特許第6192578号(P6192578)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6192578
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】画像形成装置、トナー収容容器
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20170828BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
   G03G21/00
   G03G21/00 318
   G03G15/00 550
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-63656(P2014-63656)
(22)【出願日】2014年3月26日
(65)【公開番号】特開2015-184635(P2015-184635A)
(43)【公開日】2015年10月22日
【審査請求日】2016年6月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】水谷 尚樹
【審査官】 岡▲崎▼ 輝雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−352220(JP,A)
【文献】 特開2011−209433(JP,A)
【文献】 特開2008−225352(JP,A)
【文献】 実開平03−108275(JP,U)
【文献】 特開2012−203383(JP,A)
【文献】 特開2010−026441(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0257172(US,A1)
【文献】 米国特許第9316996(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーを像担持体の軸方向に沿って搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送されるトナーを落下させる排出口が形成された排出部と、
前記排出部に設けられ前記軸方向の移動により前記排出口を開閉する開閉部と、
前記搬送部によるトナーの搬送方向に前記排出部が挿入される挿入口が形成された開口部、前記排出部の前記挿入口への挿入時に前記開閉部の一部に接触して前記開閉部の移動を規制する規制部、及び前記開閉部における前記規制部との接触位置よりも前記搬送方向側に挿入される挿入領域の下方に対応する予め定められた位置に設けられたカバー部を有するトナー収容部と、
を備え
前記カバー部が、前記挿入領域の下方に対応する位置に設けられた第1面と、前記挿入口に前記排出部が挿入された状態における前記開閉部の前記搬送方向の先端と前記排出口との間に対応する位置で前記第1面から上方に向けて立設される第2面と、を有する画像形成装置。
【請求項2】
前記規制部が前記挿入口の縁部であって、前記カバー部が前記縁部から前記搬送方向に突出している請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記カバー部が、前記挿入口に前記排出部が挿入された状態における前記開閉部の側面の外側に対応する位置で前記第1面から上方に立設される第3面を更に有する請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記トナー収容部が、前記カバー部に設けられ、前記排出部の前記挿入口への挿脱時に前記開閉部に摺擦する清掃部を有する請求項1〜のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記開口部が、前記トナー収容部の上面に形成され、前記上面から上方に突出すると共に前記搬送方向に長尺状であり、
前記カバー部が、前記開口部の内周面において対向する位置に亘って前記開口部と一体に形成されている請求項1〜のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
トナーを像担持体の軸方向に沿って搬送する搬送部、前記搬送部により搬送されるトナーを落下させる排出口が形成された排出部、及び前記排出部に設けられ前記軸方向の移動により前記排出口を開閉する開閉部を備える画像形成装置に装着されるトナー収容容器であって、
前記搬送部によるトナーの搬送方向に前記排出部が挿入される挿入口が形成された開口部と、
前記排出部の前記挿入口への挿入時に前記開閉部の一部に接触して前記開閉部の移動を規制する規制部と、
前記開閉部における前記規制部との接触位置よりも前記搬送方向側に挿入される挿入領域の下方に対応する予め定められた位置に設けられたカバー部と、
を備え
