(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
同一の無線チャネルを介して重複する第1及び第2のサービスエリアをそれぞれ形成する第1及び第2の基地局を制御する制御処理をコンピュータに実行するための制御プログラムであって、
前記第1のサービスエリア内の第1の移動局が前記無線チャネルを使用している場合に、前記無線チャネルの送信出力を一時的な送信出力抑制期間において抑制する送信出力要求を前記第1の基地局へ送信し、
前記第2のサービスエリア内の第2の移動局へビジー信号を前記送信出力抑制期間において送信するビジー信号要求を前記第2の基地局へ送信する、
制御プログラム。
【背景技術】
【0002】
移動通信システム(無線通信システム)が様々な分野で利用されている。例えば、我が国の消防救急業務用無線通信に関する分野では、無線周波数の有効利用を目的として、近年、SCPC(Single Channnel Per Carrier)方式によるデジタル無線通信技法の導入が進められている。SCPC方式とは、1つの無線チャネルに対して、1つの搬送波(キャリア)周波数を割り当てる方式である。
【0003】
図12を用いて、SCPC方式を用いた関連する移動通信システムの一例について概略説明する。
図12に示すように、この関連する移動通信システム900は、指令卓901、遠隔制御器902、回線制御装置903、複数の無線基地局(基地局とも称する)904及び905、複数の移動局906〜908を備えている。
【0004】
基地局904及び905は、運用エリア(サービスエリア、運用ゾーン)として破線で示す運用ゾーンA及び運用ゾーンBを無線基地局毎に構築する。運用ゾーンAまたはB内であれば、移動局906〜908は、基地局904または905と無線通信可能である。例えば、移動局906は、運用ゾーンA内において発信(発信操作)を行うと、基地局904、回線制御装置903を介して、指令卓901と通信することができる。
【0005】
関連する移動通信システム900では、各消防局毎に割り当てられる無線チャネルが限られ、また、1つの無線基地局の運用エリア(ゾーン)は限られている。このため、複数の無線基地局で運用エリアをカバーし、運用エリアでより多くの無線チャネルを使用可能とするため、同じ無線チャネルを複数の無線基地局に実装することが多い。例えば、基地局904及び905には、同じ無線チャネルCH1が割り当てられている。
【0006】
この時、
図13に示すように隣接する複数の無線基地局(基地局904及び905)から同じ無線チャネルで送信した際に、例えば、消防設備規則に記載の通り、デジタル無線では、無線基地局間で、21dB以上の電力比がとれていない干渉エリア(重複エリア)では、電波干渉が発生する。この電波干渉が干渉エリアにいる移動局(例えば移動局907)の無線運用に影響を与え、通信不可となる可能性が高い。このため、隣接する(運用ゾーンが重なる)無線基地局からの同時送信は行わず、確実な通信をするために1つの無線基地局を選択し移動局へ送信するのが望ましい。
【0007】
関連する移動通信システム900において、無線基地局が無線通信可能なエリアにいる移動局との間で無線通信する代表的な運用例を説明する。例えば、
図12に示すように運用ゾーンA内の移動局906が無線チャネルCH1を使用して相手端末(例えば指令卓901)との通信のために発信(発信操作もしくは発呼)する。この発信により、無線基地局(基地局904)の無線チャネルCH1が使用中となるため、他の移動局は無線チャネルCH1を使用することはできない。このため、当該無線基地局(基地局904)は、無線基地局(基地局904)の電波が届くエリア(運用ゾーンA)にいる他の移動局(移動局907)に対して「回線ビジー」であることを示すビジー信号を送信する。
【0008】
このビジー信号を受信している移動局907は、消防救急隊員が発信操作を行っても、発信制限中の表示及び喚起音を鳴動することで、無線チャネルCH1が現在通信中(移動局906)の旨を消防救急隊員に伝え、無線基地局(基地局904)との回線接続に失敗する。
【0009】
その後、移動局906が発信操作を終了すると、無線基地局(基地局904)は運用ゾーンA内の移動局907へビジー信号回復信号を送信する。移動局907は、このビジー信号回復信号を受信するまで、無線基地局(基地局904)との回線接続ができず、相手端末(例えば指令卓901)との通信が待たされる。
【0010】
上記状況において、同じ運用ゾーンA内において、同じ無線チャネルCH1が使用中(移動局906)であることが把握可能なため、緊急時に移動局907であれば、手動操作にて他の無線チャネルに切替えて発信または、干渉の懸念があるが強制的に同じ無線チャネルを使用し発信することが可能となる。
【0011】
