特許第6191946号(P6191946)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6191946シート収納装置及びこれを用いた後処理装置並びに画像形成システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6191946
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】シート収納装置及びこれを用いた後処理装置並びに画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B65H 29/22 20060101AFI20170828BHJP
   B65H 5/06 20060101ALI20170828BHJP
   B65H 31/24 20060101ALI20170828BHJP
   B65H 31/00 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
   B65H29/22 Z
   B65H5/06 D
   B65H5/06 J
   B65H31/24
   B65H31/00 A
【請求項の数】7
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-95093(P2013-95093)
(22)【出願日】2013年4月30日
(65)【公開番号】特開2014-214016(P2014-214016A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2016年3月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098589
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 善章
(74)【代理人】
【識別番号】100098062
【弁理士】
【氏名又は名称】梅田 明彦
(74)【代理人】
【識別番号】100131196
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 武信
(72)【発明者】
【氏名】杉山 明
(72)【発明者】
【氏名】橋爪 照明
【審査官】 西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−306512(JP,A)
【文献】 特開2005−097002(JP,A)
【文献】 特開2011−016651(JP,A)
【文献】 特開2005−231833(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/02
B65H 5/06
B65H 5/22
B65H 29/12−29/24
B65H 29/32
B65H 31/00−31/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置側より搬送されたシートを排紙口に搬出する排紙経路と、
前記排紙口に搬出後に搬出方向とは反対の方向に反転して搬送されてくるシートを収納する処理トレイと、
前記処理トレイの前記搬出方向での下流側に配置されるスタックトレイと、
前記排紙口に配置され前記排紙経路から送られた前記シートを前記処理トレイと前記スタックトレイに選択的に移送する排紙ローラ対と、
前記排紙ローラ対を構成する上部ローラと下部ローラを互いに圧接させる状態にして前記シートをニップする作動位置と離間した待機位置にシフトするローラ昇降手段と、
前記排紙ローラ対の駆動回転と前記ローラ昇降手段を制御するローラ制御手段と、
前記スタックトレイを上下方向に移動可能にするトレイ昇降手段と、
を備え、
前記ローラ制御手段は、
前記シートが前記排紙口から搬送されるときは前記排紙ローラ対を前記待機位置にすると共に前記上部ローラを正転駆動させ、前記排紙口から前記シートが搬出されると前記排紙ローラ対を前記作動位置にシフトすると共に前記上部ローラを逆転駆動させて前記シートを前記処理トレイに搬送するよう制御し、
前記待機位置における前記上部ローラと前記下部ローラの間の間隔を、少なくとも所定の間隔を有する第1の間隔と前記所定の間隔よりも広い第2の間隔とを含む複数の異なる間隔に設定可能に制御し、
前記排紙口から搬送されるシートの坪量が予め設定された所定値よりも大きく且つ前記排紙経路から前記処理トレイへ搬出中にシート先端が前記スタックトレイと接触する搬送方向長さを有する場合には、前記上部ローラと前記下部ローラとの間の距離を前記第2の間隔に設定し、
前記トレイ昇降手段は、前記排紙ローラ対が前記第2の間隔を有する待機位置に位置する場合は、前記スタックトレイの高さ位置を通常よりも下方に位置させる、ことを特徴とするシート収納装置。
【請求項2】
前記スタックトレイは、当該スタックトレイ上に搬出されたシートを、当該シートの自重により前記処理トレイに向かって移動させるための傾斜が設けられており、前記スタックトレイ前記排紙口からのシート搬出方向の延長線とは互いに交差する関係にあることを特徴とする請求項1に記載のシート収納装置。
【請求項3】
前記排紙ローラ対は、前記排紙口から搬送されるシートの後端が抜ける前に前記第2の間隔から前記作動位置へと移動を開始することを特徴とする請求項1に記載のシート収納装置。
【請求項4】
前記排紙ローラ対の前記第2の間隔は、前記排紙口から搬送されてくるシートと前記上部ローラとが接触しない距離であることを特徴とする請求項1に記載のシート収納装置。
【請求項5】
前記シート収納装置は、前記排紙口から搬送されるシートの坪量及び搬送方向長さの情報を前記画像形成装置から受信することを特徴とする請求項1に記載のシート収納装置。
【請求項6】
請求項1乃至の何れかの項に記載のシート収納装置と、
前記処理トレイ上に集積されたシート束に対して後処理を施す後処理手段と、
を備えたことを特徴とする後処理装置。
【請求項7】
