(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
プリント基板に装備されたLSI等の電子機器は発熱するため、ヒートシンクによって冷却されているのが一般的である。
このヒートシンクとプリント基板とを一体的に固定する方法としては、接着剤や両面テープ等を用いることもあるが、機械的な保持手段により固定することが望ましい。
【0003】
そして、ヒートシンクとプリント基板とを固定する保持手段として、
図8,9に示すようなプッシュピン方式のヒートシンクの固定構造80が挙げられる。
すなわち、
図8,9に示すヒートシンクの固定構造80は、熱源となる電子機器の一例としての小型のLSI92等を装備したプリント基板90に、LSI92等を冷却するためにヒートシンク81を固定する構造である。このヒートシンクの固定構造80では、ヒートシンク81を構成する本体プレート部81Aに、コイルバネ88とプッシュピン85とを取り付け、そのプッシュピン85を、プリント基板90に貫通してあけられた基板孔90Aに差し込んで固定する構造となっている。
プッシュピン85の先端にはクリップ部85Cが設けられており、このクリップ部85Cは、基板孔90Aを通過した後に拡開し、その基板孔90Aから抜け出ないような機能を有している。つまり、ヒートシンク81をプリント基板90に確実に固定することができるようになっている。
【0004】
また、プッシュピン方式のヒートシンクの固定構造と直接的な関連はないが、上記プッシュピンに類似するものとして、スティックピンを用いた装身具用ピンおよび装身具が知られている(特許文献1参照)。
この特許文献1に開示された装身具用ピンおよび装身具では、スティックピンが基部の延長上に設けられており、この基部に対してスティックピンが直立状態と倒れた状態とで確実に保持される構造となっている。
【0005】
さらに、ヒートシンクをカバーに取り付け、固定する電子アセンブリのためのヒートシンク・クリップが知られている(特許文献2参照)。
この特許文献2に開示された電子アセンブリのためのヒートシンク・クリップでは、軸から延びるスプリング・アームを備えている。
ファスナは、カバーを電子アセンブリのヒートシンクに装着することができ、また、軸はカバーのボス内に挿入されるようになっている。そして、スプリング・アームは、ヒートシンク力を働かせ、シンクを電子アセンブリの集積回路パッケージに押し込むことができるような構成となっている。
軸の先端部には、逆目部分が形成されており、この逆目部分はボスに挿入および埋め込まれるような構成となっている。
【0006】
また、ヒートシンクが保持部材によって集積回路素子または基板に取付ける構造の電子装置も知られている(特許文献3参照)。
この特許文献3に開示された電子装置では、ヒートシンクが保持部材によって集積回路素子または基板に取付けられることができ、且つヒートシンクの取付け作業を簡単に行えるようにしたものである。
この電子装置では、クリップの先端に、基板の貫通孔に挿入後、その貫通孔から抜けないようにフックが形成されており、そのようなクリップはヒートシンクにバネを介して設けられた構成となっている。そして、フックの先端にはフックから延びたつまみが形成されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、
図8,9に示す従来のプッシュピン方式のヒートシンクの固定構造80では、特に
図9(A),(B)に示すように、コイルバネ88の反力により、取り付け時にヒートシンク81が傾いたり、プッシュピン85とプリント基板90の基板孔90Aの位置合わせに手間取ることがある。
すなわち、プッシュピン85をプリント基板90の基板孔90Aに押し込む際、片方のプッシュピン85を押し込むと、コイルバネ88の付勢力でヒートシンク81の他方が浮き上がり、プッシュピン85と基板孔90Aとが離れてしまうため位置合わせが難しくなり、その結果、取付け作業が手間取り、作業効率が悪いという問題が生じている。
【0009】
また、上記特許文献1に開示された装身具用ピンおよび装身具では、スティックピンが基部の延長上に設けられており、この基部に対してスティックピンが直立状態と倒れた状態とで確実に保持される構造となっているが、ヒートシンクをプリント基板に固定する構造とは関連性がない。
