(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、データ中継装置または端末装置に異常が発生した場合でも、処理途中のデータが残存することを防止できるデータ中継装置、端末装置、データ処理システムおよびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[端末装置]
請求項1に係る本発明は、
データの処理を実行するデータ処理装置に対し実行の指示を行う場合に、当該データ
の削除を指示するのに必要な情報を
、データ中継装置から取得する取得手段と
、
前記データ中継装置が正常に動作していないときに、
前記取得手段が取得した前記データ
の削除を指示するのに必要な情報
に基づいて、前記データを削除する指示をする削除指示手段とを備える端末装置である。
請求項2に係る本発明では、前記データの削除を指示するのに必要な情報は、前記データを一意に特定することができる情報であることを特徴とする請求項1記載の端末装置である。
【0009】
請求項
3に係る本発明では、
前記データの削除を指示するのに必要な情報は、前記データの格納場所を特定する情報
であり、
前記削除指示手段は、前記データ中継装置が正常に動作していないときに、前記データの格納場所を特定する情報
に基づいて、当該格納場所から当該データの削除を指示する請求項1に記載の端末装置である。
【0010】
請求項
4に係る本発明は、前記処理が完了した旨の通知を受けたときに前記データ
の削除を指示するのに必要な情報を削除する削除手段を備える請求項1
から3のいずれか記載の端末装置である。
【0011】
[データ中継装置]
請求項
5に係る本発明は、端末装置からデータに対する処理の実行指示を受信した場合に、当該データの処理を実行するデータ処理装置に対して処理の実行指示をする実行指示手段と、
前記実行指示を行う場合に、端末装置に前記データ
の削除を指示するのに必要な情報を出力する出力手段と
、
前記端末装置が正常に動作していないときに、
前記出力手段が出力した前記データ
の削除を指示するのに必要な情報
に基づいて、前記データを削除する指示を行う削除指示手段とを備えるデータ中継装置である。
請求項6に係る本発明では、前記データの削除を指示するのに必要な情報は、前記データを一意に特定することができる情報であることを特徴とする請求項5記載のデータ中継装置である。
【0012】
請求項
7に係る本発明では、
前記データの削除を指示するのに必要な情報は、前記データの格納場所を特定する情報
であり、
前記削除指示手段は、前記端末装置が正常に動作していないときに、前記データの格納場所を特定する情報
に基づいて、当該格納場所から当該データの削除を指示する請求項
5に記載のデータ中継装置である。
【0013】
請求項
8に係る本発明は、前記処理が完了した旨の通知を受けたときに前記データ
の削除を指示するのに必要な情報を削除する削除手段とを備える請求項
5から7のいずれか記載のデータ中継装置である。
【0014】
[データ処理システム]
請求項
9に係る本発明は、データ中継装置からデータの処理を実行するデータ処理装置に対し実行の指示を行う場合に、当該データ
の削除を指示するのに必要な情報を取得する取得手段と
、前記データ中継装置が正常に動作していないときに、
前記取得手段が取得した前記データ
の削除を指示するのに必要な情報
に基づいて、前記データを削除する指示をする
第1の削除指示手段とを備える端末装置と、
前記端末装置からデータに対する処理の実行指示を受信した場合に、当該データの処理を実行するデータ処理装置に対して処理の実行指示をする実行指示手段と、前記実行指示を行う場合に、前記端末装置に前記データ
の削除を指示するのに必要な情報を出力する出力手段と
、前記端末装置が正常に動作していないときに、
前記出力手段が出力した前記データ
の削除を指示するのに必要な情報
に基づいて、前記データを削除する指示を行う第2の削除指示手段とを備えるデータ中継装置と、を有するデータ処理システムである。
【0015】
請求項
10に係る本発明は、データ中継装置からデータの処理を実行するデータ処理装置に対し実行の指示を行う場合に、当該データ
の削除を指示するのに必要な情報を取得する取得手段と
、前記データ中継装置が正常に動作していないときに、
前記取得手段が取得した前記データ
の削除を指示するのに必要な情報
に基づいて、前記データを削除する指示をする
第1の削除指示手段とを備える端末装置と、
前記端末装置からデータに対する処理の実行指示を受信した場合に、当該データの処理を実行するデータ処理装置に対して処理の実行指示をする実行指示手段と、前記実行指示を行う場合に、前記端末装置に前記データ
の削除を指示するのに必要な情報を出力する出力手段と
、前記端末装置が正常に動作していないときに、
前記出力手段が出力した前記データ
の削除を指示するのに必要な情報
に基づいて、前記データを削除する指示を行う第2の削除指示手段とを備えるデータ中継装置と、
