特許第6191892号(P6191892)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6191892個人や個人の所属する組織・グループの価値観・価値を理解蓄積、推測予測し、価値に基づく支援や分析実現を支援する人工知能装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6191892
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】個人や個人の所属する組織・グループの価値観・価値を理解蓄積、推測予測し、価値に基づく支援や分析実現を支援する人工知能装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/30 20060101AFI20170828BHJP
   G06F 17/27 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
   G06F17/30 340A
   G06F17/27 685
【請求項の数】17
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-69206(P2016-69206)
(22)【出願日】2016年3月30日
【審査請求日】2016年5月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】716000938
【氏名又は名称】株式会社Personal AI
(72)【発明者】
【氏名】森 昌也
【審査官】 石田 信行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−038781(JP,A)
【文献】 特開2010−055309(JP,A)
【文献】 特開2009−157764(JP,A)
【文献】 特開2000−148773(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/30
G06F 17/27
G06N 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された文章の中から興味、嗜好、希望、目標、目的、期待など実現、達成という価値観につながる単語を抽出し、その文章の対象となる個人や個人の所属する組織やグループ毎に異なる価値観を蓄積活用する為、自然言語処理によって係り受け解析を行い、対象となる文章ごとに主部、述部、条件部に分け、条件部を名詞、形容詞、副詞、関係詞等品詞単位に細分化し、主部と述部の組み合わせを価値指標とし、価値指標毎に条件部をNOTおよびANDのみで構成される組み合わせのみに分解したものを価値判断条件とし、この価値判断条件の一致する項目数の多さを価値の高さとする最大条件一致を用いて価値判断する価値判断プログラム、又は同プログラムを持つ装置、又は同プログラムを格納するメディア
【請求項2】
入力された文章の中から遂行、実施によって権利を独占するという価値観につながる項目を抽出し、その文章を対象とした個人や個人所属する組織やグループ毎に異なる価値観を蓄積活用する為、自然言語処理によって係り受け解析を行い、対象となる文章ごとに主部、述部、条件部に分け、条件部を名詞、形容詞、副詞、関係詞等品詞単位に細分化し、主部と述部の組み合わせを価値指標とし、価値指標毎に条件部をNOTおよびANDのみで構成される組み合わせのみに分解したものを価値判断条件とし、この価値判断条件の一致する項目数の少なさを価値の高さとする最小条件一致を用いて価値判断する価値判断プログラム、又は同プログラムを持つ装置、又は同プログラムを格納するメディア
【請求項3】
請求項1,2によって作成する価値指標と価値判断条件と、価値データベースに格納された価値指標と価値判断条件とを比較して一致または類似である部分一致となる価値指標、価値判断条件を選び出し、価値指標、価値判断条件に関連する情報を引き出す蓄積比較プログラム、又は同プログラムを持つ装置、又は同プログラムを格納するメディア
【請求項4】
請求項1、2によって作成する価値指標と価値判断条件を検索条件として一般データベースあるいはインターネットから検索し、一致した検索結果を価値指標、価値判断条件に関係する情報として関連付ける調査比較プログラム、又は同プログラムを持つ装置、又は同プログラムを格納するメディア
【請求項5】
請求項1,2によって作成する価値指標と価値判断条件を検索条件として一般データベースあるいはインターネットから検索し、一致しない場合、価値指標および価値判断条件の項目のうち一致しない項目を特定し、その項目が成立する条件を一般データベースあるいはインターネットから検索し不足項目を特定する不足調査プログラム、又は同プログラムを持つ装置、又は同プログラムを格納するメディア
【請求項6】
価値DBに蓄積された価値指標と価値判断条件の成立する条件に一致または部分一致した入力した文章より請求項1,2で作成した価値指標について、価値指標について、価値判断条件の追加削除による価値指標の変化の推測と、価値条件判断項目の時間的変化の予測を実現する推測予測プログラム、又は同プログラムを持つ装置、又は同プログラムを格納するメディア
【請求項7】
価値DBに保存された、価値指標間の関係と成立するための条件を用い、直接関係を持たない価値指標同士を結び付け、新たな関係性を作成し、その価値指標関係が成立するための新たな価値判断条件を作成する推論プログラム、又は同プログラムを持つ装置、又は同プログラムを格納するメディア
【請求項8】
請求項1,2において作成する価値指標と価値判断条件のそれぞれの条件項目に関係する価値データベース、一般データベース、インターネットの情報を組み合わせることによって結論を求める合成プログラム、又は同プログラムを持つ装置、又は同プログラムを格納するメディア
【請求項9】
請求項1,2において作成する価値指標と価値判断条件の条件項目に関係する価値データベース、一般データベース、インターネットの情報のうち、情報の数と組み合わせをランダムに組み合わせることによって結論を求める創造プログラム、又は同プログラムを持つ装置、又は同プログラムを格納するメディア
【請求項10】
他者の価値データベースの価値指標、価値判断条件およびこの組み合わせに関係するデータとの共有を行い、類似する価値指標、価値判断条件を有する人を特定する類似部プログラムと、任意に選択した単独または複数の他人の価値データベースの価値指標、価値判断条件およびこの組み合わせに関係するデータと自身の価値データベースの価値指標、価値判断条件およびこの組み合わせに関係するデータをあわせてグループの価値判断、価値判断条件および関係するデータとして扱う多様性プログラムと任意の条件を満たす自身と複数の他人について、一致または類似する価値指標、価値判断条件およびこの組み合わせに関係するデータを常識の価値指標および価値判断条件と関係するデータとして選択する常識比較プログラムと自身の価値指標、価値判断条件およびこの組み合わせに関係するデータに対して、同じ価値指標に対して、異なる価値判断条件および異なる関係するデータを選択する所属依存プログラムの組み合わせからなる連携プログラム、又は同プログラムを持つ装置、又は同プログラムを格納するメディア
【請求項11】
請求項4で作成された価値指標と価値判断条件の関係情報、請求項6,7,8,9で作成する価値指標と価値判断条件を請求項1,2における係り受け関係から得られる主部の関係性に基づいて判断し選択する機能の優先順位付けするプライオリティ機能と、請求項4,5,6,7,8,9で作成する価値指標と価値判断条件のうち2つ以上を選択する場合に負の価値指標および価値判断条件を1つ以上選択するトレードオフ機能をもつ優先判断プログラム、又は同プログラムを持つ装置、又は同プログラムを格納するメディア
【請求項12】