前記カバー部が、前記挿入領域の下方に対応する位置に設けられた第1面と、前記挿入口に前記排出部が挿入された状態における前記開閉部の前記搬送方向の先端と前記排出口との間に対応する位置で前記第1面から上方に向けて立設される第2面と、を有するトナー収容容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式で画像を形成可能な画像形成装置及び画像形成装置に装着されるトナー収容容器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式で画像を形成可能なプリンターのような画像形成装置において、感光体ドラムなどの像担持体表面から除去されてトナー排出口まで搬送されるトナーを、トナー排出口に装着されたトナー収容容器で回収する構成が知られている。この種の画像形成装置では、例えばトナー収容容器内のトナーを廃棄するなどの目的でトナー収容容器がトナー排出口に対して着脱されることがある。ここで、トナー収容容器がトナー排出口に着脱される際には、トナー排出口が装置内部に対して開放されている間にトナー排出口からトナーが落下して装置内部が汚れるおそれがある。これに対し、交換作業者によるトナー収容容器の着脱動作に連動してトナー排出口を容器内部で開閉させる開閉部を備える構成が関連技術として知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−311772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記関連技術のように、トナー収容容器の着脱動作に連動して容器内部でトナー排出口を開閉させる場合には、トナー収容容器の内部に入り込んだ開閉部にトナーが付着する。そのため、例えばトナー収容容器がトナー排出口から取り外された際に、開閉部に付着したトナーが落下して装置内部が汚れるおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、トナー収容容器の着脱動作に連動してトナー排出口を容器内部で開閉する開閉部へのトナーの付着を抑制することのできる画像形成装置及びトナー収容容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の局面に係る画像形成装置は、搬送部と、排出部と、開閉部と、トナー収容部とを備える。前記搬送部は、トナーを像担持体の軸方向に沿って搬送する。前記排出部には、前記搬送部により搬送されるトナーを落下させる排出口が形成されている。前記開閉部は、前記排出部に設けられ前記軸方向の移動により前記排出口を開閉する。前記トナー収容部は、前記搬送部によるトナーの搬送方向に前記排出部が挿入される挿入口が形成された開口部、前記排出部の前記挿入口への挿入時に前記開閉部の一部に接触して前記開閉部の移動を規制する規制部、及び前記開閉部における前記規制部との接触位置よりも前記搬送方向側に挿入される挿入領域の下方に対応する予め定められた位置に設けられたカバー部を有する。
【0007】
本発明の他の局面に係るトナー収容容器は、トナーを像担持体の軸方向に沿って搬送する搬送部、前記搬送部により搬送されるトナーを落下させる排出口が形成された排出部、及び前記排出部に設けられ前記軸方向の移動により前記排出口を開閉する開閉部を備える画像形成装置に装着され、開口部と、規制部と、カバー部とを備える。前記開口部には、前記搬送部によるトナーの搬送方向に前記排出部が挿入される挿入口が形成されている。前記規制部は、前記排出部の前記挿入口への挿入時に前記開閉部の一部に接触して前記開閉部の移動を規制する。前記カバー部は、前記開閉部における前記規制部との接触位置よりも前記搬送方向側に挿入される挿入領域の下方に対応する予め定められた位置に設けられている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、トナー収容容器の着脱動作に連動してトナー排出口を容器内部で開閉する開閉部へのトナーの付着を抑制することのできる画像形成装置及びトナー収容容器が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
図2】本発明の実施の形態に係る画像形成装置のクリーニング装置の構成を示す図である。
図3】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の排出部の構成を示す図である。
図4】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の排出部の構成を示す図である。
図5】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の排出部の構成を示す図である。
図6】本発明の実施の形態に係る画像形成装置に装着されるトナー収容容器の構成を示す図である。
図7】本発明の実施の形態に係る画像形成装置に装着されるトナー収容容器の構成を示す図である。
図8】本発明の実施の形態に係る画像形成装置に装着されるトナー収容容器の構成を示す図である。
図9】本発明の実施の形態に係る画像形成装置に装着されるトナー収容容器の構成を示す図である。