シート上に画像形成する画像形成装置と、
請求項1乃至の何れかの項に記載のシート収納装置と、
前記処理トレイ上に集積されたシート束に対して後処理を施す後処理手段と、
を備えた画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機等の画像形成装置から送られたシートを順次スタックトレイ上にスタックし、さらには、スタックされたシート束に対してステープル綴じ又はパンチング等の後処理を施す後処理部を備えたシート収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シート収納装置においては、排紙経路における排紙口に一対の摩擦回転体を設け、この摩擦回転体でシートを下流側に搬送するようにしている。この摩擦回転体としては、ベルト、ローラなどが用いられる。従来から、排紙経路に送られたシートを排紙口近傍に設けられた一対のローラで下流側の処理トレイと、スタックトレイに選択実行で給送する装置とを備えたシート収納装置が知られている。この処理トレイには、排紙経路から送られたシートを部揃え集積して、例えばステープル綴じ処理を施した後に、その綴じ処理されたシート束をスタックトレイに搬出するようにステープル綴じ等の後処理を行うための手段が備えられている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
ここで、排紙経路は、処理トレイへのシート搬送と、スタックトレイへのシート搬送を選択的に実行できるようにレイアウトされている。特許文献1に開示された装置においては、排紙口に設けた排紙ローラ対を正転方向に回転することで当該後処理装置に送られてくるシートを排紙口まで搬送し、次に正転から逆転方向に回転を切り換えることによりこのシートを処理トレイ上に掻き込むようにしてシートを処理トレイ上に積載するように構成している。
【0004】
そして、特許文献1における排紙ローラ対は、正逆転可能に駆動モータに連結されていると共に、排紙ローラ対は互いに圧接した作動状態と離反した待機状態との間で切り換え可能に構成されている。このような排紙ローラ対においては、排紙口から送られたシートの上面と係合するローラ(上部ローラ)が揺動可能なアーム部材に支持され、このアーム部材をモータ、ソレノイドなどのアクチュエータに連結されている。そして、排紙口に設けられたシートセンサからの検知信号で上部ローラを下部ローラから離間した待機状態で上部ローラを正転駆動させている。
【0005】
一方、特許文献2は、排紙口から送られたシートの先端部をスタックトレイに、シート後端部を処理トレイに支持するように構成したとき、排紙ローラ対が離反した状態で上部ローラが正転によりシートを排紙口から搬送する際、このシートが処理トレイ上に既に集積されている最上位シートと当接して処理トレイから取り出すのを防止するために、スタックトレイの高さ位置をシートの坪量(重量)に応じて異なる位置に設定するようにしたシート後処理装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−035371号公報
【特許文献2】特開2011−016651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このようなシート後処理装置においては、排紙ローラ対が離反した状態で上部ローラを正転駆動させて排紙口からシートを搬送し、その後、排紙ローラ対が当接した状態で上部ローラが逆転駆動させてこのシートを排紙ローラ対でニップして処理トレイに搬送している。そのため、このようなシート後処理装置では、シートごとに排紙ローラ対の離反と接近を繰り返すため、その分処理時間が長くかかっていた。
【0008】
また、このようなシート後処理装置においては、シートの種類に関わらず排紙ローラ対の上部ローラが常に同じ高さ位置にあるために、坪量の大きなシートの場合には、排紙ローラ対が離反した状態で上部ローラが正転によりシートを排紙口から搬送する際、シートが上部ローラと強く当接している場合には、処理トレイ上の最上位シートに対する押圧力が高まりこのシートを処理トレイから押し出したままで処理トレイにシートを集積してしまうと不揃いのシート束に後処理する虞がある。
【0009】
よって、本発明は、排紙口からのシートを処理トレイへの取出しを高効率に処理することで処理時間の短縮化を図ると共に、シートの不揃いを引き起こすことが無く確実に後処理を行うことが可能なシート収納装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、画像形成装置側より搬送されたシートを排紙口に搬出する排紙経路と、前記排紙口に搬出後に搬出方向とは反対方向に反転搬送されてくるシートを収納する処理トレイと、前記処理トレイの前記搬出方向での下流側に配置されスタックトレイと、前記排紙口に配置され前記排紙経路から送られた前記シートを前記処理トレイと前記スタックトレイに選択的に移送する排紙ローラ対と、前記排紙ローラ対を構成する上部ローラと下部ローラを互いに圧接させる状態にして前記シートをニップする作動位置と離間した待機位置にシフトするローラ昇降手段と、前記排紙ローラ対の駆動回転と前記ローラ昇降手段を制御するローラ制御手段と、前記スタックトレイを上下方向に移動可能にするトレイ昇降手段と、を備え、前記ローラ制御手段は、前記シートが前記排紙口から搬送されるときは前記排紙ローラ対を前記待機位置にすると共に前記上部ローラを正転駆動させ、前記排紙口から前記シートが搬出されると前記排紙ローラ対を前記作動位置にシフトすると共に前記上部ローラを逆転駆動させて前記シートを前記処理トレイに搬送するよう制御し、前記待機位置における前記上部ローラと前記下部ローラの間の間隔を、少なくとも所定の間隔を有する第1の間隔と前記所定の間隔よりも広い第2の間隔とを含む複数の異なる間隔に設定可能に制御し、前記排紙口から搬送されるシートの坪量が予め設定された所定値よりも大きく且つ前記排紙経路から前記処理トレイへ搬出中にシート先端が前記スタックトレイと接触する搬送方向長さを有する場合には、前記上部ローラと前記下部ローラとの間の距離を前記第2の間隔に設定し、前記トレイ昇降手段は、前記排紙ローラ対が前記第2の間隔を有する待機位置に位置する場合は、前記スタックトレイの高さ位置を通常よりも下方に位置させる、ことを特徴とするシート収納装置を提供するものである。
