【文献】
阿部 信行,PDFによるデザインレビュー,CAD&CG MAGAZINE January 2008,日本,株式会社エクスナレッジ,2008年 1月 1日,第10巻 第1号,P.60-67
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ステータス判定手段により、前記指定された前記図面データのステータスが前記承認者オブジェクトを貼り付けた図面を作成可能とするステータスでないと判定された場合に、承認者オブジェクトの貼り付け実行を制限するメッセージを表示するメッセージ表示手段
として機能させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0018】
図1は、本実施形態における図面管理システム(情報処理システム)のシステム構成図である。この図面管理システムは、図面データを記憶し、この図面データから図面画像を生成するシステムである。
情報処理装置101、102、103、104(クライアント端末)、サーバ200がネットワーク300(例えば、LAN)を介して接続されている。
【0019】
サーバ200は、情報処理装置102にインストールされているCADアプリケーション(図面生成アプリケーション)で作成した図面データを記憶するサーバである。また、PDMアプリケーション(サーバアプリケーション)が記憶されており、情報処理装置102、103、104のPDMアプリケーション(クライアントアプリケーション)と通信可能なサーバである。さらに、サーバ200は、
図6に示す各種テーブルを記憶しているデータ管理装置である。
【0020】
情報処理装置101は、サーバ200と通信可能に接続されているクライアント端末であり、PDMアプリケーション(クライアントアプリケーション)および、CADアプリケーションがインストールされている端末である。
【0021】
この情報処理装置101は、PDMアプリケーションを用いて、承認者に承認された図面データから電子印章が貼り付けられたTIFF画像(図面画像)を作成するクライアント端末である。
【0022】
情報処理装置102は、サーバ200と通信可能に接続されている端末であり、PDMアプリケーション(クライアントアプリケーション)および、CADアプリケーションがインストールされている端末である。この情報処理装置102は、CADアプリケーションで図面データを作成する設計者の端末であり、作成された図面データを、PDMアプリケーションを介してサーバ200に記憶させるクライアント端末である。なお、図面データは線分等のオブジェクトで構成された設計図面等のCADデータである。
また、この情報処理装置102は、図面データの承認を得るべく承認ワークフローを実行する申請者端末である。
【0023】
情報処理装置103、104は、サーバ200と通信可能に接続されている端末であり、PDMアプリケーション(クライアントアプリケーション)がインストールされている端末である。この情報処理装置103、104は、PDMアプリケーションを用いて、申請された図面データを承認する承認者の端末であり、本実施形態では、情報処理装置103を審査者の端末、情報処理装置104を承認者(最終承認者)の端末となっている。なお、情報処理装置103、104は図面データを閲覧するビューアがインストールされており、図面を編集できるCADアプリケーションはインストールされていないように構成するが、CADアプリケーションがインストールされていてもよい。
【0024】
CADアプリケーションがインストールされていないように構成する理由は、図面を設計しない端末までCADアプリケーションを導入するとライセンスの購入費用がかかるためで、企業によってはあえて、審査者や承認者の端末にはCADアプリケーションがインストールされていないことが多いためである。
【0025】
図1に示した情報処理装置101、102、103、104は、別筺体で構成しているが、全ての情報処理装置が同一筺体として1つの情報処理装置であってもよい。また、例えば、情報処理装置101と情報処理装置102が同一筺体として、他の情報処理装置103、104は別筺体であってもよい。以下、PDMアプリケーションを図面管理アプリケーションとして説明する。
【0026】
以下、
図2を用いて、
図1に示した情報処理装置101、102、103、104、サーバ200に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成について説明する。
図2は、
図1に示した情報処理装置,サーバに適用可能な情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0027】
図2において、201はCPUで、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。
【0028】
203はRAMで、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM202あるいは外部メモリ211からRAM203にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0029】
