特許第6192125号(P6192125)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6192125表示装置、マルチ表示システム、およびマルチ表示方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6192125
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】表示装置、マルチ表示システム、およびマルチ表示方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20170828BHJP
   G09G 5/391 20060101ALI20170828BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
   G09G5/00 510V
   G09G5/00 555D
   G09G5/00 520V
   G09G5/00 550D
   G09G5/00 550X
   H04N5/74 Z
【請求項の数】8
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-557302(P2014-557302)
(86)(22)【出願日】2013年1月21日
(86)【国際出願番号】JP2013051075
(87)【国際公開番号】WO2014112120
(87)【国際公開日】20140724
【審査請求日】2015年7月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】300016765
【氏名又は名称】NECディスプレイソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】片岡 亨
【審査官】 橋本 直明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−083572(JP,A)
【文献】 特開2004−102063(JP,A)
【文献】 特開2001−356752(JP,A)
【文献】 特開2009−055149(JP,A)
【文献】 特開2010−161675(JP,A)
【文献】 米国特許第8072549(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00
G09G 5/391
H04N 5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号源が出力する映像信号に応じた画像の一部をそれぞれ表示する複数の表示装置が縦続接続されたマルチ表示システムに用いられる表示装置であって、
上位装置が出力した映像信号を受信する受信部と、
前記映像信号に応じた画像の少なくとも一部を表示する表示部と、
前記表示部に表示される画像の解像度をEDID(Extended Display Identification Data)に含めて記憶する、前記上位装置による読み込みが可能な記憶部と、
下位表示装置と接続可能な接続部と、
前記接続部に下位表示装置が接続された場合、前記下位表示装置から通知された解像度である第2解像度を受信し、かつ、前記下位表示装置に前記映像信号を出力する通信部と、
前記記憶部に予め記憶された前記表示部に表示される画像の解像度であり、かつ、前記表示部の解像度である第1解像度および前記第2解像度に応じた第3解像度を前記上位装置に通知する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された第1解像度を前記第3解像度に書き換えることで、前記第3解像度を前記上位装置に通知する、表示装置。
【請求項2】
前記接続部に下位表示装置が接続された場合において、
前記上位装置は、他の表示装置であり、
前記制御部は、前記第1解像度および前記第2解像度が同一である場合、前記下位表示装置から受信した下位表示装置の数に1を加え、前記第1解像度を前記第3解像度とし、当該第3解像度および前記1を加えた下位表示装置の数を前記上位装置に通知する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記通信部は、前記下位表示装置から当該下位表示装置の解像度を前記第2の解像度として受信する、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記接続部に下位表示装置が接続された場合において、
前記上位装置は、前記映像信号を出力する信号源であり、
前記制御部は、前記第1解像度および前記第2解像度に基づいて、前記表示部および前記下位表示装置のそれぞれが表示する画像をつなぎ合わせた合成画像の解像度を算出し、算出した解像度を前記第3解像度として前記上位装置に通知する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記受信部は、前記映像信号に応じた画像のうちの表示する領域を示す表示領域情報を前記上位装置から受信し、
前記表示部は、前記受信部が受信した表示領域情報に従って前記映像信号に応じた画像を表示し、
前記通信部は、前記表示領域情報を、前記下位表示装置が表示する領域に対応する情報に加工して前記下位表示装置に出力する、請求項1ないしのいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記受信部は、前記上位装置が出力した、映像信号のうち表示する期間である有効期間と表示しない期間である非有効期間とを示す表示領域情報を受信し、
記通信部は、前記表示領域情報を、前記下位表示装置が表示する期間に対応する情報に加工し、または、前記表示領域情報を、映像信号のうち前記表示部に表示させる領域が非有効期間となるように加工し、前記加工した表示領域情報を前記下位表示装置に出力する、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の表示装置
【請求項7】
映像信号を出力する信号源と、
前記信号源が出力した映像信号に応じた画像の一部をそれぞれ表示する複数の表示装置と、
を備え、
前記複数の表示装置は縦続接続され、
各表示装置は、
上位装置が出力した映像信号を受信する受信部と、
前記映像信号に応じた画像の少なくとも一部を表示する表示部と、
前記表示部に表示される画像の解像度をEDID(Extended Display Identification Data)に含めて記憶する、前記上位装置による読み込みが可能な記憶部と、
下位表示装置と接続可能な接続部と、
前記接続部に下位表示装置が接続された場合、前記下位表示装置から通知された解像度である第2解像度を受信し、かつ、前記下位表示装置に前記映像信号を出力する通信部と、
前記記憶部に予め記憶された前記表示部に表示される画像の解像度であり、かつ、前記表示部の解像度である第1解像度および前記第2解像度に応じた第3解像度を前記上位装置に通知する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された第1解像度を前記第3解像度に書き換えることで、前記第3解像度を前記上位装置に通知する、マルチ表示システム。
【請求項8】
映像信号を出力する信号源と、前記信号源が出力した映像信号に応じた画像の一部をそれぞれ表示する複数の表示装置と、を備え、前記複数の表示装置は縦続接続されたマルチ表示システムの各表示装置が、
表示部に表示される画像の解像度をEDID(Extended Display Identification Data)に含めて記憶部に記憶する、前記上位装置による読み込みが可能な手順と、
