(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明に係る遊技用装置及びこの遊技用装置を備えた遊技場システムの実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る遊技場表示装置と遊技機に接続された管理装置とを備えた遊技場システムの構成図である。
また、
図2は、本発明の一実施形態に係る遊技場表示装置の内部構成を示すブロック図である。
【0008】
本実施形態の遊技場表示装置10は、遊技場に設置された遊技機の遊技情報を表示するとともに、遊技情報以外の情報(例えば、後記の背景情報等)を表示することができる。
すなわち、遊技場表示装置10は、利用者が遊技機を選択する際に役立つ遊技情報を提供するとともに、キャンペーン等の他の有用な情報を提供することを目的とする。
【0009】
管理装置50は、公知のいわゆるホールコンピュータであり、複数のスロットマシン100やパチンコ機200から、これらの稼働に伴って出力される遊技情報(例えば、遊技媒体払出信号、遊技媒体投入信号、大当り信号等。)を収集し(遊技情報収集手段)、これらを集計し、遊技機ごとの遊技媒体獲得数、遊技媒体投入数、差玉数(遊技媒体獲得数から遊技媒体投入数を差し引いた数値をいう。以下、同じ。)、大当り回数などの遊技情報を算出する。管理装置50は、これらの遊技情報を遊技場表示装置10に送信する(遊技情報送信手段)。
この管理装置50が、本発明に係る遊技用装置を構成する。
【0010】
遊技場表示装置10は、
図2に示すように、CPU101、所定の制御プログラムが格納されたROM102、管理装置50から受信した遊技情報を一時的に記憶するRAM103、CPU101からの命令により画面表示制御を行うGPU(Graphics Processing Unit)104、キャラクタや広告などの背景画像、遊技情報のグラフやリストなどの表示範囲を区画した領域画像の描画データ等が記憶されたCGROM105、遊技情報等の描画データを一時的に記憶するVRAM106、遊技情報等の描画データを表示するLCDモジュール107、及び、管理装置50等の外部から背景画像や遊技情報を入力し、又は、機種と背景画像との関連付けを設定するための情報(関連付け情報)を入力するためのインターフェースであるI/F108を各構成要素として備える。
【0011】
なお、LCDモジュール107は、I/F108の役割を兼ねることもできる。例えば、LCDモジュール107は、指触を検出可能な液晶のタッチパネルによって構成され、このパネル上に表示される操作キーを触れることにより所定の入力信号をGPU104やCPU101に出力することができる。
また、ROM102に格納された制御プログラムは、CPU101に読み込まれることにより、後記の背景関連付け処理や遊技情報表示処理(背景選択処理及びグラフ表示処理を含む)の実施を可能とする。
以下、各処理について詳細に説明する。
【0012】
(背景関連付け処理)
まず、背景関連付け処理について説明する。
背景関連付け処理は、遊技機別又は機種別に背景画像と対応付けた関連付け情報を設定するものであり、通常、遊技場の店員や管理者の操作を介して事前に行われる。
図3は、背景関連付け処理の手順を示したフローチャートである。
なお、ここで取り扱われる各背景画像(
図10参照)は、I/F108を介して入力され、既にCGROM105に保存されているものとする。
【0013】
図3に示すように、ここでは、まず、背景関連付け処理を行うための所定操作(背景関連付け操作)が有ったかどうかが判別される(S11)。背景関連付け操作(及び後記の機種選択操作や背景選択操作)は、遊技場の店員や管理者により、管理装置50のキーボード等の操作、又は、LCDモジュール107のタッチパネル操作等を介して行うことができる。CPU101は、このような操作によってI/F108から入力された所定信号を検知することで背景関連付け操作が有ったことを認識することができる。
背景関連付け操作が確認された場合(S11−YES)、次に、機種選択操作が有ったかどうかが判別される(S12)。「機種選択操作」とは、例えば、遊技機の機種が「AAA」、「BBB」、「CCC」、・・・とある場合に、これらの中から機種「AAA」を選択する操作をいう。
また、台番号を入力することによって、その台番号に予め関連付けられた機種が間接的に選択される動作を「機種選択操作」とすることもできる。
【0014】
機種選択操作が確認された場合(S12−YES)、次に、背景選択操作が有ったかどうかが判別される(S13)。「背景選択操作」とは、例えば、背景画像が「a」、「b」、「c」、・・・とある場合に、これらの中から「a」を選択する操作をいう。
背景選択操作が確認された場合(S13−YES)、機種と背景画像との関連付け情報が設定され(関連情報設定手段)、データベースとして記憶される(関連情報記憶手段)(S14)。
具体的には、CPU101が、S12における機種選択操作によって選択された機種情報と、S13における背景選択操作によって選択された背景画像と、を対応付けて関連付けテーブルt(関連付け情報)を設定する。そして、CPU101は、このようにして設定した関連付け情報をHDD(Hard Disc Drive)等の記憶装置(不図示)に記憶する。
【0015】
図4は、関連付けテーブルの例図である。
関連付けテーブルtは、例えば、
図4(a)に示すように、機種「AAA」と背景「a」、機種「BBB」と背景「b」、機種「CCC」と背景「c」、機種「***」と背景「z」といった各関連付け情報によって構成することができる。なお、機種「***」は、「AAA」、「BBB」、「CCC」以外の機種、すなわち、個別の背景画像が関連付けられていない不特定の機種を示すものであり、背景「z」は、このような機種に対応付けられる背景画像を表したものである。
【0016】
図4(b)は、台番号と機種とを対応付けたテーブル情報であり、このような情報と上記関連付けテーブルとの組み合わせを関連付け情報とすることができる。
すなわち、関連付け情報は、
図4(a)に示す関連付けテーブルtと、
