(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来より、内視鏡などのプローブに、被検体を照明するための照射光を供給する光源装置が提案されている。
【0003】
また、被検体に対して指向性をもったレーザ光などの光を照射し、光の照射方向を走査させながら反射光を受光することにより、被検体の画像を取得する走査型内視鏡装置には、照射光としてのレーザ光を走査型内視鏡に供給する光源装置が備えられている。
【0004】
ただし、レーザ光はエネルギー密度が比較的高いために、使用者が意図しない状態でレーザ光が射出されることは好ましくない。そこで従来の走査型内視鏡装置は、例えば、レーザ光照射の許可/禁止を切り換えるための鍵などの操作部材を光源装置に設けて、この操作部材を操作しレーザ光の照射を許可した後に、レーザを使用するように構成されている。
【0005】
ただし、この技術は、光源装置からのレーザ光照射の許可/禁止を操作部材の操作に基づき行っているために、光源装置に走査型内視鏡が接続されていない状態であっても、操作部材が操作されればレーザ光の照射が許可されてしまうと考えられる。従って、光源装置に走査型内視鏡が正常に接続されているときにのみ、レーザ光の照射が許可されるようにすることがより望ましい。
【0006】
こうした制御などを行うために必要な、光源装置に対するプローブの接続を検出する技術は、従来より種々のものが提案されている。
【0007】
例えば、特開2001−321338号公報に記載の内視鏡用光源装置(20)は、内視鏡操作部の側部に設けられたライトポストに対して、着脱自在に接続することが可能なライトガイドファイバ(15)を内設するライトガイドケーブル(14)を備えている。このライトガイドファイバ(15)には、内視鏡用光源装置(20)に設けられた光源ランプ(31)から照明光が供給されるようになっている。さらにライトガイドファイバ(15)には、光源ランプ(31)とは別途に設けられた赤外線LED(41)から赤外光が入射されるようになっている。ライトガイドファイバ(15)に入射された赤外光は、ライトガイドファイバ(15)が内視鏡に対して接続されている場合には、上述したライトポスト(このライトポストは、内視鏡におけるライトガイドファイバ(15)との接続面となる)により反射されて戻り光となる。ライトガイドファイバ(15)の入射面近傍には受光素子(42)が配設されていて、ライトポストからの戻り光はこの受光素子(42)により検出される。このような構成により、赤外線LED(41)と受光素子(42)とを同期させて戻り光の検出を行い、検出される戻り光のレベルに応じて、内視鏡にライトガイドケーブル(14)が接続されているか否かを判定し、接続されていない場合には光源ランプ(31)からの照明光の供給を遮断するようになっている。
【0008】
また、特開平9−131309号公報に記載の電子内視鏡装置は、電子内視鏡(1)とビデオプロセッサ(10)とを有する電子内視鏡装置において、電子内視鏡(1)におけるビデオプロセッサ(10)への接続部(4b)に、電子内視鏡(1)の種類に応じて光の反射率を異ならせた表示部(6)を設けると共に、ビデオプロセッサ(10)における表示部(6)に対向する位置に反射型フォトインタラプタの光センサ(17)を設け、光センサ(17)の検出結果に基づいて制御部(18)が電子内視鏡(1)の種類を判定するようにした技術が記載されている。
【0009】
さらに、特開2007−236921号公報に記載の内視鏡システムは、照明供給装置(110)と内視鏡装置(140)とを備える構成において、照明供給装置(110)に、可視光を発光する発光体(112)と、赤外線発光ダイオード等の発光源(114)と、可視光と赤外光とが交差する光路上に配設された赤外反射ミラー等の光学素子(118)と、IR受光モジュール等の検出器(116)と、を設け、赤外光の戻り光の有無を検出器(116)により検出して、内視鏡装置(140)の接続状態を判定する技術が記載されている。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
[実施形態1]
【0017】
