特許第6192574号(P6192574)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6192574
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】アシストグリップ
(51)【国際特許分類】
   B60N 3/02 20060101AFI20170828BHJP
【FI】
   B60N3/02 A
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-51012(P2014-51012)
(22)【出願日】2014年3月14日
(65)【公開番号】特開2015-174516(P2015-174516A)
(43)【公開日】2015年10月5日
【審査請求日】2016年7月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000135209
【氏名又は名称】株式会社ニフコ
(74)【代理人】
【識別番号】100088708
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】西浦 邦彦
【審査官】 渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−067221(JP,A)
【文献】 特開2010−254105(JP,A)
【文献】 特開2011−046230(JP,A)
【文献】 特開2007−168747(JP,A)
【文献】 特開2013−043466(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0091103(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 3/00− 3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室側内装材の挿通孔を通って前記内装材の裏側に配置された固定部材に締結する係合部を有したベース部材と、前記ベース部材に回動可能に支持される把持部材とを備えたアシストグリップであって、
前記ベース部材は、前記内装材に当接するフランジ部を連結していると共に、前記内装材の裏側に配置されるエアバックの膨張による所定大の衝撃により前記フランジ部を連結状態から分離する連結解除手段を有し
前記連結解除手段は、前記ベース部材及び前記フランジ部の一方に設けられた穴部と他方に設けられて前記穴部に係合する爪部とからなることを特徴とするアシストグリップ。
【請求項2】
前記フランジ部は前記ベース部材の周囲部を受け入れる開口部を有していると共に、前記連結解除手段は前記開口部と対応した個所に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のアシストグリップ。
【請求項3】
前記ベース部材と前記フランジ部との間に設けられて前記内装材から離れる方向への前記フランジ部の移動を許容した状態で互いに嵌合する位置決め手段を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のアシストグリップ。
【請求項4】
前記フランジ部は周囲の一部にフックを有していることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のアシストグリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アシストグリップのうち、特に、把持部材がベース部材に対し回動可能に支持されて、車室内壁に沿って配置された格納状態から車室内壁に起立した使用状態に切り換えられるアシストグリップに関する。
【背景技術】
【0002】
9は特許文献1に開示のアシストグリップを示している。構造特徴は、フロントピラートリム(以下、単にピラートリムと言う)30はアシストグリップ70が配設される領域を覆う第1ピラートリム40とその領域以外の領域を覆う第2ピラートリム50とに分割されている点、第1ピラートリム40と第2ピラートリム50は離脱可能な掛合手段54により接続される点、アシストグリップ70はインナーパネル14に固定されたスタンド14sに対しボルト78b及びナット78nにより第1ピラートリム40を共締めした状態で締結される点、第2ピラートリム50はエアバッグ60の膨張によって掛合手段54の掛合状態が同図の一点鎖線のごとく外れて第1ピラートリム40から離脱して車室内方側に浮き上がり、第2ピラートリム50とフロントピラー10との間にエアバッグ60の展開用間隙S1を形成する点にある。
【0003】