【0010】
さらに、上記特許文献2に開示された電子アセンブリのためのヒートシンク・クリップでは、軸がカバーのボス内に挿入されるようになっており、軸の先端部に形成された逆目部分がボスに挿入および埋め込まれるような構成となっているが、逆目部分は単にボスから抜けにくいようになっているだけであり、強く引っ張ればボスから抜け出る構成であり、確実な固定にはならないという課題がある。
【0011】
また、上記特許文献3に開示された電子装置では、クリップの先端に、基板の貫通孔に挿入後、その貫通孔から抜けないようにフックが形成されており、フックの先端にはフックから延びたつまみが形成されているが、このつまみは、クリップを基板の貫通孔から抜き出すためのものであり、フックの一構成部である。そのため、フックを基板の貫通孔に挿入する際のガイドの役割を果たしておらず、取付け作業がし難いという課題がある。
【0012】
〔発明の目的〕
本発明の目的は、熱源となる電子機器を装備したプリント基板に、ヒートシンクを簡単な構造で容易にかつ確実に取付けて固定することができ、作業性の向上を図れるようになるヒートシンクの固定構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するために、本願発明のヒートシンクの固定構造は、熱源となる電子機器を装備しかつ取付け用の基板孔を有するプリント基板に前記電子機器を冷却するヒートシンクを取付けて固定するヒートシンクの固定構造であって、
前記ヒートシンクを前記プリント基板に固定するプッシュピンと、
このプッシュピンに形成された頭部フランジと前記ヒートシンクとの間に設けられ前記頭部フランジを前記ヒートシンクから離れる方向に付勢する付勢手段とを備え、
前記プッシュピンを、前記ヒートシンクに設けられた複数の取付け孔および前記基板に設けられ前記各取付け孔に対応する基板孔のそれぞれに挿通可能な形状とすると共に、前記プッシュピンの先端側に前記基板孔を挿通可能かつ挿通後に拡開する機能を備えたクリップ部を有する形状とし、かつ当該クリップ部の先端側に
そのクリップ部から延出した延出部を有する形状とし、
前記クリップ部の先端と前記延出部との境界部に、当該延出部の先端を相手部材に押し付けたとき前記境界部から前記延出部が折れる切れ目を形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本願発明のヒートシンクの固定構造によれば、プッシュピンに形成されたクリップ部の先端側に延出部が設けられており、ヒートシンクをプリント基板に取り付ける際に、それぞれのプッシュピンの延出部をプリント基板の各基板孔に差し込んで仮留めすることができる。そのため、一方のプッシュピンを押し込んだ際でも、他方のプッシュピンが片浮きし難くなるので、ヒートシンクの取り付け作業が容易になる。
また、プッシュピンにクリップ部が形成されており、このクリップ部は、プリント基板の基板孔を挿通後に拡開する機能を備えているので、ヒートシンクをプリント基板に確実に固定することができる。
さらに、プリント基板がシャーシに取り付けられている場合でも、ヒートシンクをプリント基板に取り付けたとき、プッシュピンの延出部がシャーシに当接して折れるようになっているので、延出部がシャーシに対して邪魔にならない。そのため、プリント基板がシャーシに取り付けられている場合でも、ヒートシンクをプリント基板に確実に固定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、
図1〜4を参照して、本発明に係るヒートシンクの固定構造の第1実施形態を詳細に説明する。
【0017】
図1は、本第1実施形態のヒートシンクの固定構造10を構成するヒートシンク11とプリント基板20とを示す分解斜視図であり、
図2は、ヒートシンク11をプリント基板20に取付ける途中の状態を示す斜視図であり、
図3は、ヒートシンク11をプリント基板20に取付けて固定した後の状態をプリント基板20の裏側から見た全体斜視図であり、
図4は、プッシュピン15の詳細を示す正面図である。
