(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下で説明する実施形態に係る照明装置1は、基板5と、電源30と、放熱部材10と、液体供給パイプ35と、検知帯40と、を具備する。基板5は、発光素子6を備える。電源30は、発光素子6に電力を供給する。放熱部材10は、表面に基板5および電源30が設置され、内部に液体が流れる液体流路11を有している。液体供給パイプ35は、放熱部材10における液体流路11が開口している部分に接続され、液体を供給する。検知帯40は、液体の漏出を検知する。放熱部材10は、上下方向に延び、液体流路11は、放熱部材10の上端部で開口し、液体供給パイプ35は、放熱部材10の上端に接続される。基板5は、液体供給パイプ35よりも下方に設置される。検知帯40は、放熱部材10における液体供給パイプ35よりも下方で、基板5よりも上方に設けられる。
【0011】
また、以下で説明する実施形態に係る照明装置1で、検知帯40は、絶縁体と、絶縁体の上に設けられる一対の導電パターンと、を有する。
【0012】
また、以下で説明する実施形態に係る照明装置1で、検知帯40は、放熱部材10の周囲に設けられる。
【0013】
また、以下で説明する実施形態に係る照明装置1では、放熱部材10と液体供給パイプ35との間に、放熱部材10の内部に設けられた液体流路11と液体供給パイプ35とを接続する変換キャップ20が設けられる。
【0014】
また、以下で説明する実施形態に係る照明装置1で、照明装置1が収容される容器をさらに有し、容器内の湿度は、容器外の湿度よりも低い。
【0015】
〔実施形態〕
次に、実施形態に係る照明装置を図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態に係る照明装置の側面図である。
図2は、
図1のA−A断面図である。なお、以下の説明では、本実施形態に係る照明装置1の通常の使用形態における上方を、以下の説明でも上方として説明し、本実施形態に係る照明装置1の通常の使用形態における下方を、以下の説明でも下方として説明する。
図1、
図2に示す照明装置1は、発光素子6を備える。発光素子6は、例えば、LED(Light Emitting Diode)素子である。なお、発光素子6は、LED素子に限定されず、光を発光する素子であればどのようなものでもよく、例えばLD(Laser Diode)素子でもよい。基板5は、1つの基板5に発光素子6を複数備えており、基板5は、放熱部材10の表面に複数が設置されている。
【0016】
この放熱部材10は、本実施形態に係る照明装置1の通常の使用時において、上下方向に延びるように、一方向の長さが長い部材として形成されている。換言すると、一方向の長さが長い放熱部材10は、照明装置1の通常の使用時には、上下方向に延びて配置される。この放熱部材10は、アルミニウムや銅のような熱伝導率が高い材料で形成するのが好ましい。
【0017】
放熱部材10における基板5を設置する面である基板取付面12は、発光素子6の点灯時における光を所望の方向に向かわせることができるように形成されている。本実施形態に係る照明装置1では、基板取付面12として4つの平面を有している。4つの基板取付面12は、放熱部材10を長さ方向に見た場合に、4つの基板取付面12が凹凸に連なることにより、2つの山部が連なったW字状の形状になっている。
【0018】
即ち、2つの山部として連なっている4つの基板取付面12のうち、両端の2つの基板取付面12である外側取付面12bは、共に4つの基板取付面12が並んでいる方向における外側方向を向いており、内側の2つの基板取付面12である内側取付面12aは、共に4つの基板取付面12が並んでいる方向における内側方向を向いている。4つの基板取付面12には、それぞれ別々に基板5が取り付けられており、つまり、放熱部材10には、4つの基板5が取り付けられている。このため、外側取付面12bに取り付けられている基板5は、4つの基板取付面12が並んでいる方向における外側方向を向いており、内側取付面12aに取り付けられている基板5は、4つの基板取付面12が並んでいる方向における内側方向を向いている。
【0019】