前記データ中継装置からの実行指示に基づいて当該データの処理を実行するデータ処理装置と、を有するデータ処理システムである。
【0016】
[プログラム]
請求項
11に係る本発明は、データ中継装置からデータの処理を実行するデータ処理装置に対し実行の指示を行う場合に、当該データ
の削除を指示するのに必要な情報を取得する取得ステップと
、
前記データ中継装置が正常に動作していないときに、
前記取得ステップにおいて取得した前記データ
の削除を指示するのに必要な情報
に基づいて、前記データを削除する指示をする削除指示ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0017】
請求項
12に係る本発明は、端末装置からデータに対する処理の実行指示を受信した場合に、当該データの処理を実行するデータ処理装置に対して処理の実行指示をする実行指示ステップと、
前記実行指示を行う場合に、端末装置に前記データ
の削除を指示するのに必要な情報を出力する出力ステップと
、
前記端末装置が正常に動作していないときに、
前記出力ステップにおいて出力した前記データ
の削除を指示するのに必要な情報
に基づいて、前記データを削除する指示を行う削除指示ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0018】
請求項1
、2に係る本発明によれば、データ中継装置に異常が発生した場合でも、処理途中のデータが残存することを防止できる。
【0019】
請求項
3に係る本発明によれば、削除すべきデータが格納されている場所を特定することができる。
【0020】
請求項
4に係る本発明によれば、データに対して処理を行っている途中か否かを把握することができる。
【0021】
請求項
5、6に係る本発明によれば、端末装置に異常が発生した場合でも、処理途中のデータが残存することを防止できる。
【0022】
請求項
7に係る本発明によれば、削除すべきデータが格納されている場所を特定することができる。
【0023】
請求項
8に係る本発明によれば、データに対して処理を行っている途中か否かを把握することができる。
【0024】
請求項
9に係る本発明によれば、データ中継装置又は端末装置に異常が発生した場合でも、処理途中のデータが残存することを防止できる。
【0025】
請求項
10に係る本発明によれば、データ中継装置又は端末装置に異常が発生した場合でも、処理途中のデータが残存することを防止できる。
【0026】
請求項
11に係る本発明によれば、データ中継装置に異常が発生した場合でも、処理途中のデータが残存することを防止できる。
【0027】
請求項
12に係る本発明によれば、端末装置に異常が発生した場合でも、処理途中のデータが残存することを防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態のクラウドサービスシステムの構成を示すシステム図である。
【0030】
本実施形態のクラウドサービスシステムは、
図1に示されるように、画像形成装置10と、クラウドサービスブリッジ(1次サーバ)20と、複数のサービス提供サーバ(2次サーバ)31〜33とがインターネット等により相互に接続された構成となっている。
【0031】
画像形成装置10は、データ中継装置であるクラウドサービスブリッジ20と通信回線であるインターネットを介して接続され、このクラウドサービスブリッジ20に対して画像データを送信して処理の実行を指示する。本実施形態における、画像形成装置10は、印刷(プリント)機能、スキャン機能、複写(コピー)機能、ファクシミリ機能等の複数の機能を有するいわゆる複合機と呼ばれる装置である。
【0032】
なお、本実施形態では、説明を簡単にするために1台の画像形成装置10のみを用いて説明するが、複数の画像形成装置が存在するような場合でも同様の処理が行われるものである。
【0033】
クラウドサービスブリッジ20は、画像形成装置10から受信した処理の実行を指示された画像データを、複数のサービス提供サーバ31〜33のうち指示された処理を実行するサービス提供サーバに転送することにより画像データの中継を行うデータ中継装置である。
【0034】
ここで、このようなクラウドサービスブリッジ20を介してサービスの中継を行うようにしている理由を以下に説明する。
【0035】
近年では、インターネット上において様々なクラウドサービスが提供されている。しかし、これらのクラウドサービスでは、各クラウドサービス毎に異なるAPI(Application Programming Interface)を用いている。そのため、クライアント端末装置である画像形成装置10がインターネットを経由して各クラウドサービスを利用しようとした場合、利用するクラウドサービスを提供しているサーバの接続先情報や、利用するクラウドサービス毎のAPIを予め知っておく必要がある。
【0036】