下位表示装置と接続されたことを検出する手順と、
前記記憶部に予め記憶された前記表示部に表示される画像の解像度であり、かつ、前記表示部の解像度である第1解像度を前記記憶部から取得する手順と、
前記下位表示装置から通知された解像度である第2解像度を受信する手順と、
前記第1解像度および前記第2解像度に応じた第3解像度を前記上位装置に通知する手順と、
前記第3解像度に応じた映像信号を前記上位装置から受信する手順と、
受信した映像信号の一部を表示する手順と、
前記下位表示装置に前記映像信号を出力する手順と、を実行するマルチ表示方法であって、
前記記憶部に記憶された第1解像度を前記第3解像度に書き換えることで、前記第3解像度を前記上位装置に通知する、マルチ表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、マルチ表示システム、およびマルチ表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の表示装置を使用して1つの画像を表示するマルチ表示システムが普及し始めている。マルチ表示システムは、映像信号を出力する信号源と、信号源が出力した映像信号に応じた画像を表示する複数の表示装置とを有し、各表示装置が表示する画像をつなぎ合わせて、1つの合成画像として形成するマルチ表示を行う。このため、マルチ表示システムでは、各表示装置が単体で表示する画像よりも大画面で高解像度な画像を形成することができる。
【0003】
マルチ表示システムでは、信号源に対して複数の表示装置を縦続接続したものがある(特許文献1参照)。この場合、信号源は、単一の映像信号を出力し、信号源が出力した映像信号を受け付けた表示装置は、映像信号に応じた画像の一部を表示するとともに、次段の表示装置へ映像信号を伝送する。また次段の表示装置は、映像信号に応じた画像の一部を表示するとともに、さらに後段の表示装置へ映像信号を伝送する。このようなマルチ表示システムでは、信号源に対して縦続接続する表示装置の台数が増えるほど、より高解像度な画像を形成することができる。
【0004】
上記のマルチ表示システムでは、信号源は、各表示装置が表示する画像をつなぎ合わせた合成画像に応じた解像度の映像信号を出力する必要がある。この合成画像の解像度は、マルチ表示システムのシステム構成、例えばマルチ表示システムに含まれる表示装置の台数および解像度などに応じて決定されるため、信号源は、システム構成に応じた解像度の映像信号を出力する必要がある。
【0005】
信号源としてマルチ表示専用の信号源を用いる場合、通常、マルチ表示専用の信号源は、出力する映像信号の解像度をユーザが設定できる機能を有しているため、容易にシステム構成に応じた解像度の映像信号を出力することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−347667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、例えばPC(Personal Computer)などの汎用の信号源は、所望の解像度の映像信号を出力することができないことがある。
【0008】
具体的には、汎用の信号源は、通常、接続された表示装置からその表示装置の特性を示すEDID(Extended Display Identification Data)を取得し、このEDIDに記述された解像度に応じた映像信号を出力する。
【0009】
マルチ表示システムのシステム構成は場合によって異なるため、EDIDには、必ずしも現在のシステム構成に応じた解像度が記述されているとは限らない。このため、汎用の信号源は、システム構成に応じた解像度の映像信号を出力することができないことがある。
【0010】
したがって、汎用の信号源を用いる場合には、システム構成に応じた解像度の画像を表示することができない場合があるという問題があった。
【0011】
本発明の目的は、汎用の信号源を用いた場合であっても、システム構成に応じた解像度の画像を表示することの可能な表示装置、マルチ表示システム、およびマルチ表示方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による表示装置は、
上位装置が出力した映像信号を受信する受信部と、
前記映像信号に応じた画像の少なくとも一部を表示する表示部と、
前記表示部に表示される画像の解像度を記憶する記憶部と、
下位表示装置と接続可能な接続部と、
前記接続部に下位表示装置が接続された場合、前記下位表示装置から通知された解像度である第2解像度を受信し、かつ、前記下位表示装置に前記映像信号を出力する通信部と、
前記記憶部に予め記憶された前記表示部に表示される画像の解像度であり、かつ、前記表示部の解像度である第1解像度および前記第2解像度に応じた第3解像度を前記上位装置に通知する制御部と、を有する。
【0013】
本発明によるマルチ表示システムは、
映像信号を出力する信号源と、
前記信号源が出力した映像信号に応じた画像の一部をそれぞれ表示する複数の表示装置と、
を備え、
前記複数の表示装置は縦続接続され、
各表示装置は、
上位装置が出力した映像信号を受信する受信部と、
前記映像信号に応じた画像の少なくとも一部を表示する表示部と、
前記表示部に表示される画像の解像度を記憶する記憶部と、
下位表示装置と接続可能な接続部と、
前記接続部に下位表示装置が接続された場合、前記下位表示装置から通知された解像度である第2解像度を受信し、かつ、前記下位表示装置に前記映像信号を出力する通信部と、
前記記憶部に予め記憶された前記表示部に表示される画像の解像度であり、かつ、前記表示部の解像度である第1解像度および前記第2解像度に応じた第3解像度を前記上位装置に通知する制御部と、を有する。
【0014】
本発明によるマルチ表示方法は、
映像信号を出力する信号源と、前記信号源が出力した映像信号に応じた画像の一部をそれぞれ表示する複数の表示装置と、を備え、前記複数の表示装置は縦続接続されたマルチ表示システムの各表示装置が、
下位表示装置と接続されたことを検出する手順と、
表示部に表示される画像の解像度であり、かつ、前記表示部の解像度である第1解像度を記憶部から取得する手順と、
前記下位表示装置から通知された解像度である第2解像度を受信する手順と、
前記第1解像度および前記第2解像度に応じた第3解像度を上位装置に通知する手順と、
前記第3解像度に応じた映像信号を前記上位装置から受信する手順と、
受信した映像信号の一部を表示する手順と、
前記下位表示装置に前記映像信号を出力する手順と、を含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、汎用の信号源を用いても、システム構成に応じた解像度の映像信号を出力することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1の実施形態にかかるマルチ表示システムの構成を示す図である。
図2図1のマルチ表示システムのプロジェクタの構成を示すブロック図である。
図3図2のプロジェクタの出力部の詳細な構成を示すブロック図である。
図4図3のDE加工部における、水平DE信号の加工について説明するための図である。
図5図3のDE加工部における、垂直DE信号の加工について説明するための図である。
図6】同実施形態にかかるマルチ表示システムの動作例について説明するためのシーケンス図である。
図7】本発明の第2の実施形態にかかるマルチ表示システムの構成を示す図である。
図8A】同実施形態にかかるマルチ表示システムの動作例について説明するためのシーケンス図である。
図8B】同実施形態にかかるマルチ表示システムの動作例について説明するためのシーケンス図である。
