(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の基板及び前記第2の基板のいずれか一方に配置され、前記複数の画素の1行毎又は複数行毎に供給される前記制御信号を前記第1の垂直走査回路と同期して出力する第2の垂直走査回路、
を更に有し、
前記複数の画素は、同一の行に配置された第1の画素及び第2の画素を含み、
前記第1の画素には、前記第1の垂直走査回路から出力された前記制御信号が供給され、
前記第2の画素には、前記第2の垂直走査回路から出力された前記制御信号が供給される、
請求項1〜請求項2のいずれか一項に係る撮像装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。
【0018】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態による撮像装置1aの構成を示している。撮像装置1aは、第1の基板20及び第2の基板21の2枚の基板を有する。
図1では第1の基板20と第2の基板21とが横に並んでいるが、実際には第1の基板20及び第2の基板21は両者が互いに重なるように配置されている。言い換えると、第1の基板20及び第2の基板21は、それぞれ2つの面を有しており、第1の基板20の一方の面と第2の基板21の一方の面とが対向するように配置されている。また、第1の基板20及び第2の基板21は、電気的に接続されている。
【0019】
第1の基板20は、画素部3、複数の垂直信号線5、制御回路6、列回路部7、列走査回路8、信号処理部9を有する。画素部3は、第1の基板20上に行列状に配置された複数の画素4を有する。
図1では、画素4はP11〜P65として示され、6行5列に配置されている。画素4は、一般的には、光電変換素子(例えば、フォトダイオード)と、トランジスタとを有する。画素4は、第2の基板21の第1の垂直走査回路10aから出力される制御信号に従って、入射光量に応じた画素信号を出力する。
図1では、画素部3には6行5列の30個の画素4が配列されているが、画素4の配列における行数及び列数は2以上であればよい。
【0020】
複数の画素4の各列に対応して、列方向(垂直方向)に伸びる複数の垂直信号線5が配置されている。各列の画素4は、各列に対応した垂直信号線5に接続されている。列回路部7は、複数の画素4の各列に対応した列回路71,72,73,74,75で構成されている。画素4から出力された画素信号は、垂直信号線5を介して各列回路に入力される。各列回路は、画素信号に対してAD変換等の処理を行う。
【0021】
列走査回路8は、画素信号を読み出す列を選択し、選択した列に対応した列回路を列回路71〜75から順次選択する。そして、列走査回路8は、選択した列回路から画素信号を順次出力させることで、画素信号を読み出す。列走査回路8は、シフトレジスタなどで構成される。信号処理部9は、列回路71〜75から順次出力された画素信号に対して2進化等の処理を行い、処理後の信号を出力する。制御回路6は、列回路部7と、列走査回路8と、第2の基板21に配置されている第1の垂直走査回路10aとを制御する。図示する各回路ブロックが配置される位置は、実際に配置される位置と必ずしも一致するわけではない。
【0022】
第2の基板21は、第1の垂直走査回路10a、画素直下領域11、複数の画素制御信号線12、複数の第1のバッファ130を有する。第1の垂直走査回路10aは、複数の画素4の各行に供給される制御信号を出力する。この制御信号は、画素4を制御する信号であって、画素4の光電変換素子から信号電荷を読み出すための信号や、光電変換素子から読み出された信号電荷に基づく画素信号を垂直信号線5に読み出すための信号を含む。画素4に供給される制御信号は行毎に共通である。
【0023】
複数の画素4の各行に対応して、行方向(水平方向)に伸びる複数の画素制御信号線12が配置されている。画素制御信号線12は第1の垂直走査回路10aに接続されている。第1の垂直走査回路10aは、複数の画素4を制御する制御信号であって、複数の画素4の1行毎又は複数行毎に供給される制御信号を画素制御信号線12に出力する。画素制御信号線12は第1の基板20と電気的に接続されている。画素制御信号線12に出力された制御信号は、画素制御信号線12を伝送し、更に第1の基板20に転送される。画素制御信号線12を伝送し、第1の基板20に転送された制御信号は、画素制御信号線12に対応する行の画素4に転送される。従って、画素制御信号線12は、第1の垂直走査回路10aから出力された制御信号を複数の画素4の1行に伝送する経路を構成する。
【0024】
画素直下領域11は、第2の基板21において、第1の基板20の画素部3に対応する位置に配置されている。従って、画素直下領域11は、画素部3と重なるように配置されている。画素直下領域11は、複数の画素制御信号線12及び複数の第1のバッファ130を有する。1本の画素制御信号線12に対して1つの第1のバッファ130が配置されている。従って、複数の画素4の1行に対応して各々の第1のバッファ130が設けられ、第1のバッファ130は画素部3と重なる位置に配置されている。第1のバッファ130は、画素制御信号線12の途中に配置され、画素制御信号線12に接続されている。
【0025】
第1の垂直走査回路10aから出力された制御信号は画素制御信号線12を伝送し、第1のバッファ130に入力される。第1のバッファ130から出力された制御信号は画素制御信号線12を伝送する。従って、複数の画素4の一部(
図1におけるP13〜P63,P14〜P64,P15〜P65の3列分の画素4)には、第1のバッファ130を経由した制御信号が供給される。
【0026】
図2は、第1の基板20の画素部3の位置と、第2の基板21の画素直下領域11の位置との関係を示している。
図2では撮像装置1aを斜めに見た状態が示されている。また、
図2では、第1の基板20と第2の基板21とを垂直方向に分離した状態が示されている。画素部3と画素直下領域11が垂直方向に重なるように、第1の基板20及び第2の基板21が構成されている。
【0027】
図3は、撮像装置1aの1つの画素4における第1の基板20及び第2の基板21の断面構造を示している。
