【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1] 車両に積載して指標を表示するとともに他の車両に注意を喚起する標識装置(10)において、
車両上に装着されるベース(20)に、指標を表示する標識部(40)を支持する起倒体(30)の基部(31)を起倒可能に枢支し、
前記起倒体(30)の先端部に、他の車両に注意を促す警光灯(70)を回動可能に支持し、
前記起倒体(30)の倒伏時に前記警光灯(70)を回動させて前記起倒体(30)よりも低い位置に格納可能であることを特徴とする標識装置(10)。
【0008】
[2] 車両に積載して指標を表示するとともに他の車両に注意を喚起する標識装置(10)において、
車両上に装着されるベース(20)と、該ベース(20)に基端部が起倒可能に枢支された起倒体(30)と、該起倒体(30)に支持された、指標を表示する標識部(40)と、前記起倒体(30)の先端部に回動可能に支持された、他の車両に注意を喚起する警光灯(70)と、前記ベース(20)に配設された、前記警光灯(70)の回動をロックするためのロック機構(200)と、該ロック機構(200)にロックされるロックリンク(110)と、該ロックリンク(110)に基端部を枢支し、前記警光灯(70)に先端部を枢支して前記ロックリンク(110)と警光灯(70)との間に架設されたリンク部材(101)と、を備え、
前記ロック機構(200)は、前記ロックリンク(110)をロックして所定位置にロックした前記リンク部材(101)の基端部を前記起倒体(30)の倒伏時にロック解除することにより、前記警光灯(70)を前記起倒体(30)よりも低い位置に回動させて格納可能としたことを特徴とする標識装置(10)。
【0009】
[3] 前記警光灯(70)は警光灯架台(90)に固設され、該警光灯架台(90)は前記起倒体(30)の先端部に枢支され、当該枢支された枢支点とは異なる枢支点に前記リンク部材(101)の先端部が枢支され、
前記リンク部材(101)の基端部は、前記ロックリンク(110)の先端部に枢支され、
前記ロックリンク(110)は、基端部が前記ロック機構(200)に枢支され、前記基端部と先端部との間に前記ロック機構(200)にロックされるロック部(111)を有し、
前記起倒体(30)と、前記警光灯架台(90)と、前記リンク部材(101)と、前記ロックリンク(110)とがリンク機構を構成したことを特徴とする項[2]に記載の標識装置(10)。
【0010】
[4] 前記ロック機構(200)によるロックを解除するための操作部(220)が前記ベース(20)に固定され、前記操作部(220)と前記ロック機構(200)とはワイヤー(W)を介して連結され、
前記ワイヤー(W)によって伝達された前記操作部(220)の操作力によってロック解除を可能としたことを特徴とする項[2]または[3]に記載の標識装置(10)。
【0011】
前記本発明は、次のように作用する。
標識装置(10)は、車両に積載して工事指示や交通指示等の指標を他の車両に注意を喚起しながら表示するものである。
【0012】
起倒体(30)の基部(31)が、車両上に装着されるベース(20)に枢支されて起倒可能であり、起倒体(30)の先端寄りに配設された標識部(40)が指標を表示する。また、起倒体(30)の先端部に配設された警光灯(70)が他の車両に注意を喚起するために発光する。
【0013】
警光灯(70)は、起倒体(30)と、警光灯架台(90)と、リンク部材(101)と、ロックリンク(110)とで構成されるリンク機構により、ロックリンク(110)がロック機構(200)にロックされた状態では、起倒体(30)が起立した状態および倒伏した状態の何れの場合においても車両の最も高い位置となるように保持されている。したがって、警光灯(70)は、起倒体(30)の姿勢状態の如何にかかわらず、他の車両に注意を喚起するための最適位置に保持されている。
【0014】
車両を高さ制限のある場所、例えば地下駐車場等へ進入させる場合には、警光灯(70)の位置が車両本体の車高よりも高い位置にあるので、警光灯(70)が進入の邪魔になる場合が有り得る。この場合には、起倒体(30)を倒伏させた状態でロック機構(200)によるロックリンク(110)のロックを解除することによって警光灯(70)を回動させて起倒体(30)よりも低い位置に格納すればよい。
【0015】
ロックを解除すると、ロック機構(200)にロックされていたロックリンク(110)のロック部(111)が解放されるので、ロックリンク(110)を含むリンク機構が可動となる。これにより、起倒体(30)の先端部に枢支されている警光灯架台(90)が回動自在となる。したがって、警光灯(70)は、警光灯架台(90)ごと回動させることにより、起倒体(30)よりも低い位置に格納することができる。
【0016】
ロック機構(200)によるロックを解除するための操作部(220)がベース(20)に固定されているものの場合には、操作部(220)を操作することにより、操作力がワイヤー(W)を介してロック機構(200)に伝達されてロック解除することができる。操作部(220)とロック機構(200)とはワイヤー(W)を介して連結されているので、警光灯(70)を格納する際に最も操作しやすい場所に操作部(220)を固定することができる。
【0017】
警光灯(70)を格納状態から戻すように回動させると、ロックリンク(110)のロック部(111)がロック機構(200)にロックされる位置になるようにリンク機構が可動する。
以上のようにして、倒伏した起倒体(30)よりも低い位置に警光灯(70)を格納したり、格納状態から車両の最も高い位置となる使用位置に戻したりすることができる。