請求項1,2,3,4,5,6からの判断、情報、請求項10からのデータ、請求項11からのデータを選択し、個人または組織などの任意の属性に応じて、データの蓄積、出力の判断および、検証を実施し、選択判断を検証する為、選択結果を入力者に対して確認質問を行い、正誤返答から価値指標と価値判断条件を判断し、間違っている場合は、請求項1,2の処理に戻って処理を繰り返す、またはその繰り返しが任意に設定した回数に達した場合に終了する検証蓄積判断プログラム、又は同プログラムを持つ装置、又は同プログラムを格納するメディア
【請求項13】
請求項12において結論確定した価値指標、価値判断条件およびこの組み合わせに関係するデータを価値データベースに格納する機能と蓄積済みの価値指標と追加する価値指標に関係がある場合、関係の成立条件をそれぞれの間に付加する機能、および請求項1,2によって作成される価値指標および価値判断条件を引数として価値データベースから引き出す機能をもつ学習蓄積プログラム、又は同プログラムを持つ装置、又は同プログラムを格納するメディア
【請求項14】
請求項1,2において作成した価値指標と価値判断条件と、請求項13における学習(蓄積)済み価値指標と価値判断条件とを比較して一致または類似となる指標、価値判断条件またはそれぞれに関連する情報を引き出す蓄積比較プログラム、又は同プログラムを持つ装置、又は同プログラムを格納するメディア
【請求項15】
請求項13で蓄積した価値指標、価値判断条件およびこの組み合わせに関係するデータから価値の傾向分析を行い、分析結果に応じた情報を出力する価値傾向分析プログラム、又は同プログラムを持つ装置、又は同プログラムを格納するメディア
【請求項16】
請求項13において蓄積した価値指標と価値判断条件に合った価値であり、かつ与えられた任意の実行条件に一致するかまたは類似するかを判断し、実行指示を出す実行指示プログラム、又は同プログラムを持つ装置、又は同プログラムを格納するメディア
【請求項17】
請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16の組み合わせからなる個人や個人の所属する組織やグループ毎に異なる価値観に関する言葉を抽出、判断し、個人別、個人の所属する組織別、グループ別に異なる価値観を学習・蓄積し、その蓄積をもとに元に任意の応答を行い、任意の動作する価値判断応答型人工知能プログラム、又は同プログラムを持つ装置、又は同プログラムを格納するメディア
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人や個人の所属する組織にとっての価値観や価値を把握、蓄積し、判断、予測、推測につなげることで、価値に基づく支援や分析を行う人工知能を実現するシステムおよび人工知能を実現するソフトウエアに関し、特に使用する人や組織ごとに異なる機能を提供するパーソナル人工知能に適用して有効な技術に関する
【背景技術】
【0002】
従来の人工知能は、自然言語処理によるテキスト認識によるものと画像認識によるもの、判断システムが主としてある。このうちテキスト認識によるものは、音声変換処理を通して音声からテキストに変換されたテキスト文章、あるいはテキスト入力されたテキスト文章を自然言語処理を用いて任意のデータベースあるいは、条件を付けた範囲でのインターネットを比較対象とし、テキストそのものを比較して一致、または類似であるものが見つかった場合に、それに関係する情報を出力するまたは、ことを任意の動作を行うというものである。自然言語処理は、MeCab,CaboChaに代表される形態素解析、係り受け解析を行い、事前に比較対象を人間が蓄積したパターンと比較して、結果が一致または類似する場合に、事前にプログラムされた任意の分岐条件に応じた処理を実施するものである。つまり個人や個人の所属する組織ごとに異なる事前の蓄積パターンを作成することは事実上不可能であり、個人や組織毎の異なる価値観を理解する人工知能の作成は不可能であった。ここで形態素解析、係り受け解析は、知財権を有しない技術として、広く一般化されている。
【0003】
また人工知能の学習機能は、事前に比較対象を人間が蓄積したパターン以外には無作為にデータを収集し、学習を行うものもあり、その為、社会常識や、所属する組織内での常識など、人工知能のユーザーが所属する組織の数だけ異なる常識に対応することは不可能であった。
【0004】
また組織の価値に応じた方向性などと変化する外的要因に対応しながら変化する価値観の双方を理解し、同時に満たす人工知能の実現は不可能であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−129845 人間の「しつけ」に相当するデータ入力を行い、パターン(Pattern)=「価値観」に相当するデータを事前に蓄積行うことによって、この蓄積パターンを使用して、人工知能起動後に入力されるデータとパターン比較を行い、一致するかどうかを行うものである。蓄積自体に入力を理解、判断するものではなく、人工知能の必須機能である学習機能を所持しないため、蓄積済みパターンを変更する場合は、入力者が蓄積を変更する必要があるものである。画像は、入力そのものの蓄積を行う.。
【特許文献2】特開2016−26356 単語に識別番号を付加し、その番号の組み合わせをパターン化して比較する。この任意パターンの関係性を、最初に人間によって事前に設定する。
【特許文献3】特開2015−130194、特開2015−109098、特開2015−057723、特開2015−028791 事前に任意の単語を事前に組み合わせて蓄積し、その組み合わせとパターンとの一致比較を行う
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】「松本:形態素解析システム「茶筌」,情報処理, Vol.41, No.11, pp.1208-1214, November 2000」
【非特許文献2】「浅原,松本:形態素解析のための拡張統計モデル,情報処理学会論文誌, Vol.43, No.3, pp.685-695, March 2002」
【非特許文献3】MeCab:http://mecab.sourceforge.net/
【非特許文献4】CaboCha:http://chasen.org/~taku/software/cabocha/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
自然言語処理による人工知能において、ユーザやユーザの所属する組織毎に異なり、かつ変化し続ける価値観を理解し、それぞれの価値観にあった情報の提供や対応を行う人工知能プログラムの実現であり、また変化する価値観を予測に基づく情報を提供することである。ここでの価値とは、人や、人の所属する組織にとっての価値であり、好み、したい、ほしい等の興味、嗜好、希望、目標、目的、期待などの満足度につながる価値観と、目的実現、遂行のための権利につながる価値観である。
【0008】
本発明は、自然言語処理による人工知能においてユーザやユーザの所属する組織毎に異なり、かつ変化し続ける価値観、価値を判断し、蓄積し、それ以降の判断に利用することで、ユーザー毎の価値に応じた情報を導き出すことや、価値に応じた結論を導き出す為の条件を導き出すこと、さらにユーザ毎に異なる価値とその価値観が有効な期間に応じて、自律的にデータの取得とともに蓄積データを変化させ、ユーザ毎の価値観、価値の変化に対応する判断と結論を導き出すことにある。
【0009】
また個人の蓄積の指標ごとの価値判断条件の傾向を分析することによって、個人の価値感の傾向を把握した提案や任意の所属する組織の複数の個人の傾向を分析することによって、組織の価値観の傾向を把握した提案を可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願の発明の概略を説明すれば、以下のとおりである。すなわち本発明は、個人のテキスト入力に対して、自然言語処理によるテキスト認識を使用した後、テキスト文章を主部と述部にわけ、さらにそれぞれから価値の判断基準である価値指標と価値判断条件を作成し関係する情報と共に蓄積する。以降蓄積した価値指標、価値判断条件と比較し、一致の場合は、過去に蓄積した価値と一致と判断、一部一致の場合は、類似と判断、不一致の場合は、新規価値情報追加と見なし、蓄積または次のステップの処理を行う。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態である人工知能構成の一例を示した概念図について