図1から
図4は本発明の実施形態1を示したものであり、
図1は可動部材が基準位置にあるときの光源装置の構成を示すブロック図、
図2は可動部材が基準位置と挿入位置との中間位置にあるときの光源装置の構成を示すブロック図、
図3は可動部材が挿入位置にあるときの光源装置の構成を示すブロック図、
図4は光源装置の作用を示すフローチャートである。
【0018】
図1に示すように、光源装置は、半導体発光素子1と、可動部材2と、光検出部3と、電流駆動部4と、制御部5と、操作部6と、表示部7と、を筐体8に保持して構成され、プローブ11(
図3等参照)から照射するための照射光を供給するものである。
【0019】
なお、本実施形態においては、プローブ11が走査型内視鏡である場合を想定して説明を行うが、これに限らず通常の内視鏡等であっても構わない。
【0020】
半導体発光素子1は、照射光を発光するものである。具体的に、半導体発光素子1は、照射光としてのレーザ光を発光するレーザダイオードを含む構成であるものとする(ただし、プローブ11が通常の内視鏡等である場合には、半導体発光素子1はLED等であっても構わない)。
【0021】
可動部材2は、筐体8にプローブ11が全く挿入されていないときの位置である基準位置(
図1参照)と、筐体8にプローブ11が正常に(つまり完全に)挿入されているときの位置である挿入位置(
図3参照)と、に可動するものである。さらに可動部材2は、基準位置から挿入位置、または挿入位置から基準位置へ移行する際に、基準位置と挿入位置との中間位置(
図2参照)を経由するようになっている。
【0022】
具体的に可動部材2は、例えばヒンジ等により回動可能な蓋部材として構成されていて、バネ等により付勢されることで、
図1に示す基準位置にあるときには、プローブ11を筐体8に挿入するための挿入開口8aを閉蓋するようになっている(閉じ状態)。従って、可動部材2が基準位置にあるときには、半導体発光素子1からの照射光は、この可動部材2より遮蔽され、筐体8の挿入開口8aから外部へ漏れ出ることはない。
【0023】
また、可動部材2は、プローブ11の基端側が筐体8の挿入開口8aから挿入されると、プローブ11の基端側により押圧されて回動し、
図2に示すような中間位置に移行する(閉じ状態とプローブ正常挿入状態との中間の状態)。
【0024】
その後、プローブ11の基端側が筐体8の挿入開口8aに完全に挿入されると、可動部材2は
図3に示すような挿入位置となる(プローブ正常挿入状態)。
【0025】
また、プローブ11を筐体8から抜脱するときには、可動部材2は上述したバネ等の付勢力により、上述とは逆の手順で、挿入位置→中間位置→基準位置に移動する。
【0026】
さらに、可動部材2は、基準位置にあるときに半導体発光素子1に対向する側の面が、光を反射する反射面として構成されている。そして、可動部材2は、筐体8内から発生された光を、基準位置と挿入位置とで異なる強度で光検出部3に検出される反射光となるように反射する。
【0027】
具体的に、可動部材2が
図1に示すような基準位置にあるときに半導体発光素子1から発光された照射光は、可動部材2の反射面により所定の角度に反射光として反射され、光検出部3に入射する。また、反射光は、可動部材2が
図2に示すような中間位置にあるときには、例えば一部が光検出部3に入射する。さらに、可動部材2が
図3に示すような挿入位置にあるときには、半導体発光素子1から発光された照射光は、プローブ11に入射されるが可動部材2には基本的に到達しない。従って、可動部材2は照射光を反射せず、反射光自体が発生しないために、光検出部3に反射光は入射しない。
【0028】
光検出部3は、筐体8内から発生された光を検出するものであり、本実施形態においては半導体発光素子1から発光された照射光に起因する、可動部材2からの上述した反射光を受光可能な位置に配置されている。そして、受光した光の強度に基づき、可動部材2の上述したような各位置を検出することが可能となっている。この光検出部3により検出された反射光強度のレベルに応じたプローブ11の挿入状態の判定については、後で
図4を参照して説明する。
【0029】
電流駆動部4は、半導体発光素子1に発光用の電流を供給するものである。