なお、関連する技術として特許文献1及び2が知られている。例えば、特許文献1には、回線ビジー状態のとき通信が待たされるために、位置登録した複数の無線基地局の受信電界情報を参照し、自動的にハンドオフすることで通信を確保する方法が記載されている。また、特許文献2には、回線ビジー状態の時に優先度の高い通信があった際に、現在の通信を切断し、割り込みを行い、上記優先度の高い通信を流す方法が記載されている。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(実施の形態1)
以下、図面を参照して実施の形態1について説明する。実施の形態の説明に先立って、まず、
図12などの関連する技術における問題について詳細に説明する。
【0025】
図12のような関連する技術における第1の問題点は、移動局906が無線基地局(基地局904)の運用ゾーンA(サービスエリア)にて無線チャネルCH1を使用して相手端末(例えば指令卓901)との通信のために発信した際に、移動局908のように、一時的に無線基地局(基地局904)の電波の届かない、つまりビジー信号伝達対象外の無線基地局(基地局905)に移動した状態、もしくは初めから無線基地局(基地局905)にいる状態で、移動局908が同じ無線チャネルCH1で発信した場合は、無線基地局(基地局905)からは、移動局906にて同じ無線チャネルCH1を使用中であることを伝えるビジー信号は送信されないという点である。
【0026】
その理由は、同じ無線チャネルCH1で、無線基地局(基地局905)がビジー信号を送信した場合、デジタル無線では、
図13のように基地局間で21dB以上の電力比がとれていない干渉エリアにいる複数の移動局(例えば移動局907)は、電波干渉の発生により無線運用に影響を与え、通信困難となるためである。このため、上記電波干渉の事象を回避するため、ビジー信号は、現在通信中の移動局906がいる無線基地局(基地局904)のように1つの無線基地局からのみ送信される。また、本事象は、移動局側で無線基地局の運用可能エリアを把握できない、または、一時的に遮蔽物等により、無線基地局(基地局904)の電波を受信不可になる場合等、よく起きる問題である。
【0027】
また、関連する技術における第2の問題点は、第1の問題点で示した状態で、移動局908が無線チャネルCH1を使用して発信した場合、無線基地局(基地局904)から送信されているビジー信号を受信できないために、移動局906にて現在同じ無線チャネル使用中であることが把握不可となり、発信可能となるが、使用不可のチャネルがあたかも使用可能のように発信可能となってしまうという点である。その理由は、複数の移動局が発信したことによる電波干渉及び、折り返しによる無線基地局エリアどうしの電波干渉が発生するのを回避するために、1つの移動局(移動局906)が発信中の場合は、回線制御装置903にて移動局908の音声信号を切断しているためである。
【0028】
第2の問題点により、音声が相手端末(例えば指令卓901)に送信されず、指令卓901からも応答もできないために、消防救急隊員が移動無線システムの故障かと混乱する。このとき、消防救急隊員は、無線チャネルCH1以外であれば、この状況下において使用可能だが、使用可能であるのか判断がつかない状態となる。また、再度呼び出しや、移動局908からの発信があるまでは、通信内容を傍受できないため、余計な操作と時間を費やすこととなり、緊急時等に支障をきたす。
【0029】
そこで、本実施の形態では、SCPC方式の消防救急デジタル無線通信システムにおいて、移動局が無線通信中の場合に、ビジー信号伝達対象外の無線基地局のエリアにいる他の移動局が同じ無線チャネルで発信した際の回線ビジーの通知を可能とする。
【0030】
なお、特許文献1の回線ビジー時の通信方法では、回線ビジー時でも通信を待たされることなく、自動的にハンドオフし通信することが可能になる。しかし、特許文献1をSCPC方式の消防救急デジタル無線に適応した場合、現在の無線基地局(基地局904)を使用して移動局906が発信中に、回線ビジーであることを把握可能な同じ無線基地局(基地局904)のエリアにいる移動局907が自動的にハンドオフしたとする。そうすると、同じ無線チャネルで他の無線基地局(例えば基地局905)にハンドオフするため、同時送信による干渉が発生し、干渉エリアにいる複数の移動局に影響を与え、通信不可となる。したがって、特許文献1は、回線ビジー判断が可能な状況において、干渉を考慮しなくて良いような携帯電話等の移動通信システムにおいては有効であるが、消防救急デジタル無線(SCPC方式)では、有効ではない。なお、移動局がビジー信号を受信できないエリアにいる場合(移動局908)に自動的にハンドオフする必要性はないシステムにおいて、自動的にハンドオフ可能とすると上記同様に干渉の問題が発生する。
【0031】