作動特徴は、アシストグリップ70がピラートリム30及びエアバック60の付近に配設される構造において、内装材であるピラートリム30とアシストグリップ70の干渉を第2ピラートリム50が第1ピラートリム40から外れることで抑制しエアバック60の円滑な膨張展開を確保したり、膨張時の衝撃でピラートリム30に割れを生じないようにする。また、この構造では、第2ピラートリムが第1ピラートリムから外れて飛ばないようにする離脱防止手段として、同(a)のごとく第1ピラートリム40と第2ピラートリム50とを連結しているストラップ80の構成、同(b)のごとく第1ピラートリム240に設けた枠状部位244と第2ピラートリム250に設けられて枠状部位244に移動可能に嵌合するアーム状リブ255とからなる構成を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−43466号公報(図1から図6
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した構造では、ピラートリムが固定側である第1ピラートリムと可動側である第2ピラートリムとに分割されているため外観見栄えを悪化したり、両者を連結する掛合手段をピラートリムに形成しなければならないため製造費も高くなり組立工数も増大するという問題がある。また、第2ピラートリムは第1ピラートリムから外れることでエアバックの膨張による衝撃を吸収できるが、第1ピラートリムはインナーパネル側に常に固定されているためエアバック膨張により受ける衝撃で損傷する虞もある。
【0006】
更に、この構造では、第2ピラートリムが第1ピラートリムから外れて飛ばないようにする離脱防止手段として、第2ピラートリム50をストラップ80、又は、枠状部位244及びリブ255を介して吊り下げ状態にする。この離脱防止手段は、乗員が第1ピラートリムから外れた第2ピラートリムに当たる虞があるだけではなく、第1と第2の各ピラートリムに対しストラップ80の両端を固定する固定部49,59を設けたり、枠状部位244及びリブ255を設けなくてはならず複雑なものとなる。
【0007】
本発明は、以上のような背景から、車体側固定部材に係合部を介し締結するベース部材と、ベース部材に支持される把持部材とを備えたアシストグリップとして、特に、内装材裏側の空間にエアバックを配置するタイプにおいて、内装材がエアバックの膨張による衝撃力で破損しないよう衝撃を緩和吸収したり、エアバックの膨張を阻害しないようにすることを目的としている。他の目的は以下の内容説明のなかで明らかにする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため請求項1の発明は、車室側内装材の挿通孔を通って前記内装材の裏側に配置された固定部材に締結する係合部を有したベース部材と、前記ベース部材に回動可能に支持される把持部材とを備えたアシストグリップであって、前記ベース部材は、前記内装材に当接するフランジ部を連結していると共に、前記内装材の裏側に配置されるエアバックの膨張による所定大の衝撃により前記フランジ部を連結状態から分離する連結解除手段を有し、前記連結解除手段は、前記ベース部材及び前記フランジ部の一方に設けられた穴部と他方に設けられて前記穴部に係合する爪部とからなることを特徴としている。
【0009】
以上の本発明において、『固定部材』は、車体パネルを構成しているアウターパネルやインナーパネル、それらパネルに固定された形態例のブラケットや特許文献1のスタンド、更にそれらに類似の部材を含む。『内装材』は、形態例の天井トリム(成形天井やヘッドライニングとも言う)以外にも、特許文献1のピラートリム、更にサイドトリムなどであってもよい。換言すると、内装材としては、固定部材に対しベース部材の係合部を締結する場合に共締めされる部材であればよい。
【0010】
以上の本発明は、請求項2〜6で特定したように具体化されることがより好ましい。
(ア)前記フランジ部は前記ベース部材の周囲部を受け入れる開口部を有していると共に、前記連結解除手段は前記開口部と対応した個所に設けられている構成である(請求項2)
【0011】
(イ)前記ベース部材と前記フランジ部との間に設けられて前記内装材から離れる方向への前記フランジ部の移動を許容した状態で互いに嵌合する位置決め手段を有している構成である(請求項)。
(エ)前記フランジ部は周囲の一部にフックを有している構成である(請求項4)
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明では、ベース部材が係合部を固定部材に締結した状態でフランジ部と固定部材との間に内装材を共締め態様で挟み込む。この状態で、フランジ部は、図2(b)及び図6に例示されるごとくエアバックの膨張による衝撃力で内装材が固定部材から離れる方向の応力Fを受けると、該応力Fにより連結状態から連結解除手段を介してベース部材から分離されて内装材と共に応力Fを吸収する方向へ移動可能となる。すなわち、この構造では、内装材がエアバックの膨張による衝撃力を受けると、フランジ部と共に応力Fを吸収する方向へ移動し、それにより内装材に対する衝撃を緩和吸収されるようにし、破損などを効果的に防ぐことができる。また、例えば図2(b)のごとく内装材がフランジ部による規制を受けなくなるためエアバックの膨張に連動して変形し易くなり、それによりエアバック展開用の間隙を形成容易となる。
【0013】
また、この発明では、連結解除手段が凹部及び爪部の係合構造からなるため簡易であり、実施容易となる。
【0014】