【0011】
ここで、前記スタックトレイは、当該スタックトレイ上に搬出されたシートを、当該シートの自重により前記後端規制面に向かって移動させるための傾斜が設けられており、前記スタックトレイの傾斜角度とシート搬出方向の延長線は交差するようになる。
【0013】
さらに、前記排紙ローラ対の前記第2の間隔は、前記排紙口から搬送されてくるシートと前記上部ローラとが接触しない距離であり、前記排紙ローラ対は、前記排紙口からのシートの後端が抜ける前に前記第2待機位置から前記作動位置へと移動を開始する、こととなる。
【0014】
ところで、前記シート収納装置は、前記排紙口から搬送されるシートの坪量及び搬送方向長さの情報(例えば、シートサイズとシートの縦方向又は横方向等の情報)を前記画像形成装置から受信する。
【発明の効果】
【0015】
このように、本発明は、排紙ローラ対の待機状態における上部ローラと下部ローラの間の間隔を、搬出されてくるシートの坪量やシートサイズに応じて複数の異なる間隔に制御している。したがって、シートのサイズや坪量が大きい場合には、シートを掻き込む上部ローラが待機する高さ位置を高く設定することで、上部ローラによって掻き込まれるシートが処理トレイの既積載シートと強く接触することが防止されて、シートの処理トレイからの押し出し等を防ぎ、シートは揃えた状態を保ちながら処理トレイに集積することができる。
【0016】
そして、小サイズや腰の弱いシートを掻きこむ場合には、シートにより近い高さに上部ローラを待機させて、上部ローラと下部ローラとの間隔が狭くするため、シートが搬送されてくるたびに上部ローラを下部ローラに対して離反及び接近させるときの移動の距離が短くなり、高速かつ高効率に処理することを可能にしたのである。
【0017】
さらに、排紙ローラ対の間隔を制御できるため、シートの押し出し等を防ぎながら、排出されたシートをすばやく移動できるようスタックトレイに傾斜を設けることができる。
【0018】
さらに、排紙ローラ対とともにスタックトレイの高さ位置を可変することで、よりシートの押し出し等を防ぐ効果を高める。
【0019】
さらに、排紙ローラ対が第2の間隔にある場合には、搬送されてくるシートの後端が抜ける前に次の動作位置へ移動することで、生産性を低下させない。
【0020】
さらに、排紙ローラ対と排出されてくるシートとが接触しないように第2の間隔を設定することで、より押し出し等を防ぐ効果を高める。
【0021】
また、画像形成装置からシート情報を受け取り、排紙ローラ対の間隔を設定することで、より生産性を低下させない。
【0022】
また、上記の構成を備えることで、シートの押し出し等の問題を減少させた後処理装置が可能となる。
【0023】
また、上記の構成を備えることで、シートの押し出し等の問題を減少させた画像形成システムが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に係わる画像形成システムの全体構成の説明図。
図2図1の画像形成システムにおける後処理装置の構成説明図。
図3図2の後処理装置おける排紙ローラ対の説明図。
図4】排紙ローラ対の動作状態を示す説明図。
図5図2に示す後処理装置が坪量の小さなシートを処理している状態を示す動作説明図。
図6図2に示す後処理装置が坪量の大きなシートを処理している状態を示す動作説明図。
図7図2に示す後処理装置がサイズの小さなシートを処理している状態を示す動作説明図。
図8図2に示す後処理装置が坪量の大きなシートを処理している状態をスタックトレイの上下位置を含めて示す動作説明図。
図9】スタックトレイの昇降部の説明図。
図10】後処理ユニットBの制御部の構成図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図示の好適な実施の形態に従って本発明を詳述する。図1は画像形成システムを示し、シート上に画像形成する画像形成装置Aと、画像形成されたシートを部揃え集積して綴じ処理などの後処理を施す後処理装置Bで構成されている。本発明に係わるシート収納装置Cは後処理装置Bに内蔵されている。以下、画像形成装置及び後処理装置について説明する。
【0026】
[画像形成装置]
図1に示す画像形成装置Aは、図示しないコンピュータ、ネットワークスキャナなどの画像取り扱い装置に連結され、これらの装置から転送された画像データに基づいて指定されたシートに画像を形成して本体排紙口6に搬出する。また、このようなネットワーク構成以外に画像形成装置Aは、複写機、ファクシミリとして構成され、原稿スキャニングユニットで画像読取したデータに基づいてシート上に画像を複写形成する。
【0027】
このため画像形成装置Aはハウジング1に複数の給紙カセット2が準備され、選択されたサイズのシートをカセットから下流側の給紙経路3に給送する。この給紙経路3には画像形成部4が設けられている。画像形成部4としては、種々のものが知られている。例えば、インクジェット印刷部、静電印刷部、オフセット印刷部、シルクスクリーン印刷部、リボン転写印刷部などが知られている。本発明はいずれの印刷部も採用可能である。
【0028】
画像形成部4の下流側には排紙経路5が設けられ、ハウジング1に配置した本体排紙口6からシートを搬出する。なお、印刷部によっては排紙経路5に定着ユニット(不図示)が内蔵されている。このように給紙カセット2から選択されたサイズのシートを画像形成部4に送り、画像を形成した後に排紙経路5から本体排紙口6に搬出する。このほか、ハウジング1内にはデュープレックス経路7が配置されている。このデュープレックス経路7は画像形成部4でシートの表面に画像形成した後、このシートを装置内で表裏反転して再び画像形成部4に給送するための経路であり、シート裏面に画像を形成した後に本体排紙口6から搬出する。図示の装置は、本体排紙口6とは異なる搬出口8(図1参照)からシートを一旦ハウジング外部に繰り出した後に装置内にスイッチバック搬送し、これをUターン経路で表裏反転して画像形成部4に再送するようになっている。