また、特許文献2は、回線ビジー時に、現在の通信を切断し、優先度の高い通信を流す技術である。しかし、特許文献2をSCPC方式の消防救急デジタル無線に適応した場合、即時性が求められる中で、全てにおいて通信の優先順位はなく、緊急時以外に現在通信中の音声を切断してはならないため、有効的ではない。また、ビジー信号を受信できないエリアにいる場合(移動局908)は、特許文献2を適応することは不可である。消防救急デジタル無線では、現在通信中の移動局906の通信の方が優先度は高いため、特許文献2のように移動局906の通信を切断してまで、移動局908に同じ無線チャネルCH1を使用していることを伝える必要はない。
【0032】
そのため、本実施の形態では、現在通信中の移動局の運用を妨げることなく、干渉を避け同じ無線チャネルにて複数無線基地局よりビジー信号を送信することにより、どこのエリアに移動局が移動しても通信可否の不一致を防ぐことを可能とする。
【0033】
次に、本実施の形態に係る移動通信システムの構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る移動通信システム100の構成の一例を示し、
図2は、
図1の各構成の機能ブロックの一例を示している。なお、本実施の形態の動作が実現できれば、
図2に限らず、その他の機能ブロックで構成してもよい。
【0034】
図1に示すように、移動通信システム100は、SCPC方式の消防救急デジタル無線通信システムであり、指令卓1、遠隔制御器2、回線制御装置3、複数の無線基地局(基地局とも称する)4及び5、複数の移動局6〜8を備えている。移動局6〜8は、消防救急隊員が消防救急作業の現場で使用する移動端末(無線端末)である。基地局4及び5は、それぞれの運用ゾーン(サービスエリア)内で移動局6〜8と無線通信を行う基地局である。基地局4及び5と移動局6〜8とは、同一の無線チャネルCH1を介して通信を行う。
【0035】
回線制御装置3は、移動局6〜8と指令卓1及び遠隔制御器2との回線接続を制御し、また、基地局4及び5の動作を制御する制御装置である。指令卓1は、例えば、消防本部(消防局)などに設置されており、移動局6及び8と通話などの通信を行う通信端末である。遠隔制御器2は、同様に消防本部などに設置されており、移動局6及び8などを遠隔制御する制御装置である。
【0036】
図2に示すように、回線制御装置3は、送信出力制御部101、ビジー信号制御部102、ビジー解除信号制御部103を備えている。
【0037】
送信出力制御部101は、基地局4及び5の送信出力を制御する。送信出力制御部101は、例えば基地局5でビジー信号の送信を可能とするため、基地局4に対し送信出力を抑制する送信出力抑制要求を送信する。また、送信出力制御部101は、例えば基地局5でビジー信号の送信後、基地局4に対し送信出力の抑制を停止する送信出力抑制停止要求を送信する。
【0038】
ビジー信号制御部102は、基地局4及び5のビジー信号の送信を制御する。ビジー信号制御部102は、例えば基地局4の配下の移動局6が通信中の場合、基地局5の配下の移動局8へビジー信号を送信するため、基地局5に対しビジー信号送信要求を送信する。
【0039】
ビジー解除信号制御部103は、基地局4及び5のビジー解除信号の送信を制御する。ビジー解除信号制御部103は、例えば基地局4の配下の移動局6が通信終了した場合、基地局5の配下の移動局8へビジー解除信号を送信するため、基地局5に対しビジー解除信号送信要求を送信する。
【0040】
基地局4及び5は、同じ構成であり、送信出力抑制部111、ビジー信号送信部112、ビジー解除信号送信部113を備えている。送信出力抑制部111は、回線制御装置3からの制御に従い、運用ゾーン(サービスエリア)への電波の送信出力(送信電力)を一時的に抑制する(下げる)。すなわち、送信出力抑制部111は、運用ゾーンの干渉を避けるため、移動局6〜8に対する無線チャネルの送信を一時的に抑える。
【0041】
ビジー信号送信部112は、回線制御装置3からの制御に従い、運用ゾーン内の移動局6〜8に対し、無線チャネルが使用中(ビジー)であることを示すビジー信号を送信する。ビジー解除信号送信部113は、回線制御装置3からの制御に従い、運用ゾーン内の移動局6〜8に対し、無線チャネルの使用が終了し使用可能であることを示すビジー解除信号を送信する。
【0042】
移動局6〜8は、同じ構成であり、発信処理部121、発信制限部122を備えている。発信処理部121は、消防隊員などのユーザの発信操作(プレス操作)に応じて発信処理(発呼処理)を行う。発信処理部121は、発信操作が行われると、運用ゾーンの基地局4または5と無線チャネルを介した通信を開始し、回線制御装置3を介し例えば指令卓1と通信回線を接続して、指令卓1と通話等の通信を行う。
【0043】
