【文献】
セルフメディケーション税制に関するQ&A,インターネット,日本,厚生労働省医政局経済課,2016年12月 7日,URL,http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000145098.pdf
【文献】
セルフメディケーション税制の適用を受ける際に必要となる証明書類(レシート等)の記載事項について,インターネット,厚生労働省医政局経済課,2016年10月 4日,URL,http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000138818.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
顧客が購入する商品を登録する機能と、登録された商品についての精算を行う機能との少なくともいずれか一方を有する会計装置と、前記会計装置と接続される管理装置とを備え、前記算出手段は、前記会計装置と前記管理装置とのいずれか一方に備えられ、前記判定手段は、前記会計装置と前記管理装置とのいずれか一方に備えられる
請求項1に記載の販売データ処理システム。
顧客が購入する商品を店員の操作に応じて登録する登録装置と、登録された商品についての精算を顧客の操作に応じて行う精算装置とを備える販売データ処理システムであって、
前記顧客に対応して購入された商品のうちから第1控除税制の対象となる第1対象商品についての、現在までの一回以上の取引における総額である購入累計金額を算出する算出手段と、
前記第1対象商品の購入累計金額に関連する情報を前記精算装置にて出力させる出力手段とを備え、
前記算出手段は、前記顧客に対応して購入された商品のうちから、前記第1控除税制と関係を有する第2控除税制の対象となる第2対象商品の購入累計金額をさらに算出し、
前記出力手段は、さらに前記第2対象商品の購入累計金額に関連する情報を出力し、
前記第1控除税制と前記第2控除税制とが、両者による控除が不可であっていずれか一方の控除を選択すべき関係を有する場合に、前記算出手段により算出された前記第1対象商品の購入累計金額と前記第2対象商品の購入累計金額とに基づいて、前記第1控除税制と前記第2控除税制とについての利用の適否を判定する判定手段をさらに備え、
前記出力手段は、前記判定手段による判定結果に関する出力をさらに行う
販売データ処理システム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態に係るPOSシステム1(販売データ処理システムの一例)の構成例を示している。同図に示すPOSシステム1は、管理装置10と、2台の登録装置20−1、20−2(会計装置の一例)と、3台の精算装置(会計装置の一例)30−1、30−2、30−3とを含んで構成されている。
なお、以降の説明にあたり、登録装置20−1、20−2について特に区別しない場合には、登録装置20と記載する。また、精算装置30−1、30−2、30−3について特に区別しない場合には、精算装置30と記載する。
管理装置10と登録装置20と精算装置30とは、有線または無線接続のLAN(Local Area Network)11で相互に接続されている。
【0012】
なお、同図に示したPOSシステム1の構成は一例である。例えば、POSシステム1は、1台または3台以上の登録装置20を含む構成としてもよいし、2台以下または4台以上の精算装置30を含む構成としてもよい。また、本実施形態のPOSシステム1は、管理装置10を含まない構成としてもよい。
なお、POSシステム1の構成として、管理装置10を含まない構成とする場合には、他の装置(例えば、複数の登録装置20のうち代表となる1台の登録装置20)に、管理装置10としての機能を兼用させてもよい。
【0013】
管理装置10は、POSシステム1を管理する情報処理装置であり、POSシステム1において登録装置20や精算装置30などを管理し、商品マスタなどの種々の情報を管理する。管理装置10は、登録装置20及び各精算装置30に、最新の商品マスタを適宜送信する。
商品マスタは、各商品の商品識別情報(例えば、JANコード)、商品名(品名、アイテム名)、価格などの商品情報を格納したファイルである。
管理装置10は、最新の商品情報が反映された商品マスタを、外部(例えば、本部のサーバ、リムーバブル形式の記憶媒体)から取得し、登録装置20及び各精算装置30に適宜送信する。
【0014】
登録装置20は、購入対象の商品を登録する商品登録処理を実行する。商品の登録は、例えば、スキャナを用いて、商品に付されているバーコードを読み取るか、商品登録画面に表示されたプリセットボタン等を操作することにより行われる。
また、登録装置20は、登録された商品の精算に用いられる情報(以下、精算情報という)を生成し、記憶する。
【0015】
精算情報は、当該精算情報を識別するための精算情報識別情報、登録日時、登録された各商品の商品識別情報、登録された各商品の商品名、販売価格、値引き情報、購入対象の商品の品数を示す取引点数(購入点数)、購入対象の商品の総額(合計金額)を含む。また、精算情報は、当該精算情報を生成した登録装置20(すなわち、当該精算情報に係る商品を登録した登録装置20)を識別するための登録装置識別情報をさらに含んでもよい。
さらに、精算情報に対応する顧客が会員とであって、商品登録に際して会員識別情報(例えば会員番号)の入力が行われている場合には、精算情報に会員識別情報が含められてよい。
【0016】
精算情報は、精算装置30において精算処理に用いられる。精算処理とは、登録された商品の代金を、現金、電子マネー、クレジットカードなどを選択的に用いて支払い、決済する処理である。
【0017】
本実施の形態では、複数の精算装置30が存在するが、複数のうちのいずれか1台が、登録装置20において生成された商品登録データを用いて精算処理を実行する。複数の精算装置30のうちから、精算処理を実行させるべき精算装置30を指定する態様としては、下記の第1の指定態様と第2の指定態様が挙げられる。
【0018】
第1の指定態様は、精算処理を実行させる精算装置30を、店員が登録装置20にて指定する態様である。
すなわち、店員が、精算装置30を指定する操作を登録装置20に対して行うことによって、複数の精算装置30のうちから精算処理を実行させる精算装置30を指定する。
なお、登録装置20において、各精算装置30の稼働状況を示した稼働情報を表示するようにし、登録装置20において、店員が精算装置30を指定する際に、各精算装置30の稼働状況を確認できるようにしてもよい。
【0019】
店員が精算装置30を指定した場合には、LAN11を介して、登録装置20において生成された商品登録データを含む精算情報が、指定された精算装置30に送信される。すなわち、登録装置20は、商品登録処理に続いて精算装置30が指定された場合には、指定された精算装置30に対し、当該商品登録処理に基づく商品登録データを含む精算情報を送信する。
なお、本実施の形態では、登録装置20は、直接、精算装置30に精算情報を送信するが、管理装置10を経由して、精算装置30に精算情報を送信してもよい。
【0020】
また、第2の指定態様は、精算処理用の媒体(お会計券(登録商標))を登録装置20から発行させ、店員から手渡しされたお会計券を、客が1つの精算装置30に読み取らせる態様である。
すなわち、客が、店員から手渡しされたお会計券を精算装置30に読み取らせることによって、複数の精算装置30のうちから精算処理を実行させる精算装置30を指定する。
お会計券には、発行元の登録装置20を示す登録装置IDと精算情報とが、バーコード(一次元コード)または2次元コードのいずれかのコードの形式で印字(印刷)されている。精算装置30は、お会計券のコードを読み取ると、読み取ったコードにより示される精算情報から商品登録データを取得する。
【0021】
精算装置30は、客の操作に応じて精算処理を実行する。また、精算装置30は、精算処理を終了した場合には、登録装置20に精算処理の終了を通知する。
【0022】
次に、
図2〜
図4を参照して、登録装置20及び精算装置30の構成例について説明する。
図2は、登録装置20と精算装置30との外観例を示す斜視図である。
図3は、登録装置20の構成例を示すブロック図である。
図4は、精算装置30の構成例を示すブロック図である。
【0023】
登録装置20は、
図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)201と、記憶部202と、RAM(Random Access Memory)203と、スキャナ部204と、店員用表示部205と、客用表示部205aと、操作部206と、通信部207と、ブザー208と、印刷部209と、カードリーダ210を備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
【0024】
CPU201は、中央演算処理装置であり、記憶部202に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、登録装置20の動作を制御する。
記憶部202は、CPU201の補助記憶装置であって、プログラムをはじめとしてCPU201が利用する各種の情報を記憶する。
【0025】
RAM203は、CPU201の主記憶装置であって、種々の情報を記憶する。例えば、RAM203は、管理装置10から取得した商品マスタや、商品登録処理後に生成された精算情報などを記憶する。
スキャナ部204は、商品に付されているバーコード(商品コード)を光学的に読み取る。
【0026】
店員用表示部205は、タッチパネル(例えば、液晶タッチパネル)であり、店員用の種々の情報を表示する。
例えば、店員用表示部205は、商品情報(商品コード等)に関連付けられているプリセットボタンを配置した商品登録画面などを表示する。
【0027】
客用表示部205aは、客用の種々の情報を表示する。例えば、客用表示部205aは、登録した商品の価格等を表示する。客用表示部205aは、タッチパネル(例えば、液晶タッチパネル)であってもよい。
【0028】
操作部206は、登録装置20を動作させるための各種の操作ボタン(小計キー、現計キー、置数キー、訂正キー、及びプリセットキー等)を備える。例えば、操作部206は、操作ボタン(プリセットキー)が操作されることにより、そのプリセットキーに予め設定登録されている商品情報(商品コード等)について、操作入力を受け付ける。
【0029】
通信部207は、LAN11を介して、他の装置と通信する。
ブザー208は、店員が操作を確認することが必要な場合などに、ブザー音を発生させる。
印刷部209は、必要に応じて媒体を印刷して発行する。例えば、印刷部209は、お会計券を印刷して発行することができる。
【0030】
カードリーダ210は、例えばIC(Integra Circuit)カード形式のRFID(Radio Frequency Identifier)タグに対する情報の読み出しを行うデバイスである。
【0031】
図2においては、スキャナ部204、店員用表示部205、操作部206、印刷部209及びカードリーダ210を含む登録装置20の外観例が示される。
【0032】
精算装置30は、
図4に示すように、CPU301と、記憶部302と、RAM303と、スキャナ部304と、表示部305と、操作部306と、通信部307と、ブザー308と、印刷部309と、決済部310と、サインポール311と、人感知センサ312と、カードリーダ313とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
【0033】
CPU301は、中央演算処理装置であり、記憶部302に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、精算装置30の動作を制御する。
記憶部302は、CPU301の補助記憶装置であって、プログラムをはじめとしてCPU301が利用する各種の情報を記憶する。
【0034】
RAM303は、CPU301の主記憶装置であって、種々の情報を記憶する。例えば、RAM303は、管理装置10から取得した商品マスタや、登録装置20から取得した精算情報を記憶する。