【0029】
本体排紙口6には、後処理装置Bが連結されている。また、ハウジング1にはスキャナユニットと、このスキャナユニットに原稿シートを給送する原稿給送ユニットを一体的に組み込む装置構成も知られている。この場合のスキャナユニットは、プラテン上に載置若しくはフィーダ部から給送した原稿シートを、スキャニングして画像読取し、その読取データを画像形成ユニットに転送する。また、原稿給送ユニットはスキャナユニットのプラテンに原稿シートを給送するフィーダ部を備える。本発明はこのようなユニットを一体に備える装置構成も採用可能である。
【0030】
[後処理装置]
図2に示す後処理装置Bはハウジング10と、このハウジング内に内蔵された排紙経路11と、処理トレイ15と、スタックトレイ40で構成されている。以下にその構成を説明する。
【0031】
「シート排紙経路」
シート排紙経路11は、画像形成装置Aの本体排紙口6に連なる搬入口12と、排紙口13を備えている。そして、搬入口12から画像形成されたシートを装置内に搬入し、排紙口13に搬出する。シート排紙経路11は、本体排紙口6から送られたシートをスタックトレイ40に向けて搬送する。搬入口12にはシート先端を検出する搬入センサSe1と、排紙口13にはシート後端を検出する排紙センサSe2が配置され、経路中にはシートを搬送する搬送ローラ14a、14bが適宜間隔に配置されている。各搬送ローラ14a、14bには図示しないローラ駆動モータが連結されている。そして、搬送ローラ14a、14bの下流には排出ローラ14cが設けられている。シート排紙経路11はハウジング10を横断する略水平方向に略直線の経路で構成されており、排出ローラ14cは、シート搬送されてくるシートを排紙口13に搬出する。
【0032】
排紙口13は、処理トレイ15の上方に形成されており、排紙ローラ対20を備えている。スタックトレイ40は、排紙ローラ対20を挟み処理トレイ15と対向するよう、排紙口13の外側に配置されている。後に明らかとなるが、排紙ローラ対20は排出ローラ14cによって搬出されたシートを排紙方向の下流側に搬送し、そのシートの後端が排紙口13を通過したときに搬送方向を逆の方向へと反転する。これによって排紙口13に搬出されたシートは排紙方向からバック搬送され、処理トレイ15の紙載台16に沿って後端規制ストッパ18に案内される。
【0033】
「処理トレイ」
図2に示すように、処理トレイ15は、排紙口13の下方にあり、その下流側にシートを積載支持する紙載台16と、この紙載台16に集積されたシートを揃えるための後端規制ストッパ18と、後処理手段17で構成されている。後端規制ストッパ18は排紙口13に搬出されて、排紙方向と反対方向に搬送されたシートの搬送方向の先端部を支持する形状に構成されている。そして、後端規制ストッパ18によって支持される集積シートの後端部はスタックトレイ40上で支持されて、スタックトレイ40と紙載台16とでブリッジして支持する構成となっている。このようにスタックトレイ40と処理トレイ15を略同一平面に配置し、シートの前半部をその一方のトレイで、後半部を他方のトレイで支持することによって前後にシート全体を支持するトレイを複数配置する場合に比べ装置を小型化することができる。
【0034】
また、図示しないが、紙載台16にはシートの後端が突き当ることでシートを規制する後端規制ストッパ18と共に、シートの排紙直交方向を幅寄せ整合する整合部が配置されている。この整合部はすでに種々の部が知られているのでその説明を省くが、処理トレイ15上に搬入されたシートは、予め設定された基準(センタ基準、サイド基準)に位置決めされる。図示の装置はセンタ基準を示している。
【0035】
紙載台16には部揃え集積されたシート束を綴じ処理するステープルユニットが後処理手段17として配置されている。ステープルユニットは直線形上のステープル針をコの字状に折り曲げてシート束の上面から下面に刺入し、針先端を折り曲げる装置として知られている。このように後処理手段17としては、ステープルユニット、パンチユニット、スタンプユニット、トリマーユニットなどが装置仕様に応じて採用される。
【0036】
また、処理トレイ15には、排紙口13に配置される排紙ローラ対20と協働してシートを後端規制ストッパ18に案内する摩擦回転体19とが配置されている。図示の摩擦回転体19は、紙載台16上の積載シートに係合する位置に配置されて、自重により積載シートの上に係合するよう構成されている。この摩擦回転体19は、排出ローラ14cと一体に回転するように駆動ベルトによって連結されている。そして、この掻き込みローラである摩擦回転体19の回転で排紙ローラ対20からバック搬送されたシートは、後端規制ストッパ18に搬送されて突き当って停止する。なお、摩擦回転体19は掻込みローラで構成されているがベルトであってもよい。
【0037】
「排紙ローラ対」
排紙ローラ対20は、上記したように、排出ローラ14cによって搬出されたシートを排紙方向に移送した後、搬送方向を反転させて処理トレイ15に搬入するが、この排紙ローラ対20は、図3に示すように集積した最上位シートの上面と係合する上部ローラ21と最下位シートの下面に接触する下部ローラ22とで構成される。上部ローラ21はハウジング10のフレームに揺動可能に支持されて、下部ローラ22に対して圧接した作動位置Apと離間した待機位置Wpとの間で昇降可能に構成されている。これと共に上部ローラ21には正逆転が可能なローラ駆動モータRMの回転が伝達され、排紙方向(図示で時計方向)と、排紙反対方向(図示で反時計方向)に回転可能になっている。
【0038】