請求項2の発明では、連結解除手段がフランジ部に設けられてベース部材の周囲部をを受け入れる開口部と対応した個所に設けられているため、図7及び図8に例示されるごとく複数設けることも容易となり、設計上の連結強度などを充足し易くなる。
【0015】
請求項3の発明では、位置決め手段によりフランジ部の分離作動を損なうことなくベース部材にフランジ部を精度よく連結できる。
【0016】
【0017】
請求項4の発明では、フランジ部が周囲の一部にフックを有しているため、フックに衣服や荷物を引っ掛けることが可能となり付加価値を付与できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】(a)は形態例のアシストグリップを装備した車室内を示した模式図、(b)は(a)のA部拡大図である。
図2】(a)と(b)は図1(b)のy1−y1線断面図とy2−y2線断面図である。
図3】(a)は上記アシストグリップの概略的な分解斜視図、(b)は組立状態での概略斜視図である。
図4図3の保持具(ベース部材、フランジ部、金属製クリップ、カバー)の細部を示す分解斜視図である。
図5】(a)と(c)は上記保持具を固定部材であるブラケットに締結した状態で示した正面図と左側面図、(b)は上記保持具を下側より見た下面図である。
図6】(a)は図5(c)の状態から内装材である天井トリムに応力Fが加わりフランジ部がベース部材から分離された作動図、(b)と(c)は図5(b)のa−a線断面図とb−b線断面図である。
図7】上記フランジ部単品で示し、(a)は上面図、(b)は下面図、(c)から(e)は(b)のa1−a1線断面図、a2−a2線断面図、a3−a3線断面図である。
図8】上記ベース部材単品で示し、(a)は下面図、(b)は側面図、(c)から(f)は(b)のb1−b1線断面図、b2−b2線断面図、b3−b3線断面図、b4−b4線断面図である。
図9】特許文献1の構造を示し、(a)は文献1の図4、(b)は文献1の図6である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の形態及び変形例を図面を参照しながら説明する。この説明では、アシストグリップの構造を車体側への配置を含めて詳述した後、主な作動を明らかにし、最後に図9の変形例について述べる。
【0020】
(構造)形態例のアシストグリップ5は、図1図3に示されるごとく両端部51に空洞部52を形成している把持部材50と、各空洞部52に対しシャウト6を介して相対的に回動可能に枢支された保持具1,1Aとを備えており、自動車10の車室内11を区画している天井トリム19のうち、フロントドアを構成しているドアガラス13の上側部位に対し各保持具1,1Aを介して取り付けられている。なお、この例では、天井トリム19の下端部分19bの裏側、つまり下端部分19bとインナーパネル17との間にはエアバック9が配置されている。エアバック9は、図示を省略しているが、衝突検知センサからの信号により発火装置を作動させガス発生器で発生するガスを導入すると、そのガスにより膨張して下端部分19を弾性変位しつつ展開して乗員を保護する。
【0021】
ここで、保持具1,1Aは、係合部として下側に突出した脚部26に装着した金属製クリップ4を有したベース部材2,2Aと、ベース部材2,2Aに連結されたフランジ部3又はフランジ部3Aとからなる。保持具1は、シャフト6の軸回りに装着されたダンパー7により、把持部材50を制動してゆっくり回動されるようにする。保持具1Aは、シャフト6の軸回りに配置されるコイル形のばね8により、図1に示されるごとく把持部材50を天井トリム19に沿って配置つまり格納状態となる方向へ付勢している。このため、把持部材50は、ばね8の付勢力に抗して格納位置から使用位置に回動操作される。
【0022】
一方、天井トリム19は、インナーパネル17に溶接等で結合された略逆凹形状のブラケット18に面受けされた状態に配置される。ブラケット18には矩形の取付孔18aが設けられている。天井トリム19には、その取付孔18aに対応して矩形の挿通孔19aが設けられている。そして、ベース部材2,2Aは、各脚部26が金属製クリップ4を介して天井トリムの挿通孔19aからブラケットの取付孔18aに押入、つまりフランジ部3又はフランジ部3Aが天井トリム19に当接して規制されるまで押入されることで取付孔18aに係合固定される。なお、図1において、符号12はフロントウインドガラス、14はフロントピラー、15はドライバー用座席、16はステアリングである。
【0023】
次に、保持具1,1Aの細部構成を明らかにする。すなわち、保持具1は、本発明が適用されており、フランジ部3がベース部材2に連結解除手段(例えば、図4では爪部35と凹部25との係合構造、図9では破断容易部38)を介して分離可能に連結されていると共に、フランジ部3の一部に形成されたフック34を有している。一方、保持具1Aは、フランジ部3Aがベース部材2Aに一体に形成されている点と、フックが省略されている点で保持具1と相違している。それ以外、つまりベース部材2A及びフランジ部3Aの形状などは保持具1を構成しているベース部材2及びフランジ3とほぼ同じである。このため、保持具1Aの細部構成については説明を省略する。なお、保持具1Aとしては、保持具1と同様にフランジ部3Aをベース部材2Aに連結解除手段(例えば、図4では爪部35と凹部25との係合構造、図9では破断容易部38)を介して分離可能に連結してもよい。