図10】本発明の実施の形態に係る画像形成装置におけるトナー収容容器の装着の流れを示す図である。
図11】本発明の実施の形態に係る画像形成装置におけるトナー収容容器の装着の流れを示す図である。
図12】本発明の実施の形態に係る画像形成装置におけるトナー収容容器の装着の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0011】
[画像形成装置10の概略構成]
まず、図1及び図2を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る画像形成装置10の概略構成について説明する。ここで、図1は前記画像形成装置10の断面模式図である。また、図2はクリーニング装置36の構成を示す上面模式図である。なお、図1において、紙面手前側が前記画像形成装置10の前面であって、紙面奥側が前記画像形成装置10の後面である。
【0012】
図1に示すように、前記画像形成装置10は、ADF1、画像読取部2、画像形成部3、給紙部4、及び制御部5などを備える。前記画像形成装置10は、画像データに基づいて画像を形成するプリンター機能と共に、スキャン機能、ファクシミリー機能、又はコピー機能などの複数の機能を有する複合機である。なお、本発明は、プリンター装置、ファクシミリー装置、及びコピー機のような画像形成装置にも適用可能である。
【0013】
前記ADF1は、図1に示すように、原稿セット部11、複数の搬送ローラー12、原稿押さえ13、及び排紙部14を備える自動原稿搬送装置である。そして、前記ADF1では、前記搬送ローラー12各々が不図示のモーターで駆動されることにより、前記原稿セット部11に載置された原稿が前記画像読取部2による画像データの読取位置を通過して前記排紙部14まで搬送される。これにより、前記画像読取部2は、前記ADF1により搬送される原稿から画像データを読み取ることが可能である。
【0014】
前記画像読取部2は、図1に示すように、原稿台21、読取ユニット22、ミラー23、ミラー24、光学レンズ25、及びCCD(Charge Coupled Device)26を備える。前記原稿台21は、前記画像読取部2の上面に設けられた原稿の載置部である。前記読取ユニット22は、LED光源221及びミラー222を備え、不図示のモーターによって副走査方向(図1における左右方向)へ移動可能である。前記LED光源221は、主走査方向(図1における奥行方向)に沿って配列された多数の白色LEDを備える。前記ミラー222は、前記LED光源221から照射されて前記原稿台21上の読取位置にある原稿の表面で反射した後の光を前記ミラー23に向けて反射させる。そして、前記ミラー222で反射した光は、前記ミラー23及び前記ミラー24によって前記光学レンズ25に導かれる。前記光学レンズ25は、入射した光を集光して前記CCD26に入射させる。前記CCD26は、前記光学レンズ25から入射される光の受光量に応じた電気信号を前記原稿の画像データとして前記制御部5に入力する光電変換素子などを有する。
【0015】
前記制御部5は、不図示のCPU、ROM、RAM、及びEEPROMなどの制御機器を備える。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは揮発性の記憶部であり、前記EEPROMは不揮発性の記憶部である。前記RAM及び前記EEPROMは、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、前記制御部5は、前記ROMに予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUを用いて実行することにより前記画像形成装置10を統括的に制御する。なお、前記制御部5は、集積回路(ASIC)などの電子回路で構成されたものであってもよく、前記画像形成装置10を統括的に制御するメイン制御部とは別に設けられた制御部であってもよい。
【0016】
前記画像形成部3は、前記画像読取部2で読み取られた画像データに基づいて画像を形成する画像形成処理(印刷処理)を実行することが可能な電子写真方式の画像形成部である。また、前記画像形成部3は、外部のパーソナルコンピューター等の情報処理装置から入力された画像データに基づいて前記画像形成処理を実行することも可能である。
【0017】
具体的に、前記画像形成部3は、図1に示すように、感光体ドラム31、帯電装置32、光走査装置(LSU)33、現像装置34、転写ローラー35、クリーニング装置36、定着ローラー37、加圧ローラー38、及び排紙トレイ39を備える。そして、前記画像形成部3では、前記給紙部4に着脱可能な給紙カセット41から供給されるシートに以下の手順で画像が形成され、画像形成後のシートが前記排紙トレイ39に排出される。なお、前記シートは、紙、コート紙、ハガキ、封筒、及びOHPシートなどのシート材料である。
【0018】