図9】同実施形態にかかるDE加工部における、水平DE信号の加工について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して説明する。なお、本明細書および図面において、同一の機能を有する構成要素については同じ符号を付することにより重複説明を省略する場合がある。
【0018】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態にかかるマルチ表示システムの構成を示す図である。
【0019】
図1に示すマルチ表示システム100は、2台のプロジェクタ10と、映像信号の信号源であるPC(Personal Computer)20とを有する。2台のプロジェクタ10のうち、PC20と直接接続され、プロジェクタ10が投写する画像に向かって左側に配置されたプロジェクタ10をマスタプロジェクタ10Mと称する。またマスタプロジェクタ10Mと接続され、プロジェクタ10が投写する画像に向かって右側に配置されたプロジェクタ10をスレーブプロジェクタ10Sと称する。
【0020】
マスタプロジェクタ10Mの入力端子1は、PC20と接続され、マスタプロジェクタ10Mの出力端子8は、スレーブプロジェクタ10Sの入力端子1と接続されている。
【0021】
マスタプロジェクタ10Mは、PC20が出力した映像信号に応じた画像のうち左半分を表示するとともに、映像信号をスレーブプロジェクタ10Sに出力する。スレーブプロジェクタ10Sは、PC20(マスタプロジェクタ10M)が出力した映像信号に応じた画像のうち右半分を表示する。
【0022】
このときマスタプロジェクタ10Mおよびスレーブプロジェクタ10Sは、それぞれ1024×768の解像度の画像を表示するものとする。この場合、マルチ表示システム全体としては、2048×768の解像度の画像が表示される。
【0023】
図2は、マルチ表示システム100のプロジェクタ10の構成を示すブロック図である。
【0024】
図2に示すプロジェクタ10は、入力端子1と、EDIDメモリ2と、受信部3と、映像信号処理部4と、表示部5と、駆動部6と、出力部7と、出力端子8と、制御部9とを有する。
【0025】
入力端子1は、ケーブルを介して上位装置と接続され、上位装置が出力した映像信号および制御信号を受け付ける。なお本実施形態では、プロジェクタ10がマスタプロジェクタ10Mである場合、入力端子1に接続される上位装置はPC20であり、プロジェクタ10がスレーブプロジェクタ10Sである場合、上位装置はマスタプロジェクタ10Mとなる。なお上位装置がこの入力端子1を介してEDIDの取得処理を行う場合、EDIDは入力端子1を介して上位装置に通知される。
【0026】
入力端子1は、例えばHDMI(High−Definition Multimedia Interface)、DVI(Digital Visual Interface)、またはDP(Display Port)などの規格に対応する。これらの規格では、映像信号・音声信号・および制御信号が1本のケーブルで伝送される。以下、本実施形態では入力端子1は、HDMI規格に対応した端子であるものとする。入力端子1は、受け付けた映像信号および制御信号を受信部3に出力する。
【0027】
EDIDメモリ2は、表示部5の性能および機能などを示すEDIDを記憶する記憶部である。表示部5の性能および機能に応じて、表示部5が対応する映像信号の特性は異なるため、EDIDは、表示部5が対応する映像信号の特性を示すこととなる。EDIDは、表示部5が対応する映像信号の解像度を含む。信号源は、EDIDを取得することで、信号源が出力する映像や音声のフォーマットを自動的に設定することができる。なおEDIDに含まれる解像度は、通常、表示部5が単体で映像信号に応じた画像を表示する場合に対応する映像信号の解像度である。このように各プロジェクタ10が単体で映像信号に応じた画像を表示する場合の解像度を、複数のプロジェクタ10がそれぞれ表示する画像をつなぎあわせた合成画像の解像度と区別して、以下、個別解像度と称する。本実施形態では、EDIDメモリ2に記憶されたEDID中の解像度を所定の解像度に書き換えることで、信号源が出力する映像の解像度を変更する。
【0028】
受信部3は、入力端子1の規格に対応したレシーバであり、本実施形態ではHDMIレシーバである。受信部3は、入力端子1が出力した映像信号および制御信号を受信し、受信した信号に対して各種の信号処理を行う。ここで受信部3が行う信号処理は、映像信号のシリアル−パラレル変換、信号レベル変換、および、制御信号に含まれる各種タイミング信号のデコードなどである。なおタイミング信号は、例えば水平方向の映像信号の区切りを示す水平同期信号、垂直方向の映像信号の区切りを示す垂直同期信号、映像信号のうち表示する期間である有効期間と表示しない期間である非有効期間とを示す表示領域情報であるDE(Data Enable)信号、1ドットを表示するために必要な時間の逆数を示すドットクロックなどである。受信部3は、変換後の映像信号およびデコード後の各種タイミング信号を含む制御信号を映像信号処理部4および出力部7に出力する。
【0029】
映像信号処理部4は、受信部3が出力した映像信号および制御信号を受け付け、受け付けた映像信号に対する映像信号処理を行う。映像信号処理部4が行う映像信号処理は、例えばγ補正処理、および歪み補正処理などである。映像信号処理部4は、映像信号処理を行った映像信号、および制御信号を駆動部6に出力する。
【0030】
表示部5は、入力された入力映像信号に応じた画像を表示する。表示部5は、例えば光を出射する光源と、光源からの光を入力映像信号に応じて変調した画像光を出力する表示素子と、表示素子が出力した画像光を投写する投写光学系とを有する。表示部5は、駆動部6により駆動され、光源が出射した光を投写することで、映像信号に応じた画像を表示する。
【0031】
駆動部6は、表示部5を駆動する。駆動部6は、例えば表示部5の表示素子および光源などを駆動することで、表示部5に画像光を出射させる。なおこのとき駆動部6は、受け付けた制御信号に含まれるDE信号に従い、表示素子に映像信号を入力することで、表示部5に有効期間の映像信号に応じた画像の少なくとも一部を表示させる。例えば駆動部6は、入力された映像信号に応じた画像の水平解像度が表示部5の解像度より大きい場合、映像信号に応じた画像の先頭から表示部5の水平解像度分の画像を表示部5に表示させる。
【0032】
出力部7は、受信部2が出力した映像信号および制御信号に対して各種の信号処理を行い、信号処理を行った映像信号および制御信号を出力する。
【0033】
出力端子8は、HDMIケーブルを介して下位表示装置である他のプロジェクタ10と接続可能な接続部である。出力端子8は、本実施形態ではHDMI規格に対応した端子である。
【0034】
制御部9は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの制御装置であり、受信部3、映像信号処理部4、駆動部6、および出力部7などを制御する。
【0035】
制御部9は、出力端子8に接続された他のプロジェクタ10がある場合、他のプロジェクタ10をスレーブプロジェクタ10Sとし、出力部7および出力端子8を介してスレーブプロジェクタ10SのEDIDを取得し、取得したEDIDに記述された解像度を第2解像度とする。
【0036】
制御部9は、EDIDメモリ2に記憶されたEDIDに記述された解像度である第1解像度および下位装置から通知された解像度である第2解像度に応じた第3解像度を上位装置に通知する。このとき制御部9は、第1解像度および第2解像度が同一である場合に第3解像度を上位装置に通知する。
【0037】