このような問題を解決するために、各クラウドサービス毎に異なるAPIを把握しなくてもクライアント端末装置からのサービス要求を各クラウドサービスに転送して実行可能なクラウドサービスブリッジが用いられている。
【0037】
このクラウドサービスブリッジに接続するためには、このクラウドサービスブリッジのAPIのみを知っていればよい。つまり、クラウドサービスブリッジは、各クラウドサービスのAPIを隠蔽して統一したAPIのみをクライアント端末装置に提供する1次サーバとして機能する。
【0038】
そのため、このようなクラウドサービスブリッジを1次サーバとして利用することにより、クライアント端末装置は、利用するクラウドサービスを提供しているサーバの接続先情報や、利用するクラウドサービス毎のAPIを予め知ることなくクラウドサービスを利用することが可能となる。
【0039】
サービス提供サーバ31〜33は、2次サーバとして機能して、クラウドサービスブリッジ20から転送されてきた画像データに対して予め設定された処理を実行するデータ処理装置である。
【0040】
例えば、サービス提供サーバ31は、転送されてきた画像データのファイル形式を変換(例えば、JPEGからPDFに変換)する処理を実行することによりフォーマットサービスを提供している。また、サービス提供サーバ32は、転送されてきた画像データを保存することにより保存サービスを提供している。また、サービス提供サーバ33は、転送されてきた画像データに対して文字認識処理を行うOCR(Optical Character Recognition)サービスを提供している。
【0041】
画像形成装置10は、データ中継装置であるクラウドサービスブリッジ20に対して画像データを送信して処理の実行を指示する。例えば、画像形成装置10は、クラウドサービスブリッジ20に対して画像データを送信して、ファイル形式の変換処理の実行を指示する。すると、クラウドサービスブリッジ20は、画像形成装置10からの画像データを、フォーマットサービスを提供しているサービス提供サーバ31に転送する。そして、サービス提供サーバ31においてファイル形式の変換処理が実行された画像データは、再度クラウドサービスブリッジ20を経由して画像形成装置10に返送される。
【0042】
次に、本実施形態のクラウドサービスシステムにおける画像形成装置10とクラウドサービスブリッジ20のハードウェア構成を
図2、
図3に示す。
【0043】
画像形成装置10は、
図2に示されるように、CPU11、メモリ12、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置13、インターネット等の通信回線を介して外部の装置等との間でデータの送信及び受信を行う通信インタフェース(IF)14、タッチパネル又は液晶ディスプレイ等により構成されたユーザインタフェース(UI)装置15、スキャナ16、プリントエンジン17を有する。これらの構成要素は、制御バス18を介して互いに接続されている。
【0044】
CPU11は、メモリ12または記憶装置13に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、画像形成装置10の動作を制御する。なお、本実施形態では、CPU11は、メモリ12または記憶装置13内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明したが、当該プログラムをCD−ROM等の記憶媒体に格納してCPU11に提供することも可能である。
【0045】
また、クラウドサービスブリッジ20は、
図3に示されるように、CPU21、メモリ22、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置23、インターネット等の通信回線を介して外部の装置等との間でデータの送信及び受信を行う通信インタフェース(IF)24、タッチパネル又は液晶ディスプレイ等により構成されたユーザインタフェース(UI)装置25を有する。これらの構成要素は、制御バス26を介して互いに接続されている。
【0046】
CPU21は、メモリ22または記憶装置23に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、クラウドサービスブリッジ20の動作を制御する。なお、本実施形態では、CPU21は、メモリ22または記憶装置23内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明したが、当該プログラムをCD−ROM等の記憶媒体に格納してCPU21に提供することも可能である。
【0047】
図4は、上記の制御プログラムが実行されることにより実現される画像形成装置10およびクラウドサービスブリッジ20の機能構成を示すブロック図である。
【0048】
本実施形態の画像形成装置10は、
図4に示されるように、制御部41と、データ記憶部42と、送受信部43と、削除指示部44とを備えている。
【0049】