まず、前記帯電装置32によって前記感光体ドラム31が所定の電位に一様に帯電される。次に、前記光走査装置33により前記感光体ドラム31の表面に画像データに基づく光が照射される。これにより、前記感光体ドラム31の表面に画像データに対応する静電潜像が形成される。そして、前記感光体ドラム31上の静電潜像は前記現像装置34によってトナー像として現像(可視像化)される。なお、前記現像装置34には、前記画像形成部3に着脱可能なトナーコンテナ34Aからトナー(現像剤)が補給される。続いて、前記感光体ドラム31に形成されたトナー像は前記転写ローラー35によってシートに転写される。その後、シートに転写されたトナー像は、そのシートが前記定着ローラー37及び前記加圧ローラー38の間を通過する際に前記定着ローラー37で加熱されて溶融定着する。
【0019】
一方、前記感光体ドラム31の表面に残存したトナーは、前記クリーニング装置36で除去される。具体的に、前記クリーニング装置36は、図1及び図2に示すように、クリーニング部材361、研磨ローラー362、及び搬送スクリュー363を備える。前記クリーニング部材361は、前記感光体ドラム31の表面に付着した残存トナーを除去するブレード状の部材である。前記研磨ローラー362は、前記クリーニング部材361で除去されたトナーを表面に付着させて、前記感光体ドラム31の表面を研磨する。前記搬送スクリュー363は、前記クリーニング部材361で除去されたトナーを前記感光体ドラム31の軸方向31Aに沿って後述の排出部6まで搬送する。ここに、前記感光体ドラム31が本発明における像担持体の一例である。また、前記搬送スクリュー363が本発明における搬送部の一例である。
【0020】
ところで、前記画像形成装置10のような画像形成装置において、感光体ドラムなどの像担持体表面から除去されてトナー排出口まで搬送されるトナーを、トナー排出口に装着されたトナー収容容器で回収する構成が知られている。この種の画像形成装置では、例えばトナー収容容器内のトナーを廃棄するなどの目的でトナー収容容器がトナー排出口に対して着脱されることがある。ここで、トナー収容容器がトナー排出口に着脱される際には、トナー排出口が装置内部に対して開放されている間にトナー排出口からトナーが落下して装置内部が汚れるおそれがある。これに対し、交換作業者によるトナー収容容器の着脱動作に連動してトナー排出口を容器内部で開閉させる開閉部を備える構成が関連技術として知られている。
【0021】
しかしながら、上記関連技術のように、トナー収容容器の着脱動作に連動して容器内部でトナー排出口を開閉させる場合には、トナー収容容器の内部に入り込んだ開閉部にトナーが付着する。そのため、例えばトナー収容容器がトナー排出口から取り外された際に、開閉部に付着したトナーが落下して装置内部が汚れるおそれがある。これに対し、前記画像形成装置10では、以下に説明するように、トナー収容容器の着脱動作に連動してトナー排出口を容器内部で開閉する開閉部へのトナーの付着を抑制することが可能である。
【0022】
まず、図2図5を参照しつつ、排出部6について説明する。ここで、図3は前記排出部6の斜視図である。また、図4は排出口61が閉鎖された状態の前記排出部6の断面図であって、図5は前記排出口61が開放された状態の前記排出部6の断面図である。
【0023】
前記排出部6は、図2に示すように、前記クリーニング装置36における前記搬送スクリュー363の配置位置に対応して、前記クリーニング装置36のハウジングの後端部から前記軸方向31Aに突出して設けられている。ここで、前記搬送スクリュー363は、前記排出部6の突出方向と同じ方向の搬送方向363Aに向けてトナーを搬送し、前記搬送スクリュー363の前記搬送方向363Aにおける先端部は前記排出部6まで延出されている。そのため、前記感光体ドラム31の表面から除去されたトナーは、前記搬送スクリュー363によって前記排出部6まで搬送される。
【0024】
また、前記排出部6には、図4及び図5に示すように、前記搬送方向363Aにおける先端に前記搬送スクリュー363により搬送されるトナーを落下させる前記排出口61が形成されている。なお、前記排出口61は、前記排出部6における前記搬送方向363Aに平行な周面の一部に形成されている。更に、前記排出部6は、図3図5に示すように、前記軸方向31Aの移動により前記排出口61を開閉する開閉部62を有する。
【0025】
具体的に、前記開閉部62は、図3に示すように、前記排出部6の外周を覆う環状に形成されており、下部において下方向に突出する突起部621を有する。なお、前記開閉部62は、前記排出部6の外周面の一部を覆うものであってもよい。また、前記排出部6の外周には、前記開閉部62を前記軸方向31Aに摺動可能に支持する不図示のガイドレールが形成されている。そして、前記開閉部62は、コイルバネなどの不図示の弾性部材により前記搬送方向363Aに向けて付勢されることで、図4に示すように、前記搬送方向363Aに移動して前記排出口61を閉鎖可能である。一方、前記開閉部62が前記弾性部材の付勢力を超える力で前記搬送方向363Aの反対方向に移動されると、図5に示すように前記排出口61が開放される。