詳細には、制御部9は、第1解像度、および第2解像度に基づいて、表示部5およびスレーブプロジェクタ10Sのそれぞれが表示する画像をつなぎ合わせた合成画像の解像度を算出して、上位装置に通知する第3解像度とする。制御部9は、EDIDメモリ2に記憶されたEDID中の解像度を第3解像度に書き換えることで、第3解像度を上位装置であるPC20に通知する。
【0038】
なお、制御部9は、例えば、プロジェクタ10の電源をオフすることを示す信号を検出したとき、または、マルチ表示システム100の解除を示す信号を検出したときなど、書き換えられたEDIDメモリ2に記憶されたEDIDを、初期のEDIDに書き換えるようにしてもよい。例えば、制御部9は、プロジェクタ10の電源をオフすることを示す信号を検出したとき、書き換えられたEDIDメモリ2に記憶された第3解像度を第1解像度に書き換えるようにしてもよい。
【0039】
図3は、プロジェクタ10の出力部7の詳細な構成を示すブロック図である。
【0040】
出力部7は、出力端子8に下位表示装置が接続された場合、下位表示装置から通知された解像度である第2解像度を受けつけ、かつ、下位表示装置に映像信号を出力する通信部である。出力部7は、下記のフォーマット変換部11と、DE加工部12と、送信部13とを有する。
【0041】
フォーマット変換部11は、受信部3が出力した映像信号を受け付け、映像信号のフォーマットを、選択された規格に応じたフォーマットに変換する。フォーマット変換部11は、フォーマットを変換した映像信号を送信部13に出力する。
【0042】
DE加工部12は、受信部3が出力した制御信号を受け付け、受け付けた制御信号に含まれるDE信号を、当該プロジェクタ10の出力端子8と接続された下位表示装置であるプロジェクタ10Sが表示する区間に対応する情報に加工する。DE加工部12は、加工したDE信号を含む制御信号を送信部13に出力する。
【0043】
ここでDE加工部12のDE信号加工処理についてより具体的に説明する。DE信号には、水平DE信号と垂直DE信号の2種類がある。水平DE信号は、水平方向の映像信号の有効期間を示し、垂直DE信号は、垂直方向の映像信号の有効期間を示す。
【0044】
図4は、水平DE信号の加工について説明するための図である。本実施形態では、解像度が2048×768の映像信号が入力され、マスタプロジェクタ10MのDE加工部12に入力される入力水平DE信号は、水平方向の映像信号2048ドットの全期間が有効期間であることを示す。DE加工部12は、映像信号に応じた画像のうちマスタプロジェクタ10Mが表示する部分である、画像の左側1024ドットに相当する期間が非有効期間となるように(映像信号に応じた画像のうちスレーブプロジェクタ10Sが表示する部分である、画像の右側1024ドットに相当する期間が有効期間となるように)入力水平DE信号を加工する。加工後の水平DE信号が図4の下段に示される。
【0045】
図5は、垂直DE信号の加工について説明するための図である。本実施形態では、スレーブプロジェクタ10Sは、マスタプロジェクタ10Mの水平方向にのみ接続され、垂直方向には接続されておらず、各プロジェクタ10は垂直方向の映像信号の全区間を表示するため、DE加工部12は、垂直DE信号に対しては加工を行わない。DE加工部12に入力される入力垂直DE信号およびDE加工部12が出力する出力垂直DE信号のいずれも、768ラインの映像信号の全期間が有効期間であることを示す。
【0046】
図3の説明に戻る。送信部13は、フォーマット変換部11が出力した映像信号と、制御信号とを出力端子8と接続された後段のプロジェクタ10Sへ出力する。このとき、制御信号には、DE加工部12が出力したDE信号、水平同期信号、垂直同期信号、およびドットクロックなどが含まれる。
【0047】
図6は、マルチ表示システム100の動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0048】
マスタプロジェクタ10Mの制御部9は、出力端子8に接続された接続機器の有無を確認する(ステップS100)。具体的には、マスタプロジェクタ10Mの制御部9は、入力端子1および出力端子8のホットプラグ機能を用いて入力端子1および出力端子8と接続された接続機器の有無を確認する。ユーザがマスタプロジェクタ10Mの出力端子8とスレーブプロジェクタ10Sの入力端子1とをHDMIケーブルを用いて接続すると、マスタプロジェクタ10Mの制御部9は、接続機器としてスレーブプロジェクタ10Sを検出する。
【0049】
そして、マスタプロジェクタ10Mの制御部9は、出力端子8に接続機器が存在し、入力端子1に接続機器が存在しないことから、マスタプロジェクタ10Mがマルチ表示システム100の最上位の表示装置であることを検出する。マスタプロジェクタ10Mの制御部9は、出力端子8に接続されたスレーブプロジェクタ10SのEDIDメモリ2からEDIDを取得し、取得したEDIDに記述された個別解像度を第2解像度とする(ステップS105)。
【0050】
マスタプロジェクタ10Mの制御部9は、マスタプロジェクタ10MのEDIDメモリ2に記憶されたEDIDに記述された個別解像度を取得して第1解像度とし、この第1解像度とステップS105で取得した第2解像度とを比較して、マスタプロジェクタ10Mとスレーブプロジェクタ10Sの個別解像度が同一であるか否かを判断する(ステップS110)。マスタプロジェクタ10Mの個別解像度とスレーブプロジェクタ10Sの個別解像度とが同一でない場合、マスタプロジェクタ10Mは、マルチ表示システムの動作を終了する。
【0051】
一方マスタプロジェクタ10Mの個別解像度とスレーブプロジェクタ10Sの個別解像度とが同一である場合、マスタプロジェクタ10Mの制御部9は、マスタプロジェクタ10Mの表示部5とスレーブプロジェクタ10Sの表示部5とがそれぞれ表示する画像をつなぎ合わせた合成画像の解像度であるシステム解像度を算出する。具体的には、マスタプロジェクタ10Mの制御部9は、マルチ表示システム100に含まれる各プロジェクタが表示する各画像の解像度と、各画像の合成画像中における配置とに基づいて、システム解像度を算出する。本実施形態では、プロジェクタ10が表示する画像が水平方向に2つつなぎ合わされることを前提とするため、制御部9は、水平解像度がマスタプロジェクタ10Mの水平解像度の2倍であって、垂直解像度がマスタプロジェクタ10Mの垂直解像度と同一となるシステム解像度を算出する(ステップS115)。
【0052】
そしてマスタプロジェクタ10Mの表示部5は、システム解像度を選択することが可能な旨を表示する。具体的には、マスタプロジェクタ10Mの表示部5は、例えばマスタプロジェクタ10Mの個別解像度およびシステム解像度を含む、解像度の選択肢を表示する。このとき表示部5は、OSD(On Screen Display)などを使用して、解像度の選択肢を表示することができる(ステップS120)。
【0053】
ここでユーザがマスタプロジェクタ10Mに対して、システム解像度を選択解像度として入力すると(ステップS125)、マスタプロジェクタ10Mの制御部9は、EDIDメモリ2に記憶されたEDIDの解像度をシステム解像度に書き換える(ステップS130)。
【0054】
そしてユーザがPC20とマスタプロジェクタ10MとをHDMIケーブルで接続すると、PC20は、マスタプロジェクタ10MからEDIDを取得する(ステップS135)。PC20は、取得したEDIDに記述されたシステム解像度に応じた映像信号および制御信号をマスタプロジェクタ10Mに出力する(ステップS140)。
【0055】