制御部41は、クラウドサービスブリッジ20との間で送受信部43を介してデータの送受信を行っていて、クラウドサービスブリッジ20に対して画像データを送信して画像処理の実行を指示した場合、サービス提供サーバ31〜32のうちの指示した画像処理を実行させるサービス提供サーバに対して画像処理中の画像データの削除を指示するための情報である削除指示情報をクラウドサービスブリッジ20から受信する。そして、制御部41は、クラウドサービスブリッジ20にから受信した削除指示情報をデータ記憶部42に記憶させる。
【0050】
つまり、制御部41は、クラウドサービスブリッジ20から、データの処理を実行するサービス提供サーバ31〜32に対して実行の指示を行う場合に、削除指示情報を受信する。例えば、制御部41は、データの格納場所を特定する情報を削除指示情報として受信する。
【0051】
ここで、データの格納場所とは、データが記憶されている場所をいい、この場所には、サービス提供サーバ31〜33のような装置や装置内の領域をも含む。具体的には、データが記憶されている場所を示すURL(Uniform Resource Locator)等の情報が格納場所を特定する情報に該当する。また、データの格納場所には、転送されてきたデータを単に格納している格納場所と、転送されてきたデータに対して指示された処理を実行するために処理中のデータを格納している格納場所の両方が含まれる。
【0052】
また、制御部41は、クラウドサービスブリッジ20との間で予め設定された間隔で相互通信を行うことにより、このクラウドサービスブリッジ20が正常に動作しているか否かを監視し、クラウドサービスブリッジ20が正常に動作しているか否かを判定する。
【0053】
そして、削除指示部44は、制御部41によりクラウドサービスブリッジ20が正常に動作していないと判定された場合(何らかの異常が発生したと判定された場合)、データ記憶部42に記憶されている削除指示情報に基づいて、処理を実行中の画像データを削除する旨の指示を、サービス提供サーバ31〜33のうちの画像処理を実行中のサービス提供サーバに対して行う。
【0054】
つまり、削除指示部44は、クラウドサービスブリッジ20が正常に動作をしていないときに、データ記憶部42に記憶されている削除指示情報を参照し、データを削除する指示を行う。ここで削除指示情報がデータの格納場所を特定する情報である場合には、削除指示部44は、クラウドサービスブリッジ20が正常に動作をしていないときに、このデータの格納場所を特定する情報を参照して、その格納場所から当該データを削除する指示を行う。
【0055】
ここで正常に動作していない状態とは、監視対象の装置に何らかの異常が発生して予め設定されている規定動作を実行してない状態をいい、例えば、他の装置からの問い合わせに対して定められた応答が行えない状態、定められた通信を実行することができないような状態をいう。
【0056】
さらに、制御部41は、クラウドサービスブリッジ20から、実行を指示した画像処理が完了した旨の通知を受けたときには、データ記憶部42に記憶されている削除指示情報を削除する(削除手段)。
【0057】
また、本実施形態のクラウドサービスブリッジ20は、
図4に示されるように、制御部51と、データ記憶部52と、送受信部53と、画像データ転送部54と、削除指示部55とを備えている。
【0058】
クラウドサービスブリッジ20では、制御部51は、画像形成装置10との間で送受信部53を介してデータの送受信を行うとともに、画像データ転送部54を介してサービス提供サーバ31〜32との間で画像データの送受信を行っている。
【0059】
制御部51は、画像形成装置10から画像処理の実行を指示された画像データを受信した場合に、受信した画像データをデータ記憶部52に格納した後に、サービス提供サーバ31〜32のうち指示された画像処理を実行させるサービス提供サーバを選択して、選択したサービス提供サーバに画像データを転送する。
【0060】
そして、制御部51は、転送した当該画像データの処理を実行するサービス提供サーバに対して、指示された画像処理の実行を指示する(実行指示手段)。
【0061】
そして、制御部51は、サービス提供サーバに対して、指示された画像処理の実行を指示する場合に、サービス提供サーバ31〜32のうち指示された画像処理を実行させるサービス提供サーバに対して処理中のデータの削除を指示するための情報である削除指示情報を画像形成装置10に送信する(削除指示情報送信手段)。そして、データ記憶部52は、この削除指示情報を記憶する。
【0062】
ここで、削除指示情報とは、具体的には、処理の実行を指示するサービス提供サーバを特定するための情報、当該サービス提供サーバにおけるデータ格納場所を特定するための情報または当該サービス提供サーバにおいてデータを削除する削除方法に関するURI(Uniform Resource Identifier)、認証情報、API等の情報である
【0063】
つまり、画像形成装置10は、この削除指示情報を保持していることにより、クラウドサービスブリッジ20を介さずにサービス提供サーバ31〜33に対して画像データの削除指示を行うことが可能となる。
