(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0006】
EAトナーのMFTすなわち最小定着温度は、約20℃〜約30℃まで低下され得、効果的な電気性能を有する。MFTは、トナー付着が得られる許容可能なレベルでの温度として測定される。いくつかの実施形態において、MFTは、約40ガードナー光沢単位(gu)のトナーを提供する温度である。
【0007】
トナーは、非晶質樹脂に被包された顔料、ゲラント及び樹脂を有するコアを含み得る。ゲラントは、結晶性樹脂の代わりに使用され、超低融点トナーを達成するためのメカニズムは、シェル樹脂を紙表面上へ残存させる、低粘性コアの移動に基づく。
【0008】
いくつかの実施形態において、本明細書中で使用される超低融点(SLM)トナーとしては、従来のEAトナーと比較して約20℃〜約40℃まで低下したMFTを有するトナーが挙げられる。SLMトナーは、約100℃〜約130℃まで、約105℃〜約125℃まで、約110℃〜約120℃までのMFTを有し得る。
【0009】
本開示のプロセスにおいて、任意のトナー樹脂が使用され得る。次に、このような樹脂は、任意の好適な重合方法を介して任意の好適なモノマーから形成され得る。
【0010】
本開示に従う樹脂としては、例えば植物油のような生物供給源に由来する生物系樹脂が挙げられ得る。生物系樹脂としては、例えば、樹脂の少なくとも一部が、例えば動物、植物、これらの組み合わせなどの天然の生物材料に由来する樹脂が挙げられる。
【0011】
生物系樹脂は、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリイソブチラート及びポリオレフィン、これらの組み合わせなどの非晶質樹脂であってもよく、例えば、ダイズ油のダイマー脂肪酸又はダイマージオール、D−イソソルバイド、並びに/又は例えばL−チロシン及びグルタミン酸のようなアミノ酸を含むモノマーに由来するポリエステルであってもよい。
【0012】
生物系樹脂は、天然トリグリセリド植物油(例えば、菜種油、ダイズ油、ベニバナ油)又は例えばカシューナッツ殻液(CNSL)のような植物性フェノール油、これらの組み合わせなどを含み得る。
【0013】
生物系高分子樹脂としては、例えばアゼライン酸、琥珀酸、シクロヘキサン二酸、ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びこれらの組み合わせのようなジカルボン酸、並びに必要に応じてエチレングリコール、プロピレングリコール及び1,3−プロパンジオールを含むモノマーに由来するポリエステルが挙げられる。
【0014】
生物系高分子樹脂は、ジメチルナフタレン2,6−ジカルボキシラート又はシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸をベースにし得る。非晶質生物系樹脂としては、Advanced Image Resources、Cognis Corp又はCroda Ltd.から市販されるものが挙げられる。
【0015】
非晶質生物系樹脂は、約40℃〜約90℃まで、約45℃〜約75℃までのガラス遷移温度(Tg)と、約1,500〜約100,000まで、約2,000〜約90,000までの重量平均分子量(Mw)と、約1,000〜約50,000まで、約2,000〜約25,000までの数平均分子量(Mn)と、約1〜約20まで、約2〜約15までの分子量分布(Mw/Mn又はPD/PDI)と、約2〜約6まで、約3〜約5までの炭素/酸素比とを有し得る。複合樹脂は、約130℃において約10〜約100,000Pa・Sまで、約50〜約10,000Pa・Sまでの融解粘度を有し得る。
【0016】
非晶質生物系樹脂は、トナー成分の約0〜約90重量%まで、約20〜約80重量%までの量で存在し得る。
【0017】
得られた生物系非晶質樹脂は、樹脂1gあたり約30mg KOH未満、樹脂1gあたり約5〜約30mg KOHまで、樹脂1gあたり約7〜25mg KOHまでの酸価を有し得る。
【0018】
生物系樹脂は、約1.5〜約7まで、約2〜約6まで、約2.5〜約5までの炭素対酸素比を有し得る。(C/O比は、炭素の重量%対酸素の重量%の比から得られる理論計算を用いて決定され得る。)
【0019】
生成物は、放射性炭素(
14C)年代測定によって、石油由来であるか再生可能資源由来であるかを試験し得る。生物系炭素についての
14C/
12Cの現行の存在比は、約1×10
−12である。これに対して、化石炭素は、放射性炭素を含まない。
【0020】
樹脂は、縮合又はエマルジョン重合方法によって形成され得る。
【0021】
生物系樹脂は、単独で用いられてもよく、又はトナーの形成において好適な任意の他の樹脂と共に用いられてもよい。
【0022】