図4(b)に示すテーブル情報と、をリンクさせたデータ構造とすることもできる。
このようにすると、背景情報を、機種別に設定するだけでなく、遊技機別に設定することができる。例えば、
図4(b)を参照すると、台番号1は機種「AAA」であるため、関連付けテーブルtを介してその背景画像は「a」であることを認識することができる。
なお、関連付けテーブルtに格納される背景画像に関する情報(「a」、「b」、「c」、「z」)は、それ自体が背景画像の保存アドレスであり、又は、そのような保存アドレスを含むデータ構成とすることができる。このようにすると、関連付けテーブルtを経由して、対応する背景画像に円滑にアクセスすることができる。
【0017】
(遊技情報表示処理)
次に、遊技情報表示処理について説明する。
図5は、遊技情報表示処理の手順を示すフローチャートである。
図5に示すように、ここでは、まず、遊技情報取得操作の有無が判別される(S21)。
「遊技情報取得操作」は、任意の遊技機の遊技情報の閲覧するために来店者等により行われる操作である。
ここでは、利用者の所定操作に応じ、遊技機又は遊技機の機種(機種名)を選択する(遊技機選択手段)処理が行われる。例えば、任意の遊技機の台番号が入力され、又は、任意の機種が選択される操作を介してこの選択処理が行われる。
CPU101は、このような操作を介してI/F108から入力される信号を検知すると、遊技情報取得操作が有ったものと判断し(S21−YES)、GPU104が、背景選択処理(S22)とグラフ表示処理(S23)とを実施する。
【0018】
背景選択処理は、選択された遊技機又は機種に対応した背景画像を関連付け情報(関連付けテーブルt)から抽出するとともに、管理装置50からI/F108を介して入力される遊技情報からその選択された遊技機又は機種に属する遊技機の遊技情報を取得する(情報取得手段)。
【0019】
グラフ表示処理は、背景選択処理を介して取得した遊技情報のグラフを非透過で表示させるとともに、そのグラフの表示範囲を区画した下地領域を所定の透過率で透過させて表示させることによって、この下地領域内において重なって描画されるグラフと背景画像とを視認可能に表示する処理を行う(表示手段)。
具体的には、GPU104のレイヤ表示機能により、遊技情報のグラフ(後記の折れ線グラフD21)を所定のレイヤ(レイヤ3)に非透過で表示させ、遊技情報の表示範囲を区画した下地領域をこの所定のレイヤの下位のレイヤ(レイヤ2)に所定の透過率で透過させて表示させ、背景画像をこの下位のレイヤ(レイヤ2)よりさらに下位のレイヤ(レイヤ1)に表示させる。
【0020】
このようにすると、遊技情報が表示される範囲の下地領域が透過されるため、この下地領域内で遊技情報と背景画像が重なって描画されたとしても双方を視認可能に表示することができる。
また、近くからは遊技情報を見易く表示するだけでなく、遠くからは背景画像を視認することができる。
このため、遊技場表示装置10が利用中であっても、その背景として表示される広告やキャンペーン等の背景画像を他の多くの来店者が見ることができる。
【0021】
また、グラフ表示処理においては、選択された遊技機の所定期間(当日及び過去一週間)における遊技情報の最大値、または、選択された機種に属する一又は二以上の遊技機の当日における遊技情報の最大値にもとづき、遊技情報をグラフで表すときの目盛の最大値(最大目盛)を設定し、予め決められた表示領域の最大枠にこの最大目盛を一致(ほぼ一致、すなわち、最大枠の近接する位置に最大目盛を一致させることを含む。以下、同じ。)させつつ各目盛を等分して描画し、グラフをこの目盛のスケールに合わせて描画する。
また、所定期間に含まれる営業日ごとのグラフや所定の機種に属する遊技機ごとのグラフを並べて描画するようにしており、この場合においても各表示領域の最大枠に最大目盛を一致させてグラフを描画するようにしている。
このため、営業日ごとのグラフや遊技機ごとのグラフが見易いだけでなく、各グラフが共通のスケールで一覧表示されることとなるため営業日ごと又は遊技機ごとの遊技情報の比較を容易にすることができる。
【0022】
ここで、遊技情報表示処理における背景選択処理(
図5のS22)とグラフ表示処理(
図5のS23)について説明する。
(背景選択処理)
図6は、背景選択処理の手順を示すフローチャートである。
図6に示すように、ここでは、まず、関連付けテーブルtの検索が行われる(S31)。具体的には、GPU104が、予め遊技情報取得操作によって選択された機種をキーとして、HDD等の記憶装置に保存された関連付けテーブルtを検索し、該当する関連付け情報が設定されているか否かを判別する(S32)。
【0023】
該当する関連付け情報が設定されていた場合(S32−YES)、GPU104は、その関連付け情報にもとづく背景画像(関連付け背景)を最下部のレイヤ(レイヤ1)の画層上に描画する(S33)。
例えば、台番号「1」についての遊技情報取得操作があった場合、
図4(b)に示す関連付け情報を介し機種「AAA」が抽出され、次いで、
図4(a)に示す関連付けテーブルtを介しこの機種「AAA」に対する背景画像「a」が抽出され、この背景画像がレイヤ画像L1として描画される。
また、遊技情報取得操作として、機種「BBB」についての選択操作があった場合、
図4(a)に示す関連付けテーブルtから背景「b」が特定され、この背景画像がレイヤ画像L1として描画される。
該当する関連付け情報が設定されていなかった場合(S32−NO)、GPU104は、共通の背景画像(関連付け無しの背景)をレイヤ1の画層上に描画する(S34)。「共通の背景画像」は、機種「***」に対応する背景「z」の背景画像が相当する。
そして、GPU104は、レイヤ画像L1を、VRAM106に保持する。
【0024】
図10は、背景画像(レイヤ1)に係るレイヤ画像L1を示した例図である。
図10(a)、(b)に示すように、レイヤ画像L1においては、背景画像として遊技機又は機種に関するキャラクタ画像を用いることができる。また、
図10(c)に示すように、遊技機又は機種に関連するデザイン画像を背景画像として用いることができる。また、