スキャナ部304は、例えば、お会計券に印刷されたコード(バーコードまたは2次元コード)や、会員カード等に付されているコード(会員コード)を光学的に読み取る。
【0035】
表示部305は、タッチパネル(例えば、液晶タッチパネル)であり、種々の情報を表示する。例えば、表示部305は、合計金額などが表示される精算画面を表示する。
【0036】
操作部306は、精算装置30を動作させるための各種の操作ボタン(訂正キー及びプリセットキー等)を備える。例えば、操作部306は、操作ボタン(訂正キー)が操作されることにより、操作入力の訂正を受け付ける。
【0037】
通信部307は、LAN11を介して、他の装置と通信する。
ブザー308は、エラー等が発生した場合、エラーを報知するブザー音を発生させる。
印刷部309は、媒体を印刷して発行する。例えば、印刷部309は、精算処理(すなわち、商品の買上金額の決済)が終了した場合、客が持ち帰る精算済みレシートを印刷して発行する。
【0038】
決済部310は、決済(精算)に関する処理を行う。本実施形態における決済部310が対応可能な決済の種別としては、現金による決済と、クレジットカードの使用による決済と、電子マネーの使用による決済とのうちの少なくともいずれか1つである場合を例に挙げる。
現金による決済に対応するため、決済部310は、釣銭機を備える。釣銭機は、紙幣の投入及び排出をする紙幣投入口、硬貨を投入するための硬貨投入口、釣銭を排出する釣銭排出口を備えている。決済部310は、釣銭機によって、現金により決済を実行し、決済を実行した結果(例えば、決済が成立したか否かを示す情報)を、バスを介してCPU301に出力する。
また、クレジットカードの使用による決済に対応する場合、決済部310は、クレジットカードリーダを備え、クレジットカードリーダにより読み込まれた情報を利用して精算処理を行う。
また、電子マネーの使用による決済に対応する場合、決済部310は、電子マネーリーダを備え、電子マネーリーダにより読み込まれた情報を利用して精算処理を行う。
【0039】
サインポール311は、複数色の表示灯を有し、それらの表示灯を点灯や点滅させることで、精算装置30が店員により指定された装置であることを示す情報を報知したり、操作可能である旨を報知したりする。
人感知センサ312は、精算装置30の正面の所定圏内に人物(客)がいることを検知するセンサである。
なお、人感知センサ312の検知出力は、例えば精算装置30が、人が自機に近づいたことに応じて、自動的に精算画面を表示させる際に、人が自機に近づいたか否かを判定するのに用いられる。しかしながら、精算装置30は、例えば精算画面は、例えば精算情報の受信や、お会計券に印刷されたバーコードの読み取りなどに応じて表示されるようにしてもよく、この場合には、人感知センサ312は、省略されてよい。
【0040】
カードリーダ313は、例えばICカード形式のRFIDタグに対する情報の読み出しを行うデバイスである。
【0041】
図2においては、スキャナ部304、表示部305、操作部306、印刷部309、決済部310、サインポール311及びカードリーダ313などを含む精算装置30の外観構成が示される。
【0042】
次に、
図5を参照して、管理装置10の構成例について説明する。同図の管理装置10は、通信部101、制御部102、及び記憶部103を備える。
通信部101は、LAN11を介して登録装置20や精算装置30と通信を行う。
制御部102は、管理装置10における各種の制御を実行する。制御部102としての機能は、管理装置10が備えるCPUがプログラムを実行することにより実現される。
【0043】
記憶部103は、制御部102が利用する各種の情報を記憶する。同図の記憶部103は、商品マスタ記憶部131、第1対象商品情報記憶部132、第2対象商品情報記憶部133、税制情報記憶部134、会員情報記憶部135、及び会員購入履歴情報記憶部136を記憶する。
【0044】
商品マスタ記憶部131は、商品マスタを記憶する。
図6は、商品マスタの一例を示している。同図において、1行が1つの商品に対応する商品関連情報である。1つの商品関連情報は、商品識別情報、商品名、価格等の情報の領域を含む構造である。
【0045】
第1対象商品情報記憶部132は、第1対象商品情報を記憶する。第1対象商品情報は、商品マスタに登録されている商品(即ち、店舗にて販売されている商品)のうちで、第1対象商品に該当する商品を示す情報である。
第1対象商品とは、医療費控除の特例であるセルフメディケーション税制(第1税制の一例)の対象となる医薬品(スイッチOTC(Over The Counter)医薬品)である。セルフメディケーション税制は、「適切な健康管理の下で医療用医薬品からの代替を進める観点から、健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行う個人が、施行期間において、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る一定のスイッチOTC医薬品の購入の対価を支払った場合において、その年中に支払ったその対価の額の合計額が1万2千円を超えるときは、その超える部分の金額(その金額が8万8千円を超える場合には、8万8千円)について、その年分の総所得金額等から控除する」という税制である。また、セルフメディケーション税制による控除の適用を受ける場合には、現行の医療費控除税制を利用することはできない。つまり、医療費控除としては、セルフメディケーション税制と現行の医療費控除税制のいずれか一方しか利用できないものと定められている。
図7は、第1対象商品情報の一例を示している。同図に示されるように、第1対象商品情報は、第1対象商品に該当する商品の商品識別情報を格納する構造である。
【0046】
第2対象商品情報記憶部133は、第2対象商品情報を記憶する。第2対象商品情報は、商品マスタに登録されている商品(即ち、店舗にて販売されている商品)のうちで、第2対象商品に該当する商品を示す情報である。第2対象商品とは、現行の医療費控除税制(第2税制の一例)の対象となる商品である。
現行の医療費控除税制は、200万円を上限として、実際に支払った医療費の合計額から、保険金などで補填される金額と10万円とを差し引いた金額を所得控除の対象とすることができる制度である。
第2対象商品情報記憶部133が記憶する第2対象商品情報の構造は、
図7に準ずる。つまり、第2対象商品情報は、第2対象商品に該当する商品の商品識別情報を格納する構造である。
なお、以降において、第1対象商品と第2対象商品とについて特に区別しない場合には、対象商品と記載する。
【0047】
税制情報記憶部134は、税制情報を記憶する。税制情報は、本実施形態のPOSシステム1が対応して対象商品の購入累計金額を提示する税制に関する規定内容を示す情報である。
図8は、本実施形態における税制情報の一例を示している。同図に示される税制情報は、1行が1つの税制に対応する。1つの税制に対応する税制情報は、税制区分、施行期間、超過条件金額、及び上限金額の情報の各領域を含む構造である。
税制区分の領域は、税制を区分する情報として対応の税制を示す税制識別情報を格納する。
施行期間の領域は、対応の税制が施行される期間(施行期間)を格納する。管理装置10は、現在日時が税制情報において示される施行期間内ではない場合には、当該税制情報が対応する税制についての税制関連金額情報の出力に関する処理を行わないようにする。
超過条件金額は、対応の税制において控除が適用されるにあたり、超過すべきことが必要な金額(超過条件金額)を格納する。
上限金額は、控除が適用される金額の上限(上限金額)を格納する。
【0048】
同図の例では、1行目の税制情報は、セルフメディケーション税制に対応する。つまり、1行目の税制情報においては、「001」の税制識別情報によりセルフメディケーション税制であることが示され、施行期間が2017年1月1日から2021年12月31日であることが示され、超過条件金額が1万2千円で、上限金額が8万8千円であることが示される。
また、2行目の税制情報においては、「002」の税制識別情報により現行の医療費控除税制であることが示され、施行期間については特に定められていないことが示され、超過条件金額が10万円で、上限金額が2百万円であることが示される。
【0049】
なお、本実施形態においては、後述のようにセルフメディケーション税制に関連する金額の提示は行われるが、現行の医療費控除税制に関連する金額の提示は行われない。このため、本実施形態においては、現行の医療費控除税制に対応する第2対象商品情報を記憶する第2対象商品情報記憶部133と、税制情報記憶部134が記憶する税制情報のうち現行の医療費控除税制に対応する税制情報とについては省略されてよい。
【0050】
会員情報記憶部135は、会員として登録された顧客の情報(会員情報)を記憶する。
図9は、会員情報記憶部135が記憶する会員情報の一例を示している。同図における1行が1の会員としての顧客に対応する会員情報である。
1の会員に対応する会員情報は、会員識別情報、会員基本情報、及び家族識別情報の各領域を含む構造である。
会員識別情報の領域は、対応の会員を一意に示す会員識別情報を格納する。
会員基本情報は、対応の会員についての基本的な情報を格納する。例えば会員基本情報には、対応の会員の名前、性別、年齢、住所、電話番号などを含めることができる。
家族識別情報は、対応の会員が属する家族に一意となるように付与された識別情報(家族識別情報)を格納する。ここでの家族は、セルフメディケーション税制と現行の医療費控除税制のもとで規定される「自己と生計を一にする配偶者その他の親族」に該当する会員としての顧客の集合が対応する。
同図の場合には、会員識別情報が「000001」、「000003」、「000004」の各会員に対応して同じ「fm000001」の家族識別情報が格納された例が示されている。つまり、会員識別情報が「000001」、「000003」、「000004」の各会員は、同じ1つの家族に属していることが示される。また、会員識別情報が「000002」の会員は、家族識別情報が「fm000002」で示される家族に属していることが示される。また、会員識別情報が「000005」の会員は、家族識別情報が未登録とされており、属する家族が登録されていないことが示されている。
【0051】
会員購入履歴情報記憶部136は、会員購入履歴情報を記憶する。会員購入履歴情報は、会員ごとの商品の購入履歴を示す情報である。1の会員に対応する会員購入履歴情報は、会員識別情報ごとに購入履歴情報が対応付けられた構造である。購入履歴情報には、購入された商品の商品識別情報、商品が購入された日時、購入された商品の価格などの情報が含まれる。
【0052】
本実施形態のPOSシステム1において、顧客は、まず、登録装置20にて買上商品についての登録を店員に行ってもらう。この際、顧客は、自分が会員である場合には、例えば会員カードを店員に提示する。店員は、例えばスキャナ部204またはカードリーダ210を操作して、提示されたカードからの会員番号の読み取りを行わせる。そして、店員は商品の登録を行うと、前述の第1の指定態様と第2の指定態様とのいずれかにより精算装置30の指定を行う。顧客は、指定された精算装置30に赴いて精算を行うようにされる。
そして、本実施形態においては、会員としての顧客が精算装置30にて精算を行う際に、精算装置30の表示部305において、顧客に対応してセルフメディケーション税制の対象となる第1対象商品の購入累計金額に関連する情報の表示(出力の一例)が行われる。
【0053】
図10は、精算装置30の表示部305にて行われるセルフメディケーション税制に対応する第1対象商品の購入累計金額に関連する情報についての表示の一態様例を示す。
なお、以降において、第1対象商品の購入累計金額に関連する情報と、後述の第2対象商品の購入累計金額に関連する情報とで特に区別しない場合には、税制関連金額情報と記載する。
同図においては、精算画面が表示された状態が示されている。精算画面は、顧客が精算の操作に用いる画面である。
同図の精算画面においては、顧客が支払うべき代金が「お支払い金額」として表示されている。精算画面における代金の表示は、精算装置30が取得した精算情報に基づいて行われる。また、同図の精算画面は現金による支払いに対応する例であり、顧客に支払いのための現金を決済部310の貨幣投入口に入れてもらうことを促すメッセージ(「お金を入れてください」が表示されている。顧客が貨幣投入口に現金を投入すると、投入された金額が「お預かり金額」の欄に表示される。
