(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記人検知装置の少なくとも1つは個人としてのユーザを認識するように人を検知する個人認識用の人検知装置であり、前記個人認識用の人検知装置の人検知情報送信部は、認識されたユーザを示す人検知情報を前記情報通知サーバに送信する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報通知サーバ。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<情報通知システムの構成例>
図1は、本発明の実施形態としての情報通知システムの全体構成例を示している。
この図に示す情報通知システムは、複数のユーザ利用装置100(100−1〜100−8)と、複数の人検知装置200(200−1〜200−6)と、複数のスピーカ装置300(300−1から300−6)を備える。また、情報通知システムは、情報通知サーバ500と情報サービスサーバ600を備える。
【0015】
ユーザ利用装置100は、ユーザが利用する電子機器である。このユーザ利用装置100は、家屋10内に備えられる、あるいは、家屋10に居住するユーザが携帯する。また、これらのユーザ利用装置100は、それぞれ、家屋10に居住するユーザが共有して利用される、あるいは、個人的に利用される。
なお、
図1においては、8つのユーザ利用装置100−1〜100−8が示されているが、以降において、これらのユーザ利用装置100−1〜100−8について個々に説明する場合には、それぞれのユーザ利用装置の機器種別に応じた名称を記載する。具体的に、ユーザ利用装置100−1〜100−8の各々については、エアコンディショナ100−1、照明機器100−2、テレビジョン受像機100−3、電子レンジ100−4、洗濯機100−5、体重計100−6、睡眠センサ100−7、スマートフォン100−8と記載する。
【0016】
家屋10は、例えば、リビングルーム11−1と、キッチン11−2と、洗濯場11−3と、洗面所11−4と、寝室11−5と、玄関11−6とに部屋が分かれている。
リビングルーム11−1には、ユーザ利用装置100として、エアコンディショナ100−1、照明機器100−2、テレビジョン受像機100−3が設置されている。
キッチン11−2には、ユーザ利用装置100として電子レンジ100−4が設置されている。
洗濯場11−3には、ユーザ利用装置100として洗濯機100−5が設置されている。
洗面所11−4には、ユーザ利用装置100として体重計100−6が設置されている。
寝室11−5には、ユーザ利用装置100として睡眠センサ100−7が設置されている。
また、スマートフォン100−8は、家屋10に居住するユーザのうちの1人が所有するもので、そのユーザが携帯するユーザ利用装置100の1つである。
【0017】
これらのユーザ利用装置100(100−1〜100−8)は、それぞれ、ゲートウェイ400からネットワーク700を経由して情報通知サーバ500と通信する機能を有する。この通信機能により、ユーザ利用装置100は、電子機器としての自己の状態を示す機器状態情報を情報通知サーバ500に対して送信する。
【0018】
また、人検知装置200は、家屋10における部屋ごとに設置され、設置された部屋において、人を検知する電子機器である。
なお、
図1においては、8つの人検知装置200が示されているが、これらの人検知装置200について個々に説明する場合には、それぞれの種別により示す。具体的に、人検知装置200の各々は、人感センサ200−1〜200−6、カメラ200−7、カード認証ドア鍵200−8である。
また、上記の例では、人検知装置200とユーザ利用装置100とがそれぞれ独立した装置である例を挙げているが、例えばユーザ利用装置100として人検知装置200を備えるものがあってもよい。このようなユーザ利用装置100の具体例として、人感センサにより検出した人の存在の有無に応じて電源コントロールなどを行うテレビジョン受像機を挙げることができる。また、部屋における人の存在の有無や人の位置などの人の存在状況に応じて空調を制御するエアコンディショナを挙げることができる。
【0019】
人感センサ200−1〜200−6は、それぞれ、リビングルーム11−1、キッチン11−2、洗濯場11−3、洗面所11−4、寝室11−5および玄関11−6の各部屋に設置される。また、カメラ200−7は、リビングルーム11−1に設置されている。
また、カード認証ドア鍵200−8は、玄関11−6のドアに設けられる。
【0020】
人感センサ200−1〜200−6は、人の存在を感知するセンサにより人検知を行う装置である。このような人の存在を感知するセンサとしては、例えば赤外線や音波の反射を利用するものや、サーモグラフィを利用したものなどを採用できる。このような人感センサ200−1〜200−6は、設置された部屋において存在する人の有無と、人が存在している場合には、その数を検知することができる。
【0021】
カメラ200−7は、設置された部屋を撮像して得られる撮像画像について顔認識処理を実行することで、人の顔を抽出する。そのうえで、カメラ200−7には、家屋10に居住するユーザごとの顔画像が予めユーザ識別子と対応付けられて登録されている。あるいは、情報通知サーバ500においてユーザごとの顔画像をユーザ識別子と対応付けて登録しておき、カメラ200−7がネットワーク700経由の通信により情報通知サーバ500から顔画像とユーザ識別子とを取得してもよい。そして、カメラ200−7は、上記のように登録された顔画像と撮像画像とを照合して個人認識処理を実行して、撮像画像におけるユーザをユーザ識別子と対応付けて認識する。
このように、カメラ200−7は、個人認識処理により、設置された部屋において存在するユーザが誰であるのかを特定するように人検知を行うことができる。そして、カメラ200−7は、人を検知した結果を示す人検知情報として、検知したユーザのユーザ識別子を示す情報を出力することができる。
【0022】
カード認証ドア鍵200−8は、例えばRFID(Radio Frequency IDentification)タグを備えるカード型の鍵(カード鍵)に対応して玄関のドアの施錠、解錠を行う。具体的に、家屋10に居住するユーザは、それぞれ、自分のカード鍵を所有する。これらのカード鍵のRFIDタグは、それぞれ、固有のカード識別子を記憶する。また、カード認証ドア鍵200−8には、家屋10に居住するユーザごとのカード鍵のカード識別子をユーザ識別子と対応付けて記憶している。
【0023】
カード認証ドア鍵200−8は、例えば施錠された状態において、カード鍵が通信範囲にまで近づけられると、そのカード鍵のカード識別子を無線通信により読み込んで、このカード識別子が予め記憶されたカード識別子と一致するか否かについての個人認証を実行する。カード認証ドア鍵200−8は、個人認証が成立すれば解錠し、個人認証が成立しなければ解錠せずに施錠されたままの状態とする。
【0024】