【0030】
制御部5は、光検出部3により検出された反射光の強度に基づいて、筐体8にプローブ11が正常に挿入されているか否かを判定する。
【0031】
操作部6は、この光源装置に対する各種の操作入力を行うためのものであり、光源装置の電源をオン/オフするための電源スイッチや、半導体発光素子1から光を発光させるための発光開始スイッチ等を含んでいる。そして、操作部6からの操作入力は、制御部5に入力されるようになっている。
【0032】
表示部7は、制御部5の制御に基づき、この光源装置に関する各種の情報を表示する表示装置であり、プローブ11の挿入状態が正常でないときの警告表示等も行うようになっている(なお、警告は、表示により行うに限らず、音声等により行っても構わない)。
【0033】
筐体8は、上述した各構成を保持するものであり、半導体発光素子1から発光された照射光の光路上にプローブ11の基端が位置するように、プローブ11の基端側を外部から挿入可能な挿入開口8aを上述のように備えている。
【0034】
次に、
図4を参照して、光源装置の作用について説明する。この
図4に示す処理は、主に、制御部5の制御に基づき行われる。
【0035】
光源装置の差込プラグをプラグ受けに接続することにより、電源スイッチの操作を待つことなく(すなわち、メイン電源がオフのままでも)、この処理が開始される。
【0036】
するとまず、制御部5は、電流駆動部4を制御することにより、半導体発光素子1へアイドリング電流を印加させる(ステップS1)。ここに、アイドリング電流とは、半導体発光素子1が発光を開始するか否かの閾値となる電流値を発光閾電流値としたときに、この発光閾電流値未満の適宜の電流である。
【0037】
レーザダイオード等の半導体発光素子1は、電気エネルギーを光エネルギーに変換する効率を高くしたり、発光される光の波長を安定化したりするためには、製品毎の規格に応じた所定の温度に恒温化しておくことが好ましい。従って、このようなアイドリング電流を発光前から印加して、半導体発光素子1を所定の温度に近付けるように暖めておくことにより、発光が必要になった時点で半導体発光素子1からの発光を直ちに安定して行うことが可能となる。
【0038】
そして、操作部6の電源スイッチが操作されて、光源装置のメイン電源がオンになるのを待機する(ステップS2)。
【0039】
こうしてメイン電源がオンになったら、次に、操作部6の発光開始スイッチにより半導体発光素子1の発光開始が指示されるのを待機する(ステップS3)。
【0040】
ここで発光開始が指示されたと判定した場合には、制御部5は、発光閾電流値以上の所定の電流を電流駆動部4から半導体発光素子1に印加させて、レーザ光などの照射光を発光させる(ステップS4)。
【0041】
続いて、制御部5は、光検出部3の検出結果として得られる反射光強度が、未挿入レベル以上であるかを判定する(ステップS5)。ここに、未挿入レベルとは、可動部材2が基準位置にあるか否か、つまりプローブ11が未挿入であるか否かを判定するための反射光強度レベルである。
【0042】
ここで、反射光強度が未挿入レベル以上である場合には、プローブ11が未挿入であるために、制御部5は電流駆動部4を制御して、印加する電流を発光閾電流値未満に戻し、半導体発光素子1の発光を停止させる(ステップS6)。
【0043】
また、ステップS5において反射光強度が未挿入レベル未満である場合には、制御部5は、光検出部3の検出結果として得られる反射光強度が、完全挿入レベル以下であるかを判定する(ステップS7)。ここに、完全挿入レベルとは、可動部材2が挿入位置にあるか否か、つまりプローブ11が完全に挿入されているか否かを判定するための反射光強度レベルである。
【0044】
ここで、反射光強度が完全挿入レベルよりも高い場合には、例えば、プローブ11が挿入されているものの完全な挿入には満たない状態(あるいは、プローブ11を抜脱する際に、何らかの原因により可動部材2が基準位置まで戻らなかった状態、等)であることになる。
【0045】