図3に示すように、光が入射する側から見て、マイクロレンズ16、第1の配線層14−1a、絶縁膜30a、第1の拡散層14−2a、第2の配線層14−1b、絶縁膜30b、第2の拡散層14−2bが3次元的に垂直方向に積層されている。第1の基板20は、第1の配線層14−1a、絶縁膜30a、第1の拡散層14−2aを有する。第2の基板21は、第2の配線層14−1b、絶縁膜30b、第2の拡散層14−2bを有する。
【0028】
第1の拡散層14−2aは、半導体基板、例えばp型半導体基板で構成されている。第1の拡散層14−2aには、画素4を構成する光電変換素子(フォトダイオード:PD)や、トランジスタのソース・ドレイン領域17aが形成されている。
図3では、画素4を構成するトランジスタの一部のみが図示されており、他のトランジスタについては図示が省略されている。
【0029】
第1の配線層14−1aは、トランジスタのゲート電極18aと、ゲート電極18aの上側に形成された複数層の配線19aとを有する。ゲート電極18aと配線19aは、コンタクト31を介して接続されている。異なる層の配線19aは、同様にコンタクト31を介して接続されている。第1の配線層14−1aの表面上にはマイクロレンズ16が形成されている。
【0030】
第2の拡散層14−2bは、第1の拡散層14−2aと同様に、半導体基板で構成されている。第2の拡散層14−2bには、
図1及び
図2における第1のバッファ130を構成するトランジスタのソース・ドレイン領域17bが形成されている。
図3では、第1のバッファ130が配置されている位置における第1の基板20及び第2の基板21の断面構造が示されている。第2の基板21において、画素4の直下であって第1のバッファ130が配置されていない位置の第2の拡散層14−2bには、ソース・ドレイン領域17bはない。
【0031】
第2の配線層14−1bは、第1のバッファ130を構成するトランジスタのゲート電極18bと、ゲート電極18bの上側に形成された複数層の配線19bとを有する。ゲート電極18bと配線19bは、コンタクト31を介して接続されている。異なる層の配線19bは、同様にコンタクト31を介して接続されている。第2の基板21において、画素4の直下であって第1のバッファ130が配置されていない位置の第2の配線層14−1bには、ゲート電極18bはない。配線19bは、
図1及び
図2における画素制御信号線12や、トランジスタ同士を接続する配線、電源及びグラウンドの配線を含む。
【0032】
第1の基板20の第1の配線層14−1a、絶縁膜30a、第1の拡散層14−2a、第2の基板21の第2の配線層14−1bに貫通電極15が設けられている。貫通電極15は、第1の拡散層14−2aと絶縁膜30aを貫通し、第2の配線層14−1bの配線19bと第1の配線層14−1aの配線19aとを接続している。
【0033】
図1及び
図2における画素制御信号線12を伝送した制御信号が貫通電極15を介して第1の配線層14−1aに転送され、ゲート電極18aに伝わる。ゲート電極18aに伝わった制御信号により、ゲート電極18a及びソース・ドレイン領域17aで構成されるトランジスタのオンとオフが制御される。
図3に示す配線19a,19b、コンタクト31、貫通電極15は、第1の垂直走査回路10aから出力された制御信号を複数の画素4に伝送する経路を構成する。
【0034】
図4は、画素4に供給される制御信号に関する接続の例を示している。
図4では、1行分の画素4に供給される制御信号に関する接続が示されている。第2の基板21の第1の垂直走査回路10aでは、制御信号として、転送信号φTX、リセット信号φRST、セレクト信号φSELの3種類の信号が生成される。これらの信号の詳細については、
図5を参照して説明する。
【0035】
上記の3種類の信号のそれぞれに対して、画素4の行方向に信号線が配置されている。
図1及び
図2における1本の画素制御信号線12は、上記の3種類の信号のそれぞれに対応する信号線を含む。また、上記の3種類の信号のそれぞれに対して、第1のバッファ130が配置されている。
図1及び
図2における1つの第1のバッファ130は、上記の3種類の信号のそれぞれに対応する第1のバッファ130を含む。これらの3種類の信号は、行毎に生成され、各信号に対応する信号線を介して第2の基板21上を伝送し、貫通電極15を介して、画素4を構成しているトランジスタに転送される。1行の画素4に供給される制御信号は転送信号φTX、リセット信号φRST、セレクト信号φSELの3種類であるので、それぞれの画素4に制御信号を供給する場合、各画素に3つの貫通電極15が存在する。
【0036】
図5は、画素4の構成と、画素4に供給される制御信号に関する接続との例を示している。
図5では、
図4の2つの画素4が拡大されて示されている。画素4は、光電変換素子PD、転送トランジスタM
TX、リセットトランジスタM
RST、増幅トランジスタM
AMP、セレクトトランジスタM
SELを有する。
【0037】
転送トランジスタM
TXのゲートには、転送信号φTXが供給される。転送トランジスタM
TXのドレインには光電変換素子PDが接続され、転送トランジスタM
TXのソースは増幅トランジスタM
AMPのゲートに接続されている。転送トランジスタM
TXは、転送信号φTXがHighの場合、光電変換素子PDで発生した信号電荷を増幅トランジスタM
AMPのゲートに転送する。
【0038】
リセットトランジスタM
RSTのドレインは電源電圧VDDに接続され、リセットトランジスタM
RSTのソースは転送トランジスタM
TXのソースに接続されている。リセットトランジスタM
RSTのゲートには、リセット信号φRSTが供給される。リセットトランジスタM
RSTは、リセット信号φRSTがHighの場合、画素4の出力をリセットする。
【0039】
増幅トランジスタM
AMPのドレインは電源電圧VDDに接続されている。増幅トランジスタM
AMPは、ゲートに入力された、光電変換素子から転送された信号電荷に基づく信号を増幅した信号をソースから出力する。
【0040】
セレクトトランジスタM
SELのドレインは増幅トランジスタM
AMPのソースに接続されている。セレクトトランジスタM
SELのゲートには、セレクト信号φSELが供給される。セレクトトランジスタM
SELは、セレクト信号φSELがHighの場合、増幅トランジスタM
AMPから出力された信号を、画素信号として垂直信号線5に出力する。
【0041】
図6は、リセット信号φRST、転送信号φTX、セレクト信号φSELの波形を示している。