図10(d)に示すように、遊技機又は機種に関連するイベントの情報を背景画像として用いることができる。さらに、これらの背景画像を静止画又は動画によって描画することができる。
【0025】
また、上位レイヤ(レイヤ2)の画像(遊技情報に係る下地領域の画像)を透過表示させた場合には、さらにその上位レイヤ(レイヤ1)の画像(遊技情報の折れ線グラフ)と背景画像とが共に重なる場合であってもこれらを視認可能に表示することができる。
すなわち、このようにすると、遊技情報と背景情報とを同時に視認可能に表示することができる。
このため、機種ごとにイベントやキャンペーン等の情報を背景画像として設定することによって遊技機表示装置10を広告媒体として用いることができ、さらに、遊技機表示装置10が利用中であっても、遠くにいる他の利用者は背景画像を見ることができるため、利用効率を向上することができる。
【0026】
続いて、GPU104は、遊技情報の表示範囲を区画した下地領域の画像をレイヤ2(台紙)の画層上に描画する(S35)。下地領域は、透過させることによってその下位のレイヤに重なって描画された背景画像をも表示することができる。このため、下地領域は、半透過(例えば、透過率50%。)で描画する。
図11は、下地領域を配置した台紙としてのレイヤ画像L2を示した例図である。
図11に示すように、レイヤ画像L2においては、レイヤ3及びレイヤ4の各遊技情報に対応した位置において、遊技情報の表示範囲を区画した下地領域が描画される。具体的には、折れ線グラフD21、目盛D22及びチャートD23の下地領域P2、折れ線グラフD3(当日及び過去一週間)に対応した各下地領域P3、大当り履歴情報D4に対応した下地領域P4が各レイヤ画像L2として描画される。
【0027】
下地領域P2は、折れ線グラフD21及び目盛D22の表示範囲として予め決められた領域である。また、下地領域P3は、折れ線グラフD31と目盛D32の表示範囲として予め決められた領域である。
このため、下地領域P2の最大枠P21は、折れ線グラフD21及び目盛D22の表示領域の最大枠を示し、下地領域P3の最大枠P31は、折れ線グラフD31及び目盛D32の表示領域の最大枠を示す。
下地領域P2〜P4は、背景画像の視認性を考慮して半透過(例えば、透過率50%)で描画される。
なお、台番号や機種情報(D11、D12)等の下地領域P1を区画して遊技情報以外の情報や他の遊技情報の表示範囲として区画することもできる。
なお、
図10及び
図11に示すように、下地領域P1は、背景画像と重ならない位置に配置することが好ましい。
このようにすると、下地領域P1を非透過で描画したとしても、背景画像の視認性を大きく阻害することなく、また、この領域上に描画される遊技情報等を明瞭に表示することができる。
GPU104は、レイヤ画像L2をVRAM106に保持する。
【0028】
(グラフ表示処理)
グラフ表示処理は、
図7に示すように、予め遊技情報をグラフ化する際に必要なスケール算出処理を行ったうえで(S41)、レイヤ3における遊技情報(差玉数)の描画処理を行い(S42)、次いで、レイヤ4における遊技情報(大当り発生回数)の描画処理を行い(S43)、最後に、レイヤ1〜4の画像を合成して表示する処理を行う。
以下、グラフ表示処理について詳細に説明する。
【0029】
図7は、グラフ表示処理の手順を示すフローチャートである。
図7に示すように、まず、グラフの最適スケールを求めるためのスケール算出処理を行う(S41)。
具体的には、差玉数の時間推移を折れ線グラフD21(縦軸:差玉数、横軸:時間)で表す場合におけるそのグラフのスケールを、第一のスケール算出処理と第二のスケール算出処理に分けて求める。ここでは、縦軸のスケール(以下、縦スケールという。)を求める方法について説明する。
【0030】
(第一のスケール算出処理)
図8は、第一のスケール算出処理の手順を示すフローチャートである。
図8に示すように、ここでは、まず、遊技台別か、機種別か、が判別される(S501)。すなわち、予め行われた遊技情報取得操作において、遊技機が選択されたか、機種が選択されたかが判別される。
【0031】
「遊技台別」の場合(S501−遊技台別)、まず、その遊技機の当日のグラフデータ(差玉数)の最大値を抽出し、これを変数Xtに代入して保持する(S502)。
次に、変数Nに1を代入し(S503)、N日前(すなわち1日前)のグラフデータの最大絶対値を変数Yに代入して保持する(S504)。
なお、「最大絶対値」とは、ある期間(本例の場合、過去一週間)におけるその遊技機の遊技情報のうち最も大きいときと最も小さいときの絶対値を比較して大きい方をいう。
例えば、当日の差玉数の最大値が+6000玉、最小値が−3000玉である場合には、当日のその遊技機に関する最大絶対値は6000玉となる。
次いで、XtとYとを対比し(S505)、YがXtより大きい場合(S505−YES)、XtにYを代入して(S506)、NにN+1を代入する(S507)。
一方、YがXt以下の場合(S505−NO)、S506の処理を経ずにS507の処理を行う。
【0032】
ここで、Nが7以下であれば(S508−NO)、S504に戻り、Nが7を超過するまでS504〜S507の処理を繰り返す。すなわち、当日及び過去7日分における最大絶対値を抽出する処理を行う。
そして、Nが7を超過したことを確認した場合(S508−YES)、最大目盛をXtに仮決定する(S509)。これにより、ある遊技機の所定期間における遊技情報を表示する画面(以下、遊技台個別データ画面という。)においてその遊技情報をグラフ表示するときのスケールの基準となる最大目盛を仮決定する。
【0033】
本実施形態においては、当日と過去一週間における差玉数の推移をグラフ表示する。この場合、最大絶対値の判定処理(S504〜S508)を8回繰り返し、その中で最も大きい最大絶対値を最大目盛Xtとする。
例えば、当日の差玉数の最大絶対値が±6000玉、1日前の差玉数の最大絶対値が±8000玉、2日前の差玉数の最大絶対値が±12000玉、3日前の差玉数の最大絶対値が±5000玉、4日前の差玉数の最大絶対値が±4000玉、5日前の差玉数の最大絶対値が±6000玉、6日前の差玉数の最大絶対値が±7000玉、7日前の差玉数の最大絶対値が±3000玉の場合、この期間中においては2日前の差玉数の最大絶対値(±12000玉)が最も大きな最大絶対値であることから、最大目盛Xtを12000に仮決定する。