また、205は入力コントローラで、キーボード(KB)209や不図示のマウス等のポインティングデバイス等からの入力を制御する。206はビデオコントローラで、CRTディスプレイ(CRT)210等の表示器への表示を制御する。なお、
図2では、CRT210と記載しているが、表示器はCRTだけでなく、液晶ディスプレイ等の他の表示器であってもよい。これらは必要に応じて管理者が使用するものである。
【0030】
207はメモリコントローラで、ブートプログラム,各種のアプリケーション,フォントデータ,ユーザファイル,編集ファイル,各種データ等を記憶するハードディスク(HD)や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0031】
208は通信I/Fコントローラで、ネットワーク(例えば、
図1に示したネットワーク300)を介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
【0032】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、CRT210上での表示を可能としている。また、CPU201は、CRT210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0033】
本発明を実現するための後述する各種プログラム、アプリケーションは、外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられる定義ファイル及び各種情報テーブル等も、外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明も後述する。
【0034】
次に、
図3を用いて、本実施形態に適応可能な図面管理システムの機能ブロック図について説明する。尚、各機能ブロックが処理する詳細な処理については、後述するフローチャートにて説明する。
図3は、図面管理システムとしての情報処理システムの機能ブロック図である。
承認者記憶制御部301は、編集不可設定がなされている図面データを承認した承認者を記憶する機能部である。
【0035】
変換指示部302は、図面データを図面画像へ変換指示する機能部である。
貼付部303は、変換指示部302による変換指示に従って、図面データを編集不可状態で開き、当該開いた図面データに承認者記憶制御部301で記憶された承認者に対応するネームオブジェクトを所定の位置に貼り付ける機能部である。また、後述の貼付設定部308で設定された貼付情報に含まれる貼付位置に従って、ネームオブジェクトを貼り付ける機能部である。また、ネームオブジェクトを貼り付ける図面データを、後述のアプリケーション実行部309で実行された図面生成アプリケーションで開き、当該図面データにネームオブジェクトを貼り付ける機能部である。
【0036】
図面画像生成部304は、貼付部303でネームオブジェクトを貼り付けた図面データから、図面画像を生成する機能部である。また、後述のステータス判定部307で図面画像に変換可能なステータスであると判定される場合に、ネームオブジェクトを貼り付けた図面データから、図面画像を生成する機能部である。
【0037】
編集不可設定部305は、図面データの原本性を確保するべく、図面データを編集不可設定する機能部である。また、編集不可設定部305で設定される編集不可設定は、図面生成アプリケーションで図面データを読取専用で開く設定である。
承認部306は、編集不可設定部305で編集不可設定された図面データを承認する機能部である。
ステータス判定部307は、図面データが図面画像に変換可能なステータスか否かを判定する機能部である。
貼付設定部308は、ネームオブジェクトを貼り付けるべく、貼付位置を含む貼付情報を設定する機能部である。
【0038】
アプリケーション実行部309は、図面データが管理する図面管理アプリケーションで変換指示がなされた場合、図面管理アプリケーションにより図面生成アプリケーションを実行させる機能部である。
【0039】
次に、
図4と
図5を用いて、本実施形態における詳細な処理について説明する。
図4は、図面管理システムにおける全体の処理を示すフローチャートである。
なお、各ステップの処理は、各装置のCPU201が実行する。
【0040】
ステップS101では、情報処理装置102で、図面管理アプリケーションを起動し、CADアプリケーションで作成した図面データをサーバ200に登録する。登録された図面データの承認を得るべく、選択された図面データに対してワークフローを実行する。
【0041】
ステップS101の詳細な説明を、
図5を用いて説明する。
図5は、ワークフロー申請、承認処理のフローチャートである。
【0042】
ステップS201では、情報処理装置102が、図面管理アプリケーションを起動し、サーバ200にログインする。
図7は、図面管理アプリケーションの起動画面である。ステップS202では、
図7の画面で、CADアプリケーションで作成した図面データをサーバ200に登録する。サーバ200では、図面データを受信し、登録されると、
