特許第6192218号(P6192218)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6192218
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/068 20060101AFI20170828BHJP
   F21S 8/12 20060101ALI20170828BHJP
   F21W 101/027 20060101ALN20170828BHJP
   F21W 101/10 20060101ALN20170828BHJP
【FI】
   B60Q1/068 100
   F21S8/12 210
   F21S8/12 251
   F21W101:027
   F21W101:10
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-211718(P2013-211718)
(22)【出願日】2013年10月9日
(65)【公開番号】特開2015-74332(P2015-74332A)
(43)【公開日】2015年4月20日
【審査請求日】2016年9月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100087826
【弁理士】
【氏名又は名称】八木 秀人
(72)【発明者】
【氏名】原田 洋幸
【審査官】 杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−203246(JP,A)
【文献】 特開2010−201952(JP,A)
【文献】 特開2007−118870(JP,A)
【文献】 特開2011−124110(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/068
F21S 8/12
F21W 101/027
F21W 101/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、ランプボディと、ランプボディに取り付けられてランプボディと共に灯具本体を形成する前面カバーと、灯具本体の左右両端部にそれぞれ設けられ、車両に回動可能に支持される一対の回動軸と、を有する車両用灯具において、
前記一対の回動軸が、前面カバーに設けられたことを特徴とする、車両用灯具。
【請求項2】
前記一対の回動軸は、前面カバーに一体成形されたことを特徴とする、請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記前面カバーは、シール部を介して前記ランプボディに取り付けられ、
前記一対の回動軸は、シール部の前方に設けられたことを特徴とする、請求項1または2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記前面カバーは、前方に向かって凸となる湾曲形状を有することを特徴とする、請求項1から3のうちいずれかに記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記ランプボディは、底部の左右方向の中央位置に光軸調整機構を有することを特徴とする、請求項1から4のうちいずれかに記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
車両の走行時における光軸の振動を低減させた車両用灯具の発明。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ケース(ランプボディ)とケースの前方に取り付けられたレンズ(前面レンズ)の内側に光源となるバルブを配置した、車両(自動二輪車用)のヘッドライトユニットが図4や明細書の[0026]等に記載されている。
【0003】
特許文献1のヘッドライトユニットは、ケースに設けられた左右一対の支持軸によって車体のフロントカバーに回転自在に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−118870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のヘッドライトユニットの回転中心となる一対の支持軸は、ヘッドライトユニットの後端部近傍に位置するケースに設けられているため、ヘッドライトユニットの重心は、支持軸から前方に離れた位置に発生する。従って、特許文献1のヘッドライトユニットは、走行時の振動によって支持軸周りに発生する回転モーメントが大きくなりやすいため、光軸が振動しやすくなる問題を有する。
【0006】
本願発明は、上記課題に鑑みて、車両の走行時において光軸の振動を低減させた車両用灯具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、請求項1の車両用灯具は、光源と、ランプボディと、ランプボディに取り付けられてランプボディと共に灯具本体を形成する前面カバーと、灯具本体の左右両端部にそれぞれ設けられ、車両に回動可能に支持される一対の回動軸と、を有する車両用灯具において、前記一対の回動軸が、前面カバーに設けられるようにした。
