特許第6192492号(P6192492)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6192492
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】開閉検知スイッチ
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20170828BHJP
【FI】
   A63F7/02 326D
   A63F7/02 326C
   A63F7/02 304Z
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-228995(P2013-228995)
(22)【出願日】2013年11月5日
(65)【公開番号】特開2015-89381(P2015-89381A)
(43)【公開日】2015年5月11日
【審査請求日】2016年10月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】591044614
【氏名又は名称】株式会社足立ライト工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100112531
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】清水 英明
【審査官】 上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−323722(JP,A)
【文献】 特開2004−016300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気接点を開閉させるプッシュ釦がケース体の前面にそれぞれ出没自在なるように設けられた第1スイッチと第2スイッチからなり、前記第1スイッチのケース体の側面にコネクタ差込口を形成し、該コネクタ差込口内に該第1スイッチの両導電部とそれぞれ連なる一対の接続ピンを突設し、前記第2スイッチのケース体の側面には該第2スイッチの両導電部とそれぞれ連なる一対の接続ピンを突設し、前記第1スイッチのケース体と前記第2スイッチのケース体とを互いに背中あわせとして連結した状態で前記第2スイッチの接続ピンが前記コネクタ差込口内にて前記第1スイッチの接続ピンと平行状態で配設されるようにしたことを特徴とする開閉検知スイッチ。
【請求項2】
電気接点を開閉させるプッシュ釦がケース体の前面にそれぞれ出没自在なるように設けられた第1スイッチと第2スイッチからなり、前記第1スイッチのケース体の側面にコネクタ差込口を形成し、該コネクタ差込口内に該第1スイッチの両導電部とそれぞれ連なる一対の接続ピンを突設し、前記第2スイッチのケース体の側面には該第2スイッチの一方の導電部と連なる接続ピンを突設するとともに該第2スイッチの他方の導電部と連なる接触部を該第2スイッチのケース体の背面に配設し、前記第1スイッチのケース体と前記第2スイッチのケース体とを互いに背中あわせとして連結することにより、前記第2スイッチの接続ピンが前記コネクタ差込口内にて前記第1スイッチの接続ピンと平行状態で配設され、前記接触部が前記第1スイッチの一方の導電部と電気的に導通するようにしたことを特徴とする開閉検知スイッチ。
【請求項3】
前記第1スイッチのケース体の背面に前記接触部を進入させる接触用開口を開設するとともに、該接触用開口に封止部材が着脱自在に嵌着されるようにしたことを特徴とする請求項2に記載した開閉検知スイッチ。
【請求項4】
電気接点を開閉させるプッシュ釦がケース体の前面にそれぞれ出没自在なるように設けられた第1スイッチと第2スイッチからなり、前記第1スイッチのケース体の側面にコネクタ差込口を形成し、該コネクタ差込口内に該第1スイッチの両導電部とそれぞれ連なる一対の接続ピンを突設するとともに該第1スイッチの一方の導電部と連なる接触部を該第1スイッチのケース体の背面に配設し、前記第2スイッチのケース体の側面には該第2スイッチの一方の導電部と連なる接続ピンを突設し、前記第1スイッチのケース体と前記第2スイッチのケース体とを互いに背中あわせとして連結することにより、前記第2スイッチの接続ピンが前記コネクタ差込口内にて前記第1スイッチの接続ピンと平行状態で配設され、前記接触部が前記第2スイッチの他方の導電部と電気的に導通するようにしたことを特徴とする開閉検知スイッチ。