また、カード認証ドア鍵200−8は、認証が成立した場合には、自己が予めカード識別子と対応させて記憶しているユーザ識別子のうちから、カード鍵から読み込んだカード識別子に対応付けられているユーザ識別子を認識する。このように認識されたユーザ識別子は、今回解錠、または施錠を行ったユーザを示す。
このように、カード認証ドア鍵200−8は、人を検知した結果を示す人検知情報として、解錠または施錠に際して個人認証を行ったユーザのユーザ識別子を示す情報を出力することができる。
【0025】
これらの人検知装置200(200−1〜200−8)は、それぞれ、ゲートウェイ400からネットワーク700を経由して情報通知サーバ500と通信する機能を有する。
人検知装置200は、上記のように出力した人検知情報を機器状態情報として情報通知サーバ500に対して送信する。
【0026】
なお、本実施形態では、ユーザ利用装置100と人検知装置200とを合わせて情報送信機器ともいう。これらの情報送信機器は、自己の状態を示す機器状態情報を情報通知サーバ500に送信する電子機器である。
【0027】
スピーカ装置300(300−1〜300−6)は、ゲートウェイ400からネットワーク700を経由して情報通知サーバ500と通信を実行する。情報通知サーバ500は、音声メッセージとしてのオーディオ信号をスピーカ装置300のうちのいずれかに対して送信する。音声メッセージを受信したスピーカ装置300は、この音声メッセージとしての音声信号を音として再生出力する。
【0028】
本実施形態において、家屋10に備えられるゲートウェイ400は、ネットワーク700が対応する通信方式と情報送信機器(ユーザ利用装置100と人検知装置200)が対応する通信方式との間での通信方式(プロトコル)の変換を行う。なお、情報送信機器が対応する無線による通信方式としては、有線方式であれば、例えば有線LAN(Local Area Network)を採用できる。また、無線方式であれば、例えば、無線LAN、Wi−Fi(登録商標:wireless fidelity)、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、Z−Wave(登録商標)などを採用できる。
【0029】
情報通知サーバ500は、情報送信機器(ユーザ利用装置100と人検知装置200)からネットワーク700経由で送信される機器状態情報を受信する。情報通知サーバ500は、受信した機器状態情報により示される情報送信機器とユーザの少なくともいずれか一方の状況に基づいて音声メッセージを生成する。そして、情報通知サーバ500は、生成した音声メッセージを、通知対象のユーザが存在する位置(部屋)のスピーカ装置300に送信する。
【0030】
情報サービスサーバ600は、例えばネットワーク700上でサービス情報を提供する各機関のサーバを一括して示している。情報サービスサーバ600が含むサーバは、例えば、電車などの公共交通機関の運行情報を提供するサーバ、道路交通情報を提供するサーバ、天気予報の情報を提供するサーバなどである。
【0031】
情報通知サーバ500は、情報サービスサーバ600が提供するサービス情報を受信する。情報通知サーバ500は、受信した機器状態情報とサービス情報とにより示される情報送信機器とユーザの少なくともいずれか一方の状況に基づいても音声メッセージを生成することができる。
【0032】
また、監視対象家屋10Aは、家屋10に居住するユーザが監視対象とする他のユーザが居住している家屋である。監視対象家屋10Aにおいても、テレビジョン受像機100−10をはじめとする情報送信機器(ユーザ利用装置100と人検知装置200)が設置される。また、監視対象家屋10Aに居住する他のユーザが例えばスマートフォンや携帯電話などを所有している場合には、これらの装置についても情報送信機器に含めることができる。
これらの監視対象家屋10Aの情報送信機器も、情報通知サーバ500に対して機器状態情報を送信する。
【0033】
情報通知サーバ500は、監視対象家屋10Aに対応する情報送信機器から受信した機器状態情報が示す情報送信機器とユーザの少なくともいずれか一方の状況に応じて音声メッセージを生成する。そして、情報通知サーバ500は、この生成した音声メッセージを、監視者であるユーザが居住する家屋10のスピーカ装置300に送信する。
【0034】
例えば、監視対象家屋10Aには、家屋10に居住する家族の親族(例えば老人)が一人で居住している。この場合、監視対象家屋10Aに居住する親族の行動を反映した機器状態情報が監視対象家屋10Aの情報送信機器から送信される。そして、家屋10のスピーカ装置300からは、このような監視対象家屋10Aからの機器状態情報に応じて、監視対象家屋10Aに居住する親族の状況に応じた音声メッセージが送信される。このような音声メッセージを聴くことで、監視者である家屋10のユーザは、監視対象家屋10Aの居住者の生活の様子をうかがい知ることができる。つまり、本実施形態の情報通知システムは、遠隔地のユーザの安否を確認する安否確認システムとしても機能する。
【0035】
<情報通知システムにおける音声メッセージ通知の具体例>
[第1例]
以下、本実施形態の情報通知システムにより実現可能な音声メッセージ通知の具体例について、第1例から第5例を挙げて説明する。なお、ここでの説明は、
図1の家屋10に居住しているユーザが父、母、長男、長女の4人から成る家族であり、監視対象家屋10Aには、父の母が一人で居住している場合に対応する。
【0036】
まず、第1例は、以下の状況に対応する。
つまり、家屋10において母であるユーザが、キッチン11−2において電子レンジ100−4に或る温め時間を設定して料理の温めを開始させた後、リビングルーム11−1に移動してテレビジョン受像機100−3の電源をオンにして視聴をはじめた。この途中、電子レンジ100−4は温め時間を経過して温めを終了したのであるが、母であるユーザはテレビジョン受像機100−3を視聴したまま電子レンジ100−4の料理を取り出すのを忘れてしまった。そして、電子レンジ100−4が温めを終了した時点から、電子レンジ100−4から料理が取り出されることなく一定時間を経過した。
【0037】
情報通知サーバ500は、上記のような状況が生じたことを、例えば電子レンジ100−4とテレビジョン受像機100−3と、人感センサ200−1、200−2などから受信した機器状態情報に基づいて認識する。
これに応じて、情報通知サーバ500は、例えば「電子レンジから料理を取りだしてください。」という内容の音声メッセージを生成する。そして、情報通知サーバ500は、通知対象である母としてのユーザが存在している位置がリビングルーム11−1であることに対応して、音声メッセージをリビングルーム11−1のスピーカ装置300−1に送信する。スピーカ装置300−1は、受信した音声メッセージを再生出力する。
このように再生された音声メッセージを聞くことで、母であるユーザは、電子レンジ100−4に料理を入れ忘れたままであることに気付くことができる。
【0038】
[第2例]
次に、音声メッセージ通知の具体例の第2例について説明する。第2例は、以下の状況に対応する。