そこで制御部5は、電流駆動部4を制御して印加する電流を発光閾電流値未満に戻し、半導体発光素子1の発光を停止させるとともに(ステップS8)、表示部7による警告表示(あるいは音声警告など)を行う(ステップS9)。この警告表示の具体例としては、「プローブの接続が不完全です」や「プローブを完全に接続して下さい」等の文字表示を行う、あるいは正常接続時に点灯されるプローブ接続マークを点滅させる、または正常接続時に緑色点灯されるプローブ接続マークを赤色点灯させる、もしくはこれらの表示と共に警告音声を発音するなどが幾つかの例として挙げられるが、もちろんその他の警告表示等を行っても構わない。
【0046】
一方、ステップS7において反射光強度が完全挿入レベル以下である場合には、プローブ11が完全に接続されていることになるために、制御部5は、使用者からの操作に応じて、プローブ11が走査型内視鏡である場合にはレーザ光走査を行う(ステップS10)。
【0047】
ステップS6、ステップS9、あるいはステップS10の処理を行った場合、または、ステップS2においてメイン電源がオンされていないか、あるいはステップS3において発光開始が指示されていない場合には、ステップS2へ戻って上述したような処理を繰り返して行う。
【0048】
このような実施形態1によれば、光検出部3により検出された反射光の強度に基づいて、筐体3にプローブ11が正常に挿入されているか否かを判定するようにしたために、プローブ11の挿入状態が照射光の射出に好ましいかどうかを判定して、好ましくない場合に手動操作等を要することなく照射光の発光を停止する制御を行うことが可能となる。そして、筐体8にプローブ11が正常に挿入されていない場合には照射光の発光を自動的に停止するようにしたために、手動操作等を要することがない。
【0049】
このとき、可動部材2が中間位置にある場合に照射光の発光を停止することで、可動部材2と筐体8の挿入開口8aとの隙間から照射光が外部に漏れるのを防止すると共に、消費電力の低減を図ることができる。
【0050】
また、可動部材2が中間位置にある場合にはさらに警告を行うようにしたために、使用者は、光源装置の筐体8にプローブ11が正常に挿入されていないのを認識することが可能となる。
【0051】
さらに、可動部材2が基準位置にある場合にも照射光の発光を停止するようにしたために、消費電力の低減を図ることができる。
【0052】
そして、半導体発光素子1からの照射光をプローブ11の挿入状態の検出に利用しているために、専用の検出用光源が不要になる利点がある。
【0053】
加えて、可動部材2が基準位置にあるときの反射光に基づき光検出部3が検出を行っているために、半導体発光素子1からの照射光の発光の有無、具体的に半導体発光素子1が未発光となる故障を、プローブ11が完全に挿入されているときだけでなく、未挿入のときにも確認することが可能となる。
【0054】
また、光源装置のメイン電源がオンになる前に半導体発光素子1へアイドリング電流を印加するようにしたために、半導体発光素子1からの安定した発光を、所望の時点で短時間の内に行うことが可能となる。
[実施形態2]
【0055】
図5および
図6は本発明の実施形態2を示したものであり、
図5は可動部材が挿入位置にあるときの光源装置の構成を示すブロック図、
図6は光源装置の作用を示すフローチャートである。
【0056】
この実施形態2において、上述の実施形態1と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
【0057】
上述した実施形態1は、筐体8内から発生された光として半導体発光素子1から発光された照射光を用いていたが、本実施形態は、筐体8内から発生された光を発光するための専用の検出用光源9を設けたものとなっている。この検出用光源9は、制御部5により制御される。
【0058】
また、本実施形態の可動部材2の内部側(筐体8における内部側)の面が反射面として構成されているのは、上述した実施形態1と同様である。そして可動部材2は、検出用光源9からの検出光を、基準位置においては光検出部3へ反射せず、挿入位置においては光検出部3へ反射し、中間位置においては例えば一部を光検出部3へ反射する。
【0059】
