されている。他方の端部側は、フランジ部12に設けられた孔部107aを介して、筐体101に設けられた雌ねじの内部に設けられている。
すなわち、雄ねじ部105b2は、孔部107aの内部を通り、筐体101に設けられた雌ねじにねじ込まれている。
そのため、締結部材105bは、フランジ部12を筐体101に押し付けることができる。
【0033】
孔部107aは、断面形状が円形の孔とすることができる。
また、
図4(c)に示すように、フランジ部12の周縁側に開口する孔部107a1とすることもできる。
孔部107a、107a1の数や配設位置には特に限定がなく、1つ以上の孔部107a、107a1が設けられていればよい。
【0034】
この様な構成を有する固定部107とすれば、構成の簡素化と低コスト化を図ることができる。
【0035】
本実施の形態に係る灯具100とすれば、保守時などにおいては、照明装置1の取り付けと取り外しを容易に行うことができる。
また、灯具100の使用時においては、照明装置1が脱離するのを抑制することができる。
【0036】
次に、照明装置1について例示をする。
図5は、本実施形態に係る照明装置1を例示するための模式斜視図である。
図6は、本体部10の模式斜視図である。
図7は、発光モジュール20の模式斜視図である。
図8は、ソケット30の模式斜視図である。
図9は、給電部40を例示するための模式断面図である。
なお、
図9は、
図5におけるC−C線を含む断面を表す図である。
図5に示すように、照明装置1には、本体部10、発光モジュール20、ソケット30、および給電部40が設けられている。
【0037】
図5または
図6に示すように、本体部10には、収納部11、フランジ部12、フィン13、および凸部14が設けられている。
【0038】
収納部11は、円筒状を呈し、フランジ部12の一方の面から突出している。収納部11の内部には、凹部11aが設けられている。
基板21は、凹部11aの底面の上に設けられている。基板21の発光素子22が設けられる側とは反対の側の面は、凹部11aの底面と接触している。
すなわち、収納部11のフランジ部12側とは反対側の端部には、発光モジュール20が設けられている。
また、複数の給電端子41が、凹部11aの底面から突出している。複数の給電端子41は、凹部11aの底面とは接触していない。
【0039】
フランジ部12は、円板状を呈し、一方の面には収納部11が設けられ、他方の面にはフィン13が設けられている。
フィン13は、フランジ部12の面から突出して複数設けられている。複数のフィン13は、板状を呈し、放熱フィンとして機能する。
【0040】
凸部14は、収納部11の側壁に設けられている。凸部14は、収納部11の側壁から外方に向けて突出している。凸部14は、フランジ部12側の面14aに凸状の嵌合部14bを有している。
凸部14の数や配設位置には特に限定はない。
この場合、凸部14を複数設けるようにすれば、照明装置1の保持を安定させることができる。
照明装置1の保持を安定させるためには、3つ以上の凸部14が設けられることが好ましい。
図5または
図6に例示をしたものの場合には、4つの凸部14が設けられている。
【0041】
ここで、本体部10は、発光モジュール20を収納する機能と、発光モジュール20において発生した熱を照明装置1の外部に放出する機能とを有する。
そのため、熱を外部に放出することを考慮して、収納部11、フランジ部12、フィン13、および凸部14を熱伝導率の高い材料から形成することが好ましい。
収納部11、フランジ部12、フィン13、および凸部14は、例えば、アルミニウムなどの金属や、高熱伝導性樹脂などから形成することができる。
高熱伝導性樹脂は、例えば、PET(polyethylene terephthalate)やナイロン等の樹脂に、熱伝導率の高い炭素などからなる繊維や粒子を混合させたものである。
ここで、照明装置1は、軽量となるようにすることが好ましい。
そのため、収納部11、フランジ部12、フィン13、および凸部14は、高熱伝導性樹脂から形成することが好ましい。
収納部11、フランジ部12、フィン13、および凸部14は、一体成形することができる。
なお、収納部11、フランジ部12、フィン13、および凸部14を別々に形成し、これらを接合することもできる。収納部11、フランジ部12、フィン13、および凸部14を別々に形成する場合には、これらを同じ材料から形成することもできるし、これらを異なる材料から形成することもできる。
【0042】
図7に示すように、発光モジュール20には、基板21、発光素子22、制御素子23、包囲壁部材26、封止部27、接合部28および配線パターン24が設けられている。
【0043】
基板21は、本体部10の収納部11の内部に設けられている。
基板21は、板状を呈し、表面に配線パターン24が設けられている。
基板21の材料や構造には特に限定はない。例えば、基板21は、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどの無機材料(セラミックス)、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料などから形成することができる。また、基板21は、金属板の表面を絶縁材料で被覆したものから形成することもできる。なお、金属板の表面を絶縁材料で被覆する場合には、絶縁材料は、有機材料からなるものであってもよいし、無機材料からなるものであってもよい。