また、ハウジング10のフレームには、揺動支点23を中心に揺動可能に左右一対のローラブラケット(揺動アーム)24が支持されている。この一対のローラブラケット24にはローラ回転軸25が回転可能に軸受け支持され、この回転軸25に上部ローラ21が嵌合されている。揺動支点23は装置フレームに回転可能若しくは固定手段で支持され、この揺動支点23にローラブラケット24が直接若しくはカラー部材を介して嵌合されている。これによってブラケット基端部は揺動支点23を中心に任意の角度方向に揺動可能に支持されている。また、回転支軸23には、カラー部材(回転カラー)が遊嵌され、このカラー部材には上部ローラ21の回転軸25に回転を伝達する駆動プーリ26が連結されている。そして駆動プーリ26には上部ローラ21に回転力を与えるローラ駆動モータRMが連結されている。
【0039】
ローラブラケット24には、上部ローラ21が下部ローラ22から離間した待機位置Wpと、下部ローラ22に圧接した作動位置Apとの間で上下動するローラ昇降部50(ローラ昇降手段)が設けられている。ローラ昇降部50の構成を図4に示す。同図(a)に示すように揺動支点23を中心に揺動するローラブラケット24の運動軌跡内に昇降レバー30が配置してある。この昇降レバー30は基端部を回転軸30aに揺動可能に支持されている。この回転軸30aには扇形ギア31が、昇降モータSMに連結されている。そして昇降モータSMの回転で昇降レバー30は所定角度範囲で回転(揺動)するように構成されている。
【0040】
昇降レバー30の先端部には、作動ピン30bが一体に形成され、ローラブラケット24には作動ピン30bと係合する係合受部(長溝)24xが形成されている。この作動ピン30bと係合受部24xとは、作動ピン30bが係合受部24xと係合する図4(a)のときにはローラブラケット24は待機位置に位置し、作動ピン30bが係合受部24xから離れた状態のときには、ローラブラケット24は、その自重で上部ローラ21が下部ローラ22と圧接した作動位置に位置する。
【0041】
更に、作動ピン30bが、可動バー28を押下すると加圧スプリング27が緊縮され、そのバネ力が上部ローラ21と下部ローラ22の圧接力としてローラブラケット24に付加される。このように昇降モータSMの角度制御で昇降レバー30を図4(a)の状態から(b)の状態に変位させると、上部ローラ21は下部ローラ22に圧接した状態となる。ストッパ片29は、可動バー28の揺動運動を上限規制するためにローラブラケット24に設けられている。
【0042】
このような構成で昇降モータSMが図4で所定方向に回転すると、昇降レバー30は同図で時計方向に回転して、ローラブラケット24を上部ローラ21が下部ローラ22から離れる方向に上昇させる。この状態でローラブラケット24はストッパ片29に係止されて上昇した待機位置に移動し、モータ、伝動部などの負荷でその位置に保持される。また、昇降モータSMが反対方向に回転すると、昇降レバー30は同図で反時計方向に回転し、ローラブラケット24は揺動支点23を中心に自重で降下(落下)する方向に回転し、上部ローラ21が下部ローラ22に圧接する。ローラ昇降部50が上記の昇降動作を行うとき、上部ローラ21は次の第1及び第2の2通りの動作を行う。
【0043】
第1の動作においては、上部ローラ21は、先ずローラ昇降部50の下降により下部ローラ22に圧接した状態で排紙方向に回転(正転駆動)しながら排紙口13からシートを搬送する。この場合、排紙ローラ対20のニップ間にシート先端が進入したとき、このシートは、排出ローラ14cと排紙ローラ対20の両方から搬送力を受けて排紙方向に送り出される。
【0044】
続いて、上部ローラ21は、シート後端が排出ローラ14cから搬出されるのを排紙センサSe2が検知したとき、逆方向への回転(逆転駆動)に制御される。これにより、シートの後端が排紙口13から処理トレイ15に落下するが、それと同時にシート先端は上部ローラ21によってバック搬送されることになる。
【0045】
一方、第2の動作においては、上部ローラ21は、ローラ昇降部50によって上昇して待機位置に維持されたままで、排紙口13から搬出されるシートを待機している状態にある。このとき、上部ローラ21は正転駆動しており、搬出されるシートの後端が排出ローラ14cから繰出されたタイミングで、ローラ昇降部50は上部ローラ21を待機位置Wpから作動位置Apに下降させる。このローラ下降の動作と前後して、上部ローラ21は排紙方向と反対方向に回転する。これにより、排紙口13に搬出されたシートはその後端が処理トレイ15に落下し、上部ローラ21と下部ローラ22とでニップされた状態で上部ローラ21の回転力によりシートの後端側を先頭に後端規制ストッパ18に向かって搬送される。
【0046】
以上のごとく、第1及び第2の動作の違いは、排紙口13からのシートを先ず上部ローラ21の正転駆動により排紙方向に搬送する際に、第1の動作では上部ローラ21と下部ローラ22とでシートをニップして搬送し、第2の動作では上部ローラ21は下部ローラ22とでシートをニップせずに単独で搬送している点にある。しかし、上部ローラ21と下部ローラ22とでシートをニップして搬送するとき、処理トレイ15上に既に集積されているシートがあるとこの集積シートと共にニップされることになり(図5乃至図6及び図8に図示)、シート同士が擦れ合うと印刷した画像にインクずれを引き起こす虞がある。
【0047】
このようなインクずれを防止するために、上部ローラ21は、処理トレイ15に最初にシートを搬入するときには第1の動作を行い、下部ローラ22の上に既に先行するシートが集積されているときには第2の動作を行う。
【0048】
しかしながら、この第2の動作時においては、画像形成装置Aからシートが排紙口13に送られてきて排出ローラ14cから搬出される度に、排紙ローラ対20を離間させた状態での排紙口13からのシートの搬送と、排紙ローラ対20を圧接させて排紙口13から搬送されたシートの処理トレイ15へのバック搬送とを繰り返すために、シートが送られてくる都度、排紙ローラ対20の上下のローラ21、22の離間と接近を繰り返すことになり、その移動する分だけ処理時間が長くかかる。