他の樹脂としては、ポリエステル樹脂が挙げられる。ポリエステル樹脂としては、結晶性、非晶質、これらの組み合わせなどが挙げられる。ポリエステル樹脂は、直鎖状、分枝鎖状、これらの組み合わせなどであり得る。樹脂としてはまた、非晶質ポリエステル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂の混合物が挙げられる。
【0023】
樹脂は、任意の触媒の存在下でのジオールと二酸又はジエステルとの反応によって形成されるポリエステル樹脂であってもよい。
【0024】
有機ジオールの例としては、約2〜約36個までの炭素原子を有する脂肪族ジオールが挙げられ、樹脂に対し約45〜約50モル%までの量で使用される。
【0025】
二酸又はジエステルの例としては、ジカルボン酸又はジエステルが挙げられ、樹脂に対し約45〜約52モル%までの量で使用される。
【0026】
縮重合触媒の例としては、テトラアルキルチタナート、アルミニウムアルコキシド又はこれらの混合物が挙げられ、原料の二酸又はジエステルに対し約0.01〜約5モル%までの量で使用される。
【0027】
コアにおいて使用される非晶質樹脂は、直鎖状であってもよい。
【0028】
非晶質ポリエステル樹脂は、分枝鎖状樹脂であってもよい。本明細書中で使用される場合、用語「分枝鎖状の」又は「分枝」は、分枝鎖状樹脂及び/又は架橋樹脂を含む。分枝化剤は、例えば、多価ポリ酸を含み、樹脂の約0.1から約5モル%までの量で使用される。
【0029】
反応のために選択される直鎖状又は分枝鎖状の不飽和ポリエステルは、飽和及び不飽和の両方の二酸(又は無水物)及び二価アルコール(グリコール又はジオール)を含む。
【0030】
非晶質樹脂は、時としてオリゴマーと呼ばれる、低分子量(MW)非晶質樹脂であってもよく、これは、約500〜約10,000ダルトン(d)まで、約1000〜約5000dまで、約1500〜約4000dまでのMwを有し、約58.5℃〜約66℃まで、約60℃〜約62℃までのTgを有し、約105℃〜約118℃まで、約107℃〜約109℃までの軟化点を有し、約8〜約20mg KOH/gまで、約9〜約16mg KOH/gまで、約11〜約15mg KOH/gまでの酸価を有する。
【0031】
非晶質樹脂は、高MW非晶質樹脂であってもよい。高MW非晶質ポリエステル樹脂は、例えば、約1,000〜約10,000まで、約2,000〜約9,000まで、約3,000〜約8,000までのM
nを有していてもよく、45,000より大きいか、約45,000〜約150,000まで、約50,000〜約100,000まで、約63,000〜約94,000までのM
wを有していてもよい。PDは、約4より高く、例えば約4〜約20まで、約5〜約10まで、約6〜約8までであり、融点は、約30℃〜約140℃まで、約75℃〜約130℃まで、約100℃〜約125℃までであってもよく、Tgは、約53℃〜約58℃まで、約54.5℃〜約57℃までであってもよい。
【0032】
非晶質樹脂は、一般に、例えば約50〜約90wt%まで、約60〜約85wt%までの量で存在する。
【0033】
複合非晶質樹脂は、130℃で約10〜約1,000,000Pa・Sまで、約50〜約100,000Pa・Sまでの融解粘度を有し得る。
【0034】
約1〜約100重量%までの高MW非晶質ポリエステル樹脂は、約2%〜約50%まで分枝鎖状であるか又は架橋されていてもよい。
【0035】
ゲル化剤すなわちゲラントは、トナーを形成する際に使用される。ゲラントは、低温においてゲル様材料を形成するが、この材料は、加熱すると、低粘度ゆえに(ほぼ水のように)流れる。ゲラントによって粘度の急激な変化がもたらされ、急激な相遷移による低融解挙動が可能となる。
【0036】
ゲラントは、ポリアミドを含む。ゲラントは、重合可能なエポキシ樹脂を含み得る。ゲラントの少なくとも1種は、エチレン性不飽和基、炭化水素基又はこれらの組み合わせのいずれかにより化学的に官能性付与された重合可能なエポキシ樹脂、重合した脂肪酸とポリアミドとに基づくポリアミド樹脂、及び必要に応じて不飽和官能基を含む任意の反応性の希釈剤を含む複合材料であり得る。
【0037】
エポキシ樹脂成分は、ポリフェノール系エポキシ樹脂、ポリオール系エポキシ樹脂又はこれらの混合物のいずれかであるジグリシジルエーテルを含み得る。ポリフェノール系エポキシ樹脂は、ビスフェノールA−コ−エピクロロヒドリン樹脂であってもよい。ポリオール系エポキシ樹脂は、ジプロピレングリコール−コ−エピクロロヒドリン樹脂であってもよい。
【0038】
エポキシ樹脂は、約200〜約800まで、約300〜約700までのMwを有する。エポキシ樹脂としては、Dow Chemical Corp.からのビスフェノールA系エポキシ樹脂又はジプロピレングリコール系樹脂が挙げられ得る。天然の供給源に由来する他のエポキシ系材料、例えば、植物由来又は動物由来のエポキシ化トリグリセリド脂肪酸エステル、例えば、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化菜種油などが使用され得る。植物油由来のエポキシ化合物が、Arkema Inc.から入手可能である。