【0008】
(作用)車両用灯具の回動軸がより重心に近い位置に設けられるため、車両用灯具の回動軸周りに発生する回転モーメントは、より小さくなる。その結果、車両用灯具は、走行時の振動を受けても回転しにくくなる。
【0009】
請求項2は、請求項1に記載の車両用灯具であって、前記一対の回動軸を前面カバーに一体成形した。
【0010】
(作用)前面カバーに支持軸を別途設ける必要が無くなるため、部品点数が減少し、車両用灯具の構造が簡素になる。
【0011】
請求項3は、請求項1または2に記載の車両用灯具であって、前記前面カバーは、シール部を介して前記ランプボディに取り付けられ、前記一対の回動軸は、シール部の前方に設けられるようにした。
【0012】
(作用)一対の回動軸が、前面カバーをランプボディに取り付けるシール部に干渉しない。
【0013】
請求項4は、請求項1から3のうちいずれかに記載の車両用灯具であって、前記前面カバーが、前方に向かって凸となる湾曲形状を有するようにした。
【0014】
前面カバーが、前方に向かって凸となる湾曲形状を有するため、車両用灯具の重心は、より前方に発生する。
【0015】
(作用)しかし、一対の回動軸もまた、より重心近くに設けられるため、車両用灯具の回動軸周りに発生する回転モーメントは、より小さくなる。その結果、車両用灯具は、走行時の振動を受けても回転しにくくなる。
【0016】
請求項5は、請求項1から4のうちいずれかに記載の車両用灯具であって、前記ランプボディが、底部の左右方向の中央位置に光軸調整機構を有するようにした。
【0017】
(作用)車両用灯具の光軸の方向が光軸調整機構によって変化する。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の車両用灯具によれば、車両用灯具が走行時の振動によって回転しにくくなるため、光軸が振動しにくい車両用灯具を得られる。
【0019】
請求項2の車両用灯具によれば、構造が簡素で、光軸が振動しにくい車両用灯具を得られる。
【0020】
請求項3の車両用灯具用によれば、一対の回動軸がシール部に干渉しないため、シール部を介して前面カバーをランプボディに取り付けやすくなる。
【0021】
請求項4の車両用灯具によれば、車両用灯具の前寄りの位置に重心が発生しても、車両用灯具が走行時の振動によって回転しにくくなるため、光軸が振動しにくい車両用灯具を得られる。
【0022】
請求項5の車両用灯具によれば、光軸が所定の方向に向くよう調節される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施例の車両用灯具を取り付けた自動二輪車のハンドル部分の正面図。
図2】実施例の車両用灯具の正面図。
図3】実施例の車両用灯具の左側面図。
図4】実施例の車両用灯具の背面図。
図5】実施例の車両用灯具の底面図。
図6図4のI−I断面図。
図7図3の光軸調整機構を示す、図2のII−II断面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
実施例の車両用灯具1を図1から図8によって説明する。図1から図8においては、各図に示すように前面カバーとランプボディの相対的な配置方向を前後方向(符号Fr及びRe方向)、灯具本体に設けられた一対の回動軸の突出方向を左右方向(符号Le及びRi方向)、スライド部と光軸調整部の相対的な配置方向を上下方向(符号Up及びLo方向)として説明する。
【0025】
本実施例の車両用灯具は、スクーターを含む自動二輪車、3輪バギーを含む自動三輪車等の鞍乗型車両に好適な灯具である。実施例1の車両用灯具1は、自動二輪車(スクーター)用の前照灯であり、図1に示すように自動二輪車のハンドル100に取り付けられている。ハンドル100は、グリップ部(101a、101b)を取り付けたフレーム102と、ハンドルカバー103と、を有する。車両用灯具1は、フレーム102によって上下に揺動自在に支持され、かつ前面カバー3を前方に露出させた状態でハンドルカバー103の内側に取り付けられる。
【0026】
図2から図6に示す、車両用灯具1は、樹脂製のランプボディ2及び前面カバー3を有する灯具本体4と、光源となるバルブ5と、灯具本体4の左右両端部に設けられる一対の同軸(中心軸線L1)の回動軸(6,7)と、を有する。図3図5図6に示すように前面カバー3は、透明または半透明の樹脂等で形成され、上下方向または左右方向のいずれから見ても前方に向かって凸となる湾曲形状を有する。また、ランプボディ2は、後方に向かって凸となる回転放物面形状を有するリフレクター8と、リフレクター8の左右の両端部から後方に伸びるエクステンションリフレクター9によって構成されて、前面カバー3を後方から閉塞する。リフレクター8及びエクステンションリフレクター9は、ポリプロピレン(PP)やポリカーボネート(PC)等の材質で形成され、前面カバー3は、ポリカーボネート(PC)やアクリル(PMMA)等の材質で形成される。前面カバー3及びエクステンションリフレクター9は、共に同一材料(PC)で形成されてもよい。
【0027】