発信制限部(ビジー保持部)122は、消防隊員などのユーザによる発信操作(プレス操作)を制限する。発信制限部122は、ビジー信号を受信してからビジー解除信号を受信するまで、ビジー状態を保持し、このビジー状態の間、発信を不可能とする。発信制限部122は、喚起音の鳴動などにより、無線チャネルがビジーのため発信不可であることをユーザに通知する。
【0044】
例えば、本実施の形態に係る移動通信システムは、
図1及び
図2の構成のうち、少なくとも
図3の構成を備えていてもよい。すなわち、
図3に示すように、移動通信システム100は、基地局4及び5、移動局6及び8を備え、基地局4が送信出力抑制部111を備え、基地局5がビジー信号送信部115を備えている。基地局4及び5は、同一の無線チャネルCH1を介して重複する運用ゾーン(サービスエリア)A及びBを形成する。基地局4の送信出力抑制部111は、は、運用ゾーンA内の移動局6が無線チャネルCH1を使用している場合に、無線チャネルCH1の送信出力を一時的に抑制する。基地局5のビジー信号送信部112は、基地局4が無線チャネルCH1の送信出力を抑制している場合に、運用ゾーンB内の移動局8へビジー信号を送信する。
【0045】
少なくとも
図3の構成により、基地局4の配下の移動局6が無線チャネルCH1により通信中の場合に、基地局5の配下の移動局8へビジー信号を送信することができ、移動局8の無駄な発信を抑止することができる。
【0046】
さらに、
図1及び
図2で示した本実施の形態に係る移動通信システムの構成について詳細に説明する。
【0047】
上記第1及び第2の問題点を解決するために、本実施の形態に係る移動通信システム100では、ある移動局が、現在他の移動局が通信中の無線基地局エリアから電波の届かない場所(ビジー信号伝達不可)または、他の無線基地局エリアにいる状況(ビジー信号伝達不可)であっても、同じ無線チャネルにて発信した際に、無線基地局間の干渉を避け、現在通信中の他の移動局の運用を妨げることなく、同じ無線チャネルにて「回線ビジー」であることを示すビジー信号を受信し、現在他の移動局が同じ無線チャネルを使用中である状態を把握可能とする。
【0048】
上記第1及び第2の問題点で示した状況下において、無線基地局(基地局905)からもビジー信号を送信すると、同じ無線チャネルで送信するため、
図13に示したように、無線基地局(基地局904)から送信されるビジー信号と無線基地局(基地局905)から送信されるビジー信号両方を受信可能なエリアで、かつ基地局間にて21dB以上の電力比がとれていない干渉エリアにいる複数の移動局(例えば移動局907)では、電波干渉が発生し、運用に影響を与えるため不可である。
【0049】
第1及び第2の問題点を解決し、移動局8がいる無線基地局(基地局5)にビジー信号を送信するために、
図4に示すように、現在通信中の無線基地局(基地局4)の送信出力を瞬間的に抑制する。例えば、回線制御装置3の送信出力制御部101が、基地局4の送信出力抑制部111を制御し、基地局4の送信出力を一時的に抑制する。
【0050】
この送信出力の抑制値に関しては、回線制御装置3(送信出力制御部101)にて演算可能とする。例えば各無線基地局間で21dB以上の電力差になるようにする。各無線基地局間の送信出力で21dB以上の電力差をとることが不可の場合は、片方の無線基地局の送信を瞬間的に止めることも可能とする。上記方法を用いれば、干渉問題の懸念はなくなる。
【0051】
例えば、移動局6が現在通信中の場合に、単純に無線基地局(基地局4)の送信出力を瞬間的に抑制すると、移動局6の運用を妨害する可能性がある。
【0052】
このため本実施の形態では、移動通信システムの無線フレームに影響のない範囲で送信出力を抑制する。
図5に示すように、移動通信システムの無線フレームは、複数の同期信号領域と音声信号領域を含んでいる。移動局は発信毎に例えば、この無線フレームにて同期検出を行い音声出力(音声信号の受信または送信)している。この無線フレームの例では、同時検出失敗を考慮し、40msecの同期信号を5連送している。本実施の形態では、この同期信号領域(期間)において、基地局の送信出力を抑制する。例えば、同期検出中の200msecのうちの120msecの間、無線基地局(基地局4)の送信を抑制する。この場合、残りの80msecの同期信号領域で同期検出可能であるため、運用に影響はない。残りの80msecの時間で同期検出が不可となった場合にも、音声出力可能な設定を利用できるため、運用に影響はない。
【0053】
また、音声出力中に例えば120msec間、無線基地局(基地局4)の送信出力を抑制した場合、その間は音声出力されない(移動局と基地局の間で音声通信不可であるが)。しかし、120msec間音声を傍受できない場合でも、運用を考慮すると、最低でも音声の1文字程度聞こえなくなる程度のため、音声通信上、問題はない。
【0054】