図2】最大一致条件について
図3】最小一致条件について
図4】価値指標と価値判断条件の関係について
図5】価値指標同士の関係について
図6】価値指標グループ、価値指標と価値判断条件の関係について
図7】価値指標と価値判断条件を格納する価値DBと関連情報を格納する一般DBとの関係について
図8】調査比較部比較順序について
図9】価値指標、価値判断条件の不明部分調査について
図10】成立条件推測について
図11】変化推測について
図12】予測について
図13】推論(1段の論理展開)について
図14】推論(複数段にわたる論理展開)について
図15】価値指標が同じ場合の合成について
図16】価値指標が異なる場合の合成について
図17】創造について
図18】所属DBについて
図19】区分データについて
図20】価値の類似性について
図21】価値の多様性について
図22】所属価値DBについて
図23】価値の所属依存について
図24】価値のプライオリティについて
図25】価値のトレードオフについて
図26】検証蓄積判断フローについて
図27】学習部の蓄積DBへの蓄積フローについて
図28】要約書フロー図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本実施の形態の記載内容に限定して解釈すべきではない。なお、実施の形態の全体を通して同じ要素には同じ番号を付するものとする。
【0013】
以下の実施の形態では、主に方法またはシステムについて説明するが、当業者であれば明らかなとおり、本発明はコンピュータで使用可能なプログラムとしても実施できる。したがって、本発明は、ハードウェアとしての実施形態、ソフトウェアとしての実施形態またはソフトウェアとハードウェアとの組合せの実施形態をとることができる。プログラムは、ハードディスク、CD−ROM、光記憶装置または磁気記憶装置、半導体記憶装置等の任意のコンピュータ可読媒体に記録できる。
【0014】
また以下の実施の形態では、一般的なコンピュータシステムを用いることができる。実施の形態で用いることができるコンピュータシステムは、中央演算処理装置(CPU)、主記憶装置(メインメモリ:RAM)、不揮発性記憶装置(ROM)、コプロセッサ、画像アクセラレータ、キャッシュメモリ、入出力制御装置(I/O)等、一般的にコンピュータシステムに備えられるハードウェア資源を備える。また、ハードディスク装置等の外部記憶装置、インターネット等のネットワークに接続可能な通信手段を備えることができる。コンピュータシステムには、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、メインフレームコンピュータ等各種のコンピュータやタブレットコンピュータ、スマートフォン等各種携帯情報端末が含まれる。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態であるパーソナル人工知能構成の一例を示した概念図である。図1の 入力部(001)、価値理解部(002)、蓄積比較部(003)、調査比較部(004)、不足調査部(005)、学習(蓄積)部(008)、価値データベース(以下価値DBとする)(009)を必須機能として、実施の形態ごとに一般データベース(以下一般DBとする)(006)、推測予測部(010)、推論部(011)、合成部(012)、創造部(013)、類似部(014)、多様性部(015)、所属依存部(016)、常識比較部(017)、共有部(018)、他者蓄積インターフェイス(以下他者蓄積IF)(019)、プライオリティ部(020)、トレードオフ部(021)、検証蓄積判断部(022)、価値対応自己修正部(023)、出力部(024)、価値傾向分析部(025)、提案提供部(026)、所属データベース(以下所属DBとする)(027)、所属価値データベース(以下所属価値DBとする)(028)、実行指示部(029)の一部または全部を備える、または必須機能以外は持たない構成とする。
【0016】
入力部は、文章(テキスト文)を価値理解部に受け渡す。ここでの文章とは、音声テキスト変換後の文章、キーボード等の入力装置からの文章などを含む。
【0017】
価値理解部は、入力部から受け付けた文章は、複数の文章からなる場合は、文章毎に分割し、それぞれの文章毎に形態素解析、係り受け解析によって得る、文章のそれぞれの単語同士の関係性を使用する。
(1)文章のそれぞれの単語同士の関係性を使い、文章を主部(主語、目的語)と述部(述語、動詞)と条件部(主部、述部の修飾語、または主部、述部を成立させる為の条件部分あるいは構成要素を抜き出した部分)に分割する。
(2)主部、述部を除いた部分を価値判断部とし、価値判断部を除いた主部、述部から主語を外したものを価値指標とする。ここで価値の種類を個人や、個人の所属する組織にとっての価値であり、好み、したい、ほしい等の興味、嗜好、希望、目標、目的、期待など実現、達成という価値観につながる価値に関する文言と、遂行、実施という権利の独占につながる価値に関する文言を、それぞれの単語を辞書との比較することによって特定する。
(3)価値判断部は、文章内の関係詞から部を価値の判断条件とするために接続詞削除処理を行う。価値判断部内の関係詞から、価値判断部をOR、XOR、XNORの意味合いの関係性を含まない形で構成された形であって、NOT、ANDの意味のみで接続した構成である1つまたは複数の価値判断の条件に変換する。これを価値判断条件とする。つまりは(a)接続条件にORの意味を含む場合は、ORを含まない条件として分割し、複数の価値判断条件に変換する。(NORはnot ORとしてORと同様に分割処理を行う)(b)XORの意味を含む場合は、XORの意味を含まない条件として分割し、複数の価値の判断条件に変換する。例えばA XOR B(A,Bが価値判断条とする)の場合、(A AND not B)と(not A and B)の二つの価値判断条件に分割し、それぞれのいずれかが成立することを価値判断条件とする。(c)XNORの意味を含む場合は、XNOR条件を含まない条件として分割する。例えば、A XNOR B(A,Bが価値判断条とする)は、(A and B)と(not A and not B)のいずれかが成立することを価値判断条件とする。このようにして複数の価値判断条件に変換する。分割された価値条件判断は、ひとつの価値指標に紐付く。
(4)NOTを含む価値判断条件は、負の価値として、価値判断条件は負の価値として表し、NOTを含まない価値判断条件は、正の価値として、価値判断条件は、正の価値として表す。また価値判断条件のそれぞれ項目が正と負の条件を持つ場合は、正負の差によって価値を位置付ける。
(5)価値指標に紐付く価値の重み付けのうち、満足度につながる価値については、価値判断条件の一致する項目数の多さを価値の高さとする最大条件一致を使用する。最大条件一致の価値判断条件の比較順序は、全ての項目の一致を比較し、全ての項目が一致しない場合は、ひとつの条件を除いた組み合わせを順列二位の価値判断条件とする。以下条件をひとつずつ減らした組み合わせでの一致比較を行う。組み合わせ数/全項目数が、条件一致度とする。
(6)最大条件一致は、価値判断条件のそれぞれの項目をすべて満たす(全項目をANDで結ぶ場合)場合に最大の価値とする。以下全項目のうち一つ少ない組み合わせで構成された(全項目-1の項目をANDで結ぶ場合)は、最大の価値より1つ低い価値とする。
項目は、類義語変換処理によって、全ての項目を類義語で入れ替えて作成した組み合わせ全てを価値判断条件として使用する。類義語変換処理は、単語を類義語によって置き換える処理をいう。 例えばAとBとCで構成された価値判断条件とAとBで構成された価値判断条件では、AとBとCで構成された価値判断条件のほうがより高い価値と判断する。最大条件一致で、全ての項目が一致しない場合は、ひとつの条件を除いた組み合わせを順列二位の価値判断条件とする。以下条件をひとつずつ減らした組み合わせでの一致比較を行う(順位が下がっていく)。このときに条件一致した項目数/全項目数を、最大条件一致の条件一致割合として、条件一致度の比較に使用する。最大条件一致は、同等の価値の高さの場合、価値判断条件を時間軸で並べて、最も新しく更新した価値判断条件を高い価値として扱う。新たな蓄積に対して、同じ価値指標の場合は、価値判断条件を高い価値として扱う。(図2図4)同様に正と負に関係なく同等の価値の場合、時間軸で新しく更新した価値判断条件を価値を高い価値として扱う。