母であるユーザは、毎日ほぼ決まった時刻に体重計100−6で体重を測っている。しかし、その日、母は、多忙であったために、その時刻に体重を測ることを忘れていた。そして、その日において体重を測っているはずの時刻から一定時間が経過した。
【0039】
情報通知サーバ500は、上記のような状況が生じたことを、例えば体重計100−6から受信した機器状態情報に基づいて認識する。
これに応じて、情報通知サーバ500は、例えば「未だ体重を測っていませんね、体重を測りませんか。」という内容の音声メッセージを生成する。そして、情報通知サーバ500は、通知対象である母としてのユーザが存在している位置(部屋)を、人検知装置200から受信した機器状態情報などを利用して判定する。次に、情報通知サーバ500は、このユーザが存在していると判定した部屋のスピーカ装置300に音声メッセージを送信する。スピーカ装置300は、受信した音声メッセージを再生出力する。
このように再生された音声メッセージを聞くことで、母であるユーザは、今日は未だ体重を測っていないことに気付くことができる。
【0040】
[第3例]
次に、第3例について説明する。第3例は、以下の状況に対応する。
家屋10内に居たユーザが外出しようとして玄関11−6まで移動してきた。この時点での情報サービスサーバ600が提供している最新の天気予報のサービス情報によると、この日は、以降において雨になる可能性が高い。
【0041】
情報通知サーバ500は、上記のような状況が生じたことを、玄関11−6の人感センサ200−6や、情報サービスサーバ600から受信した天気予報情報などに基づいて認識する。
これに応じて、情報通知サーバ500は、例えば「傘を持ってでかけましょう。」という内容の音声メッセージを生成する。そして、情報通知サーバ500は、通知対象であるユーザが玄関11−6に位置していることに基づき、玄関11−6のスピーカ装置300−6に音声メッセージを送信する。スピーカ装置300−6は、受信した音声メッセージを再生出力する。
このように再生された音声メッセージを聞くことで、玄関11−6にいるユーザは、今日の天気予報を事前に把握していなくとも、これから降る雨に備えて事前に傘を持っていくことができる。
【0042】
[第4例]
次に、第4例について説明する。第4例は、以下の状況に対応する。
家屋10において父であるユーザは、平日においては、通勤のために所定の路線を利用する。そのうえで、或る平日において、父であるユーザが未だ寝ているときに路線でトラブルが発生して運行スケジュールが大幅に遅れ始めた。
【0043】
情報通知サーバ500は、父であるユーザのこれまでの位置情報の変化などから、父であるユーザが平日の朝のほぼ決まった時間に、上記の所定の路線を利用することをユーザの行動パターンの1つとして把握している。情報通知サーバ500は、情報サービスサーバ600から受信した路線の運行情報に基づいて、父であるユーザが平日に利用する路線が遅延していることを認識する。また、情報通知サーバ500は、路線が遅延した情報を取得したときに父であるユーザが未だ寝ていることを、寝室11−5において父であるユーザが使用する睡眠センサ100−7から受信した機器状態情報に基づいて認識している。
このように、情報通知サーバ500は、第4例としての状況を認識する。
【0044】
このような状況では、情報通知サーバ500は、父であるユーザが目を覚ますまで待機する。父が睡眠中であるか、あるいは目が覚めた状態であるかについては、睡眠センサ100−7が検出する。睡眠センサ100−7は、機器状態情報として、例えばユーザが睡眠中の状態と覚醒している状態のいずれであるのかを示す情報を送信する。
情報通知サーバ500は、睡眠センサ100−7が送信してくる機器状態情報に基づいて、父であるユーザが目を覚ましたことを認識すると、このタイミングで、例えば、「電車が遅れています。」という内容の音声メッセージを生成する。そして、情報通知サーバ500は、通知対象であるユーザが寝室11−5に存在していることに基づき、寝室11−5のスピーカ装置300−5に音声メッセージを送信する。スピーカ装置300−6は、受信した音声メッセージを再生出力する。
このように再生された音声メッセージを聞くことで、寝室11−5で目を覚ましたユーザは、自分が通勤で利用する電車が遅れていることを知ることができる。
【0045】
[第5例]
次に、第5例について説明する。第5例は、以下の状況に対応する。
ある日の夜、父であるユーザは、家屋10には居ないのであるが、例えば仕事からの帰りで家に向かって歩いており、その途中で家屋10までの距離が一定以下になった。
【0046】
父であるユーザが携帯するスマートフォン100−8は、例えば内蔵のGPS機能により、自己の位置を例えば一定時間ごとに測定している。そして、スマートフォン100−8は、一定時間ごとに測定された位置情報を、機器状態情報として情報通知サーバ500に送信している。
情報通知サーバ500は、スマートフォン100−8が機器状態情報として送信してくる位置情報の時間経過に応じた推移に基づいて、父であるユーザが家屋10に近づいており、或る時点で家屋10までの距離が一定以下になったことを認識する。
【0047】
この状況に応じて、情報通知サーバ500は、例えば、「もうすぐ帰ってきます。」という内容の音声メッセージを生成する。この場合、通知対象ユーザは、母のユーザであることが予め設定されているものとする。なお、このときに、母が家屋10に居ない場合には、家屋10に存在している他のユーザに通知対象ユーザを変更すればよい。
そして、情報通知サーバ500は、例えば人検知装置200などから送信された機器状態情報に基づいて、通知対象ユーザが位置している部屋を判定し、この判定した部屋のスピーカ装置300に音声メッセージを送信する。このように送信された音声メッセージの再生音声を聞いた母であるユーザは、父であるユーザがもうすぐ帰宅することを知ることができる。
【0048】
[第6例]
次に、第6例について説明する。第6例は、以下の状況に対応する。
監視対象家屋10Aには一人暮らしのユーザが居住している。ある日、この監視対象家屋10Aに居住するユーザは、体調不良のためにまったく外出しなかった。
【0049】
情報通知サーバ500は、監視対象家屋10Aに対応する情報送信機器から送信されてくる機器状態情報に基づいて、監視対象家屋10Aに居住するユーザが、その日において一定時間以上外出していないことを認識する。
この状況に応じて、情報通知サーバ500は、例えば、「Aさんが今日一日外出していません。連絡してみてください。」という内容の音声メッセージを生成する。この場合にも、通知対象ユーザは、母のユーザであることが予め設定されているものとする。
そして、情報通知サーバ500は、例えば人検知装置200などから送信された機器状態情報に基づいて、家屋10において通知対象ユーザが位置している部屋を判定し、この判定した部屋のスピーカ装置300に音声メッセージを送信する。このように送信された音声メッセージの再生音声を聞いたユーザは、すぐさま、安否確認の電話をしてみたり、近ければ、監視対象家屋10Aに直接赴くというように対応することができる。
【0050】
なお、本実施形態における情報送信機器は、