図6のワークフロー属性テーブル610の図面ID611に新規に発行されたIDを登録し、作成者(設計者)612にログインしたユーザ名を登録し、状態615を変更中として登録する(ステップS202−2)。
【0043】
ステップS203では、情報処理装置102で、サーバ200に登録した図面データの承認を得るために、承認申請のワークフローを実行する。具体的には、
図8の申請画面を用いて説明する。
図8は申請画面の一例を示すイメージ図である。
【0044】
情報処理装置102で、画面800を表示し、サーバ200から取得した図面データの一覧を表示する。ユーザの操作に応じて、一覧から申請する図面データを選択する。そして、グループ名801で承認者の所属グループを選択し、承認先802で、次の承認者の名前(この場合、審査者の佐藤)を選択する。また、コメント803で任意にコメントを入力する。
【0045】
申請ボタン804がユーザによって押下されたことを検知すると、選択された図面データを承認するためのワークフローがスタートする。ワークフローがスタートすると、登録された図面データが編集できないようにするため、図面データのファイルの設定を読取専用(ReadOnly)に設定する。すなわち、図面データの原本性を確保するべく、図面データを編集不可設定する処理である。これによって、申請時の図面データへの変更ができなくなり、原本性が確保できる。
【0046】
なお、図面データをサーバ200に登録する前に、図面データのファイルの設定を情報処理装置102で予め読取専用(ReadOnly)にしておき、サーバ200に登録するようにしてもよい。
【0047】
申請ボタン804が押下されると、情報処理装置102からサーバ200に申請要求がなされ、
図6のワークフロー属性テーブル610の状態615をレビュー中に書き換える。また、申請要求に含まれる承認者の名前を承認者1の613に登録する(ステップS203−2)。
【0048】
次に、ステップS204では、情報処理装置103で、情報処理装置102で申請された図面データを承認するか否かを判定する。具体的には、
図9の承認画面を用いて説明する。
図9は審査者の承認画面の一例を示すイメージ図である。
【0049】
情報処理装置103で、画面900を表示し、サーバ200から取得した図面データ一覧を表示する。承認する審査者から、審査者自身が承認する図面データ(例えば、鈴木でレビュー中の図面データ)の選択を受け付ける。そして、グループ名901で承認者の所属グループを選択し、承認先902で、次の承認者の名前(この場合、最終の承認者である田中)を選択する。また、コメント903で任意にコメントを入力する。
【0050】
申請ボタン905が審査者によって押下されたか否かを判定する。申請ボタン905が押下されたことを検知すると、ステップS205で情報処理装置103からサーバ200に承認要求がなされ、選択された図面データを次の承認者が承認するために
図6のワークフロー属性テーブル610を更新する。棄却ボタン904が押下されたことを検知すると、再申請のためにステップS203へ処理を移す。
【0051】
サーバ200では、承認要求に含まれる承認者の名前を
図6のワークフロー属性テーブル610の承認者2の614に登録する(ステップS205−2)。ステップS203−2、ステップS205−2は、編集不可設定がなされている図面データを承認した承認者を記憶する処理である。
【0052】
なお、
図6のワークフロー属性テーブル610の状態615は、次の承認者が最終承認である場合には、最終承認待ちに書き換える。なお、本実施形態では、審査者の次は最終承認であるため、ここでは最終承認待ちとなる。なお、審査者が複数存在するような場合には、再度承認を繰り返すために、ステップS204とステップS205の処理を繰り返す。
【0053】
そして、情報処理装置104で、最終承認者が最終承認をする場合には、
図10の画面を表示して、最終書承認を実行する。
図10は、最終承認者が最終承認をする承認画面の一例を示すイメージ図である。最終承認時の画面1000の選択も審査者の承認時と同様として説明を省略する。なお、画面1000では、コメント1001の入力を受け付けるものとする。
【0054】
承認ボタン1003が押下された場合には、情報処理装置104からサーバ200に承認要求がなされ、選択された図面データの承認を完了とするために
図6のワークフロー属性テーブル610を更新する。ここで、
図6のワークフロー属性テーブル610の状態615を、リリース済に書き換える。棄却ボタン1002が押下された場合には、否認され申請者に差し戻しされる。
【0055】
ステップS206では、最終承認者であったか否かを判定し、最終承認者であった場合には、次の承認がないため、処理を終了する。最終承認者でない場合(
図10での承認でない場合)には、上述したように再度ステップS204、ステップS205の処理を繰り返す。
図4に説明を戻し、処理を説明する。
【0056】
ステップS102では、情報処理装置101で、図面管理アプリケーションを起動する、図面管理アプリケーションを起動した際には、
図11の画面が表示される。