【請求項5】
前記第2スイッチのケース体の背面に前記接触部を進入させる接触用開口を開設するとともに、該接触用開口に封止部材が着脱自在に嵌着されるようにしたことを特徴とする請求項4に記載した開閉検知スイッチ。
【請求項6】
前記第2スイッチのケース体の奥行寸法が異なるものを複数種類形成し、該各第2スイッチを前記第1スイッチと背中あわせとして連結し得るようにしたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載した開閉検知スイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主としてメダル又はパチンコ球を遊技媒体として用いる回胴式遊技機、雀球遊技機、アレンジボール、パチンコ遊技機、等の遊技機に、透明板保持枠等の扉体の開閉状態を検知するために設けられる開閉検知スイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に遊技場に設置されるパチンコ遊技機は、方形枠状の機枠(外枠とも称される)に本体枠(遊技盤保持枠、または遊技機本体、または前面枠とも称される)が開閉自在に軸支され、該本体枠に遊技球が転動可能な遊技領域を有する遊技盤が固設され、該本体枠の透明板保持枠(ガラス扉枠、または前面扉とも称される)が開閉自在に軸支され、営業中は該本体枠に設けられたシリンダ錠を施錠しておくことにより、該本体枠に対して該機枠と該透明板保持枠が閉状態に保持されるようにしている。
【0003】
また、防犯上の観点から、前記本体枠に検知スイッチを設け、該本体枠と機枠との間、或いは、該本体枠と透明板保持枠との間に隙間があると、該検知スイッチが作動し、その状態が電気信号として検知されて管理者に通報されるようにすることで、針金,ピアノ線等の異物を遊技機内に侵入させて遊技制御基板や球払出装置等の重要部品を操作し賞球を不正に取得するといった行為、および、透明板保持枠を不正に開放するといった行為を未然に防止し得るようにしている。
【0004】
なお、下記特許文献1に示された遊技機では、プッシュ式の第1検知部とプッシュ式の第2検知部を前面と後面に設けてなる扉開放検出スイッチを本体枠に前後貫通状に形成された取付開口に嵌着し、該第1検知部により前面側の透明板保持枠の開閉状態が検知され、該第2検知部により後面側の機枠の開閉状態が検知されるようにすることで、上記のような不正行為が防止されるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−16300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に示されたように、前面側と後面側との両方に検知部を設けた従来の扉開放検出スイッチでは、遊技機に使用するに際して次のような問題がある。
(イ)透明板保持枠や機枠が僅かに開放された状態であってもこれを検知できるようにするためには、その扉開放検出スイッチの厚さと本体枠の厚さとを完全に一致させなければならないため、従来の既存の扉開放検出スイッチを使用しようとすると、本体枠をその扉開放検出スイッチの厚さに合わせて設計しなければならず、そのために本体枠設計の自由度が制限されるという問題がある。逆に言えば、既存の扉開放検出スイッチは、本体枠の厚さが一定のものでないと使用できず、汎用性がないといった問題がある。
(ロ)また、遊技機の構造によっては必ずしも透明板保持枠と機枠との両方を検知する必要がない場合があるが、そのような場合でも上記既存の扉開放検出スイッチを使用すると、第1検知部または第2検知部のいずれかは使用されないので、一方の検知部が無用な存在となり無駄が大きい。