【0039】
ポリアミドは、ヤシ油、菜種油、ひまし油など及びこれらの組み合わせを含む重合脂肪酸、オレイン酸及びリノール酸などの二量体化C−18不飽和酸原料から調製される炭化水素ダイマー酸、ポリアミンすなわちジアミン、例えばアルキレンジアミン、ポリ(アルキレンオキシ)ジアミンなど、並びにポリアミドのコポリマー、例えばポリエステルポリアミド及びポリエーテル‐ポリアミドに由来する樹脂を含み得る。
【0040】
1種以上のポリアミド樹脂が、使用され得る。ポリアミド樹脂の市販供給源としては、Cognis Corp.及びArizona Chemical Co.が挙げられる。
【0041】
好適なゲラントとしては、米国特許第7,531,582号、同第7,276,614号及び同第7,279,587号並びに米国特許公開第20110263890号に記載のアミドゲラントが挙げられ、これらの文献の開示全体は、本明細書中に参考として組み込まれる。
【0042】
アミドゲラントは、以下の式の化合物であってもよい:
【化1】
式中、R
1は、
(i)二価の脂肪族基又はアルキル基であるアルキレン基であって、直鎖状及び分枝鎖状、飽和及び不飽和、環式及び非環式、並びに置換及び非置換のアルキレン基を含み、ヘテロ原子が存在し得、約1〜約12個までの炭素原子、約1〜約8個までの炭素原子、約2〜約5個までの炭素原子を有するアルキレン基、
(ii)二価の芳香族基又はアリール基であるアリーレン基であって、飽和及び不飽和のアリーレン基を含み、ヘテロ原子が存在し得、約1〜約15個までの炭素原子、約3〜約10個までの炭素原子、約5〜約8個までの炭素原子を有するアリーレン基、
(iii)二価のアリールアルキル基であるアリールアルキレン基であって、飽和及び不飽和のアリールアルキレン基を含み、アリールアルキレン基のアルキル部分は、直鎖状又は分枝鎖状、飽和又は不飽和及び環式又は非環式であってもよく、ヘテロ原子がアリールアルキレン基のアリール部分又はアルキル部分のいずれかに存在し得、約6〜約32個までの炭素原子、約7〜約22個までの炭素原子、約8〜約12個までの炭素原子を有するアリールアルキレン基、或いは
(iv)二価のアルキルアリール基であるアルキルアリーレン基であって、飽和及び不飽和のアルキルアリーレン基を含み、アルキルアリーレン基のアルキル部分は、直鎖状又は分枝鎖状、飽和又は不飽和及び環式又は非環式であってもよく、ヘテロ原子がアルキルアリーレン基のアリール部分又はアルキル部分のいずれかに存在し得、約5〜約32個までの炭素原子、約6〜約22個までの炭素原子、約7〜約15個までの炭素原子を有するアルキルアリーレン基、であり
R
2及びR
2’は、それぞれ互いに独立して、
(i)約1〜約54個までの炭素原子、約1〜約48個までの炭素原子、約3〜約36個までの炭素原子を有するアルキレン基、
(ii)約5〜約15個までの炭素原子、約6〜約13個までの炭素原子、約7〜約10個までの炭素原子を有するアリーレン基、
(iii)約6〜約32個までの炭素原子、約7〜約30個までの炭素原子、約8〜約15個までの炭素原子を有するアリールアルキレン基、又は
(iv)約6〜約32個までの炭素原子、約7〜約22個までの炭素原子、約8〜約15個までの炭素原子を有するアルキルアリーレン基であり、
R
3及びR
3’は、それぞれ互いに独立して、
(a)例えば、式:
【化2】
の1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンに由来する基、式:
【化3】
の1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンに由来する基、式:
【化4】
の2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンに由来する基、式:
【化5】
のN,N−ジメチルエタノールアミン若しくはN,N−ジメチルエチレンジアミンに由来する基などである光開始基;又は
(b)
(i)アルキル基(直鎖状及び分枝鎖状、飽和及び不飽和、環式及び非環式、並びに置換及び非置換のアルキル基を含み、アルキル基にヘテロ原子が存在し得る)であって、約2〜約100個までの炭素原子、約3〜約60個までの炭素原子、約4〜約30個までの炭素原子を有するアルキル基、
(ii)フェニルなどのようなアリール基(置換及び非置換のアリール基を含み、アリール基にヘテロ原子が存在し得る)であって、約5〜約100個までの炭素原子、約6〜約60個までの炭素原子、約7〜約30個までの炭素原子を有するアリール基、
(iii)ベンジルなどのようなアリールアルキル基(置換及び非置換のアリールアルキル基を含み、アリールアルキル基のアルキル部分は、直鎖状又は分枝鎖状、飽和又は不飽和、環式又は非環式であってもよく、アリールアルキル基のアリール部分又はアルキル部分のいずれかに、ヘテロ原子が存在し得る)であって、約5〜約100個までの炭素原子、約6〜約60個までの炭素原子、約7〜約30個までの炭素原子を有するアリールアルキル基、或いは