【0034】
以上のように、ここでは、ある遊技機の所定期間(当日及び過去一週間)における差玉数の最大絶対値を用いて最大目盛Xtを求め、この最大目盛Xtを、差玉数の時間推移を表す折れ線グラフD31のスケールの基準として用いるようにしている。
具体的には、予め営業日ごとに決められた各領域の最大枠P31に最大目盛Xtを一致させて目盛D32を描画し、この目盛D32によって示されるスケールにあわせて各営業日における差玉数の推移を折れ線グラフD31で描画するようにしている(
図16参照)。
このようにすると、営業日ごとに異なる差玉数を比較し易く並べて表示することができる。
また、表示領域を最大限に活用してグラフの凹凸を分かり易く表示することができる。
さらに、求めたスケールを用いて当日における差玉数の時間推移を、折れ線グラフD31より大きい折れ線グラフD21によって描画することもできる。このようにすると、折れ線グラフD21の目盛D22と折れ線グラフD31の目盛D32とが同じなので、折れ線グラフD21又はその目盛D22の最大値を確認して折れ線グラフD31又はその目盛D32に反映することができ、目盛D32に値を表示しなくても折れ線グラフD31の最大値を把握することができる。
【0035】
他方、「機種別」の場合(S501−機種別)、まず、その機種の最若番の遊技機の当日におけるグラフデータ(差玉数)の最大絶対値をXtに代入して保持する(S510)。
つぎに、変数Nに、その機種の次の若番の台番号を代入し(S511)、N番台の最大絶対値をYに代入して保持する(S512)。
次いで、XtとYとを対比し(S513)、YがXtより大きい場合(S513−YES)、XtにYを代入して(S514)、Nに次の若番の台番号を代入する(S515)。
一方、YがXt以下の場合(S513−NO)、S514の処理を経ずにS515の処理を行う。
【0036】
ここで、Nに対する同機種全ての台番号の代入が終了していなければ(S516−NO)、S512に戻り、Nに対する同機種全ての台番号の代入が終了するまでS512〜S515の処理を繰り返す。すなわち、同機種の全ての遊技機について差玉数の最大絶対値を抽出する処理を行う。
そして、Nに対し同機種全ての台番号の代入が終了したことを確認すると(S516−YES)、最大目盛をXtに仮決定する(S517)。これにより、ある機種に属する各遊技機の遊技情報を表示する画面(以下、機種別データ画面という。)においてその遊技情報をグラフ表示するときのスケールの基準となる最大目盛を仮決定する。
【0037】
すなわち、ここでは、ある機種に属する遊技機の当日における差玉数の最大絶対値を用いて最大目盛Xtを求め、この最大目盛Xtを、差玉数の時間推移を示す折れ線グラフD51のスケールの基準として用いるようにしている。
具体的には、予め遊技機単体ごとに決められた各領域の最大枠(不図示)に最大目盛Xtを一致させて目盛D52を描画し、この目盛D52によって示されるスケールにあわせて遊技機ごとの差玉数の推移を折れ線グラフD51で描画するようにしている(
図17参照)。
このようにすると、同機種の遊技機ごとに異なる差玉数を比較し易く並べて表示することができる。
【0038】
(第二のスケール算出処理方法)
図9は、第二のスケール算出処理の方法を示すフローチャートである。
第二のスケール算出処理は、第一のスケール算出処理方法によって求めた最大目盛Xtを用いることによって、より最適なスケールを算出する処理を行うものである。
まず、第一のスケール算出処理によって求められた最大目盛Xtを1000で割り、商pと余りq(即ち端数)を求める(S601)。
次に、この商pに1000を掛けた値を変数Xに代入する(S602)。
ここで、余りqが0か否かを判別する(S603)。
余りqが0でない場合(S603−YES)、次に、商pが10より小さいか否かを判別する(S604)。すなわち、最大目盛Xtが10000を超えているか否かを判定する。
【0039】
この結果、商pが10より小さい場合(S604−YES)、XにX+1000(第一の目盛値を加算)を代入し(S605)、商pが10以上の場合(S604−NO)、XにX+2000(第一の目盛値より大きい第二の目盛値を加算)を代入する(S607)。
そして、最終的な最大目盛をXに設定し、この最大目盛Xに応じた縦スケールを決定する(S606)。これにより、機種別データ画面において遊技情報をグラフ表示するときのスケールの基準となる最大目盛の最終値、又は、遊技台個別データ画面において遊技情報をグラフ表示するときのスケールの基準となる最大目盛の最終値を決定する。
例えば、第一のスケール算出処理によって仮決定した最大目盛XtがXt=4005の場合、この第二のスケール算出処理によって最大目盛XがX=5000となり、同様にXt=13005の場合はX=15000となる。
なお、S603において、余りq=0の場合(S603:NO)、すなわち端数が生じない場合は、最大目盛XtをXとする。
【0040】
以上のように、第二のスケール算出処理では、第一のスケール算出処理で求めた最大目盛に端数がでる場合において、この最大目盛が所定の値以下の場合には、第一の目盛値を加算してその最大目盛Xを再設定し、この最大目盛が所定の値以上の場合には、第一の目盛値より大きな第二の目盛値を加算してその最大目盛Xを再設定するようにしている(最大目盛設定手段)。
このため、グラフの表示領域として予め決められた領域の最大枠に、再設定された最大目盛にもとづいて同様にグラフ表示した場合には、表示領域を最大限に活用しつつ表示領域を無駄なく用いることができる。また、最大絶対値が小さい場合にも差玉数の傾きを大きくグラフ表示することができ、出玉感をアピールし興趣を高めることができる。
また、最大絶対値の大小に応じた必要最小限のマージン領域を確保することができ、さらに、表示領域のうち使用されない上部及び下部の領域を少なくし、グラフを視認し易く表示することができる。
【0041】