図1に例示した者に限定されるものではない。一例として、ユーザ利用装置100であれば、冷蔵庫などの他の家電機器などを含んでもよい。
また、音声メッセージ出力態様についても、上記の第1例〜第6例として挙げたものに限定されない。例えば、ユーザが玄関11−6を出ようとするときに家屋10内の照明機器100−2が点灯した状態のままである状況の場合に、照明機器100−2の消灯を促す音声メッセージを玄関11−6のスピーカ装置300−6から出力させることも可能である。
【0051】
<ユーザ利用装置の構成例>
次に、
図2を参照して、ユーザ利用装置100の構成例について説明する。
この図に示すユーザ利用装置100は、機器機能部110、機器状態情報送信部120および通信部130を備える。
【0052】
機器機能部110は、ユーザ利用装置100の機器種別に対応する動作を行う部位である。一例として、ユーザ利用装置100が、エアコンディショナ100−1である場合、機器機能部110は、エアコンディショナとしての機器種別に対応する空調などに関連した動作を行う。
【0053】
機器状態情報送信部120は、ユーザ利用装置100の状態を示す機器状態情報を情報通知サーバ500に送信する。具体的に、機器状態情報送信部120は、機器機能部110の状態を監視しており、監視した状態を示す機器状態情報を生成する。そして、機器状態情報送信部120は、生成した機器状態情報を通信部130から情報通知サーバ500に送信する。
【0054】
通信部130は、ゲートウェイ400からネットワーク700経由で情報通知サーバ500と通信を実行する。
【0055】
<人検知装置の構成例>
図3は、人検知装置200の構成例を示している。この図に示す人検知装置200は、人検知部210、機器状態情報送信部220および通信部130を備える。
【0056】
人検知部210は、所定の方式により人を検知する。
人検知装置200が人感センサ200−1〜200−6である場合、人検知部210は、例えば赤外線や音波による反射を利用して、あるいは、サーモグラフィなどにより人を検知する。
【0057】
また、人検知装置200がカメラ200−7である場合、人検知部210は、例えば撮像により得られた画像について顔認識を行うことにより人の存在を認識する。また、前述のように、カメラ200−7に予めユーザの顔の画像をユーザ識別子と対応付けて人検知部210に登録しておく。これにより、人検知部210は、人検知結果として、ドアの解錠または施錠を行ったユーザのユーザ識別子を得る。このように、カメラ200−7の人検知部210は、前述もしたように、ユーザごとの個人を認識するように人を検知することができる。
【0058】
また、人検知装置200がカード認証ドア鍵200−8である場合、人検知部210は、前述のように、自己が記憶するユーザ識別子のうちから、鍵の施錠または解錠に際してカード鍵から読み込んだカード識別子と対応付けられたユーザ識別子を認識する。つまり、カード認証ドア鍵200−8の人検知部210も、ユーザごとの個人を認識するように人を検知することができる。
【0059】
人検知装置200における機器状態情報送信部220は、機器状態情報として人検知部210の検知結果を通信部230から情報通知サーバ500に送信する。
通信部230は、ゲートウェイ400からネットワーク700経由で情報通知サーバ500と通信を実行する。
【0060】
<スピーカ装置の構成例>
図4は、スピーカ装置300の構成例を示している。この図に示すスピーカ装置300は、通信部310、音声処理部320およびスピーカ330を備える。
【0061】
通信部310は、ゲートウェイ400からネットワーク700経由で情報通知サーバ500と通信を実行する。通信部310は、情報通知サーバ500から音声メッセージが送信されるのに応じて、この音声メッセージを受信する。
【0062】
音声処理部320は、通信部310により受信された音声メッセージとしての音声信号についての復号、音声信号処理および増幅などを行って、スピーカ330に供給する。
スピーカ330は音声処理部320から供給された音声信号を音として再生出力する。
【0063】
<情報通知サーバの構成例>
図5は、情報通知サーバ500の構成例を示している。
この図に示す情報通知サーバ500は、記憶部501、機器状態情報取得部502、サービス情報取得部503、ユーザ位置判定部504、行動パターン判定部505、通知制御部506および通信部507を備える。
【0064】
記憶部501は、情報通知サーバ500が情報通知に関連する制御を実行するにあたって利用する制御情報を記憶する。この図において記憶部501が記憶する制御情報は、機器基本情報テーブル510、ユーザ情報テーブル520、機器状態履歴テーブル530、ユーザ位置履歴テーブル540、行動パターンテーブル550、サービス情報テーブル560およびメッセージデータベース570を含む。
【0065】
以下、
図2において示される制御情報の各々について説明する。
機器基本情報テーブル510は、電子機器(情報送信機器(ユーザ利用装置100と人検知装置200)とスピーカ装置300)ごとの仕様などに関する基本情報を格納するテーブルである。
図6は、機器基本情報テーブル510の構造例を示している。
なお、この図における機器基本情報テーブル510の内容例は、例えば家屋10に対応して登録された電子機器に対応するものの一部を示している。
【0066】
機器基本情報テーブル510において、その1レコードが1つの電子機器に対応する。
1つのレコードは、例えば、機器識別子511、機器種別512、設置場所513、所有者514の各情報を対応付けた構造である。
機器識別子511は、対応の電子機器を一意に識別する識別子を示す。
機器種別512は、対応の電子機器の種別(機種)を示す。
設置場所513は、対応の電子機器が設置される設置場所を一意に識別する設置場所識別子を示す。
所有者514は、対応の電子機器を所有するユーザのユーザ識別子を示す。
【0067】
一例として、
図6の機器基本情報テーブル510における1行目のレコードは、
図1のリビングルーム11−1に設置されるエアコンディショナ100−1に対応する。このエアコンディショナ100−1については、機器識別子511が「ac01」、機器種別が「airconditioner」、設置場所513が「livingroom01」、所有者514が「shared」をそれぞれ示している。
なお、所有者514の「shared」は、対応の電子機器は、固有のユーザが所有するものではなく、例えば家屋10に居住するユーザが共有するものであることを示す。
【0068】
また、機器基本情報テーブル510における2行目のレコードは、
図1のリビングルーム11−1に設置される照明機器100−2に対応する。
機器基本情報テーブル510における3行目のレコードは、
図1のリビングルーム11−1に設置されるテレビジョン受像機100−3に対応する。
機器基本情報テーブル510における4行目のレコードは、
図1のリビングルーム11−1に設置される人感センサ200−1に対応する。
機器基本情報テーブル510における5行目のレコードは、