(iv)トリルなどのようなアルキルアリール基(置換及び非置換のアルキルアリール基を含み、アルキルアリール基のアルキル部分は、直鎖状又は分枝鎖状、飽和又は不飽和、環式又は非環式であってもよく、アルキルアリール基のアリール部分又はアルキル部分のいずれかに、ヘテロ原子が存在し得る)であって、約5〜約100個までの炭素原子、約6〜約60個までの炭素原子、約7〜約30個までの炭素原子を有するアルキルアリール基;のいずれかであり、
X及びX’は、それぞれ互いに独立して、酸素原子又は式−NR
4−の基であり、式中R
4は、
(i)水素原子、
(ii)アルキル基であって、直鎖状及び分枝鎖状、飽和及び不飽和、環式及び非環式、並びに置換及び非置換のアルキル基を含み、ヘテロ原子がアルキル基に存在し得、約5〜約100個までの炭素原子、約6〜約60個までの炭素原子、約7〜約30個までの炭素原子を有するアルキル基、
(iii)アリール基であって、置換及び非置換のアリール基を含み、ヘテロ原子がアリール基に存在し得、約5〜約100個までの炭素原子、約6〜約60個までの炭素原子、約7〜約30個までの炭素原子を有するアリール基、
(iv)アリールアルキル基であって、置換及び非置換のアリールアルキル基を含み、アリールアルキル基のアルキル部分は、直鎖状又は分枝鎖状、飽和又は不飽和、環式又は非環式であってもよく、ヘテロ原子がアリールアルキル基のアリール部分又はアルキル部分のいずれかに存在し得、約5〜約100個までの炭素原子、約6〜約60個までの炭素原子、約7〜約30個までの炭素原子を有するアリールアルキル基、又は
(v)アルキルアリール基であって、置換及び非置換のアルキルアリール基を含み、アルキルアリール基のアルキル部分は、直鎖状又は分枝鎖状、飽和又は不飽和、環式又は非環式であってもよく、ヘテロ原子がアルキルアリール基のアリール部分又はアルキル部分のいずれかに存在し得、約5〜約100個までの炭素原子、約6〜約60個までの炭素原子、約7〜約30個までの炭素原子を有するアルキルアリール基、であり、
置換アルキル基、アリール基、アルキレン基、アリーレン基、アリールアルキレン基、アルキルアリーレン基、アリールアルキル基、及びアルキルアリール基における置換基は、ハロゲン原子、エーテル基、アルデヒド基、シアノ基、ピリジン基、ピリジニウム基、ケトン基、エステル基、アミド基、カルボニル基、チオカルボニル基、スルファート基、スルホナート基、スルホン酸基、スルフィド基、スルホキシド基、ホスフィン基、ホスホニウム基、ホスファート基、ニトリル基、メルカプト基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホン基、アシル基、酸無水物基、アジド基、アゾ基、シアナート基、イソシアナート基、チオシアナート基、イソチオシアナート基、カルボキシラート基、カルボン酸基、ウレタン基、ウレア基、これらの混合物などであってもよく、2以上の置換基は、一緒になって環を形成してもよく、
ヘテロ原子は、O、N、S、Si、P、Bなどである。
【0043】
ゲラントは、以下の混合物を含み得る:
【化6】
【化7】
及び
【化8】
式中、−C
34H
56+a−は、分枝鎖状アルキレン基であり、不飽和且つ環式の基を含み得、ここで、変数「a」は、0〜12の整数である。
【0044】
以下の一般式を有する化合物が、使用され得る:
【化9】
【化10】
【化11】
又は
【化12】
【0045】
ゲラントは、約500〜約100,000まで、約750〜約10,000まで、約1000〜約5000までのMnを有し得る。ポリアミド樹脂のアミン数は、約0〜約10まで、約1〜約5までであってもよい。
【0046】
ゲラントは、トナー成分の約1〜約20重量%まで、約2〜約10重量%までの量で存在し得る。
【0047】
着色剤は、樹脂混合物に添加されてもよい。種々の公知の好適な着色剤、例えば、染料、顔料、染料の混合物、顔料の混合物、染料と顔料との混合物などが、トナー中に含まれ得る。着色料は、トナーの約0.1〜約35重量%まで、約1〜約15重量%まで、約3〜約10重量%までの量で添加され得る。
【0048】
溶剤は、ラテックスの形成において、界面活性剤を使用せずに安定なラテックスを形成することを可能にするために使用される。溶剤は、時に、相反転剤と呼ばれ、生物系樹脂、顔料及びゲラントを含むラテックスを形成するために使用され得る。溶剤としては、アセトン、トルエン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、これらの組み合わせなどが挙げられ得る。
【0049】
溶剤は、例えば、樹脂の約1〜約25wt%まで、約2〜約20wt%まで、約3〜約15wt%までの量で使用され得る。
【0050】