マスタプロジェクタ10Mは、映像信号および制御信号を受け付けると、制御信号に含まれるDE信号を加工する。このときDE加工部12は、映像信号のうち、マスタプロジェクタ10Mが表示する部分が非有効期間となるように(スレーブプロジェクタ10Sが表示する部分が有効期間となるように)、DE信号を加工する(ステップS145)。
【0056】
そしてマスタプロジェクタ10Mの表示部5は、受信部3が受信したDE信号に従って、映像信号に応じた画像の左半分を表示する(ステップS150)。
【0057】
マスタプロジェクタ10Mの出力端子8は、映像信号と加工後のDE信号を含む制御信号とをスレーブプロジェクタ10Sに出力する(ステップS155)。
【0058】
映像信号および制御信号を受け付けたスレーブプロジェクタ10Sの表示部5は、受け付けた制御信号に含まれるDE信号に従って、映像信号に応じた画像の右半分を表示する(ステップS170)。
【0059】
以上説明したように、本実施形態によれば、表示装置は、表示部5の解像度である第1解像度、および下位表示装置から通知された解像度である第2の解像度に応じた第3の解像度を上位装置に通知する。これにより、上位装置は、上位装置に接続された複数の下位表示装置の解像度を把握することが可能になるため、上位装置である信号源は、通知された第3の解像度に応じた解像度の映像信号を出力することが可能になる。したがって、PCのような汎用の信号源を用いた場合であっても、信号源がシステム構成に応じた解像度の映像信号を出力することが可能になり、表示装置がシステム構成に応じた解像度の画像を表示することが可能になる。
【0060】
また、本実施形態によれば、第1解像度および第2解像度が同一である場合に第3解像度が上位装置に通知される。矩形の画像の一部を複数の表示装置で表示し、表示した各画像をつなぎ合わせて1つの大きな画像を形成するとき、垂直解像度の異なる複数の表示装置を水平方向につなぎ合わせる場合や、水平解像度の異なる複数の表示装置を垂直方向につなぎ合わせる場合、各表示装置が表示した画像をつなぎ合わせても矩形とならず、1つの画像を形成しない。このように各表示装置が表示した画像をつなぎ合わせた場合は表示装置が正常に動作しているとは言えない。したがって、通知する解像度の変更を第1解像度と第2解像度とが同一である場合に制限することで、表示部5の正常な動作を確保することが可能になる。
【0061】
また、本実施形態によれば、表示装置は、EDIDメモリ2に記憶された第1解像度を第3解像度に書き換えることで、第3解像度を上位装置に通知する。これにより、上位装置側の解像度を読み込む動作に変更を加えることなく、上位装置が第3解像度に応じた映像信号を出力することが可能になる。
【0062】
また、本実施形態によれば、表示装置は、第2の解像度である下位表示装置の解像度を、下位表示装置のEDIDから取得する。また、表示装置は、映像信号のうち表示する領域を示すDE信号を、下位表示装置が表示する領域に対応する情報に加工する。これにより、下位表示装置側の動作に変更を加えることなく、下位表示装置が第3解像度に応じた画像を表示することが可能になる。
【0063】
また、本実施形態によれば、上位装置であるPC20、および下位表示装置であるスレーブプロジェクタ10Sと接続されたマスタプロジェクタ10Mにおいては、第1解像度および第2解像度に基づいて、表示部5およびスレーブプロジェクタ10Sのそれぞれが表示する画像をつなぎ合わせた合成画像の解像度が算出され、算出した解像度が第3解像度として上位装置であるPC20に通知される。これにより、マスタプロジェクタ10Mは、信号源であるPC20に合成画像の解像度を通知することができる。
【0064】
(第2の実施形態)
図7は、本発明の第2の実施形態にかかるマルチ表示システムの構成を示す図である。
【0065】
本発明の第2の実施形態にかかるマルチ表示システム200は、複数のプロジェクタ10と、映像信号の信号源であるPC20とを有する。複数のプロジェクタ10のうち、PC20と直接接続されたプロジェクタ10をマスタプロジェクタ10Mと称する。またPC20と直接接続されないプロジェクタ10をスレーブプロジェクタ10Sと称する。本実施形態では、マルチ表示システム200は、2台のスレーブプロジェクタ10Sを有し、マスタプロジェクタ10Mは、3台のプロジェクタ10のうち一番左側に配置されている。また2台のスレーブプロジェクタ10Sのうち、マスタプロジェクタ10Mと直接接続され、プロジェクタが投写する画像に向かって左側(3台のうち中央)に配置されたスレーブプロジェクタ10Sを第1スレーブプロジェクタ10S−1と称し、第1スレーブプロジェクタ10S−1と接続され、プロジェクタが投写する画像に向かって一番右側に配置されたスレーブプロジェクタ10Sを第2スレーブプロジェクタ10S−2と称する。
【0066】
マスタプロジェクタ10Mの入力端子1は、PC20と接続され、マスタプロジェクタ10Mの出力端子8は、第1スレーブプロジェクタ10S−1の入力端子1と接続されている。また第1スレーブプロジェクタ10S−1の出力端子8は、第2スレーブプロジェクタ10S−2の入力端子1と接続されている。
【0067】
各プロジェクタ10は、それぞれ1024×768の解像度の画像を表示するものとする。この場合、マルチ表示システム200全体としては、3072×768の解像度の画像が表示されることになる。
【0068】
図8Aおよび図8Bは、マルチ表示システム200の動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0069】
まず図8Aを参照する。マスタプロジェクタ10Mの制御部9は、入力端子1および出力端子8のホットプラグ機能を使用して、入力端子1および出力端子8と接続された接続機器の有無を確認する(ステップS200)。ユーザがマスタプロジェクタ10Mと第1スレーブプロジェクタ10S−1、および第1スレーブプロジェクタ10S−1と第2スレーブプロジェクタ10S−2をそれぞれHDMIケーブルで接続すると、マスタプロジェクタ10Mの制御部9は出力端子8と接続された第1スレーブプロジェクタ10S−1を接続機器として検出する。
【0070】
マスタプロジェクタ10Mの制御部9は、第1スレーブプロジェクタ10S−1との接続を検出すると、出力端子8に接続機器が存在し、入力端子1に接続機器が存在しないことから、マスタプロジェクタ10Mがマルチ表示システム200の最上位の表示装置であることを認識する。そして制御部9は、解像度問合せメッセージを生成し、生成した解像度問合せメッセージを、出力端子8から第1スレーブプロジェクタ10S−1に対して出力する(ステップS205)。
【0071】
解像度問合せメッセージを受け付けた第1スレーブプロジェクタ10S−1の受信部3は、EDIDメモリ2から個別解像度を取り出す。また受信部3は、解像度問合せメッセージを受け付けたことを制御部9に通知する。この通知を受け付けた第1スレーブプロジェクタ10S−1の制御部9は、第1スレーブプロジェクタ10S−1の出力端子8と接続された接続機器の有無を、出力端子8のホットプラグ機能を使用して確認する(ステップS210)。
【0072】
本実施形態では、第1スレーブプロジェクタ10S−1の出力端子8は、下位表示装置である第2スレーブプロジェクタ10S−2と接続されているため、第1スレーブプロジェクタ10S−1の制御部9は、さらに解像度問合せメッセージを第2スレーブプロジェクタ10S−2に対して出力する(ステップS215)。
【0073】
解像度問合せメッセージを受け付けた第2スレーブプロジェクタ10S−2の受信部3は、EDIDメモリ2から個別解像度を取り出す。また受信部3は、解像度問合せメッセージを受け付けたことを制御部9に通知する。この通知を受け付けた第2スレーブプロジェクタ10S−2の制御部9は、第2スレーブプロジェクタ10S−2の出力端子8と接続された接続機器の有無を、出力端子8のホットプラグ機能を使用して確認する(ステップS220)。