【0049】
そこで、本発明は、排紙ローラ対20において、上部ローラ21と下部ローラ22との間の寸法をシートの坪量に応じて可変、すなわち、待機位置Wpの位置を低い位置h図5及び図7に図示)と高い位置h図6及び図8に図示)との2通りに切り換えて設定可能、にすることで処理時間を短縮しようとするものである。
【0050】
シートの坪量とは、シートの単位面積当たりの重量を意味し、坪量が大きいとそのシートは厚く腰が強い。例えば紙質が同一の場合には、シートの坪量(重量)とシート厚さとシートの腰の強さは、略々比例関係にある。
【0051】
このような坪量が大きく腰の強いシートが排紙口13から搬出されると、このシートは腰の強さから真っ直ぐに戻ろうとする力が大きくその先端が処理トレイ15に集積されているシートに当接したとき、当接したシートを処理トレイ15から押し出す方向に付勢し処理トレイ15から引き出すことがある。
【0052】
図5は、この状況を説明する模式図であり、処理トレイ15には既に搬出されたシートが後端規制ストッパ18によって先端が揃えられた状態で集積されている状態にある。ここで、取り扱っているシートが坪量の大きいシートであると、排出ローラ14cから排紙口13に搬出されたシートS1を上部ローラ21の正回転により処理トレイ15に搬送するとき、シートS1が既に集積されているシートの最上位シートS2と接触したときシートS1がシートS2を搬送方向に引き連れて後端規制ストッパ18から引き離してしまうことがある。
【0053】
この場合に、シートS1は、集積されているシートと共に上部ローラ21と下部ローラ22とでニップされて、直接接触している上部ローラ21の逆回転により後端規制ストッパ18に向けて搬送されるが、シートS2は上部ローラ21と直接接触していないためシートS1との摩擦が小さいとシートS1の動きに追随できず、後端規制ストッパ18から離れた状態のままとなる。そのため、坪量の大きいシートを処理トレイ15に集積する場合には、後端規制ストッパ18から離れたシートが混ざることがある。
【0054】
したがって、坪量の大きなシートを搬送する場合の集積するシートの不揃いを防止するには、上部ローラ20が待機位置で正転駆動するときはシートと強く接触させなければよい。よって、本発明は、坪量の大きなシートを搬送する場合には、待機位置Wpでの上部ローラ21の位置を図5及び図7で示すhから、排紙口13から搬出されたシートS1と強く接触しない図6及び図8で示すhの位置まで引き上げている。強く接触しない位置hとは、排出ローラ14cからシートが種々の態様で搬出されてもこのシートと確実に接触する位置より上位の位置であり搬出されたシートと接触しないこともあり得る位置である。
【0055】
上部ローラ21の待機位置Wpをこのような位置hに設定すればシートS1の先端が最上位の集積シートS2と接触しても、上部ローラ21からの付勢力が弱いためシートS2を搬送方向に引き連れて後端規制ストッパ18から引き出すことがなく集積するシートの不揃いが防止される。
【0056】
一方、坪量が小さく腰が弱いシートの場合には、上部ローラ21の待機位置Wpの位置が低い位置hであっても、このシートの先端が処理トレイ15に集積されているシートに当接したとき、この当接しているシートを処理トレイ15から引き出すことはない。そのため、処理するシートの坪量が大きい場合に上部ローラ21と下部ローラ22との間隔を大きくすれば、坪量が小さなシートを処理する場合には、上部ローラ21と下部ローラ22との間隔を可能な限り小さく設定することができる。
【0057】
よって、坪量の小さなシートを処理するときは上部ローラ21と下部ローラ22との間隔を小さくすることにより、排紙口13から搬出されたシートS1を上部ローラ21と下部ローラ22とでニップして処理トレイ15に搬送する際、ローラ昇降部50が上部ローラ21を下部ローラ22に移動させるまでの時間を短縮できる。したがって、坪量の小さなシートを処理する場合には、排紙口13から搬出されたシートを処理トレイ15への搬送が高効率化される。
【0058】
上部ローラ21と下部ローラ22との間の寸法は、揺動支点23を中心に揺動するローラブラケット24の運動軌跡の上死点を変更することで調整される。よって、上部ローラ21を昇降モータSMの駆動により引き上げる際の駆動時間を長くして、扇形ギア31の回転移動範囲を上方に延長させることで、上部ローラ21の待機位置Wpをhからhへと高い位置に切り換えることができる。そのためには、昇降モータSMをステッピングモータによって構成し、ステッピング制御で調整するのが好ましい。
【0059】
また、シートの坪量が大きい場合であっても、処理するシートの搬送方向での長さが短ければ上部ローラ21と下部ローラ22との間隔を小さく設定することができる。図7に示すように、処理トレイ15に集積されるシートの搬送方向での長さ寸法が処理トレイ15の範囲内に収まり、排紙口13から搬出されるシートS1の先端部が最上位の集積シートS2に当接しない場合には、上部ローラ21と下部ローラ22との間隔を小さく設定できる。
【0060】
したがって、本発明は、排紙口13から搬送されるシートの坪量が予め設定された所定値よりも大きく、且つ排紙経路から処理トレイ15へ搬出中のシートの先端がスタックトレイ40と接触する搬送方向長さを有するシートを処理する場合は、上部ローラ21と下部ローラ22との間隔を広げ、その他のシートを処理する場合には狭くしている。
【0061】
シートの坪量データや搬送方向での長さ情報は、シート収納装置の動作開始前に画像形成装置Aから送られ、これらデータに基づいて上部ローラ21と下部ローラ22との間の寸法は2通りに設定される。
【0062】
なお、処理トレイ15に集積したシート束を綴じ処理した後は、排紙ローラ対20で下流側のスタックトレイ40にシート束を搬送するが、このほか排紙ローラ対20と共に処理トレイ15からシート束を搬出するコンベア手段を配置することも可能である。
【0063】