エマルジョンはまた、水、例えば脱イオン水(DIW)を、約30%〜約95%まで、約35%〜約60%までの量で、樹脂を融解するか又は軟化させる温度、約20℃〜約120℃まで、約30℃〜約100℃までの温度で含み得る。
【0051】
樹脂エマルジョンは、1種、2種又はそれ以上の界面活性剤を含み得る。界面活性剤は、イオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤から選択され得る。界面活性剤は、固体又は液体として、約5重量%〜約100重量%(純粋界面活性剤)まで、約10wt%〜約95wt%までの濃度で添加され得る。界面活性剤は、樹脂の約0.01〜約20wt%まで、約0.1〜約16wt%まで、約1〜約14wt%までの量で存在するように使用され得る。
【0052】
従って、方法は、少なくとも1種の樹脂とゲラント及び界面活性剤とを接触させて樹脂混合物を形成すること、樹脂混合物と顔料溶液と必要に応じて界面活性剤と水とを接触させて相反転ラテックスエマルジョンを形成すること、ラテックスを蒸留して蒸留物から水/溶剤混合物を除去すること、ラテックスを製造することを含み得る。
【0053】
ゲラント及び樹脂は、溶剤中で事前配合されて、樹脂混合物を形成してもよい。ゲラントは、溶剤中に溶解された後に樹脂に添加されて樹脂混合物を形成してもよい。
【0054】
次いで、樹脂混合物は、約25℃〜約90℃まで、約30℃〜約85℃まで加熱され得る。この加熱は、一定の温度に保つ必要はなく、変化してもよい。
【0055】
顔料は、必要に応じて分散液中で、中和剤又は塩基性溶液(例えば炭酸水素ナトリウム)、必要に応じてDIW中の界面活性剤と混合されて、相反転溶液を形成してもよい。次いで、樹脂混合物は、相反転溶液と接触して中性溶液を形成し得る。相反転溶液は、樹脂混合物と接触して樹脂上の酸末端基を中性化して、相反転を介して樹脂粒子の均一な分散液を形成し得る。溶剤は、樹脂粒子及び水相の両方に残留する。真空蒸留を介して、溶剤は除去される。
【0056】
顔料、ゲラント及び/又は界面活性剤は、樹脂の1種以上の成分に、融解混合の前、間又は後に添加されてもよく、中和剤の添加の前、間又は後に添加されてもよく、中和剤の添加の前に添加されてもよく、或いは融解混合の前に事前配合された混合物に添加されてもよい。
【0057】
連続的相反転エマルジョンが、形成され得る。相反転は、アルカリ水溶液又は塩基性剤、必要に応じて界面活性剤及び/又は水組成物を連続的に添加し、相反転エマルジョンを作ることによって達成され得る。
【0058】
撹拌は、必要ではないが、ラテックスの形成を増大するために使用され得る。撹拌は、毎分約10回転(rpm)〜約5,000rpmまで、約20〜約2,000rpmまで、約50〜約1,000rpmまでの速度で行われ得る。撹拌は、一定の速度である必要はなく、変化してもよい。
【0059】
相反転の後、相反転エマルジョンを希釈するために、さらなる界面活性剤、水及び/又はアルカリ水溶液が、必要に応じて添加されてもよいが、必須ではない。相反転の後、相反転エマルジョンは、室温(RT)まで、例えば約20℃〜約25℃までに冷却されてもよい。
【0060】
ラテックスの概算含量は、約0.01〜約5wt%まで、約0.1〜約3wt%までであってもよい。ラテックスの固形物含量は、約5〜約50wt%まで、約20〜約40wt%までであってもよい。
【0061】
樹脂エマルジョン粒子のMWは、約18,000〜約26,000g/モルまで、約21,500〜約25,000g/モルまで、約23,000〜約24,000g/モルまでであってもよい。
【0062】
必要に応じて、ワックスもまた、樹脂に混合され得る。ワックスは、ワックス分散物で提供され得、これは、1種のワックスを含んでも、2種以上の異なるワックスを含んでもよい。
【0063】
ワックスは、トナー粒子の約1〜約25wt%まで、約5〜約20wt%までの量で存在し得る。
【0064】
ワックスは、結晶性であっても非結晶性であってもよい。
【0065】
トナー粒子形成において、必要に応じて、凝集剤もまた、樹脂、ゲラント、必要に応じて着色剤、及びワックスに混合され得る。凝集剤は、トナー粒子中に、あくまで外的な添加剤として、乾燥重量で、トナー粒子の約0〜約5wt%まで、約0.01〜約3wt%までの量で存在し得る。
【0066】
使用され得る凝集剤としては、イオン凝集剤、例えば陽イオン性凝集剤が挙げられる。無機陽イオン性凝集剤は、金属塩を含む。
【0067】
pHは、酸によって調整され得る。混合物のpHは、約2〜約5までに調整され得る。
【0068】
塩基は、pHを上げて凝集粒子をイオン化し、それによって安定性を提供しそして凝集物のサイズが大きくなるのを防ぐために使用され得、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化セシウムなどが挙げられ得る。
【0069】