(7)価値指標に紐付く価値の重み付けのうち、権利につながる価値については、価値判断条件の項目の少なさを価値の高さとする最小条件一致を使用する。
最小条件一致の価値判断条件の比較順序は、価値判断条件の項目数の少ない方から項目数が多い方に比較を行う。項目数が少ない方が価値が高いとする。
(8)最小条件一致は、価値判断条件の項目数が最小であるものを最大の価値とする。項目は類義語変換処理によって、全ての項目を類義語で入れ替えて作成した組み合わせ全てを価値判断条件とする。例えばAとBの項目で構成された価値判断条件と、Aのみで構成された価値判断条件では、Aのみで構成されたほうがより高い価値として扱う。最小条件一致は、同等の価値の高さの場合、任意の期間中の最も古い価値判断条件を高い価値として扱う。このときに共通する項目数/全項目数を、最小条件一致の条件一致割合として、条件一致度の比較に使用する。(図3図4) 同様に正と負に関係なく同等の価値の場合、時間軸で任意の期間中の最も古い価値判断条件を高い価値として扱う。
(9)最大条件一致または最小条件一致は、価値種類と称する。
10)比較を含む文章が入力された場合は、比較対象同士に関係性があると判断し、それぞれの価値指標同士に関係性フラグを付加する。(図5
満足度につながる価値の例として、「私は、スポーツカーを高速で運転するのが好きだ」の場合、価値指標の対象として、「私は」「運転する」「好きだ」価値判断条件の対象として、「スポーツカーを」「高速で」に分ける。ここで満足度につながる言葉「好きだ」は、価値指標及び価値判断条件から外す。自身の価値指標であることで、「私は」も外し、価値指標は、「運転する」となり、価値判断条件は、 「スポーツカー」AND「高速」であり、価値判断条件項目は、 「スポーツカー」、「高速」となる。
権利につながる価値の例として、「発明は、ABC鋼を使い、DEF処理を行い、GHI加工によって作成した包丁加工方法」の場合、価値指標の対象として、
「包丁加工方法」、価値判断条件の対象として「ABC鋼を使い」「DEF処理を行い」「GHI加工によって作成した」に分ける。価値指標は、「包丁加工方法」、価値判断条件は、「ABC鋼を使い」AND「DEF処理を行い」AND「GHI加工によって作成した」であり、価値判断条件項目は、 「ABC鋼を使い」、「DEF処理を行い」、「GHI加工によって作成した」となる。
【0018】
蓄積比較部は、既に経験した満足度につながる価値観や、権利につながる価値をもっているかどうかを判断する為の使用する。価値指標と価値判断条件は、関連付けされ類似する価値指標をまとめた価値指標グループとともに価値DBに蓄積されている。(図6)蓄積比較部は、価値理解部からの価値指標と価値判断条件を元に、価値DBに蓄積されている価値指標と価値指標に紐付く価値判断条件を比較する。
この時に価値理解部からの価値指標と価値判断条件は、類義語変換処理による類義語を含む全ての組み合わせを対象に比較する。
(1)まず価値指標を比較する。一致する価値指標を蓄積の有無を確認する。一致する価値指標の蓄積がある場合は、それぞれの価値判断条件を比較し、条件一致度が任意に設定した割合以上であれば、一致または類似性あり(部分一致)で返答し、さらに価値DBの価値判断条件に関連付けられた情報がある場合(図7)は、一般DBの情報のフラグを価値判断部に返す。関連付けられた情報が無い場合は、関連情報無しで返答する。
一般DBとは、価値DBに格納する価値使用、価値判断条件以外の情報全般を格納するデータベースであり一つのデータベース、または複数のデータベースを表す。
(2)条件一致度が任意の値より低い場合は、関係性が無いと判断し、価値判断部に不一致で返答する。
【0019】
調査比較部は、蓄積比較部の結果を元に対象を任意に所持する一般DB、インターネットを含む不特定多数の順、または一般DB、任意の対象DBの順に価値指標、価値判断条件をキーに検索し、一致または類似する価値指標、価値判断条件および関連情報を取得する。 ここで一般DBとは、価値指標及び価値判断条件に関する情報以外を格納するデータベースをいう。
(1)蓄積比較部の結果が、不一致の場合は、価値理解部から与えられた類義語変換処理による類義語を含む全ての組み合わせの価値指標と価値判断条件を検索条件として検索対象を任意に所持する一般DBに該当の有無を確認する。(a)価値指標と価値判断条件の全項目の一致を確認し、該当があれば、紐付く情報を返答する。一致しない場合は、(b)価値判断条件の項目を1つ外した全組み合わせを検索条件として、一致を確認し、該当があれば、紐付く情報を返答する。一致しない場合は、(c)さらに価値判断条件の項目を1つ外した全組み合わせを検索条件として一致を確認する。以下同様に価値判断条件の項目がなくなるまで繰り返す。一致しない場合は、検索対象をインターネットに変更し、任意に設定した検索回数まで検索を実施する (d)価値指標と価値判断条件の全項目の一致を確認し、該当があれば、紐付く情報を返答すると共に任意の一般DBに関連情報を紐づけて蓄積する。一致しない場合は、(e)価値判断条件の項目を1つ外した全組み合わせを検索条件として、一致を確認し、該当があれば、紐付く情報を返答する共に任意の一般DBに関連情報を蓄積する。(図8)(f)以下価値判断条件から任意の数の項目を外した全組み合わせを検索条件として、一致を確認し、該当があれば、紐付く情報を返答する共に任意の一般DBに関連情報を紐づけて蓄積する。
これは、自身の価値には該当しない(価値DBに存在しない)が、一致または類似した価値に関する情報が存在することを表す。
(2)蓄積比較部の結果が、一致または、類似一致の場合で且つ一般DBに関連付けされた情報がある場合は、蓄積比較部からの一致情報と共に関連付けられた情報を任意の一般DBから取り出し、価値理解部に返答する。
(3)蓄積比較部の結果が、一致または、類似一致の場合で且つ一般DBに関連付けされた情報がない場合は、価値指標および価値判断条件を検索条件として検索対象を任意に所持する一般DB、インターネットの順に検索し、結果がありの場合は、一般DBに価値指標及び価値判断条件と関連情報を蓄積するとともに価値DBの該当の価値判断条件に関連付ける。
(4)価値DBの価値指標及び価値判断条件に紐づけた関連情報または、一般DBの価値指標及び価値判断条件に紐づけた関連情報により、関連情報を検索条件として一般DB及び価値DBから価値指標及び価値判断条件を引き出す。
【0020】
不足調査部は、価値理解部において変換された、価値指標および価値判断条件の一部項目が不明な場合に不明な価値指標や価値判断条件の項目候補を価値DB、一般DB、インターネットから導き出す為の検索・比較の実施と、価値理解部において入力部から与えられた価値指標および価値判断条件に類似する情報を一般DB、インターネットの情報から検索し、不足する項目(価値指標、価値判断条件)の候補を導き出す。
(1)価値理解部において変換された価値指標に対して、価値判断条件が不明な場合において、(a)価値理解部において変換された価値指標または、これを類義語変換処理をした価値指標と価値DBの価値指標が一致し、価値理解部からの価値判断条件または、これを類義語変換処理をした価値判断条件が、価値DBの価値指標に紐づく価値判断条件の項目の一部として包含される場合、不明な価値判断条件の項目は、一致しない残りの価値判断条件の項目を候補とする。
(b)価値理解部において変換された価値指標または、これを類義語変換処理をした価値指標と価値DBの価値指標が一致し、価値理解部からの価値判断条件または、これを類義語変換処理をした価値判断条件が、価値DBの価値指標に紐づく価値判断条件の項目の一部として方が存在しない場合、一般DB、インターネットの順に価値指標を検索キーにした検索結果から価値理解部と同等な処理を行い、価値判断条件を導き出し、価値判断条件の項目の一部として包含される場合、不明な価値判断条件の項目は、一致しない残りの価値判断条件の項目を候補とする。