また、放熱部材10の表面における基板取付面12が位置する側の反対側の部分には、発光素子6に電力を供給する電源30が設けられる電源取付面13が形成されている。この電源30は、外部電源(図示省略)に電気的に接続されており、外部電源から供給される電力を、基板5に設けられた発光素子6の駆動に適した電力に調節して、基板5に形成された導電配線(図示省略)を介して、発光素子6に供給する。電源取付面13は、4つの基板取付面12が全体として向いている方向の反対方向を向いている。放熱部材10は、これらのように基板取付面12と電源取付面13とが外面に形成された形状で、上下方向に延びている。また、4つの基板5は、上下方向の広い領域に亘って基板取付面12に沿って取り付けられている。なお、発光素子6に供給される電力は、基板5を介さず、直接電源30から発光素子6に供給されてもよい。
【0020】
また、放熱部材10は、内部に、液体が流れる液体流路11を有しており、基板5と液体との間で熱交換を行うことが可能になっている。この液体流路11は、4つの基板取付面12が凹凸に連なることによって形成される2つの山部のそれぞれの内部に形成されている。即ち、液体流路11は、放熱部材10の内部に2つが形成されており、2つの液体流路11は、放熱部材10に沿って上下方向に延びている。
【0021】
2つの液体流路11は、当該液体流路11を流れる液体と基板5との間で熱交換を行う。また、2つの液体流路11は、当該液体流路11を流れる液体と電源30との間でも熱交換を行うことが可能になっている。このように形成される液体流路11は、少なくとも放熱部材10の上端部で開口している。また、2つの液体流路11は、図示しない放熱部材10の上端部と対向する部分、即ち、下端部で、連結パイプにより接続されていてもよい。
【0022】
放熱部材10には、基板5や電源30が配設されている位置よりも上方に、液体の漏出を検知する検知手段である検知帯40が設置されている。検知帯40は、接続コード41によって電源30に電気的に接続されており、検知帯40が液体の漏出を検知した場合には、電源30で検出することが可能になっている。
【0023】
図3は、
図1のB−B断面図である。検知帯40は、放熱部材10の周囲に設けられている。検知帯40は、帯状の形状で、絶縁体であるFPC(Flexible Printed Circuits)基板に一対の導電パターンを有することによって構成されており、導電パターンには、錆防止のため金メッキ加工が施されている。検知帯40の一対の導電パターンは、通常時には互いに導通しない状態になっており、検知帯40が液体で濡れると、この液体によって導電パターンは導通することになる。電源30は、この検知帯40の導電パターン同士の導通状態を検出することにより、検知帯40が液体で濡れたこと、即ち、液体の漏出が発生したことを検出することが可能になっている。
【0024】
また、検知帯40は、FPC基板によって構成されるため、柔軟性を有している。このため、帯状の検知帯40は、幅方向が放熱部材10の長さ方向になる向きで、凹凸を有する放熱部材10の外周面14に沿って折り曲げられながら、外周面14に沿って放熱部材10の周囲に設けられる。
【0025】
このように設けられる検知帯40は、例えば、両面テープ(図示省略)によって外周面14に取り付けられており、さらに、取付ビス42によって1箇所が固定されている。即ち、検知帯40は、両面テープでの固定と、取付ビス42でねじ止めされることによる機械固定とが併用されて、放熱部材10の外周面14に取り付けられている。なお、検知帯40の固定方法は限定されない。例えば、放熱性のよい接着剤を用いて検知帯40を放熱部材10の外周面14に接着してもよい。
【0026】
また、放熱部材10には、液体流路11に対して液体を供給する液体供給手段である液体供給パイプ35が上端側に接続されるが、液体供給パイプ35は円形で開口しているのに対し、液体流路11は、基板取付面12や電源取付面13に沿った形状で形成されている。このため、放熱部材10における液体流路11が開口している部分には、液体流路11に対して流入出する液体の流路の開口部の形状を、液体供給パイプ35の開口形状に変換する変換部材である変換キャップ20が接続されている。なお、液体供給パイプ35は、例えば、図示しない上水道に接続され、液体流路11に上水が流れてもよい。また、液体供給パイプ35は、図示しない液体循環装置に接続されて、液体循環装置の内部に溜められた冷媒が液体流路11に流れてもよい。なお、液体供給パイプ35が上水道や液体循環装置に接続される場合、液体供給パイプ35が放熱部材11の上方に接続されていれば、上水道や液体循環装置は放熱部材11の上方にあってもよいし、放熱部材11の下方にあってもよい。
【0027】
図4は、
図1のC−C断面図である。変換キャップ20は、放熱部材10への接続部分である放熱部材側接続面21の形状が、放熱部材10における変換キャップ20との接続部分である接続面15の形状と同等の形状になっている。放熱部材10の接続面15は、放熱部材10における上端面であるため、変換キャップ20の放熱部材側接続面21は、放熱部材10の上端面の形状と同等の形状になっている。
