(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6192139
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】ロール体搬送システム
(51)【国際特許分類】
B65H 19/30 20060101AFI20170828BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
B65H19/30
B65G1/00 501C
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-117206(P2016-117206)
(22)【出願日】2016年6月13日
【審査請求日】2016年6月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232807
【氏名又は名称】ニチユ三菱フォークリフト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】門地 正史
(72)【発明者】
【氏名】萩野 貴大
【審査官】
西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−052983(JP,A)
【文献】
特開平06−271157(JP,A)
【文献】
特開2001−278410(JP,A)
【文献】
特開2012−148836(JP,A)
【文献】
特開平06−100108(JP,A)
【文献】
特開2010−247441(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 19/00−19/30
B65H 21/00−21/02
B65G 1/00− 1/133
B65G 1/14− 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール体を搬送するためのロール体搬送システムであって、
前記ロール体は、
前記ロール体の中心に配置された中空のコアと、
前記コアに巻き取られた原反と、を備え、
前記ロール体搬送システムは、
前記ロール体を第1位置と第2位置との間で搬送する自動走行式の搬送台車と、
前記第1位置と前記第2位置との間の第3位置に配置され、オペレータによる前記コアに対するシャフトの挿入又は抜取りを補助するための補助台と、を備え、
前記補助台は、
前記オペレータが前記シャフトを一時的に支持するための支持部と、
前記シャフトが前記コアに対して適切に挿入又は抜取されたか否かを検知するためのセンサーと、を備え、
前記搬送台車は、
前記第1位置と前記第2位置との間で移動するときに、前記第3位置で一時的に停止して、
前記センサーが前記シャフトの適切な挿入又は抜取を検知した場合、停止を解除して移動を再開し、
前記センサーが前記シャフトの適切な挿入又は抜取を検知しない場合、停止を維持する
ことを特徴とするロール体搬送システム。
【請求項2】
前記補助台は、
前記ロール体の幅方向の両側に配置された第1及び第2台を備え、
前記センサーは、
前記第1台に設けられ、前記シャフトの一端部が存するか否かを検知する第1センサー部と、
前記第2台に設けられ、前記シャフトの他端部が存するか否かを検知する第2センサー部と、を備え、
前記第1センサー部が前記シャフトの一端部の存在を検知すると共に、前記第2センサー部が前記シャフトの他端部の不存在を検知する場合、前記シャフトの適切な挿入を検知し、
前記第1センサー部が前記シャフトの一端部の不存在を検知すると共に、前記第2センサー部が前記シャフトの他端部の不存在を検知する場合、前記シャフトの適切な抜取を検知する
ことを特徴とする請求項1に記載のロール体搬送システム。
【請求項3】
前記第1台は、前記シャフトを当接するための当接部を備え、
前記第2台は、前記支持部を備え、
前記シャフトが前記コアに挿入されるときに、前記支持部が、前記シャフトを支持して、前記当接部が、前記コアに挿入された前記シャフトを当接する
ことを特徴とする請求項2に記載のロール体搬送システム。
【請求項4】
前記第2センサー部は、
前記シャフトが前記支持部に載置されるときに、前記シャフトが前記第2センサー部に衝突しないように、前記支持部の上方から水平方向に離れて配置される
ことを特徴とする請求項3に記載のロール体搬送システム。
【請求項5】
さらに、
前記第1位置に配置され、前記ロール体を昇降するための昇降装置と、
前記第2位置に配置され、前記ロール体を格納するための格納棚と、
前記ロール体を前記格納棚に対して出し入れするためのスタッカークレーンと、を備える
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のロール体搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール体を搬送するためのロール体搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