(c)検索結果が、合致しない場合は、候補無と判断する。
(2)価値理解部において変換された価値指標が不明かつ条件のみ存在する場合において、(a)価値理解部において変換された価値判断条件または、これを類義語変換処理をした価値返還条件と価値DBに一致する価値判断条件が存在する場合、価値DBのこの価値判断条件に紐づく価値指標を不明な価値指標の候補とする。
(b)価値理解部において変換された価値判断条件または、これを類義語変換処理をした価値返還条件と価値DBに一致する価値判断条件が存在しない場合、一般DB、インターネットの順に価値判断条件を検索キーにした検索結果から価値理解部と同等な処理を行い、価値判断条件を導き出し、この価値判断条件に紐づく価値指標を不明な価値指標の候補とする。
(c)検索結果が、合致しない場合は、候補無と判断する。
(3)(a)価値理解部において変換された価値指標、価値判断条件について、一般DB及びインターネット上に一致または類似する価値指標、価値判断条件を検索する場合において、検索結果が、価値指標が一致または類似する場合かつ価値判断条件が項目の一部が不足した場合、価値理解部において変換された価値判断条件のうちの一致した項目を除いた項目を残りの価値判断条件の項目を候補とする。
(b)検索結果が、合致しない場合は、候補無と判断する。
(4)(a)価値理解部において変換された価値指標、価値判断条件について、一般DB及びインターネット上に一致または類似する価値指標、価値判断条件を検索する場合において、検索結果が、価値判断条件が一致または類似する場合で価値指標が不明な場合、価値理解部において変換された価値指標を不明な価値指標の候補と判断する。
(b)検索結果が、合致しない場合は、候補無と判断する。
図9
【0021】
推測予測部は、価値DBに蓄積された価値指標と価値判断条件の成立する価値に沿って、価値判断部において自然言語処理により実現方法の推測、価値の増減による変化推測、または変化予測の要求による結論作成であり、価値指標の成立条件推測、価値判断条件の追加削除に伴う価値指標の変化推測と、価値条件判断項目の追加削除と時間的変化の予測を実現する。
(1)成立条件推測は、価値指標と価値判断条件が成立するための条件/方法を推測する。(a)価値判断条件の項目がそれぞれ成立する条件を特定する。
価値判断条件(親価値判断条件とする)を構成するそれぞれの項目とその類似語を検索キーとして一般DBを対象として検索する。(b)検索結果の文章を価値理解部と同様に価値指標及び価値判断条件(子価値判断条件とする)に変換する。(c)この子価値判断条件の項目が、親価値判断条件のそれぞれの項目の成立条件の候補とする。(d)親価値判断条件のそれぞれの項目を(c)の成立条件(子価値判断条件の項目)に置き換えたものを一般DBを対象に検索を行う。(e)検索結果を価値理解部と同様に価値指標と価値判断条件に変換し、変換後の価値指標が親価値判断条件に対する元の価値指標(親価値指標とする)と一致、または類似した場合、子価値判断条件の項目を成立条件の推測結果とする。(f)子価値判断条件を複数得た場合は、(c)から(e)を繰り返して、親価値判断条件に対する元の価値指標(親価値指標とする)と一致、または類似したものを、子価値判断条件の項目を成立条件の推測結果とする。(図10

(2)変化推測は、価値指標が価値判断条件項目の追加や削除されることによって変化する結果の推測である。(a)既存の価値指標に価値判断条件が追加される場合とは、価値判断条件の追加によって、価値指標がどのように変化するかを推測する。 任意の価値指標に任意の価値判断条件項目を追加する場合は、元となる価値指標を価値DBから取り出し、この価値指標に紐付く全ての価値判断条件に対して、追加する任意の価値判断条件項目をANDで追加する。それぞれの価値判断条件をキーに価値DBを検索し、一致または類似する価値指標を抽出する。また同様にこの価値判断条件に紐づく情報を一般DBから抽出する。この価値判断条件と、紐づく一般情報が、価値判断条件項目の追加によって、変化した価値指標であると推測する。(b)既存の価値指標から価値判断条件が削除される場合とは、価値判断条件の削除によって、価値指標がどのように変化するかを推測する。 任意の価値指標に関連付けられた価値判断条件に削除する価値判断条件項目に一致する項目あるいは類似する項目がある場合は、削除後の価値判断条件をキーに価値DBを検索し、一致または類似する価値指標を抽出する。また同様にこの価値判断条件に紐づく情報を一般DBから抽出する。この価値判断条件と、紐づく一般情報が、価値判断条件項目の削除によって、変化した価値指標であると推測する。(c)任意の価値指標に関連付けられた価値判断条件に削除する価値判断条件項目に一致する項目あるいは類似する項目がない場合は、変化推測不可となる。(図11
例えば、自動車という価値指標に対して、既存の価値判断条件が、高速走行と安全であった場合に、翼をもつこととジェットエンジンを持つことが追加されることにより、高速走行かつ安全に翼とジェットエンジンを持つことによって、価値指標が自動車から飛行機に変化することをいう。

(3)予測は、価値指標に対する価値判断条件の時間的変化予測である。学習部は、価値DBにおいて価値指標に対して価値判断条件の追加削除更新がある度に価値判断条件の強弱入れ替えと追加削除更新毎に時間記録を更新する。(図3図27および段落番号0032)この価値DBに蓄積した価値指標に対する価値判断条件の時間記録を利用して予測を行う。価値理解部によって変換された価値指標と価値判断条件に対して、価値DBに蓄積された価値指標または価値指標に類似の価値指標を検索する。(a)一致または類似する価値指標が存在する場合、この価値指標に関連付けされた価値判断条件に一致または類似する価値判断条件がもつ時間的変化履歴を価値判断条件の変化予測候補とする。(b)一致する価値判断条件がない場合は、価値判断条件項目の一致数がより多い価値判断条件がもつ時間的変化履歴を価値判断条件の変化予測候補とする。(c)以下、価値判断条件項目をひとつづつ減らして、任意の項目数を下限に価値判断条件がもつ時間的変化履歴を価値判断条件の変化予測候補とする。
(4)価値指標及び価値判断条件に対する比較対象が価値DBに存在しない場合は、成立条件推測、変化推測、予測は不可となる。
図12
【0022】
推論部は、価値DBに蓄積された価値指標と価値判断条件の成立する価値に沿って、価値判断部において自然言語処理により実現実行の要求による結論作成であり、価値DBに格納された価値指標の関係性を使用し論理展開を実現する。
(1)価値指標に関して、「価値指標Aが任意の条件aのもと、価値指標Bが成立する」場合かつ、 「価値指標Bが任意の条件bのもと、価値指標Cが成立する」場合、「任意の条件aおよびbのもと、価値指標Aは価値指標Cである」論理展開を実現する。この時に価値判断条件は、価値指標Aと価値指標Cの価値判断条件が付加される。(図13
(2)価値判断部において自然言語処理により実現実行の要求による結論作成において、任意の条件下において、一回の論理展開で結論に達しない場合は、「任意の条件のもと関係性が成立する価値指標」すべてに対して(1)を繰り返す。この時に一度経由した価値指標は、二回選択しないことによって無限ループを避ける。
図14
【0023】
合成部は、価値DBに蓄積された価値指標と価値判断条件の成立する価値に沿って、価値判断部において自然言語処理により実現実行の要求による結論作成であり、価値理解部にて作成する価値指標と価値判断条件あるいは、価値DBに蓄積された価値指標と価値判断条件の中から指定された複数の価値指標または価値判断条件を合成し、複数の価値が合わさった場合の結果についての関連する情報を導き出す。