【0054】
そのうえで、同図の精算画面においては、税制関連金額情報エリアAR1が配置されている。同図の税制関連金額情報エリアAR1においては、現時点におけるセルフメディケーション税制の対象となる商品の購入累計金額(第1対象商品購入累計金額)が2万円であり、所得から控除できる金額(控除金額)が8千円であることが示されている。このように、本実施形態の税制関連金額情報エリアAR1においては、税制関連金額情報として、セルフメディケーション税制の対象となる第1対象商品の購入累計金額と、当該購入累計金額に応じて所得から控除できる金額(控除金額)とが提示される。
【0055】
ここで、セルフメディケーション税制による控除は年ごとに行われる。このため、税制関連金額情報エリアAR1にて提示される第1対象商品購入累計金額は、現在日時を含む年の初めから現在までにおいて購入された第1対象商品の累計金額を示す。この場合において、今回の取引における買上商品に第1対象商品が含まれていた場合には、今回の取引での買上商品に含まれる第1対象商品の金額を含めた第1対象商品購入累計金額が提示されるようにすればよい。
また、税制関連金額情報エリアAR1にて提示される第1対象商品購入累計金額は、精算を行う会員としての顧客が、会員情報において或る家族に属するものとして登録されている場合には、顧客を含む家族ごとの第1対象商品購入累計金額を合計した金額が提示される。
【0056】
控除金額は、第1対象商品購入累計金額からセルフメディケーション税制にて規定される1万2千円の超過条件金額を減算した金額が提示される。従って、この場合には、控除金額は、2万円から1万2千円を減算した8千円として求められることになり、同図においては、8千円との控除金額が表示されているものである。
【0057】
このように精算画面において第1対象商品購入累計金額の提示が行われることで、顧客は、精算を行う際に、自分(自分の家族として登録されている会員がいる場合には、その会員も含む)が今年になって購入した第1対象商品の総額を一目で把握することができる。つまり、顧客は、セルフメディケーション税制に対応して購入した商品の総額を把握することができる。また、第1対象商品購入累計金額とともに控除金額が提示されることで、顧客は、自分で超過条件金額などを覚えて計算をしなくとも、控除金額についても一目で把握することができる。これにより、客がセルフメディケーション税制に対応して購入した第1対象商品の総額や控除金額などを把握するにあたり、例えばこれまで保管していたレシートから第1対象商品の価格を抜き出して合算するといった作業を行う必要がなくなる。
【0058】
ここで、本実施形態の税制関連金額情報エリアAR1にて提示される第1対象商品購入累計金額と控除金額は、本実施形態のPOSシステム1が設置された店舗、あるいは当該店舗を含む系列店のグループで管理する購入履歴情報に基づいて求められる。ただし、顧客は、他の店舗などで医薬品としての商品を購入する可能性がある。この点からすれば、税制関連金額情報エリアAR1にて提示される第1対象商品購入累計金額や控除金額は、必ずしも正確な金額ではない。
【0059】
しかしながら、このように税制関連金額情報エリアAR1にて第1対象商品購入累計金額、控除金額を提示すれば、顧客としては、自分または家族が今買い物をしている店舗(あるいは系列店全体)での第1対象商品購入累計金額だけでも把握できる。そのうえで、他の店舗や他の系列店などでどの程度の第1対象商品を購入したのかを加味すれば、本来の第1対象商品の購入累計金額を或る程度正確に把握できる。また、税制関連金額情報エリアAR1により第1対象商品購入累計金額等が提示されることにより、セルフメディケーション税制が顧客に周知されることになり、顧客がセルフメディケーション税制を意識しながら買い物をできるようになる。さらに、税制関連金額情報エリアAR1により第1対象商品購入累計金額等を提示するサービスを行うことで、顧客は、できるだけ実際に近い第1対象商品購入累計金額等が提示されるように、第1対象商品についてはこの店舗(または系列店)でできるだけ購入するようにする可能性が高くなる。つまり、顧客の囲い込み効果を期待できる。
【0060】
図11のフローチャートを参照して、本実施形態における精算装置30と管理装置10とが税制金額関連情報の表示に関連して実行する処理手順例について説明する。
ステップS101:精算装置30は、前述の第1の指定態様と第2の指定態様とのいずれかによる精算装置30の指定が行われたことに応じて、登録装置20での商品登録の結果が反映された精算情報を取得する。
【0061】
ステップS102:登録装置20にて商品登録処理が行われている際に、顧客から提示された会員カードに基づく会員識別情報が入力されている場合、ステップS101にて取得された精算情報には、登録装置20にて入力された会員識別情報が含まれている。そこで、精算装置30は、ステップS101にて取得された精算情報から会員識別情報を取得する。
【0062】
ステップS103:また、精算情報に含まれる登録済みの商品のうちの第1対象商品については、商品分類情報により第1対象商品であることが示されている。そこで、精算装置30は、精算情報に含まれる登録済みの商品のうちから、商品分類情報を参照して第1対象商品を抽出する。精算装置30は、抽出した第1対象商品の商品識別情報を取得する。なお、精算情報に含まれる登録済みの商品において第1対象商品がなければ、ステップS103において第1対象商品の商品識別情報は取得されなくともよい。
【0063】
ステップS104:次に、精算装置30は、税制関連金額情報要求を管理装置10に送信する。税制関連金額情報要求には、ステップS102により取得された会員識別情報が含まれる。また、ステップS103にて第1対象商品の商品識別情報が取得されている場合には、税制関連金額情報要求には、取得された第1対象商品の商品識別情報が含まれる。
ステップS105:ステップS104により送信された税制関連金額情報要求に応答して、管理装置10は税制関連金額情報を送信する。精算装置30は、管理装置10から送信された税制関連金額情報を受信する。
ステップS106:精算装置30は、ステップS105にて受信された税制関連金額情報を提示する表示を店員用表示部205に対して行う。具体的には、
図10に示したように、税制関連金額情報エリアAR1を含む精算画面を店員用表示部205に表示させる。
ステップS105にて受信された税制関連金額情報には、今回の取引に対応する精算を行う顧客または顧客を含む家族に対応する第1対象商品購入累計金額と控除金額とが含まれている。税制関連金額情報エリアAR1には、受信された税制関連金額情報に含まれていた第1対象商品購入累計金額と控除金額とが提示される。
【0064】
ステップS107:ステップS106により税制関連金額情報エリアAR1を配置した精算画面を表示させた後において、精算装置30は、顧客の精算のための操作に応じた精算処理を実行する。
【0065】
ステップS108:ステップS107による精算処理が終了したことに応じて、精算装置30は、精算処理結果を示すレシートを印刷部309により発行させる。ステップS108により発行されるレシートには、今回の取引において購入された(登録装置20により登録された)商品の内訳、合計金額、支払い種別(現金、クレジットカード、品券、電子マネー、プリペイドカードなど)、預かり金、釣銭などの情報が印刷されている。
そのうえで、本実施形態のレシートには、税制関連金額情報エリアAR1にて提示された税制関連金額情報も印刷される。つまり、レシートにおいて、第1対象商品購入累計金額と控除金額とを示す内容が印刷される。なお、第1対象商品購入累計金額と控除金額とのいずれか一方を示す内容が印刷されてもよい。
また、レシートの商品の内訳において、第1対象商品については、第1対象商品であることを示す所定の標示が付加されるようにしてもよい。このようにすれば、顧客がレシートに印刷された商品の内訳を確認する際に、商品ごとに、第1対象商品と、第1対象商品以外の商品とのうちのいずれであるのかを把握できる。
【0066】
なお、登録装置20にて商品登録処理を実行している際には、商品が登録されるごとに登録された商品の情報を店員用表示部205と客用表示部205aとにおいて表示することが行われる。この際、登録された商品が第1対象商品である場合には、例えば店員用表示部205または客用表示部205aにおいて、登録された商品が第1対象商品であることを示す標示が付加されるようにしてよい。
【0067】
なお、税制関連金額情報エリアAR1も、第1対象商品購入累計金額と控除金額とのいずれか一方に関する情報が提示される態様とされてよい。
【0068】
次に、管理装置10が実行する処理手順例について説明する。同図の処理は、制御部102によって実行される。
ステップS201:管理装置10は、ステップS104により精算装置30から送信された税制関連金額情報要求を受信する。
ステップS202:管理装置10は、今回の取引に対応する顧客個人の第1対象商品購入累計金額を算出する。このために、管理装置10は、ステップS201にて受信された税制関連金額情報要求に含まれる会員識別情報を取得する。管理装置10は、会員購入履歴情報記憶部136から、取得された会員識別情報に対応付けられた会員購入履歴情報を検索する。管理装置10は、検索された会員購入履歴情報のうちから、現在日時を含む年における第1対象商品の購入履歴を抽出する。管理装置10は、抽出された第1対象商品の購入履歴により示される第1対象商品ごとの価格を合算する。
また、管理装置10は、ステップS201にて受信された税制関連金額情報要求に第1対象商品の商品識別情報が含まれていた場合、税制関連金額情報要求に含まれていた第1対象商品の商品識別情報を格納する商品関連情報を商品マスタ記憶部131から検索する。管理装置10は、検索された商品関連情報のそれぞれに格納される価格を利用して、税制関連金額情報要求に含まれていた第1対象商品の合計金額を算出する。管理装置10は、算出された合計金額を、抽出された第1対象商品の購入履歴により示される第1対象商品ごとの価格を合算して得られた金額に加算する。このようにして、今回の取引において購入対象とされた第1対象商品を含む第1対象商品購入累計金額が算出される。
一方、ステップS201にて受信された税制関連金額情報要求に第1対象商品の商品識別情報が含まれていない場合には、抽出された第1対象商品の購入履歴により示される第1対象商品ごとの価格を合算して得られた金額が顧客個人の第1対象商品購入累計金額となる。
【0069】
ステップS203:次に、管理装置10は、今回の取引に対応する会員としての顧客は、他の会員との家族登録があるか否かについて判定する。このために、管理装置10は、会員情報記憶部135から、税制関連金額情報要求から取得したのと同じ会員識別情報を含む会員情報を検索する。管理装置10は、検索された会員情報における家族識別情報の領域に家族識別情報が格納されているか否かを判定する。家族識別情報が格納されていれば、今回の取引に対応する顧客は、他の会員との家族登録があると判定される。一方、家族識別情報が格納されていなければ、今回の取引に対応する顧客は、他の会員との家族登録はないと判定される。
【0070】
ステップS204:他の会員との家族登録があると判定された場合、管理装置10は、今回の取引に対応する顧客と同じ家族に属する会員ごとの第1対象商品購入累計金額を算出する。このために、管理装置10は、今回の取引に対応する顧客の会員情報に含まれていたのと同じ家族識別情報を含む会員情報を検索する。このように検索された会員情報は、今回の取引に対応する顧客と同じ家族として登録された会員の会員情報である。
管理装置10は、検索された会員情報のうちの1つに含まれる会員識別情報が対応付けられた会員購入履歴情報を、会員購入履歴情報記憶部136から検索する。管理装置10は、検索された会員購入履歴情報を利用して、第1対象商品購入累計金額を算出する。このようにして、管理装置10は、今回の取引に対応する顧客と同じ家族として登録された会員のうちの1人についての第1対象商品購入累計金額を算出する。管理装置10は、同様の処理により今回の取引に対応する顧客と同じ家族として登録された他の各会員についての第1対象商品購入累計金額を算出する。