【0028】
この変換キャップ20には、放熱部材10の液体流路11に連通し、液体供給パイプ35から供給される液体を液体流路11に流す放熱部材側開口部22が形成されている。即ち、変換キャップ20には、液体を液体供給パイプ35側から液体流路11側に流す流路が内部に形成されており、放熱部材側開口部22は、この流路における、液体流路11側の開口部になっている。
【0029】
この放熱部材側開口部22は、液体流路11における、放熱部材10の接続面15での液体流路11の開口形状と、同等の形状になっている。つまり、液体流路11は、放熱部材10に2つが形成されているため、放熱部材側開口部22も放熱部材側接続面21に2つ形成されている。これらのため、液体流路11の開口形状を含んだ放熱部材10の接続面15の形状と、放熱部材側開口部22を含んだ放熱部材側接続面21の形状は、同等の形状になっている。このように形成される変換キャップ20は、2つの放熱部材側開口部22と2つの液体流路11とが連通する向きで、放熱部材10の接続面15と放熱部材側接続面21とが接着剤によって接着されることにより、接続されている。この接着剤としては、例えば、エポキシ系接着剤が用いられる。
【0030】
このように形成される変換キャップ20は、アルミニウムやステンレス鋼等の材料によって形成されている。また、変換キャップ20は、放熱部材10に接続されるため、変換キャップ20を構成する材料は、放熱部材10との間で、異種金属間の電位差が生じないものを選定するのが好ましい。
【0031】
変換キャップ20は、このように放熱部材10の上端に接続されているため、照明装置1の使用時には、検知帯40、基板5、電源30は、全て変換キャップ20よりも下方に設置される状態になる。このうち、検知帯40は、変換キャップ20と放熱部材10との接続部分の近傍における、これらの接続部分の下方側に配設されている。このため、検知帯40は、基板5や電源30よりも上方に設置されており、即ち、基板5と電源30とは、検知帯40の下方に設置されている。
【0032】
図5は、
図1のD−D断面図である。変換キャップ20は、放熱部材10に接続される側の反対側が、ガスケット36を介して液体供給パイプ35に接続される。その際に、変換キャップ20には、放熱部材10に形成される2つの液体流路11に合わせて、2本の液体供給パイプ35が接続される。2本の液体供給パイプ35は、2つの液体流路11に対応して配設され、概ね、各液体流路11の上方に、液体供給パイプ35が1つずつ配設されており、変換キャップ20には、この2本の液体供給パイプ35が接続される。
【0033】
変換キャップ20には、このように液体供給パイプ35が接続されるため、変換キャップ20は、変換キャップ20における液体供給パイプ35への接続部分である供給パイプ側接続面25の形状が、液体供給パイプ35における変換キャップ20との接続部分の形状と同等の形状になっている。つまり、供給パイプ側接続面25は、液体供給パイプ35の端部の形状、即ち、液体供給パイプ35における他の部材との接続部分の形状と同等の形状になっており、このため、供給パイプ側接続面25は、液体供給パイプ35に対して接続可能な形状になっている。変換キャップ20には、液体供給パイプ35が2本接続されるため、供給パイプ側接続面25は、液体供給パイプ35が接続される2箇所に形成されている。
【0034】
この変換キャップ20には、液体供給パイプ35内に連通し、液体供給パイプ35からの液体が変換キャップ20側に供給される際の開口部である供給パイプ側開口部26が形成されている。即ち、供給パイプ側開口部26は、変換キャップ20の内部に形成される液体の流路における、液体供給パイプ35側の開口部になっている。この供給パイプ側開口部26は、液体供給パイプ35の端部の開口部分の形状と、同等の形状になっており、このように形成される供給パイプ側開口部26は、2箇所の供給パイプ側接続面25のそれぞれに形成されている。
【0035】
これらのように、変換キャップ20には、2つの供給パイプ側開口部26と、2つの放熱部材側開口部22とが形成されているが、これらは、供給パイプ側開口部26と放熱部材側開口部22とが1組になって対応している。つまり、1組の供給パイプ側開口部26と放熱部材側開口部22とが、1つの流路における液体供給パイプ35側と液体流路11側の開口部になっており、変換キャップ20には、供給パイプ側開口部26と放熱部材側開口部22とを有する流路が、2つ形成されている。
【0036】