(ハ)なお、引用文献1に示されたような両側に検知部が設けられた既存の扉開放検出スイッチを使用することなく、本体枠の両面にそれぞれ独立した検出スイッチを取り付けることが考えられるが、そうすると、狭い範囲に2つの検出スイッチを背中合わせに設けることとなり、そのような取り付けは、本体枠等の構造上困難になる場合が多いとともに、2つの検出スイッチに配線をそれぞれしなければならないので手間が掛かりコスト増になるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記のような課題を解決し得る開閉検知スイッチを提供するもので、電気接点を開閉させるプッシュ釦がケース体の前面にそれぞれ出没自在なるように設けられた第1スイッチと第2スイッチからなり、前記第1スイッチのケース体の側面にコネクタ差込口を形成し、該コネクタ差込口内に該第1スイッチの両導電部とそれぞれ連なる一対の接続ピンを突設し、前記第2スイッチのケース体の側面には該第2スイッチの両導電部とそれぞれ連なる一対の接続ピンを突設し、前記第1スイッチのケース体と前記第2スイッチのケース体とを互いに背中あわせとして連結した状態で前記第2スイッチの接続ピンが前記コネクタ差込口内にて前記第1スイッチの接続ピンと平行状態で配設されるようにしたことを特徴とする。
また、本発明に係る開閉検知スイッチは、電気接点を開閉させるプッシュ釦がケース体の前面にそれぞれ出没自在なるように設けられた第1スイッチと第2スイッチからなり、前記第1スイッチのケース体の側面にコネクタ差込口を形成し、該コネクタ差込口内に該第1スイッチの両導電部とそれぞれ連なる一対の接続ピンを突設し、前記第2スイッチのケース体の側面には該第2スイッチの一方の導電部と連なる接続ピンを突設するとともに該第2スイッチの他方の導電部と連なる接触部を該第2スイッチのケース体の背面に配設し、前記第1スイッチのケース体と前記第2スイッチのケース体とを互いに背中あわせとして連結することにより、前記第2スイッチの接続ピンが前記コネクタ差込口内にて前記第1スイッチの接続ピンと平行状態で配設され、前記接触部が前記第1スイッチの一方の導電部と電気的に導通するようにしたことを特徴とする。
また、本発明は、上記開閉検知スイッチにおいて、前記第1スイッチのケース体の背面に前記接触部を進入させる接触用開口を開設するとともに、該接触用開口に封止部材が着脱自在に嵌着されるようにしたことを特徴とする。
また、本発明に係る開閉検知スイッチは、電気接点を開閉させるプッシュ釦がケース体の前面にそれぞれ出没自在なるように設けられた第1スイッチと第2スイッチからなり、前記第1スイッチのケース体の側面にコネクタ差込口を形成し、該コネクタ差込口内に該第1スイッチの両導電部とそれぞれ連なる一対の接続ピンを突設するとともに該第1スイッチの一方の導電部と連なる接触部を該第1スイッチのケース体の背面に配設し、前記第2スイッチのケース体の側面には該第2スイッチの一方の導電部と連なる接続ピンを突設し、前記第1スイッチのケース体と前記第2スイッチのケース体とを互いに背中あわせとして連結することにより、前記第2スイッチの接続ピンが前記コネクタ差込口内にて前記第1スイッチの接続ピンと平行状態で配設され、前記接触部が前記第2スイッチの他方の導電部と電気的に導通するようにしたことを特徴とする。
また、本発明は、上記開閉検知スイッチにおいて、前記第2スイッチのケース体の背面に前記接触部を進入させる接触用開口を開設するとともに、該接触用開口に封止部材が着脱自在に嵌着されるようにしたことを特徴とする。
また、本発明は、上記開閉検知スイッチにおいて、前記第2スイッチのケース体の奥行寸法が異なるものを複数種類形成し、該各第2スイッチを前記第1スイッチと背中あわせとして連結し得るようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、遊技機のスイッチ取付部位の状況、或いは、検知の必要性に応じ、第1スイッチのみを単独で取り付けたり、第1スイッチと第2スイッチとを連結状態として取り付けることにより、必要に応じた無駄のない使用ができるとともに、汎用性のある遊技機用開閉検知スイッチを提供し得る。また、第1スイッチと第2スイッチとを連結状態として取り付けた場合、該第1スイッチと第2スイッチのコネクタが一つに統合するので、統合したコネクタ差込口に対しプラグを差し込むだけで第1スイッチおよび第2スイッチへの配線が簡単にできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る開閉検知スイッチを構成する第1スイッチと第2スイッチの第1の実施形態を示した斜視図。
図2図1に示した第1スイッチと第2スイッチを他方向から見た斜視図。
図3図1に示した第1スイッチと第2スイッチの平面図。
図4図1に示した第1スイッチと第2スイッチの側面図。