【0064】
また、制御部51は、画像形成装置10から画像データを送信して画像処理の実行を指示してきた場合、画像形成装置10との間で予め設定された間隔で相互通信を行うことによりこの画像形成装置10が正常に動作しているか否かを監視し、画像形成装置10が正常に動作しているか否かを判定する。
【0065】
そして、削除指示部55は、制御部51により画像形成装置10が正常に動作していないと判定された場合、サービス提供サーバ31〜32のうち画像データを転送して画像処理の実行を指示したサービス提供サーバに対して、処理を実行中の画像データを削除する旨の指示を行う。
【0066】
つまり、削除指示部55は、画像形成装置10が正常に動作をしていないときに、データ記憶部42に記憶されている削除指示情報を参照し、データを削除する指示を行う。ここで削除指示情報がデータの格納場所を特定する情報である場合には、削除指示部55は、画像形成装置10が正常に動作をしていないときに、このデータの格納場所を特定する情報を参照して、その格納場所から当該データを削除する指示を行う。
【0067】
さらに、制御部51は、サービス提供サーバ31〜33のうち画像処理の実行を指示したサービス提供サーバから、実行を指示した画像処理が完了した旨の通知を受けたときには、データ記憶部52に記憶されている削除指示情報を削除する(削除手段)。
【0068】
次に、本実施形態のクラウドサービスシステムの動作を図面を参照して詳細に説明する。
【0069】
図5および
図6は、本発明の一実施形態のクラウドサービスシステムの動作を説明するためのシーケンスチャートである。この
図5、
図6では、画像形成装置10からOCR処理を指定して画像データをクラウドサービスブリッジ20に送信する場合を用いて説明する。
【0070】
先ず、クラウドサービスブリッジ20に異常が発生した場合の動作を
図5を参照して説明する。
【0071】
最初に、画像形成装置10はクラウドサービスブリッジ20に対してOCR処理を実行する要求を行う(ステップS101)。ここでクラウドサービスブリッジ20はサービス提供サーバ33を介してOCR処理を実行可能であるため、OCR処理を実行可能である旨の回答を画像形成装置10に対して行う(ステップS102)。
【0072】
すると、画像形成装置10は、クラウドサービスブリッジ20に対してOCR処理を実行して欲しい画像データを転送する(ステップS103)。画像形成装置10からOCR処理が指定された画像データを受信したクラウドサービスブリッジ20は、先ずは、保存サービスを提供しているサービス提供サーバ32に対して格納場所確保要求を行う(ステップS104)。すると、サービス提供サーバ32では、このクラウドサービスブリッジ20からの格納場所確保要求に対して格納場所情報としてURIを返信する(ステップS105)。
【0073】
すると、クラウドサービスブリッジ20は、画像形成装置10に対して、サービス提供サーバ33に対してOCR処理の停止指示を行うための情報や、サービス提供サーバ32に対して保存している画像データおよびOCR処理結果の削除指示を行うための情報を削除指示情報として送信する(ステップS106)。そして、画像形成装置10では、送信されてきた削除指示情報をデータ記憶部42において記憶しておく。
【0074】
そして、画像形成装置10がクラウドサービスブリッジ20に対して処理の実行開始指示を送信すると(ステップS107)、クラウドサービスブリッジ20はサービス提供サーバ32に対して画像データを送信する(ステップS108)。
【0075】
この後、画像形成装置10とクラウドサービスブリッジ20との間では、例えば一定間隔で、クラウドサービスブリッジ20から画像形成装置10に対して、指示された処理を実行中である旨の状態通知が行われ(ステップS109)、この状態通知を受けた画像形成装置10からクラウドサービスブリッジ20に対して、実行中の処理を継続する旨の継続指示が返信される(ステップS110)。
【0076】
つまり、画像形成装置10とクラウドサービスブリッジ20との間では、予め設定された間隔で相互通信を行うことにより、画像形成装置10とクラウドサービスブリッジ20とが異常が発生することなく正常に動作しているか否かが相互に監視される。
【0077】
そして、クラウドサービスブリッジ20からサービス提供サーバ33に対してOCR処理を行う旨のOCR指示が行われると(ステップS111)、サービス提供サーバ33はサービス提供サーバ32に対して画像データの要求を行う(ステップS112)。このサービス提供サーバ33からの画像データ要求を受けたサービス提供サーバ32は、格納していた画像データをサービス提供サーバ33に対して送信する(ステップS113)。
【0078】
そして、サービス提供サーバ33では、送信されてきた画像データに対するOCR処理が開始される(ステップS114)。
【0079】