2本の液体供給パイプ35は、それぞれガスケット36を介して、供給パイプ側接続面25に接続されることにより、変換キャップ20に接続され、換言すると、液体供給パイプ35は、変換キャップ20を介して放熱部材10に接続される。液体供給パイプ35と変換キャップ20との接続部分に用いるガスケット36は、例えば、シリコンゴムや天然ゴム等の、液体に強く、老朽化しない材質が用いられることが好ましい。
【0037】
この実施形態に係る照明装置1は、例えば、照明装置1が収容可能な図示しない容器に収容されてもよい。この場合、照明装置1が収容される容器内の湿度が、照明装置1が収容される容器外の湿度よりも低くなるようにする。例えば、一方が閉塞され、他方が開放されたガラス容器の中に照明装置1が収容され、ガラス容器の内部に図示しない乾燥空気供給手段より乾燥した空気を供給することで、照明装置1が収容されるガラス容器内の湿度を、照明装置1が収容されるガラス容器外の湿度よりも低くしてもよい。なお、照明装置1が収容される容器内の湿度を、照明装置1が収容される容器外の湿度よりも低くする方法として、乾燥空気供給手段に限定されない。例えば、乾燥空気供給手段の代わりに、乾燥した窒素を供給する窒素供給手段でもよい。要は、乾燥した気体を供給する手段であればどのような種類の気体を用いてもよい。
【0038】
この実施形態に係る照明装置1は、以上のような構成からなり、以下、その作用について説明する。照明装置1は、放熱部材10が上下方向に延び、変換キャップ20が放熱部材10の上端側に位置する向きで設置され、放熱部材10の上端側の変換キャップ20に液体供給パイプ35が接続された状態で使用される。その際に、放熱部材10は、照明装置1の点灯時の配光特性を考慮した形状で形成され、液体供給パイプ35は円形のパイプによって形成されているが、液体供給パイプ35は、放熱部材10の上端側の変換キャップ20に接続するため、通常のパイプ同士の接続と同様に、適切に接続することができる。また、照明装置1は、このような向きで、さらにガラス管(図示省略)の中に入れられた状態で設置される。
【0039】
このように設置される照明装置1の点灯時は、電源30から発光素子6に供給される電力により、発光素子6が発光する。この発光時の光が、照射光として周囲に照射されることにより、周囲が照らされる。ここで、このように発光素子6が発光する場合、発光素子6は大きな熱を発生する。このため、発光素子6の発光時には、液体流路11内の液体と発光素子6との間で熱交換を行う。即ち、発光素子6で発生する熱は、液体流路11内の液体に放熱される。
【0040】
発光素子6の発光時には、発光素子6で発生する熱を液体流路11内の液体に放熱するため、照明装置1は、発光素子6を発光させる際には、液体を循環させながら発光させる。この液体の循環について説明すると、発光素子6を発光させて照明装置1を点灯させる際には、液体供給パイプ35から放熱部材10に液体を供給することにより、液体流路11に液体を流入させる。即ち、液体供給パイプ35から供給される液体は、液体供給パイプ35から変換キャップ20内の流路に流入し、この変換キャップ20内の流路から、液体流路11に流入する。
【0041】
また、液体流路11には、液体の排出口(図示省略)が形成されており、液体流路11内の液体は、この排出口から排出しながら、液体供給パイプ35側から供給される。これにより、液体流路11内の液体は循環する。その際に、液体供給パイプ35からは、温度が低い液体を供給することにより、液体流路11内の液体の温度を下げることができる。
【0042】
発光素子6の発光時に発生した熱は、基板5から放熱部材10に伝達され、放熱部材10と液体との間で、熱交換を行う。このため、放熱部材10は、高温になり難くなっているため、発光素子6の発光時の熱は、基板5を介して放熱部材10に随時伝達され、液体供給パイプ35や液体流路11等との間で循環する液体流路11内の液体に放熱される。このように、発光素子6の発光時には、基板5や放熱部材10を介して発光素子6と液体との間で熱交換を行うことにより、発光素子6は温度が高くなり過ぎることなく、発光し続けることができる。
【0043】
また、発光素子6を発光させる際には、電源30にも電流が流れるため、電源30も発熱するが、電源30も、発光素子6の発光時と同様に、液体流路11内の液体との間で、放熱部材10を介して熱交換を行うことができる。これにより、電源30は、温度が高くなり過ぎないようになっている。
【0044】
