【課題を解決するための手段】
【0010】
(C−1)上記の目的を達成するために本発明は、作業機本体と、該作業機本体に角度調節可能に設けられているリーダと、該リーダに対して移動可能に換装されており、チャック部と、通し部と、セットした杭を圧入するための押圧部とを有する掘進駆動部と、該掘進駆動部の前記通し部にスライド可能に通した状態で、前記チャック部によりチャッキングされるオーガと、前記リーダに設けられ、前記オーガを回転可能に保持することによる振れ止めと、前記オーガの固定とを切り替えて行うことができるオーガ保持部とを備える杭打ち機である。
【0011】
本発明の杭打ち機は、まず、地盤改良を行う所定の場所の地盤に定置される。リーダは、通常は鉛直方向に設定される。なお、リーダは、鉛直方向に対して所要角度だけ傾斜させて設定されることもある。掘進駆動部は、リーダに沿ってどちらの方向へも移動が可能である。掘進駆動部の移動は、例えばチェーン駆動により行う構造が採用されるが、これに限定されるものではない。
【0012】
掘進駆動部には、オーガが通し部に通された状態で、チャック部でチャッキングして取り付けられる。オーガの下部は、オーガ保持部で回転可能に保持されており、この状態では、オーガ保持部は、回転するオーガの振れ止めとしての機能を有する。
【0013】
また、チャック部は、掘進駆動部が備える回転駆動部により回転するように設けられており、オーガには、チャッキングによって、回転駆動部の回転力が伝わるようになっている。オーガは、チャック状態では、リーダと平行、すなわち通常は鉛直方向に設定される。そして、掘進駆動部がオーガを回転させながら下降することにより、地盤に案内孔を削孔することができる。
【0014】
また、掘進駆動部は、オーガのチャック状態を解除した状態においては、オーガの立った状態を維持しながら、自身はリーダに沿って移動することができる。オーガの先部が地盤に固定された状態で、掘進駆動部の移動が行われる場合は、オーガの上部が実質的に掘進駆動部のガイドとなるので、安定的な移動が可能である。
【0015】
掘進駆動部をリーダに沿って上昇させて、オーガを案内孔から抜き取り、オーガを案内孔の位置からずらして、押圧部を案内孔の位置に合わせるようにする。押圧部に杭をセットし、杭の先端が案内孔の位置に合うようにする。そして、オーガのチャック状態を解除し、その状態で掘進駆動部を下降させることにより、杭を押圧部で押圧して、案内孔に所要深さまで圧入することができる。
【0016】
また、杭打ち機は、掘進機構と圧入機構が別々ではなく、掘進駆動部に押圧部を設けることで、圧入機構としての機能も付与した構成となっている。これにより、掘進機構と圧入機構が、それぞれに独立して設けられている従来の杭打装置と比較して、構造がより簡易な構造となっており、軽量化されている。したがって、作業において杭打ち機の各部にかかる負荷を、従来のものより軽減することができ、より低重心で、安定的な作業が可能になる。
【0017】
杭の圧入において、必要な押圧力が比較的小さい場合、例えば地盤がやや軟らかかったり、杭の径がやや小さかったりする場合等は、上記のようにして地盤に杭を圧入することができる。しかしながら、杭の圧入に必要な押圧力が比較的大きい場合、例えば地盤がやや固かったり、杭の径がやや大きかったりする場合、あるいは杭を接ぎ足してより深く圧入する場合等は、杭打ち機が杭の圧入の際の反力で浮き上がることがないようにする。
【0018】
すなわち、この場合は、案内孔に杭を圧入した状態から、掘進駆動部を所要高さまで上昇させ、チャック部でオーガをチャッキングする。そして、この状態で掘進駆動部を下降させ、オーガによって地盤に固定用孔を削孔し、オーガを地盤に固定する。固定用孔の削孔は、オーガに設けられているスクリューが地盤に噛んで容易に抜けないように、オーガの回転力を調節することが好ましい。
【0019】