ステップS205:管理装置10は、ステップS202により算出された第1対象商品購入累計金額と、ステップS204により算出された各会員の第1対象商品購入累計金額とを合算する。このようにして合算された第1対象商品購入累計金額は、今回の取引に対応する顧客とその家族である会員とにより購入された第1対象商品についての購入累計金額となる。
【0071】
ステップS206:ステップS203にて他の会員との家族登録がないと判定された場合、あるいはステップS205の処理の後、管理装置10は、控除金額を算出する。ステップS203において他の会員との家族登録がないと判定された場合、管理装置10は、ステップS202により算出された第1対象商品購入累計金額から超過条件金額(1万2千円)を減算することにより控除金額を算出する。また、ステップS205の処理を経た場合、管理装置10は、ステップS205の合算による第1対象商品購入累計金額から超過条件金額(1万2千円)を減算することにより控除金額を算出する。
ステップS207:管理装置10は、ステップS202またはステップS205により算出された第1対象商品購入累計金額と、ステップS206により算出された控除金額とを含む税制関連金額情報を、税制関連金額情報要求の送信元の精算装置30に送信する。
【0072】
<第2実施形態>
続いて、第2実施形態について説明する。前述のように、セルフメディケーション税制による所得控除と、現行の医療費控除税制による所得控除とは併用できず、いずれか一方の所得控除のみを利用することが定められている。
図12は、購入累計金額と控除金額との関係を、セルフメディケーション税制と現行の医療費控除税制とで比較して示している。同図において、横軸が購入累計金額を示し、縦軸が控除金額を示す。また、同図において実線がセルフメディケーション税制に対応する購入累計金額と控除金額との関係を示し、一点鎖線が現行の医療費控除税制に対応する購入累計金額と控除金額との関係を示す。
同図から分かるように、控除金額は、購入累計金額が18万8千円(現行の医療費控除税制の超過条件金額である10万円と、セルフメディケーション税制での控除金額の上限金額8万8千円とを加算した金額)未満までは、セルフメディケーション税制のほうが医療費控除税制よりも高い。一方、購入累計金額が18万8千円を超えると、医療費控除税制のほうがセルフメディケーション税制よりも高く、有利となる。ただし、購入累計金額が10万円から18万8千円の範囲では、所得などの条件に応じて、セルフメディケーション税制のほうが医療費控除税制よりも有利になるとは限らない場合がある。
【0073】
セルフメディケーション税制と医療費控除税制とが上記のような関係性を有することを考慮すると、セルフメディケーション税制についての税制関連金額情報に加えて、医療費控除税制についての税制関連金額情報も提示することが好ましい。このようにセルフメディケーション税制と医療費控除税制との双方の税制関連金額情報を提示すれば、顧客がセルフメディケーション税制と医療費控除税制とのいずれで控除を受けるのかについての検討に役立てることができる。
そこで、本実施形態においては、精算画面において配置される税制関連金額情報エリアAR1において、セルフメディケーション税制と医療費控除税制との双方の税制関連金額情報が提示されるようにする。
【0074】
図13は、本実施形態の精算画面において配置される税制関連金額情報エリアAR1の一態様例を示している。図示は省略しているが、背景の精算画面の態様は、
図10と同様でよい。
同図の税制関連金額情報エリアAR1においては、セルフメディケーション税制関連金額情報エリアAR11と、医療費控除税制関連金額情報エリアAR12と、制度利用案内エリアAR13とが配置されている。
【0075】
セルフメディケーション税制関連金額情報エリアAR11においては、セルフメディケーション税制に対応する税制関連金額情報が提示される。同図においては、セルフメディケーション税制に対応する第1対象商品購入累計金額と当該第1対象商品購入累計金額に応じて算出された控除金額とが提示された例が示されている。即ち、同図のセルフメディケーション税制関連金額情報エリアAR11においては、
図10の税制関連金額情報エリアAR1自体と実質的に同等の情報が提示される。
【0076】
医療費控除税制関連金額情報エリアAR12においては、現行の医療費控除税制に対応する税制関連金額情報が提示される。同図においては、現行の医療費控除税制に対応する税制関連金額情報として、第2対象商品購入累計金額と当該第2対象商品購入累計金額に応じて算出された控除金額とが示されている。具体的に、同図においては、第2対象商品購入累計金額が3万1千800円であることが示されている。この場合、第2対象商品購入累計金額である3万1千800円は、現行の医療費控除の超過条件金額である10万円未満である。同図の例では、このように第2対象商品購入累計金額が超過条件金額よりも少ない場合、超過条件金額までの不足金額を控除金額に関する情報として提示するようにしている。具体的に、同図においては、現時点での第2対象商品購入累計金額である3万1千800円では、超過条件金額である10万円に対して6万8千200円不足していることが示されている。
【0077】
制度利用案内エリアAR13においては、現時点において、セルフメディケーション税制と現行の医療費控除税制とのうちいずれの税制を利用して控除を受けるべきであるのかについての案内(制度利用案内)が示される。なお、制度利用案内エリアAR13における制度利用案内には、セルフメディケーション税制関連金額情報エリアAR11において示された第1対象商品購入累計金額と、医療費控除税制関連金額情報エリアAR12において示された第2対象商品購入累計金額とに基づいて判定された結果が反映される。
【0078】
また、本実施形態における制度利用案内の内容は、
図12の購入累計金額と控除金額との関係に基づき、以下の4つの場合に応じた4つのパターンのいずれかとなる。
即ち、第1対象商品購入累計金額が対応の超過条件金額(1万2千円)を超過しておらず、第2対象商品購入累計金額も対応の超過条件金額(10万円)を超過していない場合には、第1パターンとして、いずれの税制による控除も受けられないことが案内される。
また、第1対象商品購入累計金額は超過条件金額を超過していないが、第2対象商品購入累計金額は超過条件金額を超過している場合、あるいは、第2対象商品購入累計金額が18万8千円を超過している場合、第2パターンとして、現行の医療費控除税制による控除を受けるべきことが案内される。
また、第1対象商品購入累計金額は超過条件金額を超過しているが、第2対象商品購入累計金額は超過条件金額を超過していない場合、第3パターンとして、セルフメディケーション税制による控除を受けるべきことが案内される。
図13の例では、制度利用案内エリアAR13において、第3パターンに対応する内容が示されている。
また、第1対象商品購入累計金額が10万円(超過条件金額と上限金額とを加算した金額)を超過しており、第2対象商品購入累計金額が超過条件金額(10万円)から18万8千円の範囲である場合には、第4パターンとして、所得等の条件に応じて、どちらの税制が有利であるか確定できないことが案内される。
【0079】
このように、本実施形態においては、税制関連金額情報エリアAR1において、セルフメディケーション税制に対応する税制関連金額情報に加えて、現行の医療費控除税制に対応する税制関連金額情報が提示される。これにより、顧客は、例えばセルフメディケーション税制に対応する控除金額と、現行の医療費控除税制に対応する控除金額とを一目で簡易に把握することが可能になる。
さらに、本実施形態おいては、制度利用案内エリアAR13により制度利用案内が提示される。このため、例えばそれぞれの税制をあまりよく知らない顧客であっても、例えばどちらの税制による控除を受けることができるのか、あるいはいずれの税制が自分にとって有利なのかといった税制の利用の適否に関しても把握することができる。
【0080】
図14のフローチャートを参照して、本実施形態における精算装置30と管理装置10とが税制金額関連情報と制度利用案内の表示に関連して実行する処理手順例について説明する。
まず、精算装置30が実行する処理手順例について説明する。同図において、精算装置30が実行するステップS301〜S303は、
図11のステップS101〜S103と同様であることからここでの説明を省略する。
【0081】
ステップS304:精算情報に含まれる登録済みの商品のうちの第2対象商品については、商品分類情報により第2対象商品であることが示されている。そこで、精算装置30は、精算情報に含まれる登録済みの商品のうちから、商品分類情報を参照して第2対象商品を抽出する。精算装置30は、抽出した第2対象商品の商品識別情報を取得する。なお、精算情報に含まれる登録済みの商品において第2対象商品がなければ、ステップS304において第2対象商品の商品識別情報は取得されなくともよい。
【0082】
ステップS305:次に、精算装置30は、税制関連金額情報要求を管理装置10に送信する。本実施形態の税制関連金額情報要求には、ステップS302により取得された会員識別情報が含まれる。また、税制関連金額情報要求には、ステップS303にて第1対象商品の商品識別情報が取得されている場合には、取得された第1対象商品の商品識別情報が含まれる。また、税制関連金額情報要求には、ステップS304にて第2対象商品の商品識別情報が取得されている場合には、取得された第2対象商品の商品識別情報が含まれる。
ステップS306:ステップS305により送信された税制関連金額情報要求に応答して、管理装置10は税制関連金額情報を送信する。精算装置30は、管理装置10から送信された税制関連金額情報を受信する。
【0083】
ステップS307:精算装置30は、ステップS306にて受信された税制関連金額情報を提示する表示を店員用表示部205に対して行う。具体的には、
図13に示した税制関連金額情報エリアAR1を含む精算画面を店員用表示部205に表示させる。
この場合において、精算装置30は、
図13の税制関連金額情報エリアAR1におけるセルフメディケーション税制関連金額情報エリアAR11における税制関連金額情報、医療費控除税制関連金額情報エリアAR12における税制関連金額情報、制度利用案内エリアAR13における案内の各表示を、ステップS306にて受信された税制関連金額情報に基づいて行う。
【0084】
ステップS308:ステップS307により税制関連金額情報エリアAR1を配置した精算画面を表示させた後において、精算装置30は、顧客の精算のための操作に応じた精算処理を実行する。
【0085】
ステップS309:ステップS308による精算処理が終了したことに応じて、精算装置30は、精算処理結果を示すレシートを印刷部309により発行させる。
図15は、ステップS309により発行されるレシートの印刷内容例を示している。同図のレシートにおいては、今回の取引において購入された(登録装置20により登録された)商品の内訳、合計金額等が印刷されている。ここで、同図のレシートの商品の内訳においては、第1対象商品または第2対象商品に該当する商品の項目に対応させて、第1対象商品または第2対象商品であることを示す標示が付加されるように印刷されている。具体的には、「商品A」の項目については、黒塗りの星型の標示MK1が付加されることで、第1対象商品であることが示されている。また、当該「商品A」のように、第1対象商品である商品の項目においては、税制区分表記エリアAR21が付加され、商品名に対応させて対応の商品が第1対象商品であることを例えば「OTC」との文字表記により示すことも行われている。
また、「商品E」の項目については、黒塗りの三角形の標示MK2が付加されることで、第2対象商品であることが示されている。また、当該「商品E」のように第2対象商品である商品の項目においては、税制区分表記エリアAR21において、対応の商品が第2対象商品であることを例えば「医療控除」との文字表記により示すことも行われている。