図11の画面で表示する図面データの一覧はサーバ200から送信され(ステップS102−1)、この送信された図面データの一覧を取得して表示される。ここで、画面1100では、電子印章を貼り付ける図面データを選択する。図面データが選択された状態で、電子印章貼付を実行する(例えば、右クリックで電子印章貼付を選択)。すなわち、図面データを図面画像へ変換指示する処理である。なお、ワークフロー属性テーブル610のデータをサーバ200から取得し、RAM203に記憶しているものとする。また、図面管理アプリケーションを起動する際には、ユーザ認証を行い、サーバ200へのログインを実行する。ログインしたユーザ名は情報処理装置101およびサーバ200のRAM203で記憶管理される。
なお、
図11は、電子印章の貼付実行する画面の一例を示すイメージ図である。
【0057】
ステップS103では、選択された電子印章貼付する図面データの状態からTIFF出力可能なステータスかどうかを判定する。例えば、リリース済かどうかを判定する。TIFF出力可能なステータスであると判定された場合には、ステップS105へ処理を移し、TIFF出力可能でないと判定された場合には、ステップS104へ処理を移す。なお、TIFF出力可能なステータスは、
図13のTIFF出力可能ステータス1301で任意に設定することができる。
ステップS104では、TIFF出力できないため、実行不可メッセージを表示する。
【0058】
ステップS105では、電子印章を貼り付けるための情報である、用紙/画像情報をRAM203から取得する。用紙/画像情報は、サーバ200が画像貼付位置設定テーブル600から取得し、情報処理装置101へ送信する(ステップS105−2)。この送信された用紙/画像情報を情報処理装置101はRAM203に記憶する。
【0059】
ステップS106では、
図12の電子印章貼付ダイアログを表示する。
図12は、電子印章貼付ダイアログの一例を示すイメージ図である。各種データを1201に表示する。具体的には、選択された図面データに対応する設計者、審査者、最終の承認者の名前をRAM203から取得し、設計者、承認者1、承認者2にそれぞれ設定される。また、用紙サイズを選択可能なように、用紙の欄にステップS105で取得した用紙/画像情報の用紙サイズを表示する(例えば、A3、A3縦)。ここでユーザにより図面データにあった用紙サイズが任意に選択させる。これにより、電子印章を貼り付ける位置が決定することになる。
【0060】
ステップS107では、設定ボタン1202が押下されたか否かを判定する。設定ボタン1202が押下された場合には、ステップS108へ処理を移し、ボタンが押下されていない場合には、ステップS109へ処理を移す。
ステップS108では、
図13を表示し、新たな用紙/画像情報を登録するために、1304で情報を追加する。
ここで
図13について説明する。
図13は、電子印章貼付設定画面の一例示すイメージ図である。
【0061】
ステータス1301は、
図6のTIFF出力可能ステータステーブル630へ登録する情報を入力する。TIFF出力を許可するステータス名が、ユーザによって入力される。ステータス名を新たに追加する場合は追加ボタン1302を、削除したい場合は削除ボタン1303を、それぞれ押下を受け付ける。
【0062】
画像貼付位置1304は、
図6の画像貼付位置設定テーブル600へ登録する情報を入力する。任意の用紙名とスペース名に紐付けて、電子印章貼付位置の中心点座標と各用紙名での電子印章の幅と高さをユーザから入力を受け付ける。情報の追加/削除に関しては前述の行追加/削除ボタンと同様である。
【0063】
ラジオボタン1305は、生成されるTIFFファイルの保存先についての設定を選択する。『保存時毎に指定』のラジオボタンであれば、
図6のTIFFファイル保存先テーブル620の指定可否フラグ622に指定を登録し、電子印章貼付機能を実行する度に指定場所を入力させてTIFF出力を実行する。一方で『固定』であれば同様に指定可否フラグ622に固定を登録し、ユーザが任意で予め指定した出力先にTIFF出力を実行する。出力先のパスはテキストボックス1306へ入力し、そのパスは同じく
図6のTIFFファイル保存先テーブル620のファイルパス621に登録される。
【0064】
ユーザにより全ての設定が完了すると、保存ボタン1307の押下を受け付け、各種入力データをサーバ200のそれぞれのテーブルへ登録する。キャンセルボタン1308の押下を受け付けた場合は、入力された各種入力データの入力は破棄される。すなわち、
図13は、ネームオブジェクトを貼り付けるべく、貼付位置を含む貼付情報を設定する処理である。
【0065】
ステップS109では、実行ボタン1203が押下されたか否かを判定する。実行ボタン1203が押下された場合にステップS110へ処理を移し、実行ボタン1203が押下されなかった場合、すなわちキャンセルボタン1204が押下された場合には電子印章貼付を実行せずに終了する。なお、実行ボタン1203が押下されると、CADアプリケーションが読み取る情報ファイルに、ステップS105で取得した用紙/画像情報を書き込む。
【0066】