ただし、可動部材2が基準位置や中間位置にあるときに、半導体発光素子1から発光された照射光が可動部材2の反射面により反射されて光検出部3に到達し光検出部3による検出結果に影響を及ぼす可能性がある。
【0060】
そこで、検出用光源9から発光する検出光を、半導体発光素子1から発光する照射光とは区別可能となるようにしている。このような方法としては、例えば、検出光の波長帯域を照射光の波長帯域とは重ならない別帯域とする方法、検出光と照射光との偏光を異ならせる方法、検出光を照射光から分離可能な特定周期のパルス光にする方法などが幾つかの例として挙げられるが、これらに限らずその他の方法を採用しても構わない。
【0061】
従って、光検出部3は、検出用光源9から発光された検出光のみを選択的に検出するように構成されているものとする。
【0062】
次に、
図6を参照して、光源装置の作用について説明する。
【0063】
この処理が開始されてステップS1の処理を行い、ステップS2において光源装置のメイン電源がオンになったら、制御部5は、検出用光源9を制御して検出光を発光させる(ステップS21)。
【0064】
続いて、制御部5は、光検出部3の検出結果として得られる反射光強度が、未挿入レベル以下であるかを判定する(ステップS22)。この未挿入レベルは、光検出部3の発光強度に依存する値であるために、半導体発光素子1の発光強度に依存する値となっていた実施形態1の未挿入レベルとは値が異なる。また、本実施形態では、可動部材2が基準位置にあるときには検出用光源9の検出光は光検出部3にほとんど到達しないために、実施形態1のステップS5における「未挿入レベル以上」の判定と異なり、ここでは「未挿入レベル以下」の判定を行っている。
【0065】
ここで、反射光強度が未挿入レベル以下である場合には、半導体発光素子1がもし発光中であるときには、ステップS6の処理を行ってその発光を停止させる。
【0066】
また、ステップS22において反射光強度が未挿入レベルよりも大きい場合には、制御部5は、反射光強度が完全挿入レベル以上であるかを判定する(ステップS23)。この「完全挿入レベル」も実施形態1とは値が異なり、かつここでは「以上」の判定を行っている。
【0067】
ここで、反射光強度が完全挿入レベル未満の場合には、半導体発光素子1がもし発光中であるときには、ステップS8の処理を行ってその発光を停止させ、ステップS9の処理により警告を行う。
【0068】
一方、ステップS23において反射光強度が完全挿入レベル以上である場合には、ステップS10の処理によりレーザ光走査を行う。
【0069】
ステップS6、ステップS9、あるいはステップS10の処理を行った場合、または、ステップS2においてメイン電源がオンされていない場合には、ステップS2へ戻って上述したような処理を繰り返して行う。
【0070】
このような実施形態2によれば、上述した実施形態1とほぼ同様の効果を奏するとともに、半導体発光素子1を発光させる前であっても、プローブの挿入状態を検出することが可能となる。
[実施形態3]
【0071】
図7から
図10は本発明の実施形態3を示したものであり、
図7は光源装置の作用を示すフローチャート、
図8はレーザ光調整処理を示すフローチャート、
図9は各色光毎に順次レーザ光調整を行ってカラーバランス調整する処理を示すフローチャート、
図10は各色光毎に同時にレーザ光調整を行ってカラーバランス調整する処理を示すフローチャートである。
【0072】
この実施形態3において、上述の実施形態1,2と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
【0073】
まず、本実施形態の光源装置の構成は、上述した実施形態1の
図1〜
図3に示した構成と基本的に同様である。ただし、本実施形態においては、光源装置の作用を異ならせている。
【0074】