図6の横方向が時間を示し、
図6の縦方向が電圧を示している。まず、セレクト信号φSELがHighとなり、セレクトトランジスタM
SELがオンとなる。これによって、任意の行の画素4が選択される。
【0042】
続いて、リセット信号φRSTがHighとなり、リセットトランジスタM
RSTがオンとなる。これによって、増幅トランジスタM
AMPのゲートの電圧が電源電圧VDDとなり、画素4の出力がリセットされる。その後、リセット信号φRSTがLowとなり、リセットトランジスタM
RSTがオフとなる。
【0043】
続いて、転送信号φTXがHighとなり、転送トランジスタM
TXがオンとなる。これによって、光電変換素子PDで発生した信号電荷が光電変換素子PDから増幅トランジスタM
AMPのゲートに転送され、電圧に変換される。セレクトトランジスタM
SELがオンであるため、増幅トランジスタM
AMPのソースから出力された電圧信号が、画素信号としてセレクトトランジスタM
SELのソースから出力される。
【0044】
続いて、転送信号φTXがLowとなり、転送トランジスタM
TXがオフとなる。その後、セレクト信号φSELがLowとなり、セレクトトランジスタM
SELがオフとなる。
図6のタイミングは一例であり、画素4の駆動は必ずしも
図6に示すタイミングで行われるとは限らない。
【0045】
次に、本実施形態の変形例を説明する。
図1及び
図2では、複数の画素4の1行毎に画素制御信号線12が配置されているが、これに限らない。例えば、複数の画素4の複数行毎に画素制御信号線12が配置されていても良い。
図7は、複数の画素4の複数行毎に画素制御信号線12を配置した例を示している。
図7では、第2の基板21における画素制御信号線12の配線が示されている。
【0046】
図7(a)では、複数の画素4の2行毎に画素制御信号線12が配置されている。複数の画素4の2行に対応する画素制御信号線12は途中で、行毎に配置された画素制御信号線12a,12bに分岐し、画素直下領域11を通る。画素制御信号線12a,12bの途中には第1のバッファ130が配置されている。第1の垂直走査回路10aから出力された2行分の制御信号は画素制御信号線12を伝送し、途中で画素制御信号線12a,12bに分かれて、それぞれの画素制御信号線12a,12bを伝送する。従って、
図7(a)に示す画素制御信号線12及び画素制御信号線12a,12bは、第1の垂直走査回路10aから出力された制御信号を複数の画素4の2行に伝送する経路を構成する。
【0047】
図7(b)では、複数の画素4の3行毎に画素制御信号線12が配置されている。複数の画素4の3行に対応する画素制御信号線12は途中で、行毎に配置された画素制御信号線12a,12b,12cに分岐し、画素直下領域11を通る。画素制御信号線12a,12b,12cの途中には第1のバッファ130が配置されている。第1の垂直走査回路10aから出力された3行分の制御信号は画素制御信号線12を伝送し、途中で画素制御信号線12a,12b,12cに分かれて、それぞれの画素制御信号線12a,12b,12cを伝送する。従って、
図7(b)に示す画素制御信号線12及び画素制御信号線12a,12b,12cは、第1の垂直走査回路10aから出力された制御信号を複数の画素4の3行に伝送する経路を構成する。
【0048】
上記の例に限らず、4行以上の行毎に画素制御信号線12が配置されていても良い。また、複数の画素4のm行毎に配置された画素制御信号線12と、複数の画素4のn行毎に配置された画素制御信号線12(m≧1、n≧1、m≠n)とが混在していても良い。
【0049】
複数の画素4の複数行毎に画素制御信号線12が配置されている場合、複数行分の画素信号が同時に読み出される。
図1に示すように複数の画素4の1列毎に1本の垂直信号線5が配置されている場合、複数行分の画素信号が同一の垂直信号線5に読み出されて加算される。これによって、低解像度ではあるが高S/Nの画像を得ることができる。
【0050】
図1では複数の画素4の1列毎に1本の垂直信号線5が配置されているが、複数の画素4の複数行毎に画素制御信号線12が配置されている場合には、複数の画素4の1列毎に複数本の垂直信号線5が配置されていても良い。例えば、
図7(a)に示すように複数の画素4の2行毎に画素制御信号線12が配置されている場合、複数の画素4の1列毎に2本の垂直信号線5が配置されていても良い。例えば、奇数行の画素4が、複数の画素4の1列毎に配置された第1の垂直信号線に接続され、偶数行の画素4が、複数の画素4の1列毎に配置された第2の垂直信号線に接続される。この例では、同一の画素制御信号線12を伝送した制御信号が2行分の画素4に供給され、2行分の画素信号が同時に読み出される。同時に読み出された画素信号のうち奇数行の画素信号は第1の垂直信号線に出力され、偶数行の画素信号は第2の垂直信号線に出力される。これによって、複数行分の画素信号を同時に読み出すことができ、読み出し時間を短縮することができる。
【0051】
図1及び
図2では、複数の画素4の1行毎に第1のバッファ130が配置されているが、これに限らない。例えば、複数の画素4の複数行毎に第1のバッファ130が配置されていても良い。
図8は、複数の画素4の複数行毎に第1のバッファ130を配置した例を示している。
【0052】
図8(a)は、第2の基板21における画素制御信号線12の配線を示している。
図8(a)では、複数の画素4の2行毎に画素制御信号線12及び第1のバッファ130が配置されている。従って、
図8(a)では、複数の画素4の2行に対応して各々の第1のバッファ130が設けられ、画素部3と重なる位置に配置されている。複数の画素4の2行に対応する画素制御信号線12は、画素直下領域11において、途中で、1画素毎に配置された画素制御信号線12c,12dに分岐する。画素制御信号線12c,12dは、それぞれに対応する画素4の貫通電極15に接続されている。
【0053】
図8(b)は、複数の画素4の2行に供給される制御信号に関する接続の例を示している。
図8(b)では、複数の画素4の2行に関する構成のみが示されている。それぞれの画素4に対応して、第1の基板20と第2の基板21とを接続する貫通電極15が配置されている。第1の垂直走査回路10aから出力された2行分の制御信号は画素制御信号線12を伝送し、途中で、1画素毎に配置された画素制御信号線12c,12dに分かれて、それぞれの画素制御信号線12c,12dを伝送する。画素制御信号線12c,12dを伝送した制御信号は、貫通電極15を介して第1の基板20に転送され、画素4に伝わる。従って、