【0024】
ベース部材2は、樹脂成形品であり、図4及び図8に示されるごとく上下略中間に配された基板20と、基板20の上側に突出されて内側に空洞部を形成している支持部21と、基板20の下側に突出されている略舌状の脚部26とを有している。また、ベース部材2には、金属製クリップ4が脚部26から支持部21の内側に配置されると共に、カバー45が支持部21の空洞部を覆うように装着される。
【0025】
このうち、支持部21は、両側の側壁、及び該側壁同士を連結している後立壁23、並びに基板20に一体化された下面壁からなる。前記両側の側壁は、前後中間に設けられて連結解除手段を構成している穴部25と、穴部25より前側に設けられて位置決め手段を構成している凹所28と、凹所28の両側に設けられた段差部21a,21bと、後下側に設けられた段差部21cとを有している。後立壁23には、中央部に開口された係合穴23aと、上両側から後方に張り出している張出部24,24と、各張出部24に設けられて同軸線上に貫通されている軸孔24aとが設けられている。係合穴23aの対向内面には圧接用リブが設けられている。両張出部24の間には上記したダンパー7(ベース部材2Aの場合はばね8)が配置される。
【0026】
前記下壁部及び基板20には、上下に貫通した2つの貫通孔22が設けられている。各貫通孔22は、左右中間に設けられた矩形の開口であり、該開口の両側に設けられているスリット22aを有している。基板20の下面には、四隅に凸部20aが設けられている。脚部26は、板厚が貫通孔22同士の間に収まる寸法であり、下端面に突出した突起27を有している。脚部26の前後面には、両側上下方向に延びたリブ26a,26aが設けられている。このため、リブ26a同士の間の部分は一段低い段差26bとなっている。各リブ26aと凸部20aとの間には、上記したスリット22aが位置している。
【0027】
クリップ4は、図4に示されるごとく略U形状をなし、対向している板部40及び両板部40を連結している連結部41からなる。各板部40には、上側に対向して開口された掛け止め用穴部42と、穴部42の下側個所に略コ形のスリットにより区画された弾性係合爪43とが設けられている。連結部41には上記突起27に係合する穴部41aが設けられている。そして、以上のクリップ4は、ベース部材2に対し脚部26を板部40同士の間に挿入し、かつ、突起27を穴部41に係合することで組み付けられる。この組立状態では、各弾性係合爪43が脚部26の前後面の段差26bに配置され、かつ、各板部40が対応する貫通孔22及びスリット22aに差し込まれて、板部先端側を支持部21の内側空洞部に突出している。
【0028】
カバー45は、図2(b)と図4及び図6から推察されるごとく、支持部21の内側空洞部を覆う形状で、内下側に突出されてクリップ側各板部の穴部42及び支持部の係合穴23aに挿入される係止腕部46を有している。係止腕部46は、縦断面が略矩形の枠状に形成されていると共に、枠状の下辺部47を両側に設けられたスリット46aにより上下揺動可能に形成している。そして、下辺部47は、下面の一部に設けられて前記板部の穴部42の縁部に弾性係合する段部(図2(b)を参照)を有している。また、下辺部47は、図5(a)のごとく揺動端がカバー外面に延びてドライバー等の工具で操作可能となっている。以上のカバー45は、支持部21に対して、係止腕部46と穴部23との圧接と、前記段部と板部側穴部42との係合により装着される。この装着状態では、クリップ4が各板部の穴部23に串刺し状態に挿通している係止腕部46により抜け止めされる。カバー45は、下辺部47の揺動端を上向きに押し、かつ支持部21から離れる方向に動かすことで外れる。
【0029】
フランジ部3は、図4及び図7に示されるごとく、開口(請求項1の開口部に対応)31を中央に形成している本体30と、本体30の後端に沿って設けられた受け部32と、本体の一側に板部33を介して突設されたフック34とからなる。このうち、開口31は、脚部26及び基板20を配置可能な大きさであり、対向した内側面にあって、前後略中間部に設けられて穴部25と係合する爪部35と、穴部25の隣に設けられて凹所28と嵌合する凸部36と、凸部36の前後及び爪部35の後隣に設けられて段差部21a,21b,21cを受け止めるリブ31a,31b,31cとを有している。なお、爪部35は、図7のごとく本体裏面に設けられた凹部30a内から突出されている。穴部25と爪部35とは本発明の連結解除手段であり、凹所28と凸部36とは本発明の位置決め手段である。
【0030】
受け部32は、円弧面32を形成しており、その円弧面に把持部材の対応端部51を摺動自在に受け止める。フック34は、板部33の上面に概略逆L形に設けられており、図1の拡大図から推察されるごとく衣服や荷物を引っ掛けることができる。
【0031】