すなわち、上述した実施形態1においては、可動部材2が挿入位置でないとき(つまり、基準位置および中間位置にあるとき)には、プローブの挿入状態が照射光の射出に好ましくない場合であるとして、一旦発光させた照射光を停止させるようにしていた。ただし、可動部材2が基準位置にあるときは、可動部材2が筐体8の挿入開口8aを閉蓋しているために照射光が筐体8の外部へ漏れ出ることはなく、照射光を射出しても構わない場合であると捉えることもできる。そこで、本実施形態においては、一旦発光させた照射光を停止させるのは可動部材2が中間位置にあるときのみとし、可動部材2が基準位置にあるときには光検出部3により検出された反射光の強度に基づいてプローブ11に入射される照射光の強度調整(輝度調整やカラーバランス調整など)を行うようにしたものとなっている。
【0075】
図7を参照して、光源装置の作用について説明する。
【0076】
この処理が開始されてステップS1〜S4の処理を行ったら、ステップS5と同様に、制御部5は、反射光強度が未挿入レベル以上であるかを判定する(ステップS31)。
【0077】
ここで、反射光強度が未挿入レベル以上である場合には、照射光が筐体8の外部へ漏れ出ることはないために、後で
図8を参照して説明するレーザ光調整処理を行う(ステップS32)。そして、このステップS32の処理を起こったら、ステップS31の処理へ戻る。
【0078】
また、ステップS31において反射光強度が未挿入レベル未満である場合には、ステップS7と同様に、制御部5は、反射光強度が完全挿入レベル以下であるかを判定する(ステップS33)。
【0079】
そして、反射光強度が完全挿入レベルよりも高い場合にはステップS8およびステップS9の処理を行い、完全挿入レベル以下である場合にはステップS10の処理を行う。
【0080】
ステップS9、あるいはステップS10の処理を行った場合、または、ステップS2においてメイン電源がオンされていないか、あるいはステップS3において発光開始が指示されていない場合には、ステップS2へ戻って上述したような処理を繰り返して行う。
【0081】
次に、
図8を参照して、
図7のステップS32のレーザ光調整処理について説明する。
【0082】
この処理を開始すると、光検出部3は、基準位置にある可動部材2からの反射光強度を検出する(ステップS41)。
【0083】
そして、検出した反射光強度(より正確には、所定時間(揺らぎの影響が出ない程度の所定時間)における反射光強度の平均値)が、プローブ11に入射される照射光の強度の目標値に対応する所定値に対して、所定の許容範囲(
図8に示す例では±2%以内)に入っているか否かを判定する(ステップS42)。
【0084】
ここで、所定の許容範囲に入っていない場合には、レーザ光入射強度調整処理を行う(ステップS43)。
【0085】
このレーザ光入射強度調整処理の一例としては、半導体発光素子1へ印加する電流を制御する処理が挙げられる。この場合には、光検出部3により検出された反射光強度が、所定値×98%よりも低い場合に所定値からの乖離度に応じて電流値を増加させ、逆に、所定値×102%よりも高い場合に所定値からの乖離度に応じて電流値を減少させる処理を行うことになる。
【0086】
なお、この処理を行うときには、プローブ11に入射される照射光の強度の目標値は、半導体発光素子1からの発光強度の目標値に対応する値となるために、ステップS42の判定に用いる所定値は、「半導体発光素子1からの発光強度の目標値に対応する所定値」と言い替えることも可能である。
【0087】
また、このレーザ光入射強度調整処理の他の例としては、半導体発光素子1から可動部材2までの光路上に、光強度の調整に利用可能な光学部材(例えば、NDフィルタ、カラーフィルタ、ビームスプリッタなど)を出入させる処理、あるいは、電気的に透過光量や帯域毎の透過光量を変更可能な光学部材を配置して制御する処理などが挙げられる。
【0088】
こうして、ステップS42において所定の許容範囲に入っていると判定した場合には、制御部5は、リアルタイムで検出される(つまり時間平均でない)反射光強度の揺らぎが、上述した所定値に対して、所定の許容範囲(
図8に示す例では、ステップS42と同様に±2%以内としている)に入っているか否かを判定する(ステップS44)。
【0089】
ここで、所定の許容範囲に入っていない場合には、照射光の出力がまだ安定していないことを示している。そこで、出力が安定するのを待つために、半導体発光素子1に照射光を発光させたまま所定時間待機してから(ステップS45)、ステップS44の判定に戻る。