フィルムや紙等の原反が巻き取られたロール体を搬送するためのロール体搬送システムでは、オペレータが作業台車等でロール体を巻取機から第1受渡位置に搬送した後、無人走行式の搬送台車がロール体を第1受渡位置から第2受渡位置へ搬送して、その後、スタッカークレーンがロール体を第2受渡位置から格納棚の所定位置に収納する。また、ロール体搬送システムでは、上記と反対の動作を行って、ロール体を収納棚から製造機等へ搬送できる。
【0003】
従来のロール体搬送システムでは、特許文献1の通り(以下、符号は特許文献1を参照)、ロール体200は、ロール体200の中心を貫通する中空のコア210と、コア210に巻き取られた原反と、を備える。コア210は、原反の両端から突出する一対の突出部210−1を備える。搬送台車100は、昇降可能なコア受けブロック110と、コア受けブロック110に設けられた一対のコア受け部110−1と、を備える。
【0004】
搬送台車100は、第1受渡位置に移動すると共に、コア受け部110−1でロール体200のコア210の突出部210−1を支持した後、ロール体200を第1受渡位置から第2受渡位置へ搬送する。そして、搬送台車100が第1受渡位置から第2受渡位置へ移動する間に、所定長さのシャフト500がコア210に挿入される。
【0005】
第2受渡位置には、一定間隔を置いて配置された一対の載置台600が設けられる。搬送台車100が、第2受渡位置に移動すると共に、コア受けブロック110を昇降して、シャフト500の両端を載置台600で支持する。
【0006】
ところで、コア210の長さは、原反の寸法に応じて一定ではない。一方、シャフト500の長さは一定である。そのため、コア210の長さが一定でなくても、シャフト500の長さが一定であるので、一定間隔の載置台600にロール体200を支持できると共に、一定寸法の格納棚にもロール体200を支持できる。
【0007】
なお、シャフト500は長尺な重量物なので、ロール体200を格納棚に格納するときにのみ使用される。そのため、シャフト500は、ロール体200が第1受渡位置と第2受渡位置との間を搬送される途中で挿入及び抜取られる。
【0008】
ここで、オペレータがコア210に対してシャフト500を挿入及び抜取り、オペレータの目視で、シャフト500が適切に挿入又は抜取されたか否かが確認される。しかし、オペレータの目視による確認では、信頼性に欠ける問題がある。また、オペレータを介さずに、シャフト500を自動的に挿入及び抜取る装置もあるが、大掛かりな装置となるので、省スペース性に欠けると共に、生産コスト性に劣る問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−214006号公報の
図4、
図5、段落0002〜0011
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、上記の問題に鑑みて、オペレータがコアに対してシャフトを適切に挿入及び抜取した否かを、確実に確認できるロール体搬送システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明に係るロール体搬送システムは、
ロール体を搬送するためのロール体搬送システムであって、
ロール体は、
ロール体の中心に配置された中空のコアと、
コアに巻き取られた原反と、を備え、
ロール体搬送システムは、
ロール体を第1位置と第2位置との間で搬送する自動走行式の搬送台車と、
第1位置と第2位置との間の第3位置に配置され、オペレータによるコアに対するシャフトの挿入又は抜取りを補助するための補助台と、を備え、
補助台は、
オペレータがシャフトを一時的に支持するための支持部と、
シャフトがコアに対して適切に挿入又は抜取されたか否かを検知するためのセンサーと、を備え、
搬送台車は、
第1位置と第2位置との間で移動するときに、第3位置で一時的に停止して、
センサーがシャフトの適切な挿入又は抜取を検知した場合、停止を解除して移動を再開し、
センサーがシャフトの適切な挿入又は抜取を検知しない場合、停止を維持する。
【0012】
好ましくは、
補助台は、
ロール体の幅方向の両側に配置された第1及び第2台を備え、
センサーは、
第1台に設けられ、シャフト
の一端部が存するか否かを検知する第1センサー部と、
第2台に設けられ、シャフト
の他端部が存するか否かを検知する第2センサー部と、を備え、
第1センサー部がシャフト
の一端部の存在を検知すると共に、第2センサー部がシャフト
の他端部の不存在を検知する場合、シャフトの適切な挿入を検知し、
第1センサー部がシャフト
の一端部の不存在を検知すると共に、第2センサー部がシャフト
の他端部の不存在を検知する場合、シャフトの適切な抜取を検知する。
【0013】
好ましくは、
第1台は、シャフトを当接するための当接部を備え、
第2台は、支持部を備え、
シャフトがコアに挿入されるときに、支持部が、シャフトを支持して、当接部が、コアに挿入されたシャフトを当接する。
【0014】
好ましくは、
第2センサー部は、
シャフトが支持部に載置されるときに、シャフトが第2センサー部に衝突しないように、支持部の上方から水平方向に離れて配置される。
【0015】