前面カバー3の周縁部の後端には、シール脚3a(図6参照)と、後述する一対の回動軸(6,7)の台座(6a,7a)を除く部分にリブ3b(図2及び図3参照)が周設される。また、エクステンションリフレクター9の周縁部の後端には、前方に開口するシール溝9aが周設され、シール溝9aの内側には、シール溝9aに沿ってゴム等の弾性部材からなるシール部材9bが設けられる。シール脚3a、シール溝9a、シール部材9bは、前面カバー3とランプボディ2との間に設けられて、後述する灯室Sを封止するシール部11を形成する。また、灯具本体4は、ランプボディ2に形成されたスリット10aと前面カバー3に形成された凸部10bからなる複数の凹凸ランス機構10を有する。
【0028】
図2から図6に示すように、ランプボディ2と前面カバー3は、凹凸ランス機構10とシール部11を介して一体化されることによって灯具本体4を構成する。具体的には、前面カバー3は、シール脚3aをエクステンションリフレクター9のシール溝9a内のシール部材9bに押し付けた状態で、前面カバー3の複数の凸部10bをランプボディ2の対応するスリット10aに係合(凹凸ランス係合)させることにより、ランプボディ2に取り付けられる。
【0029】
図6に示すように、前面カバー3とランプボディ2の(リフレクター8の)内側には、シール部材9bによって封止された灯室Sが形成され、ランプボディ2のリフレクター8の中央には、灯室S内に発光部5aを突出させるようにしてバルブ5が取り付けられる。
【0030】
また、図2から図6に示すように、灯具本体4には、左右方向にそれぞれ突出する一対の回動軸(6,7)が設けられる。一対の回動軸(6,7)は、車両用灯具1の重心がシール溝9aよりも前寄りの位置に発生しているためランプボディ2ではなく前面カバー3の左右両端部に設けられる。特許文献1の図5に示されるヘッドライトユニット30のようにケース32に設けられた支持軸36は、ヘッドライトユニット30の重心の後方に配置されるため、車両走行中の振動の影響を受け、ヘッドライトユニット30の自重による大きな負荷を受ける。本願実施例の一対の回動軸(6,7)は、前面カバー3に設けられることで車両用灯具1の重心近傍に設けられるため、一対の回動軸(6,7)に負荷がかかりにくい。
【0031】
図2から6に示すように、一対の回動軸(6,7)は、前面カバー3に左右に一体形成された中空の台座(6a,7a)と、台座(6a,7a)に一体化された軸部(6b、7b)によって形成される。台座(6a,7a)は、有底筒状に形成されて、軸部(6b、7b)の強度を向上させる。軸部(6b、7b)は、スペーサーを取り付ける半円筒形状の取付部(6c,7c)とその先端に一体形成された、中空の半円錐部(6d、7d)によって形成される。取付部(6c,7c)と半円錐部(6d,7d)の内側は、図4に示すように、仕切り(6e,7e)を間に挟んで後方に開口する中空形状を有する。
【0032】
尚、特許文献1の図5に示すヘッドライトユニット30において、支持軸36に作用する大きな負荷は、ケース32を介してケース32とレンズ34の接合部に設けられるシール部材に作用し、シール部材の密着性を低下させる。シール部材の密着性が低下すると、ヘッドライトユニット30の内側には、水や塵が侵入するため、特許文献1のヘッドライトユニット30には、大きな負荷を受けてもケース32とレンズ34との間に設けたシール部材の密着性が低下しないように高価な素材をシール部材に採用したり、シール部材を厚手にする必要があった。
【0033】
本実施例の車両用灯具1においては、元々重心位置近傍に配置された回動軸(6,7)に負荷がかかりにくいことに加え、中心軸線L1に沿って左右に張り出した台座(6a,7a)の仕切り(6e,7e)に軸部(6b,7b)を設けることにより、回動軸(6,7)の強度も向上させている。また、シール溝9aに直接自重の負荷がかかることがない。従って、ランプボディ2と前面カバー3との間に設けたシール部材9bの密着性が低下しにくいため、高価な素材をシール部材9bに採用する必要がない。また、シール部材9bを薄手にしてシール部のサイズを小さくすることもできる。
【0034】
尚、図2の仮想線は、車両のフレーム102とスペーサー12を示すものであり、当該部分のみ図3のIII−III位置で切断した断面として記載している。軸部(6b、7b)には、樹脂やゴム等で形成された円筒形状のスペーサー12が取り付けられる。スペーサー12の外周には、周方向溝12aが形成され、スペーサー12は、車両のフレーム102に形成された軸取付部102aの先端の円孔102bに周方向溝12aを係合させることでフレーム102に取り付けられる。車両用灯具1は、回動軸(6,7)の取付部(6c、7c)をスペーサー12の円孔12bにそれぞれ挿入することにより、車両側のフレーム102に回動自在に取り付けられる。車両用灯具1は、後述する光軸調整機構によって、回動軸(6,7)の中心軸線L1周りに揺動する。
【0035】
尚、本実施例においては、前面カバー3に雄部となる回動軸(6,7)を設け、かつ車両側のフレーム102にスペーサー12を介して回動軸(6,7)を係合させる雌部となる軸取付部102aを設けているが、車両用灯具1においては、前面カバー3に雌部となる軸取付部を設け、フレーム102に雄部となる回動軸を設けてもよい。