【0090】
こうして、ステップS44において所定の許容範囲に入ったと判定した場合には、この処理から
図7に示す処理にリターンする。
【0091】
なお、
図8においては発光強度の調整の処理を示したが、照射光が複数色の色成分を含むカラー照射光である場合には、
図7のステップS32においてカラーバランス調整も含むようにレーザ光調整処理を行うことになる。そこで、この点について
図9および
図10を参照して説明する。
【0092】
まず、以下の説明における照射光は、赤色(R)光、緑色(G)光、青色(B)光を含み、これらを面順次に照射するか、もしくは同時に照射することにより、白色の被写体像が得られる場合を想定することにする(ただし、これに限らず、例えばNBI(Narrow Band Imaging(登録商標))等の照射光であっても構わない)。
【0093】
このときには、半導体発光素子1は、R光を発光する半導体発光素子と、G光を発光する半導体発光素子と、B光を発光する半導体発光素子とを含んで構成されている。
【0094】
そして、ステップS32のレーザ光調整処理を各色毎に順次に行う場合には、
図8に示したような照射光の強度調整を、カラー照射光を構成する複数色の色成分のそれぞれについて行えば良い。すなわち、
図9に示すように、R光のみを照射して
図8に示したようなレーザ光調整処理(つまり、Rレーザ光調整処理)を行い(ステップS32r)、G光のみを照射して
図8に示したようなレーザ光調整処理(つまり、Gレーザ光調整処理)を行い(ステップS32g)、B光のみを照射して
図8に示したようなレーザ光調整処理(つまり、Bレーザ光調整処理)を行えば良い(ステップS32b)。なお、RGBの各調整は、この順序でなくとも任意の順序で行って構わないのは勿論である。
【0095】
一方、ステップS32のレーザ光調整処理を各色同時に行う場合には、まず、光検出部3が、R光を検出するR光検出部と、G光を検出するG光検出部と、B光を検出するB光検出部とを含んで構成されている必要がある(これに対して上述した順次の場合には、RGBの各光を含む帯域を検出可能であれば、光検出部3はモノクロセンサ等であっても構わない)。
【0096】
そして、半導体発光素子1は、R光、G光、およびB光を同時に照射して、可動部材2の反射面はこれらの各光を同時に反射する。
【0097】
光検出部3は、
図10に示すように、R光検出部によりR光を検出し(ステップS32r)、G光検出部によりG光を検出し(ステップS32g)、B光検出部によりB光を検出する(ステップS32g)ことを、同時に行う。
【0098】
なお、照射光の光路上にカラーフィルタを挿入してレーザ光調整を行う場合には、より簡易的に、光検出部3によるRGB各光の検出強度に基づき、白色から色ズレしている色の補色のカラーフィルタを光路上に挿入するようにしても良い。
【0099】
このような実施形態3によれば、上述した実施形態1,2とほぼ同様の効果を奏するとともに、可動部材2が基準位置にあるときには筐体8の挿入開口8aを閉蓋して外部に照射光が漏れることがないために、このときの反射光を光検出部3により検出した結果を、照射光の調整に利用することができる。従って、プローブ11を挿入する前の段階で照射光の調整が終了しているために、プローブ11を挿入した段階で、すぐに好ましい輝度かつ好ましいカラーバランスの照射光を、安定して照射することができる。
【0100】
なお、上述では主として光源装置について説明したが、光源装置を上述したように制御する制御方法であっても良いし、コンピュータに光源装置を上述したように制御させるための制御プログラム、該制御プログラムを記録するコンピュータにより読み取り可能な一時的でない記録媒体、等であっても構わない。
【0101】
また、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明の態様を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。このように、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることは勿論である。