後端規制ストッパ18は図3に示すようにシート後端を突き当て規制する板状部材で構成され、シート幅方向に1カ所若しくは距離を隔てて複数箇所に配置する。このストッパは、ステープルユニット17などの後処理手段と共にシート後端縁に配置されるから、ステープルユニットをシート幅方向に位置移動可能に構成する場合には、この後端規制ストッパ18もステープルユニット17と連動してシート幅方向に位置移動するように構成する。また、ステープルユニット17をシート幅方向に位置移動することなく固定して配置するときには、このステープルユニットに後端規制ストッパ18を一体形成することも可能である。
【0064】
[スタックトレイ]
次に、図9によってスタックトレイ40について説明する。スタックトレイ40は、トレイ架台41と、紙載トレイ42で構成されている。トレイ架台41はハウジング10のフレームに所定のストロークで上下動するように支持されている。紙載トレイ42はシートを積載収納するトレイ面を有するトレイ形状に構成されている。紙載トレイ42はトレイ架台41に支持されているが、このとき紙載トレイ42はトレイ架台41に対しシート幅方向に所定量ジョグシフトするようにジョグシフト部が設けられている。紙載トレイ42はトレイ架台41に支持されているが、このとき紙載トレイ42は、トレイ架台41に対しシート幅方向に所定量ジョグシフトするようにジョグシフト機構が設けられる。そして、図2で示されているように、紙押えユニット56は、紙載トレイ42に導入されるシートの上面に接して摩擦回転体60で後端規制面48に沿わせるように掻き込む。
【0065】
「トレイ昇降部」
図9にスタックトレイ40のトレイ昇降部51(トレイ昇降手段)を示す。ハウジング10のフレームには積載方向上下にガイドレール43が配置され、このガイドレール43に、トレイ架台41の連結部に固定したスライドコロ44が嵌合されている。ガイドレール43は棒状ガイド、チャンネル鋼、H形鋼などで構成され、これにトレイ架台41が摺動可能に嵌合されている。
【0066】
トレイ架台41は、紙載トレイ42とこれに積載されたシートの荷重を支える強度のフレーム構造に構成され、同様に堅固に構成されたガイドレールに片持支持されている。また、ハウジング10のフレームにはガイドレール43の上端部に懸架プーリ45aが、下端部に巻上げプーリ45bが軸固定されている。そして両プーリ間には、例えばワイヤ、歯付ベルトなどの牽引部材45cが懸け渡されている。巻き上げプーリ45bには、巻き上げモータMMが減速部を介して連結されている。
【0067】
これと同時にトレイ架台41には、ウエイト軽減用のコイルスプリング46がハウジング10のフレームとの間に架け渡してある。つまりスプリング46の一端(図9下端部)がフレームに固定してあり、他端(図9上端部)は牽引プーリ47を介してトレイ架台41に固定してある。このスプリング46には初張力が付加してある。従って、紙載トレイ42とこれに積載されたシートはコイルスプリング46の弾性力に応じてその重量が軽減され巻上げモータの負荷トルクが低減される。このほかコイルスプリングの代わりに重錘を吊下げプーリから垂下させるウエイト軽減部を採用しても良い。
【0068】
「紙載トレイ」
紙載トレイ42は、上方の排紙口13から送られたシートを積層状に載置する紙載面42aを備えている。この紙載面42aは水平姿勢であっても良いが、所定角度で傾斜している。これは積載したシートを自重で後端側に姿勢修正させるためである。この紙載面42aの傾斜角度は水平線に対しに30度から45度程度が適切である。30度以下のときにはシートの姿勢修正が難しく、45度以上のときにはカールしたシートがトレイ進入時に転倒する恐れが生ずる。紙載トレイ42はトレイ架台41に支持され、ガイドレール43に沿って上下動する。
【0069】
スタックトレイ40は、排紙口13と適切な位置関係で連通するように、紙載トレイ42に集積される最上位シートの面の位置、またはシートが集積されていない場合には紙載トレイ42の紙載面の位置がトレイ昇降部の駆動によって上下に移動する。
【0070】
このとき、スタックトレイ40の高さ位置を決める場合に、処理するシートの坪量を考慮するとよい。上記したように、本発明は坪量が大きいシートを処理するときには上部ローラ21を高い位置、すなわち上部ローラ21と下部ローラ22との間隔を広く設定する。これに併せてスタックトレイ40の上下方向での位置を図8に示すように下げることで、排紙口13から搬出されたシートS1を搬送する際、シートS1が既に処理トレイ15に集積されているシートの最上位シートS2をスタックトレイ40に向けて押し出すのを防ぐことができる。
【0071】
[制御構成]
上記した後処理ユニットBの制御部の構成を図10によって説明する。制御部は、CPU70と、制御プログラムを記憶しているROM74と、RAM75と、通信インターフェース76とを含む。そして、CPU70には、搬入センサSe1と排紙センサSe2とがそれぞれ接続されている。
【0072】
CPU70は、ROM74に記憶している制御プログラムを実行しながら、搬入センサSe1及び排紙センサSe2からのセンサ信号や、通信インターフェース76を通して、図示しない画像形成ユニットAの制御部から送られてくる各種コマンド及びデータに基づいて後処理ユニットBの全体を制御する。画像形成ユニットAの制御部から送られてくるデータには、上記したシートの坪量データとサイズ情報とが含まれており、これらデータをRAM75に記憶する。
【0073】
このように、CPU70は、制御プログラムを実行することで、ローラ昇降部及びローラ制御モータRMの動作を制御するローラ制御手段71と、ステープルユニット17を制御する綴じ処理制御手段72と、トレイ昇降部51を制御するスタック制御手段73としての処理動作を行うが、以下、その制御動作について説明していく。
【0074】
後処理ユニットBにシート排紙経路11から送られてくるシートを待機している状態においては、CPU70(ローラ制御手段71)は、ローラ昇降部50を制御して排紙ローラ対20が圧接するよう上部ローラ21を下降させて、ローラ駆動モータRMには正回転を行うよう制御している。