図5】本発明に係る開閉検知スイッチの第1スイッチの第1の実施形態を示した分解斜視図。
図6】本発明に係る開閉検知スイッチの第2スイッチの第1の実施形態を示した分解斜視図。
図7】本発明に係る開閉検知スイッチの第1の実施形態を示した斜視図。
図8図7の開閉検知スイッチの平面図。
図9図8のA−A線断面図。
図10】本発明に係る開閉検知スイッチの第1の実施形態を示した縦断面図。
図11】本発明に係る開閉検知スイッチを取り付けたパチンコ遊技機について透明板保持枠を開いて前方から見た斜視図。
図12】本発明に係る開閉検知スイッチを取り付けたパチンコ遊技機について機枠を開いて後方から見た斜視図。
図13】本発明に係る開閉検知スイッチの第2スイッチの第1の実施形態を示した斜視図。
図14】本発明に係る開閉検知スイッチの第2スイッチの第1の実施形態を示した斜視図。
図15】本発明に係る開閉検知スイッチの第1スイッチの第2の実施形態を示した斜視図。
図16】本発明に係る開閉検知スイッチの第2スイッチの第2の実施形態を示した斜視図。
図17】本発明に係る開閉検知スイッチの第2の実施形態を示した縦断面図。
図18】本発明に係る開閉検知スイッチを構成する第1スイッチと第2スイッチの第3の実施形態を示した斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に図1図10に従い本発明の第1の実施形態を説明する。この開閉検知スイッチは、図1図4に示すように、第1スイッチAと第2スイッチBとからなる。
第1スイッチAは、図5に分解斜視図を示したように、略々正方形箱状に形成されたプラスチック製のケース体1と、同じくプラスチック製のプッシュ釦2と、前記ケース体1の上面開口に合致するプラスチック製の蓋体3と、一端に棒状の接続ピン4が一体に形成された導電性金属板からなる導電部5と、一端に棒状の接続ピン6が一体に形成された導電性金属板からなる導電部7と、定幅の弾性金属板を二つ折りするとともにその一端に接触子8を二股状に形成してなる導電片9と、コイル状のバネ10とからなる。前記プッシュ釦2は中空鞘状に形成され、その内部に前記導電片9を収容し、該導電片9の接触子8を該プッシュ釦2の基部開口から突出させている。なお、該プッシュ釦2の基部外周には該プッシュ釦2のケース体1からの抜脱を防ぐためのストッパとなる突縁12が一体に形成されている。
【0011】
また、ケース体1は、内底面に前記導電部5および導電部7を定置させるための窪部11が2区画に形成され、該ケース体1の前面には前記プッシュ釦2を出没させるための開口13が形成されている。また、略長方形筒状のコネクタ差込口14が該ケース体1の一側面であって長手方向の約半分が背面側に突出するような形態で該ケース体1に一体に形成され、図4に示されるように、該コネクタ差込口14の底部の長手方向長の約半分に内底部壁27が形成され、該内底部壁27に該ケース体1内と連通する一対の小孔17,18が形成され、該コネクタ差込口14の長手方向長の他の約半分は該ケース体1の背面側に貫通させて貫通孔28を形成してなる。また、該ケース体1の該コネクタ差込口14と反対側の側面と背面との角に凹欠部15を形成し、該凹欠部15内に係合片16が突設される。23はコネクタ差込口14の上壁上面に形成されたコネクタ係合用突起である。また、前記蓋体3の両側縁に一体に形成された垂下片に係合孔19,20を形成し、該係合孔19,20と合致し得る突起21,22を該ケース体1の両側面に形成している。24は導電部5および導電部7を窪部11中に押さえ付けて定置させるため蓋体3の下面に下垂柱状に形成した押付片である。
【0012】
そして、前記小孔17,18に前記接続ピン4および接続ピン6を差し込み、前記導電部5および導電部7を前記窪部11にそれぞれ非接触状態で定置させる。これにより、該接続ピン4および接続ピン6は、コネクタ差込口14内にて所定間隔を離して平行に突設される。また、前記バネ10の一端を前記プッシュ釦2中に差し込み、該バネ10を圧縮状態として該プッシュ釦2を前記開口13中に配置する。そして前記蓋体3を前記ケース体1に被せ、前記突起21,22に前記係合孔19,20を合致させ、該蓋体3を該ケース体1に固着し、前記押付片24により導電部5および導電部7を移動不能に押さえ付ける。このため、プッシュ釦2が該バネ10の弾性により前記開口13から出没自在に突出し、該プッシュ釦2をバネ10の弾性に抗して押し込むと、前記接触子8が前記導電部5,7上に進出し、該導電部5,7間を導通させる。このように第1スイッチAは、前記プッシュ釦2を出没動させることで、電気接点が開閉するよう構成される。