照明装置1の点灯時は、これらのように発光素子6等の温度が高くなり過ぎることを防ぐために、変換キャップ20を介して液体供給パイプ35から液体流路11に液体を供給するが、変換キャップ20は、接着剤によって放熱部材10に接続されている。このため、接着が適切に行われなかった場合、変換キャップ20と放熱部材10との接続部分から、変換キャップ20内や液体流路11内を流れる液体が漏れ出すことがある。
【0045】
このように、変換キャップ20と放熱部材10との接続部分から漏れた液体は、放熱部材10の表面を伝わって、重力によって下方に流れる。このように漏出して下方に流れる液体は、変換キャップ20と放熱部材10との接続部分の近傍における、これらの接続部分の下方に配設されている検知帯40に当たる。検知帯40は、放熱部材10の周囲に配設されているため、液体の漏出が、変換キャップ20と放熱部材10との接続部分のどの部分で発生した場合でも、この液体が下方に流れた場合には、検知帯40に当たる。
【0046】
この検知帯40は、検知帯40が液体で濡れて検知帯40が有する所定の導電パターン同士が導通することにより、液体の漏出を検出することが可能になっている。即ち、導電パターン同士が導通しないときは、検知帯40は液体で濡れておらず、液体の漏出は発生していないと判断し、電源30は、通常の点灯制御を行う。
【0047】
これに対し、変換キャップ20と放熱部材10との接続部分から漏れた液体が、検知帯40に当たり、検知帯40が濡れて導電パターン同士が導通した場合、電源30は、液体の漏出が発生したと判断し、これにより液体の漏出を検出する。液体の漏出を検出した電源30は、基板5への電気の供給を停止することによって発光素子6を非点灯にし、照明装置1を消灯させる。これにより、変換キャップ20と放熱部材10との接続部分から漏れた液体が、基板5や発光素子6に電流が流れている状態でこれらに付着し、基板5や発光素子6が漏出した液体で濡れることによって、ショートが発生することを防ぐ。
【0048】
以上の実施形態に係る照明装置1は、基板5が設置される放熱部材10は、上下方向に延びて配置されると共に、変換キャップ20が接着剤により放熱部材10の上端に接続され、検知帯40は、放熱部材10における変換キャップ20よりも下方で、基板5よりも上方に設置されている。このため、変換キャップ20と放熱部材10との接続部分から液体の漏出があった場合、漏れた液体が重力によって基板5まで流れて基板5に付着する前に、検知帯40によって検知することができる。これにより、検知帯40によって液体の漏出を検知した場合には、発光素子6への電力の供給を停止し、ショートを防ぐことができる。この結果、より適切に液体の漏出検知を行うことができ、発光素子6や電源30に液体が付着することによる誤動作を抑制することができる。
【0049】
また、検知体40は、絶縁体であるFPC基板と、FPC基板の上に設けられる一対の導電パターンとを有するため、商用的に市販されている漏水検知帯などの複雑な構成の部材を用いることなく、簡単に漏出検知を行うことができる。
【0050】
また、検知帯40は、放熱部材10の周囲に亘って配設されているため、変換キャップ20と放熱部材10との接続部分におけるいずれの部分で液体の漏出があった場合でも、検知帯40によって検知することができる。この結果、より確実に液体の漏出検知を行うことができる。
【0051】
また、放熱部材10と液体供給パイプ35との間に、変換キャップ20が設けられているため、液体供給パイプ35と放熱部材10との接続を容易なものにしつつ、液体の漏出を、検知帯40によって検知することができる。この結果、より適切に液体の漏出検知を行うことができる。
【0052】
また、照明装置1が収容される容器内の湿度は、照明装置1が収容される容器外の湿度よりも低いため、照明装置1の周囲は乾燥した雰囲気にある。このことで、照明装置1は、FPC基板の上に設けられる一対の導電パターンで構成された検知帯40であっても、液体の漏出があるときに精度よく液体の漏出検知ができ、液体の漏出がないときに容器内の水分が導電パターンに付着することによる液体漏出の誤検知を抑制することができる。
【0053】
また、検知帯40にFPC基板を用いたため、放熱部材10が複雑な形状でも、隙間なく放熱部材10に取り付けることができる。これにより、変換キャップ20と放熱部材10との接続部分から漏れた液体が、検知帯40と放熱部材10との隙間を通って、検知帯40の下方に流れることを防ぐことができる。この結果、より確実に液体の漏出検知を行うことができる。
【0054】
また、検知帯40は、FPC基板の導電パターンが金メッキ加工されているため、錆が発生することを防止することができる。この結果、検知帯40の耐久性を向上させることができ、長期間に亘って液体の漏出検知を行うことができる。