凝集剤が、ポリイオン凝集剤である場合、存在する任意の望ましい数のポリイオン原子を有し得る。例えば、ポリアンモニウム化合物は、化合物中に存在する約2〜約13まで、約3〜約8までのアンモニウムイオンを有する。
【0070】
一旦所望の最終サイズのトナー粒子が達成された後、トナーが大きくなるのを止めるために、混合物のpHは、塩基によって約3〜約10まで、約5〜約9までに調整され得る。所望の値のpHに調整するのを補助するために、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)が、添加されてもよい。
【0071】
凝集の後であるが凝結の前に、シェルは、凝集粒子に適用され得る。コア樹脂を形成するために好適な上記の任意の樹脂が、シェルとして使用され得る。
【0072】
所望の粒子サイズへの凝集及び任意の必要に応じたシェルの適用の後に、粒子は、所望の最終形態へ凝結され得、この凝結は、例えば、混合物を、樹脂のTg以上であり得る約45℃〜約100℃まで、約55℃〜約99℃まで加熱し、且つ/又は撹拌を、例えば、約100〜約1,000rpmまで、約200〜約800rpmまでに減速させることによって、達成される。融合粒子は、形態係数又は円形度によって、例えばSysmex FPIA 2100分析機により、所望の形態が達成されるまで測定され得る。
【0073】
トナー粒子はまた、他の任意の添加剤、例えば、正電荷又は負電荷制御剤及び流動補助剤を含み得る。
【0074】
トナーは、超低融点トナーとして使用され得る。トナー粒子は、約3〜約25μmまで、約4〜約15μmまで、約5〜約12μmまでの体積平均径を有し得る。
【0075】
さらに、トナーは、エマルジョン凝集手順の後、ラテックス樹脂の分子量とトナー粒子の分子量との間の特定の関係性を有し得る。樹脂は、プロセスの間に架橋され、架橋の程度は、制御され得る。この関係性は、Mwの最高ピークをあらわす分子ピーク値(Mp)として最もよく示すことができる。樹脂は、約22,000〜約30,000dまで、約22,500〜約29,000dまでのMpを有し得る。
【0076】
トナー粒子は、現像剤組成物に調製され得る。例えば、トナー粒子は、キャリア粒子と混合されて、二成分現像剤組成物を達成し得る。
【実施例】
【0077】
実施例1
1リットル容量のParr Bench Top Reactorに、コントローラーに接続した短路冷却器、窒素導入口及び磁気撹拌シャフトを取り付けた。容器に、約292.28gのイソソルバイド、約236.18gの琥珀酸及び約0.528gのFASCAT 4201(ジブチルすずオキシド)を入れた。容器を窒素でパージし、アルミニウムブロックで覆われた容器を、容器の内容物が50分に亘って150℃に達するまで加熱した。容器が180℃に達するまでの時間に、縮重合を開始した。約44mlの蒸留物を、1日目に回収した。容器を、約190℃で一晩加熱し続けた。
【0078】
2日目に、温度を約220℃まで上げ、回収された総蒸留物は、約50mlになった。6時間に亘って、圧力を約0.09Torrまで下げ、その間にさらに蒸留物を回収した。反応を、真空下で6時間に亘って続け、分子量を増大させ、Dropping Point Cell(Mettler FP83HT dropping point cellを備えたMettler FP90 central processor)によって測定した軟化点によって確認した。一度適切な軟化点が達成された後、周囲圧力にすることによって反応を停止させ、ポリマーをアルミニウムなべに取り出した。グランドポリマーを、GPCによって分析し、約2,400g/mのMn、約3,800g/mのMw、示差走査熱量測定(DSC)によって決定した約66℃の開始Tg、及びKOH1グラムあたり約14mgの酸価を得た。
【0079】
約112.96gの樹脂を、約1129.6gのジクロロメタン(DCM)を含む2リットルビーカー内で計量した。混合物を、約300rpmで室温にて撹拌し、樹脂を溶解させた。約1.05gの炭酸水素ナトリウム及び約4.83gのDOWFAX
TM 2A1、Dow Chemical Companyからのアルキルジフェニルオキシドジスルホナート(46.75wt%)を、700gのDIWを含む3リットルのパイレックスガラスフラスコリアクター内で計量した。ガラスリアクター内の溶液を、約4,000rpmで均質化した。次いで、樹脂溶液を、混合物の均質化を続けつつゆっくりとこの水溶液内に入れ、ホモジナイザーの速度を約8,000rpmに上げ、均質化を約30分間行った。均質化の完了時に、ガラスフラスコリアクターを、加熱マントルに置き、蒸留デバイスに接続した。混合物を、約200rpmで撹拌し、混合物の温度を約50℃まで毎分1℃上げて、混合物からDCMを蒸留させた。撹拌を、約50℃で180分間続け、その後、室温まで毎分約2℃下げた。生成物を、25μmの篩を通してスクリーニングした。得られた樹脂エマルジョンは、水中に約20.80重量%の固体を含み、平均粒子サイズは、約199.8nmであった。
【0080】
実施例2