【0018】
図1〜4に示すように、本第1実施形態のヒートシンクの固定構造10は、熱源となる電子機器(本実施形態ではLSI22)を装備しかつ取付け用の基板孔20Aを有するプリント基板20に、上記LSI22を冷却するために、ヒートシンク11を取付けて固定する構造である。
そして、ヒートシンクの固定構造10は、ヒートシンク11をプリント基板20に固定するプッシュピン15と、このプッシュピン15に形成された頭部フランジ15Bとヒートシンク11との間に設けられ、頭部フランジ15Bをヒートシンク11から離れる方向に付勢する付勢手段であるコイルバネ18とを備えて構成されている。
【0019】
まず、ヒートシンク11を説明する。
ヒートシンク11は、LSI22と当接する本体プレート部11Aと、当該本体プレート部11Aの上面に一体的に設けられた複数枚のフィン部11Bとで構成されている。
本体プレート部11Aは、平面略矩形形状に形成され、その一つの対角線上の位置に、それぞれ外側に突出する舌状の突出部11C,11Cが設けられている。
【0020】
これらの突出部11C,11Cには、
図4に詳細を示すように、ヒートシンク11をプリント基板20に取付け、固定するために用いられるプッシュピン15用の取付け孔11D,11Dがそれぞれあけられている。
上記のようなヒートシンク11は、熱が伝導しやすいアルミニウムや銅などの金属材料で形成されている。
【0021】
上記プッシュピン15は、上述したように、突出部11C,11Cにあけられた取付け孔11D,11Dに挿通されると共に、ヒートシンク11をプリント基板20に取付けて固定することができるようになっている。
すなわち、
図4に詳細を示すように、プッシュピン15は略棒状に形成されており、軸本体15Aと、この軸本体15Aの一端部には上記取付け孔11Dの径寸法より大きな頭部フランジ15B(
図1,2参照)と、軸本体15Aの他端部側に形成されたクリップ部15Cと、このクリップ部15Cよりさらに先端側に当該クリップ部15Cから所定寸法延出した延出部15Fとを有して形成されている。
【0022】
クリップ部15Cは、中央部の細径軸部15Dから左右両側に斜めに立ち上がった係止部15E,15Eを有する正面視略山形形状に形成されており、係止部15E,15Eが縮小、拡開できるような機能を備えている。
係止部15E,15Eの外側寸法は、上記本体プレート部11Aにおける突出部11Cにあけられた取付け孔11Dの内径寸法より大きな寸法に設定されている。
【0023】
そのため、クリップ部15Cを取付け孔11Dに挿入するときは係止部15E,15Eが縮小し、挿入後は係止部15E,15Eが拡開して係止することになり、これにより、プッシュピン15が突出部11C、ひいてはヒートシンク11の本体プレート部11Aから抜け出るのを防止することができる。
【0024】
また、プッシュピン15のクリップ部15Cよりさらに先端側には、上述のようにクリップ部15Cから所定寸法延出した延出部15Fが設けられている。
この延出部15Fは、ヒートシンク11をプリント基板20に取り付ける際に、上記係止部15E,15Eが基板20にあけられた基板孔20A,20A位置に接触するまで、まず、延出部15Fの先端15FAをプリント基板20にあけられた基板孔20Aに差し込み、その後の取付け作業を容易にするためのガイドの役割を果たすものである。
そのため、基板孔20Aは前記取付け孔11Dに対応してあけられている。
【0025】
図4に示すように、プッシュピン15の延出部15Fの先端15FAは、先細り形状に形成されており、プリント基板20の基板孔20Aに挿入しやすいようになっている。
基板孔20Aの外径寸法は、前記クリップ部15Cの係止部15E,15Eが縮小したとき挿通できる大きさに形成されている。そのため、クリップ部15Cを基板孔20Aに挿入するときは係止部15E,15Eが縮小し、挿入後は係止部15E,15Eが拡開することになり、これにより、プッシュピン15を基板20に係止することができる。
【0026】
プッシュピン15に形成された頭部フランジ15Bと上記本体プレート部11Aの突出部11Cとの間には、頭部フランジ15Bを本体プレート部11Aの突出部11Cから常時離れる方向に付勢する前記コイルバネ18が介装されている。