好ましくは、
さらに、
第1位置に配置され、ロール体を昇降するための昇降装置と、
第2位置に配置され、ロール体を格納するための格納棚と、
ロール体を格納棚に対して出し入れするためのスタッカークレーンと、を備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るロール体搬送システムは、オペレータがコアに対してシャフトを適切に挿入及び抜取した否かを、確実に確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図3】第1台を示し、(a)は側面図、(b)は平面図。
【
図4】第2台を示し、(a)は側面図、(b)は平面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づいて、本発明に係るロール体搬送システムの一実施形態を説明する。
【0019】
[構成]
図1及び
図2の通り、ロール体搬送システムは、ロール体100を所定位置に搬送する。ロール体搬送システムは、ロール体100を第1位置P1と第2位置P2との間で搬送する自動走行式の搬送台車2を備える。搬送台車2は、予め設定された搬送方向Xに沿って走行する。
【0020】
ロール体搬送システムは、第1位置P1に、ロール体100を昇降するための昇降装置5が配置される。第2位置P2に、ロール体100を格納するための格納棚3が配置される。さらに、ロール体搬送システムは、ロール体100を格納棚3に対して出し入れするためのスタッカークレーン4を備える。
【0021】
ロール体100は、ロール体100の中心に配置された中空のコア102と、コア102に巻き取られた原反101と、を備える。昇降装置5は、搬送方向Xに対して直角な幅方向Yに間隔を置いて設けられた一対のチャック部50を備える。各チャック部50は、幅方向Y及び上下方向Zに移動する。
【0022】
格納棚3は、幅方向Y及び上下方向Zに複数の格納部(不図示)が並べられる。格納棚3には、格納部に複数のロール体100が格納される。スタッカークレーン4は、幅方向Y及び上下方向Zに移動可能であると共に、搬送方向Xに出没可能な一対のフォーク(不図示)を備える。スタッカークレーン4は、フォークを使って、ロール体100を格納棚3の所定の収納部に対して出し入れする。
【0023】
ロール体搬送システムは、オペレータによるコア102に対するシャフト200の挿入又は抜取りを補助するための補助台1を備える。補助台1は、第1位置P1と第2位置P2との間の第3位置P3に配置される。
【0024】
搬送台車2は、本体部20の下部に設けられた車輪21を備える。搬送台車2は、車輪21を駆動することで、搬送方向Xに沿って走行する。搬送台車2は、本体部20の上方に設けられたリフト部23を備える。リフト部23は、上下方向Zに昇降する。搬送台車2は、リフト部23の上部に設けられた一対のコア受け部22を備える。コア受け部22は、幅方向Yに移動する。
【0025】
コア102の長さは、原反101の幅方向Yの長さより長い。そのため、ロール体100は、原反101の両端から突出するコア102の突出部102aを備える。搬送台車2は、各コア受け部22で各突出部102aを支持して、ロール体100を搬送する。また、コア102の長さは、原反101の幅の長さに応じて様々なので、各突出部102aの位置が異なる。そのため、各コア受け部22は、各突出部102aの下方に配置されるように、各突出部102aの位置に合わせて移動する。
【0026】
補助台1は、ロール体100の幅方向Yの両側に配置された第1台11及び第2台12を備える。搬送台車2が第3位置で停止するとき、第1台11と第2台12との間に搬送台車2が配置されて、幅方向Yに並列される。補助台1は、オペレータがシャフト200を一時的に支持するための支持部16と、シャフト200がコア102に対して適切に挿入又は抜取されたか否かを検知するためのセンサー13,14と、を備える。
【0027】
センサー13,14は、第1台11に設けられた第1センサー部13と、第2台12に設けられた第2センサー部14と、を備える。第1及び第2センサー部13,14は、シャフト200が所定位置に存するか否かを検知する光電センサーからなる。
【0028】
図3の通り、第1台11は、床面に設置されるフレーム台110と、フレーム台110に支持された当接部15と、を備える。当接部15は、搬送台車2で搬送されるロール体100に対向する。当接部15は、一対の当接ローラ150からなる。各当接ローラ150は、上下方向Zに延設されると共に、搬送方向Xに回転可能に構成される。当接部15に当接されたシャフト200は、各当接ローラ150の回転によって滑らかに搬送方向Xに移動できる。
【0029】
第1台11は、フレーム台110に支持されたセンサーフレーム130を備える。第1センサー部13は、投光部13a及び受光部13bからなる。投光部13aは、センサーフレーム130に支持されると共に、当接部15の上方に配置される。受光部13bは、フレーム台110に支持されると共に、当接部15の下方に配置される。そのため、投光部13a及び受光部13bは、上下方向Zに沿って一定間隔を置いて配置される。