【0013】
一方、第2スイッチBは、図6に分解斜視図を示すように、略方形箱状に形成されたプラスチック製のケース体31と、プラスチック製のプッシュ釦32と、前記ケース体1の上面開口に合致するプラスチック製の蓋体33と、一端に棒状の接続ピン34が一体に形成された導電性金属板からなる導電部35と、一端に棒状の接続ピン36が一体に形成された導電性金属板からなる導電部37と、定幅の弾性金属板を二つ折りするとともに一端に接触子38を二股状に形成してなる導電片39と、コイル状のバネ40とからなる。プッシュ釦32は前記プッシュ釦2と同様に中空鞘状に形成され、内部に前記導電片39を収容することで二股状の接触子38を該プッシュ釦32の基部開口から突出させている。また、ケース体31は、内底面に前記導電部35および導電部37を定置させるための窪部41が2区画に形成され、該ケース体31の前面にプッシュ釦32を出没させるための開口43が形成されている。プッシュ釦32の基部外周には該開口43より大径で抜止ストッパとして作用する突縁42が形成される。また、該ケース体31の背面の一端部に突片44を一体に形成し、該突片44に一対の鉤状挟着片45,46を形成している。また、前記コネクタ差込口14の貫通孔28に対し背面から嵌合し得る角形の突部47を該ケース体31の一側面の背面部寄りに形成し、該突部47に該ケース体31内と連通する一対の小孔48,49を形成し、該小孔48,49に前記接続ピン34および接続ピン36を差し込み、導電部35および導電部37を前記窪部41にそれぞれ定置させることにより、該接続ピン34および接続ピン36を該突部47から外方に平行に突出させてなる。また、前記蓋体33の両側縁に一体に形成された垂下片に係合孔50,51を形成し、該係合孔と合致し得る突起52,53を該ケース体31の両側面に形成している。なお、58は蓋体33の下面に下垂柱状に形成された押付片である。
【0014】
該第2スイッチBは、前記第1スイッチAと同様に、前記バネ40の一端を前記プッシュ釦32中に差し込み、該バネ40を圧縮状態として該プッシュ釦32を前記開口33中に配置し、前記蓋体33をその上から前記ケース体31に被せ、突起52,53に係合孔50,51に合致させて該蓋体33を固着し、押付片58により導電部35および導電部37を移動不能に押さえ付け、該プッシュ釦32を該バネ40の弾性により該開口33から出没自在に突出させることにより組み立てられる。このため該プッシュ釦32を該バネ40の弾性に抗して押し込むことで、前記接触子38が前記導電部35,37上に進出し、該導電部35,37間が電気的に導通する。このように第2スイッチBもプッシュ釦32を出没動させることで電気接点が開閉する構成である。
【0015】
このように構成した第1スイッチAと第2スイッチBとは、図7図10に示したように連結される。即ち、第1スイッチAのケース体1と第2スイッチBのケース体31とを互いに背中あわせとし、前記突部47を前記コネクタ差込口14の貫通孔28に背後から嵌合することにより前記接続ピン34,36を該コネクタ差込口14内にて前記接続ピン4,6と平行に突出させるとともに、前記鉤状挟着片45,46を前記凹部15内の係合片16に係合することにより、第1スイッチAと第2スイッチBとを連結状態とする。
【0016】
このように第1スイッチA,第2スイッチBは連結状態とすることによりコネクタ差込口14内に4本の接続ピン4,6,34,36が平行に配設されるので、図7に示したように、該コネクタ差込口14に対し、一つの4Pプラグ60を差し込むことで、該4Pプラグ60は該各接続ピン4,6,34,36と合着して配線が完了し、配線元の電子機器により両スイッチA,Bの電気接点の開閉を検出できるようになる。即ち、第1スイッチAと第2スイッチBとを連結状態とすることで、該第1スイッチAのコネクタと該第2スイッチBのコネクタとが一つのコネクタ差込口14に統合するので、該コネクタ差込口14に対して一つのプラグ60を差し込むだけで、両スイッチA,Bへの配線が完了する。
【0017】