このような状態において、クラウドサービスブリッジ20に何らかの異常が発生した場合(ステップS115)、画像形成装置10にはクラウドサービスブリッジ20からの状態通知が届かなくなる。そのため、画像形成装置10では所定期間経過してもクラウドサービスブリッジ20からの状態通知が届かなくなったことによりクラウドサービスブリッジ20において異常が発生したものと判定する(ステップS116)。
【0080】
そのため、画像形成装置10は、記憶されている削除指示情報を用いて、サービス提供サーバ33に対してOCR処理の停止指示を行うとともに(ステップS117)、サービス提供サーバ32に対して保存している画像データおよびOCR処理結果の削除指示を行う(ステップS118)。
【0081】
なお、画像形成装置10からサービス提供サーバ33に対するOCR処理の停止指示には、処理途中の結果および画像データの廃棄指示も含まれている。
【0082】
このような処理が行われることにより、画像形成装置10からクラウドサービスブリッジ20を介してサービス提供サーバ32、33に画像処理を実行させている途中に、クラウドサービスブリッジ20に何らかの異常が発生した場合でも、処理途中の画像データがサービス提供サーバ32、33において残存してしまうような事態の発生を防ぐことができ、結果として画像データの秘匿性を向上させることになる。
【0083】
次に、画像形成装置10に異常が発生した場合の動作を
図6を参照して説明する。
【0084】
この
図6において、ステップS101〜S114までの処理は、
図5に示したシーケンスチャートと同様な処理であるため、その説明は省略する。
【0085】
この
図6に示したシーケンスチャートにおいては、サービス提供サーバ33においてOCR処理が実行されている状態において、画像形成装置10に何らかの異常が発生した場合(ステップS115)、画像形成装置10からクラウドサービスブリッジ20に対して継続指示が返信されなくなる。そのため、クラウドサービスブリッジ20では、画像形成装置10に対して状態通知(ステップS109)を行ってから所定期間経過しても画像形成装置10からの継続指示が返信されてこなくなったことにより画像形成装置10において異常が発生したものと判定する(ステップS119)。
【0086】
そのため、クラウドサービスブリッジ20は、サービス提供サーバ33に対してOCR処理の停止指示を行うとともに(ステップS120)、サービス提供サーバ32に対して保存している画像データおよびOCR処理結果の削除指示を行う(ステップS121)。
【0087】
このような処理が行われることにより、画像形成装置10からクラウドサービスブリッジ20を介してサービス提供サーバ32、33に画像処理を実行させている途中に、画像形成装置10に何らかの異常が発生した場合でも、処理途中の画像データがサービス提供サーバ32、33において残存してしまうような事態の発生を防ぐことができ、結果として画像データの秘匿性を向上させることになる。
【0088】
[変形例]
上記実施形態では、画像形成装置10がクライアント端末装置として動作する場合を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パーソナルコンピュータ等の他の装置がクライアント端末装置として動作する場合でも同様に本発明を適用することができるものである。
【0089】
また、上記実施形態では、画像形成装置10が画像データをクラウドサービスブリッジ20に転送して画像処理の実行を指示する場合を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、画像データ以外のデータをクラウドサービスブリッジ20に転送して処理の実行を指示するようなデータ処理システムの場合でも同様に本発明を適用することができるものである。
【0090】
さらに、上記実施形態では、画像形成装置10とクラウドサービスブリッジ20とが別々の装置である場合を用いて説明しているが、画像形成装置10とクラウドサービスブリッジ20とを1つの装置として構成することも可能である。
【0091】
この場合、クラウドサービスブリッジ20では削除指示情報を画像形成装置10に出力し(出力手段)、画像形成装置10ではクラウドサービスブリッジ20から削除指示情報を取得することになる(取得手段)。なお、このような構成の場合、他の装置からデータを取り込む場合だけでなく、ユーザインタフェースを介してユーザから入力された情報を取り込む場合も取得に該当する。
【0092】
さらに、上記実施形態では、削除指示情報をクラウドサービスブリッジ20から画像形成装置10に送信するものとして説明しているが、この削除指示情報の代わりに、データを識別する情報をクラウドサービスブリッジ20から画像形成装置10に送信するようにしても良い。ここで、データを識別する情報とは、データを一意に特定することができる情報をいう。具体的には、印刷ジョブを管理する番号、記号等の情報、画像データとそれぞれ対応付けた番号、記号等の情報がデータを識別する情報に該当する。