【0036】
本実施例の車両用灯具1は、前面レンズが前方に大きく突出した湾曲形状を有するため、重心が車両用灯具1の前寄りの位置に発生しやすくなる。しかし、一対の回動軸(6,7)は、前面カバー3に設けられることによって重心に近い位置に設けられる。その結果、例えば、図3における車両用灯具1の重心が符号G1の位置に発生すると仮定した場合、G1から中心軸線L1までの前後方向距離d1がより短くなるため、車両用灯具1の回動軸(6,7)の中心軸線L1周りに発生する回転モーメントは、より小さくなる。その結果、車両用灯具は、走行時の振動を受けても回転しにくくなる。
【0037】
尚、回動軸(6,7)は、中心軸線L1が車両用灯具1の重心の鉛直上方または下方に位置するか、重心と一致する位置に配置されるように前面カバー3に形成されることが望ましい。
【0038】
例えば、図3における車両用灯具1の重心が符号G2またはG3のいずれかの位置に発生すると仮定した場合、回動軸(6,7)は、図3に示すように中心軸線L1がG2の鉛直下方またはG3の鉛直上方に位置するように回動軸(6,7)を前面カバー3に形成することが望ましい。その場合、重心G2またはG3において鉛直下方に作用する車両用灯具1の自重は、中心軸線L1周りの回転モーメントを車両用灯具1に発生させないため、車両用灯具1は、走行時に振動を受けても回転しにくくなる。
【0039】
また、例えば、図3における車両用灯具1の重心が符号G4に発生すると仮定した場合において、回動軸(6,7)の中心軸線L1を重心G4の発生位置に配置した場合、重心G4において鉛直下方に作用する車両用灯具1の自重は、例え車両が前後方向に振動したとしても、中心軸線L1周りの回転モーメントを車両用灯具1に発生させない点でより望ましい。その場合、車両用灯具1は、走行時に前後方向の振動を受けても回転しにくくなる。
【0040】
また、図3及び図5に示す通り、前面カバー3の一対の回動軸(6,7)は、シール部11の前方に設けられているため、前面カバー3をランプボディ2に取り付ける際にシール部11に干渉しない。
【0041】
尚、図2から図4に示す通り、ランプボディ2の頂部13の左右方向の中央位置には、上方に突出した後、後方に伸びる板状のスライド部15が設けられる。
【0042】
また、図2から図4に示すランプボディ2の底部14の左右方向中央位置には、図7の光軸調整機構16が設けられる。
【0043】
図2から図4に示すスライド部15は、車両のフレーム102に設けられた、スライド部15の先端部15aに対応した形状のスリット(図示せず)に挿入されることでフレーム102に保持される。
【0044】
光軸調整機構16は、前後に伸びる上端部17と、上端部17から斜め後方に伸びる傾斜部18と、中央に雌ねじ孔19aを有するナットのような雌ねじ部形成部材19と、ボルト20によって構成される(尚、図2から図5には、ボルトを記載していない)。上端部17には、傾斜部18との連続部18a近傍から下方に突出する第1凸部17aと、後端部から第1凸部17aよりも長く下方に突出す第2凸部17bが設けられる。第2凸部17bと、傾斜部18との間には、雌ねじ部形成部材19の挿入口18bが形成される。
【0045】
図7に示すように、雌ねじ部形成部材19は、挿入口18bから傾斜部18の上面18cに沿って第1凸部17aと第2凸部17bの双方に接触するまで挿入され、傾斜部18へ接着されること等によって固定される。雌ねじ部形成部材19の雌ねじ孔19aは、図5に示すように、傾斜部18に設けられた孔18dに対応した位置に配置される。尚、図7に示すように、傾斜部18は、固定された雌ねじ部形成部材19の雌ねじ孔19aの中心軸線L2が、回動軸(6,7)の中心軸線L1の後方に向かって斜め上方に傾斜するように形成される。
【0046】
図7に示すように、ボルト20は、雄ねじ部を形成していない軸の基端部20aをフレーム102側の挿通孔102cに挿入されることにより、挿通孔102cから抜け止めされつつフレーム102に回動可能に保持される。ボルト20の雄ねじ部20bは、傾斜部18の孔18dを介して雌ねじ部形成部材19の雌ねじ孔19aにネジ止めされる。ボルト20をD1方向に正回転させ、またはD2方向に逆回転させると、車両用灯具1の下端部は、雌ねじ部形成部材19と共にフレーム102に対し、雌ねじ孔19aの中心軸線L2に沿ってD3方向に移動し、またはD4方向に移動する。その結果、車両用灯具1は、ボルト20の回転方向に応じて回動軸(6,7)の中心軸線L1を中心としてD5方向またはD6方向のいずれかに揺動し、光軸の上下方向が微調整される。
【符号の説明】
【0047】
1 車両用灯具
2 ランプボディ
3 前面カバー
4 前照灯本体
5 バルブ(光源)
6,7 一対の回動軸
11 シール部
14 ランプボディの底部
16 光軸調整機構
Fr 前方
Le 左方
Ri 右方
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7