また、商品の内訳における「商品B」のように、第1対象商品と第2対象商品とのいずれにも該当する商品の場合には、対応の項目において、第1対象商品であることを示す標示MK1と第2対象商品であることを示す標示MK2との双方が付加される。また、当該御「商品B」の場合の税制区分表記エリアAR21においては、第1対象商品と第2対象商品とのいずれにも該当することを示す、例えば「医療控除・OTC」との表記が行われている。
また、商品の内訳における「商品C」、「商品D」のように、第1対象商品と第2対象商品とのいずれにも該当しない商品の場合には、標示MK1、標示MK2等は付加されず、また、税制区分表記エリアAR21も付加されていない。
また、同図のレシートの例では、今回の取引に対応する合計金額として、今回の取引に対応する全商品についての合計金額(標示なし)と、第1対象商品に該当する商品についての合計金額(標示MK1を付加)と、第2対象商品に該当する商品についての合計金額(標示MK2を付加)とが示される。
また、同図のレシートにおいては、今回の取引までの第1対象商品に該当する商品についての第1対象商品購入累計金額(標示MK1を付加)と、今回の取引までの第2対象商品に該当する商品についての第2対象商品購入累計金額(標示MK2を付加)とが示されている。
【0086】
なお、同図に示されるレシートの印刷内容は一例である。例えば標示MK1、MK2と、税制区分表記エリアAR21とのいずれか一方は印刷が省略されてもよい。標示MK1、MK2と、税制区分表記エリアAR21とのうちの少なくとも一方が印刷されて居さえすれば、顧客がレシートに印刷された商品の内訳を確認する際に、商品ごとに、第1対象商品、第2対象商品に該当するものであるか否かを把握できる。
また、第1対象商品または第2対象商品の合計金額については、商品の内訳において示される該当商品の金額を加算すれば求められることを考慮すれば、レシートにおける印刷については省略されてよい。
また、レシートには、支払い種別(現金、クレジットカード、品券、電子マネー、プリペイドカードなど)、預かり金、釣銭などの情報が印刷されてもよい。また、本実施形態のレシートには、さらに、税制関連金額情報として、第1対象商品購入累計金額に対応する控除金額や、第2対象商品購入累計金額に対応する控除金額を示す内容が印刷されてもよい。さらに、レシートにおいて、制度利用案内に対応する内容が印刷されてもよい。
また、この場合には、レシートの商品の内訳において、第1対象商品と第2対象商品とについては、それぞれ、第1対象商品または第2対象商品であることを示す所定の標示が付加されるようにしてもよい。このようにすれば、顧客がレシートに印刷された商品の内訳を確認する際に、商品ごとに、第1対象商品、第2対象商品、第1対象商品と第2対象商品とのいずれにも該当しない商品のうちのいずれであるのかを把握できる。
【0087】
なお、登録装置20にて商品登録処理を実行している際には、商品が登録されるごとに登録された商品の情報を店員用表示部205と客用表示部205aとにおいて表示することが行われる。この際、登録された商品が第1対象商品、第2対象商品である場合には、例えば店員用表示部205または客用表示部205aにおいて、登録された商品が第1対象商品、第2対象商品であることを示す標示が付加されるようにしてよい。
【0088】
次に、同じ
図14を参照して、管理装置10が実行する処理手順例について説明する。同図の処理は、制御部102によって実行される。
ステップS401:管理装置10は、ステップS305により精算装置30から送信された税制関連金額情報要求を受信する。
ステップS402:税制関連金額情報要求が受信されたことに応じて、管理装置10は、
図11のステップS202と同様の処理により、今回の取引に対応する顧客個人の第1対象商品購入累計金額を算出する。
ステップS403:また、管理装置10は、今回の取引に対応する顧客個人の第2対象商品購入累計金額を、ステップS402に準じた処理によって算出する。
【0089】
ステップS404:次に、管理装置10は、
図11のステップS203と同様の処理により、今回の取引に対応する会員としての顧客は、他の会員との家族登録があるか否かについて判定する。
【0090】
ステップS405:他の会員との家族登録があると判定された場合、管理装置10は、
図11のステップS204と同様の処理により、今回の取引に対応する顧客と同じ家族に属する会員ごとの第1対象商品購入累計金額を算出する。
ステップS406:管理装置10は、ステップS402により算出された第1対象商品購入累計金額と、ステップS405により算出された各会員の第1対象商品購入累計金額とを合算する。このようにして合算された第1対象商品購入累計金額は、今回の取引に対応する顧客とその家族である会員とにより購入された第1対象商品についての購入累計金額となる。
ステップS407:また、管理装置10は、ステップS405に準じた処理により、今回の取引に対応する顧客と同じ家族に属する会員ごとの第2対象商品購入累計金額を算出する。
ステップS408:管理装置10は、ステップS403により算出された第2対象商品購入累計金額と、ステップS407により算出された各会員の第2対象商品購入累計金額とを合算する。このようにして合算された第2対象商品購入累計金額は、今回の取引に対応する顧客とその家族である会員とにより購入された第2対象商品についての購入累計金額となる。
【0091】
ステップS409:ステップS404にて他の会員との家族登録がないと判定された場合、あるいはステップS408の処理の後、管理装置10は、
図11のステップS206と同様の処理により、セルフメディケーション税制に対応する控除金額を算出する。
ステップS410:また、管理装置10は、現行の医療費控除税制に対応する控除金額を算出する。ステップS404において他の会員との家族登録がないと判定された場合、管理装置10は、ステップS403により算出された第2対象商品購入累計金額から超過条件金額(10万円)を減算することにより控除金額を算出する。また、ステップS408の処理を経た場合、管理装置10は、ステップS408の合算による第2対象商品購入累計金額から超過条件金額(10万円)を減算することにより控除金額を算出する。
【0092】
ステップS411:管理装置10は、これまでの処理によって算出された第1対象商品購入累計金額と第2対象商品購入累計金額と、税制情報記憶部134が記憶する税制情報において示される各税制の超過条件金額と上限金額とに基づいて、税制利用適否判定を行う。ここでの適否判定は、制度利用案内の内容として前述の第1パターンから第4パターンのうちのいずれのパターンに該当するのかを判定する処理であればよい。
【0093】
ステップS412:管理装置10は、税制関連金額情報を、税制関連金額情報要求の送信元の精算装置30に送信する。本実施形態の税制関連金額情報には、ステップS402またはステップS406により算出された第1対象商品購入累計金額が含まれる。また、税制関連金額情報には、ステップS403またはステップS408により算出された第2対象商品購入累計金額が含まれる。また、税制関連金額情報には、ステップS409にて算出されたセルフメディケーション税制に対応の控除金額が含まれる。また、税制関連金額情報には、ステップS410にて算出された現行の医療費控除税制に対応の控除金額が含まれる。さらに、税制関連金額情報には、ステップS411による税制利用適否判定の結果(第1パターン〜第4パターンのいずれか1つ)を示す情報が含まれる。
【0094】
<第3実施形態>
続いて、第3実施形態について説明する。顧客が実際にセルフメディケーション税制を利用して控除を受けようとする際には、第1対象商品を購入したことの証明としてレシートが必要になる。しかしながら、例えば、レシートを保管せずに廃棄してしまっていたり、保管していたものが紛失してしまったりするなどして、第1対象商品を購入した際のレシートがそろわない場合がある。
そこで、本実施形態のPOSシステム1は過去の第1対象商品の購入に応じたレシート(領収書)を再発行可能なように構成される。本実施形態において、レシートの再発行は精算装置30にて行われる。本実施形態においては、例えば、精算を行う顧客が少なく、精算処理のために稼働させなくともよい余剰の精算装置30があるようになった状況のもとで、余剰の精算装置30をレシート再発行モードに設定する。レシート再発行モードの設定は、例えば店員による精算装置30または登録装置20に対する操作に応じて行われるようにされればよい。あるいは、例えば精算処理を実行しない時間が一定時間以上継続した場合に、精算装置30が自己をレシート再発行モードに設定してもよい。また、例えば顧客の操作に応じてレシート再発行モードが設定されるようにしてもよい。
【0095】
レシート再発行モードが設定された精算装置30は、例えばレシート再発行に対応する初期画面を表示させた状態で待機する。レシート再発行の操作は、顧客が行うことができる。レシートを再発行させたい顧客は、例えば初期画面が表示された状態のもと、自分の会員識別情報を入力する操作を行う。会員識別情報が入力されたことに応じて、精算装置30は、レシート再発行に関する操作が行われるレシート再発行画面を表示する。
【0096】
図16は、レシート再発行画面の一例を示している。同図のレシート再発行画面においては、取引リストエリアAR−LSが配置されている。また、取引リストエリアAR−LSにおいては、1取引ごとに対応する取引リスト項目Litmが配置される。また、取引リスト項目Litmごとに対応して取引選択ボタンBT−SLが配置される。
また、レシート再発行画面においては、セルフメディケーション税制選択ボタンBT11、現行医療費控除税制選択ボタンBT12、グラフボタンBT13、発行指示ボタンBT14、BT15が配置される。
【0097】
同図のレシート再発行画面における取引リストエリアAR−LSは、初期表示の状態に対応する。初期表示の状態では、入力された会員識別情報により示される顧客に対応してこれまでに行われた取引のうち、第1対象商品と第2対象商品との少なくともいずれか一方を含む取引が取引リスト項目Litmとして配列される。
同図の1つの取引リスト項目Litmにおいては、左から右にかけて、取引の行われた年月日、対応の取引を示す取引識別情報(取引番号)、買上商品の数(お買上げ点数)、合計金額、セルフメディケーション税制または現行の医療費控除税制に該当する商品を含むか否かの情報が示される。同図の例では、セルフメディケーション税制または現行の医療費控除に該当する商品を含むか否かの情報は、
図15の標示MK1、MK2と同様の態様による標示の配置によって行われている。
【0098】
レシート再発行画面の初期表示にあたり、精算装置30は、入力された会員識別情報を指定して、リスト要求を管理装置10に対して送信する。リスト要求の受信に応じて、管理装置10は、指定された会員識別情報により会員購入履歴情報記憶部136から検索した会員購入履歴情報から、第1対象商品と第2対象商品との少なくともいずれか一方を購入された商品として含む取引単位の履歴を抽出し、抽出した取引単位の履歴を精算装置30に送信する。精算装置30は、受信された取引単位の履歴を、それぞれ取引リスト項目Litmとして配列した取引リストエリアAR−LSを含むレシート再発行画面を表示する。
【0099】
前述のように、セルフメディケーション税制による所得控除と、現行の医療費控除税制による所得控除とは併用できず、いずれか一方の所得控除のみを利用することが定められている。そこで、本実施形態においては、取引リストエリアAR−LSについて、第1商品が購入された取引のみの取引リスト項目Litmの表示、あるいは第2商品が購入された取引のみの取引リスト項目Litmの表示に切り替えることができる。
例えば、顧客は、取引リストエリアAR−LSの初期表示の状態のままでは、両者の税制に対応する取引が混在していて紛らわしいと思った場合には、セルフメディケーション税制選択ボタンBT11、現行医療費控除税制選択ボタンBT12とのうち、自分が適用を受けたい税制に対応するボタンに対する操作を行う。例えばセルフメディケーション税制選択ボタンBT11が操作された場合、取引リストエリアAR−LSは、購入された商品として第1対象商品を含む取引のみの取引リスト項目Litmを表示する状態に変化する。また、セルフメディケーション税制選択ボタンBT11はセルフメディケーション税制が選択されたことを示す所定の態様の標示に変化する。また、この状態からセルフメディケーション税制選択ボタンBT11を再度操作すると、取引リストエリアAR−LSは初期表示に戻り、セルフメディケーション税制選択ボタンBT11の表示も元に戻る。