したがって、同じ無線チャネルで同時送信による干渉を防ぐために、例えば120msec程度であれば、瞬間的に片方の無線基地局(基地局4)の送信を抑制しても、運用に影響を及ぼすことはないと言える。
【0055】
図6は、ビジー信号と移動局のビジー状態との関係を示している。なお、
図6の各ステップの符号は、後述の
図8の各ステップに対応している。
図6に示すように基地局4では通常のビジー信号が送信される。すなわち、基地局4では、「回線ビジー」であることを示すビジー信号は、移動局6が発信中(ステップS1)の時間におおよそ比例した時間内で送信されている(ステップS3)。このビジー信号(ステップS3)を受信した基地局4配下の他の移動局(例えば移動局7)は、ビジー回復信号を受信するまでは、ビジー状態を把握(検出)し、発信制限となる(T1)。この間は(ステップS3)、無線基地局(基地局4)から電波が出力されている状況となる。
【0056】
このような通常と同様のビジー信号(ステップS3)を、移動局6の運用を妨げないように、無線基地局(基地局4)の送信出力を瞬間的に抑制する時間(例えば120msec)のみ送信した場合だけでは、瞬間的な発信制限となってしまい、第1及び第2の問題点に示したような事象が繰り返される恐れがある。すなわち、操作性及び無線の占有時間等も増え、効率的ではない場合があり得る。
【0057】
そこで、本実施の形態では、
図6の斜線で示すように(ステップS6)、無線基地局(基地局4)の送信出力を抑制する時間(例えば120msec)のみ、基地局5(ビジー信号送信部112)からビジー信号を送信しただけで、ビジー信号を受信した移動局8(発信制限部122)が、一定の時間ビジー状態を保持する(T2)。
【0058】
上記方法を用いれば、移動局8は、無線基地局(基地局4)の送信出力を抑制する時間(例えば120msec)のみ、ビジー信号を受信しただけで無線基地局(基地局4)にいる移動局7と同様の時間、ビジー状態を保持することができる。
【0059】
そのため、本実施の形態では、
図7に示すように、新規の所定の無線フォーマットにビジー信号を生成し、このビジー信号を1無線フレーム分(40msec)のみ送信する。例えば、
図7のビジー信号の40msecは、
図5の同期信号の40msecに対応している。また、移動局8におけるビジー信号の受信失敗の可能性も考慮し、40msecを例えば3連送とする(例えば120msecを1無線フレームとする)。このビジー信号を
図6の斜線で示す時間のみ送信する(ステップS6)。移動局8は、1無線フレーム分のビジー信号を受信したのみでも、任意の時間ビジー信号を保持し発信を禁止とすることが可能となる(保持する時間は、任意に設定可能とする)。
【0060】
移動局6の通信時間が長い場合は、
図6の斜線で示すように間にもう一度、上記ビジー信号(ステップS10)を送信することも可能とする(こちらも同様に任意に設定可能とする)。また、1無線フレームの中で例えば3連送することにより、確実に上記ビジー信号を移動局8に伝達可能となる。連送回数に関しても最適な回数を任意に設定可能とする。
【0061】
上記ビジー信号を受信した移動局8は任意の時間ビジー状態を保持する(
図6のT2)。また、実質、現在通信中の移動局6が発信操作を終了するまでの間は、同じ無線チャネルを使用することは不可となるため、移動局6が通信終了と同時にビジー状態を解除する信号(S16)を送信することも可能とする。このとき、移動局6は発信(発信操作)を終了しているため、無線基地局(基地局5)より、ビジー状態を解除する信号を送信しても、干渉の問題はない。
【0062】
本実施の形態により、第1及び第2の問題点である、無線基地局の運用エリアを意識できない移動局が、ビジー信号送信対象外の無線基地局エリアにいる場合でも、現在通信中の他の移動局の運用を妨げることなく、干渉を避け、同じ無線チャネルにてビジー信号を受信可能となるため、通信可否の不一致は起こらず、消防救急隊員の混乱も防ぐことが可能となり、緊急時は無線チャネルを切替て発信することも可能となる。
【0063】
次に、
図8のシーケンスを用いて、本実施の形態に係る移動通信システムにおいて、移動局が無線通信中にビジー信号伝達対象外の無線基地局のエリアにいる他移動局に対して回線ビジーを通知する方法について説明する。本実施の形態では、電波干渉を避け、移動局6の通信を妨げることなく、移動局8に対して同じ無線チャネルで「回線ビジー」であることを示すビジー信号を伝達する。
【0064】
図8に示すように、まず、移動局6(発信処理部121)が無線チャネルCH1を使用して発信し通信中の状態となる(
図8のステップS1)。この状態で、移動局8(発信し処理部121)が無線チャネルCH1を使用して発信する(