このようにしてスケール算出処理が終わると、次に、目盛D22の各目盛値を示す線を非透過で描画しながら、この線によって示されるスケールにもとづき折れ線グラフD21を非透過で描画する(
図7のS42)。
具体的には、スケール算出処理によって求めた最大目盛Xをその表示領域の最大枠P21と一致させつつ、各目盛の線画をその最大目盛と他の目盛値との関係にもとづき領域内に描画する。なお、目盛D22の線画はレイヤ2上に描画する。
そして、各目盛値すなわち、目盛D22の各線画によって導き出されるスケールにもとづいて折れ線グラフD21を描画する。
【0042】
また、折れ線グラフは、上記折れ線グラフD21の他、所定期間における営業日ごとの差玉数の推移を示す折れ線グラフD31、及び、ある機種に属する一又は二以上の遊技機の差玉数の推移を示す折れ線グラフD51がある(
図16、
図17等参照)が、いずれも折れ線グラフD21と同様の描画処理が行われる。
このうち、折れ線グラフD31については、予め決められた所定期間分の各表示領域の最大枠P31に最大目盛を一致させつつ、他の目盛値を示す目盛D32の各線画を描画し、各営業日のグラフをこの目盛D32のスケールにしたがって描画する。
折れ線グラフD51については、予め決められた遊技機単位の表示領域の最大枠に最大目盛を一致させて目盛D52の各線画をもとめ、該当する各遊技機のグラフをこの目盛D52のスケールにしたがって描画する。
【0043】
次いで、大当たり回数を所定の図柄(所定オブジェクト)を用いて描画する(S43)。ここでは、大当りの発生回数の時間の推移を所定オブジェクトの量(コインチャートC)によって描画するとともに、このオブジェクト(コイン)を折れ線グラフD21より上位レイヤ(レイヤ4)に非透過で描画する。
このとき、コインチャートCは、目盛D22の下方(すなわち差玉数のマイナス領域)に対応した位置に描画する。
このようにすると、大当りの発生回数に応じて差玉数が増加するため、同じ目盛D22上で折れ線グラフD21とコインチャートCとを同時に表示することができる。
また、折れ線グラフD21によって示される差玉数の時間の推移がマイナスに振れる場合等、折れ線グラフD21と重なる位置にオブジェクトが描画されるため、折れ線グラフD21がコインチャートCで隠れ、差玉数のマイナス分を目立たなくすることができる。
GPU104は、レイヤ画像L3及びレイヤ画像L4をVRAM106に保持する。
【0044】
図12は、遊技情報(レイヤ3)に係るレイヤ画像L3を示した例図である。
図12に示すように、遊技機の台番号D11(「119」)、機種D12(「AAA」)、稼働状況(「非稼働」)、BB回数(「23」)、当日における差玉数の推移を示す折れ線グラフD21、折れ線グラフD21の表示範囲において各目盛値を示す目盛D22、当日及び過去一週間における差玉数の推移を示す折れ線グラフD31、及び、当日に発生した大当りの履歴情報D4(左から「大当回数」、「時間」、「スタート」、「獲得出玉」)、「遊技中」、「BB中」、「RB中」を示すチャートD23などの遊技情報がレイヤ画像L3として透過されずに表示される。
【0045】
目盛D22は、スケール算出処理(第一・第二のスケール算出処理)によって求めた最大目盛がその表示領域の最大枠P21(
図11参照)に一致するように表示される。
例えば、
図12に示す目盛D22における最大目盛X「2000」は、表示領域の縦軸方向の最大値として割り当てられ、また、表示領域の縦軸方向の中心を0として割り当てられる。そして、差玉数1500,1000,500を示す各目盛の線画がこの中心(0)と最大目盛(2000)の間に等間隔で配置されて表示される。
【0046】
折れ線グラフD21は、このようにして求めた目盛D22に合わせて表示される。
すなわち、目盛D22によって示されるスケールに合わせて折れ線グラフD21が表示される。このため、決められた表示領域の最大枠(表示領域の辺)を無駄なく使用することができ、差玉数のグラフの凹凸を分かり易く表示することができる。
なお、遊技情報の表示形態として折れ線グラフを採用したのは、線分でその特性や傾向を表すことが可能であり、他のグラフ(一般的な棒グラフ、円グラフ、面グラフ等)に比べ表示領域を小さくできるからである。
このため、折れ線グラフを透過させずに表示したとしても、下位のレイヤの重なった位置に表される画像の視認性を保つことができ、かつ、グラフ自体を明瞭に表示することができる。この結果、遊技情報を利用者によって認識しやすく表示するだけでなく、同時に背景画像を視認することができる。
【0047】
さらに、折れ線グラフは、その特性を示す線分(中心線)を所定の色で表すとともに、この線分の周囲を当該線分の色との関係にもとづき、線分が見易くなるような他の色で描画するようにしている。
図13は、折れ線グラフの拡大図であり、折れ線グラフD21を例にあげて表示した模式図である。
図13に示すように、折れ線グラフD21は、線分の中心線D24を赤色で描画するとともに、その周囲の周辺画素D25を黄色で描画することができる。
このようにすると、中心線D24と周辺画素D25の相対的な色の違いによって、折れ線グラフD21をより明瞭に表示することができる。
【0048】
その他、中心線D24の色と周辺画素D25の色値とが補色の関係となるように各色を設定することによって、メリハリのある折れ線グラフD21を表示することができる。
また、背景画像の色に応じて、折れ線グラフD21の中心線D24と周辺画素D25の色値を選択するようにすることができる。例えば、背景画像の色が赤の場合、周辺画素D25を黄色とし、中心線D24を赤色とすることにより、背景画像の色と線分の色が同色であっても折れ線グラフD21を見易く表示することができる。
なお、このような描画処理は、折れ線グラフD31、D51においても実施することができる。
【0049】
図14は、遊技情報(レイヤ4)に係るレイヤ画像L4を示した例図である。
図14に示すように、レイヤ画像L4においては、当日における大当り(BB)の発生回数を、コインC1を用いて模式的に表すようにしている。
このコインC1は、レイヤ画像L3における目盛D22の位置に対応して配置するようにしている。すなわち、レイヤ3とレイヤ4とを重ねたときに、目盛D22の横軸に沿って、一定時間ごとに大当り発生回数が表示されるように描画することで、大当り発生回数をコインC1の枚数で表したコインチャートCを形成するようにしている。