【0100】
また、グラフボタンBT13を操作することによっては、例えば対応の顧客についての第1対象商品購入累計金額と第2対象商品購入累計金額とを比較して示すグラフが表示される。グラフの表示態様としては特に限定されないが、例えば
図12に準じた表示態様が採られてもよい。
また、例えば現時点での控除金額等の表示を指示する操作が可能なボタン等がさらに配置されてもよい。
【0101】
顧客は、取引リストエリアAR−LSに配置される取引リスト項目Litmを見てレシートの再発行が必要な取引を確認する。ここで、取引リストエリアAR−LSに収まらない取引に対応する取引リスト項目Litmが有る場合には、スクロールの操作によって取引リストエリアAR−LSにて表示される取引リスト項目Litmが変更されるようにしてよい。
顧客は、レシートの再発行が必要な取引を示す取引リスト項目Litmごとに、対応の取引選択ボタンBT−SLを操作する。操作された取引選択ボタンBT−SLは、選択状態にあることを示す態様に変化する。あるいは、取引選択ボタンBT−SLが操作された取引リスト項目Litmの態様が選択状態を示すように変化されてもよい。また、選択状態にある取引選択ボタンBT−SLを再度操作すれば選択状態が解除され、表示の態様も非選択状態を示す平常の態様に戻る。なお、このように取引リスト項目Litmを選択する操作は、例えばチェックボックスに対する操作などであってもよい。
このように、レシートの再発行の対象となる取引リスト項目Litmを選択した場合、レシートの再発行にあたって顧客は、発行指示ボタンBT14、BT15のうち、発行指示ボタンBT15に対する操作を行う。発行指示ボタンBT15は、選択状態にある取引リスト項目Litmに対応するレシートの再発行を指示するための操作が行われるボタンである。
精算装置30は、発行指示ボタンBT15が操作されたことに応じて、選択状態にある取引リスト項目Litmが対応する取引ごとの内容が印刷されたレシート(再発行レシート)を再発行する。この場合において、再発行レシートは、取引ごとに対応して1枚ずつ発行されてもよいし、1枚において選択された取引ごとに応じた内容が順次列記されるように印刷された形式で発行されてもよい。
このように、選択した取引リスト項目Litmに対応するレシートを再発行させる操作は、再発行の対象となる取引が少ない場合に効率的である。
【0102】
一方、再発行の対象となる取引が多い場合、レシートの再発行を行う顧客は、以下のように操作することもできる。即ち、この場合の顧客は、取引リストエリアAR−LSにて表示される取引リスト項目Litmのうちから、レシートの再発行が不要の取引に対応する取引選択ボタンBT−SLを操作する。そのうえで、顧客は、発行指示ボタンBT14、BT15のうち、発行指示ボタンBT14に対する操作を行う。発行指示ボタンBT14は、選択状態にない取引リスト項目Litmに対応するレシートの再発行を指示するための操作が行われるボタンである。
精算装置30は、発行指示ボタンBT14が操作されたことに応じて、選択状態にない取引リスト項目Litmが対応する取引ごとの内容が印刷されたレシート(再発行レシート)を再発行する。
このように、本実施形態のレシート再発行画面は、レシートの再発行の対象の取引が多い場合と少ない場合とのいずれにも対応して短時間で効率よくレシートの再発行が行われるようにしている。
なお、再発行の対象となる取引が多い場合には、例えば一旦全ての取引リスト項目Litmを選択状態としたうえで、再発行の対象としない取引に対応する取引リスト項目Litmの選択状態を解除するように取引選択ボタンBT−SLを操作のうえで、発行指示ボタンBT14を操作するようにしてもよい。
【0103】
図17は、再発行レシートの印刷内容例を示している。同図においては、
図15のレシートが対応するのと同じ取引について、セルフメディケーション税制を選択した場合に発行される再発行レシートの例が示されている。
同図の再発行レシートにおいて示される商品の内訳は、「商品A」、「商品B」、「商品C」、「商品D」、「商品E」であり、
図15のレシートと同じである。そして、第1対象商品に該当する「商品A」、「商品B」に対して、第1対象商品であることを示す標示MK1が付されている。この点も
図15と同様である。ただし、同図の再発行レシートは、セルフメディケーション税制の選択に対応している。このため、「商品B」、「商品E」は、第2対象商品に該当するものの、第2対象商品であることを示す標示MK2は付加されていない。また、「商品B」は、第1対象商品と第2対象商品とのいずれにも該当するものの、税制区分表記エリアAR21においては、第1対象商品であることのみが示されており、第2対象商品であることについては示されていない。また、第2対象商品のみに対応する「商品E」に対応しては税制区分表記エリアAR21が省略されている。
また、再発行レシートは、選択された税制に対応して所得から控除するための証明として使用される。このため、同図の再発行レシートにおいては、合計金額と購入累計金額については、第1対象商品のみに対応する合計金額と購入累計金額とが印刷されており、第2対象商品に対応する合計金額と購入累計金額、及び対応の取引において購入された全商品についての合計金額などは印刷を省略している。これらの省略な項目を再発行レシートに印刷してもよい。しかしながら、このように省略な項目の印刷を省略することで、例えばレシート用の用紙の節約などを図ることできる。また、商品の内訳についても、例えば選択された税制に該当する商品のみが印刷されるようにしてよい。
【0104】
なお、上記の説明では、セルフメディケーション税制と現行の医療費控除税制とのいずれにも対応してレシートの再発行が可能な例について説明した。しかしながら、現行の医療費控除税制の費用は、一般には店舗で購入する医薬品よりも、診察、手術、入院などのように病院等で受ける医療行為に応じた費用が多くを占める場合が多い。そこで、本実施形態としては、例えばセルフメディケーション税制のみに対応してレシートの再発行が可能なようにされてもよい。
【0105】
なお、上記の例では、取引単位でレシートが再発行されるようにしているが、例えば、過去に顧客が購入した第1対象商品あるいは第2対象商品単位でレシートが再発行されるようにしてもよい。
【0106】
<第4実施形態>
続いて、第4実施形態について説明する。先の第1実施形態〜第3実施形態のPOSシステム1は、登録装置20と精算装置30とが備えられており、商品登録処理と精算処理とが個別の装置で行われる構成とされていた。
これに対して、本実施形態のPOSシステム1においては、登録装置20及び精算装置30に代えて、商品登録処理と精算処理とが1台で行われる対面型のPOSレジスタ(販売データ処理装置の一例)が備えられる。ここで、対面型のPOSレジスタとしては、店員の操作により商品登録処理と精算処理とが行われる店員操作型のものと、商品登録処理は店員の操作に応じて行われ、精算処理については店員と対面する側に位置する顧客によって行われる、店員顧客操作型とがある。本実施形態のPOSレジスタとしては、店員操作型と店員顧客操作型とのいずれの型式であってもよい。いずれの型式においても、本実施形態のもとでは、POSレジスタには、店員用表示部とともに顧客側に向けて表示を行う客用表示部が設けられる。
このようなPOSレジスタは、例えば
図3の登録装置20の構成に、例えば
図4の決済部310を付加するようにして構成することができる。
【0107】
図18は、本実施形態における店員顧客操作型のPOSレジスタ50の外観を示す斜視図である。同図は、POSレジスタ50を客側斜め前上方から見た場合の斜視図が示される。同図には、直交座標系XYZの座標軸が表されている。X軸は、水平面に対して水平な、POSレジスタ50の横方向の軸である。Y軸は、水平面に対して水平な、POSレジスタ50の奥行き方向、言い換えると、客側に向かう方向の軸である。Z軸は、水平面に直交する、POSレジスタ50の高さ方向の軸である。
【0108】
図19は、POSレジスタ50の外観を示す斜視図として、
図18とは別の視点によりPOSレジスタ50を見た場合の斜視図である。具体的には、同図は、店員側斜め前上方から見た場合の斜視図が示される。
図19には、カウンタ台580を挟んで対向する店員S(商品登録者)と、顧客Cとが表されている。
【0109】
図18及び
図19において、同一の構成には同一の符号を付してある。
図18及び
図19に示すように、POSレジスタ50は、店員用表示部510と、操作受付部520と、スキャナ部530と、筐体540と、支持部541と、客用表示部550と、釣銭機560と、レシート発行部570とを含む。また、POSレジスタ50は、図示しない制御部(制御手段の一例)を含む。制御部は、商品の買上げの登録をするための商品登録処理と釣銭機560への入金後の精算処理(決済処理)とを実行する。
【0110】
店員用表示部510は、商品登録処理に伴う商品登録表示情報を表示したり、精算処理に伴う会計表示情報を表示したりする表示装置である。例えば、商品登録表示情報は、買上商品の商品名、単価、値引額、数量等の情報を含む。例えば、会計表示情報は、合計金額、預かり金額、差額(おつり金額)、買上数量等の情報を含む。店員用表示部510は、これら表示情報を店員Sに提示する。
【0111】
例えば、店員用表示部510は、操作受付機能を有したタッチパネル付液晶表示装置により実現される。この場合、制御部は、プリセットボタン等のGUI(Graphical User Interface)ボタンを店員用表示部510に表示させる。そして、タッチパネルは、GUIボタンの操作入力を受け付けて、操作に応じた操作情報を制御部に供給する。また、店員用表示部510には、取引関連処理における商品登録処理に伴う商品登録表示情報や、精算処理に伴う情報などが表示される。
【0112】
操作受付部520は、キー等の入力部を備える。例えば、入力部は、販売価格や数量を入力する数字キー、予め定められた処理に対応付けられたプリセットキー、制御部に商品登録処理を終了させる小計キー(商品登録完了キー)等を備える。
【0113】
スキャナ部530は、制御部による商品登録処理の実行中に、商品に対応付けられたバーコード状の商品コードを読み取り、商品コードの情報を制御部に供給する光学式読取装置である。例えば、スキャナ部530は、ハンディスキャナにより実現される。スキャナ部530は、筐体540の側面に設けられた台座に掛止される。なお、スキャナ部530を、店員S側のカウンタ台580の台上に設置した固定型スキャナにより実現してもよい。
【0114】
客用表示部550は、例えば、操作受付機能を有したタッチパネル付液晶表示装置により実現される。この場合、制御部は、プリセットボタン等のGUIボタンを客用表示部550に表示させる。そして、タッチパネルは、GUIボタンの操作入力を受け付けて、操作に応じた操作情報を制御部に供給する。また、客用表示部550には、商品登録処理に伴う商品登録表示情報や、精算処理に伴う情報などが表示される。なお、顧客Cに操作させる会計キーを、GUIボタンではなくハードウェアキーにより実現してもよい。この場合、会計キーを有するキーボードは、客用表示部550の近傍(例えば、客用表示部550の直横または直前)に設けられる。客用表示部550には、会計キー(会計ボタン)としてのGUIボタンを客用表示部550に表示させる。
【0115】
カウンタ台580の台上には、筐体540が設置される。ただし、カウンタ台580の台上には、筐体540より店員S前に、買上商品が置かれる載置面581が確保されている。また、カウンタ台80の台上には、筐体540より顧客C前に、客用表示部550が顧客C側に表示面を向けて配設される。客用表示部550は、その表示面と客用表示部550の設置面とのなす角度を変更可能に設けられてもよい。客用表示部550の設置面と載置面581とは、同一平面内であってもよいし、異なっていてもよい。例えば、客用表示部550は、載置面581より上方、且つ釣銭機560の近傍の位置に配設される。
【0116】