図1のリビングルーム11−1に設置される人検知装置としてのカメラ200−7に対応する。
機器基本情報テーブル510における6行目のレコードは、
図1のリビングルーム11−1に設置されるスピーカ装置300−1に対応する。
機器基本情報テーブル510における6行目のレコードは、
図1のリビングルーム11−1に設置されるスピーカ装置300−1に対応する。
機器基本情報テーブル510における7行目のレコードは、
図1のキッチン11−2に設置される電子レンジ100−4に対応する。
機器基本情報テーブル510における8行目のレコードは、
図1のキッチン11−2に設置される人感センサ200−2に対応する。
機器基本情報テーブル510における9行目のレコードは、
図1のキッチン11−2に設置されるスピーカ装置300−2に対応する。
また、機器基本情報テーブル510において、機器識別子511が「sm01」を示すレコードは、
図1のスマートフォンは100−8に対応する。このスマートフォン100−8に対応する所有者514において格納される「userID=01」は、所有者が家屋10に居住する父としてのユーザであることを示す。
また、
図6の機器基本情報テーブル510における最後のレコードは、
図1の監視対象家屋10Aにおいて備えられるテレビジョン受像機100−10に対応する。
【0069】
ユーザ情報テーブル520は、本実施形態の情報通知システムを利用するユーザについての情報を格納するテーブルである。
図7は、ユーザ情報テーブル520の構造例を示している。
なお、この図に示すユーザ情報テーブル520の内容例は、例えば家屋10に対応して登録されたユーザに対応している。
ユーザ情報テーブル520は、ユーザごとに、ユーザ識別子521と、名称522とを対応付けた構造を有する。
【0070】
ユーザ識別子521は、対応のユーザを一意に識別するための識別子である。
名称522は、対応のユーザについて付与した名称を示す。この名称522の内容は、例えば音声メッセージにユーザの名称を含める必要のある場合に使用される。
本実施形態において、
図1の家屋10に居住しているユーザは、父、母、長男、長女の4人から成る家族である。また、監視対象家屋10Aには、父の母が一人で居住している。これに対応して、ユーザ情報テーブル520における1行目から5行目のテーブルは、それぞれ、家屋10に居住する父、母、長男、長女と、家屋10に居住する父の母とに対応する。
【0071】
機器状態履歴テーブル530は、情報送信機器から送信された機器状態情報の履歴を格納するテーブルである。
図8は、機器状態履歴テーブル530の構造例を示す。
機器状態履歴テーブル530における1レコードは、情報送信機器から送信された1つの機器状態情報に対応する。1レコードは、機器状態情報ごとに機器識別子531と日時532と機器状態533とを対応付けた構造である。
機器識別子531は、対応の機器状態情報の送信元である情報送信機器を一意に識別する識別子である。この機器識別子531には、例えば対応の機器状態情報に含まれていた機器識別子が反映される。
日時532は、対応の機器状態情報が情報通知サーバ500にて受信された日時を示す。
機器状態533は、対応の機器状態情報に含まれていた機器状態の内容を示す。
【0072】
例えば、
図8の機器状態履歴テーブル530における1〜8行目は、家屋10における母であるユーザの以下の状況に対応する。
つまり、母であるユーザは、キッチン11−2において、2012年4月25日の12時30分00秒に電子レンジ100−4の扉を開け(1行目)、料理を電子レンジ100−4のトレーに載せた後、12時30分20秒に電子レンジ100−4の扉を閉めた(2行目)。次に、母であるユーザは、12時30分30秒に電子レンジ100−4の温めを開始させた(3行目)。
この後、母は、キッチン11−2からリビングルーム11−1に移動する。これに応じて、リビングルーム11−1の人感センサ200−1は、12時32分40秒において、リビングルーム11−1において人が存在していない状態から人が1名存在する状態に変化したことを示す(4行目)。また、リビングルーム11−1のカメラ200−7は、12時32分41秒において、リビングルーム11−1において母(UserID=02)が存在していることを検知した(5行目)。
次に、母は、リビングルーム11−1において、12時35分30秒にテレビジョン受像機100−3の電源をオンにして(6行目)、1chに切り替えた(7行目)。そして、リビングルーム11−1において母がテレビジョン受像機100−3をそのまま視聴している間に、12時40分30秒に電子レンジ100−4が温めを終了した(8行目)。
【0073】
また、
図8の機器状態履歴テーブル530においては、機器識別子が「sm01」のスマートフォン100−8に対応する2つのレコードも例示されている。これらの2つのレコードは、スマートフォン100−8から、2012年4月25日の20時10分00秒と2012年4月25日の20時11分00秒において自己の位置を示す機器状態情報が送信されたことを示している。なお、
図8において、機器識別子が「sm01」に対応する機器状態533において示される位置は、緯度と経度によるものとなっている。
これらのレコードの機器状態533の位置情報の変化は、例えばスマートフォン100−8の所有者である父としてのユーザが、家屋10の外におり、かつ、家屋10に近づいている状況に対応している。
【0074】
ユーザ位置履歴テーブル540は、ユーザごとの位置の時間経過に応じた履歴を示す。
図9は、ユーザ位置履歴テーブル540の構造例を示している。ユーザ位置履歴テーブル540における1レコードが、1ユーザについての或る日時における位置を示す。ユーザ位置履歴テーブル540の1レコードは、ユーザ識別子541、日時542およびユーザ位置情報543を対応付けた構造である。
【0075】
ユーザ識別子541は、対応のユーザを一意に識別する識別子である。
日時542は、対応のユーザがユーザ位置情報543により示される位置に存在していたときの日時を示す。この日時542には、例えば、後述のユーザ位置判定部504が、機器状態履歴テーブル530の更新に応じてユーザ位置を判定した日時が反映される。
また、ユーザ位置情報543は、ユーザの位置を示す。このユーザの位置は、ユーザ位置判定部504により判定された位置が反映される。
なお、ユーザ位置情報543は、その位置が家屋10内である場合には、家屋10における部屋ごとに付された部屋識別子により位置を示す。また、ユーザ位置情報543は、その位置が家屋10の外である場合には、例えば緯度と経度により位置を示す。
【0076】
行動パターンテーブル550は、後述の行動パターン判定部505により判定されたユーザごとの行動パターンの情報を格納するテーブルである。
図10は、行動パターンテーブル550の構造例を示している。行動パターンテーブル550は、1ユーザについての1つの行動パターンごとに、ユーザ識別子551と行動パターン552を対応付けた構造である。
【0077】
ユーザ識別子551は、対応のユーザを一意に識別する識別子を示す。