【0030】
図2の通り、投光部13a及び受光部13bは、幅方向Yにおいて、当接部15の近傍のロール体100側に配置される。投光部13a及び受光部13bは、シャフト200が当接部15に当接するとき、シャフト200の存在を検知して、シャフト200が当接部15に当接しないとき、シャフト200の不存在を検知するように配置される。
【0031】
図4の通り、第2台12は、床面に設置されるフレーム台120と、フレーム台120に支持された支持部16と、を備える。支持部16は、オペレータがシャフト200を一時的に支持するときに使用される。支持部16は、一対の支持ローラ160からなる。各支持ローラ160は、搬送方向Xに延設されると共に、幅方向Yに回転可能に構成される。支持部16に支持されたシャフト200は、各支持ローラ160の回転によって滑らかに幅方向Yに移動できる。
【0032】
第2台12は、フレーム台120に支持されたセンサーフレーム140,141を備える。第2センサー部14は、投光部14a及び受光部14bからなる。投光部14aは、逆L型とI型との組み合わせからなるセンサーフレーム140に支持される。投光部14aは、支持部16の上方で、支持部16から搬送方向X及び幅方向Yに離れた所定の位置に配置される。受光部14bは、I型のセンサーフレーム141に支持される。受光部14bは、支持部16の下方で、支持部16から搬送方向X及び幅方向Yに離れた所定の位置に配置される。そのため、投光部14a及び受光部14bは、上下方向Zに一定間隔を置くと共に、搬送方向Xに対して所定角度で配置される。
【0033】
シャフト200は長尺な重量物なので、オペレータはシャフト200を支持部16に支持しながら幅方向Yに搬送する。そのため、投光部14a及び受光部14bが支持部16の近傍に配置されると、オペレータがシャフト200を搬送する際に、シャフト200が投光部14a及び受光部14bに衝突して破損するおそれがある。それを防止するために、投光部14a及び受光部14bは、支持部16の上方から搬送方向Xに離れて配置される。
【0034】
図2の通り、投光部14a及び受光部14bは、幅方向Yにおいて、支持部16から離れて、ロール体100側の所定位置に配置される。投光部14a及び受光部14bは、シャフト200が当接部15に当接されないとき、シャフト200の存在を検知して、シャフト200が当接部15に当接されるとき、シャフト200の不存在を検知するように配置される。
【0035】
支持部16は、オペレータがシャフト200を搬送する際にシャフト200を載置しやすい高さに配置される。当接部15は、支持部16で支持されたシャフト200が幅方向Yに移動するときに、シャフト200が当接するように配置される。そのため、搬送台車2は、搬送台車2が第3位置P3で停止するときに、支持部16で支持されたシャフト200がコア102に挿入及び抜取可能なように、搬送方向X及び上下方向Zに車輪21及びリフト部23の駆動を制御する。
【0036】
シャフト200は一定長さである。そのため、第1及び第2センサー部13,14は、幅方向Yの間隔がシャフト200の長さと略同一になるように配置される。
シャフト200がコア102に対して適切に挿入及び抜取されたか否かを、第1及び第2センサー部13,14が検知する工程を説明する。
【0037】
シャフト200をコア102に挿入する場合に、シャフト200がコア102に適切に挿入されると、シャフト200が当接部15に当接する。そのため、シャフト200が当接部15に当接しない場合、シャフト200はコア102に適切に挿入されない。そこで、(i)第1センサー部13がシャフト200の存在を検知すると共に、第2センサー部14がシャフト200の不存在を検知する場合、シャフト200の適切な挿入が検知される。一方、(ii)第1センサー部13がシャフト200の不存在を検知すると共に、第2センサー部14がシャフト200の存在を検知する場合、シャフト200の適切な挿入が検知されない。また、シャフト200が適切な長さよりも長い場合、(iii)第1センサー部13がシャフト200の存在を検知すると共に、第2センサー部14がシャフト200の存在を検知して、シャフト200の適切な挿入が検知されない。
【0038】
シャフト200をコア102から抜取する場合に、シャフト200がコア102に適切に抜取されると、シャフト200が当接部15に当接せずに離れる。そこで、(iv)第1センサー部13がシャフト200の不存在を検知すると共に、第2センサー部14がシャフト200の不存在を検知する場合、シャフト200の適切な抜取を検知する。一方、(v)第1センサー部13がシャフト200の不存在を検知すると共に、第2センサー部14がシャフト200の存在を検知する場合、シャフト200の適切な抜取を検知しない。
【0039】
上記の通り、(i)及び(iv)の場合、センサー13,14は、シャフト200の適切な挿入及び抜取を検知する。一方、(ii)、(iii)及び(v)の場合、センサー13,14は、シャフト200の適切な挿入及び抜取を検知しない。
【0040】
[シャフト挿入動作]