図8に示す画素制御信号線12,12c,12d、貫通電極15は、第1の垂直走査回路10aから出力された制御信号を複数の画素4の2行に伝送する経路を構成する。
【0054】
図9は、複数の画素4の複数行毎に第1のバッファ130を配置した他の例を示している。
図9(a)は、第2の基板21における画素制御信号線12の配線を示している。
図9(a)では、複数の画素4の2行毎に画素制御信号線12及び第1のバッファ130が配置されている。従って、
図9(a)では、複数の画素4の2行に対応して各々の第1のバッファ130が設けられ、画素部3と重なる位置に配置されている。複数の画素4の2行に対応する画素制御信号線12は、画素直下領域11において、途中で、1画素毎又は同一行の2画素毎に配置された画素制御信号線12e,12fに分岐する。画素制御信号線12e,12fは、それぞれに対応する1つ又は2つの画素4の貫通電極15に接続されている。
【0055】
図9(b)は、複数の画素4の2行に供給される制御信号に関する接続の例を示している。
図9(b)では、複数の画素4の2行に関する構成のみが示されている。1つの画素4又は同一行の2つの画素4に対応して、第1の基板20と第2の基板21とを接続する貫通電極15が配置されている。第1の垂直走査回路10aから出力された2行分の制御信号は画素制御信号線12を伝送し、途中で、1画素毎又は同一行の2画素毎に配置された画素制御信号線12e,12fに分かれて、それぞれの画素制御信号線12e,12fを伝送する。画素制御信号線12e,12fを伝送した制御信号は、貫通電極15を介して第1の基板20に転送される。
【0056】
一部の画素4において、貫通電極15を介して第1の基板20に転送された制御信号は2つに分かれずに画素4に伝わる。残りの画素4において、貫通電極15を介して第1の基板20に転送された制御信号は、1画素毎に配置された画素制御信号線12g,12hに分かれて、それぞれの画素制御信号線12g,12hを伝送する。画素制御信号線12g,12hを伝送した制御信号は画素4に伝わる。従って、
図9に示す画素制御信号線12,12e,12f,12g,12h、貫通電極15は、第1の垂直走査回路10aから出力された制御信号を複数の画素4の2行に伝送する経路を構成する。
【0057】
図9では、同一行の2画素毎に貫通電極15が共有されているので、
図8と比較して、貫通電極15の数を減らすことができる。したがって、
図9では、
図8と比較して、貫通電極15をより太く形成することができ、歩留まりが向上する。
【0058】
図10は、同一行の2画素毎に貫通電極15を共有する例(
図9)における画素4の構成と、画素4に供給される制御信号に関する接続との例を示している。
図10では、
図9に示す画素制御信号線12g,12hによって、同一行の2画素のトランジスタのゲート同士が接続されている。より具体的には、同一行の2画素の転送トランジスタM
TXのゲート同士、リセットトランジスタM
RSTのゲート同士、セレクトトランジスタM
SELのゲート同士がそれぞれ接続されている。
【0059】
図11は、複数の画素4の複数行毎に第1のバッファ130を配置した他の例を示している。
図11では、第2の基板21における画素制御信号線12の配線が示されている。
【0060】
図11(a)では、複数の画素4の2行毎に画素制御信号線12及び第1のバッファ130が配置されている。
図11(b)では、複数の画素4の3行毎に画素制御信号線12及び第1のバッファ130が配置されている。
図11(a)及び
図11(b)のいずれにおいても、画素制御信号線12は、画素直下領域11において、途中で分岐している。第1の垂直走査回路10aから出力された2行分又は3行分の制御信号は画素制御信号線12を伝送し、途中で2つ又は3つの画素制御信号線に分かれる。2つ又は3つの画素制御信号線は、1画素毎に配置された貫通電極15に接続されている。2つ又は3つの画素制御信号線を伝送した制御信号は、貫通電極15を介して第1の基板20に転送され、画素4に伝わる。
【0061】
図1では、第1のバッファ130が画素直下領域11の中央付近に配置されているが、これに限らない。第1のバッファ130は、画素制御信号線12の途中ならば、どの位置に配置されても良い。第1のバッファ130は、画素直下領域11に配置されることが望ましいが、画素直下領域11と第1の垂直走査回路10aとの間に配置されても良い。
【0062】
図1では、第1の垂直走査回路10aが第2の基板21に配置されているが、これに限らない。第1の垂直走査回路10aは、第1の基板20及び第2の基板21のいずれか一方に配置されていればよい。第1の垂直走査回路10aが第1の基板20に配置されている場合には、第1の垂直走査回路10aから出力された制御信号が第2の基板21に転送され、画素制御信号線12に出力されるように、第1の基板20及び第2の基板21が構成される。
【0063】
また、第1の基板20と第2の基板21とを貫通電極15により接続する例を示したが、第1の基板20を裏面照射型にし、第1の基板20と第2の基板21との間を導電性のバンプなどで電気的に接続する方法を用いても良い。
【0064】
本実施形態によれば、第1の基板20と、第1の基板20と重なるように配置された第2の基板21と、第1の基板20上に行列状に配置された複数の画素4を有する画素部3と、第1の基板20及び第2の基板21のいずれか一方に配置され、複数の画素4の1行毎又は複数行毎に供給される制御信号を出力する第1の垂直走査回路10aと、画素部3と重なるように第2の基板21に配置され、複数の画素4の1行又は複数行に対応して設けられた第1のバッファ130であって、第1の垂直走査回路10aから出力された制御信号を伝送する信号線(画素制御信号線12)に接続された複数の第1のバッファ130と、を有する撮像装置1aが構成される。
【0065】
本実施形態では、第1の垂直走査回路10aに近い画素4では、制御信号の供給タイミングのずれはほとんどなく、第1の垂直走査回路10aに近い画素4までの配線抵抗や配線間容量、負荷は小さい。このため、第1の垂直走査回路10aに近い画素4はシャープな波形の制御信号を受け取ることができる。