行動パターン552は、対応のユーザについての1つの行動パターンを示すデータである。
【0078】
例えば、行動パターンテーブル550における1行目は、父であるユーザが、月曜日から金曜日において8:00〜8:30分の間にABC線の電車でD駅からE駅まで移動するという行動パターンであることが示されている。
また、行動パターンテーブル550における2行目は、父であるユーザが、毎日23:00に寝て翌日の7:30に起床するという行動パターンであることが示されている。
また、行動パターンテーブル550における3行目は、母であるユーザが、毎日において15:00において体重計100−6により体重を計る行動パターンであることが示されている。
【0079】
サービス情報テーブル560は、情報通知サーバ500が情報サービスサーバ600から受信したサービス情報を格納するテーブルである。
図11は、サービス情報テーブル560の構造例を示している。サービス情報テーブル560は、1つのサービス情報ごとに、受信日時561、情報種別562および情報内容563を対応付けた構造である。
受信日時561は、対応のサービス情報を受信した日時を示す。
情報種別562は、対応のサービス情報の種別を示す。
情報内容563は、サービス情報の内容を示す。
【0080】
メッセージデータベース570は、情報送信機器とユーザの少なくともいずれか一方についての所定の状況に応じて通知すべき音声メッセージの内容を格納するテーブルである。
図12は、メッセージデータベース570の構造例を示している。
この図に示すメッセージデータベース570における1レコードは、1つの所定の状況に対応する音声メッセージの内容を示す。1レコードは、レコード番号571、通知条件572、音声メッセージ内容573、通知対象ユーザ574および通知タイミング575を対応付けた構造である。
【0081】
レコード番号571はレコードごとに付した番号である。
通知条件572は、音声メッセージを通知すべき状況についての条件内容を示す。
音声メッセージ内容573は、対応の通知条件572の内容に応じて出力すべき音声メッセージの内容を示す。
通知対象ユーザ574は、対応の音声メッセージ内容573の内容の通知対象となるユーザを示す。
通知タイミング575は、対応の通知条件572が生じたタイミング以降において、音声メッセージを通知すべきタイミングを示す。
【0082】
一例として、
図12のメッセージデータベース570における1行目のレコードにおける、通知条件572は、情報送信機器の1種である電子レンジ(microwave)の温め終了(Heat end)から5分を経過しても扉が開(open)の状態とならない、というものである。1行目のレコードは、上記のような条件に該当する状況の生じたことが判定されるのに応じて即時に、電子レンジを操作したユーザを通知対象として、例えば「電子レンジから料理を取りだして下さい」という音声メッセージを出力すべきことを示している。
【0083】
図1に示した情報送信機器(ユーザ利用装置100、人検知装置200)は、それぞれ、自己の状態を示す機器状態情報を情報通知サーバ500に対して送信してくる。このように送信された機器状態情報は、情報通知サーバ500における通信部507が受信する。
図5において、機器状態情報取得部502は、上記のように通信部507により受信された機器状態情報を取得して機器状態履歴テーブル530に格納する。具体的に、機器状態情報取得部502は、取得した機器状態情報の内容を示す機器状態533と、取得した機器状態情報に含まれていた機器識別子を示す機器識別子531と、機器状態情報を取得した日時を示す日時532とを含む1レコードを生成する。そして、機器状態情報取得部502は、このように生成したレコードを、機器状態履歴テーブル530に新規に格納する。
【0084】
また、
図1の情報サービスサーバ600は、前述のように所定のサービス情報提供元が提供するサービス情報を情報通知サーバ500に送信する。このように送信されたサービス情報は、情報通知サーバ500における通信部507が受信する。
図5において、サービス情報取得部503は、このように受信されたサービス情報を取得してサービス情報テーブル560に格納する。
具体的に、サービス情報取得部503は、取得したサービス情報の内容を示す情報内容563と、取得したサービス情報に含まれていた情報種別を示す情報種別562と、今回取得したサービス情報が受信された日時を示す受信日時561とを含む1レコードを生成する。そして、サービス情報取得部503は、このように生成したレコードを、サービス情報テーブル560に新規に格納する。
【0085】
ユーザ位置判定部504は、機器状態履歴テーブル530に少なくとも基づいてユーザの位置を判定する。そして、ユーザ位置判定部504は、判定したユーザの位置を示すユーザ位置情報をユーザ位置履歴テーブル540に格納する。
具体的に、ユーザ位置判定部504は、ユーザの位置を示すユーザ位置情報543と、判定対象のユーザを示すユーザ識別子541と、今回ユーザ位置を判定した日時を示す日時542とを含む1レコードを生成する。そして、ユーザ位置判定部504は、このように生成したレコードを、ユーザ位置履歴テーブル540に新規に格納する。
【0086】
行動パターン判定部505は、記憶部501に記憶される制御情報を利用してユーザの行動パターンを判定し、判定した行動パターンを行動パターンテーブル550に格納する。
具体的に、行動パターン判定部505は、例えば過去の一定期間(例えば1週間〜1ヶ月程度)におけるユーザ位置履歴テーブル540と機器状態履歴テーブル530の内容に基づいて、習慣的に行われるユーザの行動パターンを認識する。
【0087】
具体例として、行動パターン判定部505は、
図10の1行目に示される行動パターンについては、父であるユーザが所有するスマートフォンから機器状態情報として送信される位置情報に基づいて判定することができる。
つまり、父であるユーザは、月曜日から金曜日において、8:00頃から30分ほどの間において、通勤のために、ABC線でD駅からE駅まで移動するというパターン化した行動をとる。このとき、父であるユーザが携帯するスマートフォン100−8は、一定時間ごとに(例え数分おき)に位置情報を機器状態情報として送信している。
この場合の行動パターン判定部505は、ユーザ位置履歴テーブル540における父であるユーザに関する位置情報の履歴を参照する。なお、例えば機器状態履歴テーブル530におけるスマートフォン100−8の機器状態533が示す位置情報を参照してもよい。これにより、行動パターン判定部505は、月曜日から金曜日の8:00頃から30分ほどの間においてABC線によるD駅からE駅までの移動に応じた位置情報のパターンが同じであることを判定する。
【0088】