ステップS109−2では、サーバ200で現在ログインしているRAM203に記憶されているユーザ名と
図6のTIFF出力可能ユーザテーブル640のユーザ名642とを比較して、現在作業しているログインユーザがTIFF出力権限があるか否かを判定し、判定結果を送信する。なお、TIFF出力権限の判定は、情報処理装置101で判定してもよい。また、
【0067】
ステップS110では、判定結果に従って、TIFF出力権限があると判定される場合、ステップS111へ処理を移し、TIFF出力権限がないと判定される場合、ステップS104へ処理を移す。
図6に示す通り、ユーザ名642はユーザNo(例えば社員番号)に紐付いて記憶されている。
【0068】
なお、ステップS109−2のTIFF出力権限があるか否かを判定する処理は、ステップS102で電子印章貼付を実行する際に判定させるようにすることも可能である。
【0069】
ステップS111では、TIFF出力権限がある場合に、CADアプリケーションを起動するために、図面管理アプリケーションから情報処理装置101のオペレーティングシステムに対して、CADアプリケーションを立ち上げるための実行要求をする。また、CADアプリケーションは画面が表示させないようにバックグラウンドで実行される。CADアプリケーションが起動されたあと、CADアプリケーションで開く図面データ(電子印章を貼り付けるために選択された図面データ)の図面IDを、図面管理アプリケーションからCADアプリケーションに渡し、図面データを開く。この時、図面データは原本性を確保するために読取専用となっており、編集した図面データを上書き保存や、新規に保存することはできない状態となっている。また、図面管理アプリケーションからCADアプリケーションに、
図12で設定された「用紙サイズ」「設計者−ユーザ名(佐藤)」「承認者1(審査者)−ユーザ名(鈴木)」「承認者2(承認者)−ユーザ名(田中)」を渡す。
【0070】
このCADアプリケーションに渡されるデータは、図面管理アプリケーションからCADアプリケーションに発行される電子印章画像貼付要求(図面データを開く際に発行される要求)に含まれる。なお、電子印章画像貼付要求以外に、情報ファイルに電子印章画像貼付に用いる情報(図面データを特定するための情報(図面ID)や、電子印章画像を貼り付ける位置)を記憶させ、この記憶された情報を用いてもよい。
【0071】
ステップS112では、CADアプリケーションが、図面管理アプリケーションから受け取った用紙サイズとスペース名に従って情報ファイルから、スペース名、電子印章画像を貼り付ける位置情報(604〜607)を取得する。また、受け取ったユーザ名をキーにして電子印章テーブル650の電子印章画像653から、貼り付ける電子印章画像を取得する。そして、電子印章画像を設計者、審査者、承認者の箇所に貼り付けるように、それぞれ対応する位置情報に従って、電子印章画像を貼り付ける。すなわち、変換指示に従って、図面データを編集不可状態で開き、当該開いた図面データに承認者に対応するネームオブジェクトを所定の位置に貼り付ける処理である。
なお、電子印章テーブル650は、ユーザNo651とユーザ名652と電子印章画像653が対応付いて記憶されている。
ステップS113では、幅高さ情報に従って、電子印章画像を拡大もしくは縮小する(サイズ変更する)。
【0072】
ここで、
図14〜
図16を用いて、電子印章画像の貼付について説明する。
図面データ1401は、CADアプリケーションで、読取専用で開いたイメージであり、領域1402は、図面データの承認印(サイン)やコメントなど、図面データに対する付加情報を記載する領域である。
【0073】
この付加情報の領域1402の電子印章の貼付スペース(図中の斜線にて示した場所)にそれぞれ設計者、審査者(承認者1)、承認者(承認者2)の電子印章を貼り付ける。このそれぞれの貼付け位置を、
図15に示すように予め各貼付位置の中点のXY座標を算出しておき、
図6の画像貼付位置設定テーブル600にそれぞれ登録しておく。また、貼付位置の幅・高さについても画像貼付位置設定テーブル600に記憶する。なお、
図15は、貼付位置の中点の座標を示すイメージ図である。
【0074】
電子印章を貼り付ける図面データの設計者・審査者(承認者1)、承認者(承認者2)に対応する電子印章画像を取得し、それぞれのX座標とY座標が電子印章画像の中点なるように、設計者・審査者(承認者1)、承認者(承認者2)に対応する箇所に電子印章画像を貼り付ける(
図16)。
図16が、図面データに電子印章画像が貼り付けられたイメージである。
【0075】
ステップS114では、電子印章画像が貼り付けられた図面データをTIFF出力する。具体的には、電子印章画像が貼り付けられた図面データをCADアプリケーションのファイル変換機能をもちいて、TIFF形式の画像データに変換(生成)する。すなわち、ネームオブジェクトを貼り付けた図面データから、図面画像を生成する処理である。
【0076】
また、変換された画像データは、