このため、折れ線グラフD21の目盛D22を共用してコインチャートCを表示することができる。
【0050】
また、コインチャートCに係るレイヤ画像L4は、目盛D22の下方に非透過で描画して表示するようにしている。
このようにすると、大当たりの発生回数が多くなるほど差玉数が多くなるため、レイヤ3とレイヤ4とを合成しても双方が重なりにくいため、いずれの情報も見易く表示することができる。
しかも、一般に差玉数は時間の経過とともにプラス領域とマイナス領域の境界領域(即ち±0付近の領域)を推移する特性をもっている。このため、マイナス領域に大きく振れることは少なく、目盛D22の下部の領域にコインチャートCを配置することで双方が重なり合う可能性を極めて少なくすることができる。
【0051】
そして、各レイヤ画像L1〜L4を合成することによって、本実施形態に係る遊技場表示装置によって提供される表示画像が形成される。
すなわち、
図15に示すように、背景画像であるレイヤ画像L1と遊技情報の表示範囲を区画した各下地領域を配置した台紙としてのレイヤ画像L2とを合成し(L1+L2)、これに差玉数の時間推移に係る折れ線グラフD21等に関するレイヤ画像L3を合成し(L1+L2+L3)、さらにこれに大当たり発生回数の時間推移に係るコインチャートC等に関するレイヤ画像L4を合成する(L1+L2+L3+L4)ことによって、遊技台個別データ画面(
図16参照)や機種別データ画面(
図17参照)を形成する。
【0052】
(遊技台個別データ画面)
図16は、遊技台個別データ画面の例図である。
例えば、画面右下のテンキーによって台番号「119」を入力して「OK」を選択することによってその台番号「119」の遊技機に関する遊技情報を表示することができる。
つまり、初期画面等において、所望の台番号を入力すると、その機種名「AAA」が表示され、当日(○月○日)の差玉数の時間推移が折れ線グラフD21として表示される。また、当日及び過去一週間の差玉数の時間推移を示した折れ線グラフD31が一覧表示される。
すなわち、ある遊技機の所定期間における遊技情報をグラフ表示するときのスケールの基準となる最大目盛にもとづきグラフのスケールを決定するようにしている。
このため、営業日ごとに折れ線グラフD31を並べて表示する場合には、営業日ごとに異なる差玉数を比較し易くすることができる。
また、決められた表示領域の最大枠(表示領域の辺)が最大絶対値になるため表示領域を無駄なく使用することができ、差玉数のグラフの凹凸を分かりやすく表示することができる。
なお、過去一週間のうちの希望する欄を選択すると、その日の差玉数の時間推移を折れ線グラフD21として大きく表示させることができる。
すなわち、選択された営業日のデータを大きく表示しながら、他方では、過去のデータと比較可能に表示することができる。
さらに、画面右に示すように、大当たりの履歴情報D4において、当日の大当たり履歴を新しい順に所定件数表示することもできる。
図16の例においては、最新の大当たり履歴情報としてBB回数(RB回数)25回、時間22:37、ゲーム数126、獲得枚数310であることを把握することができる。
【0053】
(機種別データ画面)
図17は、機種別データ画面の例図である。
例えば、画面下に示す「機種一覧」を選択すると遊技場に設置されてある機種の一覧(不図示)が表示され、その中から所望の機種を選択するとその機種に属する各遊技機の遊技情報を一覧表示することができる。
図17は、機種「BBB」を選択した場合の例であり、該当する台番号127〜144のうち台番号127〜142の遊技機の遊技情報が一覧表示されている様子を示したものである。
この図に示すように、機種別データ画面においては、遊技機の差玉数の時間推移を示した折れ線グラフD51を表示することができる。
この折れ線グラフD51は、前述したスケール算出処理を経て求めたスケールによって調整されている。
すなわち、ある機種に属する各遊技機の遊技情報をグラフ表示するときのスケールの基準となる最大目盛にもとづきグラフのスケールを決定するようにしている。
このため、遊技機ごとに折れ線グラフD51を並べて表示する場合には、遊技機ごとに異なる差玉数を比較し易くすることができる。
その他、各遊技機の特賞回数、確変回数、特賞確率等を表示することもできる。
【0054】
このように、本実施形態に係る遊技場表示装置によれば、利用者が求める遊技情報を視認し易く明瞭に表示させるとともに、その背景画像を遠くからでも視認できるように表示するようにしている。
すなわち、所定のレイヤ画像を一定の透過度で透過させ、また、遊技情報を占有領域の少ない折れ線グラフを用いて表示することによって、近くからは遊技情報を明瞭に視認することができ、遠くからは背景画像を視認することができるようになる。
このため、遊技機表示装置がある利用者によって利用されている場合であっても、他の利用者が背景画像を閲覧することができるため、利用効率を向上させ、その有効活用を図ることができる。特に、機種又は遊技機ごとにイベントやキャンペーン等の情報を背景画像として設定することによってその利用者のみならず多くの来店者に有用な情報を同時に提供することが可能となる。
【0055】
また、ある遊技機の所定期間における遊技情報の最大絶対値にもとづき最大目盛を求め、また、ある機種に属する各遊技機の遊技情報の最大絶対値にもとづき最大目盛を求め、最大目盛を表示範囲の最大枠に合わせてグラフを表示するようにしている。
このため、一遊技機に関した営業日ごとの遊技情報、又は、同一機種に属する遊技機ごとの遊技情報など、所定のカテゴリーに属する所定の単位ごとの各遊技情報を、比較し易く表示することができる。
【0056】
(他の表示態様について)
ところで、本発明に係る遊技場表示装置においては、上述したように、折れ線グラフD21と、コインチャートCとは重なりが生じないように表示範囲を割り当てている。
しかしながら、単位時間当たりの大当り発生回数が極めて多い場合にはコインC1の積み重ねの高さが突出して折れ線グラフD21や背景画像の視認性を阻害することがある。