図8のステップS2)。このとき、移動局8の音声(発信)を受信した回線制御装置3は、移動局6または他の移動局が基地局4もしくは他無線基地局エリア内で無線チャネルCH1を使用して通信をしているか否かを判断する。
【0065】
この例では、基地局4のエリアにて移動局6が無線チャネルCH1を使用して通信中のため、通信可否の不一致を防ぐために移動局8に対して無線チャネルCH1が使用中であることを伝達する必要がある。
【0066】
また、
図13と同様に、移動局6は基地局4のエリアにて無線チャネルCH1を使用中のため、移動局8がいる基地局5のエリアに無線チャネルCH1で送信すると電波干渉エリアが発生してしまう。このため、干渉をできる限り防ぎ移動局8に対して無線チャネルCH1が使用中であることを送信する必要がある。
【0067】
そこで、本実施の形態では、回線制御装置3(送信出力制御部101)は現在通信中である基地局4の無線チャネルCH1の送信を抑制するよう要求(送信出力抑制要求)をする(
図8のステップS3)。回線制御装置3と無線基地局は有線回線で接続されているため、要求の失敗はないと考えられるが、有線回線断の可能性もあるため、基地局とのセッションが張れていないとき(単独運用時)は、本機能を使用しないこととする。
【0068】
続いて、回線制御装置3から送信出力抑制要求を受信した基地局4(送信出力抑制部111)は、無線チャネルCH1の送信を抑制し、回線制御装置3へ送信出力抑制完了を通知する(
図8のステップS4)。このとき、通信中である移動局6の無線運用を妨害しないために瞬間的に基地局4の送信出力を抑制する。
【0069】
続いて、回線制御装置3(ビジー信号制御部102)は、基地局4から送信出力抑制完了通知を受信すると、
図7に示すように所定のフォーマットの未定義領域に生成するビジー信号(任意の保持時間を設定可能)を基地局5に対して送信するよう要求(ビジー信号送信要求)する(
図8のステップS5)。基地局5(ビジー信号送信部112)は、ビジー信号送信要求を受信すると、移動局8に対して上記ビジー信号を送信する(
図8のステップS6)。
【0070】
基地局5から上記ビジー信号を受信した移動局8(発信制限部122)は、喚起音にて消防救急隊員に伝える(
図8のステップS7)。このとき、上記ビジー信号を受信するまで喚起音の鳴動はないが、ビジー信号受信まで数msecと考えられるため、運用上影響はない。また、本実施の形態で新たに生成するビジー信号は、基地局4の送信出力を抑制している時間のみの1無線フレームのビジー信号であり、移動局8は、ビジー状態を任意の時間を保持し、その間は、喚起音を出力し発信不可とする。
【0071】
続いて、基地局5(ビジー信号送信部112)は、ビジー信号を送信後、回線制御装置3に対してビジー信号の送信完了を通知する(
図8のステップS8)。この間に移動局6の通信時間が長い場合は、ビジー状態を保持する時間の設定にもよるが、回線制御装置3(ビジー信号制御部102)により、上記同様のビジー信号の送信要求を行い(
図8のステップS9)、基地局5(ビジー信号送信部112)からビジー信号を送信し(
図8のステップS10)、ビジー信号送信完了の通知を行う(
図8のステップS11)。なお、ステップS9〜S11については、移動局6の発信時間によりビジー信号を送信しなくてもよい。
【0072】
続いて、回線制御装置3(送信出力制御部101)は、送信出力抑制中である基地局4の無線チャネルCH1に対して送信出力抑制停止を要求する(
図8のステップS12)。回線制御装置3から送信出力抑制停止要求を受信した基地局4(送信出力抑制部111)は、無線チャネルCH1の送信出力抑制を停止し、回線制御装置3へ送信出力抑制停止完了を通知する(
図8ステップS13)。
【0073】
本実施の形態において、
図6及び7に示すように新規に所定のフォーマットに生成するビジー信号を受信した移動局8は、任意の時間ビジー状態を保持するが、実際、移動局6が通信を終了するまでは、同じ無線チャネルCH1を使用不可となる。このため、移動局6が通信を終了(
図8のステップS14)したと同時に、回線制御装置3(ビジー解除信号制御部103)は、基地局5に対してビジー解除信号要求を送信する(
図8のステップS15)。このときは、移動局6は、通信終了しているため、干渉問題は考慮しなくても良い。
【0074】
ビジー解除信号要求を受信した基地局5(ビジー解除信号送信部113)は、移動局8に対してビジー解除信号を送信する(
図8のステップS16)。上記ビジー解除信号を受信した移動局8(発信制限部122)は、ビジー状態を解除し、喚起音を停止する(
図8のステップS17)。続いて、ビジー解除信号を送信終了後、基地局5は、回線制御装置3に対してビジー解除信号送信完了通知を送信する(
図8のステップS18)。
【0075】
以上のように、本実施の形態によれば、現在発信中の移動局の通信を極力妨げることなく、他移動局に対して同じ無線チャネルでビジー信号を送信可能となり、他移動局が発信した際に通信の可否の不一致は起こらず、消防救急隊員の混乱も防ぐことが可能になる。