カウンタ台580の台上に設置された筐体540の設置面側と逆側の端部(上端)には、支持部541を介して店員用表示部510が取り付けられている。つまり、店員用表示部510は、載置面581より上方の位置に、載置面581に対して固定された支持部541により支持される。店員用表示部510は、店員S側に表示面を向けて設けられる。また、操作受付部520は、支持部541または店員用表示部510に取り付けられ、店員S側に入力部を向けて設けられる。
【0117】
店員用表示部510は、支持部541の垂直方向の中心軸(Z軸と平行な軸)に対して回動可能である。例えば、
図18によれば、店員用表示部510は、筐体540にぶつからない範囲内で首振り可能である。なお、例えば、店員用表示部510を、店員Sに対して正面の向きから略180度(180度を含む。)回動可能に設けてもよい。
【0118】
また、店員用表示部510は、支持部541の垂直方向の中心軸と直交し、且つ表示面に平行な軸に対して、例えば0度から略5120度(120度を含む。)までの範囲内で回動可能であってもよい。ただし、ここでいう表示面に平行な軸とは、例えば、表示面が鉛直軸を含む位置における当該表示面に平行な軸である。なお、例えば、店員用表示部510を、支持部541の垂直方向の中心軸と直交し、且つ表示面に平行な軸に対して120度回動させた場合、店員用表示部510は、上下が逆に設置されることとなる。よって、この場合、制御部は、表示画面の走査が逆になるよう店員用表示部510を制御することによって、表示が逆にならないようにする。
【0119】
筐体540の顧客C側の面には、広告542が設けられる。広告542は、紙媒体や樹脂媒体あってもよいし、映像や静止画像を表示する表示装置であってもよい。
【0120】
釣銭機560は、紙幣及び硬貨の顧客Cによる投入を受け付けて入金処理を行い、釣銭、返金、またはリジェクトされる場合の紙幣及び硬貨を排出する自動釣銭機である。釣銭機560は、紙幣管理部561と、硬貨投入口564と、硬貨排出口565と、リジェクト口566とを備える。紙幣管理部561は、紙幣投入口562と、紙幣排出口563とを有する。紙幣投入口562は、顧客Cにより投入される紙幣を取り込む口である。紙幣排出口563は、紙幣及びリジェクト紙幣を排出する口である。紙幣投入口562及び紙幣排出口563は、二段に構成される。例えば、紙幣管理部561において、上段が紙幣投入口562、下段が紙幣排出口563である。
【0121】
硬貨投入口564は、顧客Cにより投入される硬貨を取り込む口である。硬貨排出口565は、おつりとしての硬貨、釣銭機560が備える貨幣識別部が識別に失敗した場合の硬貨、貨幣識別部が偽造硬貨として識別した場合の硬貨を排出する口である。リジェクト口566は、入金後、キャンセルの操作をした場合に、硬貨を排出する口である。なお、硬貨投入口564と、硬貨排出口565と、リジェクト口566とは、硬貨管理部とも総称される。なお、釣銭機560は、硬貨管理部のみを備えてもよい。
【0122】
レシート発行部570は、制御部が取引関連処理を実行したことによって得た情報を紙媒体であるレシート用紙に印刷し、この印刷後のレシート(会計レシート)をレシートの排出口から出力する。
【0123】
ここで、硬貨排出口565、リジェクト口566、紙幣排出口563及びレシート発行部570などは、顧客Cによる精算操作のもとで決済に関する操作が行われる決済操作部の一例である。
硬貨排出口565の場合、硬貨排出口565から釣銭としての硬貨を取り出す操作が決済に関する操作である。
リジェクト口566の場合、リジェクト口566から排出された硬貨を取り出す操作が決済に関する操作である。
紙幣排出口563の場合、紙幣排出口563から排出された紙幣を取り出す操作が決済に関する操作である。
レシート発行部570の場合、レシートをはじめとして、レシート発行部570から排出(発行)された伝票類を取り出す操作が決済に関する操作である。
【0124】
釣銭機560及びレシート発行部570は、紙幣投入口562と、紙幣排出口563と、硬貨投入口564と、硬貨排出口565と、リジェクト口566と、レシートの排出口とを顧客C側に向けて、カウンタ台580の顧客C側の側面(XZ平面と平行な面)に突設される。この配置により、顧客Cが釣銭機560に近接して立った場合に、顧客Cのつま先がカウンタ台580にあたるおそれが低減される。例えば、釣銭機560及びレシート発行部570が一体の筐体に収納され、この筐体がカウンタ台580の顧客C側の側面に突設される。
【0125】
本実施形態においては、店員操作型、もしくは
図18、
図19に店員顧客操作型のようなPOSレジスタにより表示やレシートの発行による税制関連金額情報の出力が行われる。
税制関連金額情報の表示は、例えば小計操作が行われて商品登録処理により登録された商品が確定したタイミングで客用表示部において所定の態様によって行われるようにすればよい。また、発行されるレシートに印刷される内容としては、先の各実施形態と同様でよい。
そのうえで、店員操作型のPOSレジスタであれば、税制対応のレシート再発行モードを設定することにより、例えば店員が操作を行って、必要な第1対象商品または第2対象商品についての再発行レシートを発行可能なように構成してもよい。
また、店員顧客操作型のPOSレジスタ50であれば、顧客の客用表示部550に対する操作等によりレシート発行部570から再発行レシートを発行可能なように構成してもよい。さらに、店員顧客操作型のPOSレジスタ50では、店員用表示部510や操作受付部520に対する店員の操作によって、レシート発行部570から再発行レシートを発行可能なように構成してもよい。
【0126】
また、店員顧客操作型のPOSレジスタ50が店舗にて複数台設置されている場合には、例えば、顧客が少なく、顧客の買い物の対応のために稼働させなくともよい余剰のPOSレジスタ50があるようになった状況となったことに応じて、余剰のPOSレジスタ50をレシート再発行モードに設定できるようにしてよい。この際、再発行レシートを発行させる操作は、顧客側で行えるようにしてもよいし、店員側で行えるようにしてもよい。
【0127】
<変形例>
以下、本実施形態の変形例について説明する。
[第1変形例]
なお、税制関連金額情報は個人的な情報であることから、税制関連金額情報が精算を行う客向けに限定した表示であって、第3者には見えにくいものであるとしても、税制関連金額情報を表示して欲しくないと考える顧客もいると考えられる。そこで、例えば登録装置20または対面型のPOSレジスタの操作者である店員の操作に応じて、税制関連金額情報の表示、非表示が切り替えられるようにしてよい。
一具体例として、第1実施形態〜第3実施形態のように登録装置20と精算装置30とを備える構成の場合、店員は、商品登録を終えた段階で、顧客に対して、精算装置30側での税制関連金額情報の表示を行ってよいかどうかを問い合わせる。
店員は、顧客からの回答に応じて、税制関連金額情報の表示または非表示を指示する操作を行う。なお、税制関連金額情報を非表示とする操作が行われない場合には、特に表示を指示する操作が行われなくとも税制関連金額情報を表示する指示が得られたとして扱ってもよい。登録装置20は、例えば精算情報に、税制関連金額情報の表示と非表示とのいずれが指示されたのかを示す表示指示情報を含めて送信する。
精算装置30は、精算情報に含まれる表示指示情報が表示を指示している場合には、税制関連金額情報を表示し、非表示を指示している場合には、税制関連金額情報を表示しないようにする。
また、税制関連金額情報の表示または非表示を指示する操作は、顧客が行うようにされてもよい。この場合には、例えば精算装置30にて精算処理の前の段階で、税制関連金額情報を表示するか否かの操作を顧客に行ってもらうための操作画面を表示する。顧客により税制関連金額情報の表示を指示する操作が行われたのであれば、精算処理の開始とともに、
図10のように税制関連金額情報エリアAR1が配置された精算画面を表示すればよい。一方、顧客により税制関連金額情報の非表示を指示する操作が行われたのであれば、精算処理の開始とともに、税制関連金額情報エリアAR1が配置されない精算画面を表示すればよい。
【0128】
なお、レシートの発行に関しても、店員の登録装置20やPOSレジスタに対する操作に応じて、税制関連金額情報が印刷されたレシートの発行と、税制関連金額情報が印刷されないレシートの発行とで切り替えが行われるようにしてよい。さらに、店員の登録装置20やPOSレジスタに対する操作により、税制関連金額情報の一部のみの印刷を指定できるようにしてもよい。例えば、第1対象商品購入累計金額、第2対象商品購入累計金額、第1対象商品であることを示す標示MK1、第2対象商品であることを示す標示MK2等のうちのいずれを印刷するのかを指定できるようにしてよい。
【0129】
[第2変形例]
なお、
図10の例では、税制関連金額情報は、精算処理の開始に応じたタイミングで表示されることになるが、税制関連金額情報は、例えば精算処理が終了したタイミングで表示されるようにしてもよい。
【0130】
[第3変形例]
なお、レシートの再発行の手続き(指示)を顧客が、店舗の運用するレシート再発行用のウェブサイトにアクセスして行えるようにしてもよい。
一例として、顧客は、自分の所持する端末装置をレシート再発行用のウェブサイトにアクセスさせ、レシート再発行用のウェブサイトの画面にてログインを行う。ログインに使用されるアカウントには、例えば会員識別情報、あるいは会員識別情報に対応付けられたユーザIDなどが使用される。ログイン後のレシート再発行用のウェブサイトの画面は、過去の取引(あるいは第1対象商品や第2対象商品)を指定して再発行を指示する操作が行えるようになっている。顧客がレシート再発行用のウェブサイトの画面に対する操作によって指示したレシート再発行に関する情報は、店舗が運用するサーバに記憶される。
この後、顧客は、店舗に赴いて、例えばレシート再発行モードの精算装置30に赴いて、会員カードの会員識別情報を読み取らせたうえで、レシートの再発行を指示する操作を行う。精算装置30は、読み取った会員識別情報に対応するレシート再発行に関する情報をサーバから取得する。精算装置30は、取得されたレシート再発行に関する情報を利用して、レシートの再発行を行う。
また、このようなレシートの再発行は、例えば登録装置20に店員が会員カードから会員識別情報を読み取らせることで、登録装置20によって行われてもよい。
【0131】
[第4変形例]
なお、例えば海外に居住している知人などのために医薬品を購入する場合には、免税指定できる場合がある。そこで、本実施形態のPOSシステム、POSレジスタとしては、例えば免税指定により購入された第1対象商品、第2対象商品の価格については、購入累計金額に含めないようにしてよい。また、免税指定により購入された第1対象商品、第2対象商品を含む取引においては、第1対象商品、第2対象商品であることを示す標示MK1、MK2や、税制区分表記エリアAR21などの印刷も省略されてよい。
【0132】
[第5変形例]
なお、第1対象商品または第2対象商品の購入された取引のレシートは、再発行レシートの場合も含めて、例えば電子レシートとして、管理装置10から顧客が所有する端末装置などに送信できるようにしてもよい。
【0133】
[第6変形例]
また、例えば小規模な店舗などでは、POSレジスタのみを備え、管理装置10に相当する装置は備えないようなシステム構成が採られる場合がある。このような場合に対応して、例えばPOSレジスタが単体で購入累計金額や控除金額の算出、税制利用適否判定等を実行し、税制関連金額情報の表示を行うように構成されてよい。この場合、POSレジスタもしくはPOSレジスタと接続された外部記憶装置に、
図5の管理装置10の記憶部103に記憶される情報を記憶させればよい。
また、登録装置20と精算装置30とを備えるPOSシステムのもとでも、登録装置20と精算装置30との少なくともいずれか一方が、購入累計金額や控除金額の算出、税制利用適否判定等を実行し、精算装置30での税制関連金額情報の表示に関する制御を行うようにされてよい。
【0134】
[第7変形例]
医療費控除に関して、健康保険組合や国民健康保険からの医療費通知をマイナンバーと対応付けて個人用のウェブサイト上で管理し、そのデータを個人用のウェブサイトから税務署に送信することで、領収書がなくとも医療費控除が受けられるようにする仕組みの実現が計画されている。