図11図12にこの開閉検知スイッチのパチンコ遊技機への使用例を示したように、連結状態とした第1スイッチAと第2スイッチBとは、本体枠60に前後貫通状に形成した取付開口に嵌着され、該第1スイッチAのプッシュ釦2を該本体枠60の前面に突出させ、該第2スイッチBのプッシュ釦32を該本体枠60の後面に突出させる。これにより、第1スイッチAで透明板保持枠61の開閉状態が検出され、第2スイッチBで機枠62に対する該本体枠60の開閉状態が検出される。即ち、透明板保持枠61が隙間なく閉じられているときは、プッシュ釦2が透明板保持枠61によって押圧され、第1スイッチAの電気接点が閉じることでその閉状態が電気的に検出され、透明板保持枠61と該本体枠60との間に隙間ができるとプッシュ釦2が前記バネ10の弾性により突出し該第1スイッチAの電気接点が開くことでその開状態が電気的に検出される。また、機枠62に対し本体枠60が隙間なく閉じられているときは、プッシュ釦32と相対するように機枠62に固設された当板63によって該プッシュ釦32が押圧され、第2スイッチBの電気接点が閉じられることから、その閉状態が電気的に検出され、該機枠62と該本体枠60との間に隙間ができると該プッシュ釦32が前記バネ40の弾性により突出し第2スイッチBの電気接点が開くことでその開状態が検出される。
【0018】
一方、図13に示した第2スイッチB2は、ケース体31の奥行寸法D2を前記第2スイッチBのケース体31の奥行寸法Dよりも小さく形成したものであり、その他の構成は前記第2スイッチBと同じである。
また、図14に示した第2スイッチB3は、ケース体31の奥行寸法D3を前記第2スイッチBのケース体31の奥行寸法Dよりも大きく形成したものであり、その他の構成は前記第2スイッチBと同じである。
このように、第2スイッチについては、図13および図14に示したもの以外にも、ケース体31の奥行寸法が異なるものを複数種類形成し、その中から本体枠60の厚さに従い適当な奥行寸法の第2スイッチを選択し、適当な奥行寸法の第2スイッチを前記第1スイッチAのケース体1と背中あわせとして連結する。これにより、本体枠60の両面にプッシュ釦2およびプッシュ釦32を常に過不足のない最適な突出状態で取り付けることができ、透明板保持枠61や機枠62の僅かな開放も検知できるようになる。また、連結する第2スイッチによってこの遊技機用開閉検知スイッチ全体の厚さを適宜調節することが可能であるので、汎用性が生じ、本体枠60、透明板保持枠61、機枠62等の設計の自由度が増すとともに、様々なニーズに素早く応じることが可能となる。
【0019】
なお、第1スイッチAと第2スイッチB〜B3とを連結しないで、第1スイッチAのみを単独で使用することもできる。図11に示したパチンコ遊技機では、前面下部枠64の裏面に対しプッシュ釦2が相対するように、本体枠60の下部前面に取り付けた第1スイッチAが該第1スイッチAを単独で使用した場合の例である。同図に示した前面下部枠64には、周知の球受皿65、遊技操作盤66、発射ハンドル67等が設けられ、該前面下部枠64の一側縁が本体枠60の前面に開閉可能に軸支され、該第1スイッチAによって該前面下部枠64の開閉状態、および、該本体枠60と該前面下部枠64との間の隙間の有無が検出される。
このように、遊技機のスイッチ取付部位の状況、或いは、検知の必要性に応じ、第1スイッチのみを単独で取り付けることで、無駄のない使用をすることができる。
【0020】
次に、図15図17に示した本発明の第2の実施形態を説明する。この実施形態は、第1スイッチAのケース体1の背面に図15に示したように横長孔状の接触用開口25を開設する。なお、該接触用開口25を開設することにより、該接触用開口25の内側にちょうど一方の導電部7が位置するようにする。26は該接触用開口25に必要に応じて着脱自在に嵌着し得る長方形板状の封止部材(キャップ)である。第1スイッチAのその他の構成は第1の実施形態と同じであるので、同一部分について同一符号を付し、説明を省略する。
また、第2スイッチBは、図16に示したように、一方の導電部35と連なる一本の接続ピン34だけをケース体31の側面に形成された突部47から突出させるとともに、他方の導電部37に接触部55を延設し、該接触部55を該第2スイッチのケース体31の背面から外方に突出させてなる。第2スイッチBのその他の構成は第1の実施形態と同じであるので、同一部分に同一符号を付すことにより説明を省略する。