PRIPOL 1009、エチレンジアミン(EDA)及び以下の構造の2フェノキシエタノールからのアミドゲラントの調製:
【化13】
【0081】
撹拌機を備えた5galリアクターに、約6.55kgのPRIPOL 1009(Croda Corp.からのダイマー酸)を、約0.014kgのIRGAFOS 168、Ciba Specialty Chemicalsからのトリアリールホスファイトの安定剤と共に添加した。混合物を、約90℃に加熱し、約270rpmで混合した。EDA(約0.378kg)を、1リットルの加圧可能サンプリシリンダーに入れ、はかりに載せ、このシリンダーを、ステンレス鋼管を有する導入弁によってリアクターに接続した。EDAを、圧力によってゆっくりとリアクター内に入れ、流れをニードル弁によって制御した。EDAを、15分間に亘って、約21g/分の供給速度で添加した。EDAの添加と共にリアクター内で発熱が起こり、リアクター温度は、約105℃まで上がった。全てのEDAの添加の後、リアクターを、ゆっくりと約280分間に亘って約155℃まで加熱した。次いで、リアクターを、約60分間維持した。次いで、リアクターを、約90℃まで冷却し、トルエン(約9.48kg)を添加して生成物を希釈した。
【0082】
トルエンの添加後、混合物を室温まで冷却し、そして4−ジ(メチルアミノ)ピリジン(DMAP(約0.066kg)を、リアクターのトップローディングポート内の漏斗を介して添加した。次いで、N,N’−ジシクロカルボジイミド(DCC)(約1.05kg)及びトルエン(約0.47kg)の溶液を、30分間に亘って約51±5g/分の供給速度でリアクター内にゆっくりと添加した。発熱が起こり、リアクター温度を、30℃未満に維持した。DCC/トルエンを添加した後、2−フェノキシエタノール(約0.684kg)を、1Lステンレス鋼ビーカー内に計量し、そしてトップローディングポート内の漏斗を介してリアクター内に入れ、内容物を、約25℃にて約4時間混合した。合成反応が完了し、そして固体廃棄副産物(1,3−ジシクロヘキシル尿素(DCU))を、10μmバッグフィルターを介した濾過によって分離した。
【0083】
リアクター及びバッグフィルター系を、約45℃まで加熱し、反応スラリーを、リアクターを加圧することによってフィルターを通してリアクターから取り出した。濾過物は、最終生成物を含んでいて、これを10galポータブルタンク内に回収した。ウェットケーキ(約1.1kg)が、廃棄副産物であった。ウェットケーキを約1kgのトルエンですすぎ、ポータブルタンク内の濾過物に加えた。濾過物は、最終生成物を含んでいて、これを圧力でポータブルタンクからリアクターに戻し、周囲温度にて一晩維持した。リアクター内でトルエンを濾過物から真空蒸留で除去して、最終生成物を分離した。
【0084】
取り出した後、生成物を、実験室ヒュームフード内で箔皿に移し、一晩放置して冷ました。最終生成物は、タフィー様の稠度を有する粘性の固体であった。
【0085】
実施例3
生物系樹脂粒子に被包されたゲル化剤及び顔料を有するラテックスの調製。
【0086】
約93.1gの100重量%の実施例1の生物系非晶質樹脂と、約14gの実施例2のアミドゲル化剤とを、約1000gのDCMを含む2リットルビーカー内に計量した。混合物を、室温にて約300rpmで撹拌し、樹脂を溶解して溶液とした。
【0087】
100分の9(pph)のドデシルベンゼンスルホン酸と、ナトリウム塩とを含有する約49.37gのシアン顔料分散液(Pigment Blue 15:3)(約17重量%)を、約1.33gの炭酸水素ナトリウム及びアルキルジフェニルオキシドジスルホナートである約3.95gのDOWFAX
TM 2A1(Dow Chemical Companyから市販されている)(約47重量%)とともに、約500gのDIWを含む3リットルのパイレックスガラスフラスコ内に計量し、水溶液を形成した。水溶液の均質化を、約4,000rpmで開始した。次いで、樹脂溶液を、水溶液中にゆっくりと入れた。ホモジナイザー速度を、約8,000rpmまで上げ、そして均質化を約30分間行った。均質化の完了後、ガラスフラスコリアクターを、加熱マントルに置き、蒸留デバイスに接続した。
【0088】
混合物を、約200rpmで撹拌し、そして混合物の温度を、約50℃まで毎分1℃の速度で上げて、混合物からDCMを蒸留させた。撹拌を約50℃で約150分間続け、次いで、室温まで毎分約2℃冷却した。生成物を、25μmの篩を通してスクリーニングした。
【0089】
得られた樹脂エマルジョンは、水中に約18.37重量%の固体を含み、平均粒子サイズは、約220nmであった。
【0090】
実施例4
EAトナーの調製。
【0091】
オーバーヘッド攪拌機を備えた2リットルのガラスリアクター内で、約4.58gのDOWFAX
TM 2A1を、約479.74gの、被包化されたシアン顔料及びゲル化剤を有する生物系樹脂を含む実施例1のラテックスと混合した。混合物を、約8℃まで氷浴を用いて冷却した。成分のpHを、0.1Nの硝酸の添加によって約4.2に調整した後、約59.74gのAl