【0066】
また、本実施形態では、画素制御信号線12に第1のバッファ130が接続され、第1の垂直走査回路10aから遠い画素4には、第1のバッファ130を介して制御信号が供給される。第1のバッファ130を経由した制御信号は、第1のバッファ130によって整形される。このため、第1の垂直走査回路10aから遠い画素4までの配線抵抗や配線間容量、負荷は、実質的に第1のバッファ130からの配線抵抗や配線間容量、負荷となる。従って、第1のバッファ130が配置されていない場合と比較して、第1の垂直走査回路10aから遠い画素4までの配線抵抗や配線間容量、負荷が小さくなる。このため、選択信号の供給タイミングのずれを抑制することができ、且つ、第1の垂直走査回路10aから遠い画素4がシャープな波形の制御信号を受け取ることができる。
【0067】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。本実施形態による撮像装置は、
図1における第2の基板21を、
図12に示す第2の基板22で置換して構成される。
図12は、第2の基板22の構成を示している。
図12に示す第2の基板22において、
図1における第2の基板21と異なる点は、第2の基板22の第1の垂直走査回路10aと画素直下領域11との間に複数の第2のバッファ131が配置されている点である。
【0068】
第2のバッファ131は、複数の画素4の1行に対応して設けられ、第1のバッファ130が接続された画素制御信号線12に接続されている。第2のバッファ131は、画素部3と重ならない位置に配置されている。
【0069】
第1の垂直走査回路10aから出力された制御信号は画素制御信号線12を伝送し、第2のバッファ131に入力される。第2のバッファ131から出力された制御信号は画素制御信号線12を伝送し、第1のバッファ130に入力される。第1のバッファ130から出力された制御信号は画素制御信号線12を伝送する。従って、複数の画素4の一部(
図1におけるP14〜P64,P15〜P65の2列分の画素4)には、第1のバッファ130及び第2のバッファ131を経由した制御信号が供給される。
【0070】
第1の基板20の構成は、第1の実施形態における第1の基板20の構成と同一である。また、第1の基板20と第2の基板22とを接続する方法は、第1の実施形態において第1の基板20と第2の基板21とを接続する方法と同一である。
【0071】
図12では、複数の画素4の1行毎に画素制御信号線12が配置されているが、これに限らない。例えば、複数の画素4の複数行毎に画素制御信号線12が配置されていても良い。
【0072】
図12では、複数の画素4の1行毎にバッファが配置されているが、これに限らない。例えば、複数の画素4の複数行毎にバッファが配置されていても良い。
【0073】
図12では、複数の画素4の1行に対応して1つの第2のバッファ131が配置されているが、複数の画素4の1行に対応して複数の第2のバッファ131が配置されていても良い。従って、複数の画素4の1行に対応して、2つ以上の第2のバッファ131を第1の垂直走査回路10aと画素直下領域11との間に配置し、それぞれの第2のバッファ131を画素制御信号線12で接続しても構わない。
【0074】
図12では、第1の垂直走査回路10aが第2の基板22に配置されているが、これに限らない。第1の垂直走査回路10aは、第1の基板20及び第2の基板22のいずれか一方に配置されていればよい。第1の垂直走査回路10aが第1の基板20に配置されている場合には、第1の垂直走査回路10aから出力された制御信号が第2の基板22に転送され、画素制御信号線12に出力されるように、第1の基板20及び第2の基板22が構成される。
【0075】
本実施形態によれば、第2の基板22に配置され、複数の画素4の1行又は複数行に対応して設けられた第2のバッファ131であって、第1のバッファ130が接続された信号線(画素制御信号線12)に接続された複数の第2のバッファ131を有する撮像装置が構成される。
【0076】
本実施形態では、第1のバッファ130に加えて、第1の垂直走査回路10aと画素直下領域11との間に複数の第2のバッファ131が配置されている。これによって、第1の垂直走査回路10aから出力される画素制御信号の駆動能力が高くなる。従って、第1の実施形態よりも更に、制御信号の供給タイミングのずれが小さくなり、且つ、第1の垂直走査回路10aから遠い画素4がシャープな波形の制御信号を受け取ることができる。
【0077】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。本実施形態による撮像装置は、
図1における第2の基板21を、
図13に示す第2の基板23で置換して構成される。
図13は、第2の基板23の構成を示している。
図13に示す第2の基板23において、
図12における第2の基板22と異なる点は、第2のバッファ131の代わりに第2のバッファ132が配置されていることである。
【0078】
本実施形態では、第2のバッファ132は画素直下領域11に配置されている。従って、第2のバッファ132は、画素部3と重なるように配置されている。画素直下領域11において、第1のバッファ130が配置されている位置以外の任意の位置に第2のバッファ132を配置することが可能である。
【0079】
第1の基板20の構成は、第1の実施形態における第1の基板20の構成と同一である。また、第1の基板20と第2の基板23とを接続する方法は、第1の実施形態において第1の基板20と第2の基板21とを接続する方法と同一である。
【0080】
図13では、複数の画素4の1行毎に画素制御信号線12が配置されているが、これに限らない。例えば、複数の画素4の複数行毎に画素制御信号線12が配置されていても良い。
【0081】
図13では、複数の画素4の1行毎にバッファが配置されているが、これに限らない。例えば、複数の画素4の複数行毎にバッファが配置されていても良い。
【0082】
図13では、複数の画素4の1行に対応して1つの第2のバッファ132が配置されているが、複数の画素4の1行に対応して複数の第2のバッファ132が配置されていても良い。従って、複数の画素4の1行に対応して、2つ以上の第2のバッファ132を画素直下領域11に配置し、それぞれの第2のバッファ132を画素制御信号線12で接続しても構わない。
【0083】