【0021】
このように構成した第1スイッチAと第2スイッチBとは、図17に示したように、互いに背中あわせに連結した状態とする。即ち、第2スイッチBのケース体31の突部47を第1スイッチAのコネクタ差込口14の貫通孔28に対し背後から嵌合することで該コネクタ差込口14内にて第2スイッチBの接続ピン34を第1スイッチAの接続ピン4,6と平行状態で配設するとともに、前記接触用開口25に前記接触部55を進入させ、該接触部55を第1スイッチの一方の導電部7に接触させることで、該導電部7と導電部37とを電気的に導通させる。そして、鉤状挟着片45,46を凹部15内の係合片16に係合することにより、該第1スイッチAと該第2スイッチBとの連結状態が保持されるようにする。
【0022】
このように第1スイッチAと第2スイッチBとを連結することでは、接続ピン6が該第1スイッチAと該第2スイッチBの共用(コモン)ピンとして機能する。このため、該コネクタ差込口14に3Pプラグ(図示せず)を差し込むことで、該3Pプラグが各接続ピン4,6,34と合着し、接続ピン4と接続ピン6を通して得られる電気信号により第1スイッチAの電気接点の開閉が検出され、接続ピン6と接続ピン34を通して得られる電気信号により第2スイッチBの電気接点の開閉が検出される。このように第2の実施形態で示した遊技機用開閉検知スイッチでは、接続ピン6が共用されるので、コネクタ・プラグを小型化できるとともに必要な配線本数が少なくなり簡単に配線が完了するのでコストも軽減される。
なお、第2の実施形態においても、第2スイッチBのケース体31について、奥行寸法が異なるものを複数種類形成しておくことにより、汎用性が生じ、厚さの異なる本体枠60にも容易に適合し得るようになり、設計の自由度が増す。
【0023】
一方、第1スイッチAを単独で使用する場合は、前記接触用開口25に前記封止部材26を嵌着して該接触用開口25を封止することにより、該接触用開口25からケース体1内に異物が侵入するのを防止するとともに、接続ピン4,6を通し該第1スイッチAの電気接点の開閉が検出されるようにする。このように、第2の実施形態として示した遊技機用開閉検知スイッチについても、遊技機のスイッチ取付部位の状況や検知の必要性に鑑み、第1スイッチAのみを単独で取り付けることで、無駄のない使用をすることができ経済性も向上する。
【0024】
なお、図15図17に示した第2の実施形態では、第1スイッチAのケース体1の背面に接触用開口25を開設し、第2スイッチBのケース体31の背面に接触部55を配設したが、その反対に、第1スイッチAのケース体1の背面に該第1スイッチAの導電部7と連なる接触部55を配設し、第2スイッチBのケース体31の背面に該接触部55を進入させる接触用開口25を開設し、該ケース体1とケース体31とを互いに背中あわせとして連結することにより、該接触部55が第2スイッチBの他方の導電部37と電気的に導通するようにしてもよい。
【0025】
一方、図18に示した第3の実施形態は、第1スイッチAのケース体1の背面に該第1スイッチAの導電部7と連なる接触部70を配設するとともに、第2スイッチBのケース体31の背面に該第2スイッチBの導電部37と連なる接触部71を配設し、該ケース体1とケース体31とを互いに背中あわせとして連結することにより、該接触部70と該接触部71とが圧着し、第1スイッチAの導電部7と第2スイッチBの導電部37とが電気的に導通するようにしたものであり、このように構成することによっても、以上の実施形態と同様に無駄のない使用ができるとともに、汎用性のある開閉検知スイッチを提供し得る。
【符号の説明】
【0026】
A 第1スイッチ
B,B2,B3 第2スイッチ
D,D2,D3 奥行寸法
1,31 ケース体
2,32 プッシュ釦
3,33 蓋体
4,6,34,36 接続ピン
5,7,35,37 導電部
10,40 バネ
14 コネクタ差込口
15 凹部
16 係合片
17,18 小孔
25 接触用開口
26 封止部材
27 内底部壁
28 貫通孔
44 突片
45,46 鉤状挟着片
47 突部
48,49 小孔
55,70,71 接触部
60 本体枠
61 透明板保持枠
62 機枠
図1
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