【0074】
そして第2スレーブプロジェクタ10S−2の制御部9は、自装置よりも下位に接続された表示装置の数である下位表示装置数Nを検出し、この下位表示装置数Nを示す情報を第2スレーブプロジェクタ10S−2の個別解像度と共に、入力端子1を介して上位装置である第1スレーブプロジェクタ10S−1に出力する(ステップS225)。本実施形態では、第2スレーブプロジェクタ10S−2の出力端子8と接続された接続機器はないため、第2スレーブプロジェクタ10S−2の制御部9は、第2スレーブプロジェクタ10S−2の出力端子8に接続された接続機器の数が0であることを示す情報を出力する。なお、下位表示装置数Nの値は、下位表示装置数Nに自装置を含むか否かの定義によって異なる。本実施形態では、下位表示装置数Nは、下位表示装置数Nを生成する装置から見て下位に相当する表示装置の数とする。これにより、下位に接続された機器がない末端の表示装置は、値が0である下位表示装置数Nを生成して出力する。
【0075】
第2スレーブプロジェクタ10S−2から下位表示装置数N=0および個別解像度を受け付けた第1スレーブプロジェクタ10S−1の制御部9は、受信した下位表示装置数Nの値が0であることから、第1スレーブプロジェクタ10S−1の下位表示装置が1台であることを検出する。そして第1スレーブプロジェクタ10S−1の制御部9は、第2スレーブプロジェクタ10S−2から通知された個別解像度と、第1スレーブプロジェクタ10S−1の個別解像度とが同一であるか否かを判断する(ステップS230)。
【0076】
第1スレーブプロジェクタ10S−1の個別解像度と、第2スレーブプロジェクタ10S−2の個別解像度が同一ではない場合、第1スレーブプロジェクタ10S−1の制御部9は、下位表示装置数N=0とする(ステップS235)。
【0077】
一方、第1スレーブプロジェクタ10S−1の個別解像度、および第2スレーブプロジェクタ10S−2の個別解像度が同一である場合、第1スレーブプロジェクタ10S−1の制御部9は、受信した下位表示装置数Nに1を加えてN=1とする(ステップS240)。そして第1スレーブプロジェクタ10S−1の制御部9は、この下位表示装置数Nと、第1スレーブプロジェクタ10S−1の個別解像度とを上位装置であるマスタプロジェクタ10Mに通知する(ステップS245)。
【0078】
そして、マスタプロジェクタ10Mの制御部9は、マスタプロジェクタ10Mの個別解像度と、第1スレーブプロジェクタ10S−1の個別解像度とが同一であるか否かを判断する(ステップS250)。マスタプロジェクタ10Mの個別解像度と、第1スレーブプロジェクタ10S−1の個別解像度とが同一ではない場合、マスタプロジェクタ10Mの制御部9は、マルチ表示システムの動作を終了する。
【0079】
一方、マスタプロジェクタ10Mの個別解像度と、第1スレーブプロジェクタ10S−1の個別解像度とが同一である場合、マスタプロジェクタ10Mの制御部9は、マスタプロジェクタ10M、第1スレーブプロジェクタ10S−1、および第2スレーブプロジェクタ10S−2の表示部5がそれぞれ表示する画像をつなぎ合わせた合成画像の解像度であるシステム解像度を算出する。
【0080】
具体的には、制御部9は、第1スレーブプロジェクタ10S−1から通知された下位表示装置の数に基づいて、マスタプロジェクタ10Mの出力端子8を介して接続されたスレーブプロジェクタ10Sの数を検出し、検出したスレーブプロジェクタ10Sの数、マスタプロジェクタ10Mの個別解像度、第1スレーブプロジェクタ10S−1の個別解像度、および第2スレーブプロジェクタ10S−2の個別解像度に基づいて、マスタプロジェクタ10M、第1スレーブプロジェクタ10S−1、および第2スレーブプロジェクタ10S−2の表示部5がそれぞれ表示する画像をつなぎ合わせた合成画像の解像度であるシステム解像度を算出する。
【0081】
本実施形態では、複数のプロジェクタ10は水平方向に縦続接続されることを前提とし、スレーブプロジェクタ10Sの数は2であるため、制御部9は、水平解像度がマスタプロジェクタ10Mの水平解像度の3倍であって、垂直解像度がマスタプロジェクタ10Mの垂直解像度と同一であるシステム解像度を算出する(ステップS255)。
【0082】
なお、システム解像度は、検出されたスレーブプロジェクタ10Sの数の全てに対応する解像度に限らず、検出されたスレーブプロジェクタ10Sの数以下で算出される解像度を含む。本実施形態では、水平解像度がマスタプロジェクタ10Mの水平解像度の2倍であるシステム解像度と、3倍であるシステム解像度とを算出してもよい。
【0083】
そしてマスタプロジェクタ10Mの表示部5は、システム解像度を選択することが可能な旨を表示する。具体的には、表示部5は、例えばマスタプロジェクタ10Mの個別解像度および算出されたシステム解像度を含む解像度の選択肢を表示する。このときマスタプロジェクタ10Mは、OSDなどを使用して、解像度の選択肢を表示することができる(ステップS260)。
【0084】
ここでユーザが、表示された解像度の選択肢の中からシステム解像度を選択解像度としてマスタプロジェクタ10Mに対して入力すると(ステップS265)、マスタプロジェクタ10Mの制御部9は、EDIDメモリ2に記憶されたEDIDの解像度をシステム解像度に書き換える(ステップS270)。
【0085】
また、マスタプロジェクタ10Mの制御部9は、選択解像度としてシステム解像度が選択されると、第1スレーブプロジェクタ10S−1にマルチ表示が選択された旨を示す情報を通知する。このマルチ表示が選択された旨を示す情報は、少なくとも選択されたシステム解像度に対応するスレーブプロジェクタ10Sまで通知される。なお、マルチ表示が選択された旨を示す情報は、DE信号の加工を指示する情報を含む(ステップS275)。
【0086】
そしてユーザがPC20とマスタプロジェクタ10MとをHDMIケーブルで接続すると、PC20は、マスタプロジェクタ10MのEDIDを取得する(ステップS280)。PC20は、取得したEDIDに記述されたシステム解像度に応じた映像信号および制御信号をマスタプロジェクタ10Mに出力する(ステップS285)。
【0087】
続いて図8Bを参照する。マスタプロジェクタ10Mは、映像信号および制御信号を受け付けると、制御信号に含まれるDE信号を加工する。このときマスタプロジェクタ10Mの映像信号処理部4は、映像信号のうち、マスタプロジェクタ10Mに表示させる領域が有効期間となるように、DE信号を加工する。一方、DE加工部12は、映像信号のうち、マスタプロジェクタ10Mに表示させる領域が非有効期間となるように、DE信号を加工する(ステップS290)。なお、マスタプロジェクタ10Mに表示させる領域は、水平方向において、マスタプロジェクタ10Mに入力されたDE信号の有効期間の先頭から表示部の解像度の幅に対応する領域である。
【0088】
図9は、水平DE信号の加工について説明するための図である。本実施形態においては、解像度が3072×768の映像信号が入力され、マスタプロジェクタ10MのDE加工部12に入力された水平DE信号である入力水平DE信号は、水平方向の映像信号3072ドットの全期間が有効期間であることを示す。マスタプロジェクタ10MのDE加工部12は、映像信号の先頭の1024ドットの期間が非有効期間を示すようにこの入力水平DE信号を加工する。
【0089】