このため、
図18に示すように、所定オブジェクト(コインC1)を一定数ごとに他のオブジェクト(大コインC2)に置き換えて描画することでこのような問題を解決することができる。
具体的には、大当り発生回数10回分、つまりコインC1の10枚分を大コインC2に置き換えて描画する。例えば、大当り回数が21回の場合は、2枚の大コインC2と1枚のコインC1とを積み重ねて描画する。
このようにすると、大当り発生回数が多い場合であっても折れ線グラフD21との重なりが生じにくくなり、また、背景画像との重なり領域をさらに減少させることができ、視認性をより向上させることが可能となる。
【0057】
ただし、この場合、大コインC2を用いることによって、本来、コインC1であれば達していたはずのコインの高さが下がり、大当り発生回数があたかも少ないように利用者が誤認する可能性もある。
このため、コインC1を大コインC2によって置き換えることによって、コインC1が表示されなくなる領域に別のオブジェクトを描画するようにすることもできる。
例えば、発光の様子(オーライメージIm)を模した所定の形態(形状、模様、色彩又はこれらの結合)を用いて半透過でレイヤ2とレイヤ3の間(レイヤ2.5)に表示することができる。オーライメージImは、上部になるにつれオーラ色が薄くなるよう描画するなど、出玉にあわせて高さを変えて表示することができる。このようにすると、出玉感を与えて興趣を高めることができるとともに、大当り発生回数の誤認を防ぎつつ、背景画像の視認性を確保することができる。
【0058】
なお、前述したように、差玉数は時間の経過とともにプラス領域とマイナス領域の境界範囲を推移する特性を有しているが、
図19に示すようにマイナス領域に大きく振れるケースもある。
このような場合、コインチャートCを目盛D22の下部領域に配置して描画するようにしているため、マイナス領域にある折れ線グラフD21の一部を隠すことができる(
図19の該当箇所参照)。
これは、差玉数の時間の推移がこのような挙動を示す場合には、折れ線グラフD21と重なる位置にオブジェクト(コインチャートC)を表示するようにしており、このオブジェクトは折れ線グラフD21のレイヤ(レイヤ3)より上位レイヤ(レイヤ4)に描画するようにしているためである。
このようにすると、差玉数のマイナス分を目立たなくすることができ、遊技に対する興趣を維持することができる。
【0059】
(スケールの更新方法)
次に、スケールの更新方法について説明する。
本実施形態に係る遊技場表示装置10は、当日の差玉数が最大目盛を超えた場合に、この最大目盛を更新する点において前述の実施形態と異なる。
【0060】
図20は、スケール更新に係る遊技情報表示処理の手順を示すフローチャートである。
図20に示すように、本実施形態に係るスケール更新方法においては、まず、折れ線グラフD21が表示中か否かが判別される(S71)。すなわち、遊技場表示装置10が利用中か否かを確認するものであり、具体的には、当日における差玉数の時間推移に関する折れ線グラフD21が表示されているか否かが判別される。
グラフが表示中である場合(S71:YES)、所定時間が経過したか否かが判定される(S72)。所定時間ごとにグラフのスケール更新を試みるためである。
このため、所定時間ごとに、最大目盛の超過が有ったかどうかを判定する(S73)。例えば、タイマー制御にもとづき、単位時間ごとに管理装置50に対し所定の取得要求信号を送り、管理装置50からの応答とともに入力した差玉数の最大絶対値が当日の最大目盛を超過したか否かを判定する。
なお、所定時間の経過の他、常時(リアルタイム)、又は、再操作等が検知された場合に、この判定を行うこともできる。
最大目盛の超過が有ったことが確認された場合(S73−YES)、背景選択処理(S74)を経てグラフ表示処理に進む(S75)。
なお、背景選択処理は、前述の実施形態におけるS22と同様の処理であるため詳細な説明は割愛する(
図6参照)。
【0061】
図21は、スケール更新に係るグラフ表示処理の手順を示すフローチャートである。
図21に示すように、S75におけるグラフ表示処理においては、最大目盛を超過した値にもとづいて更新する処理を行う(S81)。この更新値は、最大目盛に対する超過の度合いに応じて設定することができる。
例えば、それまでの最大目盛12000玉であった場合に、当日の差玉数が12500玉に達した場合には、2000を加算して14000玉に更新するようにする。
次に、更新した目盛D22を描画し、その目盛D22のスケールに合わせて遊技情報を折れ線グラフD21でレイヤ3上に描画する(S82)。
そして、大当たり発生回数を所定の図柄(コインC1)を用いてレイヤ4上に描画する(S83)。
そして、このようにして描画された各レイヤ画像(L1〜L4)を合成することによって、差玉数が現在の最大目盛を超過した場合であっても、適切なスケールにもとづいて円滑に折れ線グラフD21を表示することができる。
【0062】
以上説明したように、本実施形態によれば、遊技場表示装置の有効的な活用を実現することができる。
例えば、上述した、特許文献1に記載の遊技場表示装置では、各遊技機の状態を示す指標を、直近(当日又は数時間以内)の大当り発生回数を用いて算出し、これを表示するようにしていた。すなわち、このような従来の遊技場表示装置によれば、利用者は、一定期間(例えば、一週間)における遊技状態の傾向を確認することができず、期間を通した遊技機の状態を客観的に判断することができない問題が生じていた。
また、差玉数に関しては、ある機種の当日の時間推移を表示することしか想定されていないため、同一機種の遊技機同士を対比することもできなかった。
【0063】
このため、一定期間における遊技機の状態を比較したい場合には、営業日を指定してその営業日の遊技機の状態を表示させる処理を、一定期間の日数分行う必要があり、利用者に煩雑な作業を強いる問題が生じていた。また、利用者が希望する機種の各遊技機の状態を比較したい場合も、台番号を一つずつ指定して各遊技機の状態を表示させる処理をその機種に該当する遊技機の台数分を行う必要があるため、同様の問題が生じていた。
【0064】