【0044】
発光素子22の発熱量が多い場合には、放熱の観点から熱伝導率の高い材料を用いて基板21を形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料としては、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、金属板の表面を絶縁材料で被覆したものなどを例示することができる。
また、基板21は、単層であってもよいし、多層であってもよい。
【0045】
発光素子22は、基板21の表面に設けられた配線パターン24の上に複数実装されている。
発光素子22は、配線パターン24に設けられる側とは反対側の面(上面)に図示しない電極を有したものとすることができる。なお、図示しない電極は、配線パターン24に設けられる側の面(下面)と、配線パターン24に設けられる側とは反対側の面(上面)とに設けられていてもよいし、どちらかの面のみに設けられていてもよい。
【0046】
発光素子22の下面に設けられた図示しない電極は、銀ペーストなどの導電性の熱硬化材を介して配線パターン24に設けられた実装パッドと電気的に接続されている。発光素子22の上面に設けられた図示しない電極は、配線を介して配線パターン24に設けられた配線パッドと電気的に接続されている。
【0047】
発光素子22は、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどとすることができる。
発光素子22の光の出射面である上面は、照明装置1の正面側に向けられており、主に、照明装置1の正面側に向けて光を出射する。
発光素子22の数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、照明装置1の大きさや用途などに応じて適宜変更することができる。
【0048】
制御素子23は、配線パターン24の上に実装されている。
制御素子23は、発光素子22に流れる電流を制御する。すなわち、制御素子23は、発光素子22の発光を制御する。
制御素子23の数や大きさなどは、例示をしたものに限定されるわけではなく、発光素子22の数や仕様などに応じて適宜変更することができる。
また、COB(Chip on Board)方式を用いて、発光素子22を配線パターン24の上に実装する場合を例示したが、発光素子22を備えるPLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)型の発光部を配線パターン24の上に実装するようにしてもよい。
【0049】
包囲壁部材26は、複数の発光素子22を囲むようにして、基板21上に設けられている。包囲壁部材26は、例えば、環状形状を有し、中央部26aに複数の発光素子22が配置されるようになっている。
包囲壁部材26は、例えば、PBT(polybutylene terephthalate)やPC(polycarbonate)などの樹脂や、セラミックスなどから形成することができる。
【0050】
また、包囲壁部材26の材料を樹脂とする場合には、酸化チタンなどの粒子を混合して、発光素子22から出射した光に対する反射率を向上させるようにすることができる。
なお、酸化チタンの粒子に限定されるわけではなく、発光素子22から出射した光に対する反射率が高い材料からなる粒子を混合させるようにすればよい。
また、包囲壁部材26は、例えば、白色の樹脂から形成することもできる。
【0051】
包囲壁部材26の中央部26a側の側壁面26bは斜面となっている。発光素子22から出射した光の一部は、包囲壁部材26の側壁面26bで反射されて、照明装置1の正面側に向けて出射される。
また、発光素子22から照明装置1の正面側に向けて出射された光の一部であって封止部27の上面(封止部27と外気との界面)で全反射した光は、包囲壁部材26の中央部26a側の側壁面26bで反射して、再び照明装置1の正面側に向けて出射される。
【0052】
すなわち、包囲壁部材26は、リフレクタの機能を併せ持つものとすることができる。なお、包囲壁部材26の形態は、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
【0053】
封止部27は、包囲壁部材26の中央部26aに設けられている。封止部27は、包囲壁部材26の内部を覆うように設けられている。すなわち、封止部27は、包囲壁部材26の内部に設けられ、発光素子22、配線、および包囲壁部材26の中央部26aに配置された配線パターン24を覆っている。
封止部27は、透光性を有する材料から形成されている。封止部27は、例えば、シリコーン樹脂などから形成することができる。
封止部27は、例えば、包囲壁部材26の中央部26aに樹脂を充填することで形成することができる。樹脂の充填は、例えば、ディスペンサなどの液体定量吐出装置を用いて行うことができる。
【0054】
包囲壁部材26の中央部26aに樹脂を充填すれば、発光素子22、包囲壁部材26の中央部26aに配置された配線パターン24、および配線などに対する外部からの機械的な接触を抑制することができる。また、水分や硫黄を含むガスなどが、発光素子22、包囲壁部材26の中央部26aに配置された配線パターン24、および配線などに接触するのを抑制することができる。そのため、照明装置1に対する信頼性を向上させることができる。また、配線パターン24に含まれる銀と硫黄とが反応するのを抑制することができる。
