特許第6192549号(P6192549)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6192549
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】LED照明装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20170828BHJP
【FI】
   H05B37/02 D
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-7420(P2014-7420)
(22)【出願日】2014年1月20日
(65)【公開番号】特開2015-135784(P2015-135784A)
(43)【公開日】2015年7月27日
【審査請求日】2016年2月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立アプライアンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098660
【弁理士】
【氏名又は名称】戸田 裕二
(72)【発明者】
【氏名】高野 裕一
(72)【発明者】
【氏名】西 正和
【審査官】 安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−071776(JP,A)
【文献】 特開2004−259564(JP,A)
【文献】 特開平09−063772(JP,A)
【文献】 特開平11−074088(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主灯と、センサユニットと、制御部とを有する照明装置において、
前記制御部は、使用者の動作で設定可能な設定値を備え、
前記センサユニットは、照度センサを有し、周囲の照度を検出する際、前記制御部は、前記照度センサによる検出値と前記制御部に記憶されている前記設定値の差分の絶対値が大きい場合には前記主灯の制御周期を短くし、差分の絶対値が小さい場合には前記主灯の制御周期を長くすることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記主灯の明るさアップボタンおよびダウンボタンを有する制御手段を有し、
前記明るさアップボタンまたは前記ダウンボタンを押下することにより、前記制御部に記録されている前記設定値を変更することを特徴とした、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記明るさアップボタンまたは前記ダウンボタンを押下することにより、前記制御部に記録されている前記設定値を変更すると同時に前記主灯の明るさを変更することを特徴とした、請求項2に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の照明装置の一例として、周囲の明るさに応じて点灯状態を可変することで、余分な消費電力を抑制して省エネルギーを図るようにしたものが知られている。
【0003】
特開2013−62096(特許文献1)には、周囲の照度を検出する際、前記制御部は、前記動作表示LEDの点灯と、前記照度センサによる周囲の照度検出動作とを異なるタイミングで行うことを特徴とする発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−62096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、所定の間隔で周囲の明るさの検知を行い主灯の制御を行うため、センサによる制御を開始した場合及び明るさが急速に変化した場合に制御の追従が遅くなる恐れがある。
【0006】
本発明では、周囲の明るさを検知し、速やかに求める点灯状態を行う照明装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明では、 主灯と、センサユニットと、制御部とを有する照明装置において、前記制御部は、使用者の動作で設定可能な設定値を備え、前記センサユニットは、照度センサを有し、周囲の照度を検出する際、前記制御部は、前記照度センサによる検出値と前記制御部に記憶されている前記設定値の差分の絶対値が大きい場合には前記主灯の制御周期を短くし、差分の絶対値が小さい場合には前記主灯の制御周期を長くすることを特徴とする。
【0008】
更に、前記主灯の明るさアップボタンおよびダウンボタンを有する制御手段を有し、前記明るさアップボタンまたは前記ダウンボタンを押下することにより、前記制御部に記録されている前記設定値を変更することを特徴とする。
【0009】
更に、前記明るさアップボタンまたは前記ダウンボタンを押下することにより、前記制御部に記録されている前記設定値を変更すると同時に前記主灯の明るさを変更することを特徴とする。


【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、周囲の明るさを検知し、速やかに求める点灯状態となる照明装置の提供を可能とする。
【0011】
さらに、求める点灯状態が使用者の想定よりも明るいまたは暗い場合に外部の制御手段より制御の目標値を変更することが可能であり、より容易に使用者の希望の点灯状態を実現できる照明装置の提供を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る一実施形態の照明器具の横方向全体図。
図2】本発明に係る一実施形態のブロック図。
図3】本発明に係る一実施形態のフローチャート。
図4】本発明に係る一実施形態のブロック図。