そのため、頭部フランジ15Bをコイルバネ18の付勢力に抗して押圧すれば、クリップ部15Cの係止部15Eがプリント基板20の基板孔20Aを挿通する。
その後、頭部フランジ15Bの押圧を解除すれば、頭部フランジ15Bはコイルバネ18の付勢力により初期位置に戻るので、係止部15Eが拡開した状態で基板20の裏面に係止されることになる。
【0027】
次に、ヒートシンク11をプリント基板20に取り付ける手順を説明する。
まず、
図2に示すように、ヒートシンク11の突出部11C,11Cの取付け孔11Dにプッシュピン15の延出部15Fの先端15FAを挿入する。この際、プッシュピン15の係止部15Eは本体プレート部11Aにおける突出部11C,11Cの取付け孔11Dを挿通させておき、また、突出部11C,11Cとプッシュピン15の頭部フランジ15Bとの間には、予めコイルバネ18が介装されている。
【0028】
その状態から、
図2に矢印Aで示すように、2本のプッシュピン15のそれぞれの頭部フランジ15Bを、コイルバネ18の付勢力に抗して押し込み、プッシュピン15の係止部15Eをプリント基板20の基板孔20Aに挿通させる。
そうすると、
図4にも示すように、プッシュピン15の係止部15Eが基板孔20Aを通過後に拡開し、プッシュピン15、ひいてはヒートシンク11がプリント基板20から抜け出るのを防止することができる。つまり、ヒートシンク11をプリント基板20に固定することができる。
【0029】
万が一、ヒートシンク11をプリント基板20から取り外したい場合が生じたら、係止部15Eの両端を、互いが近づく方向に押した状態で基板孔20Aに、取付け時とは反対方向に挿入した後、プッシュピン15の頭部フランジ15Bを引っ張ればヒートシンク11をプリント基板20から取り外すことができる。
【0030】
以上に説明したように、第1実施形態のヒートシンクの固定構造10によれば、次のような効果が得られる。
(1)プッシュピン15に形成されたクリップ部15Cの先端側に延出部15Fが設けられており、ヒートシンク11をプリント基板20に取り付ける際に、それぞれのプッシュピン15の延出部15Fをプリント基板20の基板孔20Aに差し込んで仮留めすることができる。そのため、一方のプッシュピン15を押し込んだ際でも、他方のプッシュピン15が片浮きし難くなるので、ヒートシンク11の取り付け作業が容易になる。
【0031】
(2)プッシュピン15にクリップ部15Cが形成されており、このクリップ部15Cは、プリント基板20の基板孔20Aを挿通後に拡開する機能を備えているので、プッシュピン15、ひいてはヒートシンク11がプリント基板20から抜け出るのを防止することができ、これにより、ヒートシンク11をプリント基板20に確実に固定することができる。
【0032】
(3)ヒートシンク11を構成する本体プレー部11Aの対角線上の突出部11C,11Cのそれぞれに、プッシュピン15,15が設けられているので、ヒートシンク11を安定した状態で固定することができる。
【0033】
(4)頭部フランジ15Bをコイルバネ18の付勢力に抗して押圧し、プッシュピン15の係止部15Eをプリント基板20の基板孔20Aに挿通させると、挿通後に係止部15Eが拡開する。その後、頭部フランジ15Bの押圧を解除すれば、コイルバネ18の付勢力により頭部フランジ15Bが初期位置に戻り、係止部15Eが基板20の裏面に係止されるので、プッシュピン15の頭部フランジ15Bを押し込み、その後離すだけでヒートシンク11をプリント基板20に固定することができる。その結果、取付け作業が容易となる。
【0034】
(5)プッシュピン15の延出部15Fの先端15FAは先細り形状に形成されているので、ヒートシンク11をプリント基板20に取付ける際、延出部15Fをプリント基板20の基板孔20Aに挿入しやすく、これにより、取付け作業が容易となる。
【0035】
次に、
図5を参照して、本発明に係るヒートシンクの固定構造の第2実施形態を詳細に説明する。
【0036】