また、遊技機の状態を個々に閲覧する必要があるため、営業日ごと、又は、遊技機ごとに状態を対比することが困難であった。
特に、遊技機の状態をグラフによって表示する場合には、営業日ごと、遊技機ごとにデータ(大当り発生数や差玉数など)の最大値が変化するため、固定スケールにもとづきグラフ化するとデータの変動が判りづらく、他方、スケールをデータ最大値に応じて変化させるとデータの表示にバラツキが生ずるなど、視認性を悪化させる種々の問題が生じていた。
これに対して、上述した本実施形態に係る遊技場表示装置によれば、そのような弊害がなく、所定のカテゴリーに属する所定の単位ごとの各遊技情報を比較可能に表示することができる。
【0065】
以上、本発明の遊技用装置の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技用装置は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、本発明に係る遊技用装置が、管理装置50、いわゆるホールコンピュータによって構成される場合を例に取って説明したが、本発明に係る遊技用装置は、ホールコンピュータによって構成される場合に限らず、他の情報処理装置等で構成することもできる。
すなわち、本発明に係る遊技用装置は、遊技場表示装置において所定の画像表示処理を行わせることができる装置であれば、ホールコンピュータに限定されず、他の装置で構成することもできる。
【0066】
また、差玉数の推移を他のグラフ(例えば、棒グラフ等)によって表示することができる。また、上記実施形態においては、横軸を時間としたがこれをアウト数(遊技媒体投入数)とすることもできる。また、横軸を時間、縦軸をアウト数とすることによってアウト数の時間推移をグラフ表示することもできる。
【0067】
また、遊技台の稼働状態の一覧を表示するようにしてもよい。
例えば、
図16、17等の画面下部に示す「遊技台表示」を選択することにて遊技場に設置されたすべての遊技機の稼働状態等をレイアウト表示させることができる。また、「ランキング」を選択してその遊技場における大当り発生回数の上位の機種や台番号を表示させ、あるいは、獲得遊技媒体数の上位の機種や台番号を表示させることができる。
また、本発明の表示手段を、台間機等、表示画面を備えた他の遊技場装置(例えば、呼出しランプ)に適用することもできる。
このようにすると、既存の遊技場装置の付加価値を高めることができる。
【0068】
また、遊技場表示装置10と管理装置50とを組み合わせることによって遊技場システムとして本発明を実現し提供することができる。
例えば、関連付け情報の設定(関連情報設定手段)を、管理装置50のキーボード等を介して実施し、これを遊技場表示装置に送信するようにする。
このようにすると、遊技場表示装置は、予め記憶した関連付け情報を参照することによって、必要な背景情報を取り出して表示することができる。
このため、遊技場の管理者等は、関連付け情報の設定を遊技場表示装置だけでなく管理装置50を用いて設定することができ、便利である。
【0069】
また、前述のスケール算出処理においては、差玉数のプラス及びマイナスの双方を考慮した最大絶対値にもとづき最大目盛を決定するようにしているが、プラス側の最大値のみを抽出して最大目盛を決定するようにしても良い。
この場合、仮に差玉数のマイナスが過去のプラス側の最大値を超過したとしても、そのグラフは表示領域の下枠に沿って表示されることとなる。すなわち、この場合であっても、遊技機の出玉感を大きく阻害することにはならず、却ってプラス分をよりアピールすることで遊技に対する興趣を高めることができる。
【0070】
また、本明細書に開示された発明は以下のような構成とすることができる。
1.遊技場に設置された遊技機の遊技情報を表示する遊技場表示装置であって、
前記遊技機の遊技情報を入力する遊技情報入力手段と、
所定操作に応じ、前記遊技機を選択する遊技機選択手段と、
選択された前記遊技機の遊技情報の所定期間における最大値にもとづき、前記遊技情報を所定のグラフで表すときの最大目盛を設定する最大目盛設定手段と、
前記グラフの表示範囲として予め決められた領域の最大枠に前記最大目盛をほぼ一致させて前記所定期間に含まれる営業日ごとの前記グラフを並べて表示する表示手段と、を備えることを特徴とする遊技場表示装置。
2.前記遊技機選択手段は、
所定操作に応じ、前記遊技機の属する機種を選択し、
前記最大目盛設定手段は、
選択された機種に属する一又は二以上の遊技機の当日における遊技情報の最大値にもとづき、前記最大目盛を設定し、
前記表示手段は、
前記グラフの表示範囲として予め決められた領域の最大枠に前記最大目盛をほぼ一致させて前記選択された機種に属する遊技機ごとの前記グラフを並べて表示することを特徴とする上記1項に記載の遊技場表示装置。
3.前記最大目盛設定手段は、
入力した当日の遊技情報が前記最大目盛を超えたときにその遊技情報にもとづき当日の前記最大目盛を更新し、
前記表示手段は、
更新された最大目盛にもとづいて前記グラフを再表示することを特徴とする上記1項又は2項に記載の遊技場表示装置。
4.前記最大目盛設定手段は、
前記最大目盛が所定の値以下の場合は、第一の目盛値を加算して前記最大目盛を再設定し、
前記最大目盛が所定の値以上の場合は、前記第一の目盛値より大きい第二の目盛値を加算して前記最大目盛を再設定し、
前記表示手段は、
再設定された前記最大目盛にもとづいて前記グラフを表示することを特徴とする上記1乃至3項のいずれか一項に記載の遊技場表示装置。
5.前記表示手段は、
前記所定期間における一遊技機の前記グラフを営業日ごとに並べて表示するとともに、前記所定期間の一営業日における前記一遊技機の前記グラフを前記営業日ごとに並べて表示した前記一遊技機の前記グラフより大きく表示することを特徴とする上記1乃至4項のいずれか一項に記載の遊技場表示装置。
6.前記表示手段は、
前記グラフとして、時間の経過に応じ正の領域と負の領域との境界範囲を推移する所定の差玉数の特性を示す折れ線グラフを表示し、所定の大当り発生回数を前記グラフの表示範囲として予め決められた領域の下部に表示することを特徴とする上記1乃至5項のいずれか一項に記載の遊技場表示装置。