図5】本発明に係る一実施形態のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態を図1図5を用いて説明する。本発明に係る照明器具は主光源を含む主灯100を備える。図1は本発明に係る照明器具を横方向から見た全体図である。図2は本発明に係る照明器具を床面側からみた全体図である。図1図2に記載されているように主灯100は上側の主灯本体110とそれを下側から覆う透光カバー120を具備する。また、主灯100の周辺部に装着されるセンサユニット300を備える。センサユニット300はセンサユニット本体と動作表示LEDと照度センサとを具備する。また、主灯100の周囲には飾り鍔板部105が設けられている。センサユニット300は、飾り鍔板部105に対して、天井側になるよう設けられている。
制御回路20は主灯本体110の内部に内蔵され、商用電源4が供給されることにより動作する。また制御基板にはセンサユニットが図示せぬ配線により接続されている。
(回路ブロックの説明)
次に本実施形態における照明システム(照明装置)の機能例について、図2を用いて説明する。
リモコン受信機付き照明装置(照明装置本体)1の全体の制御は制御回路20内の処理部40にて行われ、処理部40は図示しないCPU(Central Processing Unit)およびメインメモリによって構成され、アプリケーションプログラムをメインメモリに展開して、種々の機能を具現化する。
リモコン送信機2からの送信信号はリモコン受信機のリモコン受信回路21で受信し処理部40へ信号が送られる。この送信信号に基づいて処理部40はメインランプ(第1の光源)10の駆動回路であるメインランプ(第1の光源)駆動回路41、保安灯11の駆動回路である保安灯駆動回路42及び動作表示LED12の駆動回路である動作表示LED駆動回路43を制御し送信信号通りに夫々の光源の点灯、消灯あるいは調光を行う。
また、制御回路には照度検出回路と照度センサと動作ランプ駆動回路と動作表示LEDとが接続されている。ランプ駆動部は、インバータなどで構成する。
【0014】
また、図示せぬリモコン送信機2には、主灯の「点灯ボタン」ならびに「消灯ボタン」、「自動調光ボタン」、主灯の明るさの「アップボタン」および「ダウンボタン」が設けられている。
(動作の説明)
図3および4のフローチャートに基づいて、自動調光の動作を説明する。
図3のフローチャートは自動調光を行う前の調光の設定値設定ならびに自動調光開始を示す。
【0015】
以下の手順により調光値の設定を行う。
(1) リモコン送信機を使用し、希望の調光状態に設定する。
(2) リモコン送信機の「自動調光ボタン」を所定時間(例えば約3秒)押し続ける。
(3) 制御部は照度センサの出力値を読み出し、自動調光する照度に設定(設定値a)する。本設定は制御部の不揮発メモリに記憶する。設定時にはブザーを通常の受付時より鳴動回数を増やして報知する。
(4) モードを自動調光モードにする。
上記設定を実施した場合には、設定値が不揮発メモリに記録されているため次回以降の設定は不要であり、「自動調光」ボタンの押下のみでモードを自動調光モードにする。
【0016】
図4のフローチャートは自動調光モードの動作を示す。
【0017】
自動調光モードの動作は以下の通りである。
【0018】
照度センサ30により所定時間T4の間隔で照度を取り込む(取り込み値b)。 取り込み値bと設定値aを比較して、次のように点灯状態を調整する。
(1)a>bのときは、設定値より明るすぎるので、照明の出力を下げる。
(2)a<bのときは、暗すぎるので、照明の出力を上げる。
(3)a=bのときは、設定通りなので、照明の出力を変化させない。
以上の動作を繰り返す。繰り返しの時間は以下に示す方法で決定する。
【0019】
点灯状態の調整の周期は取り込み値bと設定値aを比較して、取り込み値bと設定値aの差分の絶対値が規定値cよりも大きい場合、次回の調整の周期TをT1とし、小さい場合は次回の調整の周期TをT2とする。このときT1<T2とする。
【0020】
上記の通りの動作により、目標とする照度(設定値a)に対し取り込み値bが大きく離れている場合にはすばやく目標に到達し、設定値aと取り込み値bが近い場合にはゆっくりと制御を行い、明るさの急峻な変化を無くすことができる。
【0021】
なお本実施形態では照明の出力を変化させない場合はa=bとしているが、変化させない範囲を設定値bにヒステリシス値dを加算したものとしてもよいし、設定値より大きい場合のヒステリシス値小さい場合のヒステリシス値を変えてもよい。
【0022】
図5のフローチャートに基づいて、自動調光の目標の変更動作を説明する。
【0023】
使用者は希望の調光状態となるように予め前記の手段によって目標値の設定を行っているが、目標となった調光状態に到達したときの明るさが希望よりも、明るかったり暗かったりする場合が考えられる。その際にはもう一度明るさを変更し前記の「(2)リモコン送信機2の「自動調光」ボタンを所定時間(例えば約3秒)押し続ける。」操作を行う必要がある。
【0024】
そこで、「自動調光」動作を行っている場合にリモコン送信機2における主灯の明るさの「アップボタン」および「ダウンボタン」を押下された場合には、主灯の明るさをアップまたはダウンすると同時に設定値も予め規定された値分アップまたはダウンする。それにより顧客は操作が受け付けられたとわかり、同時に設定値の微調整が可能となる。
【符号の説明】
【0025】
1照明装置
2 リモコン送信機
4 商用電源
10 メインランプ
11 保安灯
12 動作表示LED
20 制御回路
21 リモコン受信回路
30 照度センサ
40 処理部
41 メインランプ駆動回路
42 保安灯駆動回路
43 照度検出回路
44 動作表示LED駆動回路
45 商用電源監視回路
図1
図2
図3
図4
図5