(作動)以上のフランジ部3とベース部材2とは連結解除手段を介し分離可能に連結されると共に、上記したごとくクリップ4及びカバー45が組み付けられることで保持具1として完成される。以下、連結操作要領と使用時の作動特徴について説明する。
【0032】
(ア)連結操作要領としては、例えば、図4に示されるごとくフランジ部3の開口31に対しベース部材2の脚部26を挿入した後、支持部21を傾けるなどして、両側のうち一方側にある爪部35を穴部25に係合し、凸部36を凹所28に嵌合し、リブ31a,31b,31cに対応する段差部21a,21b,21cを支持する。その後は、支持部21を開口31に対し平行となるよう他方側を動かすと、他方側にある爪部35が穴部25に弾性的に係合し、凸部36が凹所28に嵌合し、段差部21a,21b,21cが対応するリブ31a,31b,31cに受け止められる(図7図8を参照)。これにより、フランジ部3とベース部材2とはワンタッチ操作により連結される。
【0033】
(イ)以上の連結構造では、フランジ部3がベース部材2に対し凸部36と凹所28との嵌合により高精度で位置決めされ、段差部21a,21b,21cとリブ31a,31b,31cとの嵌合つまり複数箇所での嵌合により連結状態での安定性が確保され、爪部35と穴部25との係合により設計上の連結強度が充足される。この連結強度は、図6のごとくフランジ部3が天井トリム19を介して応力Fを受けたときに連結解除、つまりフランジ部3がベース部材2から分離して単独で移動可能となる値でもある。この構造では、例えば、爪部35と穴部25との大きさや係合度合、爪部35の厚さや弾性度などにより設計上の連結強度を充足し易くしている。また、位置決め手段である凸部36と凹所28とは、ベース部材2に対しフランジ部3が抜け出す方向(この方向は図6のごとくフランジ部3がブラケット18や天井トリム19から離れる方向と同じ)への移動を許容した状態で互いに嵌合可能となっており、フランジ部3の分離作動を損なわないようになっている。
【0034】
(ウ)図5(a)及び(b)は以上の保持具1がベース部材側脚部26に装着されたクリップ4を天井トリムの挿通孔19aからブラケットの取付孔18aに係合固定した締結状態を示す。この締結状態では、天井トリム19がブラケット18とフランジ部3との間に挟持された態様でクリップ4にて共締めされている。ここで、取付孔18a及び挿通孔19aは共に矩形の開口である。取付孔18aの大きさは、長辺が脚部26の板幅とほぼ同じ寸法、短辺が板部40同士の係合爪43が圧接可能な寸法である。挿通孔19aの大きさは、基板20及び4箇所の凸部20aが収まる寸法である。
【0035】
(エ)図6(a)及び(b)は、アシストグリップ5が保持具1と1A及びシャフト6,6を介して回動可能に枢支された状態(図1の拡大図を参照)において、図2(b)のエアバック9が作動して膨張により天井トリム19に外れ方向の応力Fが加わった際の模式図である。この構造では、天井トリム19がエアバック9の膨張による衝撃力を受けると、フランジ部3が天井トリム19から受ける所定大の応力Fにより、連結解除手段である爪部35が穴部25から係合解除される。そのため、天井トリム19は、フランジ部3による規制が解放されて、フランジ部3と共に応力Fを吸収する方向へ移動し、それにより天井トリム19に対する衝撃を緩和吸収されて、破損などを効果的に防ぐことができる。同時に、図2(b)に示したごとく天井トリム19がフランジ部3による規制を受けなくなるためエアバック9の膨張に連動して変形し易くなり、それによりエアバック9の展開用の間隙、この例だとインナートリム17と天井トリムの下端部分19bとの間の間隔を大きく形成容易となる。
【0036】
なお、本発明のアシストグリップは、請求項1で特定される構成を備えておればよく、細部は形態例や変形例を参考にして更に展開可能なものである。その例としては、保持具1Aのベース部材及びフランジ部にも必要に応じて請求項1の構成を採用することである。連結解除手段を構成している穴部及び爪部は、フランジ部側に爪部を設けると共にベース部材側に穴部を設けたが、フランジ部側に穴部を設けると共にベース部材に爪部を設けることである。金属製クリップを省略して、脚部を係合可能な形状に形成して、固定部材であるブラケットなどの取付孔にその脚部を直に係合固定つまり締結することである。
【符号の説明】
【0037】
1・・・・保持具
2・・・・ベース部材(20は基板、21は支持部、26は脚部)
3・・・・フランジ部(30は本体、31と37は開口、32は受け部)
4・・・・クリップ(40は板部、41は連結部、43は係合爪)
5・・・・アシストグリップ
6・・・・シャフト
7・・・・ダンパー
8・・・・ばね
9・・・・エアバック
10・・・自動車(11は車室)
18・・・ブラケット(固定部材:18aは取付孔)
19・・・天井トリム(内装材:19aは挿通孔、19bは下端部分)
25・・・穴部(連結解除手段)
35・・・爪部(連結解除手段)
28・・・凹所(位置決め手段)
36・・・凸部(位置決め手段)
50・・・把持部材(51は端部、52は空洞部、53は挿通穴)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9