本第2実施形態のヒートシンクの固定構造30では、プリント基板20がシャーシ32に取り付けられている場合のプッシュピン35の先端形状を、前記第1実施形態のプッシュピン15の形状と異なる形状としたものである。
すなわち、
図5に示すように、第2実施形態のプッシュピン35は、そのクリップ部35Bと延出部35Fとの境目に所定の切れ目35Gが形成されている。この切れ目35Gは、延出部35Fの先端をシャーシ32に押し当てたとき、上記境目から斜めに曲がるか、あるいは折れるような切込み寸法に設定されている。
なお、この第2実施形態では、そのプッシュピン35のみが第1実施形態のプッシュピン15と異なり、他の構成部は同じなのでそれらには同一符号を付し、プッシュピン35のみ符号を変えて説明してある。
【0037】
第2実施形態のヒートシンクの固定構造30によれば、前記(1)〜(5)と略同様の効果の他、次のような効果を得ることが出来る。
(6)プリント基板20がシャーシ32に取り付けられている場合でも、ヒートシンク11をプリント基板20に取り付けたとき、プッシュピン35の延出部35Fがシャーシ32に当接して折れるようになっているので、延出部15Fがシャーシ32に対して邪魔にならない。そのため、プリント基板20がシャーシ32に取り付けられている場合でも、ヒートシンク11をプリント基板20に確実に固定することができる。
【0038】
以上、前記各実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は前記各実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得るさまざまな変更を加えることが出来る。また、本発明には、上記実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
【0039】
例えば、前記第2実施形態では、プッシュピン35の延出部35Fの先端側が先細り形状に形成されているが、延出部35Fの先端を、
図6に示すような形状としてもよい。
すなわち、延出部35Fの先端断面形状が、切れ目35G側から反対側先端に向かって傾斜する傾斜面部35Hを有する形状に形成されている。そして、反対側先端は小さなR形状に形成されている。
このようにすれば、前記(1)〜(6)と略同様の効果の他、次のような効果を得ることが出来る。
(7)プッシュピン35の延出部35Fの先端側が折れやすい形状となっているので、少しの圧力で折ることができ、作業が容易である。
【0040】
また、前記第2実施形態では、プッシュピン35が、係止部35Dと延出部35Fとの境目に所定の切れ目35Gが形成された形状に形成されているが、これに限らない。
図7に示すように、プッシュピン45の延出部45Fをプッシュピン45と別部材で形成すると共に、プッシュピン45のクリップ部45Cと延出部45Fとを板バネ48で連結してもよい。なお、延出部45Fには傾斜面部45Hが形成されている。
この場合、プッシュピン45の延出部45Fがプリント基板20の基板孔20Aに挿入された後、シャーシ32に押し当てられたとき、板バネ48の付勢力に抗してシャーシ32から離れる方向に回動する。
【0041】
このようにすれば、前記(1)〜(5)と略同様の効果の他、次のような効果を得ることが出来る。
(8)前記第2実施形態では、折られた延出部35Fがシャーシ32の内部に転がった状態で放置されることになるので、転がった延出部35Fが、シャーシ32の内部に装備されている他の部品に衝突したりして悪影響を及ぼすことも考えられるが、本変形形態では、延出部45Fが板バネ48に保持されているので、転がった状態で放置されることがない。その結果、シャーシ32の内部に装備されている他の部品に悪影響を及ぼすことがなくなる。
【0042】
さらに、前記各実施形態では、プッシュピン15,35,45をヒートシンク11の対角線上の2箇所に設けたが、これに限らない。例えば、これらと直交する2箇所にも設けて合計4箇所にプッシュピンを設けてもよい。このようにすれば、より確実にかつ安定してヒートシンクをプリント基板に固定することができる。
【0043】
また、前記各実施形態では、付勢手段としてコイルバネで構成したが、これに限らない。同様の機能を発揮できるものであれば、板バネで構成してもよい。