オーガが地盤に固定されたら、リーダに設けられ、オーガを通しているオーガ保持部が、オーガを掴むように保持する。これにより、オーガはオーガ保持部に対し、回転もスライドもできない状態となり、オーガとリーダ及び作業機本体は一体化する。掘進駆動部のチャック部によるオーガのチャック状態を解除し、掘進駆動部を所要高さまで上昇させる。この状態で、押圧部には、杭がセットされる。この場合の杭は、案内孔に最初に圧入される杭である場合もあるし、このような先行する杭の後に接がれる追い杭である場合もある。
【0020】
押圧部に杭をセットした後、掘進駆動部を下降させて、杭を案内孔に圧入する。このとき、押圧部を介して、掘進駆動部に作用する押圧力の反力(押圧力と反対方向の同じ強さの力)は、オーガに作用する引っ張り力によって相殺され、作用・反作用の力のバランスがとれるため、杭打ち機のリーダ側が浮き上がることを抑止することができ、杭の圧入を円滑に行うことができる。
【0021】
(C−2)本発明にかかる杭打ち機は、前記杭を吊り込んで前記押圧部にセットするための吊込手段を備える構成とすることもできる。
【0022】
この場合は、吊込手段によって、杭を吊り上げて、そのヘッド部を押圧部にセットすることができる。地盤に圧入されて建て込まれる杭は、一般に木杭、コンクリート杭、あるいは鋼管杭等であり、重量物であるため、吊込手段を使用することで、杭の吊り込み作業を効率よく安全に行うことができる。
【0023】
(C−3)本発明にかかる杭打ち機は、前記通し部の中心と前記押圧部の中心が、前記作業機本体が有する旋回部の旋回軸を中心とした同一の円弧上にある構成とすることもできる。
【0024】
この場合は、オーガで案内孔を削孔して、地盤から抜き取った後、作業機本体の旋回部(例えば運転室)を所定角度だけ旋回させて、オーガを案内孔の位置からずらすことにより、案内孔の上方に押圧部が重なるように位置する。これにより、押圧部に杭をセットしたときに、通常は垂下されてセットされる杭の先端を自動的に案内孔に合うように位置させることができる。
【0025】
(C−4)上記の目的を達成するために、本発明に係る杭打ち方法は、オーガをチャッキングした掘進駆動部を下降させて、前記オーガにより地盤に案内孔を削孔する工程と、前記掘進駆動部を上昇させて、前記オーガを前記案内孔から抜き取る工程と、前記オーガを前記案内孔の位置からずらすと共に、前記掘進駆動部が有する押圧部を前記案内孔の位置に合わせる工程と、前記押圧部に杭をセットする工程と、前記オーガのチャック状態を解除し、前記掘進駆動部を下降させて、前記押圧部で前記杭を押圧して、前記案内孔に圧入する工程とを備える。
【0026】
本発明の杭打ち方法においては、オーガをチャッキングした掘進駆動部を下降させて、オーガにより地盤に案内孔を削孔し、いわゆるプレボーリングを行う。これにより、後の案内孔への杭の圧入を、それほど大きな押圧力を要することなく、決められた方向へ安定的に行うことができる。
【0027】
また、掘進駆動部を上昇させて、オーガを案内孔から抜き取ることにより、杭の圧入のためのガイドとなる案内孔を形成することができる。
【0028】
そして、オーガを案内孔の位置からずらすと共に、掘進駆動部が有する押圧部を案内孔の位置に合わせる。これにより、杭を押圧部にセットしたとき、杭を案内孔の位置に合わせる作業がしやすくなる。押圧部に杭をセットすることにより、杭は押圧部による圧入が可能な所定の位置、すなわち案内孔に先端部が合うように位置する。
【0029】
オーガのチャック状態を解除し、掘進駆動部を下降させて、押圧部で杭を押圧し、案内孔に圧入することにより、オーガに無用な負荷をかけることなく、地盤への杭の建て込みを行うことができる。
【0030】
また、この杭打ち方法では、掘進駆動部に押圧部による圧入機構としての機能も付与して杭の圧入を行う。これにより、掘進機構と圧入機構が、それぞれに独立して設けられている従来の杭打装置を使用する杭打ち方法と相違して、掘進機構と圧入機構がより簡易な構造となっていることで、軽量化された機械を使用して行うことができる。したがって、作業において杭打ち機にかかる負荷を、従来のものより軽減することが可能になる。
【0031】