【0055】
また、検知帯40は、両面テープと取付ビス42とを併用して放熱部材10に取り付けているので、検知帯40が放熱部材10から外れることを、より確実に防止することができる。この結果、放熱部材10から外れた検知帯40が落下して他の回路等に接触することを防ぐことができ、安全性を向上させることができる。
【0056】
また、検知帯40は、FPC基板に導電パターンのみを設けているので、検知帯40にさらに吸水材を設ける場合に比べて、FPC基板や導電パターンに付着した液体を拭き取ることのみで漏水状態から早期に復帰することができる。
【0057】
〔変形例〕
なお、上述した照明装置1では、基板5は放熱部材10に4つが取り付けられ、放熱部材10の基板取付面12は、4つの基板取付面12がW字状の形状となって形成されているが、基板5の数や、基板取付面12の形態は、これ以外でもよい。基板5の数や基板取付面12の形態は、照明装置1が必要とする光量や配光特性に応じて、適宜設定されるのが好ましい。
【0058】
また、上述した照明装置1では、液体流路11は1つの放熱部材10に2つが形成されているが、液体流路11は、これ以外の数で形成されていてもよい。液体流路11は、液体によって冷却を行う基板5や発光素子6の数や出力、設置形態等に応じて、適宜設定されるのが好ましい。
【0059】
また、上述した照明装置1では、検知帯40にFPC基板を用いているが、検知帯40は、FPC基板以外によって構成してもよい。検知帯40は、例えば、一部にフレキシブル性を有する基板であるリジットフレキシブル基板を用いてもよく、放熱部材10の周囲に亘って設置することができるものであれば、その形態は問わない。
【0060】
また、上述した照明装置1では、液体供給パイプ35は、変換キャップ20に対して上方から接続されているが、液体供給パイプ35は、変換キャップ20に対して上方以外から接続されていてもよい。変換キャップ20が放熱部材10の上端に接続されている場合は、液体供給パイプ35と変換キャップ20との相対関係に関わらず、変換キャップ20と放熱部材10との接続部分の近傍における下方に検知帯40を設置することにより、適切に液体の漏出を検知することができる。
【0061】
また、上述した照明装置1では、変換キャップ20に接続される液体供給手段として、液体供給パイプ35が接続される例を挙げたが、変換キャップ20に接続される液体供給手段は、液体流路11からの液体の排出用のパイプであってもよい。変換キャップ20と液体流路11との間の液体の流れ方向に関わらず、変換キャップ20と放熱部材10との接着が適切に行われなかった場合には液体の漏出が発生するので、この場合も、接続部分の近傍における下方に、検知帯40を設置して液体の漏出を検知するのが好ましい。
【0062】
また、上述した照明装置1では、変換キャップ20を用いていたが、放熱部材10および液体供給手段である液体供給パイプ35の断面形状が略同じであれば、変換キャップ20を用いずに、液体供給パイプ35が直接放熱部材10と接続されてもよい。
【0063】
また、上述した照明装置1では、検知帯40は、上下方向の位置は変わることなく放熱部材10の周囲に設けられているが、検知帯40は、上下方向の位置を変化させて放熱部材10の周囲に設けられていてもよい。
図6は、実施形態に係る照明装置の変形例であり、検知帯が段差を有する場合の説明図である。検知帯40は、例えば、
図6に示すように、放熱部材10の周方向における任意の位置で、上下方向における位置を変化させて、段差を有して放熱部材10の周囲に設けてもよい。検知帯40は、放熱部材10の形状等に応じて、放熱部材10に対して適切な設置形態で設けるのが好ましい。
【0064】
また、上述した照明装置1では、検知帯40は、放熱部材10の周囲に亘って設けられているが、検知帯40は、必ずしも放熱部材10の周囲全体に設けられていなくてもよい。
図7は、実施形態に係る照明装置の変形例であり、検知帯が局部的に設けられる場合の説明図である。検知帯40は、例えば、
図7に示すように、放熱部材10の周囲における局部的に設けてもよい。この場合、検知帯40にはハーネス50を電気的に接続し、放熱部材10の周囲における残りの部分には、このハーネス50を配設することにより、検知帯40は、ハーネス50を含んだ状態で、放熱部材10の周囲に設ける。このように検知帯40は、放熱部材10の周囲全体には設けずに、例えば液体の漏出が発生する可能性の高さに応じて、必要な部分のみに設けてもよい。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。