図8Bの説明に戻る。マスタプロジェクタ10Mの表示部5は、映像信号処理部4が加工したDE信号に従い、映像信号に応じた画像(1ドットから1024ドットの部分、左側の1024ドット分)を表示する(ステップS295)。マスタプロジェクタ10Mは、映像信号とDE加工部12が加工したDE信号を含む制御信号とを第1スレーブプロジェクタ10S−1に出力する(ステップS300)。
【0090】
第1スレーブプロジェクタ10S−1は、映像信号および制御信号を受け付けると、制御信号に含まれるDE信号を加工する。第1スレーブプロジェクタ10S−1の映像信号処理部4は、映像信号のうち、第1スレーブプロジェクタ10S−1に表示させる領域が有効期間となるように、DE信号を加工する。一方、第1スレーブプロジェクタ10S−1のDE加工部12は、映像信号のうち、第1スレーブプロジェクタ10S−1に表示させる領域が非有効期間となるように、DE信号を加工する。なお、第1スレーブプロジェクタ10S−1に表示させる領域は、水平方向において、第1スレーブプロジェクタ10S−1に入力されたDE信号の有効期間の先頭から表示部5の解像度の幅に対応する領域である。
【0091】
再び図9を参照する。第1スレーブプロジェクタ10S−1のDE加工部12は、この映像信号の中央の1024ドットの期間が非有効期間となるように、マスタプロジェクタ10Mから出力されたDE信号を加工する(ステップS305)。
【0092】
再び図8Bの説明に戻る。第1スレーブプロジェクタ10S−1の表示部5は、映像信号処理部4が加工したDE信号に従い、映像信号に応じた画像を表示する。これにより、第1スレーブプロジェクタ10S−1の表示部5は、DE信号の示す有効期間の開始点から表示部5の水平解像度分の映像信号に応じた画像(1025ドットから2048ドットの部分、中央の1024ドット部分)を表示する(ステップS310)。
【0093】
第1スレーブプロジェクタ10S−1は、映像信号と第1スレーブプロジェクタ10S−1のDE加工部12が加工したDE信号を含む制御信号とを第2スレーブプロジェクタ10S−2に出力する(ステップS315)。
【0094】
第2スレーブプロジェクタ10S−2は、映像信号および制御信号を受け付けると、末端の装置なので、制御信号に含まれるDE信号を加工する必要はない。なお、第2スレーブプロジェクタ10S−2に表示させる領域は、水平方向において、第2スレーブプロジェクタ10S−2に入力されたDE信号の有効期間の先頭から表示部の解像度の幅に対応する領域である。
【0095】
第2スレーブプロジェクタ10S−2の表示部5は、受け付けた制御信号に含まれるDE信号に従い、映像信号に応じた画像を表示する。これにより、第2スレーブプロジェクタ10S−2の表示部5は、DE信号の示す有効期間の開始点から表示部5の水平解像度分の映像信号に応じた画像(2049ドットから3072ドットの部分、右側の1024ドット部分)を表示する(ステップS320)。
【0096】
なお、マルチ表示システム200において、マスタプロジェクタ10Mにとっては、PC20が上位装置、第1スレーブプロジェクタ10S−1および第2スレーブプロジェクタ10S−2が下位表示装置、マスタプロジェクタ10Mの個別解像度が第1解像度、スレーブプロジェクタ10Sの個別解像度が第2解像度、システム解像度が第3解像度に相当する。
【0097】
また第1スレーブプロジェクタ10S−1にとって、マスタプロジェクタ10Mが上位装置、第2スレーブプロジェクタ10S−2が下位表示装置、第1スレーブプロジェクタ10S−1の個別解像度が第1解像度、第2スレーブプロジェクタ10S−2の個別解像度が第2解像度、第1スレーブプロジェクタ10S−1および第2スレーブプロジェクタ10S−2の個別解像度が第3解像度に相当する。
【0098】
なおここでは、第1スレーブプロジェクタ10S−1は、第1スレーブプロジェクタ10S−1および第2スレーブプロジェクタ10S−2の個別解像度が同一であるか否かを確認し、同一である場合マスタプロジェクタ10Mに下位表示装置の数と第1スレーブプロジェクタ10S−1の個別解像度を通知することとしたが、第1スレーブプロジェクタ10S−1は、第1スレーブプロジェクタ10S−1および第2スレーブプロジェクタ10S−2の個別解像度を共にマスタプロジェクタ10Mに通知してもよい。この場合、マスタプロジェクタ10Mが、マスタプロジェクタ10M、第1スレーブプロジェクタ10S−1、および第2スレーブプロジェクタ10S−2の個別解像度が同一であるか否かを確認して動作することができる。
【0099】
以上説明したように、本実施形態によれば、表示装置は、表示部5の解像度である第1解像度、および下位表示装置から通知された解像度である第2の解像度に応じた第3の解像度を上位装置に通知する。これにより、上位装置は、上位装置に接続された複数の下位表示装置の解像度を把握することが可能になるため、上位装置である信号源は、通知された第3の解像度に応じた解像度の映像信号を出力することが可能になる。したがって、PCのような汎用の信号源を用いた場合であっても、信号源がシステム構成に応じたマルチ表示用の解像度の映像信号を出力することが可能になり、表示装置がシステム構成に応じた解像度の画像を表示することが可能になる。
【0100】
また、本実施形態においても、第1解像度および第2解像度が同一である場合に第3解像度が上位装置に通知される。矩形の画像の一部を複数の表示装置で表示し、表示した各画像をつなぎ合わせて1つの大きな画像を形成するとき、垂直解像度の異なる複数の表示装置を水平方向につなぎ合わせる場合や、水平解像度の異なる複数の表示装置を垂直方向につなぎ合わせる場合、各表示装置が表示した画像をつなぎ合わせても矩形とならず、1つの画像を形成しない。このように各表示装置が表示した画像をつなぎ合わせた場合は表示装置が正常に動作しているとは言えない。したがって、通知する解像度の変更を第1解像度と第2解像度とが同一である場合に制限することで、表示部5の正常な動作を確保することが可能になる。
【0101】
また、本実施形態においても、表示装置は、EDIDメモリ2に記憶された第1解像度を第3解像度に書き換えることで、第3解像度を上位装置に通知する。これにより、上位装置側の解像度を読み込む動作に変更を加えることなく、上位装置が第3解像度に応じた映像信号を出力することが可能になる。
【0102】
また、本実施形態においても、表示装置は、第2の解像度である下位表示装置の解像度を、下位表示装置のEDIDから取得する。また、表示装置は、映像信号のうち表示する領域を示すDE信号を、下位表示装置が表示する領域に対応する情報に加工する。
【0103】
また、本実施形態によれば、上位装置であるPC20、および下位表示装置であるスレーブプロジェクタ10Sと接続されたマスタプロジェクタ10Mにおいては、第1解像度および第2解像度に基づいて、表示部5およびスレーブプロジェクタ10Sのそれぞれが表示する画像をつなぎ合わせた合成画像の解像度が算出され、算出した解像度が第3解像度として上位装置であるPC20に通知される。これにより、マスタプロジェクタ10Mは、信号源であるPC20に合成画像の解像度を通知することができる。
【0104】
以上説明したように、第2の実施形態では、下位表示装置であるスレーブプロジェクタ10Sは、個別解像度を上位装置に通知することとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、スレーブプロジェクタ10Sは、自装置より下位のスレーブプロジェクタ10Sが表示する画像をつなぎ合わせた画像の解像度を上位装置に通知してもよい。また、このときスレーブプロジェクタ10Sは、EDIDに記述された解像度を通知する解像度に書き換えてもよい。
【0105】