図6のTIFFファイル保存先テーブル620の指定可否フラグ622が指定か、固定かによって出力方法が変わる。例えば、固定である場合には、ファイルパス621に記憶されているファイルパス(フォルダ)上に生成したTIFF形式の画像データを保存する。また、指定の場合には、実行ボタン1203が押下された場合に、TIFF形式の画像データを保存する先をユーザに指定させ、この指定された保存する先にTIFF形式の画像データを保存する。この保存は、サーバ200であっても、情報処理装置101のどの装置であってもよい。
【0077】
さらに、TIFF形式の画像データを生成したのち、CADアプリケーションの実行を終了し、電子印章画像が貼り付けられたCADアプリケーション上の図面データを破棄する。
なお、本実施形態ではTIFF形式の画像を生成するようにするが、ファイル形式はその他の形式のデータであってもよい。
【0078】
以上説明したように、本実施形態によれば、図面の原本性を確保しつつ、図面の承認者のネームオブジェクト(電子印章画像)を張り付けた図面画像を容易に作成することができる。
【0079】
また、図面管理アプリケーションに登録した図面を申請する際に、読取専用として申請をすることで、図面データの原本性が確保できるとともに、申請したユーザや承認したユーザの情報を基に、電子印章が自動的に貼り付けられ、TIFFファイル化するため、図面の承認者と図面の承認印の箇所の不整合がなくなる。また、電子印章の貼付を自動化することよってユーザのスキルを選ばす、誰でも容易に電子印章貼付作業を完了することができる。さらに、電子印章の不正操作を防止することができる。
【0080】
また、承認者が図面データを閲覧するビューアしか保持していない環境でも、TIFFファイル化するユーザの端末にCADアプリケーションがあれば電子印章を貼り付けることができるため、不要なアプリケーションのインストールの導入が必要なくなる。CADアプリケーションを全てのユーザのコンピュータにインストールさせる必要がなくコスト削減にもつながる。
【0081】
なお本実施形態の好適な例として、従来の図面管理アプリケーションやCADアプリケーションの基本機能を用いて、図面管理アプリケーションやCADアプリケーションにアドオンアプリケーションを追加して実現することが望ましい。
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0082】
例えば、本実施形態では、サーバ200では、図面データやテーブルを管理し、各種処理はクライアント端末である情報処理装置で実現するようにした(クライアントサーバ型システム)が、ブラウザを用いたWebシステムで実現するようにしてもよい。この場合、クライアント端末である情報処理装置には、ブラウザが備えてあり、サーバ200で各種処理を実行し(例えば、TIFFファイルの生成など)、その結果生成された画像(例えば、図面データ一覧)をブラウザで表示するようにする。従って、上述のフローチャートで説明した表示以外の処理はサーバ200で実現するようにすることも可能である。
【0083】
さらに、近年では、ActiveXなどをクライアント端末である情報処理装置にインストールすることで、ブラウザを用いたWebシステムであっても、クライアント端末側で表示以外の処理を実行する(例えば、ステップS110の判定など)こともできるため、各ステップの処理主体(情報処理装置かサーバか)は限定されない。
すなわち、情報処理システムが、各ステップを備える構成としてもよいことは言うまでもない。
【0084】
その他、電子印章画像は、画像に限ることなく、例えば、CADアプリケーションで作成可能な矩形に、文字列を挿入したオブジェクトであってもよい。すなわち、電子印章画像はネームオブジェクトと言い換えることも可能である。
【0085】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0086】
また、本発明におけるプログラムは、
図4、
図5に示すフローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は
図4、
図5の処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは
図4、
図5の各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0087】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0088】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0089】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0090】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0091】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0092】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0093】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。