図13では、第1の垂直走査回路10aが第2の基板23に配置されているが、これに限らない。第1の垂直走査回路10aは、第1の基板20及び第2の基板23のいずれか一方に配置されていればよい。第1の垂直走査回路10aが第1の基板20に配置されている場合には、第1の垂直走査回路10aから出力された制御信号が第2の基板23に転送され、画素制御信号線12に出力されるように、第1の基板20及び第2の基板23が構成される。
【0084】
本実施形態によれば、複数の第2のバッファ132が、画素部3と重なるように配置されている撮像装置が構成される。
【0085】
本実施形態では、第2のバッファ132が画素直下領域11に配置されているため、第1のバッファ130と第2のバッファ132との距離を第2の実施形態における第1のバッファ130と第2のバッファ131との距離よりも小さくすることが可能である。従って、第1のバッファ130と第2のバッファ132との間の配線抵抗や配線容量、負荷が小さくなる。これによって、第2の実施形態よりも更に、制御信号の供給タイミングのずれを小さくすることができる。また、画素数が増加した場合でも、第1のバッファ130と第2のバッファ132との間の距離、及び、第1のバッファ130から、最も遠い画素4までの距離を適切にすることによって、第1の垂直走査回路10aから遠い画素4がシャープな波形の制御信号を受け取ることができる。
【0086】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態を説明する。本実施形態による撮像装置は、
図1における第2の基板21を、
図14に示す第2の基板24で置換して構成される。
図14は、第2の基板24の構成を示している。
図14に示す第2の基板24において、
図12における第2の基板22と異なる点は、第2の垂直走査回路10bが配置されていると共に、画素直下領域11に複数の第1のバッファ130a,130b、複数の第2のバッファ132a,132bが配置されていることである。
【0087】
第2の垂直走査回路10bは、画素直下領域11の右側に配置されている。つまり、画素直下領域11を間に挟んで第1の垂直走査回路10aと第2の垂直走査回路10bとが対向している。
【0088】
第2の垂直走査回路10bは、複数の画素4の各行に供給される制御信号を第1の垂直走査回路10aと同期して出力する。第1の垂直走査回路10aと第2の垂直走査回路10bとが同期しているため、第1の垂直走査回路10aと第2の垂直走査回路10bとのそれぞれが複数の画素4の同一行に出力する同一種類の制御信号が変化するタイミングは等しい。
【0089】
第1のバッファ130a及び第2のバッファ132aは、第1の垂直走査回路10aからの距離が距離X以下となる位置に配置され、第1のバッファ130b及び第2のバッファ132bは、第2の垂直走査回路10bからの距離がX以下となる位置に配置されている。距離Xは、第1の垂直走査回路10aと第2の垂直走査回路10bとの距離の半分の距離である。第1のバッファ130a,130bは互いの出力端が向かい合うように配置され、第2のバッファ132a,132bは互いの出力端が向かい合うように配置されている。画素直下領域11の両側に配置された2つの垂直走査回路から制御信号が同時に出力されることによって、制御信号の伝送距離は画素制御信号線12の長さの約半分(
図14の距離X)になる。
【0090】
画素部3が有する複数の画素4は、同一の行に配置された第1の画素(
図1におけるP11〜P61,P12〜P62の2列分の画素4)及び第2の画素(
図1におけるP14〜P64,P15〜P65の2列分の画素4)を含む。第1の画素には、第1の垂直走査回路10aから出力された制御信号が供給される。また、第2の画素には、第2の垂直走査回路10bから出力された制御信号が供給される。残りの画素(
図1におけるP13〜P63の1列分の画素4)には、第1の垂直走査回路10a及び第2の垂直走査回路10bのいずれかから出力された制御信号が供給される。
【0091】
第1の基板20の構成は、第1の実施形態における第1の基板20の構成と同一である。また、第1の基板20と第2の基板24とを接続する方法は、第1の実施形態において第1の基板20と第2の基板21とを接続する方法と同一である。
【0092】
図14では第2のバッファ132a,132bが配置されているが、第1の実施形態で説明したように第2のバッファ132a,132bが配置されていなくても良い。また、
図14では第2のバッファ132a,132bが画素直下領域11に配置されているが、第2の実施形態で説明したように第2のバッファ132aが第1の垂直走査回路10aと画素直下領域11との間に配置され、第2のバッファ132bが第2の垂直走査回路10bと画素直下領域11との間に配置されていても良い。
【0093】
図14では、複数の画素4の1行毎に画素制御信号線12が配置されているが、これに限らない。例えば、複数の画素4の複数行毎に画素制御信号線12が配置されていても良い。
【0094】
図14では、複数の画素4の1行毎にバッファが配置されているが、これに限らない。例えば、複数の画素4の複数行毎にバッファが配置されていても良い。
【0095】
図14では、第1の垂直走査回路10a及び第2の垂直走査回路10bが第2の基板24に配置されているが、これに限らない。第1の垂直走査回路10a及び第2の垂直走査回路10bは、第1の基板20及び第2の基板24のいずれか一方に配置されていればよい。第1の垂直走査回路10a及び第2の垂直走査回路10bが第1の基板20に配置されている場合には、第1の垂直走査回路10a及び第2の垂直走査回路10bから出力された制御信号が第2の基板24へ転送され、画素制御信号線12に出力されるように、第1の基板20及び第2の基板24が構成される。
【0096】
本実施形態によれば、第1の基板20及び第2の基板24のいずれか一方に配置され、複数の画素4の1行毎又は複数行毎に供給される制御信号を第1の垂直走査回路10aと同期して出力する第2の垂直走査回路10b、を更に有し、複数の画素4は、同一の行に配置された第1の画素及び第2の画素を含み、第1の画素には、第1の垂直走査回路10aから出力された制御信号が供給され、第2の画素には、第2の垂直走査回路10bから出力された制御信号が供給される撮像装置が構成される。
【0097】