(1)価値指標が同じものの合成は、価値判断条件の合成と合成によって作成される新たな価値判断条件に関連する情報を一般DBまたはインターネットから導き出す。この時にそれぞれの元の価値指標に複数の価値判断条件が紐付く場合は、すべての組み合わせについてそれぞれANDしたものを合成後の価値判断条件とする。価値判断条件の項目が同じ場合は、合成後1つにする。価値判断条件の項目のうち2つが相反する正負の場合は、正負双方項目削除したものを価値判断条件とする。(図15
(2)価値指標が異なるものの合成は、合成対象の価値指標をANDしたものを合成後の価値指標とする。この合成語の価値指標に加え、価値判断条件の合成と合成によって作成される新たな価値判断条件に関連する情報を一般DBまたはインターネットから導き出す。この時にそれぞれの元の価値指標に複数の価値判断条件が紐付く場合は、すべての組み合わせについてそれぞれANDしたものを合成後の価値判断条件とする。
(3)価値判断条件の項目が同じ場合は、合成後1つにする。価値判断条件の項目のうち2つが相反する正負の場合は、正負双方項目削除したものを価値判断条件とする。(図16
【0024】
創造部は、価値DBに蓄積された価値指標と価値判断条件の成立する価値に沿って、入力部から入力され価値判断部において自然言語処理により実現実行の要求に合致する結論作成である。任意の制限を付けた条件下において、成立しうる可能性のある組み合わせを作成することによって、疑似的創造を行う
(1)実現実行の要求を価値判断部によって結論となる価値指標の作成を行い、この価値指標が成り立つ条件を任意に設定した制限内で、一般DB、インターネットの順に検索する。
(2)検索結果を結論の価値指標とする価値判断条件の項目とし、任意に設定した個数をランダムに組み合わせを作成する。この組み合わせすべてを価値判断条件として、価値指標と組み合わせて、再度一般DB、インターネットの順に検索を実施し、得られた結果を結論前情報としてリストし、それぞれを価値判断部と同様に価値指標と価値判断条件に分ける。ここで作成した価値指標と(1)で作成した価値指標を比較し、類似性の高いものから並び替え、類似性の高い結論前情報を結論として導き出す。
(3)価値判断条件の項目が同じ場合は、合成後1つにする。価値判断条件の項目のうち2つが相反する正負の場合は、正負双方項目削除し、価値判断条件とする。(図17
【0025】
共有部は他者の学習(蓄積)部を通して任意に許可された他者の価値DBと価値データの共有を行う。
共有部は、所属DB(図18)を持ち、任意に設定された個人の1つまたは複数の所属を管理し、同じ所属に属する他者の価値データを取得する為の区分データを管理する。所属毎に価値指標を類似性で任意にグループ化した価値指標グループ毎に所属グループとの関連付けをし、これを区分データとする。(図19
【0026】
類似部は、個人単位での自身の価値指標と他者の価値指標の共通項を確認し、価値が共通する同士を結びつけることを目的に使用する。
共通する価値指標は、類義語変換処理による類義語を含む全ての組み合わせを共通項の対象とする。
(1)対象となる共通する価値指標に紐付く価値判断条件同士を比較し、共通する価値判断条件が任意に設定する割合以上である場合は、価値指標ごとに価値の類似性有りと判断する。ここで対象となる共通する価値指標とは、一致または類似(類義語変換による類義語をと一致)する価値指標を表す。(a)自身と他者の共通する価値指標と共通しない価値指標に分ける。(b)共通する価値指標同士の価値判断条件を比較して、一致または類似する価値判断条件とそうでない価値判断条件に分け、一致または類似する価値判断条件が、任意の割合以上である場合は、類似性ありと判断する。(b)価値指標を任意のグループに分ける。例えば、自動車に関する価値指標をまとめたグループを指す。 (b)共通する価値指標グループ同士の価値指標に対する価値判断条件を比較して、一致または類似する価値判断条件とそうでない価値判断条件に分け、一致または類似する価値判断条件が、任意の割合以上である場合は、この価値使用グループについて、類似性ありと判断する。価値判断条件は、正負を判断し、同じ価値の方向の場合に一致とする
(2)価値類似性は、(同じ価値指標に紐付く価値判断条件で一致する数)/(価値指標に紐付く価値判断条件の数の最大値)で求める
共通する価値指標グループが存在しない、または共通する価値指標グループにおいて価値判断条件の類似性が任意の値以下の場合は、価値類似性無と判断する。(図20
【0027】
多様性部は、自身が所属する組織、グループにおける共有できる価値を表す価値指標、価値判断条件および関係するデータを導き出す目的に使用し、共有部の持つ所属DBにもつグループの所属メンバーがもつ価値指標、価値判断条件を全てを含み、所属するグループの価値の多様性を表す。
(a)所属DBによって特定できる、個人の所属する1つまたは複数の所属毎に、全ての価値指標と紐づく価値判断条件をORしたものであり、価値判断条件は、
正負を含めて全ての価値判断条件を含む。(b)価値指標および価値判断条件に対する類義語変換処理は、行わない。
図21
【0028】
所属依存部は、所属する組織、グループの特有の価値観、価値に沿った判断を行っているかどうかを確認する目的に使用する。
(1)共有部の持つ所属DBにもつ組織、グループが持つ価値観、価値に関する価値指標及び価値判断条件を任意に設定し、所属価値DB(図22)に格納する。この価値指標および価値判断条件に一致するか否かの判定によって、個人の価値観、価値が、所属する組織のものに一致しているかどうかを判断する。
(a)所属価値DBにもつ価値指標について、個人の価値DBの価値指標または、入力から価値理解部で変換された価値指標が一致または類似する場合に、価値判断条件を比較し、価値判断条件が一致または類似する場合、この価値指標について、価値観、価値に沿っていると判断する。(b)一致または類似しない場合は、
価値観、価値に沿っていないと判断する。
(2)所属価値DBに任意の設定が無い場合は、所属するグループの所属メンバーの価値指標と価値判断条件の共通項の価値指標と価値判断条件を組織、グループの価値に設定する。この共通項の価値指標および価値判断条件に一致するか否かの判定を行う。
(a)(2)において組織、グループの権利に関する価値は、所属する組織、グループの価値指標に関する価値判断条件との一致または類似で判断する。価値の強弱は、最小条件一致で特定する。
(b)(2)において組織、グループの満足度につながる価値観は、所属する組織、グループの価値指標に関する価値判断条件との一致または類似で判断する。価値の強弱は、最大条件一致で特定する。
(c) 一致する価値指標がない場合は、所属の価値観、価値に沿っていないと判断する。
図23
【0029】
常識比較部は、常識と義務についての比較を行う。
(1)常識は、価値指標と価値判断条件の組み合わせのうち、任意の単位の母集団において、所属する人数のうちの任意の割合以上一致または類似する場合、その価値指標についての価値観、価値に関する常識と判断する。任意の単位の母集団とは、国、地域、業界、グループなど任意の条件に合致する単位である。
(a)価値DBにある価値指標について、その人が所属するグループを所属DBからグループを特定する。(b)共有部を介して、他者の所属DBに対して、同じグループに所属するかどうかを確認する。(c)同じグループに所属している場合は、その人の価値DBに対して価値指標と価値判断条件が一致または類似(類義語変換処理による類義語を含む全ての組み合わせ)しているかどうかを確認し、一致または類似している場合は、一致または類似で返答する。(d)不一致の場合は不一致で返す。(e)所属グループの全所属人数に対して、一致または類似で返した人数の割合が、任意に設定する以上である場合、常識と判断する。(f)この常識の価値指標、価値判断条件と価値理解部からの価値指標、価値判断条件を比較して、任意の所属に対する常識かどうかを比較判断する
(2)義務は、法律やルールなど、義務として守るべき価値観と価値に対する比較である。(a)文章を価値理解部において、価値指標と価値判断条件に変換したものを義務フラグを付けた価値指標と価値判断条件として、価値DBに保持する。(b)この価値DBの義務の価値指標と価値判断条件と価値理解部からの価値指標、価値判断条件を比較して、義務かどうかを比較判断する
【0030】