【0055】
また、封止部27には、蛍光体を含めることができる。蛍光体は、例えば、YAG系蛍光体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体)とすることができる。
例えば、発光素子22が青色発光ダイオード、蛍光体がYAG系蛍光体である場合には、発光素子22から出射した青色の光によりYAG系蛍光体が励起され、YAG系蛍光体から黄色の蛍光が放射される。そして、青色の光と黄色の光が混ざり合うことで、白色の光が照明装置1から出射される。なお、蛍光体の種類や発光素子22の種類は例示をしたものに限定されるわけではなく、照明装置1の用途などに応じて所望の発光色が得られるように適宜変更することができる。
【0056】
接合部28は、包囲壁部材26と、基板21とを接合する。
接合部28は、膜状を呈し、包囲壁部材26と、基板21と、の間に設けられている。 接合部28は、例えば、シリコーン系接着剤やエポキシ系接着剤を硬化させることで形成されたものとすることができる。
【0057】
配線パターン24は、基板21の少なくとも一方の表面に設けられている。
配線パターン24は、基板21の両方の面に設けることもできるが、製造コストを低減させるためには、基板21の一方の面に設けるようにすることが好ましい。
配線パターン24には、入力端子24aが設けられている。
入力端子24aは、複数設けられている。入力端子24aには、給電端子41が電気的に接続されている。そのため、発光素子22は、配線パターン24を介して、給電端子41と電気的に接続されている。
その他、必要に応じて、図示しない回路部品などを適宜設けることができる。図示しない回路部品は、例えば、配線パターン24の上に実装することができる。
【0058】
図8に示すように、ソケット30には、本体部30a、めす型端子30b、および配線30cが設けられている。
本体部30aは、樹脂などの絶縁材料から形成されている。本体部30aの側壁には、凸部30a1が設けられている。本体部10に設けられた凹部に凸部30a1を嵌め合わせることで、ソケット30が本体部10に保持される。
【0059】
めす型端子30bは、本体部30aの内部を延びている。
めす型端子30bの一方の端部は、本体部30aの一方の端面に露出している。本体部30aの一方の端面に露出しているめす型端子30bの端部には、給電端子41が嵌め合わされる。
めす型端子30bの他方の端部には、配線30cが電気的に接続されている。
配線30cには、図示しない電源などが電気的に接続される。
そのため、ソケット30を給電端子41に嵌め合わせることで、図示しない電源などと、発光素子22とが電気的に接続される。
ソケット30は、例えば、接着剤などを用いて本体部10側の要素に接合することができる。
【0060】
図9に示すように、給電部40には、給電端子41および保持部42が設けられている。
給電端子41は、複数設けられている。
給電端子41は、線状を呈し、金属などの導電性材料から形成されている。
複数の給電端子41は、保持部42を貫通して延びている。
給電端子41の入力端子24a側の端部は、保持部42の入力端子24a側の端部42aから突出している。保持部42の端部42aから突出した給電端子41は、凹部11aの底面から突出し、入力端子24aと電気的に接続される。
給電端子41のソケット30側の端部は、保持部42のソケット30側の端部42bから突出している。保持部42の端部42bから突出した給電端子41は、めす型端子30bと嵌め合わされる。
2つの給電端子41を例示したが、給電端子41の数や形状などは、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
【0061】
前述した様に、本体部10は、高熱伝導性樹脂や金属などから形成することが好ましい。
この場合、高熱伝導性樹脂には、炭素などの導電性を有する物質を樹脂に混合させたものがある。そのため、高熱伝導性樹脂には導電性を有するものがある。
導電性を有する高熱伝導性樹脂や金属からなる本体部10の場合には、本体部10と、給電端子41とが接触すると短絡が生ずることになる。
そのため、本体部10と給電端子41との間に、絶縁性を有する材料から形成された保持部42が設けられている。
【0062】
また、保持部42は、本体部10に設けられた孔10aの内部に設けられている。
孔10aは、本体部10の発光モジュール20が設けられる側の端部10bと、ソケット30が設けられる側の端部10cとの間を貫通している。
また、灯具100の使用環境の温度は、−40℃〜85℃となる。そのため、本体部10の材料である高熱伝導性樹脂の線膨張係数と、保持部42の材料である樹脂の線膨張係数とがなるべく近い値となることが好ましい。この様にすれば、照明装置1が、温度変化の大きな環境において用いられたとしても、本体部10と保持部42との間において発生する熱応力を低減させることができる。
この場合、高熱伝導性樹脂に含まれる樹脂を用いて保持部42を形成することができる。
例えば、高熱伝導性樹脂が炭素からなる繊維や粒子をPETに混合させたものである場合には、PETを用いて保持部42を形成することができる。
【0063】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。