【0026】
次に、図6図12を参照しつつ、トナー収容容器7について説明する。ここで、図6は前記トナー収容容器7の正面図であって、図7は前記トナー収容容器7の左側面図である。また、図8図6のVIII―VIII矢視断面図であって、図9図7のIX―IX矢視断面図である。なお、図6図9においては、前記トナー収容容器7が前記排出部6に装着された状態に基づいて、上下方向、左右方向、及び前後方向が定義されている。また、図10は前記トナー収容容器7に前記排出部6が挿入される前の状態を示す図である。さらに、図11は前記トナー収容容器7に前記排出部6が挿入されて前記突起部621が規制部72に接触した状態を示す図である。そして、図12は前記規制部72により前記開閉部62の移動が規制されて前記排出口61が開放された状態を示す図である。なお、図11及び図12において二点鎖線で囲まれた領域は、挿入領域622を示すものである。
【0027】
前記トナー収容容器7は、前記排出部6に装着されて、前記排出口61から排出されるトナーを収容する容器である。具体的に、前記トナー収容容器7は、図6及び図7に示すように、略直方体形状であって内部にトナーの収容空間が形成された容器本体70と、前記容器本体70の上面に形成された前記排出口6が挿入される開口部71を有する。例えば、前記トナー収容容器7は、樹脂により一体に成形される。ここに、前記トナー収容容器7が、本発明におけるトナー収容部の一例である。
【0028】
前記開口部71は、図6図7及び図10に示すように、前記トナー収容容器7の上面に設けられ、前記搬送方向363A(図7における後方向)に前記排出部6が挿入される挿入口711が形成されている。具体的に、前記開口部71は、図6に示すように、前記トナー収容容器7の上面から上方に突出して、アーチ状に形成されている。また、前記開口部71は、図7及び図10に示すように、前記挿入口711の形成位置から前記搬送方向363Aに長尺状に形成されている。このように、前記開口部71が前記トナー収容容器7の上面に設けられることで、前記挿入口711に挿入された前記排出部6の側部及び上部が前記開口部71の内周面に覆われ、容器内部で飛散するトナーの前記排出部6の側部及び上部への付着が抑制される。
【0029】
また、前記トナー収容容器7は、図8及び図9に示すように、規制部72、カバー部73、及び清掃部74を有する。
【0030】
前記規制部72は、前記排出部6の前記挿入口711への挿入時に、前記開閉部62の前記突起部621に接触して前記開閉部62の移動を規制する。具体的に、前記規制部72は、図8に示すように、前記開閉部62における前記突起部621の設置位置に対応する前記挿入口711の縁部である。即ち、前記トナー収容容器7において、前記挿入口711は、前記排出部6の挿入の際に前記突起部621が前記挿入口711の縁部に接触する大きさで形成されている。そして、図11及び図12に示すように、前記開閉部62の前記突起部621が前記規制部72に接触した状態から、前記排出部6が前記搬送方向363Aに向けて更に挿入されることで、前記開閉部62が前記排出部6に対して相対的に前記搬送方向363Aの逆方向に移動し、前記排出口61が開放される。
【0031】
ここで、前記画像形成装置10では、前記突起部621が前記開閉部62の前記搬送方向363Aにおける後部側に設けられている。そのため、前記排出部6が前記挿入口711に挿入される際に、前記排出口61が前記トナー収容容器7の内部に入り込んだ後に前記規制部72と前記突起部621とが接触することになり、前記挿入口711付近で前記排出口61が開放されることがない。一方、図11及び図12に示すように、前記開閉部62における前記規制部72との接触位置よりも前記搬送方向363A側に挿入される挿入領域622には、前記排出口61から排出されるトナー又は前記トナー収容容器7内部で飛散するトナーが付着するおそれがある。そこで、前記トナー収容容器7に前記カバー部73が設けられている。
【0032】
前記カバー部73は、前記トナー収容容器7において、前記挿入領域622の下方に対応する予め定められた位置に設けられる。具体的に、前記カバー部73は、図8に示すように、前記挿入口711の下側縁部から前記搬送方向363A(図8における後方向)に突出して形成されている。これにより、前記カバー部73を前記挿入領域622の直下に位置させることが可能となり、容器内部におけるトナーの付着が効果的に抑制される。なお、前記カバー部73の位置は、前記挿入領域622へのトナーの付着を抑制することが可能な位置であればここで説明する配置に限らない。
【0033】
また、前記カバー部73は、図8及び図12に示すように、前記挿入領域622の下方に対応する位置に設けられた第1面731と、前記挿入口711に前記排出部6が挿入された状態における前記開閉部62の先端623と前記排出口61との間に対応する位置で、前記第1面731から上方に向けて立設される第2面732を有する。これにより、前記開閉部62の前記先端623が前記第2面732によって覆われるため、トナーの付着の抑制効果が向上する。