(C−5)上記の目的を達成するために、本発明に係る杭打ち方法は、オーガをチャッキングした掘進駆動部を下降させて、前記オーガにより地盤に案内孔を削孔する工程と、前記掘進駆動部を上昇させて、前記オーガを前記案内孔から抜き取る工程と、前記オーガを前記案内孔の位置からずらすと共に、前記掘進駆動部が有する押圧部を前記案内孔の位置に合わせる工程と、前記押圧部に杭をセットする工程と、前記オーガのチャック状態を解除し、前記掘進駆動部を下降させて、前記押圧部で前記杭を押圧して、前記案内孔に圧入する工程と、前記掘進駆動部を上昇させて前記オーガの所要箇所をチャッキングする工程と、前記掘進駆動部を下降させて、前記オーガにより地盤に固定用孔を削孔して、前記オーガを地盤に固定する工程と、前記オーガのチャック状態を解除し、前記掘進駆動部を上昇させて、前記押圧部に追い杭をセットする工程と、前記リーダが有する保持部で前記オーガを掴んで固定する工程と、前記掘進駆動部を下降させて、前記杭に当てた前記追い杭を前記押圧部で押圧し、前記杭と共に前記案内孔に圧入する工程とを備える。
【0032】
本発明の杭打ち方法においては、オーガをチャッキングした掘進駆動部を下降させて、オーガにより地盤に案内孔を削孔し、いわゆるプレボーリングを行う。これにより、後の案内孔への杭の圧入を、それほど大きな押圧力を要することなく、決められた方向へ安定的に行うことができる。
【0033】
また、掘進駆動部を上昇させて、オーガを案内孔から抜き取ることにより、杭の圧入のためのガイドとなる案内孔を形成することができる。
【0034】
そして、オーガを案内孔の位置からずらすと共に、掘進駆動部が有する押圧部を案内孔の位置に合わせる。これにより、杭を押圧部にセットしたとき、杭を案内孔の位置に合わせる作業がしやすくなる。押圧部に杭をセットすることにより、杭は押圧部による圧入が可能な所定の位置、すなわち案内孔に先端部が合うように位置する。
【0035】
オーガのチャック状態を解除し、掘進駆動部を下降させて、押圧部で杭を押圧し、案内孔に圧入することにより、オーガに無用な負荷をかけることなく、地盤への杭の建て込みを行うことができる。
【0036】
次に、掘進駆動部を所要高さまで上昇させて、オーガをチャッキングすることにより、オーガによって、地盤に対して削孔することが可能になる。
【0037】
掘進駆動部を下降させて、オーガにより地盤に固定用孔を削孔して、オーガを地盤に固定することにより、固定されたオーガは掘進駆動部が移動する際のガイドとして機能することができるようになる。
【0038】
オーガのチャック状態を解除し、掘進駆動部を上昇させて、押圧部に追い杭をセットすることにより、案内孔に先に圧入した杭のヘッド部(施工時では上端部)に、追い杭の先端を当てることが可能になる。
【0039】
リーダが有する保持部でオーガを掴んで固定することにより、地盤に固定されているオーガとリーダが、オーガ保持部を介して一体化する。これにより、杭打ち機のリーダ側は、容易には上方へ浮き上がることがなく、杭打ち機の姿勢が安定する。
【0040】
押圧部に杭をセットした後、掘進駆動部のチャック部によるオーガのチャック状態を解除し、掘進駆動部を下降させて、杭を案内孔に圧入する。このとき、押圧部を介して、掘進駆動部に作用する押圧力の反力は、オーガに作用する引っ張り力によって相殺され、作用・反作用の力のバランスがとれるため、杭打ち機のリーダ側が浮き上がることを抑止することができ、杭の圧入を円滑に行うことができる。
【0041】
このように、掘進駆動部を下降させて、杭に当てた追い杭を押圧部で押圧し、杭と共に案内孔に圧入することにより、必要数の追い杭を接ぎ足しながら、杭を必要な深さまで圧入することができる。
【0042】
また、この杭打ち方法では、掘進駆動部に押圧部による圧入機構としての機能も付与して杭の圧入を行う。これにより、掘進機構と圧入機構が、それぞれに独立して設けられている従来の杭打装置を使用する杭打ち方法と相違して、掘進機構と圧入機構がより簡易な構造となっていることで、軽量化された装置を使用して行うことができる。したがって、作業において杭打ち機にかかる負荷を、従来のものより軽減することができ、より低重心で、安定的な作業が可能になる。