【0076】
具体的には、無線基地局の運用エリアを意識できない移動局が、ビジー信号送信対象外の無線基地局エリアに移動または、初めからいる場合でも、現在通信中の他移動局の運用を妨げることなく、干渉を避け、同じ無線チャネルにてビジー信号を受信可能となり、無線チャネルの通信可否の判別が確実であり、消防救急隊員の混乱を防ぐことが可能である。
【0077】
その理由は、現在通信中の移動局がいる無線基地局の送信出力を瞬間的に抑制し、ビジー信号の送信対象外の無線基地局エリアに対して、抑制している時間のみ本発明にて所定のフォーマットに生成する特定の時間保持させるビジー信号を送信するとビジー状態を保持することが可能になるためである。
【0078】
(実施の形態2)
以下、図面を参照して実施の形態2について説明する。
図9に示すように、本実施の形態では、実施の形態1の
図1の構成に加えて、さらに複数の基地局13〜16を備えている。
【0079】
本実施の形態では、実施の形態1の
図8のシーケンスにおいて、基地局4に対して瞬間的に送信を抑制し、基地局5に対してビジー信号を送出中(
図8のステップS6)、または、ビジー送信完了と同時に送信を抑制中の基地局4の送信を抑制停止するまでの間に(
図8のステップS6〜S13)、基地局5とは異なる無線基地局(
図9の基地局13、14、15、16)のエリアより移動局から同じ無線チャネルにて発信(発信操作)が行われた場合、
図9に示すように、発信した移動局の無線基地局の場所に応じて、ビジー信号が送信される。
【0080】
すなわち、回線制御装置3は、
図10に示すような基地局間の干渉度合を示したパラメータテーブル(干渉度合テーブル)を記憶しており、このパラメータテーブルを参照して該当するケースに応じて処理を行う。
【0081】
例えば、基地局13に在圏する移動局が発信した場合、基地局13は、基地局4及び5と干渉するため、基地局5に対してビジー信号送信後に基地局13に対してもビジー信号を送信し、送信完了と同時に基地局4の送信出力抑制を停止する。
【0082】
基地局14に在圏する移動局が発信した場合、基地局14は、基地局4と干渉せず、基地局5と干渉するため、基地局5に対してビジー信号送信完了すると、基地局14に対してもビジー信号を送信するとともに、基地局4の送信出力抑制を停止する。
【0083】
基地局15に在圏する移動局が発信した場合、基地局15は、基地局4と干渉し、基地局5と干渉しないため、基地局15に対してもビジー信号を送信し、基地局5及び基地局15の送信完了と同時に基地局4の送信出力抑制を停止する。
【0084】
基地局16に在圏する移動局が発信した場合、基地局16は、基地局4及び5と干渉しないため、基地局16に対してもビジー信号を送信し、また基地局5の送信完了と同時に基地局4の送信出力抑制を停止する。
【0085】
このように、移動局6が使用中の無線基地局(基地局4)に対して瞬間的に送信出力を抑制し、他無線基地局(基地局5)に対してビジー信号を送出中、または、上記ビジー信号送信完了と同時に送信出力を抑制中の無線基地局(基地局4)の送信出力を抑制停止するまでの間に、
図9に示すように、他無線基地局(基地局5)とはさらに異なる無線基地局のエリアより移動局から同じ無線チャネルCH1にて発信操作が行われた場合、回線制御装置3にて
図10に示すような無線基地局間の干渉度合テーブルを予めパタメータとしてもち、上記設定に基づいて、各無線基地局にビジー信号を送信する。
【0086】
この際の送信出力の抑制値も回線制御装置にて最適な送信出力に演算可能とするが、複数無線基地局となるため、21dB以上の電力差をとれない場合は、瞬間的送信を停止することで干渉問題を回避できる。
【0087】
図10に示した無線基地局間の干渉度を示したパラメータを参照することにより、無線基地局数がn個の無線基地局の場合においても、無線基地局間の干渉を避けて、ビジー信号を送信可能となる。なお、n個の無線基地局は、同様の動作をすることで干渉を考慮しビジー信号を送信可能となるが、実際の運用を考慮すると、同時に発生するのは、第3の無線基地局の場合までと考える。
【0088】
以上のように、本実施の形態を用いれば、発信操作が行われた移動局がいる無線基地局が複数存在する場合においても、ビジー信号を送信し、通信可否の不一致を防ぐことが可能となる。その理由は、回線制御装置にてもつ基地局間の干渉度合テーブルを参照し、上記パラメータに基づき、ビジー信号を送信するためである。
【0089】
(実施の形態3)
実施の形態1では回線制御装置が自動的に基地局の送信を制御していたが、例えば、指令卓からの指示により基地局の送信を制御してもよい。
【0090】
すなわち、実施の形態1の