優先判断部は、プライオリティ判断とトレードオフ判断を行う。
(1)(a)プライオリティ判断は、複数の入力の中から価値の高低を判断によって優先順位付けを行う。(b)価値理解部によって変換された複数の価値指標と価値判断条件それぞれについて一致または類似(類義語変換処理による類義語による一致)の価値指標および、一致または類似(類義語変換処理による類義語による一致)価値判断条件を価値DBから抽出する。(c)入力からの比較対象である複数の価値指標が同一である場合は、価値DBから抽出した価値指標に関連付けられた価値判断条件と入力からの複数の価値指標に紐づく価値判断条件を比較する。ここで価値DBからの価値判断条件に履歴がある場合は、正負を含む価値の順位付けが保持されており(図3)、入力からの価値判断条件が価値DBの価値判断条件のいずれに近いかを比較し、一致または、価値判断条件項目のうちの項目一致数が高いものを価値DBのうちの価値判断条件と一致と判断する。(d)その結果(c)によっての価値の位置を得る。(e)(d)から得た価値の位置から入力の複数の価値判断条件の価値の位置を比較して、価値のプライオリティ結果を出す。
(2)プライオリティ判断のうち、入力の複数の価値指標が一致しない場合は、価値指標の関係性から順位を求める。(a)価値理解部によって変換された複数の価値指標それぞれについて一致または類似(類義語変換処理による類義語による一致)の価値指標を価値DBから抽出する。(b)それぞれの価値指標に関係性がある場合は、その関係性を価値の順位として価値のプライオリティ結果を出す。(c)関係性がない場合、入力文章の主たる言葉に比較対象の順位付けがある場合は、その結果を価値のプライオリティ結果を出す。 (図24)(d)比較で関係性がない場合は、比較不可として返す。
(3)プライオリティ判断のうち、入力の複数の価値指標のうち一致する価値指標と一致しない価値指標が混在する場合は、価値指標が一致しているものを最初に(1)の処理を行い、残りを(2)の処理を行い、順序付けを行う。結果(2)の順位付け結果の中に(1)の順位付けが含まれる形となる。
(4)プライオリティ判断のうち、入力した価値指標、価値判断条件に一致または類似する価値指標、価値判断条件が、価値DBに存在しない又は、価値DBの価値指標に関連付けられた価値判断条件が、1つしかない場合は、比較不可として返す。

(5)トレードオフ判断は、価値DBが持つ価値指標に関連付けられる価値判断条件に負の項目を含むものが存在する場合に、正の項目のみで構成された価値判断条件との比較判断を行う。(a)価値理解部によって変換された価値指標について一致または類似(類義語変換処理による類義語による一致)の価値指標が価値DBに存在する場合で、その価値指標に負の価値判断条件のもの正の価値判断条件を持つ場合、負の価値判断条件の価値位置が高い場合は、負の価値判断条件を選択する。これによって「損をして得をとる」を実現するために損(負)である価値判断条件項目を含む場合でも選択する頻度が高い個人や所属する組織の価値観を実現する。(図25
(6)価値DBに対象となる価値指標が構築されるまでは、対象となる価値指標に対するプライオリティ判断、トレードオフ判断は不能として返答する
【0031】
検証蓄積判断部は、入力部から入力され価値判断部において自然言語処理により実施する選択肢(価値蓄積、価値実現)の蓄積、出力、検証を実施する。
(1)価値判断部において、出力を伴わない入力の場合は、価値DBへの蓄積のみを実施する。(a)価値理解部において処理された価値指標と価値判断条件と一致または、類似する価値指標と価値判断条件が価値DBに存在しない場合、蓄積のみであり、価値DBへの価値指標と価値判断条件の追加を行う。
(b)価値理解部において処理された価値指標と一致または類似する価値指標が価値DBに存在し、価値判断条件が一致するものが存在しない場合は、価値DBの既存の価値指標に対して、価値判断条件の追加の蓄積を行う。(c)価値理解部において処理された価値指標と価値判断条件が価値DBに存在する場合かつ、満足度につながる価値観である最大一致条件である場合は、この価値指標の価値判断条件の日付更新処理命令を発行する。権利につながる価値である最小一致条件の場合は、処理終了する。
(2)価値判断部において、出力を伴なう入力の場合は、価値の蓄積と出力を実施する。(a)価値理解部において処理された価値指標と価値判断条件と一致または、類似する価値指標と価値判断条件が価値DBに存在しない場合、蓄積のみであり価値DBへの価値指標と価値判断条件の追加の蓄積命令を発行する。同時に任意の出力インターフェイスを使用して、この価値指標に関連する情報を出力する。(b)価値理解部において処理された価値指標と一致または類似する価値指標が価値DBに存在し、価値判断条件が一致するものが存在しない場合は、価値DBの既存の価値指標に対して、価値判断条件の追加の蓄積を実施する。また任意の出力インターフェイスを使用して、この価値指標に関連する情報を出力する。 (c)価値理解部において処理された価値指標と価値判断条件が価値DBに存在する場合かつ満足度につながる価値観である最大一致条件である場合は、価値DBに対して、この価値指標の価値判断条件の日付更新処理命令を発行する。最小一致条件の場合は、処理終了となる。また任意の出力インターフェイスを使用してこの価値指標に関連する情報を出力する。
(3)検証は、入力の文章と作成した価値指標、価値判断条件の整合性(a)、価値指標、価値判断条件から検索または作成した情報の確認(b)、価値実現の結果が入力である価値判断部で作成する価値指標と、価値判断条件の正確性の確認(c)を価値理解部による質問回答による検証を行う。
検証手順は、(a)入力文に対する場合は、価値指標に対する価値判断条件の構成項目を質問形式にし、入力者に対して「(価値指標)○○について、(価値判断条件項目)△△であるのであること」を確認するため、内容ごとに任意に「○○について、△△がお好きなのですね」「△△が○○の条件なのですね?」「○○について△△であることに興味をお持ちなのですね?」等、入力から作成した価値指標、価値判断条件に沿った質問形式で返し、その答えが正しいとの回答を得た場合は、変換が正しいと判断し、誤りとの回答の場合は、「では、○○は、どういう条件なのですか?」等の再質問して、結果を価値判断条件として再入力し、価値理解部にて、再変換する。蓄積済みの 同様の内容については、任意の回数以上に達した場合は、精度が上がっていると判断し、質問せずに検証済みと判断する。(図26)(b)価値指標、価値判断条件からの検索、作成した情報については、「得られた情報に満足しているか?」の確認を行い、満足との答えの場合は、価値指標に対する価値判断条件と情報との関連付けがあると判断する。満足しないと答えの場合は「どのような情報を期待したのか?」の質問を行い、その答えを価値指標と価値判断条件に関連付ける情報として、一般DBに蓄積する。
(c)価値実現の結果を入力者に対して、「結論として価値指標について結果を○○とあると予想したが、正しいか ?」の質問を行い、正しいとの答えが返った場合には、結論を確定し、以降類似の価値実現処理について、同じ処理を行う。誤りとの答えの場合は、価値判断条件の項目の確認の質問を行い、任意の回数以下で正しい項目を得るまで、確認を繰り返す。(d) (a)〜(c)の検証において正しいとの判断を得られない場合は、対象となる価値指標、価値判断条件および関係情報を価値DBおよび、一般DBから削除する。
【0032】
学習(蓄積部)は、検証蓄積判断部からの蓄積命令に対して、価値指標および価値判断条件の追加、更新、削除を実施する
(1)検証蓄積判断部からの蓄積命令が、価値指標と価値判断条件の追加の場合、価新規に価値指標と価値判断条件を価値DBに追加する。この時に追加日時をこの価値判断条件に付加する。
(2)検証蓄積判断部からの蓄積命令が、価値判断条件の追加の場合、既存の価値指標に関連付けられた価値判断条件を価値DBに追加する。この時に
既存の価値判断条件の価値の高低、つまりは価値理解部により導き出した価値の強弱判断結果により、価値判断条件の並び替えを行ったうえで価値DBに追加する。この時に追加日時をこの価値判断条件に付加する。