この場合の位置情報のパターンについて、行動パターン判定部505は、例えばさらに、その位置情報の単位時間あたりの変化量が一定以上の速度であり、かつ、その移動軌跡が、地図情報上においてABC線と一致していることを認識する。また、地図情報との対応から、行動パターン判定部505は、その移動区間の始まりがD駅で、終わりがE駅であることを認識する。そして、行動パターン判定部505は、これらの認識結果に基づいて、父であるユーザに対応して、月曜日から金曜日の8:00〜8:30の間に、ABC線でD駅からE駅まで移動するという行動パターンを判定する。そして、行動パターン判定部505は、この判定結果に対応して、父であるユーザを示すユーザ識別子551と、上記のように判定した行動パターンを示す行動パターン552を含む1レコードを生成する。そして、行動パターン判定部505は、このように生成したレコードを、
図10に示すように、行動パターンテーブル550における1行目のレコードとして新規に格納する。
【0089】
また、行動パターン判定部505は、
図10の3行目に示される行動パターンについては、例えばユーザ位置履歴テーブル540と機器状態履歴テーブル530における体重計100−6の履歴とに基づいて以下のように判定する。
つまり、行動パターン判定部505は、機器状態履歴テーブル530における体重計100−6の履歴を参照することにより、毎日15:00頃において定期的に体重が計測されていることを認識する。
次に、行動パターン判定部505は、ユーザ位置履歴テーブル540を参照することにより、15:00頃において体重計100−6が設置されている洗面所11−4に存在しているユーザが母であることを認識する。
そして、行動パターン判定部505は、母を示すユーザ識別子551と、毎日15:00において体重計100−6により体重計が測定されることを示す行動パターン552を含む1レコードを、行動パターンテーブル550に対して新規に格納する。
【0090】
なお、体重計には、計測を開始するにあたって、測定者であるユーザを指定する操作を行うようにされたものがある。体重計100−6がこのようなものである場合、体重計100−6が送信する機器状態情報には、計測した体重とともに、操作により指定されたユーザのユーザ識別子が含まれる。したがって、この場合には、行動パターン判定部505は、ユーザ位置履歴テーブル540を参照しなくとも、機器状態情報に含まれるユーザ識別子により行動パターンの主体であるユーザを特定できる。
【0091】
通知制御部506は、音声メッセージをユーザに通知すべき所定の状況が情報送信機器とユーザの少なくともいずれか一方について生じたのに応じて、この状況に応じた内容の音声メッセージを出力させるための通知制御を記憶部501に記憶される制御情報を利用して実行する。
【0092】
つまり、通知制御部506は、機器状態履歴テーブル530、行動パターンテーブル550およびサービス情報テーブル560の各制御情報の内容を、一定時間ごと、あるいは更新が行われるごとに参照する。そのうえで、通知制御部506は、上記の制御情報により示される情報送信機器またはユーザの少なくともいずれか一方についての状況が、メッセージデータベース570における通知条件572のいずれかに該当しているか否かについて判定する。
【0093】
ここで、上記のように制御情報により示される状況が通知条件572のうちのいずれかに該当していた場合、通知制御部506は、その認識した状況が該当していた通知条件572と同じレコードにおける音声メッセージ内容573を読み込む。そして、通知制御部506は、この読み込んだ音声メッセージ内容573が示す内容の音声を得るための音声合成を実行する。
【0094】
また、通知制御部506は、認識した状況が該当していた通知条件572と同じレコードにおける通知対象ユーザ574を読み込んで、通知対象ユーザを認識する。次に通知制御部506は、例えばユーザ位置履歴テーブル540や機器状態履歴テーブル530などを参照することにより、通知対象ユーザが存在している家屋10内の位置(部屋)を判定する。そして、通知制御部506は、音声合成により生成した音声メッセージとしての音声信号を、判定した部屋のスピーカ装置300を送信先として指定して、通信部507から送信する。
このように、本実施形態の情報通知サーバ500は、情報送信機器から送信される機器状態情報により示されるユーザ利用装置100やユーザの状況などに応じて音声メッセージを出力するようにされている。これにより、ユーザは、自分にとって有用であって、かつ、そのときのユーザをとりまく状況に応じた適切な内容の情報を適宜受け取ることができる。
【0095】
<処理手順例>
図13は、情報通知サーバ500における機器状態情報取得部502とユーザ位置判定部504が実行する処理手順例を示している。
【0096】
まず、機器状態情報取得部502は、通信部507にて、新たに機器状態情報が受信されるのを待機している(ステップS101−NO)。
そして、機器状態情報が受信されるのに応じて(ステップS101−YES)、機器状態情報取得部502は、機器状態履歴テーブル530を更新する(ステップS102)。
つまり、機器状態情報取得部502は、受信された機器状態情報を通信部507から取得する。そのうえで、その取得した機器状態情報を含む新たなレコードを生成し、このレコードを機器状態履歴テーブル530に対して新規に登録する。
【0097】
上記のように機器状態履歴テーブル530が更新されるのに応じて、ユーザ位置判定部504は、機器状態履歴テーブル530の更新タイミングに応じたユーザ位置を判定する(ステップS103)。このために、ユーザ位置判定部504は、ステップS102により機器状態履歴テーブル530において新規に登録されたレコードを参照する。このレコードが、例えば人検知装置200から送信された機器状態情報である場合、その機器状態533は、ユーザの移動に応じて変化したユーザの位置を示している。そこで、機器状態履歴テーブル530は、機器状態533に基づいて、変化後のユーザ位置を判定する。
【0098】
本実施形態におけるユーザ位置判定部504は、前述のように、カメラ200−7やカード認証ドア鍵200−8を備えることで、家屋10に存在するユーザを個人ごとに認識可能である。そのうえで、ユーザ位置判定部504は、例えば人感センサ200−1〜200−6による検知結果を示す機器状態情報に基づいて、個人認識したユーザごとの家屋10内の移動を追跡していくことが可能である。つまり、ユーザ位置判定部504は、個人ごとのユーザの位置を追跡していくように判定できる。
なお、例えば家屋10の外で使用されているスマートフォンを携帯するユーザの位置を判定するにあたっては、機器基本情報テーブル510を参照して、そのスマートフォンの所有者が示すユーザ識別子を認識することにより、スマートフォンを携帯するユーザの個人を認識することができる。
【0099】
そして、ユーザ位置判定部504は、今回のユーザ位置の判定結果が反映されるようにユーザ位置履歴テーブル540を更新する(ステップS104)。
つまり、ユーザ位置判定部504は、上記のように判定したユーザ位置をユーザ位置情報543とし、ユーザ位置情報543に存在しているユーザのユーザ識別子541と、今回のユーザ位置情報543を判定した日時542とを対応付けたレコードを生成する。そして、ユーザ位置判定部504は、このように生成したレコードを、ユーザ位置履歴テーブル540に新規登録する。
【0100】