図8では、移動局8が送信対象外の無線基地局(基地局5)のエリアにて同じ無線チャネルで発信した信号を回線制御装置3が受信したのと同時に、基地局4の送信を抑制し、基地局5からビジー信号を送信し、ビジー送信が終了したタイミングで基地局4の送信を抑制停止することを自動にて制御している。
【0091】
例えば、
図11のステップS5a、ステップS9aに示すように、任意のタイミングで指令卓1から手動操作により、無線基地局の送信の抑制及び抑制停止を行ってもよい。すなわち、指令卓1を操作者が操作し(
図11のステップS5a、ステップS9a)、回線制御装置3が指令卓1から操作通知を受けると、ビジー信号を基地局5から送信する(
図11のステップS6、S10)。
【0092】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0093】
上述の実施形態における各構成は、ハードウェア又はソフトウェア、もしくはその両方によって構成され、1つのハードウェア又はソフトウェアから構成してもよいし、複数のハードウェア又はソフトウェアから構成してもよい。基地局や回線制御装置、移動局の各機能(各処理)を、CPUやメモリ等を有するコンピュータにより実現してもよい。例えば、記憶装置に実施形態における通信方法(制御方法)を行うための通信プログラム(制御プログラム)を格納し、各機能を、記憶装置に格納された通信プログラム(制御プログラム)をCPUで実行することにより実現してもよい。
【0094】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0095】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0096】
(付記1)
SCPC方式の消防救急デジタル無線システムにおいて、所定の無線フレームフォーマットの未定義領域に、ビジー信号情報(任意の保持時間を設定可能)を生成し、上記ビジー信号を回線制御装置が無線基地局に対して要求可能であり、上記ビジー信号を受信し、移動局に対して送信可能な無線基地局と、上記ビジー信号を受信した移動局は、任意の時間ビジー状態を保持可能な移動通信システム。
【0097】
(付記2)
付記1を具備した消防救急デジタル無線システムにおいて、同じ無線チャネルにより複数無線基地局から送信した場合の干渉を避けるために、指令卓、遠隔制御器及び無線基地局から無線基地局の送信出力を任意のタイミングで、抑制及び抑制停止可能なシステム。
【0098】
(付記3)
付記2に示したシステムにおいて、無線基地局の送信出力の抑制値に関して、同じ無線チャネルにて同時送信した場合の無線基地局間の干渉を避けるため、最適な送信出力を演算可能な回線制御装置。
【0099】
(付記4)
付記1、2、または3を具備した移動通信システムにおいて、移動局Aが相手端末との通信のために無線基地局Aを使用し、無線チャネルCH1で発信(発呼)した際に、無線基地局Aのエリアにいた他移動局Bが、ビジー信号伝達対象外(無線基地局Aの電波が届かない場所)の無線基地局Bに移動した場合もしくは初めから無線基地局Bにいる状態で、同じ無線チャネルCH1で発信した際、ビジー信号を受信できないため、発信可能となるが、移動局Aにて通信中のため、回線制御装置にて音声を切断され、通信可否の不一致が発生する状況で、無線基地局Aを使用して現在通信中の移動局Aの運用を極力妨げることなく、同じ無線チャネルCH1の同時送信による干渉を避け同じ無線チャネルCH1にて無線基地局Bにいる移動局Bに通信中であることを知らせるために、回線制御装置から無線基地局Aに対して瞬間的に送信出力を抑制している間送信可能となる時間、無線基地局Bより、通常のビジー信号とは別に付記1に記載の所定のフォーマットに生成する特定の時間保持させるビジー信号を自動若しくは指令卓等から手動操作にて送信し、上記ビジー信号を受信した移動局Bは、特定の時間ビジー状態を保持可能なシステム。
【0100】
(付記5)
付記4に示した状況において、現在、移動局Aが使用中の無線基地局Aに対して瞬間的に送信出力を抑制し、他無線基地局Bに対して自動若しくは指令卓等から手動操作にて付記1に示したビジー信号を送出中、または、上記ビジー信号送信完了と同時に送信出力を抑制中の無線基地局Aの送信出力を抑制停止するまでの間に、他無線基地局Bとはさらに異なる無線基地局Cのエリアより移動局から同じ無線チャネルCH1にて発信操作が行われた場合、回線制御装置にてあらかじめ設定可能な無線基地局間の干渉度合テーブルを参照し、上記設定に基づいて、各無線基地局に付記1に示したビジー信号を送信し、さらに発信操作が行われた移動局がいる無線基地局が複数存在する場合、上記、同様の動作を行うシステム。
【0101】
(付記6)
付記5に示した移動通信システムにおいて、無線基地局間の干渉度合テーブルをパラメータとして設定可能な回線制御装置。