【0075】
この状態で、最初のシートが排出ローラ14cから排紙口13に搬出されると、このシートは排紙ローラ対20でニップされてスタックトレイ40に向けて搬送される。そして、ニップされたシートの後端が排紙センサSe2にて検知されなくなってから一定時間後、CPU70(ローラ制御手段71)は、ローラ駆動モータRMに逆回転を行うよう制御する。これにより、排紙ローラ対20でニップされて搬送されているシートは、逆方向の処理トレイ15に向け搬送されて後端規制ストッパ18に突き当たって停止する。
【0076】
そして、CPU70(ローラ制御手段71)は、ローラ昇降部50の昇降モータSMを制御して上部ローラ21を上昇させ、排紙ローラ対20の圧接を解除する。この場合、上部ローラ21を待機させる位置Wpは、予め送られてきてRAM75に記憶している坪量データ及びサイズ情報に基づく。
【0077】
具体的に、本実施例においては、坪量が104.7g/m超えるときはシートの硬度が高いものとしている。また、本実施例の紙載台16は、A4タテ以上のシートを支持する場合にはスタックトレイ40と共働で支持する長さ寸法に設計されている。したがって、坪量が104.7g/mを超え、且つA4タテ以上のシートであるときは、CPU70(ローラ制御手段71)は、ローラ昇降部50を制御して上部ローラ21の待機位置を高い位置hとしている。
【0078】
上部ローラ21の待機位置Wpを高い位置hに設定したときは、一方で、CPU70(スタック制御手段73)はトレイ昇降部51の巻き上げモータMMを制御してスタックトレイ40の上下方向での位置を下げる(図8に図示)。
【0079】
しかし、坪量が104.7g/mを超えるシート、又は坪量が104.7g/mを超えてもA4タテ未満のシートであれば、CPU70(ローラ制御手段71)は、上部ローラ21の待機位置Wpが低い位置hとなるようローラ昇降部50を制御する(図7に図示)。この場合、CPU70(スタック制御手段73)は、トレイ昇降部51の巻き上げモータMMを制御してスタックトレイ40を下方向に引き下げる制御は行わない。
【0080】
CPU70(ローラ制御手段71)は、最初の1枚目のシートを処理トレイ15に搬送した後はローラ駆動モータRMを正回転に切り換える。よって、次に送られてくる2枚目のシートは上部ローラ21の正回転によりスタックトレイ40に向けて搬送される。このとき、シートの坪量やサイズに応じて上部ローラ21は適正な位置に設定されているために、2枚目のシートが処理トレイ15に載置されている1枚目のシートを引き出すことがない。
【0081】
そして、CPU70(ローラ制御手段71)は、2枚目のシートの後端がセンサSe2にて検知されなくなってから一定時間後、ローラ昇降部50を制御して排紙ローラ対20を圧接させ、ローラ駆動モータRMを逆転させて2枚目のシートを処理トレイ15に向けて搬送する。
【0082】
CPU70(ローラ制御手段71)は、排出ローラ14cから搬出される3枚目以降のシートについては、2枚目と同様に、排紙ローラ対20を離間させた状態での排紙口13からのシートの搬送と、排紙ローラ対20を圧接させて排紙口13から搬送されたシートの処理トレイ15へのバック搬送との繰り返しにより、後端規制ストッパ18に先端が揃えられた状態で処理トレイ15に集積されていく。このとき、処理するシートの坪量が104.7g/m以下、又は坪量が104.7g/mを超えてもA4タテ未満のシートであればシートごとに、排紙ローラ対20を離間させたり当接させたりするのに上部ローラ20を上下に移動させる時間が短くて済み処理時間の高速化が図れる。
【0083】
そして、CPU70(綴じ処理制御手段72)は、処理トレイ15でのシートの集積が終了すると、ステープルユニット17を制御して集積したシートの綴じ処理を制御する。綴じ処理の後、CPU70(ローラ制御手段71)は、ローラ昇降部50を制御して、綴じ処理したシート束を排紙ローラ対20でニップして、上部ローラ21の正回転によりこのシート束をスタックトレイ40に向けて搬送し、CPU70(スタック制御手段73)による1セットのシート束のスタックトレイ40への収納処理を行う。
【0084】
以上のごとく、後処理装置Bは、画像形成装置Aから送られてくるシートをセンサSe1及びセンサSe2により検出するたびに、待機位置にある上部ローラ21の正回転によってシートを搬送口13に搬送し、その後、上部ローラ21を作動位置にまで移動させてこのシートを下部ローラ22とでニップし、上部ローラ21の逆回転によってこのシートを処理トレイ15へスイッチバック搬送する。
【0085】
このとき、上部ローラ21が待機位置に在るときの下部ローラ22との間の間隔は、シートの坪量やサイズによって決められる。したがって、シートのサイズや坪量が大きい場合には、上部ローラ21が待機する高さ位置を高く設定することで、搬送するシートが処理トレイ15の既積載シートと強く接触することがなく、シートの押し出し等を防ぎ、シートはその端部が揃えられた状態を保ちながら処理トレイ15に集積される。
【0086】
また、小サイズや腰の弱いシートを搬送する場合には、シートに近い高さに上部ローラ21を待機させるため、上部ローラ21と下部ローラ22との間隔を狭くでき、シートが搬送されてくるたびに上部ローラ21を下部ローラ22に対して離反及び接近させるときの移動の距離が短くなって、排紙口13からのシートの処理トレイ15への取出しを高効率に処理でき処理時間が短縮する。
【符号の説明】
【0087】
11 排紙経路
13 排紙口
15 処理トレイ
16 紙載面
17 ステープルユニット(後処理手段)
20 排紙ローラ対
21 上部ローラ
22 下部ローラ
40 スタックトレイ
50 ローラ昇降部(ローラ昇降手段)
51 トレイ昇降部(トレイ昇降手段)
70 CPU(ローラ制御手段)
A 画像形成装置
B 後処理装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10