巻取機等から排出されたロール体100に対してシャフト200を挿入して、格納棚3にロール体100を格納する工程を説明する。
巻取機等から排出されたロール体100は、オペレータによって作業台車等で昇降装置5に搬送される。このとき、ロール体100は、シャフト200が挿入されていない。昇降装置5は、一対のチャック部50をロール体100のコア102の両側に挿入して、各チャック部50でコア102を支持する。そして、昇降装置5は、ロール体100を所定高さに昇降する。
【0041】
その後、搬送台車2は、搬送方向Xに移動して、第1位置P1に停止する。搬送台車2は、一対のコア受け部22でロール体100のコア102の各突出部102aを支持する。そして、昇降装置5は、各チャック部50のコア102の支持を解放する。
【0042】
その後、搬送台車2は、搬送方向Xに移動して、第3位置P3に一時的に停止する。搬送台車2は、リフト部23を昇降して、ロール体100のコア102を所定高さに配置する。そして、オペレータがシャフト200をコア102に挿入する。
【0043】
搬送台車2は、センサー13,14がシャフト200の適切な挿入を検知した場合(上記(i))、停止を解除して移動を再開する。一方、搬送台車2は、センサー13,14がシャフト200の適切な挿入を検知しない場合(上記(ii)又は(iii))、停止を維持する。そして、ランプやアラーム等の報知手段(不図示)で、オペレータに対して、シャフト200が適切に挿入されていないことを報知する。
【0044】
その後、搬送台車2は、搬送方向Xに移動して、第2位置P2に停止する。格納棚3は、一定間隔を置いて配置された一対の載置台30を備える。搬送台車2は、各載置台30にシャフト200の両端部が載置されるように、車輪21及びリフト部23を駆動する。そして、ロール体100が、格納棚3の載置台30に載置される。
【0045】
その後、スタッカークレーン4は、格納棚3の載置台30に載置されたロール体100のシャフト200の両端をフォーク(不図示)で掬い取り、幅方向Y及び上下方向Zに移動して、ロール体100を格納棚3の所定の格納部に載置する。
【0046】
[シャフト抜取動作]
格納棚3に格納されたロール体100に対してシャフト200を抜取して、製造機等にロール体100を搬送する工程を説明する。
基本的には、上記のシャフト挿入工程と逆の工程が行われる。
スタッカークレーン4がロール体100を格納棚3の載置台30に載置する。その後、搬送台車2がロール体100を支持して、第2位置P2から第3位置P3に搬送方向Xに移動する。
【0047】
搬送台車2は、搬送方向Xに移動して、第3位置P3に一時的に停止する。搬送台車2は、リフト部23を昇降して、ロール体100のコア102を所定高さに配置する。そして、オペレータがシャフト200をコア102に抜取する。
【0048】
搬送台車2は、センサー13,14がシャフト200の適切な抜取を検知した場合(上記(iv))、停止を解除して移動を再開する。一方、搬送台車2は、センサー13,14がシャフト200の適切な抜取を検知しない場合(上記(v))、停止を維持する。そして、ランプやアラーム等の報知手段(不図示)で、オペレータに対して、シャフト200が適切に抜取されていないことを報知する。
【0049】
その後、搬送台車2は、搬送方向Xに移動して、第1位置P1に停止する。そして、昇降装置5がロール体100を昇降して作業台車等に載置して、オペレータが作業台車等でロール体100を製造機等に搬送する。
【0050】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明の構成はこれらの実施形態に限定されるものではない。
【0051】
本発明に係るロール体搬送システムでは、オペレータがコア102に対してシャフト200を適切に挿入及び抜取した否かを、センサー13,14で検知するように構成されているので、オペレータの目視による確認よりも信頼性に優れる効果を奏する。
【符号の説明】
【0052】
1 補助台
11 第1台
12 第2台
13 第1センサー部(センサー)
14 第2センサー部(センサー)
15 当接部
16 支持部
2 搬送台車
3 格納棚
4 スタッカークレーン
5 昇降装置
100 ロール体
102 コア
101 原反
200 シャフト
P1 第1位置
P2 第2位置
P3 第3位置
【要約】
【課題】オペレータがコアに対してシャフトを適切に挿入及び抜取した否かを、確実に確認できるようにすること。
【解決手段】ロール体100を第1位置と第2位置との間で搬送する搬送台車2と、第1位置と第2位置との間の第3位置に配置された補助台1と、を備え、補助台1は、オペレータがシャフト200を一時的に支持するための支持部16と、シャフト200がコア102に対して適切に挿入又は抜取されたか否かを検知するためのセンサー13,14と、を備え、搬送台車2は、第1位置と第2位置との間で移動するときに、第3位置で一時的に停止して、センサー13,14がシャフト200の適切な挿入又は抜取を検知した場合、停止を解除して移動を再開し、センサー13,14がシャフト200の適切な挿入又は抜取を検知しない場合、停止を維持する。
【選択図】
図2