【0034】
更に、前記カバー部73は、図9に示すように、前記挿入口711に前記排出部6が挿入された状態における前記開閉部62の側面の外側に対応する位置で、前記第1面731から上方に立設される第3面733を有する。これにより、前記開閉部62の側面が前記第3面733により覆われるため、トナーの付着の抑制効果がより向上する。なお、前記第3面733が省略された構成も他の実施形態として考えられる。
【0035】
ところで、前記トナー収容容器7において、前記カバー部73は前記開口部71の内周面において対向する位置に亘って前記開口部71と一体に形成されている。具体的に、前記カバー部73は、図9に示すように、前記第3面733に対して垂直な平板状に形成されている。これにより、前記トナー収容容器7の成型時において、前記開口部71の前記第3面733を構成する壁部にひけ、倒れ、又は収縮が生じることが抑制されて、前記トナー収容容器7の成形精度が向上する。なお、前記カバー部73が前記第3面733に対して平板状に形成される場合には、例えば曲面状などの他の形状に形成される場合と比較して、より高い成形精度の向上効果を得ることが可能である。
【0036】
前記清掃部74は、図8に示すように、前記カバー部73に設けられ、前記排出部6の前記挿入口711への挿脱時に前記開閉部62に摺擦して前記開閉部62を清掃する。例えば、前記清掃部74は、前記カバー部73の前記第1面731上に設けられたスポンジなどの弾性部材である。なお、前記清掃部74が省略された構成も他の実施形態として考えられる。
【0037】
次に、図10図12を参照しつつ、前記トナー収容容器7の前記排出部6への装着手順について説明する。
【0038】
まず、前記トナー収容容器7の装着作業を行う作業者は、前記画像形成装置10の筐体の後部に設けられた不図示の外装カバーを開けて、前記排出部6を外部に露出させる。
【0039】
次に、作業者は、図10に示すように、前記トナー収容容器7を手に持つなどして、トナー収容容器7の前記挿入口711を前記排出部6に対向させる。そして、前記トナー収容容器7を前記搬送方向363Aの反対方向に向けて移動させて、前記突起部621が前記規制部72に接触する位置まで前記排出部6を前記挿入口711に挿入する。
【0040】
ここで、図10及び図11に示すように、前記突起部621が前記規制部72に接触する位置まで前記排出部6が前記挿入口711に挿入される際に、作業者の挿入動作により前記開閉部62の前記挿入領域622が前記清掃部74に摺擦しながら移動する。そのため、前記挿入領域622の汚れが前記清掃部74により清掃される。
【0041】
次に、作業者は、前記突起部621が前記規制部72に接触した後、前記トナー収容容器7を前記搬送方向363Aの反対方向に向けて移動させて、前記排出部6を前記挿入口711に更に挿入する。これにより、図11及び図12に示すように、前記開閉部62の移動が前記規制部72により規制されて、前記開閉部62が前記排出部6に対して相対的に移動し、前記排出口61が開放される。
【0042】
そして、作業者は、前記外装カバーを閉じて前記トナー収容容器の装着作業を終了する。なお、前記排出部6に装着された前記トナー収容容器7の前後方向の移動をストッパーなどで規制してもよい。
【0043】
ここで、図12に示すように、前記トナー収容容器7内部に挿入された前記開閉部62の前記挿入領域622は、前記カバー部73の前記第1面731、前記第2面732により覆われる。そのため、前記トナー収容容器7が前記排出部6に装着されている間において、前記挿入領域622への容器内部のトナーの付着が抑制される。また、前記カバー部73の前記第3面733により、前記挿入領域622の側部へのトナーの付着も抑制される。
【0044】
なお、前記トナー収容容器7が前記排出部6から取り外される際にも、前記挿入領域622が前記清掃部74に摺擦しながら移動する。そのため、前記トナー収容容器7が前記排出部6に装着されている間に前記挿入領域622にトナーが付着した場合であっても、前記清掃部74により清掃される。
【0045】
このように、前記画像形成装置10では、前記トナー収容容器7の前記カバー部73により前記開閉部62へのトナーの付着が抑制される。そのため、例えば前記トナー収容容器7の着脱時におけるトナーの漏れが抑制可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 :ADF
2 :画像読取部
3 :画像形成部
31:感光体ドラム
36:クリーニング装置
363:搬送スクリュー
4 :給紙部
5 :制御部
6 :排出部
61:排出口
62:開閉部
621:突起部
7 :トナー収容容器
70:容器本体
71:開口部
72:規制部
73:カバー部
731:第1面
732:第2面
733;第3面
74:清掃部
10:画像形成装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12