このようなことを背景として、例えば本実施形態のPOSシステムのもとで、対象商品(第1対象商品、第2対象商品)についての購入履歴を、会員である顧客のマイナンバーと対応付けて管理することが考えられる。
このための構成として、会員情報記憶部135が記憶する会員情報に、会員である顧客のマイナンバーの情報も登録できるようにすればよい。会員情報へのマイナンバーの登録は、例えば会員登録の際に、会員基本情報等の登録とともに行われてもよいし、会員登録後において、例えば対象商品を含む会計を行う際などに、顧客から提示されたマイナンバーを入力することにより行われるようにしてもよい。
このようにマイナンバーの情報を会員情報に含めることで、会員ごとの会員購入履歴情報がマイナンバーと対応付けられることになるため、会員購入履歴情報に含まれる対象商品の購入履歴がマイナンバーと対応付けられることになる。
このように店舗にて購入された対象商品をマイナンバーと対応付けておくことで、例えば将来的に、健康保険組合や国民健康保険からの医療費通知とともに店舗で購入された対象商品の情報も個人用のウェブサイトで管理可能となった場合の対応が容易かつ円滑に行われる。
【0135】
[第8変形例]
また、上記実施形態において、複数の精算装置30のうちから精算処理を実行させる精算装置30を指定する態様としては、精算処理を実行させる精算装置30を、店員が登録装置20にて指定する態様(第1の指定態様)と、客に手渡しされるお会計券を登録装置20から発行させ、店員から手渡しされたお会計券を、客が1つの精算装置30に読み取らせる態様(第2の指定態様)とを挙げている。しかながら、精算装置30を指定する態様としては、上記の態様に限定されない。例えば、以下のように精算装置30を指定する態様であってもよい。
1つの態様として、商品登録の完了に応じて店員用表示部205に表示された送信ボタンに対して行われた操作に応じて(あるいは商品登録の完了を宣言するような操作であってもよい)、登録装置20が、例えば精算装置30に状態の問合せを行って精算処理が可能な(例えば、障害が発生しておらず、使用中でもない)精算装置30を認識し、使用中でない精算装置30のうちから所定の規則(例えば精算装置番号順)に従って、1つの精算装置30を決定する。そして、登録装置20は、決定した精算装置30に精算情報を送信して精算処理の実行を指示する。
また、もう1つの態様として、予め精算装置30について精算処理の優先順位を設定しておくようにする。そのうえで、商品登録の完了に応じて、店員用表示部205に精算装置30への精算情報の送信を指示する送信ボタンの操作が有効となるように表示する。送信ボタンが操作されたことに応じて、登録装置20は、設定された優先順位に従った順で精算装置30の精算処理が可能であるか否かを確認し、精算処理が可能であることが確認されなければ、優先順位が次の精算装置30について確認するようにする。そのうえで、登録装置20は、最初に精算処理が可能であることが確認された精算装置30に精算情報を送信して精算処理の実行を指示する。
【0136】
<実施形態の総括>
(1)以上説明したように、本実施形態の一態様は、顧客が購入する商品を登録し、登録された商品についての精算を行う販売データ処理システム(例えば、POSシステム1)であって、顧客に対応して購入された商品のうちから第1控除税制(例えば、セルフメディケーション税制)の対象となる第1対象商品の購入累計金額を算出する算出手段と、第1対象商品の購入累計金額に関連する情報を出力する出力手段とを備える販売データ処理システムである。
上記構成によれば、店舗を利用する顧客に対して、特定の控除税制に対応して購入された商品の累計金額に関連する情報を提供できるようになる。
【0137】
(2)また、本実施形態の一態様は、上記のPOSシステムであって、算出手段は、顧客に対応して購入された商品のうちから、第1控除税制と関係を有する第2控除税制(例えば現行の医療費控除税制)の対象となる第2対象商品の購入累計金額さらに算出し、出力手段は、さらに第2対象商品の購入累計金額に関連する情報を出力する。
上記構成によれば、第1控除税制の購入累計金額に関連する情報(例えば、税制関連金額情報)とともに、第1控除税制と関係を有する第2控除税制の購入累計金額に関連する情報も出力される。これにより、顧客は、第1控除税制と第2控除税制とのそれぞれの購入累計金額に関連する情報を把握して、税制利用の検討に役立てることができる。
【0138】
(3)また、本実施形態の一態様は、上記のPOSシステムであって、第1控除税制と第2控除税制とが、両者による控除が不可であっていずれか一方の控除を選択すべき関係を有する場合に、算出手段により算出された第1対象商品の購入累計金額と第2対象商品の購入累計金額とに基づいて、第1控除税制と第2控除税制とについての利用の適否を判定する判定手段をさらに備え、出力手段は、判定手段による判定結果に関する出力をさらに行う。
上記構成によれば、顧客は、第1控除税制と第2控除税制とのいずれを利用することがよいのかを、特に第1控除税制と第2控除税制との購入累計金額などを計算する手間をかけることなく、簡易に把握することができる。
【0139】
(4)また、本実施形態の一態様は、上記のPOSシステムであって、算出手段は、算出された購入累計金額に基づいてさらに控除金額を算出し、出力手段は、算出された控除金額を含む前記購入累計金額に関連する情報を出力する。
上記構成であれば、税制関連金額情報として控除金額が提示されることから、顧客は、税制利用の検討をさらに的確に行うことができる。
【0140】
(5)また、本実施形態の一態様は、上記のPOSシステムであって、算出手段は、顧客により購入された対象商品と、当該顧客の家族として登録された顧客により購入された対象商品とについての購入累計金額を算出する。
上記構成によれば、顧客を含む家族についての税制関連金額情報が顧客に提示される。これにより、控除税制の購入累計金額が家族単位に対応するものである場合に、控除税制により則した購入累計金額が反映された税制関連金額情報を顧客に提示できる。
【0141】
(6)また、本実施形態の一態様は、上記のPOSシステムであって、出力手段は、操作に応じて税制関連金額情報の出力についての制御を行う。
上記構成によれば、操作に応じて税制関連金額情報を出力するか否かを設定できる。これにより、例えば税制関連金額情報の出力を希望しない顧客には、店員が操作により税制関連金額情報を出力させないようにして、顧客の要望に応えることができる。
【0142】
(7)また、本実施形態の一態様は、上記のPOSシステムであって、登録された商品の情報の出力にあたり、対象商品であるものについては、対象商品であることを示す情報を含める。
上記構成によれば、例えばレシートや表示などにより登録された商品の情報を出力するにあたり、登録された商品が対象商品である場合には、そのことが示される。これにより、顧客や店員が、登録された商品のうちのいずれが対象商品であるのかを簡単に確認できる。
【0143】
(8)また、本実施形態の一態様は、上記のPOSシステムであって、顧客に対応して購入された対象商品に対応するレシートを再発行する再発行手段をさらに備える。
上記構成によれば、過去に購入された対象商品についての購入の証明となるレシートを、再発行することができる。
【0144】
(9)また、本実施形態の一態様は、上記のPOSシステムであって、出力手段は、顧客が会員として登録されている場合に、当該顧客に対応して算出された購入累計金額に関連する情報を出力する。
上記構成によれば、会員として登録された顧客に対応するサービスの1つとして、購入累計金額に関連する情報の提供を行うことができる。
【0145】
(10)また、本実施形態の一態様は、上記のPOSシステムであって、顧客が購入する商品を登録する登録装置と、登録された商品についての精算を行う精算装置とを備え、登録装置は、精算装置にて行われる購入累計金額に関連する情報の出力に関する指示を行う制御手段を備える。
上記構成によれば、精算装置における購入累計金額に関連する情報の出力に関する制御を、例えば店員の登録装置に対する操作や、登録装置における商品の登録結果などに基づいて指示することができるようになる。
【0146】
(11)また、本実施形態の一態様は、上記のPOSシステムであって、顧客が購入する商品を登録する機能と、登録された商品についての精算を行う機能との少なくともいずれか一方を有する会計装置(例えば、登録装置20、精算装置30、POSレジスタ50)を備え、会計装置は、算出手段を備える。
上記構成によれば、登録装置、精算装置、POSレジスタなどにおいて、購入累計金額等が算出されるようにすることができる。
【0147】
(12)また、本実施形態の一態様は、上記のPOSシステムであって、顧客が購入する商品を登録する機能と、登録された商品についての精算を行う機能との少なくともいずれか一方を有する会計装置と接続される管理装置を備え、管理装置は、算出手段を備える。
上記構成によれば、登録装置、精算装置、POSレジスタなどに対して上位の管理装置において購入累計金額等が算出されるようにすることができる。
【0148】
(13)また、本実施形態の一態様は、上記のPOSシステムであって、顧客が購入する商品を登録する機能と、登録された商品についての精算を行う機能との少なくともいずれか一方を有する会計装置を備え、会計装置は、判定手段を備える。
上記構成によれば、登録装置20、精算装置30、POSレジスタ50などにおいて、セルフメディケーション税制と現行の医療費控除税制とについての利用の適否が判定されるようにすることができる。
【0149】
(14)また、本実施形態の一態様は、上記のPOSシステムであって、顧客が購入する商品を登録する機能と、登録された商品についての精算を行う機能との少なくともいずれか一方を有する会計装置と接続される管理装置を備え、管理装置は、判定手段を備える。
上記構成によれば、登録装置、精算装置、POSレジスタなどに対して上位の管理装置において、セルフメディケーション税制と現行の医療費控除税制とについての利用の適否が判定されるようにすることができる。
【0150】
(15)本実施形態の一態様は、顧客が購入する商品を登録し、登録された商品についての精算を行う販売データ処理システムが備えるコンピュータを、顧客に対応して購入された商品のうちから第1控除税制の対象となる第1対象商品の購入累計金額を算出する算出手段、第1対象商品の購入累計金額に関連する情報を出力する出力手段として機能させるためのプログラムである。
【0151】
(16)本実施形態の一態様は、顧客が購入する商品を店員の操作に応じて登録する登録装置と、登録された商品についての精算を顧客の操作に応じて行う精算装置とを備える販売データ処理システムであって、顧客に対応して購入された商品のうちから第1控除税制の対象となる第1対象商品の購入累計金額を算出する算出手段と、第1対象商品の購入累計金額に関連する情報を精算装置にて出力させる出力手段とを備える販売データ処理システムである。
【0152】
(17)本実施形態の一態様は、顧客が購入する商品を登録し、登録された商品についての精算を行う販売データ処理装置であって、顧客に対応して購入された商品のうちから第1控除税制の対象となる第1対象商品の購入累計金額を算出する算出手段と、第1対象商品の購入累計金額に関連する情報を出力する出力手段とを備える販売データ処理装置である。
【0153】
なお、上述の管理装置10、登録装置20、精算装置30等としての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の管理装置10、登録装置20、精算装置30等としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD−ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【解決手段】顧客が購入する商品を登録し、登録された商品についての精算を行う販売データ処理システムとして、顧客に対応して購入された商品のうちから第1控除税制の対象となる第1対象商品の購入累計金額を算出する算出手段と、第1対象商品の購入累計金額に関連する情報を出力する出力手段とを備えて構成する。