本実施形態では、2つの垂直走査回路が配置されているため、制御信号の伝送距離が短くなる。従って、配線抵抗や配線容量、負荷が更に小さくなるため、制御信号の供給タイミングのずれを更に小さくすることができる。
【0098】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態を説明する。本実施形態による撮像装置は、
図1における第2の基板21を、
図15に示す第2の基板25で置換して構成される。
図15は、第2の基板25の構成を示している。
図15に示す第2の基板25において、
図1における第2の基板21と異なる点は、画素直下領域11に第1の垂直走査回路10c、複数の第1のバッファ130a,130bが配置されている点である。
【0099】
第1の垂直走査回路10cは画素直下領域11の中央に配置されている。従って、第1の垂直走査回路10cは、画素部3と重なるように配置されている。画素直下領域11において、第1のバッファ130a,130bが配置されていない位置に第1の垂直走査回路10cを配置することが可能である。第1の垂直走査回路10c上に信号線を配置することで、第1の垂直走査回路10cの真上に位置する画素4に制御信号を供給することが可能である。
【0100】
第1の垂直走査回路10cから左側及び右側に向かって画素制御信号線12が伸びている。画素直下領域11において、第1の垂直走査回路10cよりも左側の領域に第1のバッファ130aが配置され、第1の垂直走査回路10cよりも右側の領域に第1のバッファ130bが配置されている。第1のバッファ130a,130bは互いの入力端が向かい合うように配置されている。
【0101】
第1の垂直走査回路10cは、画素直下領域11と少なくとも一部が重なっていれば良い。即ち、第1の垂直走査回路10cは、画素部3と少なくとも一部が重なっていれば良い。
【0102】
第1の基板20の構成は、第1の実施形態における第1の基板20の構成と同一である。また、第1の基板20と第2の基板25とを接続する方法は、第1の実施形態において第1の基板20と第2の基板21とを接続する方法と同一である。
【0103】
図15では、複数の画素4の1行毎に画素制御信号線12が配置されているが、これに限らない。例えば、複数の画素4の複数行毎に画素制御信号線12が配置されていても良い。
【0104】
図15では、複数の画素4の1行毎にバッファが配置されているが、これに限らない。例えば、複数の画素4の複数行毎にバッファが配置されていても良い。
【0105】
図15では、第1のバッファ130a,130bが配置されているが、第1のバッファ130a,130bに加えて、
図14における第2のバッファ132a,132bが配置されていても良い。
【0106】
本実施形態によれば、第1の垂直走査回路10cが、画素部3と少なくとも一部が重なるように配置されている撮像装置が構成される。
【0107】
本実施形態では、画素直下領域11外に1つの垂直走査回路が配置されている場合よりも、左右両端の画素4までの画素制御信号線12の長さが短くなる。従って、配線抵抗や配線容量、負荷が小さくなるので、制御信号の供給タイミングのずれを小さくすることができる。また、第1の垂直走査回路10cと画素直下領域11が重なることによって、基板面積を小さくすることができる。
【0108】
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態を説明する。本実施形態による撮像装置は、
図1における画素直下領域11の構成を、
図16に示す画素直下領域11の構成で置換して構成される。
図16は、画素直下領域11の構成を示している。画素直下領域11は、複数の画素制御信号線12及び複数の第1のバッファ130を有する。
【0109】
複数の第1のバッファ130のうち、互いに隣接する2つの行に配置された2つの第1のバッファ130は、行方向にずれるように配置されている。
図16では、偶数行に配置された第1のバッファ130は、隣接する奇数行に配置された第1のバッファ130に対して右方向にずれている。偶数行に配置された複数の第1のバッファ130の行方向の位置は同一であり、奇数行に配置された複数の第1のバッファ130の行方向の位置は同一である。図示するバッファの配置位置、数、向きは、実際の配置位置、数、向きと必ずしも一致するわけではない。連続する3つ以上の行において、互いに隣接する任意の2つの行に配置された2つのバッファが、行方向にずれるように配置されていても良い。
【0110】
本実施形態によれば、複数の第1のバッファ130のうち、互いに隣接する2つの行に配置された2つの第1のバッファ130が、行方向にずれるように配置されている撮像装置が構成される。
【0111】
本実施形態では、行方向の同一の位置において第1のバッファ130が2行毎に配置されている。画素数が多くなった場合、2行毎に1つのバッファを配置することで、バッファのサイズをより大きくすることができる。これによって、バッファの駆動能力を高めることができるため、制御信号の供給タイミングのずれを更に抑制することができる。
【0112】
(第7の実施形態)
次に、本発明の第7の実施形態を説明する。
図17は、本実施形態による撮像装置1bの構成を示している。撮像装置1bは、第1の基板20、第2の基板26、第3の基板27の3枚の基板を有する。
図17では第1の基板20、第2の基板26、第3の基板27が横に並んでいるが、実際にはそれぞれの基板が互いに重なるように配置されている。
【0113】
図17では、第1の基板20と第3の基板27との間に第2の基板26が配置されている。言い換えると、第1の基板20、第2の基板26、第3の基板27は、それぞれ2つの面を有しており、第1の基板20の一方の面と第2の基板26の一方の面とが対向するように配置され、第2の基板26の他方の面(第1の基板20と対向する第2の基板26の面とは反対側の面)と第3の基板27の一方の面とが対向するように配置されている。この場合、第1の基板20及び第2の基板26が電気的に接続されると共に、第2の基板26及び第3の基板27が電気的に接続される。
【0114】
第1の基板20の構成は、第1の実施形態における第1の基板20の構成と同一である。
【0115】