また上記実施形態では、下位表示装置であるスレーブプロジェクタ10Sは、下位装置の数を上位装置に送信したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、EDIDに下位装置の数を記述することにより上位装置に通知しても良い。例えば、EDIDの装置名(Monitor Name)を示す領域に、装置名と共に、装置名と区別できるようにして下位装置の数を書き換えて記述しても良いし、その他の、EDIDを用いた動作に影響を与えない領域に記述しても良い。
【0106】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0107】
例えば、上記実施形態では、表示装置の一例としてプロジェクタ10を挙げたが、本発明はかかる例に限定されない。表示装置は、液晶ディスプレイ装置、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ装置など表示パネルを含むディスプレイ装置であってもよい。また表示装置は、プロジェクタや表示パネルを含む情報処理装置であってもよい。
【0108】
また上記実施形態では、プロジェクタ10に映像信号を供給する信号源の一例としてPC20を挙げたが、本発明はかかる例に限定されない。信号源は、PC20以外の情報処理装置であってもよい。また表示装置と信号源とが一体の装置であってもよい。
【0109】
また上記実施形態では、プロジェクタ10間およびPC20とマスタプロジェクタ10Mは、それぞれHDMIに対応した端子およびケーブルで接続されることとしたが、本発明はかかる例に限定されない。各装置間を接続する手段は有線無線を問わず、いかなる規格に対応した端子、ケーブル、および無線接続部などが用いられてもよい。
【0110】
また上記実施形態では、簡単のためプロジェクタ10が2台の場合と3台の場合とについて説明したが、本発明はかかる例に限定されない。4台以上のプロジェクタを用いてマルチ表示システムを構成することも可能である。
【0111】
また上記実施形態では、水平方向にプロジェクタが表示する画像がつなぎ合わされるマルチ表示システムについて説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば垂直方向にプロジェクタが表示する画像がつなぎ合わされてもよい。この場合、水平DE信号を加工する代わりに、垂直DE信号の加工が行われる。
【0112】
また上記実施形態では、映像信号に応じた画像を、重なり合わさない複数の領域に分割し、各領域を表示装置のそれぞれが表示することとしたが、本発明はかかる例に限定されない。表示装置がプロジェクタである場合には、各プロジェクタが投写する投写画像の一部を重ねて複数の投写画像が滑らかにつながるように表示する場合がある。この場合、各プロジェクタは、重なり部分を考慮してシステム解像度を算出し、DE信号を加工すればよい。
【0113】
また上記実施形態では、個別解像度が同一である場合に、マルチ表示システムを設定する処理を行ったが、画像を水平方向に配置する場合は垂直解像度が同一である場合に、また、垂直方向に配置する場合は、水平解像度が同一である場合にマルチ表示システムを設定してもよい。この場合、下位表示装置が上位装置に通知する第2解像度は、通知する装置の下位に接続された表示装置の表示する画像をつなぎ合わせた画像の解像度となる。この場合、各表示装置が表示した画像をつなぎ合わせた合成画像は矩形となり、合成画像は正常に表示される。
【0114】
また上記実施形態では、制御部9は、ホットプラグ機能を使用して、プロジェクタ10がマルチ表示システム200の最上位の表示装置(マスタプロジェクタ10M)であることを認識したが、制御部9は、ユーザが行う所定の操作を示す信号、例えばプロジェクタ10をマスタプロジェクタ10Mに設定する操作に基づき、プロジェクタ10がマルチ表示システム200の最上位の表示装置(マスタプロジェクタ10M)として設定しても良い。また、この場合、マスタプロジェクタ10Mがマルチ表示システム200の最上位の表示装置として設定されると、マスタプロジェクタ10Mの制御部9は、出力端子8と接続された接続機器の有無を確認し、出力端子8と接続されたスレーブプロジェクタ10Sを検出すると、解像度問合せメッセージを出力して所定の処理を行うようにしても良い。また、マスタプロジェクタ10Mの制御部9は、ユーザが行う所定の操作を示す信号、例えば、システム解像度を設定する操作を示す信号に基づき、出力端子8と接続された接続機器の有無を確認し、出力端子8と接続されたスレーブプロジェクタ10Sを検出すると、解像度問合せメッセージを出力して所定の処理を行うようにしても良い。
【0115】
また、上記の各実施形態における各構成や処理内容は、組み合わせて用いることができることは言うまでもない。
【0116】
例えば第1の実施形態ではプロジェクタ10が2台の場合について説明し、第2の実施形態ではプロジェクタ10が3台の場合について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。第2の実施形態の処理を2台のプロジェクタを用いたマルチ表示システムに適用することも可能である。
【0117】
また、第1の実施形態では、映像信号処理部4はDE信号を加工せずに、表示部5はDE信号の先頭から表示部5の解像度に応じて画像を表示した。また、第2の実施形態では、映像信号処理部4はDE信号を表示部5の解像度に応じて加工し、表示部5は加工されたDE信号に応じて画像を表示した。第1の実施形態に第2の実施形態の上記処理を適用しても良いし、第2の実施形態に第1の実施形態の上記処理を適用しても良い。
【0118】
また、第1の実施形態では、上位装置が直接EDIDを取得し、第2の実施形態では、下位表示装置の受信部3を介してEDIDを取得した。上位装置が直接EDIDを取得する処理を第2の実施形態の構成で行ってもよいし、下位表示装置の受信部3を介してEDIDを取得する処理を第1の実施形態の構成で行ってもよい。
【0119】
また、第1の実施形態では、上位表示装置は下位表示装置のEDIDそのものを取得することとし、第2の実施形態では、上位表示装置は下位表示装置のEDIDに記載された個別解像度を取得した。EDIDそのものを取得する処理を第2の実施形態の構成で行ってもよいし、個別解像度を取得する処理を第1の実施形態の構成で行うこともできる。
【0120】
また上記実施形態では、EDIDに含まれる解像度を取得して用いたが、本発明はかかる例に限定されない。記憶部に記憶される、EDID以外の、表示部5の性能および機能などを示す情報に含まれる解像度を取得して用いてもよい。
【0121】
また、第1の実施形態では、マルチ表示システム100に含まれるプロジェクタ10の台数が2台であることを前提とした動作を示し、第2の実施形態では、マルチ表示システム100が現在のシステム構成を検出する動作を示した。第1の実施形態の構成においても、現在のシステム構成を検出する動作を実行させてもよいし、第2の実施形態の構成において、予め決められたシステム構成を前提としてもよい。なお、予め決められたシステム構成を前提とする場合は、プロジェクタ10の仕様として予め決められたシステム構成を前提とする場合や、システム構成時にユーザが接続するプロジェクタ10の台数を入力する場合などが考えられる。
【符号の説明】
【0122】
100,200 マルチ表示システム
10 プロジェクタ
10M マスタプロジェクタ
10S スレーブプロジェクタ
1 入力端子
2 EDIDメモリ(記憶部)
3 受信部
4 映像信号処理部
5 表示部
6 駆動部
7 出力部
8 出力端子
9 制御部
11 フォーマット変換部
12 DE加工部(加工部)
13 送信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9