(3)検証蓄積判断部から価値判断条件の日付更新処理命令の場合、該当する価値指標の価値判断条件の日時を更新する。同じ価値指標に同等の価値が存在する場合は、この日時更新によって同等の価値判断条件の中で最も価値が高くなるように価値判断条件の並び替えを行い、価値DBを更新する。
(4)任意に価値判断条件の存続期間を設定する場合は、その存続期間を超えた場合は、該当する価値判断条件を削除する。
(5)蓄積する価値指標の類似する価値指標が存在するかを確認し、類似が存在する場合は、価値DBへの価値指標の書き込み時に、類似する価値指標同士は、関連付けられ価値指標グループとして関連付けする。(図6)その際に関連性のポイントを関連性項目として付加する。関連性項目は類似となる価値指標の項目であり、任意に設定した項目に類似する場合は、その項目に関連付ける、任意に設定した項目に該当がない場合は新規項目として項目を追加して、関連性項目として使用する。関連性項目は階層構造とし、初期に任意に設定される。その後入力部からの文によって価値理解部が、複数の価値指標の優先順位付けについての入力と判断した場合、(a)既存の任意に初期設定した項目の場合には、関連性項目の階層構造を修正する。(b)新たな関連性項目の場合は、追加する。この関連性項目を使用して、優先判断部は、価値指標のプライオリティ判断を行う。
(6)入力部からの文によって価値理解部が、複数の価値指標のトレードオフ組み合わせの入力と判断した場合、価値指標に紐づく価値判断条件のトレードオフの組み合わせを価値指標に紐づけて、トレードオフ条件として蓄積する。これは、負の価値判断条件と正の価値判断条件の組み合わせによる「損して得を取る」価値を実現するためのもので、負の組み合わせと正の組み合わせが、正のみの組み合わせよりも価値を高く判断する場合を実現する。価値理解部からの入力のみで高低判断の蓄積を行う。(図27
【0033】
出力部は、個人や個人の所属する組織の価値にあった情報の選択、出力する。
(1)価値理解部において出力を期待する入力であり、かつ価値実現による処理を伴わないと判断した場合、調査比較部において一般DBまたはインターネットから導き出した情報を出力する。
(2)価値理解部において出力を期待する入力であり、かつ価値実現による処理を伴なうと判断した場合、推測予測部、推論部、合成部、創造部の結果または、その結果に基づき、調査比較部において一般DBまたはインターネットから導き出した情報を出力する。
【0034】
価値傾向分析部は、価値指標を任意の条件で抽出、グループ化し、その価値判断条件の項目を傾向分析し、この分析結果を個人または個人の所属する組織、グループの価値にあった情報・広告・商品・サービスとを結び付ける。
(1)(a)任意の価値指標を含む任意の区分で分ける。この区分にあった価値指標を価値DBから1つまたは複数の価値指標を抽出する。(b)その価値指標に関連付けられた価値判断条件を抽出する。(c)抽出した1つまたは、複数の価値指標とそれぞれに関連する価値判断条件と一致または、類似(類義語変換処理による類義語による一致)、または任意の割合以上の価値判断条件項目の一致または類似する価値指標、価値判断条件を持つ個人または個人の所属する組織、グループを抽出する。(d)抽出された価値指標と価値判断条件の組み合わせにあった個人または個人の所属する組織、グループが、任意に決めた分類の価値観や、価値に合致する個人、または個人の所属する組織、グループである可能性が高いと判断する。
(e)この個人または個人の所属する組織、グループに対して、任意にきめた分類に一致した情報・広告・商品・サービスを提供する
(2)(1)の(e)において提供した情報に対して、反応である入力された文章を自然言語処理を行い、(a)応答が正の反応を示す言葉の場合、価値傾向分析の結果は正しいと判断する。(b)応答が負の反応を示す言葉である場合は、分析結果に間違いがあると判断する。
【0035】
実行指示部は、価値傾向分析部は、価値指標を任意の条件で抽出し、その価値判断条件の項目を傾向分析し、この分析結果を個人または個人の所属する組織、グループの価値にあった任意の動作実行処理を行う。
(1)(a)任意の価値指標を含む任意の区分で分ける。この区分にあった価値指標を価値DBから1つまたは複数の価値指標を抽出する。(b)その価値指標に関連付けられた価値判断条件を抽出する。(c)抽出した1つまたは、複数の価値指標とそれぞれに関連する価値判断条件と一致または、類似(類義語変換処理による類義語による一致)、または任意の割合以上の価値判断条件項目の一致または類似する価値指標、価値判断条件を持つ個人または個人の所属する組織、グループを抽出する。(d)抽出された価値指標と価値判断条件の組み合わせにあった個人または個人の所属する組織、グループが、任意に決めた分類の価値観や、価値に合致する個人、または個人の所属する組織、グループである可能性が高いと判断する。
(e)この個人または個人の所属する組織、グループに対して、任意にきめた分類に一致した任意の動作実行処理を行う。
(2)(1)の(e)において提供した情報に対して、反応である入力された文章を自然言語処理を行い、(a)応答が正の反応を示す言葉の場合、実行指示の結果は正しいと判断する。(b)応答が負の反応を示す言葉である場合は、実行指示に間違いがあると判断する。
【0036】
実行指示部は、個人または個人の所属する組織、グループの価値にあった実行動作を行う目的に価値DBに蓄積された蓄積された価値指標及び価値判断条件に合致し、かつ任意の実行条件に合致する場合に、実行指示を発行する。任意の機械に対する任意の動作条件に対して価値DBに蓄積された個人の価値指標、価値判断条件のうち、任意の機械に動作についての価値指標を抽出し、個人の所属する組織、グループの価値指標及び価値判断条件と任意の機械の動作条件をANDしたものを個人または個人の所属する組織、グループの価値に合致した、動作の実行指示とする。価値に一致または類似しない動作は実行指示を行わず、 「どのような動作を期待するのか?」といった質問を返し、質問に対する答えを入力を価値理解部で価値指標、価値判断条件に分解し、価値DBに蓄積する。
【産業上の利用可能性】
【0037】
個人の現在の価値(満足度)を価値指標毎に蓄積し、その蓄積結果から、その個人の価値観の傾向を過去の時間変化から将来の価値の変化を予測し、予測に応じた製品や情報を提案するシステム
【0038】
会話型ロボットにおいて、相手の応答から相手の価値観を理解し、対応する執事システム
【符号の説明】
【0039】
001 入力部
002 価値理解部
003 蓄積比較部
004 調査比較部
005 不足調査部
008 学習(蓄積)部
009 価値データベース
006 一般データベース
010 推測予測部
011 推論部
012 合成部
013 創造部
014 類似部
015 多様性部
016 所属依存部
017 常識比較部
018 共有部
019 他者蓄積インターフェイス
020 プライオリティ部
021 トレードオフ部
022 検証蓄積判断部
023 価値対応自己修正部
024 出力部
025 価値傾向分析部
026 提案提供部
027 所属データベース
028 所属価値データベース
029 実行指示部
【要約】
【課題】個人や個人の所属する組織・グループ毎に異なり変化し続ける価値、価値観を解析、学習、予測し、その価値、価値観に合った情報提供、提案を行うことを可能にする人工知能に必要な機能実現
【解決手段】個人や個人の所属する組織に対する入力される文章を形態素解析、係り受け解析および品詞分解による自然言語処理を行い、その結果を、価値観や、価値を表す価値の判断基準となる価値指標と価値判断条件に変換する。変換結果を権利にいたる価値と満足にいたる価値かを判断しそれぞれの価値に応じて最小条件一致および最大条件一致の2つの比較方法と価値の正負のフラグ付けを行い、価値DBに蓄積する。蓄積した価値指標、価値判断条件を元に変化予測や、価値観につながる情報の特定をおこなう。
【選択図】図28
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