第2の基板26は、画素直下領域11、複数の画素制御信号線12、複数の第1のバッファ130a,130b、複数の第2のバッファ132a,132bを有する。画素直下領域11において、画素制御信号線12の途中に第1のバッファ130a,130b、第2のバッファ132a,132bが配置されている。第1のバッファ130a及び第2のバッファ132aは画素直下領域11の左半分の領域に配置され、第1のバッファ130b及び第2のバッファ132bは画素直下領域11の右半分の領域に配置されている。第1のバッファ130a,130bは互いの入力端が向かい合うように配置され、第2のバッファ132a,132bは互いの入力端が向かい合うように配置されている。
【0116】
1本の画素制御信号線12に対して第1のバッファ130a,130b、第2のバッファ132a,132bがそれぞれ1つずつ配置されている。これらのバッファは、画素制御信号線12の途中に配置され、画素制御信号線12に接続されている。従って、複数の画素4の1行に対応して各々のバッファが設けられ、画素部3と重なる位置に配置されている。
【0117】
第3の基板27は、複数の画素4の各行に供給される制御信号を出力する第1の垂直走査回路10dを有する。第1の垂直走査回路10dは、画素直下領域11の中央に対応する位置に配置されている。
【0118】
第1の基板20及び第2の基板26は、
図3等に示す貫通電極15で接続されている。また、第2の基板26と第3の基板27は貫通電極32で接続されている。
図17では複数の画素4の1行毎に1つの貫通電極32が配置されており、第1の垂直走査回路10dの出力端と画素制御信号線12とが貫通電極32で接続されている。貫通電極32は画素直下領域11の中央付近に配置されている。
【0119】
第1の垂直走査回路10dから出力された制御信号は、貫通電極32を介して画素制御信号線12に転送される。画素制御信号線12に転送された制御信号は、画素制御信号線12を伝送し、第1のバッファ130a,130bのそれぞれに入力される。第1のバッファ130aから出力された制御信号は画素制御信号線12を伝送し、第2のバッファ132aに入力される。第2のバッファ132aから出力された制御信号は画素制御信号線12を伝送する。また、第1のバッファ130bから出力された制御信号は画素制御信号線12を伝送し、第2のバッファ132bに入力される。
【0120】
図17では、第1の基板20と第3の基板27との間に第2の基板26が配置されているが、第1の基板20と第2の基板26との間に第3の基板27が配置されていても良い。言い換えると、第1の基板20、第2の基板26、第3の基板27は、それぞれ2つの面を有しており、第1の基板20の一方の面と第3の基板27の一方の面とが対向するように配置され、第3の基板27の他方の面(第1の基板20と対向する第3の基板27の面とは反対側の面)と第2の基板26の一方の面とが対向するように配置されていても良い。この場合、第1の基板20及び第3の基板27が電気的に接続されると共に、第3の基板27及び第2の基板26が電気的に接続される。
【0121】
図17では、第3の基板27に第1の垂直走査回路10dのみが配置されているが、これに限らない。列回路部7、列走査回路8、信号処理部9のいずれか1つ以上が第3の基板27に配置されていても良い。第3の基板27に第1の垂直走査回路10dが配置され、場合によっては、第3の基板27に列回路部7、列走査回路8、信号処理部9が配置されるため、第1の基板20、第2の基板26の面積を小さくすることができる。
【0122】
第2の基板26の画素直下領域11におけるバッファの配置に、他の実施形態で示したバッファの配置を適用しても良い。例えば、画素直下領域11に配置されるバッファは第1のバッファ130a,130bのみであっても良い。また、互いに隣接する2つの行に配置された2つのバッファが、行方向にずれるように配置されていても良い。
【0123】
図17では第1の垂直走査回路10dが画素直下領域11と重なる位置に配置されているが、第1の垂直走査回路10dが画素直下領域11と重ならない位置に配置されていても良い。また、
図17では第3の基板27に1つの垂直走査回路が配置されているが、第3の基板27に2つの垂直走査回路を配置し、制御信号の伝送距離を短くしても良い。
【0124】
図17では、複数の画素4の1行毎に画素制御信号線12が配置されているが、これに限らない。例えば、複数の画素4の複数行毎に画素制御信号線12が配置されていても良い。
【0125】
図17では、複数の画素4の1行毎にバッファが配置されているが、これに限らない。例えば、複数の画素4の複数行毎にバッファが配置されていても良い。
【0126】
本実施形態によれば、第1の基板20と、第2の基板26と、第3の基板27と、第1の基板20上に行列状に配置された複数の画素4を有する画素部3と、第3の基板27に配置され、複数の画素4の1行毎又は複数行毎に供給される制御信号を出力する第1の垂直走査回路10dと、画素部3と重なるように第2の基板26に配置され、複数の画素4の1行又は複数行に対応して設けられた第1のバッファ130aであって、第1の垂直走査回路10dから出力された制御信号を伝送する信号線(画素制御信号線12)に接続された複数の第1のバッファ130aと、を有し、第1の基板20と第2の基板26とが重なり、且つ、第3の基板27が、第1の基板20と対向する第2の基板26の面とは反対側の面と重なり、又は、第1の基板20と第3の基板27とが重なり、且つ、第2の基板26が、第1の基板20と対向する第3の基板27の面とは反対側の面と重なる撮像装置1bが構成される。
【0127】
本実施形態では、第3の基板27に第1の垂直走査回路10dが配置されているため、第2の基板26において、第1の垂直走査回路10dの配置に左右されずに画素制御信号線12を配線することができる。また、本実施形態では、画素直下領域11の中央に対応する位置に第1の垂直走査回路10dが配置されているため、第1の垂直走査回路10dから、最も遠い画素4までの画素制御信号線12の配線長を短くすることができる。これによって、配線容量や、配線抵抗、負荷が小さくなり、制御信号の供給タイミングのずれを抑制することができる。従って、第1の垂直走査回路10dから遠い画素4が、第2のバッファ132a及び第2のバッファ132bを介して、シャープな波形の制御信号を受け取ることができる。
【0128】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。