図14のフローチャートは、行動パターン判定部505が実行する処理手順例を示している。
まず、行動パターン判定部505は、一定期間が経過するのを待機している(ステップS201−NO)。そして、一定期間が経過するのに応じて(ステップS201−YES)、行動パターン判定部505は、機器状態履歴テーブル530から過去の一定期間における機器状態履歴(レコード)を読み出す(ステップS202)。また、行動パターン判定部505は、ユーザ位置履歴テーブル540から過去の一定期間におけるユーザ位置履歴(レコード)を読み出す(ステップS203)。
【0101】
次に、行動パターン判定部505は、ステップS202により読み出した機器状態履歴と、ステップS203により読み出したユーザ位置履歴との少なくとも何れか一方を利用してユーザごとの行動パターンを判定する(ステップS204)。そして、行動パターン判定部505は、判定した行動パターンごとにレコードを生成し、この生成したレコードを行動パターンテーブル550に対して新規に格納する(ステップS205)。
【0102】
図15のフローチャートは、通知制御部506が実行する処理手順例を示している。
図15の処理に対応する通知制御部506は、機器状態履歴テーブル530またはユーザ位置履歴テーブル540が更新された場合、または、一定時間が経過した場合に、通知制御を実行する。
そこで、通知制御部506は、機器状態履歴テーブル530が更新されるのを待機する(ステップS301−NO)。また、通知制御部506は、ユーザ位置履歴テーブル540が更新されるのを待機する(ステップS302−NO)。また、通知制御部506は、一定時間が経過するのを待機する(ステップS303−NO)。
【0103】
そして、機器状態履歴テーブル530が更新された場合(ステップS301−YES)、通知制御部506は、記憶部501に記憶されている制御情報を参照する(ステップS304)。
同様に、ユーザ位置履歴テーブル540が更新された場合(ステップS302−YES)、通知制御部506は、記憶部501に記憶されている制御情報を参照する(ステップS304)。
また、一定時間が経過した場合(ステップS303−YES)、通知制御部506は、記憶部501に記憶されている制御情報を参照する(ステップS304)。
【0104】
通知制御部506は、参照した制御情報に基づいて、メッセージデータベース570における通知条件572のいずれかに該当する状況が有るか否かについて判定する(ステップS305)。
ここで、該当する状況が無い場合(ステップS305−NO)、通知制御部506はステップS301に戻る。
これに対して、該当する状況が有る場合(ステップS305−YES)、通知制御部506は、メッセージデータベース570において、その状況が該当した通知条件572に対応付けられている音声メッセージ内容573を読み込む。そして、この読み込んだ音声メッセージ内容573が示す音声メッセージの音声信号を生成するための音声合成処理を実行する(ステップS306)。
【0105】
また、通知制御部506は、ステップS305において該当していると判定された通知条件572に対応付けられている通知対象ユーザ574を参照することにより、通知対象ユーザを判定する(ステップS307)。
【0106】
次に、通知制御部506は、ステップS306による通知対象ユーザの判定結果に基づいて音声メッセージ出力先のスピーカ装置300を判定する(ステップS308)。このために、通知制御部506は、例えばユーザ位置履歴テーブル540を参照して、ステップS306により判定した通知対象ユーザが存在している位置(部屋)を判定する。次に、通知制御部506は、機器基本情報テーブル510を参照して、判定した部屋に設置されているスピーカ装置300を判定する。このように判定されたスピーカ装置300が音声メッセージ出力先である。
【0107】
ここで、本実施形態においては、ステップS305、S307およびS308の処理の結果として、複数の音声メッセージに対応する出力先のスピーカ装置300が同一となる場合があってもよい。
このような場合に、複数の音声メッセージをスピーカ装置300から同時に出力させてしまうと、ユーザにとっては個々の音声メッセージの内容が聴き取りにくい。そこで、このような場合、通知制御部506は、複数の音声メッセージの出力順を決定する。
【0108】
このために、通知制御部506は、1つの音声メッセージ出力先のスピーカ装置300から出力させるべき音声メッセージが複数であるか否かについて判定する。
ここで、音声メッセージが複数である場合(ステップS309−YES)、通知制御部506は、予め定めたアルゴリズムにしたがって複数の音声メッセージについての出力順を決定する(ステップS310)。これに対して、音声メッセージが1つである場合(ステップS309−NO)、通知制御部506は、ステップS310をスキップする。
【0109】
そして、通知制御部506は、ステップS306により合成した音声メッセージの音声信号を、ステップS308にて出力先として判定したスピーカ装置300−1を送信先として指定して通信部507により送信させる(ステップS311)。
この際に、ステップS310により複数の音声メッセージについて出力順を決定している場合、通知制御部506は、決定した出力順にしたがって、例えば一定時間間隔ごとに、これら複数の音声メッセージを順次送信させる。これにより、音声メッセージ出力先のスピーカ装置300からは、決定された出力順にしたがって、複数の音声メッセージの音声が順次出力される。
なお、ステップS305、S307およびS308の処理の結果として、1つの音声メッセージ出力を複数の部屋のスピーカ装置300により出力させることになった場合、通知制御部506は、ステップS311において、以下のように処理を実行すればよい。つまり、通知制御部506は、複数のスピーカ装置300それぞれ送信先として指定して1つの音声メッセージを送信すればよい。
【0110】
なお、本実施形態の通知制御部506は、ステップS305、S307およびS308の処理の結果として、1つの出力先のスピーカ装置300に対応して1つの音声メッセージのみが出力されるようにしてもよい。この場合、ステップS310による音声メッセージの出力順を決定する処理を省略することができるので、情報通知サーバ500の処理負荷を軽減することができる。
ただし、1つの音声出力先のスピーカ装置300から複数の音声メッセージを順次出力させるようにしたほうが、ユーザにとって必要な情報を取捨選択することなくすべて通知することが容易になる。
【0111】
また、
図2および
図5などに示した各機能部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより音声メッセー通知のための制御を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0112】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0113】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。