2(SO
4)
3溶液(1重量%)をフロキュラントとして均質化の下で添加した。混合物の温度を、約300rpmで混合しつつ約9.5℃まで上げた。粒子サイズを、Coulter Counterで、コア粒子が約3.92μmの体積平均粒子サイズになり且つ約1.24のGSDになるまでモニタリングした。
【0092】
約120.59gの100%の実施例3のアミド/生物系樹脂エマルジョン(約28.42重量%)(ゲラント又は顔料を使用せずに、別個に調製した)を添加し、約5.90μmの平均粒子径及び約1.35のGSDを有するコアシェル粒子を得た。
【0093】
次いで、反応スラリーのpHを、約4.62gのEDTA(約39重量%)及びNaOH(約4重量%)を用いて約8まで上げ、トナーが大きくなるのを止めた。
【0094】
停止後、反応混合物を、約51℃まで加熱した。pHは、約7.2であった。トナーを、凝結後にクエンチし、約5.83μmの最終粒子サイズ及び約1.33の体積平均幾何学サイズ分布(GSDv)を得た。
【0095】
融合
実施例4のトナーに対し、XEROX IGEN3フュージングフィクスチャを用いた融合評価を行った。標準操作手順に従い、実施例4のトナー及び対照トナー(IGEN3シアントナー、XEROX Corp.から市販されている)の非融合画像をColor Xpressions+紙(CX+ 90gsm)及びDCEG 120gsm紙(両方ともXEROX Corp.から市販されている)の上に現像した。非融合画像についての単位面積あたりのトナー質量は、約0.5mg/cm
2であった。対照トナー及び実施例4のトナーの両方を、広い範囲の温度で融合した。コールドオフセット、光沢、クリース固定及び印字オフセットの性能を、測定した。
【0096】
フューザーのプロセス速度を、468mm/秒(約34msのニップドウェル)に設定し、そしてフューザーロール温度を、光沢及びクリースの測定のために、コールドオフセットからホットオフセットまで又は約210℃まで変えた。
【0097】
クリース面積測定を、画像分析システムで実施した。フューザーロール温度の関数としての印刷光沢を、BYK Gardner 75°光沢メーターで測定した。
【0098】
CX+紙上にて、対照トナー(IGEN3シアントナー)を、149℃のコールドオフセット(CO)にて開始し、一方、実施例4のトナーは、114℃のコールドオフセットを有した。
【0099】
非コートCX+紙上で、実施例4のトナーは、188℃で40光沢単位(TG40)に達し、このトナーについてのピーク光沢は、54guであった。DCEG紙上で、実施例4のトナーは、151℃で40光沢単位(TG40)に達し、このトナーについてのピーク光沢は、40guであった。実施例4のトナーのMFTは、130℃で観察され、一方、対照トナーは、161℃のMFTを有した。実施例4のトナーのホットオフセット温度は、180℃であった。
【0100】
帯電性の決定
現像剤を調製するために、75〜175μmまでの粒子サイズ、120μmの粒子サイズ及び球形の粒子形状を有する99%の鉄粉を、1%のトナーと共に計量し、混合物を、ロールミル上で10分間活性化させた。その後、現像剤における帯電性を決定した。約5gの活性化現像剤を、電位計に電気的に接続しているハードブローオフセルを含む市販のq/mメーター(Epping GmbH,Neufahrn)に導入した。測定セルにおける篩のメッシュサイズは、50μmであり、これは、キャリアが測定セルに残る一方で実質的に全てのトナーを除去することを確実にした。
【0101】
速い流れの空気(約4000cm
3/分)及び同時の吸引を用いて、キャリア粒子を測定セルに残すように実質的に全てのトナーをキャリア粒子から除去した。電位計は、キャリアの帯電量を示し、これは、逆符号のトナー粒子の帯電量に相当する。q/m値を計算するために、qの絶対量を、逆符号で使用した。測定セルを計量して除去したトナーの重量を決定し、この重量を、帯電q/mを計算するために使用した。帯電結果(q/m)は、Aゾーン(28℃/85%RH)について12μC/gであり、Cゾーン(10℃/15%RH)について34μC/gであった。
【0102】
熱凝集力の決定
約5グラムのトナーを、開放皿に置き、環境チャンバに54℃及び50%相対湿度(RH)で入れた。24時間後、サンプルを除去し、30分間周囲条件に順化させた。次いで、再順化サンプルを、1000μmを上に106μmを下に重ねた2枚重ねの事前に計量したメッシュ篩に入れた。篩を、Hosokawa flow testerを用いて1mmの振幅で90秒間振動させた。振動が完了した後、篩を、再度計量し、そしてトナー熱凝集力を、両篩に残った総トナー量から、開始重量の百分率として計算した。実施例4のトナーの熱凝集は、54℃においてたったの5%、55℃において8%であった。